JP7092972B2 - 感熱記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱記録媒体に関する。
近年、番号選択式の金券や各種チケットなどにおいて、熱により記録を行う感熱記録媒体の使用が広まっている。また、金券や各種チケットは、偽造防止等を図る点から、感熱記録媒体における感熱記録層を有さない側の面上に、様々なトレーサビリティ情報が記録されたバーコード等の可変情報を記録できることが要求されている。
前記可変情報の記録には、版がいらず、低コストで印字できるインクジェット方式による記録が普及し始めている。
感熱記録層を有さない側の面上にインクジェット記録される感熱記録媒体としては、例えば、支持体上に感熱記録層を有し、支持体の感熱記録層を有さない側の面上にインク受容層を有する両面記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ただし、支持体に直接インク受容層が形成された記録媒体にインクジェット記録を行う際に、支持体の色と異なる色の異物(以下、「夾雑物」と称する。)が支持体に含まれる場合には、インク受容層側の面から夾雑物が透けて視認され、インクジェット記録されたバーコードの読取不良や文字の判読不良などが生じることがある。
そこで、支持体に含まれる夾雑物を隠蔽する技術として、脱墨・脱色・漂白処理していない古紙を原料とするシート体の表面上に、白色顔料を含有する樹脂層を形成し、樹脂層の上にインク受容層を有するインクジェット記録用コート紙が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、支持体に含まれる夾雑物の隠蔽性に優れ、裁断時に発生する紙粉による感熱記録面の記録不良を抑制し、インクジェット記録面の記録が良好な感熱記録媒体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の感熱記録媒体は、支持体の一方の面に、感熱記録層を有し、前記支持体の他方の面に、隠蔽層と、インク受容層と、を順に有する感熱記録媒体であって、前記隠蔽層が、中空粒子、及び無機粒子の少なくともいずれかを含有し、前記無機粒子のモース硬度が7未満であり、かつ、前記無機粒子の屈折率が1.9以上である。
本発明によると、支持体に含まれる夾雑物の隠蔽性に優れ、裁断時に発生する紙粉による感熱記録面の記録不良を抑制し、インクジェット記録面の記録が良好な感熱記録媒体を提供することができる。
図1は、本発明の感熱記録媒体の一例を示す模式図である。 図2Aは、本発明の感熱記録媒体を用いて、正常に感熱記録した場合の記録図の一例である。 図2Bは、本発明の感熱記録媒体に紙粉が付着し、感熱記録に不良が生じた場合の記録図の一例である。 図3は、比較例1の感熱記録媒体を示す模式図である。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下のことを見出した。
支持体の感熱記録層を有する面が感熱記録され、感熱記録層を有さずインク受容層を有する面がインクジェット記録される感熱記録媒体において、支持体に夾雑物が含まれる場合、インク受容層側の面から夾雑物が透けて視認され、インクジェット記録されたバーコードの読取不良や文字の判読不良などが生じてしまうという問題がある。
そこで、本発明者らは、夾雑物を含む支持体とインク受容層との間に、中空粒子及び屈折率が1.9以上の無機粒子の少なくともいずれかを含有する隠蔽層を設け、支持体を隠蔽することにより、インク受容層側の面から夾雑物が透けて視認されることを抑制できるため、インクジェット記録されたバーコードの読取不良や文字の判読不良の問題を解決できることを見出した。
本発明では、一実施形態として、インクジェット記録した本発明の感熱記録媒体に対し、連続して感熱記録及び裁断を行う実施形態を想定する。
しかし、特許文献2のように、隠蔽層に含有される無機粒子の硬度が高い場合、感熱記録媒体の裁断時に、裁断する刃を摩耗させやすく、また、紙粉を発生させやすい。このため、発生した紙粉が舞い上がって感熱記録面に付着した場合、或いは、裁断した感熱記録媒体の搬送方向の変更により、発生した紙粉が感熱記録面、又は感熱記録装置のサーマルヘッド部分などに付着した場合に、感熱記録面に記録不良が生じてしまうという問題がある。なお、図2Bは、感熱記録媒体に紙粉が付着し、感熱記録に不良が生じた場合の記録図である。
そこで、本発明者らは、隠蔽層に含有される無機粒子のモース硬度を7未満にすることにより、感熱記録媒体の裁断時における紙粉の発生を抑制することができるため、感熱記録面の記録不良を抑制することができることを見出した。なお、図2Aは、本発明の感熱記録媒体を用いて、正常に感熱記録した場合の記録図である。
ここで、中空粒子及び無機粒子の少なくともいずれかを含有する隠蔽層は、紙等の吸収性の支持体、及びインク受容層に比べて、インク吸収性が低い。したがって、インク受容層と支持体との間に隠蔽層が形成されると、インク受容層に吸収されたインクが隠蔽層内部に浸透しにくいため、インク受容層内部でインクが横方向に広がることで印字が滲み、インクジェット記録面の記録が良好でないという問題がある。
ここで、中空粒子及び無機粒子の体積平均粒径が大きい場合、中空粒子及び無機粒子の厚みも大きくなり、隠蔽層にインクが浸透しにくく、結果として印字が滲みやすくなる。
そこで、本発明者らは、中空粒子及び無機粒子の体積平均粒径を制御することにより、隠蔽層へのインクの浸透性を向上させ、インクジェット記録面の印字の滲みを抑制し、インクジェット記録面の記録が良好になることを見出した。
(感熱記録媒体)
本発明の感熱記録媒体は、支持体の一方の面に、感熱記録層を有し、前記支持体の他方の面に、隠蔽層と、インク受容層と、を順に有する感熱記録媒体であって、前記隠蔽層が、中空粒子、及び無機粒子の少なくともいずれかを含有し、前記無機粒子のモース硬度が7未満であり、かつ、前記無機粒子の屈折率が1.9以上であり、更に必要に応じて、その他の層を有する。各層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
<支持体>
感熱記録媒体は、支持体を有する。
支持体として、既に市場に出回って使用された古紙を再利用(リサイクル)する場合、新品の紙を使用する場合と比較して、感熱記録媒体の製造コストを抑えることができる。
しかしながら、通常、古紙を再利用する場合、古紙には支持体の色と異なる色の異物である夾雑物が含まれ、新品の紙と比較して白さが劣るのが現状である。したがって、支持体として夾雑物が含まれる古紙を利用する場合、インク受容層側の面から夾雑物が透けて視認され、インクジェット記録されたバーコードの読取不良や文字の判読不良などが生じてしまうという問題がある。
本発明の感熱記録媒体は、支持体とインク受容層との間に、隠蔽層を有する。したがって、支持体として夾雑物が含まれる古紙を利用する場合、隠蔽層が支持体に含まれる夾雑物を隠蔽するため、製造コストを抑えつつ、夾雑物がインク受容層側から視認されることを抑制することができる感熱記録媒体を提供することができる。
支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状などが挙げられる。
支持体の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層構造、積層構造などが挙げられる。
支持体の大きさとしては、特に制限はなく、感熱記録媒体の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
支持体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙基材、非紙基材などが挙げられる。これらの中でも、インクジェット記録された画像の乾燥性の点から、紙基材が好ましい。
支持体が無機顔料を含む場合、支持体における無機顔料の含有量としては、感熱記録媒体の裁断時における紙粉の発生を防止する点から、支持体全体の体積に対して、10体積%以下が好ましい。
紙基材としては、例えば、パルプなどが挙げられる。
パルプとしては、例えば、針葉樹の晒又は未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒又は未晒クラフトパルプ等の化学パルプ;グラウンドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミカルサーモメカニカルパルプ等の機械パルプ;脱墨パルプ等のパルプなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
紙基材の抄紙pHとしては、酸性を示す(7.0未満の)pH、中性を示す(7.0の)pH、アルカリ性を示す(7.0を超える)pHのいずれでも用いることができる。
紙基材としては、不透明度、隠蔽性を向上させることを目的として、填料を含有させることが好ましい。
填料としては、例えば、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料などの公知の填料が挙げられる。
紙基材としては、必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤、染料、消泡剤、pH調整剤などの助剤を含有してもよい。
非紙基材としては、例えば、合成紙、ラミネート紙、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる高分子フィルムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
支持体の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上2,000μm以下が好ましく、20μm以上1,000μm以下がより好ましい。
<感熱記録層>
感熱記録媒体は、支持体の一方の面に、感熱記録層を有する。
感熱記録層は、ロイコ染料、顕色剤、結合剤を含有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
