JP7093942B2 - 連結構造体 - Google Patents

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Description

この発明は連結構造体に関し、特に地震時等において橋梁等の上部構造体の変位による下部構造体の損傷を低減するための連結構造体に関するものである。
図23は、特許文献1で開示された従来の橋梁落下防止装置の縦断側面図であり、図24は、図23で示したXXIV矢視拡大断面図であり、図25は、図24で示したXXV-XXVラインから見た概略断面図である。
これらの図を参照して、従来の橋梁落下防止装置91は、プレストレスコンクリート桁94の間に敷設される上部構造物97の端部の横桁98と橋脚92とを連結するように取り付けられる。
橋脚92上に、ゴム等の支持部材93を介してプレストレスコンクリート桁94が所定の間隔を隔てて載置され、その上に床版95及び舗装96が敷設される。
橋梁落下防止装置91は、アンカーバー101とその上部103に嵌めて装着された硬質発泡体102とからなり、アンカーバー101と硬質発泡体102とは容易には外れない程度に接合している。
これにより、複数の橋梁落下防止装置91を容易に、且つ正確に設置できる。又、地震等による横荷重を複数の橋梁落下防止装置91が各々等しく支持することができ、より確実に橋梁の落下を防止することができる。
特開平8-177014号公報
上記のような従来の橋梁落下防止装置91では、上部構造物97に横荷重である力が加わり、水平変位がある一定以上になると、アンカーバー101を介して、図25の実線の矢印で示したようにアンカーバー101が固定された橋脚92が損傷する虞があった。
図26は、図23で示した橋梁落下防止装置に、力が加わったときの状態について簡略的に説明する模式図である。
図26の(1)を参照して、アンカーバー101の上部に対して、右方から水平方向の力Fが、かかった状態である。アンカーバー101は、橋脚92に固定されているため、アンカーバー101の左方に位置する橋脚92から、アンカーバー101に対して力fがはたらく。このとき、次式の数1のように、力Fと力fとは等しい関係にあると簡略化する。以下同様にして検討する。
Figure 0007093942000001
図26の(2)を参照して、アンカーバー101の上部に対して、右方から水平方向の力Fが、かかった状態にあり、橋脚92が損傷する直前の状態である。アンカーバー101の露出した上部は左方へ湾曲し、アンカーバー101の水平変位は、最大変位δである。このとき、アンカーバー101の左方に位置する橋脚92から、アンカーバー101に対して力fがはたらく。このとき、力Fと力fとは、次式の数2のような関係にある。
Figure 0007093942000002
従って、F以上の力がアンカーバー101の上部に対してかかると、橋脚92はアンカーバー101を介して伝わった力に耐えきらずに、損傷してしまうことになる。橋脚92が損傷すると、アンカーバー101の設置位置が不安定となり、変位制限効果が十分発揮できない。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、下部構造体の損傷する可能性が低減すると共に、補強の信頼性が向上する連結構造体を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、連結構造体であって、下部構造体と、下部構造体に固定され、上方に延びるストッパー棒と、下部構造体の上面において、ストッパー棒の周りに設けられる根巻コンクリートと、下部構造体及び根巻コンクリートの上方に配置され、ストッパー棒と係合して水平変位が最大変位以下に制限される上部構造体と、根巻コンクリートを下部構造体に固定する固定手段と、ストッパー棒の周りに配置されると共に根巻コンクリートの上面に取り付けられ、上部構造体が最大変位の状態にある時、変形したストッパー棒の側壁に当接する補強プレートとを備えるものである。
このように構成すると、根巻コンクリートの浮き上がりを防止することができる。又、根巻コンクリートにかかる荷重を分散させることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、固定手段は、補強プレートを介して、根巻コンクリートを下部構造体に固定するものである。
