JP7095820B1 - 水溶性レゾール型フェノール樹脂の水溶液 - Google Patents

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Abstract

未反応フェノールの含有量が0.1質量%以下であり、未反応アルデヒドの含有量が0.1質量%以下である、水溶性レゾール型フェノール樹脂。

Description

本発明は、ホルムアルデヒドとフェノールの含有量が低減された、水溶性レゾール型フェノール樹脂に関する。
フェノール樹脂はその硬化物の耐熱性、機械的強度の高さなどにより、多くの分野で用いられている代表的な熱硬化性樹脂である。フェノール樹脂は、例えば、各種の基材に含浸または塗布されて使用されたり、各種有機、無機基材のバインダーとして使用されたりしている。フェノール樹脂には、ヘキサメチレンテトラミンなどの硬化剤を添加して加熱硬化するノボラック型フェノール樹脂と、単独で加熱硬化するレゾール型フェノール樹脂とに大別され、性状、用途、目的等により使い分けが行われている。
これらのフェノール樹脂の中でも、環境対応化や作業環境改善のため、アンモニアフリーが要求される用途や、溶剤フリーが必要な場合には、水溶液あるいは乳濁液の形態で使われる用途で親水性が高いレゾール型フェノール樹脂が多く用いられている。水溶性レゾール樹脂は、例えば、研磨布紙用のバインダーとして使用されている。レゾール樹脂は砥粒保持力や耐熱性に優れており、高い研削性が得られる。
しかし、このレゾール型フェノール樹脂は、大気環境保護の観点、および人体環境の保護の観点から望ましくない物質である未反応フェノール類、およびアルデヒド類を含む。ホルムアルデヒドの含有量が低減されたレゾール型フェノール樹脂を得るためには、アルデヒド類に対して過剰量のフェノール類を反応させれば良いが、過剰量のフェノール類を用いて得られるレゾール型フェノール樹脂は、未反応のフェノール類を多く含むため硬化性が悪く、さらに得られる硬化物において、市場が要求する機械的強度を満足するものではなかった。また、アルデヒド類に対して過剰量のフェノール類を用いて得られるレゾール型フェノール樹脂は、未反応のフェノール類を多量に含むため、環境面や労働安全衛生面から使用することは好ましくない。
上記問題を解決するための技術として、特許文献1には、ホルムアルデヒドやフェノールといった未反応モノマー量を低減させることができるレゾール樹脂の製造方法が記載されている。特許文献1には、ノボラック樹脂中のフェノール成分のモル数と、触媒としてのアルカリ金属水酸化物とを特定の比率で用いるとともに、アルデヒド類とフェノール類とを特定の割合で反応させることにより、未反応のフェノール類の含有量を制御することが記載されている。
特許第4013111号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、未反応のフェノール類の含有量を非常に低いレベルにまで低減することは可能であるものの、未反応のホルムアルデヒドが不可避的な量で残存していた。
本発明は、未反応モノマーであるフェノールとアルデヒドとの両方の残存量が非常に低減されるとともに、水溶性を有するレゾール型フェノール樹脂を提供することを目的とする。
本発明によれば、未反応フェノールの含有量が0.1質量%以下であり、未反応アルデヒドの含有量が0.1質量%以下である、水溶性レゾール型フェノール樹脂の水溶液が提供される
本発明によれば、未反応フェノールと未反応アルデヒドの残存量がともに低減され、かつ水溶性を有し、よって環境負荷および人体への負荷が低減され、より広い適用範囲を有するレゾール型フェノール樹脂が提供される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態のレゾール型フェノール樹脂は、水溶性のフェノール樹脂であり、未反応フェノールの含有量が0.1質量%以下であり、未反応アルデヒドの含有量が0.1質量%以下である。
本実施形態のレゾール型フェノール樹脂は、特定の反応条件を使用し、触媒の存在下、ノボラック型フェノール樹脂(A)とアルデヒド類とを反応させことにより製造される。本実施形態のレゾール型フェノール樹脂の製造に用いられるノボラック型フェノール樹脂(A)は、フェノール類とアルデヒド類との反応で得られる。その際、ノボラック型フェノール樹脂樹脂中に残留した未反応のフェノール類の含有量と分子量とを制御することにより、最終的に得られるレゾール型フェノール樹脂中に残存する未反応フェノールおよび未反応アルデヒドを低減することができる。
上記ノボラック型フェノール樹脂(A)は、例えば、次の工程を経て製造することが出来る。まず、フェノール類とアルデヒド類とを、酸触媒の存在下、100℃で1~5時間反応させる。その後、得られた反応混合物に含まれる未反応のフェノールを、150℃~180℃の温度で、減圧下、水を逐添しながら、共沸除去する。ノボラック型フェノール樹脂中に残留した未反応フェノールの含有量が、好ましくは、0.1質量%以下、より好ましくは、0.09質量%以下、さらにより好ましくは0.08質量%以下、特に好ましくは、0.01質量%程度の量まで低減させておくことが特に好ましい。