<<ロイコ染料>>
ロイコ染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物などが挙げられる。
ロイコ染料としては、例えば、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-フタリド、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン)、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジエチルアミノフタリド、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-クロルフタリド、3,3-ビス(p-ジブチルアミノフェニル)フタリド、3-シクロヘキシルアミノ-6-クロルフルオラン、3-ジメチルアミノ-5,7-ジメチルフルオラン、3-N-メチル-N-イソブチル-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-イソアミル-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7,8-ベンズフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロルフルオラン、3-(N-p-トリル-N-エチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、2-{N-(3’-トリフルオルメチルフェニル)アミノ}-6-ジエチルアミノフルオラン、2-{3,6-ビス(ジエチルアミノ)-9-(o-クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(m-トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-クロルアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-7-(o-クロルアニリノ)フルオラン、3-N-メチル-N-アミルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-メチル-N-シクロヘキシルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(2’,4’-ジメチルアニリノ)フルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-5-メチル-7-(N,N-ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’-クロロ-8’-メトキシ-ベンゾインドリノ-スピロピラン、6’-ブロモ-3’-メトキシ-ベンゾインドリノ-スピロピラン、3-(2’-ヒドロキシ-4’-ジメチルアミノフェニル)-3-(2’-メトキシ-5’-クロルフェニル)フタリド、3-(2’-ヒドロキシ-4’-ジメチルアミノフェニル)-3-(2’-メトキシ-5’-ニトロフェニル)フタリド、3-(2’-ヒドロキシ-4’-ジエチルアミノフェニル)-3-(2’-メトキシ-5’-メチルフェニル)フタリド、3-(2’-メトキシ-4’-ジメチルアミノフェニル)-3-(2’-ヒドロキシ-4’-クロル-5’-メチルフェニル)フタリド、3-モルホリノ-7-(N-プロピル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロロ-7-(N-ベンジル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-(ジ-p-クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロル-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-メトキシカルボニルフェニルミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-5-メチル-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-ピペリジノフルオラン、2-クロロ-3-(N-メチルトルイジノ)-7-(p-n-ブチルアニリノ)フルオラン、3-(N-メチル-N-イソプロピルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジペンチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)-6’-ジメチルアミノフタリド、3-(N-ベンジル-N-シクロヘキシルアミノ)-56-ベンゾ-7-α-ナフチルアミノ-4’-ブロモフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロロ-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-(2-エトキシプロピル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-テトラヒドロフルフリルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-メシチジノ-4’,5’-ベンゾフルオラン、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-{1,1-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)エチレン-2-イル}フタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-{1,1-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)エチレン-2-イル}-6-ジメチルアミノフタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-(1-p-ジメチルアミノフェニル-1-フェニルエチレン-2-イル)フタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-(1-p-ジメチルアミノフェニル-1-p-クロロフェニルエチレン-2-イル)-6-ジメチルアミノフタリド、3-(4’-ジメチルアミノ-2’-メトキシ)-3-(1-p-ジメチルアミノフェニル-1-p-クロロフェニル-1,3-ブタジエン-4-イル)ベンゾフタリド、3-(4’-ジメチルアミノ-2’-ベンジルオキシ)-3-(1-p-ジメチルアミノフェニル-1-フェニル-1,3-ブタジエン-4-イル)ベンゾフタリド、3-ジメチルアミノ-6-ジメチルアミノ-フルオレン-9-スピロ-3’-(6’-ジメチルアミノ)フタリド、3,3-ビス{2-(p-ジメチルアミノフェニル)-2-(p-メトキシフェニル)エテニル}-4,5,6,7,-テトラクロロフタリド、3-ビス{1,1-ビス(4-ピロリジノフェニル)エチレン-2-イル}-5,6-ジクロロ-4,7-ジブロモフタリド、ビス(p-ジメチルアミノスチリル)-1-ナフタレンスルホニルメタン、ビス(p-ジメチルアミノスチリル)-1-p-トリルスルホニルメタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<<顕色剤>>
顕色剤としては、ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種々の化合物又は酸化剤などが適用できる。
顕色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸、及びその金属塩などが挙げられる。
顕色剤としては、例えば、4,4’-イソプロピリデンビスフェノール;4,4’-イソプロピリデンビス(o-メチルフェノール);4,4’-セカンダリーブチリデンビスフェノール;4,4’-イソプロピリデンビス(2-ターシャリーブチルフェノール);4,4’-シクロヘキシリデンジフェノール;4,4’-イソプロピリデンビス(2-クロロフェノール);2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-ターシャリーブチルェノール);2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-ターシャリーブチルフェノール);4,4’-ブチリデンビス(6-ターシャリーブチル-2-メチルフェノール);1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-ターシャリーブチルフェニル)ブタン;1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)ブタン;4,4’-チオビス(6-ターシャリーブチル-2-メチル)フェノール;4,4’-ジフェノールスルホン;4-イソプロポキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホン;4-ベンジロキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホン;4,4’-ジフェノールスルホキシド;p-ヒドロキシ安息香酸イソプロピル;p-ヒドロキシ安息香酸ベンジル;プロトカテキュ酸ベンジル;没食子酸ステアリル;没食子酸ラウリル;没食子酸オクチル;1,7-ビス(4-ヒドロキシフェニルチオ)-3,5-ジオキサヘプタン;1,5-ビス(4-ヒドロキシフェニルチオ)-3-オキサペンタン;1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニルチオ)-プロパン;1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニルチオ)-2-ヒドロキシプロパン;N,N’-ジフェニルチオ尿素;N,N’-ジ(m-クロロフェニル)チオ尿素;サリチルアニリド;5-クロロ-サリチルアニリド;2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸;2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸;1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸;ヒドロキシナフトエ酸の亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩;ビス-(4-ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル;ビス-(4-ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル;1,3-ビス(4-ヒドロキシクミル)ベンゼン;1,4-ビス(4-ヒドロキシクミル)ベンゼン;2,4’-ジフェノールスルホン;3,3’-ジアリル-4,4’-ジフェノールスルホン;α,α-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-α-メチルトルエン;テトラブロモビスフェノールA;テトラブロモビスフェノールS;4,4’-チオビス(2-メチルフェノール);4,4’-チオビス(2-クロロフェノール);チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
