JP2006001279A - 感熱記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発色濃度が高く色再現性に優れ、色汚れの無い鮮鋭な画像を与えることができる(多色)感熱記録材料を提供する。
【解決手段】 支持体上に、電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物又はジアゾニウム塩と反応して発色させるカプラー化合物が、乳化分散物として含有される感熱記録層が設けられた感熱記録材料において、該感熱記録層の少なくとも1層が、体積平均粒子径が0.18μm未満の上記乳化分散物を含有することを特徴とする感熱記録材料。上記乳化分散物の体積平均粒子径は、電子供与性染料前駆体又はジアゾニウム塩を内包するマイクロカプセルの体積平均粒子径の0.5未満であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は感熱記録材料に関し、特に、発色濃度が高く色再現性に優れた多色感熱記録材料に関する。
サーマルヘッド等により熱を供与して画像を記録する感熱記録は、その記録装置が小型簡便で信頼性が高く、メンテナンスが不要であることから広汎に普及しており、特に近年では、高画質化及び保存安定性の向上等の高性能化が図られている。その感熱記録材料としては、従来から電子供与性無色染料とこれを発色させる電子受容性化合物との反応を利用したもの、及びジアゾニウム塩化合物とこれを発色させるカプラー成分との反応を利用したもの等が良く知られている。
最近では、多色の感熱記録材料の発展も著しく、複数の種類の発色層を組み合わせて積層した感熱記録材料として、各層を熱によって発色させ多色を得ることができる。この様な構成を有する多色感熱記録材料は、ジアゾニウム塩等の光分解性を利用して、画像形成後に光を照射して該画像を定着させて画像の安定性を向上させることができる。しかしながら、上記多色感熱記録材料にとって、更に発色性の向上を図ることが大きな課題である。
感熱記録材料において、十分な光学濃度を有する鮮明な画像を得るためには、電子供与性染料前駆体やジアゾニウム塩化合物等よりもカプラー化合物や電子受容性化合物の塗布量の方を多くする必要があるが、表面光沢度を低下させたり、ジアゾニウム塩の光定着に必要な光の透過率が低下して定着速度が劣る等の傾向にある。また、発色性が十分でないと色再現域が狭くなって鮮明な画像を得ることができなくなるという問題点があった。
上述の諸問題を改善する方策として、ジアゾ化合物と該ジアゾ化合物と反応して発色するカプラーを含有する感熱発色層にアルキル基の炭素数が8〜18のパラヒドロキシ安息香酸アルキルエステルを含有させた多色感熱記録材料(例えば、特許文献1参照)、感熱記録層がマイクロカプセルに内包された電子供与性無色染料と特定の電子受容性化合物を含む感熱記録材料(例えば、特許文献2参照)、特定の酸化発色型ロイコ染料とジアゾ化合物とを含有する感熱発色層が設けられている感熱記録材料(例えば、特許文献3参照)、ジアゾ化合物が含有されている複合微粒子とこれと加熱下に反応して発色させるカップリング成分とを含有している感熱発色層が形成されている感熱記録材料(例えば、特許文献4参照)、電子受容性化合物として特定の化合物の1種を含有する感熱記録層を設けた多色感熱記録材料(例えば、特許文献5参照)、カプラー化合物を内包し平均粒径が0.05〜0.70μmの範囲にある乳化物を含む感熱記録層を設けた感熱記録材料(例えば、特許文献6参照)、等が提案されている。
しかしながら、特に多色感熱記録材料において、発色濃度及び色再現性の面で未だ十分なレベルにはなく、更なる改良が求められている。
特開平05−000568号公報 特開平08−282124号公報 特開平09−011633号公報 特開平10−166727号公報 特開2003−011518号公報 特開2003−136839号公報
従って、本発明の目的は、電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物、又はジアゾニウム塩と反応して発色させるカプラー化合物が乳化分散物として含有される感熱記録層が設けられた感熱記録材料において、発色濃度が高く色再現性に優れた感熱記録材料を提供することにある。
上記の状況に鑑み、本発明者は鋭意研究を行った結果、感熱記録層内に乳化分散物として含有される電子受容性化合物又はカプラー化合物の体積平均粒子径を制御することにより、上記の課題を解決することが出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の感熱記録材料を提供するものである。
<1> 支持体上に、電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物又はジアゾニウム塩と反応して発色させるカプラー化合物が、乳化分散物として含有される感熱記録層が設けられた感熱記録材料において、該感熱記録層の少なくとも1層が、体積平均粒子径が0.18μm未満の上記乳化分散物を含有することを特徴とする感熱記録材料である。
<2> 前記体積平均粒子径が0.16μm以下であることを特徴とする前記<1>に記載の感熱記録材料である。
<3> 少なくとも、イエロー、マゼンタ、及びシアンに発色する3層の感熱記録層を有し、そのうちの少なくとも1層が前記乳化分散物を含有することを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の感熱記録材料である。
<4> 感熱記録層の少なくとも1層がマイクロカプセルに内包された電子供与性染料前駆体又はジアゾニウム塩を含有してなり、且つ前記乳化分散物の体積平均粒子径が上記マイクロカプセルの体積平均粒子径の0.5未満であることを特徴とする前記<1>〜<3>の何れか1項に記載の感熱記録材料である。
本発明の感熱記録材料は、電子受容性化合物又はカプラー化合物を含む乳化分散物の粒径を規定することにより、発色濃度が高く色再現性に優れ、色汚れの無い鮮鋭な画像を与えることができる(多色)感熱記録材料を提供することができる。
本発明の感熱記録材料は、支持体上に、電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物又はジアゾニウム塩と反応して発色させるカプラー化合物が、乳化分散物として含有される感熱記録層が設けられた感熱記録材料において、該感熱記録層の少なくとも1層が、体積平均粒子径が0.18μm未満の上記乳化分散物を含有することを特徴とする。
以下、本発明の感熱記録材料について詳細に説明する。
本発明の感熱記録層の少なくとも1層は、発色成分系として、電子供与性染料前駆体と該電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物、又はジアゾニウム塩と該ジアゾニウム塩と反応して発色させるカプラー化合物を含有してなり、更にこの発色成分系の他に、目的及び必要に応じて、バインダーやオイル成分、塩基性物質、その他の添加剤等の成分を含むことができる。
最初に、本発明に用いる発色成分系について詳細に説明する。
(ジアゾニウム塩化合物)
本発明の感熱記録層に用いられるジアゾニウム塩化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Ar−N2 +- 一般式(1)
上式(1)において、Arは芳香族部分を表し、X-は酸アニオンを表す。
上記のジアゾニウム塩化合物は、加熱により後述のカプラー化合物とカップリング反応を起こして発色し、また光によって分解する性質を有する化合物である。これらはAr部分の置換基の位置や種類によって、その最大吸収波長を制御することが可能である。
上記ジアゾニウム塩を形成するジアゾニウムの具体例としては、4−(p−トリルチオ)−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、4−(4−クロロフェニルチオ)−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジプロピルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジベンジルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N−エチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−メトキシベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メトキシベンゼンジアゾニウム、4−(N−ベンゾイルアミノ)−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム、4−モルホリノ−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、4−アニリノベンゼンジアゾニウム、4−[N−(4−メトキシベンゾイル)アミノ]−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム、4−ピロリジノ−3−エチルベンゼンジアゾニウム、4−[N−(1−メチル−2−(4−メトキシフェノキシ)エチル)−N−ヘキシルアミノ]−2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウム、4−[N−(2−(4−メトキシフェノキシ)エチル)−N−ヘキシルアミノ]−2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウム、2−(1−エチルプロピルオキシ)−4−[ジ−(ジ−n−ブチルアミノカルボニルメチル)アミノ]ベンゼンジアゾニウム、2−ベンジルスルホニル−4−[N−メチル−N−(2−オクタノイルオキシエチル)]アミノベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
本発明のジアゾニウム塩の最大吸収波長λmaxとしては、450nm以下が好ましく、290〜440nmがより好ましい。上記λmaxを、この様な範囲内とすることで、生保存性、後述のカプラーとの組合わせにおいて画像定着性、画像保存性、及びシアン発色の色相等を良好にすることができる。
また、本発明のジアゾニウム塩としては、炭素原子数が12以上で、水に対する溶解度が1%以下で、且つ酢酸エチルに対する溶解度が5%以上であるものが好ましい。尚、ジアゾニウム塩化合物は、1種を単独で用いてもよいし、色相調整等の目的に応じて、2種以上を併用することもできる。
前記ジアゾニウム塩の中でも、色素の色相、画像保存性、画像定着性等の観点より、下記構造式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物がより好ましい。
Figure 2006001279
上記構造式(1)において、Arは置換又は無置換のアリール基を表す。
上記Arで表されるアリール基としては、炭素原子数が6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシフェニル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、2−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4−クロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−ブトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3−(ジブチルアミノカルボニルメトキシ)フェニル基、4−シアノフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基;