また、ノボラック型フェノール樹脂(A)の製造において、フェノール類とホルムアルデヒド類の割合は、〔ホルムアルデヒド〕/〔フェノール類〕=0.3~0.6〔モル比〕であることが好ましく、0.4~0.5であることがより好ましい。モル比が、0.3未満でも製造は可能であるが、モル比が低下するに従い収率が悪くなり経済的には好ましくない。また0.6を超えると、生成物であるノボラック型フェノール樹脂の分子量に調整が困難になり好ましくない。
ノボラック型フェノール樹脂(A)を製造するために原料として使用するフェノール類としては、特に限定されるものではなく、たとえば、フェノール;クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノールなどのアルキルフェノール類;レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類;フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノールなどのハロゲン化フェノール;フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノールなどの1価フェノール置換体;およびナフトールなどが挙げられる。またこれらのフェノール類は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。最終の目標生成物である水溶性のレゾール型フェノール樹脂を得るためには、レゾルシンおよびフェノールが好ましく、安価な製品を得る観点では、フェノールが好ましい。
ノボラック型フェノール樹脂(A)を製造するために原料として使用するアルデヒド類としては、フェノール樹脂製造の際に一般的に良く用いられるホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が有効であり、ウロトロピンも用いることができる。中でも、ホルムアルデヒドが好ましい。アルデヒド類は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ノボラック型フェノール樹脂(A)を製造するために用いられる酸触媒としては、ノボラック樹脂の製造の際一般的に用いられる酸が使用可能であり、例えば、蓚酸、塩酸、燐酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸、或いはハイオルソノボラック樹脂の触媒である酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛等が挙げられる。
ノボラック型フェノール樹脂(A)は、ノボラック樹脂の合成過程でフェノールと例えばエポキシ樹脂、トリアジン類等を任意の割合で反応させたいわゆる変性ノボラック樹脂も用いることができる。これらで変性されたノボラック樹脂をレゾール樹脂製造の際の原料として用いると、本発明の手法で製造されたレゾール樹脂に耐水性や、耐熱性を付与することも可能である。
本実施形態のレゾール型フェノール樹脂は、上述のノボラック型フェノール樹脂(A)を用いて、以下の方法を用いて製造することができる。
本実施形態のレゾール型フェノール樹脂は、上記ノボラック型フェノール樹脂(A)とアルデヒド類とを、塩基性触媒の存在下で反応させることにより製造できる。塩基性触媒としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア、モノエタノールアミンなどの第1級アミン、ジエタノールアミンなどの第2級アミン;およびトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロウンデセンなどの第3級または酢酸亜鉛等を用いることができる。中でも、アルカリ金属の水酸化物を用いることが好ましく、水酸化ナトリウムを用いることが特に好ましい。これらの触媒は1種或いは2種類の併用で反応させても良い。更に触媒を中和する目的で、硫酸、塩酸、燐酸、パラトルエンスルホン酸等を用いても良い。
本実施形態のレゾール型フェノール樹脂の製造におけるノボラック型フェノール樹脂(A)とアルデヒド類の比率である、〔アルデヒド〕/〔ノボラック型フェノール樹脂〕のモル比は、未反応のノボラック型フェノール樹脂成分が残留せずに、得られるレゾール型フェノール樹脂の硬化性などの物性が良好となる点から、0.5以上が好ましく、また、未反応ホルムアルデヒドが残留せずに、環境対策上好ましい点から4.0以下が好ましい。得られるレゾール型フェノール樹脂に残存する未反応のホルムアルデヒドの量をさらに低減する観点から、〔アルデヒド〕/〔ノボラック型フェノール樹脂〕のモル比は、1.0~2.5(モル比)がさらに好ましく、1.5~2.0(モル比)が特に好ましい。なお、〔アルデヒド〕/〔ノボラック型フェノール樹脂〕のモル比は、上述の方法で得られたノボラック型フェノール樹脂(A)のGPC測定により求めた数平均分子量Mn、および使用するアルデヒドの分子量の情報に基づいて、それぞれ、使用するノボラック型フェノール樹脂(A)の重量とアルデヒドの重量とを目的のモル数となるよう計量することにより調整することができる。
