JP2005014498A - 感熱記録材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】裏面にインクジェット記録が可能な感熱記録材料において、 等のインクジェット記録特性を十分満たし、かつ紙送り特性に優れた感熱記録材料を提供することにある。
【解決手段】支持体の一方の表面に少なくとも感熱記録層を有し、他方の表面にインク受容層を有する感熱記録材料において、前記インク受容層が、顔料、水性結着剤及び潤滑剤を含有し、かつ前記水性結着剤に対する顔料の比率(質量)が1.5〜3.0の範囲であることを特徴とする感熱記録材料。
【選択図】 なし
【解決手段】支持体の一方の表面に少なくとも感熱記録層を有し、他方の表面にインク受容層を有する感熱記録材料において、前記インク受容層が、顔料、水性結着剤及び潤滑剤を含有し、かつ前記水性結着剤に対する顔料の比率(質量)が1.5〜3.0の範囲であることを特徴とする感熱記録材料。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録材料に関し、詳しくは、インクジェット印字適性があり、カールが少なく、インクジェット記録層における印字滲みや顔料の脱落がない感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
サーマルヘッド等により熱を供与して画像を記録する感熱記録材料は、比較的安価であり、その記録装置が簡便で信頼性が高く、メンテナンスが不要であることから広く普及し、近年では、特に高画質化、保存安定性の向上等の高性能化が図られてきている。
【0003】
ところで、感熱記録材料の裏面にインク受容層を設け、感熱記録とインクジェット記録の両方が可能な記録体が提案されている(例えば、以下の特許文献1及び特許文献2を参照)。
特許文献1の感熱記録材料は、支持体の一方の面に、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を有し、該支持体の他方の面に、顔料とカチオン性樹脂を含有する水性インクジェット記録層を設けたものであるが、感熱記録材料の記録装置における搬送性等に問題がある。
これに対し、特許文献2の感熱記録材料は、感熱記録層の面とインクジェット記録層の面との間の摩擦係数を0.3〜0.7に設定することにより、ダブルフィードやミスフィードといった搬送性の問題を解決している。具体的な手段としてはインクジェット記録層及び/又は感熱記録層の最上層(例えば感熱記録層の場合保護層)に顔料として一次平均粒子の平均粒子径が5μm以下、好ましくは1〜5μm程度のタルク粒子を含有させて摩擦係数を調節している(特許文献2の段落0009、0066を参照)。このように特許文献2における摩擦係数の調節手段は、感熱記録材料の両表面の少なくとも一方の面にタルクを含ませることが必要であるという制約があり、インクジェット記録層に顔料としてタルクを含ませると、記録濃度が比較的低いという問題が生ずる。
【0004】
また、摩擦係数を調節するには、インクジェット記録層における顔料とバインダーとの割合を変えることも考えられる。しかしながら、搬送性を高めるためにバインダーに対する顔料の比率を下げる(摩擦係数を下げる)とインクジェット記録特性が悪化するという問題がある。また、インクジェット記録特性を適性にするために、顔料の比率を上げると搬送性が悪くなるという問題が生ずる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−203163号公報
【特許文献2】
特開2001−205933号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のごとき状況の下になされたものであり、その目的は、裏面にインクジェット記録が可能な感熱記録材料において、インクの滲みやかすれ等、インクジェット記録特性を劣化させることなく、かつ紙送り特性に優れた感熱記録材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、以下の感熱記録材料を提供することにより解決される。
(1)支持体の一方の表面に少なくとも感熱記録層を有し、他方の表面にインク受容層を有する感熱記録材料において、前記インク受容層が、顔料、水性結着剤及び潤滑剤を含有し、かつ前記水性結着剤に対する顔料の比率(質量)が1.5〜3.0の範囲であることを特徴とする感熱記録材料。
(2)前記インク受容層において水性結着剤に対する顔料の比率が1.8〜2.2であることを特徴とする前記(1)に記載の感熱記録材料。
(3)前記インク受容層と支持体の間に1層又は2層以上のバック層を有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の感熱記録材料。
(4)前記バック層の1つの層が、水性結着剤及び無機質の層状化合物を含有する層であることを特徴とする前記(1)ないし(3)のいずれか1に記載の感熱記録材料。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の感熱記録材料は支持体の一方の表面に少なくとも感熱記録層を有し、他方の表面にインク受容層を有する。前記インク受容層は顔料、水性結着剤及び潤滑剤を含有し、かつ前記水性結着剤に対する顔料の比率(質量)が1.5〜3.0の範囲であることを特徴とする。この構成により、インクの滲みやかすれ等、インクジェット記録特性を劣化させることなく感熱記録層面とインク受容層層面との摩擦係数を調節することが可能となり、紙送り特性が適正化される。
また、本発明の感熱記録材料においては、インク受容層と支持体の間に1層または2層以上のバック層(以下で説明する「中間バック層」、及び「最下バック層」等)を設けてもよい。さらに感熱記録層は1層でも2層以上の多層でもよく、感熱記録層の表面に保護層を設けてもよい。
以下、本発明の感熱記録材料について詳細に説明する。
【0009】
[インク受容層]
インク受容層は、少なくとも、顔料、水性結着剤及び潤滑剤を含有し、さらにカチオン樹脂を含有することが好ましい。インク受容層においては、インクジェット記録濃度、インクの滲み、顔料粉落ちの観点からみて水性結着剤に対する顔料の比率は1.5〜3.0の範囲が適切であり、また、1.8〜2.2の範囲が好ましい。
インク受容層に含有される顔料としては、例えば平均粒子径が0.1〜5μm程度の非晶質シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、アルミナゲル、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ゼオライト、焼成クレー、カオリンクレー、タルク、ホワイトカーボン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸バリウム等の無機顔料、およびスチレン樹脂フィラー、ナイロン樹脂フィラー尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン等の有機顔料が挙げられる。
【0010】
なかでも、非晶質シリカ、アルミナゲルはインクの吸収性が良く、またインクの発色濃度も高いため好ましい。顔料の使用量についても特に限定されるものではないが、水性インク受容層に対して50〜90重量%程度が好ましい。
【0011】
水性結着剤としては、例えば完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、デンプン、酸化デンプン、カチオン変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、アクリル系または酢酸ビニル系のカチオン性ラテックス等が挙げられる。
【0012】
この内、ケイ素変性ポリビニルアルコールは、インクの吸収速度を低下させることなく、インク受容層の強度を上げることができるため、好ましく用いられる。
水性結着剤使用量については、特に限定されるものではないが、インク受容層に対して5〜40重量%程度である。
【0013】
前記潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等が好適に用いられる。中でもステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムが好ましい。
また、潤滑剤の添加量は塗設成分の5〜50質量%程度が好ましく、特に8〜35質量%程度がより好ましい。
【0014】
インク受容層に含有されるカチオン樹脂としては、カチオン性基として、第1級〜第3級アミノ基、または第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することができる。これら媒染剤は、インク受容層のインク吸収性良化の観点から、重量平均分子量が500〜100000の化合物が好ましい。
上記ポリマー媒染剤としては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、または第4級アンモニウム塩基を有する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染モノマー」という。)との共重合体または縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポリマーまたは水分散性ラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
【0015】
上記単量体(媒染モノマー)としては、例えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、
【0016】
トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムアセテート、
【0017】
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドによる4級化物、またはそれらのアニオンを置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
【0018】
具体的には、例えば、モノメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、
【0019】
N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセテート等を挙げることができる。
その他、共重合可能なモノマーとして、N―ビニルイミダゾール、N―ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
【0020】
また、アリルアミン、ジアリルアミンやその誘導体、塩なども利用できる。このような化合物の例としてはアリルアミン、アリルアミン塩酸塩、アリルアミン酢酸塩、アリルアミン硫酸塩、ジアリルアミン、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン酢酸塩、ジアリルアミン硫酸塩、ジアリルメチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルエチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルジメチルアンモニウム塩(該塩の対アニオンとしてはクロライド、酢酸イオン硫酸イオンなど)が挙げられる。尚、これらのアリルアミンおよびジアリルアミン誘導体はアミンの形態では重合性が劣るので塩の形で重合し、必要に応じて脱塩することが一般的である。
また、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、およびこれを塩にしたものも利用できる。
【0021】
上記非媒染モノマーとは、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、または第4級アンモニウム塩基等の塩基性あるいはカチオン性部分を含まず、インクジェットインク中の染料と相互作用を示さない、あるいは相互作用が実質的に小さいモノマーをいう。
上記非媒染モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
【0022】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。
上記非媒染モノマーも、一種単独でまたは二種以上を組合せて使用できる。
【0023】
更に、上記ポリマー媒染剤として、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドと他のモノマー(媒染モノマー、非媒染モノマー)との共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとSO2との共重合体、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリジアリル塩酸塩等に代表される環状アミン樹脂およびその誘導体(共重合体も含む);ポリジエチルメタクリロイルオキシエチルアミン、ポリトリメチルメタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド、ポリジメチルベンジルメタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド、ポリジメチルヒドロキシエチルアクリロイルオキシエチルアンモニウムクロリド等に代表される2級アミノ、3級アミノまたは4級アンモニウム塩置換アルキル(メタ)アクリレート重合体および他のモノマーとの共重合体;ポリエチレンイミンおよびその誘導体、ポリアリルアミンおよびその誘導体、ポリビニルおよびその誘導体等に代表されるポリアミン系樹脂;ポリアミド−ポリアミン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂等に代表されるポリアミド樹脂;カチオン化でんぷん、キトサンおよびキトサン誘導体等に代表される多糖類;ジシアンジアミドホルマリン重縮合物、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物等に代表されるジシアンジアミド誘導体;ポリアミジンおよびポリアミジン誘導体;ジメチルアミンエピクロロヒドリン付加重合物等に代表されるジアルキルアミンエピクロロヒドリン付加重合物およびその誘導体;第4級アンモニウム塩置換アルキル基を有するスチレン重合体およびその他のモノマーとの共重合体等も好ましいものとして挙げることができる。
【0024】
上記ポリマー媒染剤として、具体的には、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号、特開平1−161236号、同10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号、特公平5−35162号、同5−35163号、同5−35164号、同5−88846号、特開平7−118333号、特開2000−344990号、特許第2648847号、同2661677号等の各公報に記載のもの等が挙げられる。
【0025】
本発明における有機媒染剤としては、特に経時滲みの防止の観点から、重量平均分子量が500〜100000の化合物が好ましい。
【0026】
本発明に用いるポリアリルアミンまたはその誘導体としては、公知の各種アリルアミン重合体及びその誘導体が挙げられる。このような誘導体としては、ポリアリルアミンと酸との塩(酸としては塩酸、硫酸、リン酸、硝酸などの無機酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、桂皮酸、(メタ)アクリル酸などの有機酸、あるいはこれらの組み合せや、アリルアミンの一部分のみを塩にしたもの)、ポリアリルアミンの高分子反応による誘導体、ポリアリルアミンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体(該モノマーの具体例としては(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、(メタ)アクリルアミド類、アクリロニトリル、ビニルエステル類等)が挙げられる。
【0027】
ポリアリルアミンおよびその誘導体の具体例としては、特公昭62−31722号、特公平2−14364号、特公昭63−43402号、同63−43403号、同63−45721号、同63−29881号、特公平1−26362号、同2−56365号、同2−57084号、同4−41686号、同6−2780号、同6−45649号、同6−15592号、同4−68622号、特許第3199227号、同3008369号、特開平10−330427号、同11−21321号、特開2000−281728号、同2001−106736号、特開昭62−256801号、特開平7−173286号、同7−213897号、同9−235318号、同9−302026号、同11−21321号、WO99/21901号、WO99/19372号、特開平5−140213号、特表平11−506488号等の各公報に記載の化合物が挙げられる。
【0028】
かかるカチオン性樹脂の使用量は、特に限定されるものではないが、インク受容層に対して1〜50重量%程度が好ましい。より好ましくは1〜30重量%程度である。
【0029】
インク受容層用塗液中には、更に顔料分散剤、消泡剤、着色染料、蛍光染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、架橋剤等を適宜添加してもよい
【0030】
インク受容層は、インク受容層用塗液をエアーナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアーブレードコーティング、ビルブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等のコーテイング方法により支持体の裏面に乾燥後の塗布量が1〜20g/m2程度、好ましくは2〜15g/m2程度となるように塗布乾燥して形成される。
【0031】
インク受容層の塗布量が1g/m2未満になると、インクジェット記録部の記録画質と耐水性が低下し、20g/m2を超えるとインク受容層が容易に剥がれ落ちたり、インクジェット記録時にヘッドノズルに目ずまりが発生することがある。
【0032】
[バック層]
本発明の感熱記録材料は、支持体とインク受容層の間に1層又は2層以上のバック層を設けることができる。前記バック層としては以下に記載するような層が挙げられるがこれに限定されるものではない。
〈中間バック層〉
中間バック層の例として、インク受容層の下に、水性結着剤及び無機質の層状化合物を含有し、必要に応じて、無機顔料等の他の成分を含む中間バック層が挙げられる。
例えば、低湿/高湿に偏った湿度環境下では、空気と接する層内において、水分が水蒸気として多く放出若しくは吸収され易く、この場合に支持体の両表面の伸縮バランスが崩れるといずれか一方の側にカールが生じやすく、殊に、多層よりなる多色感熱記録材料の場合には、多層の感熱記録層を有する側と該層を有しない側とでは、水分の吸収、放出の程度が大きく収縮バランスがより崩れ易くなって大きく変形し得る。しかし、感熱記録層を有しない側の表面(裏面)に、1層又は2層以上の中間バック層を設け、その中間バック層に水性結着剤及び無機質の層状化合物を含ませることによって、隣接する層で保持された水分を中間バック層で遮断することができ、空気中の湿度変化に伴う層の水分移動を遮蔽し、表裏間の収縮バランスを保ち易くなる。これは熱記録時に助長され易いが、熱印加における表裏の収縮バランス維持にも有用である。
【0033】
ここで用いる水性結着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、デンプン、酸化デンプン、カチオン変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、アクリル系または酢酸ビニル系のカチオン性ラテックス等が挙げられる。この内、ポリビニルアルコール、ゼラチンが好ましく、更にポリビニルアルコールが好ましい。
ここで用いるポリビニルアルコールは、変性されているものも含む。
変性ポリビニルアルコールとしては、カルボニル変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、エチレン変性ポリビニルアルコール、等が挙げられる。
【0034】
本発明で使用されるポリビニルアルコール及び/又は変性ポリビニルアルコールの鹸化度は、カーリング防止の点から88%以上であることが好ましく、97%以上であることがさらに好ましい。
【0035】
中間バック層における、水性結着剤の塗布量としては、0.3〜5.3g/m2が好ましい。該範囲とすることにより、好ましいカール特性を得ることができる。
【0036】
また、前記ポリビニルアルコールの重合度としては、300〜1700が好ましく、300〜1000がより好ましい。
【0037】
無機質の層状化合物としては、下記一般式(1)
A(B,C)2−3D4O10(OH,F,O)2 …(1)
〔式中、AはK,Na又はCaを表し、B及びCは、それぞれ独立にFe(II),Fe(III),Mn,Al,Mg、Vを表す。DはSi、Alを表す。〕
で表される雲母群、3MgO・4SiO2・H2Oで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、リン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
【0038】
前記一般式(1)で表される雲母群において、天然雲母として、例えば白雲母、ソーダ雲母、金雲母、黒雲母、鱗雲母等が挙げられ、合成雲母として、フッ素金雲母KMg3(AlSi3O10)F2、カリ四ケイ素雲母KMg2.5(Si4O10)F2等の非膨潤性雲母、及びNaテトラシリシックマイカNaMg2.5(Si4O10)F2、Na若しくはLiテニオライト(Na,Li)Mg2Li(Si4O10)F2、モンモリオナイト系のNa又はLiヘクトライト(Na,Li)1/3Mg2/3Li1/3(Si4O10)F2等の膨潤性雲母が挙げられる。更に、合成スメクタイトも有用である。
本発明においては、前記層状化合物の中でも、水膨潤性の合成雲母が好ましく、膨潤性のフッ素系合成雲母が特に好ましい。
【0039】
前記無機質の層状化合物のアスペクト比としては、20以上が好ましく、100以上がより好ましく、200以上が特に好ましい。該アスペクト比が、100未満であると、層内の水分移動を遮蔽できずカーリングを効果的に防止できないことがあり、200以上であると、カーリング防止の点で特に大きい効果を奏する。ここで、前記アスペクト比とは、層状化合物の粒子の長径に対する厚さの比である。
【0040】
また、前記無機質の層状化合物の粒子径としては、その平均長径が0.3〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましく、1〜5μmであることが特に好ましい。
該層状化合物の平均の厚さとしては、0.1μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましく、0.01μm以下が特に好ましい。
【0041】
中間バック層中における無機質の層状化合物の含有量としては、水性結着剤100質量部に対して、3〜30質量部が好ましく、5〜20質量部がより好ましい。無機質の層状化合物の含有量を前記範囲内とすることで、感熱記録材料の表裏の収縮バランスを維持することができ、カーリングを十分に防止することができるとともに、塗布性等の製造適正が良好となる。
【0042】
中間バック層中において、無機質の層状化合物(x)と水性結着剤(y)との含有比(質量比;x/y)としては、3/100〜20/100が好ましい。
該含有比を前記範囲内とすることで、感熱記録材料の表裏の収縮バランスを維持することができ、カーリングを十分に防止することができる。
複数種の無機質の層状化合物を用いた場合でも、その総量が上記質量比の範囲にあることが好ましい。
【0043】
本発明においては、中間バック層には、さらに無機顔料を含有せしめることができる。該無機顔料の含有量を適宜調整することにより感熱記録材料のカーリングを調整することができる。無機顔料としては、特に制限はないが、例えば、カオリン、焼成カオリン、タルク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、リトボン、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コウ、シリカ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バリウム、硫酸バリウム等が挙げられ、中でも特に、水酸化アルミニウムが好ましい。
【0044】
前記無機顔料の含有量としては、水性結着剤100質量部に対して、30〜500質量部が好ましく、50〜300質量部がより好ましい。
【0045】
また、前記無機顔料の粒径(体積平均粒径)としては、0.1〜2.0μmが好ましく、0.2〜1.0μmがより好ましい。
【0046】
中間バック層は、本発明の効果を損なわない範囲で、金属石鹸、ワックス、耐水化剤等を含有していてもよい。
【0047】
前記金属石鹸としては、例えば、高級脂肪酸多価金属塩が挙げられ、具体的にはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛等が挙げられる。
【0048】
前記ワックスとしては、その融点が40〜120℃であればよく、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャンデリアワックス、モンタンワックス、脂肪酸アミド系ワックス等が好ましく、融点が50〜100℃のパラフィンワックス、モンタンワックス、メチロールステアロアミド等がより好ましい。