このように構成すると、根巻コンクリートが剥離するような荷重に対して、固定手段により根巻コンクリートの剥離を抑えるような抗力がはたらく。又、根巻コンクリートの剥離を抑えるような抗力を補強プレートで支持することができる。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、根巻コンクリートの浮き上がりを防止することができるため、下部構造体の損傷する可能性が低減する。又、根巻コンクリートにかかる荷重を分散させることができるため、根巻コンクリートの耐久性の向上を図ることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、根巻コンクリートの下端部の一方が浮くような荷重がかかった場合、固定手段の抗力により根巻コンクリートの浮き上がりを防止することができる。又、根巻コンクリートの上面において部分的な荷重が加わらないので、根巻コンクリートの破損を防止することができる。
この発明の第1の実施の形態による連結構造体の使用状態を示す概略断面図である。 図1で示した連結構造体の補強プレートの概略斜視図である。 図2で示したIII-IIIラインから見た概略断面図である。 図1で示した連結構造体の上部構造体に力が加わり水平方向に変位した状態を示す概略断面図である。 図1で示した連結構造体のストッパー棒に、力が加わったときにおける力の分散の原理について説明する模式図であって、図26に対応した図である。 図4で示したVI-VIラインから見た補強プレートの状態を示す概略断面図である。 この発明の第2の実施の形態による連結構造体の補強プレートの状態を示す概略断面図であって、図6に対応した図である。 この発明の第3の実施の形態による連結構造体の使用状態を示す概略断面図であって、図1に対応した図である。 図8で示したIX-IXラインから見た概略断面図である。 図8で示した連結構造体の上部構造体に力が加わり水平方向に変位した状態を示す概略断面図であって、図4に対応した図である。 図8で示した連結構造体の設置工程の一部を示す概略断面図であって、図8の“X”部分に対応した図である。 図11で示した設置工程に続く連結構造体の設置工程の他の一部を示す概略斜視図である。 この発明の第4の実施の形態による連結構造体の補強プレートを示す概略断面図であって、図3に対応した図である。 図13で示した連結構造体の補強プレートを用いた設置工程の一部を示す概略断面図である。 図14で示した設置工程に続く連結構造体の設置工程の他の一部を示す概略斜視図である。 図15で示したXVI-XVIラインから見た概略断面図である。 この発明の第5の実施の形態による連結構造体を示す概略断面図であって、図9に対応した図である。 この発明の第6の実施の形態による連結構造体を示す概略断面図であって、図8のX部分に対応した図である。 図18で示したXIX-XIXラインから見た補強プレートの状態を示す概略断面図である。 図18で示した連結構造体においてアンカーボルトを用いない場合の構成を示した比較図である。 図20で示したXXI-XXIラインから見た補強プレートの状態を示す概略断面図である。 図20で示した連結構造体において矢印K方向に水平力が加わった場合の状態を示す模式図である。 特許文献1で開示された従来の橋梁落下防止装置の縦断側面図である。 図23で示したXXIV矢視拡大断面図である。 図24で示したXXV-XXVラインから見た概略断面図である。 図23で示した橋梁落下防止装置に、力が加わったときの状態について説明する模式図である。
図1は、この発明の第1の実施の形態による連結構造体の使用状態を示す概略断面図であり、図2は、図1で示した連結構造体の補強プレートの概略斜視図であり、図3は、図2で示したIII-IIIラインから見た概略断面図である。
これらの図を参照して、第1の実施の形態による連結構造体11は、コンクリートからなる下部構造体20と、下部構造体20に固定され、上方に延びる円柱形状を有する鋼製のストッパー棒31と、下部構造体20の上方に配置され、ストッパー棒31と係合して水平変位が最大変位以下に制限される橋梁の橋桁等の上部構造体50と、ストッパー棒31の周りに配置されると共に下部構造体20の上面21に取り付けられ、上部構造体50が後述する最大変位δの状態にある時、変形したストッパー棒31の側壁32に当接する補強プレート61とから構成される。ここでは、ストッパー棒31の直径Rは、32mmに設定されている。補強プレート61の厚さHは、45mmに設定されている。又、ストッパー棒31における下部構造体20に埋設された長さHは、480mmに設定されている。