顕色剤の含有量としては、ロイコ染料1質量部に対して、1質量部以上20質量部以下が好ましく、2質量部以上10質量部以下がより好ましい。
<<結合剤>>
結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マイレン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<その他の成分>>
感熱記録層には、更に必要に応じて、その他の成分として、例えば、感度向上剤、填料、界面活性剤、滑剤、圧力発色防止剤などを併用することができる。
-感度向上剤-
感度向上剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、種々の熱可融性物質を使用することができる。
感度向上剤としては、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類;p-ベンジルビフェニル、m-ターフェニル、トリフェニルメタン、p-ベンジルオキシ安息香酸ベンジル-β-ベンジルオキシナフタレン、β-ナフトエ酸フェニル、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸フェニル、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、ダイヤコールカーボネート、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、1,4-ジメトキシナフタレン、1,4-ジエトキシナフタレン、1,4-ジベンジルオキシナフタレン、1,2-ジフェノキシエタン、1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ビス(4-メチルフェノキシ)エタン、1,4-ジフェノキシ-2-ブテン、1,2-ビス(4-メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4-ジフェニルチオブタン、1,4-ジフェニルチオ-2-ブテン、1,3-ビス(2-ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p-(2-ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p-アリールオキシビフェニル、p-プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1-ジフェニルエタノール、1,1-ジフェニルプロパノール、p-ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3-ジフェノキシ-2-プロパノール、N-オクタデシルカルバモイル-p-メトキシカルボニルベンゼン、N-オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2-ビス(4-メトキシフェノキシ)プロパン、1,5-ビス(4-メトキシフェノキシ)-3-オキサペンタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4-メチルベンジル)、シュウ酸ビス(4-クロロベンジル)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-填料-
填料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウム、表面処理されたシリカ等の無機系微粉末;尿素-ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等の有機系微粉末などが挙げられる。これらは、吸油量の点から、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
感熱記録層の形成方法としては、特に制限はなく、一般に知られている方法により形成することができ、例えば、ロイコ染料、顕色剤を別々に結合剤、その他の成分と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機により、分散粒径が0.1μm以上3μm以下になるまで粉砕分散した後、必要に応じて、填料、滑剤等と共に、一定処方で混合して感熱記録層塗布液を調製し、支持体上に塗布することによって感熱記録層を形成する方法などが挙げられる。
感熱記録層塗布液の塗布量としては、乾燥質量で2g/m以上15g/m以下が好ましく、3g/m以上12g/m以下がより好ましい。感熱記録層塗布液の塗布量が2g/m以上15g/m以下であると、耐可塑剤性を向上させることができる。
<保護層>
感熱記録媒体は、保護層を有してもよい。
保護層としては、結着剤、及び顔料を含有することが好ましく、滑剤、架橋剤を更に含有することがより好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
<<結着剤>>
結着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂、水溶性樹脂エマルジョン、疎水性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低温低湿度条件下でのヘッドマッチング性の点から、水溶性樹脂が好ましい。
水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール;変性ポリビニルアルコール;メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシセルロース等のセルロース誘導体;カゼイン;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;スチレン/無水マレイン酸共重合体;ジイソブチレン/無水マレイン酸共重合体;ポリアクリルアミド;変性ポリアクリルアミド;メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体;カルボキル変性ポリエチレン;ポリビニルアルコール/アクリルアミドブロック共重合体;メラミン・ホルムアルデヒド樹脂;尿素・ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐可塑剤性の点から、ポリビニルアルコールが好ましい。
水溶性樹脂エマルジョン、疎水性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチルセルロース、エチレン/酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着剤の平均重合度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,700以上が好ましい。結着剤の平均重合度が1,700以上であると、耐可塑剤性、及び低温低湿度条件下でのヘッドマッチング性を向上させることができる。
なお、結着剤の平均重合度は、例えば、JIS K 6726で定める試験法により測定することができる。
<<顔料>>
顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウム、シリカ等の無機系微粉末;シリコーン樹脂粒子、尿素ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂等の有機系微粉末などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
顔料の含有量としては、結着剤100質量部に対して、110質量部以上が好ましく、110質量部以上200質量部以下が好ましい。顔料の含有量が結着剤100質量部に対して110質量部以上であると、ロール形態で保管した場合でも、インク受容層の無機粒子が保護層表面に転写することを抑制することができる。
<<滑剤>>
滑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化ポリエチレンワックス、モンタンワックス、ステアリン酸亜鉛、シリコーンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