【0049】
前記耐水化剤としては、N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキサール、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼砂等の無機系架橋剤、ポリアクリル酸、メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等のブレンド熱処理品等が挙げられる。
【0050】
また、該支持体上に塗布する際、均一な層を得る観点から界面活性剤を含有していてもよく、該界面活性剤としては、例えば、スルホコハク酸系のアルカリ金属塩、フッ素含有界面活性剤等が好適に挙げられ、具体的には、ジ−(n−ヘキシル)スルホコハク酸、ジ−(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸等のナトリウム塩、アンモニウム塩等が好ましく、アニオン系の界面活性剤が好適である。
【0051】
中間バック層の層厚としては、0.3〜6μmが好ましく、0.5〜3μmがより好ましい。インク受容層の層厚を、0.3〜6μmとすることにより、感熱記録材料の表裏の収縮バランスを維持することができ、カーリングを十分に防止することができる。
【0052】
また、前記のような水性結着剤及び無機質の層状化合物を含有する中間バック層を設ける場合、インク受容層における水性結着剤に対する顔料の比率が1.5〜3.0、好ましくは1.8〜2.2の範囲にあるため、インク受容層の下に水性結着剤及び無機質の層状化合物を含有する層を設けることにより生ずることがある、インク受容層における記録画像の滲みを効果的に防止することができる。
【0053】
(その他の層)
中間バック層と支持体の間には、少なくとも水溶性バインダーを含んでなり、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい層(最下バック層)を設けてもよい。最下バック層を設けることによって、収縮バランスが更に良化し、感熱記録材料のカーリングを効果的に防止することができる。
【0054】
ここで用いる水溶性バインダーとしては、例えば、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダなどの水溶性高分子及びスチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等の水不溶性ポリマー等を用いて形成することができ、他の成分として、ラテックス、耐水化剤が挙げられる。中でも、ゼラチン類を用いることが好ましい。
【0055】
最下バック層の層厚としては、2〜15μmが好ましく、4〜10μmがより好ましい。この層の層厚を2〜15μmとすることにより、感熱記録材料の表裏の収縮バランスを十分に維持することができ、カーリングを十分に防止することができる。
【0056】
中間バック層及び最下バック層は、中間バック層又は最下バック層形成用の塗布液(中間バック層用塗布液、最下バック層用塗布液)をそれぞれ調製し、支持体上に、例えば公知の塗布方法により塗布等して形成することができる。この場合、中間バック層用塗布液及び最下バック層用塗布液を、▲1▼同時塗布してもよいし、▲2▼最下バック層用塗布液を塗布し乾燥した後、該層上に中間バック層用塗布液を塗布、乾燥して形成してもよい。
【0057】
前記公知の塗布方法としては、例えば、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等を用いた塗布方法が挙げられる。
【0058】
[感熱記録層]
前記感熱記録層は、発色成分を含んでなり、必要に応じて、バインダー、塩基等の他の成分を含んでなる。前記発色成分としては、(A)ジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物とカップリング反応して発色させるカプラーとの組合せ、(B)電子供与性染料前駆体と該電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物との組合せ等が好適に挙げられる。
【0059】
(ジアゾニウム塩化合物)
前記ジアゾニウム塩化合物としては、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
Ar−N2 + X− …(2)
〔式中、Arは芳香族部分を表し、X−は酸アニオンを表す。〕
【0060】
該ジアゾニウム塩化合物は、加熱により後述のカプラーとカップリング反応を起こして発色し、また光によって分解する化合物である。これらはAr部分の置換基の位置や種類によって、その最大吸収波長を制御することが可能である。
【0061】
塩を形成するジアゾニウムの具体例としては、4−(p−トリルチオ)−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、4−(4−クロロフェニルチオ)−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジプロピルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジベンジルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N−エチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−メトキシベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メトキシベンゼンジアゾニウム、4−(N−ベンゾイルアミノ)−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム、4−モルホリノ−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、4−アニリノベンゼンジアゾニウム、4−[N−(4−メトキシベンゾイル)アミノ]−2.5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム、4−ピロリジノ−3−エチルベンゼンジアゾニウム、4−[N−(1−メチル−2−(4−メトキシフェノキシ)エチル)−N−ヘキシルアミノ]−2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウム、4−[N−(2−(4−メトキシフェノキシ)エチル)−N−ヘキシルアミノ]−2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウム、2−(1−エチルプロピルオキシ)−4−[ジ−(ジ−n−ブチルアミノカルボニルメチル)アミノ]ベンゼンジアゾニウム、2−ベンジルスルホニル−4−[N−メチル−N−(2−オクタノイルオキシエチル)]アミノベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
【0062】
前記ジアゾニウム塩化合物の最大吸収波長λmaxとしては、450nm以下が好ましく、290〜440nmがより好ましい。前記λmaxを、該範囲内とすることで、生保存性、後述のカプラーとの組合わせにおいて画像定着性、画像保存性、シアン発色の色相を良好にすることができる。
【0063】
また、ジアゾニウム塩化合物は、炭素原子数が12以上で水に対する溶解度が1%以下で、かつ酢酸エチルに対する溶解度が5%以上であることが望ましい。尚、ジアゾニウム塩化合物は、一種単独で用いてもよいし、色相調整等の目的に応じて、二種以上を併用することもできる。
【0064】
前記ジアゾニウム塩化合物の中でも、色素の色相、画像保存性、画像定着性の点で、下記構造式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物がより好ましい。
【0065】
【化1】
【0066】
前記構造式(1)中、Arは、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、ハロゲン基、アミノ基、ヘテロ環基等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていてもよい。
【0067】
前記Arで表されるアリール基としては、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシフェニル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、2−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4−クロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−ブトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3−(ジブチルアミノカルボニルメトキシ)フェニル基、4−シアノフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、
【0068】
4−ブトキシフェニル基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノスルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、4−(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル基、4−フルオロフェニル基、3−アセチルフェニル基、2−アセチルアミノフェニル基、4−(4−クロロフェニルチオ)フェニル基、4−(4−メチルフェニル)チオ−2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカルボニルフェニル基等が挙げられる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
また、これらの基は、更に、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよい。
【0069】
前記構造式(1)中、R21及びR22は、それぞれ独立に置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。R21及びR22は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
置換されている場合の置換基としては、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、置換アミノ基、置換アミド基、アリール基、アリールオキシ基等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
【0070】
前記R21、R22で表されるアルキル基としては、炭素原子数1〜18のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、オクタデシル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、トルフェニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル基、2’,4’−ジイソペンチルフェニルオキシメチル基、2’,4’−ジ−t−ブチルフェニルオキシメチル基、ジベンジルアミノカルボニルメチル基、2,4−ジ−t−アミルフェニルオキシプロピル基、エトキシカルボニルプロピル基、1−(2’,4’−ジ−t−アミルフェニルオキシ)プロピル基、アセチルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル基、メタンスルホニルアミノプロピル基、アセチルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル基等が挙げられる。
【0071】
前記R21、R22で表されるアリール基としては、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシフェニル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、2−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4−クロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−ブトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3−(ジブチルアミノカルボニルメトキシ)フェニル基、
【0072】
4−シアノフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ブトキシフェニル基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノスルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、4−(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル基、4−フルオロフェニル基、3−アセチルフェニル基、2−アセチルアミノフェニル基、4−(4−クロロフェニルチオ)フェニル基、4−(4−メチルフェニル)チオ−2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカルボニルフェニル基等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
また、これらの基は、更にアルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよい。
【0073】
前記構造式(2)中、R24、R25及びR26は、それぞれ独立に置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表し、R24、R25及びR26は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
置換されている場合の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、ハロゲン原子、アミノ基、ヘテロ環基等が挙げられる。
【0074】
前記R24、R25及びR26で表されるアルキル基としては、炭素原子数1〜18のアルキル基が好ましく、例えば、前記構造式(1)中のR21、R22で表されるアルキル基、及び1−メチル−2−(4−メトキシフェノキシ)エチル基、ジ−n−ブチルアミノカルボニルメチル基、ジ−n−オクチルアミノカルボニルメチル基等が挙げられる。
【0075】
前記R24、R25及びR26で表されるアリール基は、前記構造式(1)中のR21、R22で表されるアリール基と同義である。但し、これらに限定されるものではない。
また、これらの基は、更にアルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよい。
【0076】
前記構造式(2)中、Yは水素原子、OR23基を表し、R23は、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
置換されている場合の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、ハロゲン原子、アミノ基、ヘテロ環基等が挙げられる。
前記Yの中でも、色相調節の点で、水素原子、R23がアルキル基であるアルキルオキシ基が好ましい。
【0077】
前記R23で表されるアルキル基は、前記構造式(1)中のR21、R22で表されるアルキル基と同義である。但し、これらに限定されるものではない。
前記R23で表されるアリール基は、前記構造式(1)中のR21、R22で表されるアリール基と同義である。但し、これらに限定されるものではない。また、これらのアリール基は、更にアルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよい。
【0078】
前記構造式(3)中、R27及びR28は、それぞれ独立に置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表し、R27及びR28は同一であってもよいし異なっていてもよい。
置換されている場合の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、ハロゲン原子、アミノ基、ヘテロ環基等が挙げられる。
【0079】
前記R27、R28で表されるアルキル基は、前記構造式(1)中のR21、R22で表されるアルキル基と同義である。但し、これらに限定されるものではない。
前記R27、R28で表されるアリール基は、前記構造式(1)中のR21、R22で表されるアリール基と同義である。但し、これらに限定されるものではない。また、これらのアリール基は、更にアルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよい。
【0080】
前記構造式(1)〜(3)において、X−は酸アニオンを表し、該酸アニオンとしては、炭素原子数1〜9のポリフルオロアルキルカルボン酸、炭素原子数1〜9のポリフルオアルキルスルホン酸、四フッ化ホウ素、テトラフェニルホウ素、ヘキサフルオロリン酸、芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸等が挙げられる。中でも、結晶性の点でヘキサフルオロリン酸が好ましい。
【0081】
以下に、前記構造式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物の具体例を示すが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
【0082】
【化2】
【0083】
【化3】
【0084】
【化4】
【0085】
【化5】
【0086】
前記構造式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。更に、色相調整等の諸目的に応じて、構造式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物と既存の他のジアゾニウム塩化合物とを併用してもよい。
【0087】
前記ジアゾニウム塩化合物の塗布量としては、感熱記録層中に0.05〜2g/m2が好ましく、0.1〜1g/m2がより好ましい。該含有量を前記範囲内とすることで、十分な発色濃度が得られるとともに、塗布液の塗布適性を良好にすることができる。
【0088】
[カプラー]
前述のジアゾニウム塩化合物とカップリング反応して色素を形成し発色させるカプラーとしては、塩基性雰囲気及び/又は中性雰囲気の下でジアゾニウム塩化合物とカップリングして色素を形成し得るものであれば、いずれの化合物も用いることができる。
【0089】
ハロゲン化銀写真感光材料に用いられる、いわゆる4当量カプラーは全てカプラーとして使用可能であり、色相等の目的に合致する範囲で適宜選択することができる。例えば、カルボニル基の隣にメチレン基を有する、いわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体等が挙げられる。
【0090】
中でも、下記式(3)で表される化合物、又は該化合物の互変異性体は特に好ましい。
E1−CH2−E2 …(3)
前記式(3)中、E1及びE2は、それぞれ独立に電子吸引性基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記電子吸引性基は、Hammettのσ値が正である置換基を指し、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、クロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、1−メチルシクロプロピルカルボニル基、1−エチルシクロプロピルカルボニル基、1−ベンジルシクロプロピルカルボニル基、ベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、テノイル基等のアシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−メトキシエトキシカルボニル基、4−メトキシフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−〔2,4−ビス(ペンチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、N−〔2,4−ビス(オクチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、モルホリノカルボニル基等のカルバモイル基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等のアルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基、ジエチルホスホノ基等のホスホノ基、ベンゾオキサゾール−2−イル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−スルホン−2−イル基等の複素環基、ニトロ基、イミノ基、シアノ基が好適に挙げられる。
【0091】
また、前記E1及びE2は、互いに結合して環を形成していてもよい。E1とE2で形成される環としては、5員若しくは6員の炭素環又は複素環が好ましい。
【0092】
前記カプラーの具体例としては、レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸アニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルオキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルアミド、5−アセトアミド−1−ナフトール、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ジアニリド、
【0093】
1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シクロペンタンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、5−フェニル−4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオン、5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、N,N’−ジシクロヘキシルバルビツール酸、N,N’−ジ−n−ドデシルバルビツール酸、N−n−オクチル−N’−n−オクタデシルバルビツール酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、N,N’−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチル)バルビツール酸、
【0094】
1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピバロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセトアセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルファモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピラゾール等が挙げられる。
【0095】
前記カプラーの詳細については、特開平4−201483号、特開平7−223367号、特開平7−223368号、特開平7−323660号、特願平5−278608号、特願平5−297024号、特願平6−18669号、特願平6−18670号、特願平7−316280号、特願平8−027095号、特願平8−027096号、特願平8−030799号、特願平8−12610号、特願平8−132394号、特願平8−358755号、特願平8−358756号、特願平9−069990号等に記載されている。
【0096】
以下に、前記式(3)で表されるカプラーの具体例を示すが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
【0097】
【化6】
【0098】
【化7】
【0099】
【化8】
【0100】
【化9】
【0101】
感熱記録層中におけるカプラーの含有量としては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
【0102】
本発明の感熱記録材料においては、前記ジアゾニウム塩化合物とカプラー(ジアゾ系発色剤)のほか、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組合せ(ロイコ系発色剤)を用いることもできる。例えば、支持体上に複数の感熱記録層を有する感熱記録材料において、その少なくとも1層をロイコ系発色剤を含む層として構成することができる。
【0103】
(電子供与性染料前駆体)
前記電子供与性染料前駆体としては、例えば、トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、キサンテン系化合物、スピロピラン系化合物等が挙げられ、中でも、発色濃度が高い点で、トリアリールメタン系化合物、キサンテン系化合物が好ましい。