補強プレート61は、鉄板等からなる平板形状を有し、ストッパー棒31の全周を囲う貫通口64が中央に形成されている。又、補強プレート61は、その下面81に係合穴77を有する4つの凹み部80が貫通口64の周囲の四隅付近に等間隔で形成されている。このように形成することで、後述するボルト26の頭部27が補強プレート61の上面に露出しないため、上部構造体50の適切な配置を妨げない。ここでは、補強プレートの平面視における横の長さWは、300mmに、縦の長さLは、300mmに設定されている。貫通口64の直径Rは、ストッパー棒31の直径R(32mm)よりも大きく設定されている。尚、貫通口64の直径Rは、ストッパー棒31の直径Rと等しく形成されても良い。
下部構造体20は、上面21に4つのアンカー24に螺合する4つのボルト26が設置され、補強プレート61は、ボルト26に係合する4つの係合穴77を介して、下部構造体20に固定される。
上部構造体50の下面51には、ストッパー棒31を挿入できると共に、ストッパー棒31によって上部構造体50の水平変位が規制されるストッパー孔53が形成されている。このように形成することにより、上部構造体50の水平変位が規制されるため、上部構造体50の配置の設定が容易となる。
図4は、図1で示した連結構造体の上部構造体に力が加わり水平方向に変位した状態を示す概略断面図である。
図を参照して、連結構造体11において、ストッパー棒31の側壁32は、補強プレート61の貫通口64の内壁に当接した状態である。上部構造体50からストッパー棒31に対して、破線の矢印の方向へ力が加わっている。この力が伝達して、ストッパー棒31から補強プレート61に対して、実線の矢印の方向へ力が加わっている。
このときの力のかかり具合について、次に説明する。
図5は、図1で示した連結構造体のストッパー棒に、力が加わったときにおける力の分散の原理について説明する模式図であって、図26に対応した図であり、図6は、図4で示したVI-VIラインから見た補強プレートの状態を示す概略断面図である。
図5の(1)を参照して、ストッパー棒31の上部に対して、右方から水平方向の力Fが、かかった状態である。図1及び図3で示したように、補強プレート61の貫通孔64の直径Rは、ストッパー棒31の直径Rよりも大きく設定されているため、ストッパー棒31の側壁32と補強プレート61の貫通口64の内壁との間には、隙間62が存在する。又、ストッパー棒31は、下部構造体20に固定されているため、ストッパー棒31の左方に位置する下部構造体20から、ストッパー棒31に対して力fがはたらく。このときの関係は、図26で示した数1と同一の関係である。
図5の(2)を参照して、図26の(2)で示したように従来の橋梁落下防止装置91であれば、下部構造体20が損傷する直前の状態である力Fが、かかった状態である。即ち、ストッパー棒31の上部に対して、右方から水平方向の力Fが、かかった状態にあり、ストッパー棒31の露出した上部は左方へ湾曲し、ストッパー棒31の水平変位は、最大変位δにある。尚、ストッパー棒31は、鋼製からなり、実際には撓む程度であり、ここでは分かり易く説明するために湾曲させている。
このとき、ストッパー棒31の側壁32は、補強プレート61の貫通口64の内壁に当接している。そのため、ストッパー棒31の左方に位置する補強プレート61から、ストッパー棒31に対して、力fがはたらく。又、ストッパー棒31の左方に位置する下部構造体20から、力fがはたらく。よって、力Fと、力fと、力fとの間の関係は、次式の数3のようになる。
Figure 0007093942000003
数3から、次式の数4が導かれる。
Figure 0007093942000004
即ち、力fは、F-fとなることから、力Fよりも小さいといえる。又、上述の数2より、力Fは、力fと等しい。
又、補強プレート61にかかった力fは、図6で示した4つのボルト26a~26dの各々にかかる力Sと、補強プレート61と下部構造体20の上面21との間にはたらく摩擦力nとに分散される。即ち、次式の数5の関係となる。