滑剤としては、必要に応じて、公知であるその他の滑剤と組合せて使用することができ、その他の滑剤としては、例えば、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;セレシン等の鉱物系ワックス及びその誘導体;パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタン、ペトロラクタム等の石油系ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックス;硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体等の水素化ワックス;ステアリン酸・オレイン酸・エルカ酸・ラウリン酸・セバシン酸・ベヘン酸・パルミチン酸等の脂肪酸;アジピン酸・イソフタル酸等のアマイド;ビスアマイド、エステル、ケトン、金属塩及びその誘導体;アルキル変性のシリコーン樹脂又はアミド変性のシリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<架橋剤>>
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水溶性樹脂の耐水化剤として、例えば、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、アジピン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
保護層の形成方法としては、特に制限はなく、一般に知られている方法により形成することができ、例えば、顔料、架橋剤を別々に結着剤、その他の成分と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機により、分散粒径が0.1μm以上3μm以下になるまで粉砕分散した後、必要に応じて、滑剤等と共に、一定処方で混合して保護層塗布液を調製し、感熱記録層上に塗布することによって保護層を形成する方法などが挙げられる。
保護層塗布液の塗布量としては、乾燥重量で0.1g/m以上20g/m以下が好ましく、0.5g/m以上10g/m以下がより好ましい。保護層塗布液の塗布量が0.1g/m以上20g/m以下であると、耐可塑剤性、及び低温低湿環境下でのヘッドマッチング性を向上させることができる。
<隠蔽層>
感熱記録媒体は、支持体の他方の面に、隠蔽層を有する。
隠蔽層は、中空粒子、及び無機粒子の少なくともいずれかを含有し、結着剤を含有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
<<中空粒子>>
中空粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機中空粒子、無機中空粒子などが挙げられる。
-有機中空粒子-
有機中空粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中空樹脂粒子などが挙げられる。
中空とは、内部に空洞を有する構造を意味する。具体的には、空気等の気体を内包できる空間、及び空気などの気体が常時通過できる穴の少なくともいずれかを有する構造をいう。
中空樹脂粒子としては、例えば、樹脂を殻とし、空気などの気体を内包するものなどが挙げられる。
中空樹脂粒子は、乾燥後の粒子内部の空気層と殻のポリマー層との屈折率の差による光散乱により、白色を示し不透明度が高いため、隠蔽性に優れる。
有機中空粒子の屈折率としては、1.4以上が好ましく、1.4以上1.7以下がより好ましい。有機中空粒子の屈折率が1.4以上であると、支持体に夾雑物が含まれる場合でも、支持体の隠蔽性に優れ、インク受容層側の面から夾雑物が透けて視認されることを抑制できるため、インクジェット記録されたバーコードの読取不良や文字の判読不良を抑制することができる。
有機中空粒子の屈折率は、例えば、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を用いて分子構造を特定し、分子構造から文献より屈折率を調べることができる。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)としては、例えば、装置名:Spectrum One(パーキンエルマー社製)などが挙げられる。
前記文献としては、例えば、化学便覧(出版社:丸善株式会社)、ポリマー辞典(出版社:大成社)などが挙げられる。
中空樹脂粒子における樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、マレイン樹脂などが挙げられる。
アクリル樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン-アクリル樹脂、架橋型スチレン-アクリル樹脂、変性スチレン-アクリル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
中空樹脂粒子としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
中空樹脂粒子の市販品としては、例えば、スチレン-アクリル樹脂(商品名:ローペイクOP-62、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:450nm、中空率:33%)、スチレン-アクリル樹脂(商品名:ローペイクOP-84J、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:550nm、中空率:20%)、スチレン-アクリル樹脂(商品名:ローペイクOP-91、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:1,000nm、中空率:55%)、スチレン-アクリル樹脂(商品名:ローペイクHP-1055、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:1,000nm、中空率:55%)、スチレン-アクリル樹脂(商品名:ローペイクHP-91、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:1,000nm、中空率:50%)、スチレン-アクリル樹脂(商品名:ローペイクULTRA、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:380nm、中空率:45%)、架橋型スチレン-アクリル樹脂(商品名:SX-834、JSR株式会社製、体積平均粒径:300nm、中空率:50%)、架橋型スチレン-アクリル樹脂(商品名:SX-863(A)、JSR株式会社製、体積平均粒径:300nm、中空率:30%)、架橋型スチレン-アクリル樹脂(商品名:SX-864(B)、JSR株式会社製、体積平均粒径:300nm、中空率:30%)、架橋型スチレン-アクリル樹脂(商品名:SX-866(A)、JSR株式会社製、体積平均粒径:300nm、中空率:30%)、架橋型スチレン-アクリル樹脂(商品名:SX-866(B)、JSR株式会社製、体積平均粒径:300nm、中空率:30%)、架橋型スチレン-アクリル樹脂(商品名:SX-868、JSR株式会社製、体積平均粒径:500nm、中空率:30%)、架橋型スチレン-アクリル樹脂(商品名:SX-847、JSR株式会社製、体積平均粒径:2,000nm、中空率:60%)、架橋型スチレン-アクリル樹脂(商品名:ローペイクULTRA E、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:500nm、中空率:45%)、架橋型スチレン-アクリル樹脂(商品名:ローペイクULTRA DUAL、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:380nm、中空率:45%)、架橋型スチレン-アクリル樹脂(商品名:SN-1055、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:1,000nm、中空率:55%)、変性スチレン-アクリル樹脂(商品名:Nipol MH5055、日本ゼオン株式会社製、体積平均粒径:500nm、中空率:55%)、変性スチレン-アクリル樹脂(商品名:Nipol MH8055、日本ゼオン株式会社製、体積平均粒径:800nm、中空率:55%)、変性スチレン-アクリル樹脂(商品名:Nipol MH8101、日本ゼオン株式会社製、体積平均粒径:1,000nm、中空率:50%)、中空樹脂粒子(体積平均粒径:3,500nm、中空率:90%)、中空樹脂粒子(体積平均粒径:3,000nm、中空率:90%)、中空樹脂粒子(体積平均粒径:4,200nm、中空率:91%)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
-無機中空粒子-
無機中空粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリナックス(登録商標、日鉄鉱業株式会社製)などが挙げられる。
無機中空粒子のモース硬度としては、感熱記録媒体を裁断する際の刃の摩耗を抑制する点から、7未満が好ましい。
隠蔽層における中空粒子の中空率としては、隠蔽性の点から、40%以上95%以下が好ましい。
隠蔽層に中空粒子が含有されているか判断する方法としては、例えば、隠蔽層の断面を電子顕微鏡により観察することにより、中空粒子の存在を判断することができる。
電子顕微鏡としては、例えば、装置名:S-3700(日立ハイテクフィールディング株式会社製)などが挙げられる。
中空粒子を含む隠蔽層の厚みとしては、隠蔽性及びインクジェット吸収性の両立の点から、1,000nm以上20,000nm以下が好ましい。
隠蔽層における中空粒子の量としては、隠蔽性及びインクジェット吸収性の両立の点から、乾燥質量換算で、1.5g/m以上5g/m以下が好ましく、2g/m以上4g/m以下がより好ましい。
隠蔽層における中空粒子の体積平均粒径としては、4,000nm以下が好ましく、100nm以上4,000nm以下がより好ましい。中空粒子及の体積平均粒径が4,000nm以下であると、隠蔽層へのインクの浸透性を向上させ、インクジェット記録面の印字の滲みを抑制することができる。
中空粒子は、隠蔽層内部において、均一に含有される。