【0104】
具体的には、下記化合物が挙げられる。例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(即ちクリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノ)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,3−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(o−メチル−p−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(p−クロロアニリノ)ラクタム、2−ベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−6−ジエチルアミノフルオラン、
【0105】
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−シクロヘキシルメチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−イソアミルエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−オクチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−2−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンジルロイコメチレンブルー、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等である。
【0106】
前記電子供与性染料前駆体の塗布量としては、既述のジアゾニウム塩化合物の場合と同様の理由から、感熱記録層中に0.1〜1g/m2が好ましい。
【0107】
(電子受容性化合物)
前記電子受容性化合物としては、例えば、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられ、中でも特に、ビスフェノール類、ヒドロキシ安息香酸エステル類が好ましい。具体的には、下記化合物が挙げられる。
【0108】
例えば、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(即ち、ビスフェノールP)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸及びその多価金属塩、3,5−ジ(tert−ブチル)サリチル酸及びその多価金属塩、3−α,α−ジメチルベンジルサリチル酸及びその多価金属塩、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール等である。
【0109】
感熱記録層中における電子受容性化合物の含有量としては、電子供与性染料前駆体1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
【0110】
(他の成分)
感熱記録層には、前記成分の他以下のような成分を含有させることができる。
<有機塩基>
本発明においては、ジアゾニウム塩とカプラーとのカップリング反応を促進する目的で有機塩基を添加することが好ましい。前記有機塩基は、感熱記録層中に、ジアゾニウム塩化合物及びカプラーとともに含有させるのが好ましく、単独で用いても2種以上併用してもよい。
前記有機塩基としては、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、アミジン類、ホルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モルホリン類等の含窒素化合物等が挙げられる。また、特公昭52−46806号公報、特開昭62−70082号公報、特開昭57−169745号公報、特開昭60−94381号公報、特開昭57−123086号公報、特開昭58−1347901号公報、特開昭60−49991号公報、特公平2−24916号公報、特公平2−28479号公報、特開昭60−165288号公報、特開昭57−185430号公報に記載のものも使用可能である。
【0111】
中でも特に、N,N’−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス(3−フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピペラジン、1,4−ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキシ〕プロピルオキシ}ベンゼン等のピペラジン類、N−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン等のモルホリン類、N−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピペリジン等のピペリジン類、トリフェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン等のグアニジン類等が好ましい。
【0112】
所望により有機塩基を含有させる場合の、感熱記録層中における有機塩基の含有量としては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
【0113】
<増感剤>
前記有機塩基のほか、発色反応を促進させる目的で、感熱記録層中に増感剤を加えることもできる。
前記増感剤は、加熱記録時の発色濃度を高くする、若しくは最低発色温度を低くする物質であり、カプラー、有機塩基又はジアゾニウム塩化合物等の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下せしめる作用により、ジアゾニウム塩化合物、有機塩基、カプラー等を反応しやすい状況にするものである。
具体的には、分子内に芳香族性の基と極性基を適度に有している低融点有機化合物が好ましく、例えば、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、α−ナフチルベンジルエーテル、β−ナフチルベンジルエーテル、β−ナフトエ酸フェニルエステル、α−ヒドロキシ−β−ナフトエ酸フェニルエステル、β−ナフトール−(p−クロロベンジル)エーテル、1,4−ブタンジオールフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−エチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−m−メチルフェニルエーテル、1−フェノキシ−2−(p−トリルオキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(p−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(p−クロロフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル等が挙げられる。
【0114】
<バインダー>
感熱記録層に用いるバインダーとしては、公知の水溶性高分子化合物やラテックス類等が挙げられる。
前記水溶性高分子化合物としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン誘導体、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチン、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、エピクロルヒドリン変成ポリアミド、イソブチレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド等及びこれらの変成物等が挙げられ、前記ラテックス類としては、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。
【0115】
<顔料>
また、色相調整の目的で、感熱記録層中に顔料を含有させてもよい。
前記顔料としては、有機、無機を問わず公知のものを使用することができ、例えば、カオリン、焼成カオリン、タルク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、リトポン、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コウ、シリカ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バリウム、硫酸バリウム、マイカ、マイクロバルーン、尿素−ホルマリンフィラー、ポリエステルパーティクル、セルロースフィラー等が挙げられる。
【0116】
<酸化防止剤等>
また、発色画像の光及び熱に対する堅牢性を向上させる、又は定着後の未印字部分(非画像部)の光による黄変を軽減する目的で、以下に示す公知の酸化防止剤等を用いることも好ましい。
前記酸化防止剤としては、例えば、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、アメリカ特許第4814262号、アメリカ特許第4980275号等に記載のものを挙げることができる。
【0117】
本発明において、前記ジアゾニウム塩化合物、該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して発色させるカプラー、有機塩基や増感剤等の他の成分、並びに電子供与性染料前駆体、電子受容性化合物の使用形態については特に制限はなく、例えば、(1)固体分散して使用する方法、(2)乳化分散して使用する方法、(3)ポリマー分散して使用する方法、(4)ラテックス分散して使用する方法、(5)マイクロカプセル化を利用する方法等が挙げられる。中でも特に、保存性の観点から、(5)マイクロカプセル化を利用する方法が好ましく、特に▲1▼ジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を利用した発色系では、該ジアゾニウム塩化合物をマイクロカプセル化した形態が、▲2▼電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との反応を利用した発色系では、該電子供与性染料前駆体をマイクロカプセル化した形態が好ましい。
【0118】
(マイクロカプセルの製造方法)
本発明においては、感熱記録材料の保存安定性を向上させる点で、前記ジアゾニウム塩化合物及び/又は電子供与性染料前駆体をマイクロカプセルに内包することが好ましい。
発色成分をマイクロカプセル化する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、一方の発色成分であるジアゾニウム塩化合物(及び電子供与性染料前駆体)を水に難溶又は不溶の有機溶媒に溶解又は分散させ調製した油相を、水溶性高分子を溶解した水相と混合し、ホモジナイザー等の手段により乳化分散した後、加温することによりその油滴界面で高分子形成反応を起こし、高分子物質のマイクロカプセル壁を形成させる界面重合法等が好適に挙げられる。該界面重合法は、短時間内に均一な粒径のカプセルを形成することができ、生保存性に優れた記録材料を得ることができる。
【0119】
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エステル、メチレンクロライド、シクロヘキサノン等の低沸点補助溶剤、及び/又は、リン酸エステル、フタル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルその他のカルボン酸エステル、脂肪酸アミド、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、アルキル化ナフタレン、ジアリールエタン、塩素化パラフィン、アルコール系溶剤、フェノール系溶剤、エーテル系溶剤、モノオレフィン系溶剤、エポキシ系溶剤等が挙げられる。
【0120】
具体例としては、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジラウレート、フタル酸ジシクロヘキシル、オレフィン酸ブチル、ジエチレングリコールベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、イソアミルビフェニル、塩素化パラフィン、ジイソプロピルナフタレン、1,1’−ジトリルエタン、2,4−ジターシャリアミルフェノール、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリン、ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシルエステル、ポリエチレングリコール等の高沸点溶剤が挙げられる。
中でも、アルコール系溶剤、リン酸エステル系溶剤、カルボン酸エステル系溶剤、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、アルキル化ナフタレン、ジアリールエタンが特に好ましい。
【0121】
更に、前記高沸点溶剤に、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の炭化防止剤を添加してもよい。また、前記高沸点溶剤として、特に不飽和脂肪酸を有するものが望ましく、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。該α−メチルスチレンダイマーには、例えば、三井東圧化学社製の「MSD100」等がある。
【0122】
前記水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アミノ変性ポリビニルアルコール、イタコン酸変性ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ブタジエン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルピロリドン、エチレン−アクリル酸共重合体、ゼラチン等が挙げられ、中でも、カルボキシ変性ポリビニルアルコールが好ましい。
【0123】
前記水溶性高分子には、疎水性高分子のエマルジョン又はラテックス等を併用することもできる。該エマルジョン又はラテックスとしては、スチレン−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等が挙げられる。この時、必要に応じて従来公知の界面活性剤等を加えてもよい。
【0124】
マイクロカプセル壁を構成する高分子物質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アミノアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリレート共重合体樹脂、スチレン−メタクリレート共重合体樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。中でも、ポリウレタン・ポリウレア樹脂が特に好ましい。
【0125】
例えば、ポリウレタン・ポリウレア樹脂をカプセル壁材として用いる場合には、多価イソシアネート等のマイクロカプセル壁前駆体をカプセル化し芯物質とすべき油性媒体(油相)中に混合し、更にマイクロカプセル壁前駆体と反応してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、ポリオール、ポリアミン)を水溶性高分子水溶液(水相)中に混合し、前記油相を水相に乳化分散した後、加温することにより油滴界面で高分子形成反応が生じ、マイクロカプセル壁を形成することができる。
【0126】
以下に、前記多価イソシアネート化合物の具体例を示す。但し、これらに限定されるものではない。例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、
【0127】
シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート等のトリイソシアネート類、4,4’−ジメチルフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等のテトライソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、2,4−トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物等のイソシアネートプレポリマー等である。
また、必要に応じて、二種類以上を併用してもよい。中でも特に好ましいものは。分子内にイソシアネート基を三個以上有するものである。
【0128】
マイクロカプセル化の方法において、カプラー(及び電子受容性化合物)、有機塩基、増感剤等の他の成分、及びマイクロカプセル壁前駆体やこれと反応する第2物質を溶解させる有機溶剤としては、既述の有機溶剤と同様である。
マイクロカプセルの粒径としては、0.1〜1.0μmが好ましく、0.2〜0.7μmがより好ましい。
【0129】
以下に、多色の記録材料の具体的な構成態様について説明する。
本発明の感熱記録材料は、支持体上に感熱記録層を1層有する単色の感熱記録材料、及び単色の記録層を複数積層した積層構造の感熱記録層を有する多色の感熱記録材料のいずれであってもよい。多色の感熱記録材料としては、感熱記録層を構成する少なくとも一層が、ジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と反応して呈色するカプラーとを含む光定着型記録層である態様が好ましい。
【0130】
特に、シアン、イエロー、マゼンタを含むフルカラーの感熱記録層の場合には、支持体上の3層が全てジアゾ系発色剤で構成された形態、あるいは支持体に近い第一層目の感熱記録層が電子供与性染料及び電子受容性化合物を含有するロイコ系発色剤で構成され、第二及び第三層目の感熱記録層がジアゾ系発色剤で構成された形態よりなる感熱記録材料が好ましい。
例えば、下記(a)〜(c)に示す態様で構成されたものであってもよい。
【0131】
即ち、(a)支持体上に、最大吸収波長360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第一の記録層(A層))と、最大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第二の記録層(B層))と、を積層してなる記録層を有し、該層上に必要に応じて光透過率調整層、保護層を設けた記録材料、
【0132】
(b)支持体上に、電子供与性染料と電子受容性化合物を含有する記録層(第一の記録層(A層))と、最大吸収波長360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第二の記録層(B層))と、最大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第三の記録層(C層))と、をこの順に積層してなる記録層を有し、該層上に必要に応じて光透過率調整層、保護層を設けた記録材料、
【0133】
(c)支持体上に、最大吸収波長340±20nm以下のジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と呈色反応をするカプラーとを含有する光定着型記録層(第一の記録層(A層))と、最大吸収波長360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第二の記録層(B層))と、最大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第三の記録層(C層))と、をこの順に積層してなる記録層を有し、該層上に必要に応じて光透過率調整層、保護層を設けた記録材料、などである。
【0134】
多色記録の方法について、前記(b)又は(c)により以下に説明する。
まず、第3の記録層(C層)を加熱し、該層に含まれるジアゾニウム塩とカプラーとを発色させる。次に、波長400±20nmの光を照射して、C層中に含まれる未反応のジアゾニウム塩化合物を分解し光定着した後、第2の記録層(B層)が発色するに十分な熱を与え、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物とカプラーとを発色させる。このとき、C層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩化合物は分解されており(光定着されている)、発色能力が失われているため発色しない。さらに、波長360±20nmの光を照射し、B層に含まれるジアゾニウム塩化合物を分解し光定着した後、最後に、第1の記録層(A層)が発色しうる十分な熱を加えて発色させる。このとき、C層、B層の記録層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩化合物は分解されており、発色能力が失われているため発色しない。
【0135】
各層の積層順としては、視感度の低いイエロー層を最下層にすることが、支持体面上の粗さに起因する画質への影響を減らすことができ、特に画質向上を図る場合に有用である。
また、全ての記録層(A層、B層、及びC層)をジアゾ系の記録層とした場合、A層及びB層は、発色させた後に光定着を行うことが必要であるが、最後に画像記録を行うC層に関しては、必ずしも光定着を行う必要はない。しかし、形成画像の保存安定性を向上する観点からは、光定着することが好ましい。
【0136】
光定着に用いる定着用光源としては、公知の光源の中から適宜選択でき、例えば、種々の蛍光灯、キセノンランプ、水銀灯等が挙げられ、中でも、高効率に光定着する点で、光源の発光スペクトルが、記録材料に用いたジアゾニウム塩化物の吸収スペクトルとほぼ一致する光源を用いることが好ましい。
【0137】
[他の層]
本発明の感熱記録材料においては、支持体上に単数若しくは複数の感熱記録層を有するほか、光透過率調整層や保護層を有してなる態様が好ましい。
【0138】
(光透過率調整層)
前記光透過率調整層は、紫外線吸収剤前駆体を含有しており、定着に必要な領域の波長の光照射前は紫外線吸収剤として機能しないので光透過率が高く、光定着型感熱記録層を定着する際、定着に必要な領域の波長を十分に透過させ、しかも可視光線の透過率も高いので、感熱記録層の定着に支障を来すこともない。この紫外線吸収剤前駆体は、マイクロカプセル中に含ませることが好ましい。
また、光透過率調整層に含有する化合物としては、特開平9−1928号公報に記載の化合物が挙げられる。
【0139】
前記紫外線吸収剤前駆体は、感熱記録層の光照射による定着に必要な領域の波長の光照射が終了した後、光または熱などで反応することにより紫外線吸収剤として機能するようになり、紫外線領域の定着に必要な領域の波長の光は紫外線吸収剤によりその大部分が吸収され、透過率が低くなり、感熱記録材料の耐光性が向上するが、可視光線の吸収効果がないから、可視光線の透過率は実質的に変わらない。
光透過率調整層は感熱記録材料中に少なくとも1層設けることができ、最も望ましくは感熱記録層と最外保護層との間に形成するのがよいが、光透過率調整層を保護層と兼用するようにしてもよい。光透過率調整層の特性は、感熱記録層の特性に応じて任意に選定することができる。
【0140】
光透過率調整層形成用の塗布液(光透過率調整層用塗布液)は、前記各成分を混合して得られる。該光透過率調整層塗布液を、例えばバーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等の公知の塗布方法により塗布して形成することができる。光透過率調整層は、感熱記録層等と同時塗布してもよく、例えば感熱記録層形成用の塗布液を塗布し一旦感熱記録層を乾燥させた後、該層上に塗布形成してもよい。
【0141】
(保護層)
前記保護層は、バインダーと共に、顔料、滑剤、界面活性剤、分散剤、蛍光増白剤、金属石鹸、硬膜剤、紫外線吸収剤、架橋剤等を含有してなる。
前記バインダー、顔料は、既述のバックコート層に使用可能な水溶性バインダー及び顔料の中から適宜選択して使用することができる。また、他のバインダーとして、合成ゴムラテックス、合成樹脂エマルジョン等が挙げられ、例えば、スチレンーブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等も挙げられる。
前記バインダーの含有量としては、保護層中の顔料に対して、10〜500質量%が好ましく、50〜400質量%がより好ましい。
【0142】
また、耐水性を更に向上させる目的で、架橋剤及びその反応を促進させる触媒を併用することが有効であり、該架橋剤としては、例えば、エポキシ化合物、ブロックドイソシアネート、ビニルスルホン化合物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、硼酸、カルボン酸無水物、シラン化合物、キレート化合物、ハロゲン化物等が挙げられ、保護層形成用の塗布液のpHを6.0〜7.5に調整できるものが好ましい。前記触媒としては、公知の酸、金属塩等が挙げられ、上記同様に塗布液のpHを6.0〜7.5に調整できるものが好ましい。
【0143】
前記滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等が好適に挙げられる。
前記界面活性剤としては、感熱記録層上に均一に保護層を形成可能なように、スルフォコハク酸系のアルカリ金属塩、フッ素含有界面活性剤等が好適に挙げられ、具体的には、ジ−(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸、ジ−(n−ヘキシル)スルホコハク酸等のナトリウム塩、及びアンモニウム塩等が挙げられる。