Figure 0007093942000005
これらから、下部構造体20にかかる力fは、力Fよりも小さくなる。又、図26で示したように、従来の橋梁落下防止装置91であれば下部構造体20が損傷する力Fが加わっても、ストッパー棒31の変形による下部構造体20に加わる力が分散するため、下部構造体20の損傷する可能性が低減する。
又、上述したように、補強プレート61は、図6を参照して、ストッパー棒31の全周を囲う貫通口64が形成されているため、上部構造体50の変位方向が制限されないため、補強の信頼性が向上する。
更に、ストッパー棒31の変形による下部構造体20に加わる力が、下部構造体20に固定された4つのボルト26a~26dへ分散するため、ボルト数が3つ以下の構造に比べて、下部構造体20の損傷する可能性が更に低減している。
図7は、この発明の第2の実施の形態による連結構造体の補強プレートの状態を示す概略断面図であって、図6に対応した図である。
尚、この第2の実施の形態による連結構造体12は、図1で示した連結構造体11と基本的な構成は同一である。ここでは、その相違点を中心に説明する。
図を参照して、第2の実施の形態による連結構造体12の補強プレート61は、図6で示した連結構造体11に比べて、係合穴77の個数が8つに増えたものである。よって、8つの係合穴77a~77hは、8つのボルト26a~26hに係合している。従って、ボルト26a~26hの各々の各々にかかる力Sが、図5で示した力Sよりも小さくなるため、補強の信頼性が向上する。
図8は、この発明の第3の実施の形態による連結構造体の使用状態を示す概略断面図であって、図1に対応した図であり、図9は、図8で示したIX-IXラインから見た概略断面図であり、図10は、図8で示した連結構造体の上部構造体に力が加わり水平方向に変位した状態を示す概略断面図であって、図4に対応した図である。
尚、この第3の実施の形態による連結構造体13は、図1で示した連結構造体11と基本的な構成は同一である。ここでは、その相違点を中心に説明する。
これらの図を参照して、第3の実施の形態による連結構造体13の上部構造体50は、図1で示した連結構造体11のストッパー孔53は形成されておらず、代りに、ストッパー棒31の全周を囲う貫通孔56が形成された連結板55を含んで構成される。
連結板55は、平板形状を有し、その中央位置に貫通孔56が形成され、上部構造体50の側壁52に固定されている。ここでは、連結板55の厚さHは、62mmに設定されている。又、連結板55と補強プレート61との間の長さHは、25mmに設定されている。
ストッパー棒31には、ゴム材料からなり、リング形状を有する緩衝材59が取り付けられている。ストッパー棒31の緩衝材59は、連結板55の貫通孔56の内部に配置される。これにより、連結板55からの受ける衝撃力により、ストッパー棒31が損傷することを低減させる。
ストッパー棒31の上部には、緩衝材59の上面に当接するようにワッシャー46及びナット45が取り付けられている。
このように構成することによって、図1で示した連結構造体11の上部構造体50のストッパー孔53に比べて、ストッパー棒31の配置の自由度が拡がるため、上部構造体50の配置が容易となる。
図10を参照して、連結構造体13の上部構造体50に力が加わり水平方向に変位した状態にあっても、実線の矢印で示したように補強プレート61に加わった力は分散するので、図4で示した連結構造体11と同様の効果を奏する。
図11は、図8で示した連結構造体の設置工程の一部を示す概略断面図であって、図8の“X”部分に対応した図であり、図12は、図11で示した設置工程に続く連結構造体の設置工程の他の一部を示す概略斜視図である。
図11の(1)を参照して、下部構造体20の上面21に、ストッパー棒31と、アンカー24を固定設置する。
図11の(2)を参照して、補強プレート61の貫通口64を、ストッパー棒31の上部に挿し込むようにして、補強プレート61を下部構造体20の上面に載置する。そして、緩衝材59の開口60を、ストッパー棒31の上部に挿し込んで取り付ける。
図12の(1)を参照して、ボルト26を、補強プレート61の係合穴77を介して、アンカー24に螺合させる。これにより、補強プレート61を下部構造体20に固定する。