隠蔽層における中空粒子の含有割合としては、隠蔽層全体の質量に対して、30質量%以上90質量%以下が好ましく、50質量%以上80質量%以下がより好ましい。
隠蔽層における中空粒子の含有割合は、例えば、隠蔽層の断面を電子顕微鏡により求めることができる。電子顕微鏡としては、例えば、装置名:S-3700(日立ハイテクフィールディング株式会社製)などが挙げられる。
<<無機粒子>>
隠蔽層における無機粒子のモース硬度としては、7未満であり、5以下が好ましい。無機粒子のモース硬度が7未満であると、感熱記録媒体を裁断する際に、裁断する刃の摩耗を抑制することができ、また、紙粉の発生を抑制することができるため、感熱記録面の記録不良を抑制することができる。
隠蔽層における無機粒子のモース硬度の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モース硬度計を用いて、標準物質を測定対象の無機粒子で擦り、引っ掻き傷の有無により、硬さを測定することができる。
モース硬度計としては、例えば、装置名:モース硬度計(ニチカ株式会社製)などが挙げられる。
隠蔽層における無機粒子の屈折率としては、1.9以上であり、2.0以上が好ましい。無機粒子の屈折率が1.9以上であると、支持体に夾雑物が含まれる場合でも、支持体の隠蔽性に優れ、インク受容層側の面から夾雑物が透けて視認されることを抑制できるため、インクジェット記録されたバーコードの読取不良や文字の判読不良を抑制することができる。
隠蔽層における無機粒子の屈折率は、例えば、蛍光X線分析を用いて分子構造を特定し、分子構造から文献より屈折率を調べることができる。
蛍光X線分析装置としては、例えば、装置名:EMAX-250X(ホリバ株式会社製)などが挙げられる。
前記文献としては、例えば、化学便覧(出版社:丸善株式会社)などが挙げられる。
隠蔽層における無機粒子としては、モース硬度が7未満、かつ屈折率が1.9以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化亜鉛(モース硬度:4.0、屈折率:2.0)、酸化チタン(アナターゼ型、モース硬度:6.0、屈折率:2.5)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機粒子としては、適宜市販品を使用してもよい。
無機粒子の市販品としては、例えば、酸化亜鉛(商品名:ZnO-350、住友大阪セメント株式会社製、モース硬度:4.0、屈折率:2.0)、酸化チタン(アナターゼ型、商品名:JA-1、テイカ株式会社製、モース硬度:6.0、屈折率:2.5)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
隠蔽層に無機粒子が含有されているか判断する方法としては、例えば、蛍光X線分析などが挙げられる。
蛍光X線分析装置としては、例えば、装置名:EMAX-250X(ホリバ株式会社製)などが挙げられる。
無機粒子を含む隠蔽層の厚みとしては、隠蔽性とインクジェット吸収性の両立の点から、500nm以上5,000nm以下が好ましい。
隠蔽層における無機粒子の体積平均粒径としては、3,000nm以下が好ましく、100nm以上3,000nm以下がより好ましい。無機粒子の体積平均粒径が3,000nm以下であると、隠蔽層へのインクの浸透性を向上させ、インクジェット記録面の印字の滲みを抑制することができる。
無機粒子は、隠蔽層内部において、均一に含有される。
隠蔽層における無機粒子の含有割合としては、隠蔽層全体の質量に対して、30質量%以上90質量%以下が好ましく、50質量%以上80質量%以下がより好ましい。
隠蔽層における無機粒子の含有割合は、例えば、蛍光X線分析により求めることができる。蛍光X線分析装置としては、例えば、装置名:EMAX-250X(ホリバ株式会社製)などが挙げられる。
<<結着剤>>
結着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂、水溶性樹脂エマルジョン、疎水性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール;変性ポリビニルアルコール;メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシセルロース等のセルロース誘導体;カゼイン;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;スチレン/無水マレイン酸共重合体;ジイソブチレン/無水マレイン酸共重合体;ポリアクリルアミド;変性ポリアクリルアミド;メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体;カルボキル変性ポリエチレン;ポリビニルアルコール/アクリルアミドブロック共重合体;メラミン・ホルムアルデヒド樹脂;尿素・ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。
水溶性樹脂エマルジョン、疎水性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチルセルロース、エチレン/酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<インク受容層>
感熱記録媒体は、支持体の他方の面に、インク受容層を有する。
インク受容層は、支持体の他方の面において、隠蔽層よりも外側に位置する層として形成される。
インク受容層は、無機粒子、ポリマー、合成樹脂エマルジョンを含有することが好ましく、更に必要に応じて、その他成分を含有する。
<<無機粒子>>
無機粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、アルミナゲル、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ゼオライト、焼成クレー、カオリンクレー、タルク、ホイワイトカーボン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸バリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水性インクの吸収性、及びインクジェット記録部の画像濃度の点から、シリカが好ましい。
シリカとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿式法シリカ、気相法シリカなどの合成非晶質シリカなどが挙げられる。
湿式法シリカとしては、例えば、沈降法シリカ、ゲル法シリカなどが挙げられる。
沈降法シリカとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
沈降法シリカの合成方法としては、例えば、珪酸ナトリウムと硫酸とをアルカリ条件下で反応させる方法などが挙げられる。粒子が成長したシリカ粒子を凝集・沈降させ、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て、精製される。
沈降法シリカの市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、商品名:ニップシール(日本シリカ株式会社製)、商品名:トクシール(株式会社トクヤマ製)などが挙げられる。
ゲル法シリカとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
ゲル法シリカの合成方法としては、例えば、珪酸ナトリウムと硫酸とを酸性条件下で反応させる方法などが挙げられる。熟成中の微小粒子を溶解し、他の一次粒子どうしを結合するように再析出させて精製することができる。なお、他の一次粒子どうしを結合するように再析出させるため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成することができる。
ゲル法シリカの市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、商品名:ニップジェル(東ソー・シリカ株式会社製)、商品名:サイロイド(グレースジャパン株式会社製)、商品名:サイロジェット(グレースジャパン株式会社製)などが挙げられる。
気相法シリカとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
気相法シリカの合成方法としては、例えば、火炎加水分解法によって、四塩化ケイ素を水素、及酸素と共に燃焼して精製する方法などが挙げられる。四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシラン及びトリクロロシラン等のシラン類も、単独又は四塩化ケイ素と混合した状態で精製することができる。
気相法シリカの市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、商品名:アエロジル(日本アエロジル株式会社製)、商品名:QSタイプ(株式会社トクヤマ製)などが挙げられる。
無機粒子の平均二次粒子径としては、インク受容層の接着強度、及びロール形態で保管した場合でも、保護層のオフセット印刷版汚れが少ない点から、8μm以上が好ましく、9μm以上がより好ましい。
無機粒子の平均二次粒子径が8μm以上であると、シリカの表面積が小さくなり、シリカ同士を結着させるポリマーが少なくて済み、インク受容層の接着強度を向上することができる。また、ロール形態で保管した場合でも、感熱記録層のオフセット印刷版汚れが少なくすることができ、さらに、記録画像の乾燥性、及び耐ピッキング性を向上することができる。
無機粒子の平均二次粒子径としては、例えば、前記無機粒子の希薄分散液をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA-920、株式会社堀場製作所製)で測定することにより求めることができる。
シリカの吸油量としては、JIS-K5101により表される吸油量で、200(mL/100g)以上400(mL/100g)以下が好ましく、250(mL/100g)以上350(mL/100g)以下がより好ましい。