【0144】
保護層形成用の塗布液(保護層用塗布液)は、前記各成分を混合して得られる。更に、必要に応じて離型剤、ワックス、撥水剤等を加えてもよい。
【0145】
本発明の感熱記録材料は、支持体上に形成した感熱記録層上に保護層塗布液を公知の塗布方法により塗布して形成することができる。前記公知の塗布方法としては、例えば、バーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等を用いた方法が挙げられる。
【0146】
保護層の乾燥塗布量としては、0.2〜7g/m2が好ましく、1〜4g/m2がより好ましい。該乾燥塗設量が、0.2g/m2未満であると、耐水性が維持できないことがあり、7g/m2を超えると、著しく熱感度が低下することがある。保護層の塗布形成後、必要に応じてキャレンダー処理を施してもよい。
【0147】
(中間層)
感熱記録層を複数積層する場合、各感熱記録層間には中間層を設けることが好ましい。該中間層には、前記保護層と同様、各種バインダーに更に顔料、滑剤、界面活性剤、分散剤、蛍光増白剤、金属石鹸、紫外線吸収剤等を含ませることができる。前記バインダーとしては、保護層と同様のバインダーが使用できる。
【0148】
(支持体)
前記支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム等のセルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリル酸共重合体フィルム、ポリカーボネートフィルム等の合成高分子フィルム、及び紙、合成紙、プラスチック樹脂層を有する紙、等が挙げられる。
前記支持体は、単独であるいは貼り合わせて使用することができる。
【0149】
前記プラスチック樹脂層を有する紙としては、原紙の両面又は少なくとも感熱記録層が形成される側の表面に熱可塑性樹脂を含む層が形成されたものが望ましい。このような支持体としては、例えば、▲1▼原紙に熱可塑性樹脂が溶融押し出し塗工されたもの、▲2▼原紙上に溶融押し出し塗工された熱可塑性樹脂の上にガスバリアー層を塗布したもの、▲3▼原紙の酸素透過性の低いプラスチックフィルムを接着させたもの、▲4▼原紙にプラスチックフイルムを接着させた面上に溶融押し出しにより熱可塑性樹脂を設けたもの、▲5▼原紙に熱可塑性樹脂を溶融押し出し塗工された後、プラスチックフイルムを接着させたもの、等が挙げられる。
【0150】
原紙に溶融押し出し塗工される前記熱可塑性樹脂としては、オレフィン樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単独重合体及びこれらの各種重合体の混合物、あるいはエチレンとビニルアルコールとのランダム共重合体が好ましい。前記ポリエチレンとしては、例えば、LPDE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、L−LPDE(直鎖状低密度ポリエチレン)等が挙げられる。
【0151】
原紙にプラスチックフィルムを貼り合わせる方法としては、「新ラミネート加工便覧」(加工技術研究会編)等に記載の公知のラミネーション法から適宜選択できるが、いわゆるドライラミネーション、無溶媒型ドライラミネーション、電子線若しくは紫外線硬化型樹脂を用いたドライラミネーション、ホットドライラミネーションが好ましい。
上述した各種支持体の中でも、原紙の少なくとも一方の表面がポリエチレンでラミネートされてなる紙支持体が好ましく、一般には感熱記録層が形成される側の表面にラミネートされる。更には、原紙の両方の表面がポリエチレンでラミネートされてなる紙支持体がより好ましく、感熱記録層が形成される側の表面には平面性を上げる目的でラミネートがされ、該表面と逆側の表面にはカールバランスを調整する目的でラミネートがなされる。
【0152】
前記合成高分子フィルムは任意の色相に着色されていてもよく、高分子フィルムを着色する方法としては、▲1▼フィルム成形前に予め樹脂に染料を混練しフィルム状に成形する方法、▲2▼染料を適当な溶剤に溶かした塗布液を調製しこれを透明無色な樹脂フィルム上に公知の塗布方法、例えばグラビアコート法、ローラーコート法、ワイヤーコート法等により塗布、乾燥する方法等が挙げられる。中でも、青色染料を混練したポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂をフィルム状に成形し、これに耐熱処理、延伸処理、帯電防止処理を施したものが好ましい。
【0153】
前記支持体の厚さとしては、25〜300μmが好ましく、50〜250μmがより好ましい。
前記感熱記録層、保護層、光透過率調整層、中間層等は、支持体上に、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等の公知の塗布方法により塗布し、乾燥して形成することができる。
【0154】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。以下において、ジアゾニウム塩化合物を単にジアゾ化合物ということがある。
【0155】
(実施例1)
(1)支持体の作製
LBKP100部からなる木材パルプをダブルディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶乾質量比で添加し、長網抄紙機により秤量し140g/m2の原紙を抄造、ポリビニルアルコールを1.0g/m2絶乾重量で表面サイズし、キャレンダー処理によって密度1.0に調整された基紙を得た。
【0156】
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行った後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ30μmとなるようにコーティングし、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層にさらにコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(アルミナゾル100、日産化学工業(株)製)と二酸化ケイ素(スノーテックスO、日産化学工業(株)製)とを1:2の比(質量比)で水に分散した分散液を、乾燥重量が0.2g/m2となるように塗布した。
【0157】
更に、樹脂層の設けられていない側のフェルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、酸化チタン10%及び微量の群青を含有する低密度ポリエチレンを溶融押出機を用いて、厚み40μmとなるように溶融押し出しし、高光沢な熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称する。)、支持体とした。該オモテ面のポリエチレン表面にコロナ放電処理した。
【0158】
(2)インク受容層等の形成
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水93.5部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)22部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を120部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部、及びステアリン酸亜鉛分散液(ハイミクロンL−111、中京油脂(株)製、20%分散液)52部を添加して、インク受容層液を得た。(顔料/水性結着剤=2.0、全塗設成分に対するステアリン酸亜鉛の比率20%)
【0159】
<中間バック層用塗布液の調製>
ポリビニルアルコール(PVA105、(株)クラレ製)の12.5%水溶液100部に対し、スルホコハク酸2−エチルヘキシルエステル(ラピゾールB−90、日本油脂(株)製)の2%水溶液を24部、合成雲母分散液(ソマシフMEB−3、コープケミカル(株)製)を15部、水酸化アルミ分散液(ハイジライトH42S(昭和軽金属(株)製)45部、ヘキサメタリン酸ナトリウム1部、水150部を混合し、ボールミルなどの湿式分散機で、平均粒径0.5μに分散した分散液)20部を添加・撹拌して、合成雲母・水酸化アルミおよびポリビニルアルコール含有の中間バック層塗布液を得た。
【0160】
<最下層バック層用塗布液の調製>
15%アルカリ処理ゼラチン水溶液300部と、スルホコハク酸2−エチルヘキシルエステル(ラピゾールB−90、日本油脂(株)製)の2%水溶液を100部と、水1800部とを混合して、中間バック層用塗布液を得た。
【0161】
<インク受容層等の形成>
上記より得た支持体の表面とは逆側の面に、支持体側から最下層バック液、中間バック層塗布液、インク受容層用塗布液を、乾燥後の固形分塗布量がそれぞれ8g/m2、1.8g/m2、7.8g/m2となるように塗布、乾燥して、支持体上に最下層バック層、中間バック層及びインク受容層の3層からなるバックコート層を形成した。
【0162】
次に、オモテ面の作製について述べる。
(3)下塗り層用塗布液の調製
膨油性合成雲母「ME100」(コープケミカル社製)2.5部に対して水97.5部を加え、ダイナミルで分散を行った。これを40℃のゼラチン5%水溶液200部中に添加して30分間攪拌し、下記界面活性剤−1の5%水溶液20mlを加えて下塗り層用塗布液を調製した。
【0163】
【化10】
【0164】
(4)シアン感熱記録層用塗布液の調製
<電子供与性染料前駆体含有マイクロカプセル液Aの調製>
▲1▼a液
3−(o−メチル−p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1’−エチル−2’−メチルインドール−3−イル)フタリド(電子供与性染料前駆体)5部を酢酸エチル20部に溶解させた後、これに1−フェニル−1−キシリルエタン(高沸点溶媒)2 0部を添加し、加熱して均一に混合した。得られた溶液に、カプセル壁材としてキシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパンの1/3付加物20部を添加して均一に撹拌し、a液を得た。
▲2▼b液
フタル化ゼラチン6%水溶液54部に、ドデシルスルホン酸ナトリウム2%水溶液2部を添加してb液を得た。
【0165】
上記より得たb液にa液を加え、ホモジナイザーを用いて乳化分散し乳化分散液を得た。得られた乳化分散液に水68部を混合して均一にした後、該混合液を撹拌しながら50℃に加熱し、マイクロカプセルの平均粒子径が1.2μmとなるようにカプセル化反応を3時間行わせ、電子供与性染料前駆体含有マイクロカプセル液Aを得た。
【0166】
<顕色剤乳化分散液Bの調製>
1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン(顕色剤)2.5部、トリクレジルホスフェート0.3部及びマレイン酸ジエチル0.1部を酢酸エチル10部中に溶解させた。得られた溶液を、ゼラチンの6%水溶液20部及びドデシルスルホン酸ナトリウムの2%水溶液2部を混合した溶液に投入し、ホモジナイザーを用いて10分間乳化し、顕色剤乳化分散液Bを得た。
【0167】
<シアン感熱記録層用塗布液の調製>
上記より得た電子供与性染料前駆体含有マイクロカプセル液Cに、SBRラテックス(SN−307、住友ノーガタック(株)製)をマイクロカプセルの固形分に対して40%添加し、その後、電子供与性染料前駆体含有マイクロカプセル液Cに対して、前記顕色剤乳化分散液Dを質量比が1/4となるように混合し、シアン感熱記録層用塗布液を得た。
【0168】
(5)マゼンタ感熱記録層用塗布液の調製
<ジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Cの調製>
下記ジアゾ化合物(1)(波長365nmの光で分解)2.8部を酢酸エチル20部に溶解した後、更にジイソプロピルナフタレン12部を添加し、加熱して均一に混合した。得られた溶液に、カプセル壁材としてキシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパン1/3の付加物15部を添加し、均一に混合してジアゾ化合物を含むI液を得た。
【0169】
得られたI液を、フタル化ゼラチンの6%水溶液54部とドデシルスルホン酸ナトリウムの2%水溶液2部を混合した溶液に添加し、ホモジナイザーを使用して乳化分散した。得られた乳化分散液に更に水68部を加えて均一に混合し、撹拌しながら40℃に加熱して、カプセルの平均粒子径が1.2μmとなるように3時間カプセル化反応を行わせ、ジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Cを得た。
【0170】
【化11】
【0171】
<カプラー乳化分散液Dの調製>
下記カプラー(1)2部、1,2,3−トリフェニルグアニジン2部、トリクレジルホスフェート0.3部及びマレイン酸ジエチル0.1部を酢酸エチル10部中に溶解した。得られた溶液を、ゼラチンの6%水溶液20部とドデシルスルホン酸ナトリウムの2%水溶液2部を混合した水溶液中に投入した後、ホモジナイザーを用いて10分間乳化し、カプラー乳化分散液Dを得た。
【0172】
【化12】
【0173】
<マゼンタ感熱記録層用塗布液の調製>
上記より得たジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Cに、SBRラテックス(SN−307、住友ノーガタック(株)製)をマイクロカプセルの固形分に対して40%添加し、その後、前記カプラー乳化液Dをジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Cに対して質量比で3/2となるように混合して、マゼンタ感熱記録層用塗布液を得た。
【0174】
(6)イエロー感熱記録層用塗布液の調製
<ジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Eの調製>
2,5−ジブトキシ−4−トリルチオベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェート(ジアゾ化合物:波長420nmの光で分解)3.0部を酢酸エチル20部に溶解した後、これに高沸点溶媒としてトリクレジルフェスフェート7部及びモノイソプロピルビフェニル4部を添加し、加熱して均一に混合した。得られた溶液に、カプセル壁材としてキシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパンの1/3付加物を15部添加し、均一に混合してジアゾ化合物を含むII液を得た。
【0175】
得られたII液を、フタル化ゼラチンの6%水溶液54部とドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液2部を混合した溶液に添加し、ホモジナイザーを使用して乳化分散した。得られた乳化分散液に水68部を加えて均一に混合した溶液を、更に撹拌しながら40℃に加熱し、カプセルの平均粒子径が1.3μmとなるように3時間カプセル化反応を行わせ、ジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Eを得た。
【0176】
<カプラー乳化分散液Fの調製>
2−クロロ−5−(3−(2,4−ジ−tert−ペンチル)フェノキシプロピルアミノ)アセトアセトアニリド2部、1,2,3−トリフェニルグアニジン1部、トリクレジルホスフェート0.3部及びマレイン酸ジエチル0.1部を酢酸エチル10部中に溶解し、ゼラチンの6%水溶液20部とドデシルスルホン酸ナトリウムの2%水溶液2部を混合した水溶液中に投入し、ホモジナイザーを使用して10分間乳化し、カプラー乳化分散液Fを得た。
【0177】
<イエロー感熱記録層用塗布液の調製>
上記より得たカプラー乳化分散液Fを、ジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Eに対して重量比で3/2となるように混合して、イエロー感熱記録層用塗布液を得た。
【0178】
(7)中間層用塗布液の調製
ゼラチン(#750、新田ゼラチン(株)製)の15%水溶液10部に、ポリアクリル酸(ジュリマーAC−10L、日本純薬(株)製)の15%水溶液3部を加えて均一に混合し、中間層用塗布液を得た。
【0179】
(8)光透過率調整層用塗布液の調製
下記に示す化合物1.5部と、還元剤として化合物R−6を0.5部と、酢酸エチル6.0部と、燐酸トリクレジル0.8部とを混合して十分に溶解した。この溶液に、カプセル壁剤としてキシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパン(タケネートD110N、75%酢酸エチル溶液、武田薬品工業(株)製)3.0部を更に添加して均一に攪拌した。これに、カルボキシ変性ポリビニルアルコール(KL−318、(株)クラレ製)の8%水溶液29.7部を添加し、ホモジナイザーにて乳化分散を行った。得られた乳化液を40部のイオン交換水に添加して40℃で3時間攪拌し、カプセル化反応を行わせた。この後、イオン交換樹脂アンバーライトMB−03(オルガノ(株)製)7.0部を添加して更に1時間攪拌を行い、光透過率調整層用塗布液を調製した。マイクロカプセルの平均粒子径は0.35μmであった。
【0180】
【化13】
【0181】
(9)保護層用塗布液の調製
下記組成を混合して保護層用塗布液を調製した。
・EP130(7%) …100g
(ドデシル変性ポリビニルアルコール、電気化学工業(株)製)
・水 … 50g
・バリファイン BF21分散液(20%) … 10g
(硫酸バリウム超微粒子、堺化学工業(株)製)
・前記界面活性剤−1(2%) … 5ml
・下記界面活性剤−2(5%) … 5ml
【0182】
【化14】
【0183】
(10)感熱記録材料の作製
上記より得た支持体のオモテ面のコロナ放電処理されたポリエチレン表面に、支持体側から、下塗り層用塗布液、シアン感熱記録層用塗布液、中間層用塗布液、マゼンタ感熱記録層用塗布液、中間層用塗布液、イエロー感熱記録層用塗布液、光透過率調整層用塗布液、及び保護層用塗布液の順に多層に塗布し、乾燥して本発明の多色感熱記録材料(1)を作製した。
各塗布液の塗布量は、乾燥後の固形分換算で、支持体側から順に、下塗り層1.0g/m2、シアン感熱記録層7.2g/m2、中間層2.0g/m2、マゼンタ感熱記録層7.8g/m2、中間層2.0g/m2、イエロー感熱記録層5.0g/m2、光透過率調整層2.5g/m2、保護層1.2g/m2とした。
【0184】
実施例2
実施例1の<インク受容層用塗布液の調製>を以下のように変更する他は実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水96.6部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)22部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を120部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部、及びステアリン酸亜鉛分散液(ハイミクロンL−111、中京油脂(株)製、20%分散液)17部を添加して、インク受容層液を得た。(顔料/水性結着剤=2.0、全塗設成分に対するステアリン酸亜鉛の比率8.5%)
【0185】
実施例3
実施例1の<インク受容層用塗布液の調製>を以下のように変更する他は実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水96.6部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)22部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を120部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部、及びステアリン酸亜鉛分散液(ハイミクロンL−111、中京油脂(株)製、20%分散液)68部を添加して、インク受容層液を得た。(顔料/水性結着剤=2.0、全塗設成分に対するステアリン酸亜鉛の比率24%)
【0186】
実施例4
実施例1の<インク受容層用塗布液の調製>を以下のように変更する他は実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水96.6部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)22部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を120部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部、及びステアリン酸亜鉛分散液(ハイミクロンL−111、中京油脂(株)製、20%分散液)100部を添加して、インク受容層液を得た。(顔料/水性結着剤=2.0、全塗設成分に対するステアリン酸亜鉛の比率32%)
【0187】
比較例1
実施例1の<インク受容層用塗布液の調製>を以下のように変更する他は実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水96.6部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)22部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を120部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部を添加して、インク受容層液を得た。
(顔料/水性結着剤=2.0)
【0188】
比較例2
実施例1の<インク受容層用塗布液の調製>を以下のように変更する他は実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水96.6部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)11部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を196部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部を添加して、インク受容層液を得た。(顔料/水性結着剤=0.6)
【0189】
比較例3
実施例1の<インク受容層用塗布液の調製>を以下のように変更する他は実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水96.6部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)22部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を196部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部を添加して、インク受容層液を得た。
(顔料/水性結着剤=1.2)
【0190】
比較例3
実施例1の<インク受容層用塗布液の調製>を以下のように変更する他は実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水96.6部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)33部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を120部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部を添加して、インク受容層液を得た。
(顔料/水性結着剤=3.0)
【0191】
(評価)
上記の如くして得た感熱記録材料を、下記の基準で評価した。結果を表1に示す。
▲1▼ 紙送り特性
前記感熱記録材料をインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM−950M)のトレーに10枚セットし、10枚連続印刷した。
○:10枚とも問題なく印刷できた。
×:ダブルフィーダーなどが発生した。
▲2▼ インクジェット記録特性の評価
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM−950M)を用いて、黒、赤、青、緑の文字を明朝体10ptで印字して、目視でインクの滲みを判定した。
【0192】
【表1】
【0193】
表1が示すように、インク受容層が顔料、水性結着剤及び潤滑剤を含有し、水性結着剤に対する顔料の比率(質量)が本発明の範囲であると、インクジェット記録特性及び紙送り特性がともに良好である。また、比較例1ないし比較例4が示すように、摩擦係数は顔料と水性結着剤の比率を変えることにより調節可能であるが、摩擦係数が0.44及び0.55である比較例2及び比較例3では紙送り性に問題はないものの、インクジェット記録特性が劣っている。また、比較例1及び4はインクジェット記録特性は良好であるものの搬送性が劣っている。
【0194】
【発明の効果】
本発明の感熱記録材料は、インクの滲みやかすれ等、インクジェット記録特性が劣化することなく、感熱記録層面とインク受容層層面との摩擦係数を調節することが可能で、紙送りが適正化される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録材料に関し、詳しくは、インクジェット印字適性があり、カールが少なく、インクジェット記録層における印字滲みや顔料の脱落がない感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