4−ブトキシフェニル基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノスルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、4−(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル基、4−フルオロフェニル基、3−アセチルフェニル基、2−アセチルアミノフェニル基、4−(4−クロロフェニルチオ)フェニル基、4−(4−メチルフェニル)チオ−2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカルボニルフェニル基等が挙げられる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
またこれらの基は、更に、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、アミノ基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよく、またこれらの置換基は更に置換されていてもよい。
前記構造式(1)において、R21及びR22はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基を表す。上記R21及びR22は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
上記R21及びR22で表されるアルキル基としては、炭素原子数が1〜18のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、オクタデシル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、トリフェニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル基、2’,4’−ジイソペンチルフェニルオキシメチル基、2’,4’−ジ−t−ブチルフェニルオキシメチル基、ジベンジルアミノカルボニルメチル基、2,4−ジ−t−アミルフェニルオキシプロピル基、エトキシカルボニルプロピル基、1−(2’,4’−ジ−t−アミルフェニルオキシ)プロピル基、アセチルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル基、メタンスルホニルアミノプロピル基、アセチルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル基等が挙げられる。
前記R21及びR22で表されるアリール基としては、炭素原子数が6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシフェニル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、2−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4−クロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−ブトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3−(ジブチルアミノカルボニルメトキシ)フェニル基;
4−シアノフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ブトキシフェニル基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノスルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、4−(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル基、4−フルオロフェニル基、3−アセチルフェニル基、2−アセチルアミノフェニル基、4−(4−クロロフェニルチオ)フェニル基、4−(4−メチルフェニル)チオ−2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカルボニルフェニル基等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
また上記アルキル基及びアリール基は、更に、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、置換アミド基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよく、またこれらの置換基は更に置換されていてもよい。
前記構造式(2)において、R24〜R26はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基を表し、該R24〜R26は同一であってもよいし異なっていてもよい。
上記R24〜R26で表されるアルキル基としては、炭素原子数が1〜18のアルキル基が好ましく、例えば、前記構造式(1)中のR21及びR22で表されるアルキル基、及び1−メチル−2−(4−メトキシフェノキシ)エチル基、ジ−n−ブチルアミノカルボニルメチル基、ジ−n−オクチルアミノカルボニルメチル基等が挙げられる。
前記R24〜R26で表されるアリール基は、前記構造式(1)中のR21及びR22で表されるアリール基と同義である。但し、これらに限定されるものではない。
また上記アルキル基及びアリール基は、更に、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、アミノ基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよく、またこれらの置換基は更に置換されていてもよい。
前記構造式(2)において、Yは水素原子、OR23基を表し、該R23は置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基を表す。
上記Yの中でも、色相調節の観点より、水素原子、R23がアルキル基であるアルキルオキシ基が好ましい。
上記R23で表されるアルキル基は、前記構造式(1)中のR21及びR22で表されるアルキル基と同義である。但し、これらに限定されるものではない。
上記R23で表されるアリール基は、前記構造式(1)中のR21及びR22で表されるアリール基と同義である。但し、これらに限定されるものではない。
また上記アルキル基及びアリール基は、更に、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、アミノ基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよく、またこれらの置換基は更に置換されていてもよい。
前記構造式(3)において、R27及びR28はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基を表し、R27及びR28は同一であってもよいし異なっていてもよい。
上記R27及びR28で表されるアルキル基は、前記構造式(1)中のR21及びR22で表されるアルキル基と同義である。但し、これらに限定されるものではない。
上記R27及びR28で表されるアリール基は、前記構造式(1)中のR21及びR22で表されるアリール基と同義である。但し、これらに限定されるものではない。
また上記アルキル基及びアリール基は、更に、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド基、アミノ基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換されていてもよく、またこれらの置換基は更に置換されていてもよい。
前記構造式(1)〜(3)において、X-は酸アニオンを表し、該酸アニオンとしては、炭素原子数が1〜9のポリフルオロアルキルカルボン酸、炭素原子数が1〜9のポリフルオロアルキルスルホン酸、四フッ化ホウ素、テトラフェニルホウ素、ヘキサフルオロリン酸、芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸等が挙げられる。中でも、結晶性を有する点で、ヘキサフルオロリン酸が好ましい。
以下に、前記構造式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物の具体例を示すが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
Figure 2006001279
Figure 2006001279
Figure 2006001279
Figure 2006001279
前記構造式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。更に、色相調整等の諸目的に応じて、構造式(1)〜(3)で表されるジアゾニウム塩と公知の他のジアゾニウム塩とを併用してもよい。
本発明において、前記ジアゾニウム塩化合物の塗布量としては、感熱記録層中に0.05〜2g/m2が好ましく、0.1〜1g/m2がより好ましい。該含有量を上記範囲内とすることで、十分な発色濃度が得られると共に、塗布液の塗布適性を良好にすることができる。
(カプラー化合物)
上述のジアゾニウム塩化合物とカップリング反応して色素を形成し発色させるカプラー化合物としては、塩基性雰囲気及び/又は中性雰囲気の下でジアゾニウム塩とカップリングして色素を形成し得るものであれば、いずれの化合物も用いることができる。
ハロゲン化銀写真感光材料に用いられる、いわゆる4当量カプラーは全てカプラーとして使用可能であり、色相等の目的に合致する範囲で適宜に選択することができる。例えば、カルボニル基の隣にメチレン基を有する、いわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体等が挙げられる。
本発明に用いるカプラー化合物としては、下記一般式(2)で表される化合物又は該化合物の互変異性体が好ましい。
1−CH2−E2 一般式(2)
上式(2)において、E1及びE2はそれぞれ独立に電子吸引性基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。
上記電子吸引性基は、Hammettのσ値が正である置換基を指し、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、クロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、1−メチルシクロプロピルカルボニル基、1−エチルシクロプロピルカルボニル基、1−ベンジルシクロプロピルカルボニル基、ベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、テノイル基等のアシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−メトキシエトキシカルボニル基、4−メトキシフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−〔2,4−ビス(ペンチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、N−〔2,4−ビス(オクチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、モルホリノカルボニル基等のカルバモイル基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等のアルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基、ジエチルホスホノ基等のホスホノ基、ベンゾオキサゾール−2−イル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−スルホン−2−イル基等の複素環基、ニトロ基、イミノ基、シアノ基が挙げられる。