シリカの吸油量が200(mL/100g)以上であると、十分なインク吸収性を得ることができる。シリカの吸油量が400(mL/100g)以下であると、インク受容層の接着強度を向上させることができる。
無機粒子の含有量としては、インク受容層中の固形分合計含有量に対して、0.4質量部以上0.75質量部以下が好ましい。無機粒子の含有量が0.4質量部以上であると、インクの吸収性、及び記録画像の乾燥性を向上させることができる。無機粒子の含有量が0.75質量部以下であると、シリカの転写、及び版汚れを防止することができる。
無機粒子は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、必要に応じて、粉砕して用いることもできる。
粉砕としては、特に制限はなく、公知の機械的な粉砕装置を用いることができ、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル;高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機;超音波分散機;薄膜旋回型分散機などを用いることができる。
<<ポリマー>>
ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、オフセット印刷における印刷ピッキング等の物理的ストレスに対して十分な耐久性を持っていることが好ましい。
ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、水溶性カチオン性ポリマー、合成樹脂エマルジョンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリビニルアルコールは、インク受容層の接着強度が向上し、印字画像の物理的耐久性が向上することができる。
ポリビニルアルコールとしては、例えば、シラノール変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
シラノール変性ポリビニルアルコールは、水性インクの吸収速度を低下させることなく、インク受容層の接着強度を向上することができるため、好適に用いることができる。
シラノール変性ポリビニルアルコールの平均重合度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粘度安定性、及び接着強度の点から、400以上4,000以下が好ましく、500以上3,500以下がより好ましい。
シラノール変性ポリビニルアルコールの平均重合度が400以上4,000以下であると、粘度安定性、及び接着強度を向上することができる。
シラノール変性ポリビニルアルコールの平均重合度は、例えば、JIS K 6726で定める試験法により測定することができる。
ポリビニルアルコールの固形分含有量としては、無機粒子100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下が好ましい。
ポリビニルアルコールの固形分含有量が10質量部以上であると、インク受容層の物理的耐久性を十分に得ることができる。ポリビニルアルコールの固形分含有量が50質量部以下であると、インクジェットインクの吸収性が良好であり、にじみやムラの発生を抑制し、記録画像の乾燥性を向上させることができる。
水溶性カチオン性ポリマーとしては、例えば、1級~3級アミン、1級~3級アミン塩、4級アンモニウム塩などのポリマーが挙げられる。
水溶性カチオン性ポリマーとしては、例えば、アリルアミン重合体、アリルアミンジアリルアミン塩共重合体、アリルアミン・ジメチルアリルアミン共重合体、部分メトキシカルボニル化アリルアミン重合体、部分尿素化ポリアリルアミン重合体、ジアリルアン重合体、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、メチルジアリルアミン重合体、ジアリルアミン・二酸化硫黄共重合体、メチルジアリルアミン・二酸化硫黄共重合体、及びこれらの塩;ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト・二酸化硫黄共重合体、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリビニルアミン共重合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水溶性カチオン性ポリマーの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2,000以上250,000以下が好ましい。
水溶性カチオン性ポリマーの重量平均分子量が2,000以上であると、インク受容層の接着強度を向上することができる。水溶性カチオン性ポリマーの重量平均分子量が250,000以下であると、記録画像のにじみ及びムラが発生を防止することができる。
水溶性カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
水溶性カチオン性ポリマーの固形分含有量としては、無機粒子100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下が好ましい。
水溶性カチオン性ポリマーの固形分含有量が5質量部であると、インク受容層の耐水性を十分に得ることができる。水溶性カチオン性ポリマーの固形分含有量が50質量部以下であると、インク受容層の耐水性が飽和することがなく、感熱記録層を同時塗布する場合の乾燥条件に制約が生じない点で好ましい。
合成樹脂エマルジョンは、版面に供給される湿し水に対する溶解防止効果の他に、水性インクの吸収性を低下させること無く、前記インク受容層の接着強度を向上することができる。
合成樹脂エマルジョンとしては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、酢酸ビニル重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリル系共重合体、ノニオン性の未変性スチレン-ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水溶性カチオン性ポリマーとの相溶性の点から、エチレン/酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル重合体、ノニオン性の未変性スチレン-ブタジエン共重合体が好ましい。
合成樹脂エマルジョンの固形分含有量としては、無機粒子100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、50質量部以下がより好ましい。
合成樹脂エマルジョンの固形分含有量が5質量部以上であると、インク受容層の耐水性を向上することができる。合成樹脂エマルジョンの固形分含有量が50質量部以下であると、インクの吸収性が良好であり、にじみやムラの発生を防止でき、記録画像の乾燥性を向上させることができる。
ポリマーとしては、インク受容層の接着強度の点から、ポリビニルアルコール、水溶性カチオン性ポリマー、及び合成樹脂エマルジョンを併用することが好ましい。
ポリマーとしては、上記以外のポリマーを併用することができ、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂などの水性接着剤などが挙げられる。
ポリマーの固形分合計含有量としては、高速インクジェット印刷加工に対する記録画像の乾燥性、及び感熱記録層塗工ラインでの同時高速塗工に対応の点から、無機粒子100質量部に対し、100質量部以下であることが好ましく、65質量部以下がより好ましい。
インク受容層としては、必要に応じて、その他の成分を含有することができる。
その他の成分としては、例えば、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤力増強剤、乾燥紙力増強剤などが挙げられる。
インク受容層の形成方法としては、特に制限はなく、一般に知られている方法により形成することができ、例えば、無機粒子、ポリマー、その他の成分と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機により、分散粒径が0.1μm以上3μm以下になるまで粉砕分散した後、一定処方で混合してインク受容層塗布液を調製し、支持体の感熱記録層を有しない側の面上に塗布する方法などが挙げられる。
インク受容層の塗布量としては、3.0g/m以上8.0g/m以下が好ましい。インク受容層の塗布量が3.0g/m以上であると、記録画像の乾燥性が良好であり、未乾燥のインクが保護層又はインク受容層を汚すことがなく、印刷品質を向上することができる。インク受容層の塗布量が8.0g/m以下であると、インクジェット受容層の機能が飽和することなく、感熱記録層を同時塗布する場合の乾燥条件に制約が生じない点で好ましい。
支持体上に感熱記録層、感熱記録層上に保護層、支持体の感熱記録層を有しない側の面上に、隠蔽層、及び隠蔽層の上にインク受容層を設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一般的な塗布装置である、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、スプレーコーター、サイズプレスなどの各種装置を、オンマシン又はオフマシンで使用することができる。また、前記各層を設けた後にマシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、シューカレンダー等のカレンダー装置を用い、カレンダー処理することができる。
また、記録感度と記録画質を高めるために支持体と感熱記録層との間に、吸油性顔料又は中空粒子を主成分とした下塗り層などを設けることができる。更に、両面記録媒体の製造方法における各種の公知技術を利用して、その他の層を設けることもできる。
<その他の層>
その他の層としては、例えば、下塗り層、中間層などを設けることができる。
下塗り層としては、例えば、前記支持体と前記感熱記録層との間に設けることができる。