好ましくは、塩基性触媒はアルカリ金属の水酸化物であることが好ましく、アルカリ金属水酸化物は、原料として用いるノボラック型フェノール樹脂(A)に対し、〔ノボラック型フェノール樹脂のモル数〕/〔アルカリ金属のモル数〕の値が5~15、好ましくは8~12となる量で使用されることが好ましい。上記量でアルカリ金属水酸化物触媒を用いることにより、未反応のアルデヒド類の残留量を低減することができる。ここでノボラック型フェノール樹脂のモル数は、ノボラック型フェノール樹脂(A)のGPS測定により求められる数平均分子量Mnと、使用するノボラック型フェノール樹脂の重量とから算出できる。また、アルカリ金属のモル数は、用いるアルカリ金属の水酸化物の分子量より求めることができる。よって、〔ノボラック型フェノール樹脂のモル数〕/〔アルカリ金属のモル数〕の値は、用いるノボラック型フェノール樹脂(A)の量と、触媒としてのアルカリ金属水酸化物の量とを調整することにより、目的の範囲に制御することができる。
本実施形態のレゾール型フェノール樹脂の製造に用いられるアルデヒドおよび塩基性触媒としてのアルカリ金属水酸化物は、ノボラック型フェノール樹脂の数平均分子量に基づいて、上記のモル比となるような量で使用される。これにより、得られるレゾール型フェノール樹脂中に未反応物として残存するアルデヒドの量を高度に制御することができる。
本実施形態のレゾール型フェノール樹脂を製造するためのより具体的な方法としては以下が挙げられる。まず、フェノールと37%濃度のホルムアルデヒド水溶液の混合物に、反応触媒として蓚酸を添加し、反応系内の温度を100℃とし、1~5時間反応させた後、150℃で、メタノールを逐添しながら減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂(A)を得る。得られたノボラック型フェノール樹脂樹脂(A)中の残留フェノール量は、0.1質量%以下、より好ましくは、0.09質量%以下、さらに好ましくは、0.08質量%以下である。
次いで、上記反応で得られたノボラック型フェノール樹脂(A)と37%濃度のホルムアルデヒド水溶液とを〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕=0.3~0.6〔モル比〕となる割合で混合した混合物に、触媒として48%濃度の水酸化ナトリウムを添加し、50~80℃の温度で1~5時間反応して、レゾール型フェノール樹脂を得る。このようにして得られたレゾール型フェノール樹脂中の残留フェノール量は、樹脂に対して0.1質量%以下であり、好ましくは、0.09質量%以下であり、より好ましくは、0.08質量%以下である。またこのレゾール型フェノール樹脂中の残留フェノール量は、樹脂に対して、0.1質量%以下であり、好ましくは、0.09質量%以下であり、より好ましくは、0.08質量%以下である。
本実施形態のレゾール型フェノール樹脂は、上記の方法で製造された水溶液の形態で提供される。ここで、水溶液の形態とは、得られたレゾール型フェノール樹脂水溶液が、その製造工程で使用されたメタノールなどの有機溶媒を実質的に含まないことをいう。有機溶媒を実質的に含まないとは、レゾール型フェノール樹脂水溶液中に、有機溶媒が0.1質量%以下の量で含まれることを意味する。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、実施形態の例を付記する。
1. 未反応フェノールの含有量が0.1質量%以下であり、未反応アルデヒドの含有量が0.1質量%以下である、水溶性レゾール型フェノール樹脂。
2. 有機溶媒を実質的に含まない、1.に記載の水溶性レゾール型フェノール樹脂。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
2リットルの4つ口フラスコに、撹拌機、温度計をセットし、フェノール400gと蓚酸二水和物0.4gを添加し、還流温度(100℃)まで昇温し、37%ホルマリン138gを1時間かけて滴下した。還流温度で1時間反応させた後、常圧で蒸留し100℃まで昇温した。そのあと、70Torrの減圧下、150℃まで昇温し、水40gを減圧下で1時間かけて滴下しながら、フェノールを共沸除去した。得られた反応混合物のGPSを測定したところ、生成したノボラック型フェノール樹脂の数平均分子量は500であった。また得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーで測定したところ、未反応のフェノール量は、0.1質量%であった。得られた反応混合物を60℃まで冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液18g、37%ホルマリン24.2g(〔ノボラック型フェノール樹脂〕/〔水酸化ナトリウム〕のモル比=11)を添加して、60℃で1時間反応させ、その後水64gを添加して、レゾール型フェノール樹脂を水溶液の形態で得た。135℃における不揮発分は68%、水との混和性は210%、ガスクロマトグラフィーを用いて測定した、未反応フェノール量は検出限界(0.1質量%)以下であり、未反応ホルムアルデヒド量は0.07質量%であった。