図12の(2)を参照して、上部構造体50を上方から下部構造体20に降下させる。その際、連結板55の貫通孔56を、ストッパー棒31の上部に挿し込む。そのとき、緩衝材59は、連結板55の貫通孔56の内部に位置する。
そして、緩衝材59の上面に当接するように、ワッシャー46及びナット45を、ストッパー棒31に取り付ける。
図13は、この発明の第4の実施の形態による連結構造体の補強プレートを示す概略断面図であって、図3に対応した図であり、図14は、図13で示した連結構造体の補強プレートを用いた設置工程の一部を示す概略断面図であり、図15は、図14で示した設置工程に続く連結構造体の設置工程の他の一部を示す概略斜視図であり、図16は、図15で示したXVI-XVIラインから見た概略断面図である。
尚、この第4の実施の形態による連結構造体14は、図8で示した連結構造体13と基本的な構成は同一である。ここでは、その相違点を中心に説明する。
図13を参照して、第4の実施の形態による連結構造体14の補強プレート61は、図8で示した連結構造体13では補強プレートが1枚であったのに対して、2枚の補強プレート61からなる点と、連結構造体13では開口であったものが切欠きに置き換わっている点とで相違している。
連結構造体14の補強プレート61は、一対の平板形状からなり、その各々の中央においてストッパー棒31の周りに配置できる切欠き70が形成され、一対の平板形状の一方に、一対の平板形状の他方を回転させて重ね合わせたときに、中央において重ねた切欠き70が平面視においてストッパー棒31の全周を囲うように形成されている。
設置に際して、図14の(1)を参照して、連結構造体14において、ストッパー棒31が固定された下部構造体20と、ストッパー棒31に係合する連結板55を有する上部構造体50とが、既に設置された状態にある。
この状態において、下部構造体20の上面21に、アンカー24を固定設置する。
図14の(2)を参照して、補強プレート61aの切欠き70aを、ストッパー棒31に係合させるように、水平方向から連結板55と下部構造体20との間を介して、補強プレート61aを下部構造体20の上面に載置する。
図15の(1)を参照して、補強プレート61bの切欠き70bを、ストッパー棒31に係合させるように、水平方向から連結板55と補強プレート61aとの間を介して、補強プレート61bを補強プレート61aの上面に載置する。
このとき、図16を参照して、補強プレート61bは、補強プレート61aを平面視180度回転させたものに対応する。即ち、補強プレート61aと補強プレート61bとを、平面視180度回転させて、ストッパー棒31の全周に係合させている。これにより、補強プレート61a及び61bの各々を、各々の切欠き70a及び70bによってストッパー棒31を平面視において囲うことができるため、既設のストッパー棒31に対して、補強プレート61の配置が可能となる。
図15の(2)を参照して、ボルト26を、補強プレート61bの係合穴77b及び補強プレート61aの係合穴77aを介して、アンカー24に螺合させる。これにより、補強プレート61a及び61bを下部構造体20に固定する。
図17は、この発明の第5の実施の形態による連結構造体を示す概略断面図であって、図9に対応した図である。
尚、この第5の実施の形態による連結構造体15は、図8で示した連結構造体13と基本的な構成は同一である。ここでは、その相違点を中心に説明する。
図を参照して、第5の実施の形態による連結構造体15の下部構造体20は、上面21に固定された鋼製の固定用架台28を含み、ストッパー棒31は、固定用架台28の固定部30に固定され、補強プレート61は、固定用架台28の上面29に取り付けられている。
固定用架台28は、下部構造体20の上面21に、複数のアンカー25によって固定設置されている。尚、アンカー25は、図8で示した連結構造体13のアンカー24に比べて長さが短く、その本数はアンカー24よりも多い。
このように構成することで、ストッパー棒31を固定できないような下部構造体20に対しても、固定用架台28を介して、ストッパー棒31を固定できるようになるため、固定用架台31の損傷を低減すると共に、連結構造体15における設置の自由度が向上する。
図18は、この発明の第6の実施の形態による連結構造体を示す概略断面図であって、図8のX部分に対応した図であり、図19は、図18で示したXIX-XIXラインから見た補強プレートの状態を示す概略断面図である。