下塗り層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プラスチック球状微小中空粒子(スチレン-アクリル酸を主体とする共重合体樹脂、商品名:ローペイクHP-91、ローム&ハース電子材料株式会社製、中空率:50%)、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:スマーテックスPA-9159、日本エイアンドエル株式会社製、固形分濃度:47.5%)、及び水を混合して下塗り層塗布液を調製し、前記支持体上に塗布することによって、下塗り層を形成することができる。
中間層としては、例えば、保護層と感熱記録層との間に設けることができる。
中間層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結着樹脂を含有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
その他の成分としては、例えば、中空粒子、界面活性剤、顔料などが挙げられる。
結着樹脂、中空粒子、界面活性剤、顔料としては、下塗り層、感熱記録層、保護層と同様のものを用いることができる。
中間層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm以上10μm以下が好ましく、0.3μm以上5μm以下がより好ましい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(下塗り層塗布液の調製例)
<下塗り層塗布液の調製>
プラスチック球状微小中空粒子(スチレン-アクリル酸を主体とする共重合体樹脂、商品名:ローペイクHP-91、ダウ・ケミカル社製、中空率:50%)36質量部、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:スマーテックスPA-9159、日本エイアンドエル社製、固形分濃度:47.5%)10質量部、及び水54質量部を混合し、下塗り層塗布液を調製した。
(感熱発色層塗布液の調製例)
<ロイコ染料分散液の作製>
ロイコ染料として、2-アニリノ-3-メチル-6-(ジ-n-ブチルアミノ)フルオラン20質量部、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL-318、株式会社クラレ製)10質量%水溶液 20質量部、及び水60質量部を、サンドミルを用いて分散し、体積平均粒径:1.0μm以下のロイコ染料分散液を作製した。
<顕色剤分散液の作製>
顕色剤として、4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン(商品名:D-8、日本曹達株式会社製)20質量部、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL-318、株式会社クラレ製、変性率:1モル%)10%水溶液 20質量部、シリカ(商品名:ミズカシルP-527、水澤化学工業株式会社製)10質量部、及び水50質量部を、サンドミルを用いて分散し、体積平均粒径:1.0μm以下の顕色剤分散液を作製した。
次に、前記ロイコ染料分散液と前記顕色剤分散液とを1:7の割合で混合し、水を加えて撹拌することにより、感熱発色層塗布液(固形分濃度:25%)を調製した。
(保護層塗布液の調製例)
<保護層分散液の作製>
フィラーとして、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH-43M、昭和電工株式会社製)20質量部、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL-318、株式会社クラレ製、変性率:1モル%)10%水溶液 20質量部、及び水60質量部を、サンドミルを用いて4時間かけて分散し、保護層分散液を作製した。
<保護層塗布液の調製>
前記保護層分散液750質量部、結着剤として、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL-318、株式会社クラレ製、変性率:1モル%)10%水溶液 850質量部、架橋剤として、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(商品名:WS525、星光PMC株式会社製、固形分濃度:25%)40質量部、及び滑剤として、酸化ポリエチレンワックスエマルジョン(商品名:RP-960、中京油脂株式会社製、固形分濃度:30%)83質量部を混合し、水を加えて撹拌することにより、保護層塗布液(固形分濃度:10%)を調製した。
(隠蔽層塗布液の調製例1)
<隠蔽層塗布液1の調製例>
有機中空粒子として、中空樹脂粒子1 70質量部(乾燥質量換算)、及び結着剤として、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL-318、株式会社クラレ製、変性率:1モル%)10%水溶液300質量部を混合し、水を加えて撹拌することにより、隠蔽層塗布液1(固形分濃度:10%)を調製した。
(隠蔽層塗布液の調製例2~10)
<隠蔽層塗布液2~10の調製例>
隠蔽層塗布液の調製例1において、有機中空粒子、有機中空粒子の乾燥質量、隠蔽層全体の質量に対する、有機中空粒子の含有割合(質量%)、及び隠蔽層全体の乾燥付着量を下記及び表1~2に示すように変更した以外は、隠蔽層塗布液の調製例1と同様にして、隠蔽層塗布液2~10を調製した。
<<有機中空粒子>>
・中空樹脂粒子1(架橋型スチレン-アクリル樹脂、商品名:SX-834、JSR株式会社製、中空率:50%、屈折率:1.6、体積平均粒径:300nm、固形分濃度:20%)
・中空樹脂粒子2(架橋型スチレン-アクリル樹脂、商品名:ローペイクULTRA E、ダウ・ケミカル社製、中空率:45%、屈折率:1.6、体積平均粒径:500nm、固形分濃度:30%)
・中空樹脂粒子3(架橋型スチレン-アクリル樹脂、商品名:SN-1055、ダウ・ケミカル社製、中空率:55%、屈折率:1.6、体積平均粒径:1,000nm、固形分濃度:25%)
・中空樹脂粒子4(架橋型スチレン-アクリル樹脂、商品名:SX-847、JSR株式会社製、中空率:60%、屈折率:1.6、体積平均粒径:2,000nm、固形分濃度:20%)
・中空樹脂粒子5(中空率:90%、屈折率:1.6、体積平均粒径:3,000nm、固形分濃度:33%)
・中空樹脂粒子6(中空率:91%、屈折率:1.6、体積平均粒径:4,200nm、固形分濃度:33%)
(隠蔽層塗布液の調製例11)
<隠蔽層塗布液11の調製例>
<<無機粒子分散液1の作製>>
無機粒子として、酸化亜鉛(商品名:ZnO-350、住友大阪セメント株式会社製)20質量部、結着剤として、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL-318、株式会社クラレ製、変性率:1モル%)10%水溶液 20質量部、及び水60質量部を、サンドミルを用いて体積平均粒径:500nmになるまで分散し、隠蔽層塗布液用の無機粒子分散液1を作製した。
<<隠蔽層塗布液11の調製>>
前記隠蔽層塗布液用の無機粒子分散液1 70質量部、及び結着剤として、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL-318、株式会社クラレ製、変性率:1モル%)10%水溶液 300質量部を混合し、水を加えて撹拌することにより、隠蔽層塗布液11(固形分濃度:10%)を調製した。
(隠蔽層塗布液の調製例12~19)
<隠蔽層調製例12~19の調製例>
隠蔽層塗布液の調製例11において、無機粒子、体積平均粒径、隠蔽層全体の質量に対する、有機中空粒子の含有割合(質量%)、及び隠蔽層全体の乾燥付着量を下記に示すように変更した以外は、隠蔽層塗布液の調製例11と同様にして、隠蔽層塗布液12~19を調製した。
なお、酸化亜鉛の体積平均粒径は、サンドミルを用いた分散の時間を変更することにより調整した。
<<無機粒子>>
・酸化亜鉛(商品名:ZnO-350、住友大阪セメント株式会社製、モース硬度:4.0、屈折率:2.0、体積平均粒径:500nm、1,000nm、3,000nm、及び5,000nm)
・酸化チタン(アナターゼ型、商品名:JA-1、テイカ株式会社製、モース硬度:6.0、屈折率:2.5、体積平均粒径:500nm)
(隠蔽層塗布液の比較調製例1及び2)
<隠蔽層塗布液20及び21の調製例>
隠蔽層塗布液の調製例7において、無機粒子、及び体積平均粒径を下記に示すように変更した以外は、隠蔽層塗布液の調製例11と同様にして、比較例用の隠蔽層塗布液20及び21を調製した。
<<無機粒子>>
・酸化チタン(ルチル型、商品名:GTR-100、石原産業株式会社製、モース硬度:7.5、屈折率:2.7、体積平均粒径:500nm)
・炭酸カルシウム(商品名:BR-15、白石カルシウム株式会社製、モース硬度:3.0、屈折率:1.7、体積平均粒径:600nm)
(インク受容層塗布液の調製例)
<無機粒子分散液の作製>
シリカ(商品名:サイリシア450、富士シリシア化学株式会社製、二次粒子の平均粒径:8μm)20質量部、水79.8部、及び水酸化ナトリウム0.2部を、ディスパーを用いて混合し、撹拌することにより、インク受容層塗布液用の無機粒子分散液(固形分濃度:20%)を作製した。
なお、二次粒子の平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(装置名:LA-920、株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。
<インク受容層塗布液の調製>
前記インク受容層塗布液用の無機粒子分散液500質量部、シラノール変性ポリビニルアルコール(商品名:R-1130、株式会社クラレ製)35質量部、水溶性カチオン性ポリマーとして、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名SC-100、ハイモ株式会社製、固形分濃度:35%)57.2質量部、及び合成樹脂エマルジョンとして、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分濃度:56%)17.9質量部を混合し、水を加えて撹拌することにより、インク受容層塗布液(固形分濃度:16%)を調製した。