サーマルヘッド等により熱を供与して画像を記録する感熱記録材料は、比較的安価であり、その記録装置が簡便で信頼性が高く、メンテナンスが不要であることから広く普及し、近年では、特に高画質化、保存安定性の向上等の高性能化が図られてきている。
【0003】
ところで、感熱記録材料の裏面にインク受容層を設け、感熱記録とインクジェット記録の両方が可能な記録体が提案されている(例えば、以下の特許文献1及び特許文献2を参照)。
特許文献1の感熱記録材料は、支持体の一方の面に、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を有し、該支持体の他方の面に、顔料とカチオン性樹脂を含有する水性インクジェット記録層を設けたものであるが、感熱記録材料の記録装置における搬送性等に問題がある。
これに対し、特許文献2の感熱記録材料は、感熱記録層の面とインクジェット記録層の面との間の摩擦係数を0.3〜0.7に設定することにより、ダブルフィードやミスフィードといった搬送性の問題を解決している。具体的な手段としてはインクジェット記録層及び/又は感熱記録層の最上層(例えば感熱記録層の場合保護層)に顔料として一次平均粒子の平均粒子径が5μm以下、好ましくは1〜5μm程度のタルク粒子を含有させて摩擦係数を調節している(特許文献2の段落0009、0066を参照)。このように特許文献2における摩擦係数の調節手段は、感熱記録材料の両表面の少なくとも一方の面にタルクを含ませることが必要であるという制約があり、インクジェット記録層に顔料としてタルクを含ませると、記録濃度が比較的低いという問題が生ずる。
【0004】
また、摩擦係数を調節するには、インクジェット記録層における顔料とバインダーとの割合を変えることも考えられる。しかしながら、搬送性を高めるためにバインダーに対する顔料の比率を下げる(摩擦係数を下げる)とインクジェット記録特性が悪化するという問題がある。また、インクジェット記録特性を適性にするために、顔料の比率を上げると搬送性が悪くなるという問題が生ずる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−203163号公報
【特許文献2】
特開2001−205933号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のごとき状況の下になされたものであり、その目的は、裏面にインクジェット記録が可能な感熱記録材料において、インクの滲みやかすれ等、インクジェット記録特性を劣化させることなく、かつ紙送り特性に優れた感熱記録材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、以下の感熱記録材料を提供することにより解決される。
(1)支持体の一方の表面に少なくとも感熱記録層を有し、他方の表面にインク受容層を有する感熱記録材料において、前記インク受容層が、顔料、水性結着剤及び潤滑剤を含有し、かつ前記水性結着剤に対する顔料の比率(質量)が1.5〜3.0の範囲であることを特徴とする感熱記録材料。
(2)前記インク受容層において水性結着剤に対する顔料の比率が1.8〜2.2であることを特徴とする前記(1)に記載の感熱記録材料。
(3)前記インク受容層と支持体の間に1層又は2層以上のバック層を有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の感熱記録材料。
(4)前記バック層の1つの層が、水性結着剤及び無機質の層状化合物を含有する層であることを特徴とする前記(1)ないし(3)のいずれか1に記載の感熱記録材料。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の感熱記録材料は支持体の一方の表面に少なくとも感熱記録層を有し、他方の表面にインク受容層を有する。前記インク受容層は顔料、水性結着剤及び潤滑剤を含有し、かつ前記水性結着剤に対する顔料の比率(質量)が1.5〜3.0の範囲であることを特徴とする。この構成により、インクの滲みやかすれ等、インクジェット記録特性を劣化させることなく感熱記録層面とインク受容層層面との摩擦係数を調節することが可能となり、紙送り特性が適正化される。
また、本発明の感熱記録材料においては、インク受容層と支持体の間に1層または2層以上のバック層(以下で説明する「中間バック層」、及び「最下バック層」等)を設けてもよい。さらに感熱記録層は1層でも2層以上の多層でもよく、感熱記録層の表面に保護層を設けてもよい。
以下、本発明の感熱記録材料について詳細に説明する。
【0009】
[インク受容層]
インク受容層は、少なくとも、顔料、水性結着剤及び潤滑剤を含有し、さらにカチオン樹脂を含有することが好ましい。インク受容層においては、インクジェット記録濃度、インクの滲み、顔料粉落ちの観点からみて水性結着剤に対する顔料の比率は1.5〜3.0の範囲が適切であり、また、1.8〜2.2の範囲が好ましい。
インク受容層に含有される顔料としては、例えば平均粒子径が0.1〜5μm程度の非晶質シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、アルミナゲル、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ゼオライト、焼成クレー、カオリンクレー、タルク、ホワイトカーボン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸バリウム等の無機顔料、およびスチレン樹脂フィラー、ナイロン樹脂フィラー尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン等の有機顔料が挙げられる。
【0010】
なかでも、非晶質シリカ、アルミナゲルはインクの吸収性が良く、またインクの発色濃度も高いため好ましい。顔料の使用量についても特に限定されるものではないが、水性インク受容層に対して50〜90重量%程度が好ましい。
【0011】
水性結着剤としては、例えば完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、デンプン、酸化デンプン、カチオン変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、アクリル系または酢酸ビニル系のカチオン性ラテックス等が挙げられる。
【0012】
この内、ケイ素変性ポリビニルアルコールは、インクの吸収速度を低下させることなく、インク受容層の強度を上げることができるため、好ましく用いられる。
水性結着剤使用量については、特に限定されるものではないが、インク受容層に対して5〜40重量%程度である。
【0013】
前記潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等が好適に用いられる。中でもステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムが好ましい。
また、潤滑剤の添加量は塗設成分の5〜50質量%程度が好ましく、特に8〜35質量%程度がより好ましい。
【0014】
インク受容層に含有されるカチオン樹脂としては、カチオン性基として、第1級〜第3級アミノ基、または第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することができる。これら媒染剤は、インク受容層のインク吸収性良化の観点から、重量平均分子量が500〜100000の化合物が好ましい。
上記ポリマー媒染剤としては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、または第4級アンモニウム塩基を有する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染モノマー」という。)との共重合体または縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポリマーまたは水分散性ラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
【0015】
上記単量体(媒染モノマー)としては、例えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、
【0016】
トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムアセテート、
【0017】
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドによる4級化物、またはそれらのアニオンを置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
【0018】
具体的には、例えば、モノメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、
【0019】
N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセテート等を挙げることができる。
その他、共重合可能なモノマーとして、N―ビニルイミダゾール、N―ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
【0020】
また、アリルアミン、ジアリルアミンやその誘導体、塩なども利用できる。このような化合物の例としてはアリルアミン、アリルアミン塩酸塩、アリルアミン酢酸塩、アリルアミン硫酸塩、ジアリルアミン、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン酢酸塩、ジアリルアミン硫酸塩、ジアリルメチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルエチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルジメチルアンモニウム塩(該塩の対アニオンとしてはクロライド、酢酸イオン硫酸イオンなど)が挙げられる。尚、これらのアリルアミンおよびジアリルアミン誘導体はアミンの形態では重合性が劣るので塩の形で重合し、必要に応じて脱塩することが一般的である。
また、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、およびこれを塩にしたものも利用できる。
【0021】
上記非媒染モノマーとは、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、または第4級アンモニウム塩基等の塩基性あるいはカチオン性部分を含まず、インクジェットインク中の染料と相互作用を示さない、あるいは相互作用が実質的に小さいモノマーをいう。
上記非媒染モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
【0022】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。
上記非媒染モノマーも、一種単独でまたは二種以上を組合せて使用できる。
【0023】
更に、上記ポリマー媒染剤として、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドと他のモノマー(媒染モノマー、非媒染モノマー)との共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとSO2との共重合体、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリジアリル塩酸塩等に代表される環状アミン樹脂およびその誘導体(共重合体も含む);ポリジエチルメタクリロイルオキシエチルアミン、ポリトリメチルメタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド、ポリジメチルベンジルメタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド、ポリジメチルヒドロキシエチルアクリロイルオキシエチルアンモニウムクロリド等に代表される2級アミノ、3級アミノまたは4級アンモニウム塩置換アルキル(メタ)アクリレート重合体および他のモノマーとの共重合体;ポリエチレンイミンおよびその誘導体、ポリアリルアミンおよびその誘導体、ポリビニルおよびその誘導体等に代表されるポリアミン系樹脂;ポリアミド−ポリアミン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂等に代表されるポリアミド樹脂;カチオン化でんぷん、キトサンおよびキトサン誘導体等に代表される多糖類;ジシアンジアミドホルマリン重縮合物、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物等に代表されるジシアンジアミド誘導体;ポリアミジンおよびポリアミジン誘導体;ジメチルアミンエピクロロヒドリン付加重合物等に代表されるジアルキルアミンエピクロロヒドリン付加重合物およびその誘導体;第4級アンモニウム塩置換アルキル基を有するスチレン重合体およびその他のモノマーとの共重合体等も好ましいものとして挙げることができる。
【0024】
上記ポリマー媒染剤として、具体的には、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号、特開平1−161236号、同10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号、特公平5−35162号、同5−35163号、同5−35164号、同5−88846号、特開平7−118333号、特開2000−344990号、特許第2648847号、同2661677号等の各公報に記載のもの等が挙げられる。
【0025】
本発明における有機媒染剤としては、特に経時滲みの防止の観点から、重量平均分子量が500〜100000の化合物が好ましい。
【0026】
本発明に用いるポリアリルアミンまたはその誘導体としては、公知の各種アリルアミン重合体及びその誘導体が挙げられる。このような誘導体としては、ポリアリルアミンと酸との塩(酸としては塩酸、硫酸、リン酸、硝酸などの無機酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、桂皮酸、(メタ)アクリル酸などの有機酸、あるいはこれらの組み合せや、アリルアミンの一部分のみを塩にしたもの)、ポリアリルアミンの高分子反応による誘導体、ポリアリルアミンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体(該モノマーの具体例としては(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、(メタ)アクリルアミド類、アクリロニトリル、ビニルエステル類等)が挙げられる。
【0027】
ポリアリルアミンおよびその誘導体の具体例としては、特公昭62−31722号、特公平2−14364号、特公昭63−43402号、同63−43403号、同63−45721号、同63−29881号、特公平1−26362号、同2−56365号、同2−57084号、同4−41686号、同6−2780号、同6−45649号、同6−15592号、同4−68622号、特許第3199227号、同3008369号、特開平10−330427号、同11−21321号、特開2000−281728号、同2001−106736号、特開昭62−256801号、特開平7−173286号、同7−213897号、同9−235318号、同9−302026号、同11−21321号、WO99/21901号、WO99/19372号、特開平5−140213号、特表平11−506488号等の各公報に記載の化合物が挙げられる。
【0028】
かかるカチオン性樹脂の使用量は、特に限定されるものではないが、インク受容層に対して1〜50重量%程度が好ましい。より好ましくは1〜30重量%程度である。
【0029】
インク受容層用塗液中には、更に顔料分散剤、消泡剤、着色染料、蛍光染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、架橋剤等を適宜添加してもよい
【0030】
インク受容層は、インク受容層用塗液をエアーナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアーブレードコーティング、ビルブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等のコーテイング方法により支持体の裏面に乾燥後の塗布量が1〜20g/m2程度、好ましくは2〜15g/m2程度となるように塗布乾燥して形成される。
【0031】
インク受容層の塗布量が1g/m2未満になると、インクジェット記録部の記録画質と耐水性が低下し、20g/m2を超えるとインク受容層が容易に剥がれ落ちたり、インクジェット記録時にヘッドノズルに目ずまりが発生することがある。
【0032】
[バック層]
本発明の感熱記録材料は、支持体とインク受容層の間に1層又は2層以上のバック層を設けることができる。前記バック層としては以下に記載するような層が挙げられるがこれに限定されるものではない。
〈中間バック層〉
中間バック層の例として、インク受容層の下に、水性結着剤及び無機質の層状化合物を含有し、必要に応じて、無機顔料等の他の成分を含む中間バック層が挙げられる。
例えば、低湿/高湿に偏った湿度環境下では、空気と接する層内において、水分が水蒸気として多く放出若しくは吸収され易く、この場合に支持体の両表面の伸縮バランスが崩れるといずれか一方の側にカールが生じやすく、殊に、多層よりなる多色感熱記録材料の場合には、多層の感熱記録層を有する側と該層を有しない側とでは、水分の吸収、放出の程度が大きく収縮バランスがより崩れ易くなって大きく変形し得る。しかし、感熱記録層を有しない側の表面(裏面)に、1層又は2層以上の中間バック層を設け、その中間バック層に水性結着剤及び無機質の層状化合物を含ませることによって、隣接する層で保持された水分を中間バック層で遮断することができ、空気中の湿度変化に伴う層の水分移動を遮蔽し、表裏間の収縮バランスを保ち易くなる。これは熱記録時に助長され易いが、熱印加における表裏の収縮バランス維持にも有用である。
【0033】
ここで用いる水性結着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、デンプン、酸化デンプン、カチオン変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、アクリル系または酢酸ビニル系のカチオン性ラテックス等が挙げられる。この内、ポリビニルアルコール、ゼラチンが好ましく、更にポリビニルアルコールが好ましい。
ここで用いるポリビニルアルコールは、変性されているものも含む。
変性ポリビニルアルコールとしては、カルボニル変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、エチレン変性ポリビニルアルコール、等が挙げられる。
【0034】
本発明で使用されるポリビニルアルコール及び/又は変性ポリビニルアルコールの鹸化度は、カーリング防止の点から88%以上であることが好ましく、97%以上であることがさらに好ましい。
【0035】
中間バック層における、水性結着剤の塗布量としては、0.3〜5.3g/m2が好ましい。該範囲とすることにより、好ましいカール特性を得ることができる。
【0036】
また、前記ポリビニルアルコールの重合度としては、300〜1700が好ましく、300〜1000がより好ましい。
【0037】
無機質の層状化合物としては、下記一般式(1)
A(B,C)2−3D4O10(OH,F,O)2 …(1)
〔式中、AはK,Na又はCaを表し、B及びCは、それぞれ独立にFe(II),Fe(III),Mn,Al,Mg、Vを表す。DはSi、Alを表す。〕
で表される雲母群、3MgO・4SiO2・H2Oで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、リン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
【0038】
前記一般式(1)で表される雲母群において、天然雲母として、例えば白雲母、ソーダ雲母、金雲母、黒雲母、鱗雲母等が挙げられ、合成雲母として、フッ素金雲母KMg3(AlSi3O10)F2、カリ四ケイ素雲母KMg2.5(Si4O10)F2等の非膨潤性雲母、及びNaテトラシリシックマイカNaMg2.5(Si4O10)F2、Na若しくはLiテニオライト(Na,Li)Mg2Li(Si4O10)F2、モンモリオナイト系のNa又はLiヘクトライト(Na,Li)1/3Mg2/3Li1/3(Si4O10)F2等の膨潤性雲母が挙げられる。更に、合成スメクタイトも有用である。
本発明においては、前記層状化合物の中でも、水膨潤性の合成雲母が好ましく、膨潤性のフッ素系合成雲母が特に好ましい。
【0039】
前記無機質の層状化合物のアスペクト比としては、20以上が好ましく、100以上がより好ましく、200以上が特に好ましい。該アスペクト比が、100未満であると、層内の水分移動を遮蔽できずカーリングを効果的に防止できないことがあり、200以上であると、カーリング防止の点で特に大きい効果を奏する。ここで、前記アスペクト比とは、層状化合物の粒子の長径に対する厚さの比である。
【0040】
また、前記無機質の層状化合物の粒子径としては、その平均長径が0.3〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましく、1〜5μmであることが特に好ましい。
該層状化合物の平均の厚さとしては、0.1μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましく、0.01μm以下が特に好ましい。
【0041】
中間バック層中における無機質の層状化合物の含有量としては、水性結着剤100質量部に対して、3〜30質量部が好ましく、5〜20質量部がより好ましい。無機質の層状化合物の含有量を前記範囲内とすることで、感熱記録材料の表裏の収縮バランスを維持することができ、カーリングを十分に防止することができるとともに、塗布性等の製造適正が良好となる。
【0042】
中間バック層中において、無機質の層状化合物(x)と水性結着剤(y)との含有比(質量比;x/y)としては、3/100〜20/100が好ましい。
該含有比を前記範囲内とすることで、感熱記録材料の表裏の収縮バランスを維持することができ、カーリングを十分に防止することができる。
複数種の無機質の層状化合物を用いた場合でも、その総量が上記質量比の範囲にあることが好ましい。
【0043】
本発明においては、中間バック層には、さらに無機顔料を含有せしめることができる。該無機顔料の含有量を適宜調整することにより感熱記録材料のカーリングを調整することができる。無機顔料としては、特に制限はないが、例えば、カオリン、焼成カオリン、タルク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、リトボン、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コウ、シリカ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バリウム、硫酸バリウム等が挙げられ、中でも特に、水酸化アルミニウムが好ましい。
【0044】
前記無機顔料の含有量としては、水性結着剤100質量部に対して、30〜500質量部が好ましく、50〜300質量部がより好ましい。
【0045】
また、前記無機顔料の粒径(体積平均粒径)としては、0.1〜2.0μmが好ましく、0.2〜1.0μmがより好ましい。
【0046】
中間バック層は、本発明の効果を損なわない範囲で、金属石鹸、ワックス、耐水化剤等を含有していてもよい。
【0047】
前記金属石鹸としては、例えば、高級脂肪酸多価金属塩が挙げられ、具体的にはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛等が挙げられる。
【0048】
前記ワックスとしては、その融点が40〜120℃であればよく、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャンデリアワックス、モンタンワックス、脂肪酸アミド系ワックス等が好ましく、融点が50〜100℃のパラフィンワックス、モンタンワックス、メチロールステアロアミド等がより好ましい。
【0049】
前記耐水化剤としては、N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキサール、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼砂等の無機系架橋剤、ポリアクリル酸、メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等のブレンド熱処理品等が挙げられる。
【0050】
また、該支持体上に塗布する際、均一な層を得る観点から界面活性剤を含有していてもよく、該界面活性剤としては、例えば、スルホコハク酸系のアルカリ金属塩、フッ素含有界面活性剤等が好適に挙げられ、具体的には、ジ−(n−ヘキシル)スルホコハク酸、ジ−(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸等のナトリウム塩、アンモニウム塩等が好ましく、アニオン系の界面活性剤が好適である。