また、前記E1及びE2は互いに結合して環を形成していてもよい。E1とE2で形成される環としては、5員又は6員の炭素環又は複素環が好ましい。
上記カプラーの具体例としては、レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸アニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルオキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルアミド、5−アセトアミド−1−ナフトール、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ジアニリド;
1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シクロペンタンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、5−フェニル−4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオン、5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、N,N’−ジシクロヘキシルバルビツール酸、N,N’−ジ−n−ドデシルバルビツール酸、N−n−オクチル−N’−n−オクタデシルバルビツール酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、N,N’−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチル)バルビツール酸;
1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピバロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセトアセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルファモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピラゾール等が挙げられる。
上述のカプラー化合物の詳細については、特開平4−201483号、特開平7−223367号、特開平7−223368号、特開平7−323660号、特開平7−125446号、特開平7−096671号、特開平7−223367号、特開平7−223368号、特開平9−156229号、特開平9−216468号、特開平9−216469号、特開平9−203472号、特開平9−319025号、特開平10−035113号、特開平10−193801号、特開平10−265532号等の公報に記載されている。
以下に、前記一般式(2)で表されるカプラーの具体例を示すが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
Figure 2006001279
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Figure 2006001279
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本発明において、感熱記録層中におけるカプラーの含有量としては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
(電子供与性染料前駆体)
本発明の感熱記録材料においては、前記ジアゾニウム塩化合物とカプラー(ジアゾ系発色剤)の他、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組合せ(ロイコ系発色剤)を用いることもできる。例えば、支持体上に複数の感熱記録層を有する多色感熱記録材料において、その少なくとも1層を上記ロイコ系発色剤を含む層として構成することができる。
上記電子供与性染料前駆体としては、例えば、トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、キサンテン系化合物、スピロピラン系化合物等が挙げられ、中でも、発色濃度が高い点で、トリアリールメタン系化合物、キサンテン系化合物が好ましい。
具体的には、下記化合物が挙げられる。例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(即ちクリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノ)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,3−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(o−メチル−p−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(p−クロロアニリノ)ラクタム、2−ベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−6−ジエチルアミノフルオラン;
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−シクロヘキシルメチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−イソアミルエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−オクチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−2−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンジルロイコメチレンブルー、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等である。
本発明において、電子供与性染料前駆体の塗布量としては、前述のジアゾニウム塩化合物の場合と同様の理由から、感熱記録層中に0.1〜1g/m2が好ましい。
(電子受容性化合物)
本発明に用いる電子受容性化合物としては、例えば、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられ、中でも、ビスフェノール類、ヒドロキシ安息香酸エステル類が好ましい。具体的には、下記化合物が挙げられる。
例えば、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(即ち、ビスフェノールP)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸及びその多価金属塩、3,5−ジ(tert−ブチル)サリチル酸及びその多価金属塩、3−α,α−ジメチルベンジルサリチル酸及びその多価金属塩、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール等である。
本発明においては、感熱記録層中における電子受容性化合物の含有量としては、電子供与性染料前駆体1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
(その他の成分)
本発明においては、ジアゾニウム塩とカプラーとのカップリング反応を促進する目的で有機塩基を添加することができる。上記有機塩基は、感熱記録層中にジアゾニウム塩化合物及びカプラーと共に含有させるのが好ましく、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記有機塩基としては、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、アミジン類、ホルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モルホリン類等の含窒素化合物等が挙げられる。また、特公昭52−46806号公報、特開昭62−70082号公報、特開昭57−169745号公報、特開昭60−94381号公報、特開昭57−123086号公報、特開昭58−1347901号公報、特開昭60−49991号公報、特公平2−24916号公報、特公平2−28479号公報、特開昭60−165288号公報、特開昭57−185430号公報に記載のものなどが使用可能である。
中でも、N,N’−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス(3−フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピペラジン、1,4−ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキシ〕プロピルオキシ}ベンゼン等のピペラジン類、N−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン等のモルホリン類、N−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピペリジン等のピペリジン類、トリフェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン等のグアニジン類等が好ましい。
所望により有機塩基を含有させる場合の、感熱記録層中における有機塩基の含有量としては、ジアゾニウム塩化合物1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
上記有機塩基の他、発色反応を促進させる目的で、感熱記録層中に増感剤を添加することもできる。
上記増感剤は、加熱記録時の発色濃度を高くする、又は最低発色温度を低くする物質であり、カプラー、有機塩基、又はジアゾニウム塩化合物等の融解点を下げたり、後述するマイクロカプセルのカプセル壁の軟化点を低下せしめる作用により、ジアゾニウム塩化合物、有機塩基、カプラー等を反応しやすい状況にするものである。
具体的には、分子内に芳香族性の基と極性基を適度に有している低融点有機化合物が好ましく、例えば、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、α−ナフチルベンジルエーテル、β−ナフチルベンジルエーテル、β−ナフトエ酸フェニルエステル、α−ヒドロキシ−β−ナフトエ酸フェニルエステル、β−ナフトール−(p−クロロベンジル)エーテル、1,4−ブタンジオールフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−エチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−m−メチルフェニルエーテル、1−フェノキシ−2−(p−トリルオキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(p−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(p−クロロフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル等が挙げられる。