(実施例1)
[感熱記録媒体の作製]
支持体としての上質紙(商品名:npi上質、日本製紙株式会社製、坪量:81.4g/m)の表面に、下塗り層塗布液を塗布し(乾燥付着量:2g/m)、乾燥して下塗り層を形成した。次に、下塗り層上に感熱記録層塗布液を塗布し(乾燥付着量:6g/m)、乾燥して感熱記録層を形成した。次に、感熱記録層上に保護層塗布液を塗布し(乾燥付着量:2g/m)、乾燥して保護層を形成した。
次に、前記上質紙の感熱記録層を有しない側の面上に、隠蔽層塗布液1を塗布し(乾燥付着量:5.0g/m)、乾燥して隠蔽層を形成した。次に、隠蔽層上にインク受容層塗布液を塗布し(乾燥付着量:4.5g/m)、乾燥してインク受容層を形成した。
その後、装置(装置名:スーパーカレンダー、熊谷理機工業株式会社製)において、前記装置の金属ロールと前記保護層とが接し、前記装置の樹脂ロールと前記インク受容層とが接するようにして、前記支持体の感熱記録層を有する側の面が、王研式平滑度:1,500秒以上2,500秒以下の平滑度になるように、スーパーカレンダー処理を行い、実施例1の感熱記録媒体を作製した(図1)。
なお、後述する「支持体の隠蔽性」の評価用の感熱記録媒体は、レーザープリンター(装置名:MP C721、株式会社リコー製)を用いて、前記上質紙に黒のベタ画像(幅:5cm、長さ:5cm、マクベス濃度:1.10)を形成した支持体を用いて作製した。
更に、後述する「支持体に含まれる夾雑物の視認性」の評価用の感熱記録媒体は、レーザープリンター(装置名:MP C721、株式会社リコー製)を用いて、前記上質紙に黒のドット画像(直径:1.0mm、マクベス濃度:1.10)を形成した支持体を用いて作製した。
前記マクベス濃度は、マクベス濃度計(装置名:RD-914、マクベス株式会社製)を用いて測定した。
(比較例1)
実施例1の感熱記録媒体の作製において、隠蔽層塗布液1を塗布しなかった以外は、実施例1の感熱記録媒体と同様にして、比較例1の感熱記録媒体を作製した(図3)。
(実施例2~19、及び比較例2~3)
実施例1の感熱記録媒体の作製において、隠蔽層塗布液1を隠蔽層塗布液2~21に変更した以外は、実施例1の感熱記録媒体と同様にして、実施例2~19、及び比較例2~3の感熱記録媒体を作製した。
[モース硬度]
隠蔽層における無機粒子のモース硬度は、モース硬度計(ニチカ株式会社製)を用いて測定した。
[屈折率]
有機中空粒子の屈折率は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR、装置名:Spectrum One、パーキンエルマー社製)を用いて分子構造を特定し、分子構造から化学便覧(出版社:丸善株式会社)、及びポリマー辞典(出版社:大成社)より、屈折率を調べて求めた。
隠蔽層における無機粒子の屈折率は、蛍光X線分析(装置名:EMAX-250X、ホリバ株式会社製)を用いて分子構造を特定し、分子構造から化学便覧(出版社:丸善株式会社)より、屈折率を調べて求めた。
[隠蔽層全体の体積に対する中空粒子及び無機粒子の含有割合]
隠蔽層における中空粒子の含有割合は、隠蔽層の断面を電子顕微鏡(装置名:S-3700、日立ハイテクフィールディング株式会社製)により観察することにより求めた。
また、隠蔽層における無機粒子の含有割合は、蛍光X線分析装置(装置名:EMAX-250X、ホリバ株式会社製)より求めた。
次に、以下のようにして、「支持体に含まれる黒点の隠蔽性」、「支持体に含まれる黒点の視認性」、「連続裁断時の刃の耐磨耗性、及び紙粉の発生のなさ」、「紙粉による感熱記録不良のなさ」、及び「インクジェット記録面の印字の滲みのなさ」を評価した。
<支持体に含まれる黒点の隠蔽性>
上質紙に黒のベタ画像(幅:5cm、長さ:5cm、マクベス濃度:1.10)を形成して作製した前記感熱記録媒体において、マクベス濃度計(装置名:RD-914、マクベス株式会社製)を用いて、黒のベタ画像のマクベス濃度を測定し、「支持体に含まれる黒点の隠蔽性」を評価した。マクベス濃度の値が低いほど、支持体に含まれる黒点の隠蔽性が優れることを表す。なお、マクベス濃度:0.40以下が、実施可能レベルである。
<支持体に含まれる黒点の視認性>
上質紙に黒のドット画像(直径:1.0mm、マクベス濃度:1.10)を形成して作製した前記感熱記録媒体において、ルーペを用いて黒のドット画像を観察し、下記基準に基づいて、「支持体に含まれる黒点の視認性」を評価した。なお、下記評価基準における「△」以上が、実施可能レベルである。
-評価基準-
◎:黒のドット画像がほとんど視認されない
○:黒のドット画像があまり視認されない
△:黒のドット画像が視認されるが、実用上問題ないレベルである
×:黒のドット画像が鮮明に視認される
<連続裁断時の刃の耐磨耗性、紙粉の発生のなさ、及び紙粉による感熱記録不良のなさ>
作製した感熱記録媒体をロール状に加工し、オートカッターを搭載した感熱記録プリンター(装置名:TM-T88II、セイコーエプソン株式会社製)を用いて、感熱記録媒体に対し、連続での感熱記録及び裁断を行った。
前記裁断を30万回行った後、顕微鏡(装置名:VHX-1000、株式会社キーエンス製)を用いて、オートカッターの刃の先端部分を正面方向から観察し、下記基準に基づいて、「連続裁断時の刃の耐磨耗性、及び紙粉の発生のなさ」を評価した。なお、下記評価基準における「△」以上が、実施可能レベルである。
更に、前記裁断を30万回行う間に、裁断時に発生した紙粉により、感熱記録面に記録不良が生じた回数を計測し、下記基準に基づいて、「紙粉による感熱記録不良のなさ」を評価した。なお、下記評価基準における「△」以上が、実施可能レベルである。
-連続裁断時の刃の耐磨耗性、及び紙粉の発生のなさの評価基準-
◎:刃がほとんど摩耗せず、紙粉がほとんど発生しない
○:刃があまり摩耗せず、紙粉の発生量も少量である
△:刃が摩耗し、紙粉が発生するが、実用上問題ないレベルである
×:刃が非常に摩耗し、紙粉が多量に発生する
-紙粉による感熱記録不良のなさの評価基準-
◎:感熱記録不良の回数が1回以下である
○:感熱記録不良の回数が2回以上4回以下である
△:感熱記録不良の回数が5回以上10回以下である
×:感熱記録不良の回数が11回以上である
<インクジェット記録面の印字の滲みのなさ>
作製した感熱記録媒体のインク受容層側の面に、インクジェットプリンター(装置名:MG6330、キヤノン株式会社製)を用いて、黒色で「轟」の文字(フォントサイズ:8pt)を印字した。目視により印字部を観察し、下記基準に基づいて、「インクジェット記録面の印字の滲み」を評価した。なお、下記評価基準における「△」以上が、実施可能レベルである。
-評価基準-
◎:印字の滲みが発生せず、印字が精細である
○:印字の滲みがわずかに発生している
△:印字の滲みが発生するが、判読が可能であり、実用上問題ないレベルである
×:印字の滲みが発生し、判読が困難である
Figure 0007092972000001
Figure 0007092972000002
Figure 0007092972000003
Figure 0007092972000004
Figure 0007092972000005
本発明の態様としては、例えば、以下の通りである。
<1> 支持体の一方の面に、感熱記録層を有し、
前記支持体の他方の面に、隠蔽層と、インク受容層と、を順に有する感熱記録媒体であって、
前記隠蔽層が、中空粒子、及び無機粒子の少なくともいずれかを含有し、
前記無機粒子のモース硬度が7未満であり、かつ、前記無機粒子の屈折率が1.9以上であることを特徴とする感熱記録媒体である。
<2> 前記中空粒子の体積平均粒径が、4,000nm以下である前記<1>に記載の感熱記録媒体である。
<3> 前記無機粒子の体積平均粒径が、3,000nm以下である前記<1>に記載の感熱記録媒体である。
<4> 前記隠蔽層における前記中空粒子の中空率が、40%以上95%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<5> 前記隠蔽層における前記中空粒子及び前記無機粒子の含有割合が、隠蔽層全体の質量に対して、30質量%以上90質量%以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<6> 前記隠蔽層における前記中空粒子の量が、乾燥質量換算で、1.5g/m以上5g/m以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱記録媒体によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
10 支持体
11 夾雑物
20 感熱記録層
21 ロイコ染料
30 隠蔽層
31 中空粒子、及び無機粒子の少なくともいずれか
40 インク受容層
50 保護層
A 感熱記録面
B インクジェット記録面
特開2016-49635号公報 特開2001-39014号公報

Claims (3)

  1. 支持体の一方の面に、感熱記録層を有し、
    前記支持体の他方の面に、隠蔽層と、インク受容層と、を順に有する感熱記録媒体であって、
    前記隠蔽層が、中空粒子を含有し、
    前記中空粒子の体積平均粒径が、500nm以上4000nm以下であり、
    前記隠蔽層における前記中空粒子の量が、乾燥質量換算で、3.5g/m以上5g/m以下であることを特徴とする感熱記録媒体。
  2. 前記隠蔽層における前記中空粒子の中空率が、40%以上95%以下である請求項1に記載の感熱記録媒体。
  3. 前記隠蔽層における前記中空粒子の含有割合が、隠蔽層全体の質量に対して、30質量%以上90質量%以下である請求項1から2のいずれかに記載の感熱記録媒体。
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