【0051】
中間バック層の層厚としては、0.3〜6μmが好ましく、0.5〜3μmがより好ましい。インク受容層の層厚を、0.3〜6μmとすることにより、感熱記録材料の表裏の収縮バランスを維持することができ、カーリングを十分に防止することができる。
【0052】
また、前記のような水性結着剤及び無機質の層状化合物を含有する中間バック層を設ける場合、インク受容層における水性結着剤に対する顔料の比率が1.5〜3.0、好ましくは1.8〜2.2の範囲にあるため、インク受容層の下に水性結着剤及び無機質の層状化合物を含有する層を設けることにより生ずることがある、インク受容層における記録画像の滲みを効果的に防止することができる。
【0053】
(その他の層)
中間バック層と支持体の間には、少なくとも水溶性バインダーを含んでなり、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい層(最下バック層)を設けてもよい。最下バック層を設けることによって、収縮バランスが更に良化し、感熱記録材料のカーリングを効果的に防止することができる。
【0054】
ここで用いる水溶性バインダーとしては、例えば、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダなどの水溶性高分子及びスチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等の水不溶性ポリマー等を用いて形成することができ、他の成分として、ラテックス、耐水化剤が挙げられる。中でも、ゼラチン類を用いることが好ましい。
【0055】
最下バック層の層厚としては、2〜15μmが好ましく、4〜10μmがより好ましい。この層の層厚を2〜15μmとすることにより、感熱記録材料の表裏の収縮バランスを十分に維持することができ、カーリングを十分に防止することができる。
【0056】
中間バック層及び最下バック層は、中間バック層又は最下バック層形成用の塗布液(中間バック層用塗布液、最下バック層用塗布液)をそれぞれ調製し、支持体上に、例えば公知の塗布方法により塗布等して形成することができる。この場合、中間バック層用塗布液及び最下バック層用塗布液を、▲1▼同時塗布してもよいし、▲2▼最下バック層用塗布液を塗布し乾燥した後、該層上に中間バック層用塗布液を塗布、乾燥して形成してもよい。
【0057】
前記公知の塗布方法としては、例えば、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等を用いた塗布方法が挙げられる。
【0058】
[感熱記録層]
前記感熱記録層は、発色成分を含んでなり、必要に応じて、バインダー、塩基等の他の成分を含んでなる。前記発色成分としては、(A)ジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物とカップリング反応して発色させるカプラーとの組合せ、(B)電子供与性染料前駆体と該電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物との組合せ等が好適に挙げられる。
【0059】
(ジアゾニウム塩化合物)
前記ジアゾニウム塩化合物としては、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
Ar−N2 + X− …(2)
〔式中、Arは芳香族部分を表し、X−は酸アニオンを表す。〕
【0060】
該ジアゾニウム塩化合物は、加熱により後述のカプラーとカップリング反応を起こして発色し、また光によって分解する化合物である。これらはAr部分の置換基の位置や種類によって、その最大吸収波長を制御することが可能である。
【0061】
塩を形成するジアゾニウムの具体例としては、4−(p−トリルチオ)−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、4−(4−クロロフェニルチオ)−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジプロピルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジベンジルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N−エチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−メトキシベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メトキシベンゼンジアゾニウム、4−(N−ベンゾイルアミノ)−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム、4−モルホリノ−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、4−アニリノベンゼンジアゾニウム、4−[N−(4−メトキシベンゾイル)アミノ]−2.5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム、4−ピロリジノ−3−エチルベンゼンジアゾニウム、4−[N−(1−メチル−2−(4−メトキシフェノキシ)エチル)−N−ヘキシルアミノ]−2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウム、4−[N−(2−(4−メトキシフェノキシ)エチル)−N−ヘキシルアミノ]−2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウム、2−(1−エチルプロピルオキシ)−4−[ジ−(ジ−n−ブチルアミノカルボニルメチル)アミノ]ベンゼンジアゾニウム、2−ベンジルスルホニル−4−[N−メチル−N−(2−オクタノイルオキシエチル)]アミノベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
【0062】
前記ジアゾニウム塩化合物の最大吸収波長λmaxとしては、450nm以下が好ましく、290〜440nmがより好ましい。前記λmaxを、該範囲内とすることで、生保存性、後述のカプラーとの組合わせにおいて画像定着性、画像保存性、シアン発色の色相を良好にすることができる。
【0063】
また、ジアゾニウム塩化合物は、炭素原子数が12以上で水に対する溶解度が1%以下で、かつ酢酸エチルに対する溶解度が5%以上であることが望ましい。尚、ジアゾニウム塩化合物は、一種単独で用いてもよいし、色相調整等の目的に応じて、二種以上を併用することもできる。
【0064】
前記ジアゾニウム塩化合物の中でも、色素の色相、画像保存性、画像定着性の点で、下記構造式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物がより好ましい。
【0065】
【化1】
【0066】
前記構造式(1)中、Arは、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、ハロゲン基、アミノ基、ヘテロ環基等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていてもよい。
【0067】
前記Arで表されるアリール基としては、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシフェニル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、2−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4−クロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−ブトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3−(ジブチルアミノカルボニルメトキシ)フェニル基、4−シアノフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、
【0068】
4−ブトキシフェニル基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノスルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、4−(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル基、4−フルオロフェニル基、3−アセチルフェニル基、2−アセチルアミノフェニル基、4−(4−クロロフェニルチオ)フェニル基、4−(4−メチルフェニル)チオ−2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカルボニルフェニル基等が挙げられる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
また、これらの基は、更に、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよい。
【0069】
前記構造式(1)中、R21及びR22は、それぞれ独立に置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。R21及びR22は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
置換されている場合の置換基としては、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、置換アミノ基、置換アミド基、アリール基、アリールオキシ基等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
【0070】
前記R21、R22で表されるアルキル基としては、炭素原子数1〜18のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、オクタデシル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、トルフェニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル基、2’,4’−ジイソペンチルフェニルオキシメチル基、2’,4’−ジ−t−ブチルフェニルオキシメチル基、ジベンジルアミノカルボニルメチル基、2,4−ジ−t−アミルフェニルオキシプロピル基、エトキシカルボニルプロピル基、1−(2’,4’−ジ−t−アミルフェニルオキシ)プロピル基、アセチルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル基、メタンスルホニルアミノプロピル基、アセチルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル基等が挙げられる。
【0071】
前記R21、R22で表されるアリール基としては、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシフェニル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、2−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4−クロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−ブトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3−(ジブチルアミノカルボニルメトキシ)フェニル基、
【0072】
4−シアノフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ブトキシフェニル基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノスルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、4−(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル基、4−フルオロフェニル基、3−アセチルフェニル基、2−アセチルアミノフェニル基、4−(4−クロロフェニルチオ)フェニル基、4−(4−メチルフェニル)チオ−2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカルボニルフェニル基等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
また、これらの基は、更にアルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよい。
【0073】
前記構造式(2)中、R24、R25及びR26は、それぞれ独立に置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表し、R24、R25及びR26は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
置換されている場合の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、ハロゲン原子、アミノ基、ヘテロ環基等が挙げられる。
【0074】
前記R24、R25及びR26で表されるアルキル基としては、炭素原子数1〜18のアルキル基が好ましく、例えば、前記構造式(1)中のR21、R22で表されるアルキル基、及び1−メチル−2−(4−メトキシフェノキシ)エチル基、ジ−n−ブチルアミノカルボニルメチル基、ジ−n−オクチルアミノカルボニルメチル基等が挙げられる。
【0075】
前記R24、R25及びR26で表されるアリール基は、前記構造式(1)中のR21、R22で表されるアリール基と同義である。但し、これらに限定されるものではない。
また、これらの基は、更にアルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよい。
【0076】
前記構造式(2)中、Yは水素原子、OR23基を表し、R23は、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
置換されている場合の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、ハロゲン原子、アミノ基、ヘテロ環基等が挙げられる。
前記Yの中でも、色相調節の点で、水素原子、R23がアルキル基であるアルキルオキシ基が好ましい。
【0077】
前記R23で表されるアルキル基は、前記構造式(1)中のR21、R22で表されるアルキル基と同義である。但し、これらに限定されるものではない。
前記R23で表されるアリール基は、前記構造式(1)中のR21、R22で表されるアリール基と同義である。但し、これらに限定されるものではない。また、これらのアリール基は、更にアルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよい。
【0078】
前記構造式(3)中、R27及びR28は、それぞれ独立に置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表し、R27及びR28は同一であってもよいし異なっていてもよい。
置換されている場合の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、ハロゲン原子、アミノ基、ヘテロ環基等が挙げられる。
【0079】
前記R27、R28で表されるアルキル基は、前記構造式(1)中のR21、R22で表されるアルキル基と同義である。但し、これらに限定されるものではない。
前記R27、R28で表されるアリール基は、前記構造式(1)中のR21、R22で表されるアリール基と同義である。但し、これらに限定されるものではない。また、これらのアリール基は、更にアルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよい。
【0080】
前記構造式(1)〜(3)において、X−は酸アニオンを表し、該酸アニオンとしては、炭素原子数1〜9のポリフルオロアルキルカルボン酸、炭素原子数1〜9のポリフルオアルキルスルホン酸、四フッ化ホウ素、テトラフェニルホウ素、ヘキサフルオロリン酸、芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸等が挙げられる。中でも、結晶性の点でヘキサフルオロリン酸が好ましい。
【0081】
以下に、前記構造式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物の具体例を示すが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
【0082】
【化2】
【0083】
【化3】
【0084】
【化4】
【0085】
【化5】
【0086】
前記構造式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。更に、色相調整等の諸目的に応じて、構造式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物と既存の他のジアゾニウム塩化合物とを併用してもよい。
【0087】
前記ジアゾニウム塩化合物の塗布量としては、感熱記録層中に0.05〜2g/m2が好ましく、0.1〜1g/m2がより好ましい。該含有量を前記範囲内とすることで、十分な発色濃度が得られるとともに、塗布液の塗布適性を良好にすることができる。
【0088】
[カプラー]
前述のジアゾニウム塩化合物とカップリング反応して色素を形成し発色させるカプラーとしては、塩基性雰囲気及び/又は中性雰囲気の下でジアゾニウム塩化合物とカップリングして色素を形成し得るものであれば、いずれの化合物も用いることができる。
【0089】
ハロゲン化銀写真感光材料に用いられる、いわゆる4当量カプラーは全てカプラーとして使用可能であり、色相等の目的に合致する範囲で適宜選択することができる。例えば、カルボニル基の隣にメチレン基を有する、いわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体等が挙げられる。
【0090】
中でも、下記式(3)で表される化合物、又は該化合物の互変異性体は特に好ましい。
E1−CH2−E2 …(3)
前記式(3)中、E1及びE2は、それぞれ独立に電子吸引性基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記電子吸引性基は、Hammettのσ値が正である置換基を指し、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、クロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、1−メチルシクロプロピルカルボニル基、1−エチルシクロプロピルカルボニル基、1−ベンジルシクロプロピルカルボニル基、ベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、テノイル基等のアシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−メトキシエトキシカルボニル基、4−メトキシフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−〔2,4−ビス(ペンチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、N−〔2,4−ビス(オクチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、モルホリノカルボニル基等のカルバモイル基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等のアルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基、ジエチルホスホノ基等のホスホノ基、ベンゾオキサゾール−2−イル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−スルホン−2−イル基等の複素環基、ニトロ基、イミノ基、シアノ基が好適に挙げられる。
【0091】
また、前記E1及びE2は、互いに結合して環を形成していてもよい。E1とE2で形成される環としては、5員若しくは6員の炭素環又は複素環が好ましい。
【0092】
前記カプラーの具体例としては、レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸アニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルオキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルアミド、5−アセトアミド−1−ナフトール、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ジアニリド、
【0093】
1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シクロペンタンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、5−フェニル−4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオン、5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、N,N’−ジシクロヘキシルバルビツール酸、N,N’−ジ−n−ドデシルバルビツール酸、N−n−オクチル−N’−n−オクタデシルバルビツール酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、N,N’−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチル)バルビツール酸、
【0094】
1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピバロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセトアセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルファモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピラゾール等が挙げられる。
【0095】
前記カプラーの詳細については、特開平4−201483号、特開平7−223367号、特開平7−223368号、特開平7−323660号、特願平5−278608号、特願平5−297024号、特願平6−18669号、特願平6−18670号、特願平7−316280号、特願平8−027095号、特願平8−027096号、特願平8−030799号、特願平8−12610号、特願平8−132394号、特願平8−358755号、特願平8−358756号、特願平9−069990号等に記載されている。
【0096】
以下に、前記式(3)で表されるカプラーの具体例を示すが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
【0097】
【化6】
【0098】
【化7】
【0099】
【化8】
【0100】
【化9】
【0101】
感熱記録層中におけるカプラーの含有量としては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
【0102】
本発明の感熱記録材料においては、前記ジアゾニウム塩化合物とカプラー(ジアゾ系発色剤)のほか、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組合せ(ロイコ系発色剤)を用いることもできる。例えば、支持体上に複数の感熱記録層を有する感熱記録材料において、その少なくとも1層をロイコ系発色剤を含む層として構成することができる。
【0103】
(電子供与性染料前駆体)
前記電子供与性染料前駆体としては、例えば、トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、キサンテン系化合物、スピロピラン系化合物等が挙げられ、中でも、発色濃度が高い点で、トリアリールメタン系化合物、キサンテン系化合物が好ましい。
【0104】
具体的には、下記化合物が挙げられる。例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(即ちクリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノ)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,3−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(o−メチル−p−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(p−クロロアニリノ)ラクタム、2−ベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−6−ジエチルアミノフルオラン、
【0105】