本発明の感熱記録層に用いるバインダーとしては、公知の水溶性高分子化合物やラテックス類等が挙げられる。
上記水溶性高分子化合物としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン誘導体、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチン、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、エピクロルヒドリン変成ポリアミド、イソブチレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド等及びこれらの変成物等が挙げられ、上記ラテックス類としては、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。
また、色相調整の目的で、感熱記録層中に顔料を含有させてもよい。
上記顔料としては、有機又は無機を問わず公知のものを使用することができ、例えば、カオリン、焼成カオリン、タルク、ロウ石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、リトポン、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コウ、シリカ、炭酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バリウム、硫酸バリウム、マイカ、マイクロバルーン、尿素−ホルマリンフィラー、ポリエステルパーティクル、セルロースフィラー等が挙げられる。
また、発色画像の光及び熱に対する堅牢性を向上させる、又は定着後の未印字部分(非画像部)の光による黄変を軽減する目的で、以下に示す公知の酸化防止剤等を用いることも好ましい。
上記酸化防止剤としては、例えば、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同第309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、アメリカ特許第4814262号明細書、同第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
本発明において、前記ジアゾニウム塩化合物、該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して発色させるカプラー化合物、有機塩基や増感剤等の他の成分、並びに、電子供与性染料前駆体、電子受容性化合物等の使用形態については特に制限はない。例えば、(1)固体分散して使用する方法、(2)乳化分散して使用する方法、(3)ポリマー分散して使用する方法、(4)ラテックス分散して使用する方法、(5)マイクロカプセル化を利用する方法等が挙げられる。中でも特に、保存性の観点から、(5)マイクロカプセル化を利用する方法が好ましく、特に(a)ジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を利用した発色系では、該ジアゾニウム塩化合物をマイクロカプセルに内包した形態が、(b)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との反応を利用した発色系では、該電子供与性染料前駆体をマイクロカプセルに内包した形態が好ましい。
(マイクロカプセルの製造方法)
本発明においては、感熱記録材料の保存安定性を向上させる点で、前記ジアゾニウム塩化合物及び/又は電子供与性染料前駆体をマイクロカプセルに内包する態様が好ましい。
発色成分をマイクロカプセル化する方法としては、従来より公知の方法を用いることができる。例えば、発色成分であるジアゾニウム塩化合物(又は電子供与性染料前駆体)を水に難溶又は不溶の有機溶媒に溶解ないし分散させて調製した油相液を、水溶性高分子等を溶解した水相媒体中に投入して、ホモジナイザー等の高速攪拌手段により乳化分散した後、加温することによりその油滴界面で高分子形成反応を起こし、高分子物質のマイクロカプセル壁を形成させる界面重合法等が好適に挙げられる。該界面重合法は、短時間内に均一な粒径のカプセルを形成することができ、生保存性に優れた記録材料を得ることができる。
上記有機溶剤としては、例えば、酢酸エステル、メチレンクロライド、シクロヘキサノン等の低沸点補助溶剤、及び/又は、リン酸エステル、フタル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルその他のカルボン酸エステル、脂肪酸アミド、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、アルキル化ナフタレン、ジアリールエタン、塩素化パラフィン、アルコール系溶剤、フェノール系溶剤、エーテル系溶剤、モノオレフィン系溶剤、エポキシ系溶剤等が挙げられる。
具体例としては、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジラウレート、フタル酸ジシクロヘキシル、オレフィン酸ブチル、ジエチレングリコールベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、イソアミルビフェニル、塩素化パラフィン、ジイソプロピルナフタレン、1,1’−ジトリルエタン、2,4−ジターシャリアミルフェノール、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリン、ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシルエステル、ポリエチレングリコール等の高沸点溶剤が挙げられる。
中でも、アルコール系溶剤、リン酸エステル系溶剤、カルボン酸エステル系溶剤、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、アルキル化ナフタレン、ジアリールエタンが好ましい。
更に、上記高沸点溶剤に、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の炭化防止剤を添加してもよい。また、該高沸点溶剤として、特に不飽和脂肪酸を有するものが望ましく、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。該α−メチルスチレンダイマーには、例えば、三井東圧化学社製の商品名「MSD100」等がある。
前記水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アミノ変性ポリビニルアルコール、イタコン酸変性ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ブタジエン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルピロリドン、エチレン−アクリル酸共重合体、ゼラチン等が挙げられ、中でも、カルボキシ変性ポリビニルアルコールが好ましい。
上記水溶性高分子には、疎水性高分子のエマルジョン又はラテックス等を併用することもできる。該エマルジョン又はラテックスとしては、スチレン−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等が挙げられる。この時、必要に応じて従来より公知の界面活性剤等を加えてもよい。
マイクロカプセル壁を構成する高分子物質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アミノアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリレート共重合体樹脂、スチレン−メタクリレート共重合体樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。中でも、ポリウレタン−ポリウレア混合樹脂が好ましい。
例えば、ポリウレタン−ポリウレア樹脂をカプセル壁材として用いる場合には、多価イソシアネート等のマイクロカプセル壁前駆体をカプセル化し芯物質とすべき油性媒体(油相液)中に混合し、更にマイクロカプセル壁前駆体と反応してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、ポリオール、ポリアミンなど)を水溶性高分子水溶液(水相液)中に混合し、上記油相液を水相中に乳化分散した後、加温することにより油滴界面で高分子形成反応が生じ、マイクロカプセル壁を形成することができる。
以下に、前記多価イソシアネート化合物の具体例を示す。但し、これらに限定されるものではない。例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート;
シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート等のトリイソシアネート類、4,4’−ジメチルフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等のテトライソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、2,4−トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物等のイソシアネートプレポリマー等である。
また必要に応じて、2種類以上を併用してもよい。中でも特に好ましいものは、分子内にイソシアネート基を3個以上有する多価イソシアネートである。
マイクロカプセル化の方法において、カプラー化合物(又は電子受容性化合物)、有機塩基、増感剤等の他の成分、及びマイクロカプセル壁前駆体やこれと反応する第2物質を溶解させる有機溶剤としては、既述の有機溶剤と同様である。
本発明では、マイクロカプセルの粒径としては、0.1〜1.0μmが好ましく、0.2〜0.7μmがより好ましい。
(乳化分散物の製造)
本発明の記録材料においては、前述の電子供与性染料前駆体又はジアゾニウム塩と反応して発色させる顕色剤もしくは呈色剤である電子受容性化合物又はカプラー化合物は、乳化分散物として感熱記録層内に含有されてなる。以下に、この電子受容性化合物又はカプラー化合物を含む乳化分散物及びその製法等につき詳細に説明する。
本発明に用いる電子受容性化合物又はカプラー化合物を含む乳化分散物は、例えば、予め水に難溶性又は不溶性の高沸点有機溶剤に溶解した後、これを界面活性剤及び/又は水溶性高分子を保護コロイドとして含有する高分子水溶液(水相媒体)と混合して、ホモジナイザー等の高速攪拌手段を用いて乳化分散することにより容易に得ることができる。この際、必要に応じて低沸点溶剤を補助溶剤として用いることもできる。また、電子受容性化合物又はカプラー化合物と有機塩基を、それぞれ別々に乳化分散した後、両者を混合してから高沸点有機溶剤に溶解し、更に乳化分散することもできる。
既述の如く、本発明に用いられる電子受容性化合物又はカプラー化合物を含む乳化分散物の体積平均粒子径は、0.18μm未満と規定される。この乳化分散物の体積平均粒子径は、発色濃度及び色再現性を更に向上させる観点より、0.16μm以下であることが好ましい。該体積平均粒子径の下限としては、特に制限を設けないが、通常の感熱記録材料の用途では0.05μm程度の水準で十分である。