実施例1で得られたレゾール型フェノール樹脂は、未反応フェノールの残存量、および未反応ホルムアルデヒドの残存量がともに、0.1質量%以下であるため、労働安全衛生法特定化学物質障害予防規則(以下、「安衛法特化則」)の適用から除外される。
(比較例1)
2リットルの4つ口フラスコに攪拌機、温度計をセットし、フェノール941gと37.2%ホルマリン40.3gとを仕込み、蓚酸2水和物8.82gを添加し、還流温度(100℃)に昇温し、更に37.2%ホルマリン362.9gを1時間かけて滴下した。還流温度で3時間反応した後、蒸留を開始し180℃迄昇温した。その後温度を220℃まで上げ50torr(6.65kPa)で減圧蒸留を1時間行いB&R法の軟化点75℃、ガスクロマトグラフィーで測定した未反応フェノール量0.3質量%、GPCによる数平均分子量780であるノボラック樹脂(Ia)を得た。該ノボラック型フェノール樹脂を固形分80%になるようにメタノールで希釈してノボラック樹脂(Ia)のメタノール溶液を以下供試した。次いで、上記で得られたノボラック型フェノール樹脂(Ia)のメタノール溶液131.3gと37%ホルマリン60.8gを良く混合し、これに48%水酸化ナトリウム10.5g(〔ノボラック型フェノール樹脂〕/〔水酸化ナトリウム〕のモル比=0.44)を添加し、70℃迄昇温した。70℃で4時間反応した後、冷却し、レゾール型フェノール樹脂(IIa)水溶液を得た。この樹脂の135℃に於ける不揮発分は50.8%、150℃に於けるゲル化時間は68秒であった。この樹脂の水との混和性(測定方法;25℃に於いて樹脂10gに対して水32gを添加した際に濁りを生じる添加量を%で表示する。以下同じ)は320%であり、GPCで測定し未反応フェノールは検出限界以下であった。またガスクロマトグラフィーを用いて測定した未反応フェノール量は0.02質量%であった。ガスクロマトグラフィーを用いて測定した未反応ホルムアルデヒド量は、0.6質量%であった。またこの樹脂の13C-NMRで測定した結合モル比は1.49であった。
比較例1で得られたレゾール型フェノール樹脂は、未反応ホルムアルデヒドの残存量が、0.1質量%を超えるため、安衛法特化則の適用を受け、一層厳密な作業管理が必要となる。
(比較例2)
2リットルの4つ口フラスコに攪拌機、温度計をセットしフェノール941gと37.2%ホルマリン40.3gとを仕込み蓚酸2水和物8.82gを添加し、還流温度100℃に昇温し、更に37%ホルマリン202.7gを1時間かけて滴下した。還流温度で5時間反応した後、蒸留を開始し180℃迄昇温した。その後温度を220℃まで上げ50torr(6.65kPas)で減圧蒸留を1時間行い環球法(B&R法)の軟化点が45℃、ガスクロマトグラフィーで測定した残留フェノール量0.1質量%、GPCによる数平均分子量610、また13C-NMRで求めた結合モル比が0.75であるノボラック樹脂(Ib)を得た。前記ノボラック樹脂(Ib)をメタノールで固形分80%に希釈して供試した。上記で得られたノボラック樹脂(Ib)のメタノール溶液131.3gと37%ホルマリン36.5gを良く混合し、これに48%水酸化ナトリウム10g(〔ノボラック型フェノール樹脂〕/〔水酸化ナトリウム〕のモル比=0.50)を添加し、70℃迄昇温した。70℃で4時間反応した後、常温まで冷却し、レゾール型フェノール樹脂(IIb)水溶液を得た。この樹脂の粘度は1020mPa・s(25℃)、150℃のゲル化時間は110秒、135℃に於ける不揮発分は68%、水との混和性は250%であった。GPCでの測定した残留フェノールの含有量は検出限界以下であり、GC(ガスクロマトグラフィー)で測定した未反応フェノールは0.01質量%であった。ガスクロマトグラフィーを用いて測定した未反応ホルムアルデヒド量は、0.3質量%であった。13C-NMRで測定したこの樹脂の結合モル比は1.20であった。
比較例2で得られたレゾール型フェノール樹脂は、未反応ホルムアルデヒドの残存量が、0.1質量%を超えるため、安衛法特化則の適用を受け、一層厳密な作業管理が必要となる。
この出願は、2020年9月7日に出願された日本出願特願2020-149620号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (2)

  1. 未反応フェノールの含有量が0.1質量%以下であり、未反応アルデヒドの含有量が0.1質量%以下である、水溶性レゾール型フェノール樹脂の水溶液
  2. 有機溶媒を実質的に含まない、請求項1に記載の水溶性レゾール型フェノール樹脂の水溶液
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