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−シクロヘキシルメチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−イソアミルエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−オクチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−2−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンジルロイコメチレンブルー、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等である。
【0106】
前記電子供与性染料前駆体の塗布量としては、既述のジアゾニウム塩化合物の場合と同様の理由から、感熱記録層中に0.1〜1g/m2が好ましい。
【0107】
(電子受容性化合物)
前記電子受容性化合物としては、例えば、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられ、中でも特に、ビスフェノール類、ヒドロキシ安息香酸エステル類が好ましい。具体的には、下記化合物が挙げられる。
【0108】
例えば、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(即ち、ビスフェノールP)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸及びその多価金属塩、3,5−ジ(tert−ブチル)サリチル酸及びその多価金属塩、3−α,α−ジメチルベンジルサリチル酸及びその多価金属塩、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール等である。
【0109】
感熱記録層中における電子受容性化合物の含有量としては、電子供与性染料前駆体1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
【0110】
(他の成分)
感熱記録層には、前記成分の他以下のような成分を含有させることができる。
<有機塩基>
本発明においては、ジアゾニウム塩とカプラーとのカップリング反応を促進する目的で有機塩基を添加することが好ましい。前記有機塩基は、感熱記録層中に、ジアゾニウム塩化合物及びカプラーとともに含有させるのが好ましく、単独で用いても2種以上併用してもよい。
前記有機塩基としては、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、アミジン類、ホルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モルホリン類等の含窒素化合物等が挙げられる。また、特公昭52−46806号公報、特開昭62−70082号公報、特開昭57−169745号公報、特開昭60−94381号公報、特開昭57−123086号公報、特開昭58−1347901号公報、特開昭60−49991号公報、特公平2−24916号公報、特公平2−28479号公報、特開昭60−165288号公報、特開昭57−185430号公報に記載のものも使用可能である。
【0111】
中でも特に、N,N’−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス(3−フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピペラジン、1,4−ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキシ〕プロピルオキシ}ベンゼン等のピペラジン類、N−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン等のモルホリン類、N−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピペリジン等のピペリジン類、トリフェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン等のグアニジン類等が好ましい。
【0112】
所望により有機塩基を含有させる場合の、感熱記録層中における有機塩基の含有量としては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
【0113】
<増感剤>
前記有機塩基のほか、発色反応を促進させる目的で、感熱記録層中に増感剤を加えることもできる。
前記増感剤は、加熱記録時の発色濃度を高くする、若しくは最低発色温度を低くする物質であり、カプラー、有機塩基又はジアゾニウム塩化合物等の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下せしめる作用により、ジアゾニウム塩化合物、有機塩基、カプラー等を反応しやすい状況にするものである。
具体的には、分子内に芳香族性の基と極性基を適度に有している低融点有機化合物が好ましく、例えば、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、α−ナフチルベンジルエーテル、β−ナフチルベンジルエーテル、β−ナフトエ酸フェニルエステル、α−ヒドロキシ−β−ナフトエ酸フェニルエステル、β−ナフトール−(p−クロロベンジル)エーテル、1,4−ブタンジオールフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−エチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−m−メチルフェニルエーテル、1−フェノキシ−2−(p−トリルオキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(p−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(p−クロロフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル等が挙げられる。
【0114】
<バインダー>
感熱記録層に用いるバインダーとしては、公知の水溶性高分子化合物やラテックス類等が挙げられる。
前記水溶性高分子化合物としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン誘導体、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチン、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、エピクロルヒドリン変成ポリアミド、イソブチレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド等及びこれらの変成物等が挙げられ、前記ラテックス類としては、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。
【0115】
<顔料>
また、色相調整の目的で、感熱記録層中に顔料を含有させてもよい。
前記顔料としては、有機、無機を問わず公知のものを使用することができ、例えば、カオリン、焼成カオリン、タルク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、リトポン、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コウ、シリカ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バリウム、硫酸バリウム、マイカ、マイクロバルーン、尿素−ホルマリンフィラー、ポリエステルパーティクル、セルロースフィラー等が挙げられる。
【0116】
<酸化防止剤等>
また、発色画像の光及び熱に対する堅牢性を向上させる、又は定着後の未印字部分(非画像部)の光による黄変を軽減する目的で、以下に示す公知の酸化防止剤等を用いることも好ましい。
前記酸化防止剤としては、例えば、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、アメリカ特許第4814262号、アメリカ特許第4980275号等に記載のものを挙げることができる。
【0117】
本発明において、前記ジアゾニウム塩化合物、該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して発色させるカプラー、有機塩基や増感剤等の他の成分、並びに電子供与性染料前駆体、電子受容性化合物の使用形態については特に制限はなく、例えば、(1)固体分散して使用する方法、(2)乳化分散して使用する方法、(3)ポリマー分散して使用する方法、(4)ラテックス分散して使用する方法、(5)マイクロカプセル化を利用する方法等が挙げられる。中でも特に、保存性の観点から、(5)マイクロカプセル化を利用する方法が好ましく、特に▲1▼ジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を利用した発色系では、該ジアゾニウム塩化合物をマイクロカプセル化した形態が、▲2▼電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との反応を利用した発色系では、該電子供与性染料前駆体をマイクロカプセル化した形態が好ましい。
【0118】
(マイクロカプセルの製造方法)
本発明においては、感熱記録材料の保存安定性を向上させる点で、前記ジアゾニウム塩化合物及び/又は電子供与性染料前駆体をマイクロカプセルに内包することが好ましい。
発色成分をマイクロカプセル化する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、一方の発色成分であるジアゾニウム塩化合物(及び電子供与性染料前駆体)を水に難溶又は不溶の有機溶媒に溶解又は分散させ調製した油相を、水溶性高分子を溶解した水相と混合し、ホモジナイザー等の手段により乳化分散した後、加温することによりその油滴界面で高分子形成反応を起こし、高分子物質のマイクロカプセル壁を形成させる界面重合法等が好適に挙げられる。該界面重合法は、短時間内に均一な粒径のカプセルを形成することができ、生保存性に優れた記録材料を得ることができる。
【0119】
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エステル、メチレンクロライド、シクロヘキサノン等の低沸点補助溶剤、及び/又は、リン酸エステル、フタル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルその他のカルボン酸エステル、脂肪酸アミド、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、アルキル化ナフタレン、ジアリールエタン、塩素化パラフィン、アルコール系溶剤、フェノール系溶剤、エーテル系溶剤、モノオレフィン系溶剤、エポキシ系溶剤等が挙げられる。
【0120】
具体例としては、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジラウレート、フタル酸ジシクロヘキシル、オレフィン酸ブチル、ジエチレングリコールベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、イソアミルビフェニル、塩素化パラフィン、ジイソプロピルナフタレン、1,1’−ジトリルエタン、2,4−ジターシャリアミルフェノール、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリン、ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシルエステル、ポリエチレングリコール等の高沸点溶剤が挙げられる。
中でも、アルコール系溶剤、リン酸エステル系溶剤、カルボン酸エステル系溶剤、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、アルキル化ナフタレン、ジアリールエタンが特に好ましい。
【0121】
更に、前記高沸点溶剤に、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の炭化防止剤を添加してもよい。また、前記高沸点溶剤として、特に不飽和脂肪酸を有するものが望ましく、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。該α−メチルスチレンダイマーには、例えば、三井東圧化学社製の「MSD100」等がある。
【0122】
前記水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アミノ変性ポリビニルアルコール、イタコン酸変性ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ブタジエン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルピロリドン、エチレン−アクリル酸共重合体、ゼラチン等が挙げられ、中でも、カルボキシ変性ポリビニルアルコールが好ましい。
【0123】
前記水溶性高分子には、疎水性高分子のエマルジョン又はラテックス等を併用することもできる。該エマルジョン又はラテックスとしては、スチレン−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等が挙げられる。この時、必要に応じて従来公知の界面活性剤等を加えてもよい。
【0124】
マイクロカプセル壁を構成する高分子物質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アミノアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリレート共重合体樹脂、スチレン−メタクリレート共重合体樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。中でも、ポリウレタン・ポリウレア樹脂が特に好ましい。
【0125】
例えば、ポリウレタン・ポリウレア樹脂をカプセル壁材として用いる場合には、多価イソシアネート等のマイクロカプセル壁前駆体をカプセル化し芯物質とすべき油性媒体(油相)中に混合し、更にマイクロカプセル壁前駆体と反応してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、ポリオール、ポリアミン)を水溶性高分子水溶液(水相)中に混合し、前記油相を水相に乳化分散した後、加温することにより油滴界面で高分子形成反応が生じ、マイクロカプセル壁を形成することができる。
【0126】
以下に、前記多価イソシアネート化合物の具体例を示す。但し、これらに限定されるものではない。例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、
【0127】
シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート等のトリイソシアネート類、4,4’−ジメチルフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等のテトライソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、2,4−トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物等のイソシアネートプレポリマー等である。
また、必要に応じて、二種類以上を併用してもよい。中でも特に好ましいものは。分子内にイソシアネート基を三個以上有するものである。
【0128】
マイクロカプセル化の方法において、カプラー(及び電子受容性化合物)、有機塩基、増感剤等の他の成分、及びマイクロカプセル壁前駆体やこれと反応する第2物質を溶解させる有機溶剤としては、既述の有機溶剤と同様である。
マイクロカプセルの粒径としては、0.1〜1.0μmが好ましく、0.2〜0.7μmがより好ましい。
【0129】
以下に、多色の記録材料の具体的な構成態様について説明する。
本発明の感熱記録材料は、支持体上に感熱記録層を1層有する単色の感熱記録材料、及び単色の記録層を複数積層した積層構造の感熱記録層を有する多色の感熱記録材料のいずれであってもよい。多色の感熱記録材料としては、感熱記録層を構成する少なくとも一層が、ジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と反応して呈色するカプラーとを含む光定着型記録層である態様が好ましい。
【0130】
特に、シアン、イエロー、マゼンタを含むフルカラーの感熱記録層の場合には、支持体上の3層が全てジアゾ系発色剤で構成された形態、あるいは支持体に近い第一層目の感熱記録層が電子供与性染料及び電子受容性化合物を含有するロイコ系発色剤で構成され、第二及び第三層目の感熱記録層がジアゾ系発色剤で構成された形態よりなる感熱記録材料が好ましい。
例えば、下記(a)〜(c)に示す態様で構成されたものであってもよい。
【0131】
即ち、(a)支持体上に、最大吸収波長360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第一の記録層(A層))と、最大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第二の記録層(B層))と、を積層してなる記録層を有し、該層上に必要に応じて光透過率調整層、保護層を設けた記録材料、
【0132】
(b)支持体上に、電子供与性染料と電子受容性化合物を含有する記録層(第一の記録層(A層))と、最大吸収波長360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第二の記録層(B層))と、最大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第三の記録層(C層))と、をこの順に積層してなる記録層を有し、該層上に必要に応じて光透過率調整層、保護層を設けた記録材料、
【0133】
(c)支持体上に、最大吸収波長340±20nm以下のジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と呈色反応をするカプラーとを含有する光定着型記録層(第一の記録層(A層))と、最大吸収波長360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第二の記録層(B層))と、最大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第三の記録層(C層))と、をこの順に積層してなる記録層を有し、該層上に必要に応じて光透過率調整層、保護層を設けた記録材料、などである。
【0134】
多色記録の方法について、前記(b)又は(c)により以下に説明する。
まず、第3の記録層(C層)を加熱し、該層に含まれるジアゾニウム塩とカプラーとを発色させる。次に、波長400±20nmの光を照射して、C層中に含まれる未反応のジアゾニウム塩化合物を分解し光定着した後、第2の記録層(B層)が発色するに十分な熱を与え、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物とカプラーとを発色させる。このとき、C層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩化合物は分解されており(光定着されている)、発色能力が失われているため発色しない。さらに、波長360±20nmの光を照射し、B層に含まれるジアゾニウム塩化合物を分解し光定着した後、最後に、第1の記録層(A層)が発色しうる十分な熱を加えて発色させる。このとき、C層、B層の記録層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩化合物は分解されており、発色能力が失われているため発色しない。
【0135】
各層の積層順としては、視感度の低いイエロー層を最下層にすることが、支持体面上の粗さに起因する画質への影響を減らすことができ、特に画質向上を図る場合に有用である。
また、全ての記録層(A層、B層、及びC層)をジアゾ系の記録層とした場合、A層及びB層は、発色させた後に光定着を行うことが必要であるが、最後に画像記録を行うC層に関しては、必ずしも光定着を行う必要はない。しかし、形成画像の保存安定性を向上する観点からは、光定着することが好ましい。
【0136】
光定着に用いる定着用光源としては、公知の光源の中から適宜選択でき、例えば、種々の蛍光灯、キセノンランプ、水銀灯等が挙げられ、中でも、高効率に光定着する点で、光源の発光スペクトルが、記録材料に用いたジアゾニウム塩化物の吸収スペクトルとほぼ一致する光源を用いることが好ましい。
【0137】
[他の層]
本発明の感熱記録材料においては、支持体上に単数若しくは複数の感熱記録層を有するほか、光透過率調整層や保護層を有してなる態様が好ましい。
【0138】
(光透過率調整層)
前記光透過率調整層は、紫外線吸収剤前駆体を含有しており、定着に必要な領域の波長の光照射前は紫外線吸収剤として機能しないので光透過率が高く、光定着型感熱記録層を定着する際、定着に必要な領域の波長を十分に透過させ、しかも可視光線の透過率も高いので、感熱記録層の定着に支障を来すこともない。この紫外線吸収剤前駆体は、マイクロカプセル中に含ませることが好ましい。
また、光透過率調整層に含有する化合物としては、特開平9−1928号公報に記載の化合物が挙げられる。
【0139】
前記紫外線吸収剤前駆体は、感熱記録層の光照射による定着に必要な領域の波長の光照射が終了した後、光または熱などで反応することにより紫外線吸収剤として機能するようになり、紫外線領域の定着に必要な領域の波長の光は紫外線吸収剤によりその大部分が吸収され、透過率が低くなり、感熱記録材料の耐光性が向上するが、可視光線の吸収効果がないから、可視光線の透過率は実質的に変わらない。
光透過率調整層は感熱記録材料中に少なくとも1層設けることができ、最も望ましくは感熱記録層と最外保護層との間に形成するのがよいが、光透過率調整層を保護層と兼用するようにしてもよい。光透過率調整層の特性は、感熱記録層の特性に応じて任意に選定することができる。
【0140】
光透過率調整層形成用の塗布液(光透過率調整層用塗布液)は、前記各成分を混合して得られる。該光透過率調整層塗布液を、例えばバーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等の公知の塗布方法により塗布して形成することができる。光透過率調整層は、感熱記録層等と同時塗布してもよく、例えば感熱記録層形成用の塗布液を塗布し一旦感熱記録層を乾燥させた後、該層上に塗布形成してもよい。
【0141】
(保護層)
前記保護層は、バインダーと共に、顔料、滑剤、界面活性剤、分散剤、蛍光増白剤、金属石鹸、硬膜剤、紫外線吸収剤、架橋剤等を含有してなる。
前記バインダー、顔料は、既述のバックコート層に使用可能な水溶性バインダー及び顔料の中から適宜選択して使用することができる。また、他のバインダーとして、合成ゴムラテックス、合成樹脂エマルジョン等が挙げられ、例えば、スチレンーブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等も挙げられる。
前記バインダーの含有量としては、保護層中の顔料に対して、10〜500質量%が好ましく、50〜400質量%がより好ましい。
【0142】
また、耐水性を更に向上させる目的で、架橋剤及びその反応を促進させる触媒を併用することが有効であり、該架橋剤としては、例えば、エポキシ化合物、ブロックドイソシアネート、ビニルスルホン化合物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、硼酸、カルボン酸無水物、シラン化合物、キレート化合物、ハロゲン化物等が挙げられ、保護層形成用の塗布液のpHを6.0〜7.5に調整できるものが好ましい。前記触媒としては、公知の酸、金属塩等が挙げられ、上記同様に塗布液のpHを6.0〜7.5に調整できるものが好ましい。
【0143】
前記滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等が好適に挙げられる。
前記界面活性剤としては、感熱記録層上に均一に保護層を形成可能なように、スルフォコハク酸系のアルカリ金属塩、フッ素含有界面活性剤等が好適に挙げられ、具体的には、ジ−(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸、ジ−(n−ヘキシル)スルホコハク酸等のナトリウム塩、及びアンモニウム塩等が挙げられる。
【0144】
保護層形成用の塗布液(保護層用塗布液)は、前記各成分を混合して得られる。更に、必要に応じて離型剤、ワックス、撥水剤等を加えてもよい。
【0145】
本発明の感熱記録材料は、支持体上に形成した感熱記録層上に保護層塗布液を公知の塗布方法により塗布して形成することができる。前記公知の塗布方法としては、例えば、バーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等を用いた方法が挙げられる。
【0146】
保護層の乾燥塗布量としては、0.2〜7g/m2が好ましく、1〜4g/m2がより好ましい。該乾燥塗設量が、0.2g/m2未満であると、耐水性が維持できないことがあり、7g/m2を超えると、著しく熱感度が低下することがある。保護層の塗布形成後、必要に応じてキャレンダー処理を施してもよい。
【0147】
(中間層)