また、本発明に用いられる電子受容性化合物又はカプラー化合物を含む乳化分散物の体積平均粒子径は、発色濃度及び色再現性を向上させる為に、前述の電子供与性染料前駆体又はジアゾニウム塩を内包するマイクロカプセルの体積平均粒子径に対して0.5未満であることが好ましい。この乳化分散物の体積平均粒子径の比率は、発色濃度及び色再現性を更に向上させる為に、0.40未満であることが好ましく、特に0.35未満が最も好ましい。該体積平均粒子径の比率の下限についても、特に制限を設けないが、通常の感熱記録材料の用途では0.15程度の水準で十分である。
ここで本明細書においては、上記「体積平均粒子径」という用語は、K.Gotoh等「パワーテクノロジーハンドブック」(Power Technology Handbook、第2版、Marcell Dekker Publications、1997年)の3〜13頁に定義されているものを指す。本発明における上記体積平均粒子径は、例えば、市販されているCoulter LS粒径測定装置(Coulter Electronics Co.,Ltd.、米国フロリダー州セントピッツバーグ所在)、及び堀場製作所(株)製の粒径分布測定装置「LA−700」等を使用して容易に測定できる。
本発明の乳化分散に使用される上記高沸点有機溶剤としては、例えば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点オイルの中から適宜選択することができる。中でも、エステル類を使用することが、乳化分散液の乳化安定性の観点から好ましく、特にリン酸トリクレジルが好ましい。上記のオイル同士、又は他のオイルとの併用も可能である。
本発明で添加する界面活性剤としては、従来より公知のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤から適宜に選定される。
この様な界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン性界面活性剤、また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤である「SURFYNOLS」(AirProducts&Chemicals社製)、また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシド等のアミンオキシド型の両性界面活性剤、また、特開昭59−157636号公報の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載のものも好適に挙げられる。
本発明においては、乳化分散物の粒子径を経時的に安定化させる観点より、アニオン性界面活性剤を添加することが好ましい。
保護コロイドとして含有される上記水溶性高分子としては、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適宜に選択することができ、乳化しようとする温度において水に対する溶解度が5%以上の水溶性高分子が好ましく、その具体例としては、ポリビニルアルコール又はその変成物、ポリアクリル酸アミド又はその誘導体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、カルボキシメチルセルロース,メチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体が特に好ましい。
また、油相液の水相媒体に対する混合比(油相質量/水相質量)は、0.02〜0.6が好ましく、0.1〜0.4がより好ましい。この混合比が0.02より小さい場合には、水相が多すぎて希薄となり製造適性に欠けることがあり、一方、該混合比が0.6より大きい場合には、逆に液の粘度が高くなり過ぎ取扱いの不便さや塗布液安定性の低下を生ずる恐れがあり好ましくない。
本発明において、上述の乳化分散物の体積平均粒子径を規定の範囲に制御するには、例えば、電子受容性化合物又はカプラー化合物を含む油相液と水相媒体の混合比率、混合温度、混合時間、混合(攪拌)速度、並びに、油相液中の低沸点有機溶媒や他添加剤の種類と含有量、水相媒体中の水溶性高分子や界面活性剤や他添加剤の種類と含有量、及びそれらの添加手順、等を調整することによって可能である。但し、有効な添加量の上限、混合温度、攪拌速度、及び混合時間等の面で制約がある場合があるので、個々に応じて適宜に選定することが望ましい。
本発明で用いる乳化分散装置としては、簡便なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌方式、コロイドミル等のミル方式、超音波方式など公知の装置を用いることができる。また、高圧乳化分散装置や高圧ホモジナイザーを使用することもできる。上記高圧ホモジナイザーは、米国特許第4533254号明細書、特開平6−47264号公報等に詳細な機構が記載されているが、市販の装置としては、「ゴーリンホモジナイザー」(A.P.V GAULIN INC.製)、「マイクロフルイダイザー」(MICROFLUIDEX INC.製)、「アルティマイザー」(株式会社スギノマシン製)等が挙げられる。
また、近年になって米国特許第5720551号明細書に記載されている様な、超高圧ジェット流内で微粒子化する機構を備えた高圧ホモジナイザーも、本発明の着色微粒子の乳化分散に有効である。この超高圧ジェット流を用いた乳化分散装置の例として、例えば、「DeBEE2000」(BEE INTERNATIONAL LTD.製)が挙げられる。
(多色感熱記録材料)
次いで、多色記録材料の具体的な構成態様について説明する。
本発明の感熱記録材料は、支持体上に感熱記録層を1層有する単色の感熱記録材料、及び単色の記録層を複数積層した積層構造の感熱記録層を有する多色の感熱記録材料のいずれであってもよく、いずれにおいても、前記乳化分散物を含有する感熱記録層を有することが必須である。多色の感熱記録材料としては、感熱記録層を構成する少なくとも一層が、ジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と反応して呈色するカプラーとを含む光定着型記録層である態様が好ましい。
特に、シアン、イエロー、マゼンタを含むフルカラーの感熱記録層の場合には、そのうちの少なくとも1層が前記乳化分散物を含有し、且つ、支持体上の3層が全てジアゾ系発色剤で構成された形態、あるいは支持体に近い第一層目の感熱記録層が電子供与性染料前駆体及び電子受容性化合物を含有するロイコ系発色剤で構成され、第二及び第三層目の感熱記録層がジアゾ系発色剤で構成された形態よりなる感熱記録材料が好ましい。
例えば、下記(a)〜(c)に示す態様で構成されたものであってもよい。
即ち、(a)支持体上に、最大吸収波長360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第一の記録層(A層))と、最大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第二の記録層(B層))と、を積層してなる記録層を有し、該層上に必要に応じて光透過率調整層、保護層を設けた記録材料、
(b)支持体上に、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物を含有する記録層(第一の記録層(A層))と、最大吸収波長360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第二の記録層(B層))と、最大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第三の記録層(C層))と、をこの順に積層してなる記録層を有し、該層上に必要に応じて光透過率調整層、保護層を設けた記録材料、
(c)支持体上に、最大吸収波長340±20nm以下のジアゾニウム塩化合物と、該ジアゾニウム塩化合物と呈色反応をするカプラーとを含有する光定着型記録層(第一の記録層(A層))と、最大吸収波長360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第二の記録層(B層))と、最大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型記録層(第三の記録層(C層))と、をこの順に積層してなる記録層を有し、該層上に必要に応じて光透過率調整層、保護層を設けた記録材料、などである。
多色記録の方法について、前記(b)又は(c)により以下に説明する。
まず、第3の記録層(C層)を加熱し、該層に含まれるジアゾニウム塩とカプラーとを発色させる。次に、波長400±20nmの光を照射して、C層中に含まれる未反応のジアゾニウム塩化合物を分解し光定着した後、第2の記録層(B層)が発色するに十分な熱を与え、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物とカプラーとを発色させる。このとき、C層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩化合物は分解されており(光定着されている)、発色能力が失われているため発色しない。さらに、波長360±20nmの光を照射し、B層に含まれるジアゾニウム塩化合物を分解し光定着した後、最後に、第1の記録層(A層)が発色しうる十分な熱を加えて発色させる。このとき、C層、B層の記録層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩化合物は分解されており、発色能力が失われているため発色しない。
各層の積層順としては、視感度の低いイエロー層を最下層にすることが、支持体面上の粗さに起因する画質への影響を減らすことができ、特に画質向上を図る場合に有用である。
また、全ての記録層(A層、B層、及びC層)をジアゾ系の記録層とした場合、A層及びB層は、発色させた後に光定着を行うことが必要であるが、最後に画像記録を行うC層に関しては、必ずしも光定着を行う必要はない。しかし、形成画像の保存安定性を向上する観点からは、光定着することが好ましい。
光定着に用いる定着用光源としては、公知の光源の中から適宜選択でき、例えば、種々の蛍光灯、キセノンランプ、水銀灯等が挙げられ、中でも、高効率に光定着する点で、光源の発光スペクトルが、記録材料に用いたジアゾニウム塩化物の吸収スペクトルとほぼ一致する光源を用いることが好ましい。
本発明の感熱記録材料においては、支持体上に単数又は複数の感熱記録層を有するほか、光透過率調整層や保護層を有してなる態様が好ましい。
(光透過率調整層)
前記光透過率調整層は、紫外線吸収剤前駆体を含有しており、定着に必要な領域の波長の光照射前は紫外線吸収剤として機能しないので光透過率が高く、光定着型感熱記録層を定着する際、定着に必要な領域の波長を十分に透過させ、しかも可視光線の透過率も高いので、感熱記録層の定着に支障を来すこともない。この紫外線吸収剤前駆体は、マイクロカプセル中に含ませることが好ましい。
また、光透過率調整層に含有する化合物としては、特開平9−1928号公報に記載の化合物が挙げられる。
前記紫外線吸収剤前駆体は、感熱記録層の光照射による定着に必要な領域の波長の光照射が終了した後、光または熱などで反応することにより紫外線吸収剤として機能するようになり、紫外線領域の定着に必要な領域の波長の光は紫外線吸収剤によりその大部分が吸収され、透過率が低くなり、感熱記録材料の耐光性が向上するが、可視光線の吸収効果がないから、可視光線の透過率は実質的に変わらない。