尚、この第6の実施の形態による連結構造体16は、図1で示した連結構造体11と基本的な構成は同一である。ここでは、その相違点を中心に説明する。
これらの図を参照して、第6の実施の形態による連結構造体16は、概略的に言えば、図1で示した連結構造体11に更にストッパー棒31の周りに根巻コンクリート85が設けられた構成である。
尚、図1で示した連結構造体11では、ボルト26とアンカー24とを用いて、補強プレート61を、下部構造体20に直接固定する構成であったのに対し、連結構造体16では、補強プレート61は、根巻コンクリート85の上面に取り付けられており、固定手段としてのアンカーボルト87が根巻コンクリート85から下部構造体20にかけて埋設されており、アンカーボルト87が補強プレート61を介して根巻コンクリート85を下部構造体20に固定する構成である。
又、根巻コンクリート85から下部構造体20にかけて、鉄筋構造体86が埋設されている。鉄筋構造体86は、鉛直方向に延びるように配置され、根巻コンクリート85から下部構造体20にかけて埋設される鉛直鉄筋88と、水平方向に延びるように配置され、鉛直鉄筋88に溶接され、根巻コンクリート85に埋設される水平鉄筋89とから構成される。このように、鉄筋構造体86によっても根巻コンクリート85は下部構造体20に固定されている。
このように構成したときの効果について、以下、更に図面を参照しながら説明する。
図20は、図18で示した連結構造体においてアンカーボルトを用いない場合の構成を示した比較図であり、図21は、図20で示したXXI-XXIラインから見た補強プレートの状態を示す概略断面図であり、図22は、図20で示した連結構造体において矢印K方向に水平力が加わった場合の状態を示す模式図である。
これらの図を参照して、図18に示した連結構造体16においてアンカーボルトを用いない連結構造体17では、図20で示す矢印K方向に水平力が加わった場合、図22に示す実線矢印の方向に回転力が生じて、これにより根巻コンクリート85の下端部の一方が浮き上がるような荷重が加わる。このような荷重が加わることで、根巻コンクリート85から鉛直鉄筋88が剥離すると、根巻コンクリート85から鉛直鉄筋88が抜け、これにより根巻コンクリート85が浮き上がる。これに伴い、ストッパー棒31の露出した上部の根元部分Pに荷重が集中するので、この根元部分P周辺の下部構造体20が破損する、あるいはストッパー棒31が根元部分Pにおいて破損するおそれがある。
再び、図18及び図19を参照して、連結構造体16によれば、アンカーボルト87が下部構造体20に埋設されているので、鉛直鉄筋88が根巻コンクリート85から剥離するような荷重に対して、アンカーボルト87の軸力(締め付け力)により鉛直鉄筋88と根巻コンクリート85との剥離を抑えるような抗力がはたらく。即ち、根巻コンクリートの下端部の一方が浮くような荷重がかかった場合、このような抗力により根巻コンクリートの浮き上がりを防止することができる。
よって、下部構造体の損傷する可能性が低減する。
又、アンカーボルト87は、平板形状を有する補強プレート61を介して、根巻コンクリート85を下部構造体20に締結しているため、上述した鉛直鉄筋88と根巻コンクリート85との剥離を抑えるような抗力を補強プレート61の面で支持することができる。このため、根巻コンクリート85の上面において部分的な荷重が加わらないので、根巻コンクリート85の破損を防止することができる。即ち、補強プレート61を用いることで、根巻コンクリートにかかる荷重を分散させることができるので、根巻コンクリートの耐久性の向上を図ることができる。
尚、上記の各実施の形態では、補強プレートは、特定形状に形成されていたが、例えば円板形状のように、その他の形状から形成されても良い。
又、上記の各実施の形態では、補強プレートは、特定の素材から形成されていたが、その他の素材から形成されても良い。
更に、上記の各実施の形態では、補強プレートは、貫通口が形成されていたが、ストッパー棒の周りに配置されると共に下部構造体の上面に取り付けられ、上部構造体が最大変位の状態にある時、変形したストッパー棒の側壁に当接するものであれば、貫通口はなくても良い。
更に、上記の各実施の形態では、補強プレートは、特定の寸法に形成されていたが、それ以外の寸法に形成されても良い。