感熱記録層を複数積層する場合、各感熱記録層間には中間層を設けることが好ましい。該中間層には、前記保護層と同様、各種バインダーに更に顔料、滑剤、界面活性剤、分散剤、蛍光増白剤、金属石鹸、紫外線吸収剤等を含ませることができる。前記バインダーとしては、保護層と同様のバインダーが使用できる。
【0148】
(支持体)
前記支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム等のセルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリル酸共重合体フィルム、ポリカーボネートフィルム等の合成高分子フィルム、及び紙、合成紙、プラスチック樹脂層を有する紙、等が挙げられる。
前記支持体は、単独であるいは貼り合わせて使用することができる。
【0149】
前記プラスチック樹脂層を有する紙としては、原紙の両面又は少なくとも感熱記録層が形成される側の表面に熱可塑性樹脂を含む層が形成されたものが望ましい。このような支持体としては、例えば、▲1▼原紙に熱可塑性樹脂が溶融押し出し塗工されたもの、▲2▼原紙上に溶融押し出し塗工された熱可塑性樹脂の上にガスバリアー層を塗布したもの、▲3▼原紙の酸素透過性の低いプラスチックフィルムを接着させたもの、▲4▼原紙にプラスチックフイルムを接着させた面上に溶融押し出しにより熱可塑性樹脂を設けたもの、▲5▼原紙に熱可塑性樹脂を溶融押し出し塗工された後、プラスチックフイルムを接着させたもの、等が挙げられる。
【0150】
原紙に溶融押し出し塗工される前記熱可塑性樹脂としては、オレフィン樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単独重合体及びこれらの各種重合体の混合物、あるいはエチレンとビニルアルコールとのランダム共重合体が好ましい。前記ポリエチレンとしては、例えば、LPDE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、L−LPDE(直鎖状低密度ポリエチレン)等が挙げられる。
【0151】
原紙にプラスチックフィルムを貼り合わせる方法としては、「新ラミネート加工便覧」(加工技術研究会編)等に記載の公知のラミネーション法から適宜選択できるが、いわゆるドライラミネーション、無溶媒型ドライラミネーション、電子線若しくは紫外線硬化型樹脂を用いたドライラミネーション、ホットドライラミネーションが好ましい。
上述した各種支持体の中でも、原紙の少なくとも一方の表面がポリエチレンでラミネートされてなる紙支持体が好ましく、一般には感熱記録層が形成される側の表面にラミネートされる。更には、原紙の両方の表面がポリエチレンでラミネートされてなる紙支持体がより好ましく、感熱記録層が形成される側の表面には平面性を上げる目的でラミネートがされ、該表面と逆側の表面にはカールバランスを調整する目的でラミネートがなされる。
【0152】
前記合成高分子フィルムは任意の色相に着色されていてもよく、高分子フィルムを着色する方法としては、▲1▼フィルム成形前に予め樹脂に染料を混練しフィルム状に成形する方法、▲2▼染料を適当な溶剤に溶かした塗布液を調製しこれを透明無色な樹脂フィルム上に公知の塗布方法、例えばグラビアコート法、ローラーコート法、ワイヤーコート法等により塗布、乾燥する方法等が挙げられる。中でも、青色染料を混練したポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂をフィルム状に成形し、これに耐熱処理、延伸処理、帯電防止処理を施したものが好ましい。
【0153】
前記支持体の厚さとしては、25〜300μmが好ましく、50〜250μmがより好ましい。
前記感熱記録層、保護層、光透過率調整層、中間層等は、支持体上に、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等の公知の塗布方法により塗布し、乾燥して形成することができる。
【0154】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。以下において、ジアゾニウム塩化合物を単にジアゾ化合物ということがある。
【0155】
(実施例1)
(1)支持体の作製
LBKP100部からなる木材パルプをダブルディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶乾質量比で添加し、長網抄紙機により秤量し140g/m2の原紙を抄造、ポリビニルアルコールを1.0g/m2絶乾重量で表面サイズし、キャレンダー処理によって密度1.0に調整された基紙を得た。
【0156】
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行った後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ30μmとなるようにコーティングし、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層にさらにコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(アルミナゾル100、日産化学工業(株)製)と二酸化ケイ素(スノーテックスO、日産化学工業(株)製)とを1:2の比(質量比)で水に分散した分散液を、乾燥重量が0.2g/m2となるように塗布した。
【0157】
更に、樹脂層の設けられていない側のフェルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、酸化チタン10%及び微量の群青を含有する低密度ポリエチレンを溶融押出機を用いて、厚み40μmとなるように溶融押し出しし、高光沢な熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称する。)、支持体とした。該オモテ面のポリエチレン表面にコロナ放電処理した。
【0158】
(2)インク受容層等の形成
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水93.5部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)22部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を120部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部、及びステアリン酸亜鉛分散液(ハイミクロンL−111、中京油脂(株)製、20%分散液)52部を添加して、インク受容層液を得た。(顔料/水性結着剤=2.0、全塗設成分に対するステアリン酸亜鉛の比率20%)
【0159】
<中間バック層用塗布液の調製>
ポリビニルアルコール(PVA105、(株)クラレ製)の12.5%水溶液100部に対し、スルホコハク酸2−エチルヘキシルエステル(ラピゾールB−90、日本油脂(株)製)の2%水溶液を24部、合成雲母分散液(ソマシフMEB−3、コープケミカル(株)製)を15部、水酸化アルミ分散液(ハイジライトH42S(昭和軽金属(株)製)45部、ヘキサメタリン酸ナトリウム1部、水150部を混合し、ボールミルなどの湿式分散機で、平均粒径0.5μに分散した分散液)20部を添加・撹拌して、合成雲母・水酸化アルミおよびポリビニルアルコール含有の中間バック層塗布液を得た。
【0160】
<最下層バック層用塗布液の調製>
15%アルカリ処理ゼラチン水溶液300部と、スルホコハク酸2−エチルヘキシルエステル(ラピゾールB−90、日本油脂(株)製)の2%水溶液を100部と、水1800部とを混合して、中間バック層用塗布液を得た。
【0161】
<インク受容層等の形成>
上記より得た支持体の表面とは逆側の面に、支持体側から最下層バック液、中間バック層塗布液、インク受容層用塗布液を、乾燥後の固形分塗布量がそれぞれ8g/m2、1.8g/m2、7.8g/m2となるように塗布、乾燥して、支持体上に最下層バック層、中間バック層及びインク受容層の3層からなるバックコート層を形成した。
【0162】
次に、オモテ面の作製について述べる。
(3)下塗り層用塗布液の調製
膨油性合成雲母「ME100」(コープケミカル社製)2.5部に対して水97.5部を加え、ダイナミルで分散を行った。これを40℃のゼラチン5%水溶液200部中に添加して30分間攪拌し、下記界面活性剤−1の5%水溶液20mlを加えて下塗り層用塗布液を調製した。
【0163】
【化10】
【0164】
(4)シアン感熱記録層用塗布液の調製
<電子供与性染料前駆体含有マイクロカプセル液Aの調製>
▲1▼a液
3−(o−メチル−p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1’−エチル−2’−メチルインドール−3−イル)フタリド(電子供与性染料前駆体)5部を酢酸エチル20部に溶解させた後、これに1−フェニル−1−キシリルエタン(高沸点溶媒)2 0部を添加し、加熱して均一に混合した。得られた溶液に、カプセル壁材としてキシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパンの1/3付加物20部を添加して均一に撹拌し、a液を得た。
▲2▼b液
フタル化ゼラチン6%水溶液54部に、ドデシルスルホン酸ナトリウム2%水溶液2部を添加してb液を得た。
【0165】
上記より得たb液にa液を加え、ホモジナイザーを用いて乳化分散し乳化分散液を得た。得られた乳化分散液に水68部を混合して均一にした後、該混合液を撹拌しながら50℃に加熱し、マイクロカプセルの平均粒子径が1.2μmとなるようにカプセル化反応を3時間行わせ、電子供与性染料前駆体含有マイクロカプセル液Aを得た。
【0166】
<顕色剤乳化分散液Bの調製>
1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン(顕色剤)2.5部、トリクレジルホスフェート0.3部及びマレイン酸ジエチル0.1部を酢酸エチル10部中に溶解させた。得られた溶液を、ゼラチンの6%水溶液20部及びドデシルスルホン酸ナトリウムの2%水溶液2部を混合した溶液に投入し、ホモジナイザーを用いて10分間乳化し、顕色剤乳化分散液Bを得た。
【0167】
<シアン感熱記録層用塗布液の調製>
上記より得た電子供与性染料前駆体含有マイクロカプセル液Cに、SBRラテックス(SN−307、住友ノーガタック(株)製)をマイクロカプセルの固形分に対して40%添加し、その後、電子供与性染料前駆体含有マイクロカプセル液Cに対して、前記顕色剤乳化分散液Dを質量比が1/4となるように混合し、シアン感熱記録層用塗布液を得た。
【0168】
(5)マゼンタ感熱記録層用塗布液の調製
<ジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Cの調製>
下記ジアゾ化合物(1)(波長365nmの光で分解)2.8部を酢酸エチル20部に溶解した後、更にジイソプロピルナフタレン12部を添加し、加熱して均一に混合した。得られた溶液に、カプセル壁材としてキシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパン1/3の付加物15部を添加し、均一に混合してジアゾ化合物を含むI液を得た。
【0169】
得られたI液を、フタル化ゼラチンの6%水溶液54部とドデシルスルホン酸ナトリウムの2%水溶液2部を混合した溶液に添加し、ホモジナイザーを使用して乳化分散した。得られた乳化分散液に更に水68部を加えて均一に混合し、撹拌しながら40℃に加熱して、カプセルの平均粒子径が1.2μmとなるように3時間カプセル化反応を行わせ、ジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Cを得た。
【0170】
【化11】
【0171】
<カプラー乳化分散液Dの調製>
下記カプラー(1)2部、1,2,3−トリフェニルグアニジン2部、トリクレジルホスフェート0.3部及びマレイン酸ジエチル0.1部を酢酸エチル10部中に溶解した。得られた溶液を、ゼラチンの6%水溶液20部とドデシルスルホン酸ナトリウムの2%水溶液2部を混合した水溶液中に投入した後、ホモジナイザーを用いて10分間乳化し、カプラー乳化分散液Dを得た。
【0172】
【化12】
【0173】
<マゼンタ感熱記録層用塗布液の調製>
上記より得たジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Cに、SBRラテックス(SN−307、住友ノーガタック(株)製)をマイクロカプセルの固形分に対して40%添加し、その後、前記カプラー乳化液Dをジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Cに対して質量比で3/2となるように混合して、マゼンタ感熱記録層用塗布液を得た。
【0174】
(6)イエロー感熱記録層用塗布液の調製
<ジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Eの調製>
2,5−ジブトキシ−4−トリルチオベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェート(ジアゾ化合物:波長420nmの光で分解)3.0部を酢酸エチル20部に溶解した後、これに高沸点溶媒としてトリクレジルフェスフェート7部及びモノイソプロピルビフェニル4部を添加し、加熱して均一に混合した。得られた溶液に、カプセル壁材としてキシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパンの1/3付加物を15部添加し、均一に混合してジアゾ化合物を含むII液を得た。
【0175】
得られたII液を、フタル化ゼラチンの6%水溶液54部とドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液2部を混合した溶液に添加し、ホモジナイザーを使用して乳化分散した。得られた乳化分散液に水68部を加えて均一に混合した溶液を、更に撹拌しながら40℃に加熱し、カプセルの平均粒子径が1.3μmとなるように3時間カプセル化反応を行わせ、ジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Eを得た。
【0176】
<カプラー乳化分散液Fの調製>
2−クロロ−5−(3−(2,4−ジ−tert−ペンチル)フェノキシプロピルアミノ)アセトアセトアニリド2部、1,2,3−トリフェニルグアニジン1部、トリクレジルホスフェート0.3部及びマレイン酸ジエチル0.1部を酢酸エチル10部中に溶解し、ゼラチンの6%水溶液20部とドデシルスルホン酸ナトリウムの2%水溶液2部を混合した水溶液中に投入し、ホモジナイザーを使用して10分間乳化し、カプラー乳化分散液Fを得た。
【0177】
<イエロー感熱記録層用塗布液の調製>
上記より得たカプラー乳化分散液Fを、ジアゾ化合物含有マイクロカプセル液Eに対して重量比で3/2となるように混合して、イエロー感熱記録層用塗布液を得た。
【0178】
(7)中間層用塗布液の調製
ゼラチン(#750、新田ゼラチン(株)製)の15%水溶液10部に、ポリアクリル酸(ジュリマーAC−10L、日本純薬(株)製)の15%水溶液3部を加えて均一に混合し、中間層用塗布液を得た。
【0179】
(8)光透過率調整層用塗布液の調製
下記に示す化合物1.5部と、還元剤として化合物R−6を0.5部と、酢酸エチル6.0部と、燐酸トリクレジル0.8部とを混合して十分に溶解した。この溶液に、カプセル壁剤としてキシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパン(タケネートD110N、75%酢酸エチル溶液、武田薬品工業(株)製)3.0部を更に添加して均一に攪拌した。これに、カルボキシ変性ポリビニルアルコール(KL−318、(株)クラレ製)の8%水溶液29.7部を添加し、ホモジナイザーにて乳化分散を行った。得られた乳化液を40部のイオン交換水に添加して40℃で3時間攪拌し、カプセル化反応を行わせた。この後、イオン交換樹脂アンバーライトMB−03(オルガノ(株)製)7.0部を添加して更に1時間攪拌を行い、光透過率調整層用塗布液を調製した。マイクロカプセルの平均粒子径は0.35μmであった。
【0180】
【化13】
【0181】
(9)保護層用塗布液の調製
下記組成を混合して保護層用塗布液を調製した。
・EP130(7%) …100g
(ドデシル変性ポリビニルアルコール、電気化学工業(株)製)
・水 … 50g
・バリファイン BF21分散液(20%) … 10g
(硫酸バリウム超微粒子、堺化学工業(株)製)
・前記界面活性剤−1(2%) … 5ml
・下記界面活性剤−2(5%) … 5ml
【0182】
【化14】
【0183】
(10)感熱記録材料の作製
上記より得た支持体のオモテ面のコロナ放電処理されたポリエチレン表面に、支持体側から、下塗り層用塗布液、シアン感熱記録層用塗布液、中間層用塗布液、マゼンタ感熱記録層用塗布液、中間層用塗布液、イエロー感熱記録層用塗布液、光透過率調整層用塗布液、及び保護層用塗布液の順に多層に塗布し、乾燥して本発明の多色感熱記録材料(1)を作製した。
各塗布液の塗布量は、乾燥後の固形分換算で、支持体側から順に、下塗り層1.0g/m2、シアン感熱記録層7.2g/m2、中間層2.0g/m2、マゼンタ感熱記録層7.8g/m2、中間層2.0g/m2、イエロー感熱記録層5.0g/m2、光透過率調整層2.5g/m2、保護層1.2g/m2とした。
【0184】
実施例2
実施例1の<インク受容層用塗布液の調製>を以下のように変更する他は実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水96.6部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)22部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を120部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部、及びステアリン酸亜鉛分散液(ハイミクロンL−111、中京油脂(株)製、20%分散液)17部を添加して、インク受容層液を得た。(顔料/水性結着剤=2.0、全塗設成分に対するステアリン酸亜鉛の比率8.5%)
【0185】
実施例3
実施例1の<インク受容層用塗布液の調製>を以下のように変更する他は実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水96.6部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)22部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を120部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部、及びステアリン酸亜鉛分散液(ハイミクロンL−111、中京油脂(株)製、20%分散液)68部を添加して、インク受容層液を得た。(顔料/水性結着剤=2.0、全塗設成分に対するステアリン酸亜鉛の比率24%)
【0186】
実施例4
実施例1の<インク受容層用塗布液の調製>を以下のように変更する他は実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水96.6部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)22部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を120部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部、及びステアリン酸亜鉛分散液(ハイミクロンL−111、中京油脂(株)製、20%分散液)100部を添加して、インク受容層液を得た。(顔料/水性結着剤=2.0、全塗設成分に対するステアリン酸亜鉛の比率32%)
【0187】
比較例1
実施例1の<インク受容層用塗布液の調製>を以下のように変更する他は実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水96.6部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)22部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を120部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部を添加して、インク受容層液を得た。
(顔料/水性結着剤=2.0)
【0188】
比較例2
実施例1の<インク受容層用塗布液の調製>を以下のように変更する他は実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水96.6部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)11部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を196部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部を添加して、インク受容層液を得た。(顔料/水性結着剤=0.6)
【0189】
比較例3
実施例1の<インク受容層用塗布液の調製>を以下のように変更する他は実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水96.6部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)22部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を196部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部を添加して、インク受容層液を得た。
(顔料/水性結着剤=1.2)
【0190】
比較例3
実施例1の<インク受容層用塗布液の調製>を以下のように変更する他は実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
<インク受容層用塗布液の調製>
カチオン性樹脂(シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製)の50%水溶液12.3部、水96.6部、非晶質シリカ(ミズカシルP−707、水沢化学(株)製)33部をホモジナイザーで分散してシリカ分散液を得た。
得られたシリカ分散液にケイ素変性ポリビニルアルコール(R−1130、クラレ(株)製)の9%水溶液を120部、アニオン性界面活性剤(Aerosol MA80、American cyamid(株)製)の80%水溶液2.0部を加えた。
更にポリアミドエピクロルヒドリン水溶液(FL−71、東邦千葉化学工業(株)製)を5%に希釈した水溶液を30部を添加して、インク受容層液を得た。
(顔料/水性結着剤=3.0)
【0191】
(評価)
上記の如くして得た感熱記録材料を、下記の基準で評価した。結果を表1に示す。
▲1▼ 紙送り特性
前記感熱記録材料をインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM−950M)のトレーに10枚セットし、10枚連続印刷した。
○:10枚とも問題なく印刷できた。
×:ダブルフィーダーなどが発生した。
▲2▼ インクジェット記録特性の評価
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM−950M)を用いて、黒、赤、青、緑の文字を明朝体10ptで印字して、目視でインクの滲みを判定した。
【0192】
【表1】
【0193】
表1が示すように、インク受容層が顔料、水性結着剤及び潤滑剤を含有し、水性結着剤に対する顔料の比率(質量)が本発明の範囲であると、インクジェット記録特性及び紙送り特性がともに良好である。また、比較例1ないし比較例4が示すように、摩擦係数は顔料と水性結着剤の比率を変えることにより調節可能であるが、摩擦係数が0.44及び0.55である比較例2及び比較例3では紙送り性に問題はないものの、インクジェット記録特性が劣っている。また、比較例1及び4はインクジェット記録特性は良好であるものの搬送性が劣っている。
【0194】
【発明の効果】
本発明の感熱記録材料は、インクの滲みやかすれ等、インクジェット記録特性が劣化することなく、感熱記録層面とインク受容層層面との摩擦係数を調節することが可能で、紙送りが適正化される。
Claims (4)
- 支持体の一方の表面に少なくとも感熱記録層を有し、他方の表面にインク受容層を有する感熱記録材料において、前記インク受容層が、顔料、水性結着剤及び潤滑剤を含有し、かつ前記水性結着剤に対する顔料の比率(質量)が1.5〜3.0の範囲であることを特徴とする感熱記録材料。
- 前記インク受容層において水性結着剤に対する顔料の比率が1.8〜2.2であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
- 前記インク受容層と支持体の間に1層又は2層以上のバック層を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感熱記録材料。
- 前記バック層の1つの層が、水性結着剤及び無機質の層状化合物を含有する層であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の感熱記録材料。
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