光透過率調整層は感熱記録材料中に少なくとも1層設けることができ、最も望ましくは感熱記録層と最外保護層との間に形成するのがよいが、光透過率調整層を保護層と兼用するようにしてもよい。光透過率調整層の特性は、感熱記録層の特性に応じて任意に選定することができる。
光透過率調整層形成用の塗布液(光透過率調整層用塗布液)は、前記各成分を混合して得られる。該光透過率調整層塗布液を、例えばバーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等の公知の塗布方法により塗布して形成することができる。光透過率調整層は、感熱記録層等と同時塗布してもよく、例えば感熱記録層形成用の塗布液を塗布し一旦感熱記録層を乾燥させた後、該層上に塗布形成してもよい。
(保護層と中間層)
前記保護層は、バインダーと共に、顔料、滑剤、界面活性剤、分散剤、蛍光増白剤、金属石鹸、硬膜剤、紫外線吸収剤、架橋剤等を含有することが好ましい。
前記バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、デンプン、酸化デンプン、カチオン変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、アクリル系または酢酸ビニル系のカチオン性ラテックス等が挙げられる。この内、ポリビニルアルコール、ゼラチンが好ましく、更にポリビニルアルコールが好ましい。ここで用いるポリビニルアルコールは、変性されているものも含む。変性ポリビニルアルコールとしては、カルボニル変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、エチレン変性ポリビニルアルコール、等が挙げられる。
前記顔料としては、例えば平均粒子径が0.1〜5μm程度の非晶質シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、アルミナゲル、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ゼオライト、焼成クレー、カオリンクレー、タルク、ホワイトカーボン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸バリウム等の無機顔料、およびスチレン樹脂フィラー、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン等の有機顔料が挙げられる。
また、他のバインダーとして、合成ゴムラテックス、合成樹脂エマルジョン等が挙げられ、例えば、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等も挙げられる。
前記バインダーの含有量としては、保護層中の顔料に対して、10〜500質量%が好ましく、50〜400質量%がより好ましい。
また、耐水性を更に向上させる目的で、架橋剤及びその反応を促進させる触媒を併用することが有効であり、該架橋剤としては、例えば、エポキシ化合物、ブロックドイソシアネート、ビニルスルホン化合物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、硼酸、カルボン酸無水物、シラン化合物、キレート化合物、ハロゲン化物等が挙げられ、保護層形成用の塗布液のpHを6.0〜7.5に調整できるものが好ましい。前記触媒としては、公知の酸、金属塩等が挙げられ、上記同様に塗布液のpHを6.0〜7.5に調整できるものが好ましい。
前記滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等が好適に挙げられる。
前記界面活性剤としては、感熱記録層上に均一に保護層を形成可能なように、スルフォコハク酸系のアルカリ金属塩、フッ素含有界面活性剤等が好適に挙げられ、具体的には、ジ−(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸、ジ−(n−ヘキシル)スルホコハク酸等のナトリウム塩、及びアンモニウム塩等が挙げられる。
保護層形成用の塗布液(保護層用塗布液)は、前記各成分を混合して得られる。更に、必要に応じて離型剤、ワックス、撥水剤等を加えてもよい。
本発明の感熱記録材料は、支持体上に形成した感熱記録層上に保護層塗布液を公知の塗布方法により塗布して形成することができる。前記公知の塗布方法としては、例えば、バーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等を用いた方法が挙げられる。
保護層の乾燥塗布量としては、0.2〜7g/m2が好ましく、1〜4g/m2がより好ましい。該乾燥塗設量が、0.2g/m2未満であると、耐水性が維持できないことがあり、7g/m2を超えると、著しく熱感度が低下することがある。保護層の塗布形成後、必要に応じてキャレンダー処理を施してもよい。
感熱記録層を複数積層する場合、各感熱記録層間には中間層を設けることが好ましい。該中間層には、前記保護層と同様、各種バインダーに更に顔料、滑剤、界面活性剤、分散剤、蛍光増白剤、金属石鹸、紫外線吸収剤等を含ませることができる。前記バインダーとしては、保護層と同様のバインダーが使用できる。
(支持体)
前記支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム等のセルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリル酸共重合体フィルム、ポリカーボネートフィルム等の合成高分子フィルム、及び紙、合成紙、プラスチック樹脂層を有する紙、等が挙げられる。
前記支持体は、単独であるいは貼り合わせて使用することができる。
前記プラスチック樹脂層を有する紙としては、原紙の両面又は少なくとも感熱記録層が形成される側の表面に熱可塑性樹脂を含む層が形成されたものが望ましい。このような支持体としては、例えば、(1)原紙に熱可塑性樹脂が溶融押し出し塗工されたもの、(2)原紙上に溶融押し出し塗工された熱可塑性樹脂の上にガスバリアー層を塗布したもの、(3)原紙に酸素透過性の低いプラスチックフィルムを接着させたもの、(4)原紙にプラスチックフィルムを接着させた面上に溶融押し出しにより熱可塑性樹脂を設けたもの、(5)原紙に熱可塑性樹脂を溶融押し出し塗工された後、プラスチックフイルムを接着させたもの、等が挙げられる。
原紙に溶融押し出し塗工される前記熱可塑性樹脂としては、オレフィン樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単独重合体及びこれらの各種重合体の混合物、あるいはエチレンとビニルアルコールとのランダム共重合体が好ましい。前記ポリエチレンとしては、例えば、LPDE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、L−LPDE(直鎖状低密度ポリエチレン)等が挙げられる。
原紙にプラスチックフィルムを貼り合わせる方法としては、「新ラミネート加工便覧」(加工技術研究会編)等に記載の公知のラミネーション法から適宜選択できるが、いわゆるドライラミネーション、無溶媒型ドライラミネーション、電子線又は紫外線硬化型樹脂を用いたドライラミネーション、ホットドライラミネーションが好ましい。
上述した各種支持体の中でも、原紙の少なくとも一方の表面がポリエチレンでラミネートされてなる紙支持体が好ましく、一般には感熱記録層が形成される側の表面にラミネートされる。更には、原紙の両方の表面がポリエチレンでラミネートされてなる紙支持体がより好ましく、感熱記録層が形成される側の表面には平面性を上げる目的でラミネートがされ、該表面と逆側の表面にはカールバランスを調整する目的でラミネートがなされる。
前記合成高分子フィルムは任意の色相に着色されていてもよく、高分子フィルムを着色する方法としては、(1)フィルム成形前に予め樹脂に染料を混練しフィルム状に成形する方法、(2)染料を適当な溶剤に溶かした塗布液を調製しこれを透明無色な樹脂フィルム上に公知の塗布方法、例えばグラビアコート法、ローラーコート法、ワイヤーコート法等により塗布、乾燥する方法等が挙げられる。中でも、青色染料を混練したポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂をフィルム状に成形し、これに耐熱処理、延伸処理、帯電防止処理を施したものが好ましい。
前記支持体の厚さとしては、25〜300μmが好ましく、50〜250μmがより好ましい。
前記感熱記録層、保護層、光透過率調整層、中間層等は、支持体上に、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等の公知の塗布方法により塗布し、乾燥して形成することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
[実施例1]
(支持体の作製)
(1)下塗り層用塗布液の調製
アセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業(株)製の商品名「ゴーセファイマーZ−210」、重合度1000)12.85部を水87.15部に添加して、温度90℃以上で攪拌しながら溶解した。得られた変性PVA水溶液100部に、水2.58部及び水膨潤性合成雲母分散液(コープケミカル(株)製の商品名「ソマシフMEB−3」、平均粒径2.0μm、アスペクト比1000、8%分散液)18.9部を添加して、均一に混合した。その後、メタノール84.9部を攪拌しながら徐々に添加して、更にエチレンオキサイド系界面活性剤(1.66%メタノール溶液)3.1部を加え、最後に1Nの水酸化ナトリウム0.45部を加えて、濃度6.87%の下塗り層用塗布液を調製した。
(2)下塗り層付支持体の作製
1種以上のLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)100部からなる木材パルプをディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300ccまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、硫酸アルミニウム1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、及びカチオンポリアクリルアミド0.5部を、何れもパルプに対する絶乾質量比で添加し長網抄紙機により抄紙して、更にその原紙両面をサイズプレス機にて塩化カルシウム及び水溶性蛍光増白剤を含むポリビニルアルコール溶液を塗布して、坪量114g/m2の原紙を抄造し、キャレンダー処理によって厚み100μmに調整した。
次いで、原紙の両面にコロナ放電処理を行った後、溶融押し出し機を用いてポリエチレンを樹脂厚36μmとなる様にコーティングして、マット面からなる樹脂層を形成した(この面を「ウラ面」と呼ぶ)。次に、上記樹脂層を形成した面とは反対側に溶融押し出し機を用いてアナターゼ型二酸化チタンを10%及び微量の群青を含有したポリエチレンを樹脂厚50μmとなる様にコーティングして、光沢面からなる樹脂層を形成した(この面を「オモテ面」と呼ぶ)。上記ウラ面のポリエチレン樹脂被覆面にコロナ放電処理した後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の商品名「アルミナゾル100」)/二酸化珪素(日産化学工業(株)製の商品名「スノーテックスO」)=1/2(質量比)を水に分散させた液を、乾燥後の質量で0.2g/m2となる様に塗布した。次いで、上記オモテ面のポリエチレン樹脂被覆面にコロナ放電処理した後、前記下塗り層用塗布液を40℃にて保温し、斜線グラビアロール(100番メッシュ)にて塗布し乾燥して、下塗り層付支持体を得た。この際の乾燥前塗布量は12.5g/m2であった。