更に、上記の各実施の形態では、上部構造体は、橋梁の橋桁であったが、それ以外のものであっても良い。
更に、上記の各実施の形態では、下部構造体は、特定の素材から形成されていたが、その他の素材から形成されても良い。
更に、上記の各実施の形態では、補強プレートに対して、特定数のアンカー及び特定数のボルトが下部構造体に形成されていたが、少なくとも4つがあれば良い。又は、1つ以上であっても良い。
更に、上記の各実施の形態では、ストッパー棒は、特定の素材から形成されていたが、その他の素材から形成されても良い。
更に、上記の各実施の形態では、補強プレートは、凹み部が形成されていたが、凹み部はなく、係合穴だけが形成されても良い。
更に、上記の第1及び第2の実施の形態では、ストッパー棒は、緩衝材が取り付けられないものであったが、緩衝材が取り付けられても良い。
更に、上記の第1から第4の実施の形態では、ストッパー棒は、下部構造体に特定の長さで埋設されたものであったが、それ以外の長さで埋設されても良い。
更に、上記の第3から第5の実施の形態では、連結板は、特定箇所に形成されていたが、上部構造体のそれ以外の箇所に形成されても良い。
更に、上記の第3から第5の実施の形態では、連結板は、特定の寸法に形成されていたが、それ以外の寸法に形成されても良い。
更に、上記の第5の実施の形態では、固定用架台は、アンカーで下部構造体に取り付けられてあったが、取付対象によっては例えば溶接のようにそれ以外の方法で取り付けられても良い。
更に、上記の第1から第3及び第5の実施の形態では、補強プレートは、1枚から形成されていたが、例えば貫通口を境にして半分に分割したものであるように、2つ以上に分割して形成されるものであっても良い。
更に、上記の各実施の形態では、ストッパー棒は、特定形状に形成されていたが、例えば角柱形状のように、それ以外の形状に形成されても良い。
更に、上記の各実施の形態では、連結構造体は、地震時に用いられるものであったが、例えば車の振動のように、それ以外の目的で用いられても良い。
更に、上記の第6の実施の形態では、根巻コンクリートを固定するアンカーボルトの数は、4本だったが、これに限られず、設計に応じて、その数を6本、8本などに変更しても良い。
更に、上記の第6の実施の形態では、根巻コンクリート及び下部構造体に鉄筋構造体が埋設されている構造だったが、鉄筋構造体は省略しても構わない。
更に、上記の第6の実施の形態では、補強プレートを設ける構成であったが、補強プレートは省略しても構わない。
更に、上記の第6の実施の形態では、固定手段としてアンカーボルトを用いる構成だったが、これに限られない。固定手段は、根巻コンクリートを下部構造体に固定できるものであれば良く、例えば、上記の第1の実施の形態で説明したように、ボルト及びアンカーを用いる構成であっても良い。
11~16…連結構造体
20…下部構造体
21…上面
24…アンカー
26…ボルト
28…固定用架台
29…上面
31…ストッパー棒
32…側壁
50…上部構造体
51…下面
53…ストッパー孔
55…連結板
56…貫通孔
61…補強プレート
64…貫通口
70…切欠き
77…係合穴
80…凹み部
81…下面
85…根巻コンクリート
87…アンカーボルト
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (2)

  1. 連結構造体であって、
    下部構造体と、
    前記下部構造体に固定され、上方に延びるストッパー棒と、
    前記下部構造体の上面において、前記ストッパー棒の周りに設けられる根巻コンクリートと、
    前記下部構造体及び前記根巻コンクリートの上方に配置され、前記ストッパー棒と係合して水平変位が最大変位以下に制限される上部構造体と、
    前記根巻コンクリートを前記下部構造体に固定する固定手段と、
    前記ストッパー棒の周りに配置されると共に前記根巻コンクリートの上面に取り付けられ、前記上部構造体が前記最大変位の状態にある時、変形した前記ストッパー棒の側壁に当接する補強プレートとを備える、連結構造体。
  2. 記固定手段は、前記補強プレートを介して、前記根巻コンクリートを前記下部構造体に固定する、請求項1記載の連結構造体。
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