(バックコート層の形成)
(1)最外バック層用塗布液の調製
ポリビニルアルコール((株)クラレ製の「PVA105」)の12.5%水溶液100部に対し、スルホコハク酸2−エチルヘキシルエステル(日本油脂(株)製の「ラピゾールB−90」)の2%水溶液6部、合成雲母分散液(コープケミカル(株)製の「ソマシフMEB−3」、8%分散液)33部、及び水酸化アルミ分散液(昭和軽金属(株)製の「ハイジライトH42S」100部、ヘキサメタリン酸ナトリウム1部、及び水150部を混合し、ボールミルを用いて平均粒径0.5μmになる様に分散した液)20部を添加し攪拌して、合成雲母と水酸化アルミ及びポリビニルアルコールを含有する最外バック層用塗布液を得た。
(2)中間バック層用塗布液の調製
15%アルカリ処理ゼラチン水溶液300部、スルホコハク酸2−エチルヘキシルエステル(日本油脂(株)製の「ラピゾールB−90」)の2%水溶液100部、及び水1800部を混合して、中間バック層用塗布液を得た。
(3)バックコート層の形成
前記より得た支持体のウラ面に、支持体側から中間バック層用塗布液及び最外バック層用塗布液を、乾燥後の固形分塗布量がそれぞれ9.5g/m2及び2.2g/m2となる様に塗布し乾燥して、支持体上に中間バック層及び最外バック層の2層からなるバックコート層を形成した。
(アルカリ処理ゼラチン溶液の調製)
アルカリ処理低イオンゼラチン(新田ゼラチン(株)製の商品名「#750ゼラチン」)25.5部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(大東化学工業所(株)製、3.5%メタノール溶液)0.7286部、水酸化カルシウム0.153部、及びイオン交換水116部を混合し、温度50℃にて溶解して、乳化物作成用ゼラチン水溶液を得た。
(フタル化ゼラチン水溶液の調製)
フタル化ゼラチン(新田ゼラチン(株)製の商品名「#801ゼラチン」)32部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(大東化学工業所(株)製、3.5%メタノール溶液)0.9143部、及びイオン交換水367.1部を混合し、温度40℃にて溶解して、フタル化ゼラチン水溶液を得た。
(シアン感熱記録層用塗布液の調製)
(1)電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液(A)の調製
酢酸エチル18.1部に、下記電子供与性染料前駆体(1)7.6部、トリメチロールプロパントリメタアクリレート(共栄社油脂化学(株)製の商品名「ライトエステルTMP」)6.0部、ジイソプロピルナフタレン(呉羽化学工業(株)製の商品名「KMC113」)6.0部、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ハイドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(旭電化工業(株)製の商品名「アデカクルーズDH−37」)4.0部を添加し加熱して均一に溶解した。上記混合液に、カプセル壁材として、キシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(三井武田ケミカル(株)製の商品名「タケネートD110N」、75%酢酸エチル溶液)7.1部、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製の商品名「ミリオネートMR−200」)5.3部、及びキシリレンジイソシアネート/下記化合物(2)付加物(50%酢酸エチル溶液)3.1部を添加して均一に混合し、(a)液を得た。
別途、前記フタル化ゼラチン水溶液57.6部にイオン交換水9.5部、「Scraph AG−8」(日本精化(株)製、50%液)0.17部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(10%水溶液)4.3部を添加し均一に混合して、(b)液を得た。
上記の(b)液に(a)液を投入して、日本精機製作所(株)製のホモジナイザーを用いて、温度40℃の下で乳化分散した。得られた乳化分散液に水21.2部、及びテトラエチレンペンタミン0.12部を加え均一に混合して、温度65℃の下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間かけてカプセル化反応を行った。その後、得られたマイクロカプセル液の固形分濃度が33%になる様に濃度を調節した。得られたマイクロカプセルの粒径は、堀場製作所(株)製の粒径測定機「LA−700」で測定した結果、メジアン径で0.93μmであった。
更に、上記マイクロカプセル液100部に対して、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム25%水溶液(花王(株)製の商品名「ネオペレックスF−25」)3.7部と4,4’−ビストリアジニルアミノスチルベン−2,2’−ジスルフォン誘導体(日本曹達(株)製の商品名「Kaycoll BXNL」)1.5部を添加して均一に混合して、電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液(A)を得た。
Figure 2006001279
Figure 2006001279
(2)電子受容性化合物乳化分散液(B)の調製
前記フタル化ゼラチン水溶液8.5部及びダイセル化学工業(株)製の商品名「PGLE ML10」(6%水溶液)11.3部に、イオン交換水30.1部、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(三井石油化学(株)製の商品名「ビスフェノールP」)7.5部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(本州化学(株)製の商品名「Bisp−Ap」)7.5部、濃度2%の1−エチルヘキシルコハク酸ナトリウム水溶液3.8部、及び「デモールNL」(花王(株)製、2%液)1.0部を加えて、ボールミルを用いて一晩かけて分散した。この分散液の固形分濃度は26.6%であった。
上記分散液100部に、前記アルカリ処理ゼラチン水溶液31.6部を加えて、30分攪拌した後、分散液の固形分濃度が23.5%となる様にイオン交換水を加えて、電子受容性化合物乳化分散液(B)を得た。得られた電子受容性化合物乳化分散液(B)の粒径は、堀場製作所(株)製の粒径測定機「LA−700」で測定した結果、メジアン径で0.78μmであった。
(3)感熱記録層用塗布液の調製
前記電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液(A)及び上記電子受容性化合物乳化分散液(B)を、電子受容性化合物/電子供与性染料前駆体の質量比が10/1になる様に混合して、目的とするシアン感熱記録層用塗布液を得た。
(マゼンタ感熱記録層用塗布液の調製)
(1)ジアゾニウム塩内包マイクロカプセル液(C)の調製
酢酸エチル12.8部に、下記ジアゾニウム塩化合物(3)(最大吸収波長365nm)3.8部、イソプロピルビフェニル7.6部、リン酸トリクレジル2.0部、硫酸ジブチル1.1部、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸エチルエステル(BASF(株)製の商品名「ルシリンTPO−L」)0.38部、及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(竹本油脂(株)製の商品名「パイオニンA−41−C」、70%メタノール溶液)0.10部を添加し加熱して均一に溶解した。
得られた混合液に、カプセル壁材として、キシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(三井武田ケミカル(株)製の商品名「タケネートD110N」、75%酢酸エチル溶液)10.9部を添加、均一に攪拌して、(c)液を得た。
別途、前記フタル化ゼラチン水溶液59.9部に、イオン交換水22.8部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王(株)製の商品名「ネオペレックスF−25」、25%水溶液)0.31部を添加し均一に混合して、(d)液を得た。
上記の(d)液に(c)液を投入して、日本精機製作所(株)のホモジナイザーを用いて、温度30℃の下で乳化分散した。得られた乳化分散液に、水29.1部を加えて均一化した後、温度40℃の下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら2時間かけてカプセル化反応を行った。この後、イオン交換樹脂「アンバーライトIRA67」(オルガノ(株)製)1.16部、「SWA100−HG」(オルガノ(株)製)2.33部を加え、更に20分間攪拌した。次いで、イオン交換樹脂を濾過して取り除き、カプセル液の固形分濃度が18.5%になる様に濃度を調節して、ジアゾニウム塩内包マイクロカプセル液(C)を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は、堀場製作所(株)製の粒径測定機「LA−700」で測定した結果、メジアン径で0.44μmであった。
Figure 2006001279
(2)カプラー乳化分散液(D)の調製
酢酸エチル15.0部に、下記カプラー化合物(4)6.3部、トリフェニルグアニジン(保土ヶ谷化学(株)製)14.0部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(三井石油化学(株)製の商品名「ビスフェノールM」)14.0部、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン14部、3,3,3’,3’−テトラメチル−5,5’,6,6’−テトラ(1−プロピロキシ)−1,1’−スピロビスインダン3.5部、下記化合物(5)3.5部、リン酸トリクレジル1.7部、マレイン酸ジエチル0.8部、及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(竹本油脂(株)製の商品名「パイオニンA−41−C」、70%メタノール溶液)4.5部を溶解して、(e)液を得た。
前記アルカリ処理ゼラチン水溶液173部に上記(e)液を添加して、日本精機製作所(株)製のホモジナイザーを用いて、温度40℃の下で乳化分散した。得られたカプラー乳化分散液にイオン交換水139部を添加して均一に混合した後、減圧しながら加熱して酢酸エチルを除去した。その後、固形分濃度が24.5%になる様に濃度を調節して、カプラー乳化分散液(D)を得た。得られたカプラー乳化分散液(D)の粒径は、堀場製作所(株)製の粒径測定機「LA−700」で測定した結果、メジアン径で0.13μmであった。
Figure 2006001279
(3)感熱記録層用塗布液の調製
前記ジアゾニウム塩内包マイクロカプセル液(C)と上記カプラー乳化分散液(D)を、カプラー化合物/ジアゾニウム塩の質量比が1.9/1になる様に混合した。更に、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸化カリウム中和型)5%水溶液を、上記ジアゾニウム塩内包マイクロカプセル液(C)10部に対して0.15部となる様に混合して、目的とするマゼンタ感熱記録層用塗布液を得た。
(イエロー感熱記録層用塗布液の調製)
(1)ジアゾニウム塩内包マイクロカプセル液(E)の調製
酢酸エチル16.1部に、下記ジアゾニウム塩化合物(6)(最大吸収波長420nm)1.1部、下記ジアゾニウム塩化合物(7)(最大吸収波長420nm)3.3部、モノイソプロピルビフェニル10.4部、フタル酸ジフェニル1.7部、2−ベンゾイルオキシ安息香酸フェニル1.7部、及びジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(BASFジャパン(株)製の商品名「ルシリンTPO」)0.4部を添加し温度40℃に加熱して均一に溶解した。この混合液にカプセル壁材として、キシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(三井武田ケミカル(株)製の商品名「タケネートD110N」、75%酢酸エチル溶液)3.1部、及びキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物とキシリレンジイソシアネート/ビスフェノールA付加物の混合物(三井武田ケミカル(株)製の商品名「タケネートD119N」、50%酢酸エチル溶液)4.8部を添加し均一に攪拌して、(g)液を得た。
別途、前記フタル化ゼラチン水溶液59.7部にイオン交換水11.5部、「Scraph AG−8」(日本精化(株)製、50%液)0.35部を添加して、(h)液を得た。
上記の(h)液に(g)液を投入して、日本精機製作所(株)製のホモジナイザーを用いて、温度40℃の下で乳化分散した。この乳化分散液に水23部を加えて均一化した後、温度40℃の下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間かけてカプセル化反応を行った。この後、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(大東化学工業所(株)製、3.5%メタノール溶液)0.34部、イオン交換樹脂「アンバーライトSWA100−HG」(オルガノ(株)製)4.1部、イオン交換樹脂「アンバーライトIRA67」(ROHM AND HAAS(UK)LIMITED製)5.8部を加え、更に1.5時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除き、カプセル液の固形分濃度が20%になる様に濃度を調節して、ジアゾニウム塩内包マイクロカプセル液(E)を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は、堀場製作所(株)製の粒径測定機「LA−700」で測定した結果、メジアン径で0.36μmであった。
Figure 2006001279
(2)カプラー乳化分散液(F)の調製
酢酸エチル23.0部に下記カプラー化合物(8)9.9部とトリフェニルグアニジン(保土ヶ谷化学(株)製)9.9部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(三井石油化学(株)製の商品名「ビスフェノールM」)20.8部、3,3,3’,3’−テトラメチル−5,5’,6,6’−テトラ(1−プロピロキシ)−1,1’−スピロビスインダン3.3部、4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゼンスルホン酸アミド(マナック(株)製)13.6部、4−n−ペンチルオキシベンゼンスルホン酸アミド(マナック(株)製)6.8部、及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(竹本油脂(株)製の商品名「パイオニンA−41−C」、70%メタノール溶液)4.2部を溶解して、(i)液を得た。
前記アルカリ処理ゼラチン水溶液173部に上記(i)液を添加して、日本精機製作所(株)製のホモジナイザーを用いて、温度40℃の下で乳化分散した。得られたカプラー乳化分散物にイオン交換水139部を添加して均一に混合した後、減圧下に加熱して酢酸エチルを除去した。その後、固形分濃度が26.5%になる様に濃度を調節した。得られたカプラー乳化分散物の粒径は、堀場製作所(株)製の粒径測定機「LA−700」で測定した結果、メジアン径で0.16μmであった。
更に上記カプラー乳化分散物100部に対して、SBRラテックス(住化エイビーエスラテックス(株)製の商品名「SN−307」、48%液)を濃度26.5%に調整したもの9部を添加して均一に攪拌し、カプラー乳化分散液(F)を得た。
Figure 2006001279
(3)感熱記録層用塗布液の調製
前記ジアゾニウム塩内包マイクロカプセル液(E)及び上記カプラー乳化分散液(F)を、カプラー化合物/ジアゾニウム塩の質量比が2.2/1になる様に混合して、目的とするイエロー感熱記録層用塗布液を得た。
(中間層用塗布液の調製)
前記アルカリ処理低イオンゼラチン(新田ゼラチン(株)製の商品名「#750ゼラチン」)100部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(大東化学工業所(株)製、3.5%メタノール溶液)4.8部、水酸化カルシウム0.3部、ホウ酸6.9部、及びイオン交換水520部を混合し、温度50℃にて溶解して、中間層用ゼラチン水溶液を得た。
上記中間層用ゼラチン水溶液100部、(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(三協化学(株)製、2.0%水溶液)0.5部、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸化カリウム中和型)5%水溶液0.6部、下記化合物(9)(和光純薬(株)製、4%水溶液)10部、下記化合物(10)(和光純薬(株)製、4%水溶液)3.3部、及びイオン交換水23部を混合して、中間層用塗布液とした。
Figure 2006001279
(光透過率調整層用塗布液の調製)
(1)紫外線吸収剤前駆体含有マイクロカプセル液の調製
酢酸エチル209部に、紫外線吸収剤前駆体として[2−アリル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−t−オクチルフェニル]ベンゼンスルホナート36.9部、2,2’−t−オクチルハイドロキノン12.7部、燐酸トリクレジル4.8部、α−メチルスチレンダイマー(三井化学(株)製の商品名「MSD−100」)15.1部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(竹本油脂(株)製の商品名「パイオニンA−41−C」、70%メタノール溶液)1.3部を添加して均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材として、キシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(三井武田ケミカル(株)製の商品名「タケネートD110N」、75%酢酸エチル溶液)74.5部を添加し、均一に攪拌して紫外線吸収剤前駆体混合液を得た。
別途、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製の商品名「KL−318」)83.4部に、シリカ変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製の商品名「R−1130」、ケン化度98%、10%水溶液)46.9部に、30%燐酸水溶液14.1部、イオン交換水1685部を混合し、紫外線吸収剤前駆体含有マイクロカプセル液用PVA水溶液を調製した。
上記紫外線吸収剤前駆体含有マイクロカプセル液用PVA水溶液1530部に、前記紫外線吸収剤前駆体混合液を添加し、日本精機製作所(株)製のホモジナイザーを用いて、温度20℃の下で乳化分散した。得られた乳化分散液にイオン交換水300部を加え均一化した後、温度40℃の下で攪拌しながら3時間かけてカプセル化反応を行った。この後、イオン交換樹脂「アンバーライトMB−3」(オルガノ(株)製)830部を加え、更に1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除き、カプセル液の固形分濃度が13%になる様に濃度を調節した。得られたマイクロカプセルの粒径は、堀場製作所(株)製の粒径測定機「LA−700」で測定した結果、メジアン径で0.23±0.05μmであった。
このカプセル液1244部に、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製の商品名「スノーテックスOL」、20%水溶液)20.6部、及びカルボキシ変性スチレン−ブタジエンラテックス(住友ノーガタック(株)製の商品名「SN−307」、48%水溶液)3.4部を混合して、紫外線吸収剤前駆体含有マイクロカプセル液を得た。
(2)光透過率調整層用塗布液の調製
上記紫外線吸収剤前駆体含有マイクロカプセル液1000部、4%水酸化ナトリウム水溶液15.0部、及び(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(三協化学(株)製、2.0%水溶液)51.36部を混合し均一化して、光透過率調整層用塗布液を得た。
(保護層用塗布液の調製)
(1)保護層用ポリビニルアルコール溶液の調製
ビニルアルコール−アルキルビニルエーテル共重合物(電気化学工業(株)製の商品名「EP−130」)1500部、アルキルスルホン酸ナトリウムとポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステルの混合液(東邦化学工業(株)製の商品名「ネオスコアCM−57」、54%水溶液)7.5部、アセチレンジオールの酸化エチレン付加物(エアープロダクツジャパン(株)製の商品名「ダイノール604」)7.05部、シリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコン(株)製の商品名「SYLGARD309」)7.05部、及びイオン交換水3592部を混合し、温度90℃の下で1時間溶解して均一な保護層用ポリビニルアルコール溶液を得た。
(2)保護層用顔料分散液の調製
硫酸バリウム(堺化学工業(株)製の商品名「BF−21F」、硫酸バリウム含有量93%以上)8部に、陰イオン性特殊ポリカルボン酸型高分子活性剤(花王(株)製の商品名「ポイズ532A」、40%水溶液)0.2部、及びイオン交換水11.8部を混合して、ダイノミルにて分散して保護層用顔料分散液を調製した。この分散液の粒径は、堀場製作所(株)製の粒径測定機「LA−700」で測定した結果、メジアン径で0.15μmであった。
上記硫酸バリウム分散液1000部に対し、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンの水分散物(I.C.I(株)製の商品名「PROXEL B.D.」)3.06部、小麦澱粉(新進食料工業(株)製の商品名「小麦澱粉S」)36.4部、コロイダルシリカ(日産化学(株)製の商品名「スノーテックスO」、20%水分散液)181部、及びアクリルシリコーン変性樹脂エマルション(日本純薬(株)製の商品名「ARJ−2A」、44%分散液)67.7部を攪拌しながら混合して、保護層用顔料分散液を得た。
(3)保護層用塗布ブレンド液の調製
前記保護層用ポリビニルアルコール溶液1000部に、イオン交換水90.4部、(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(三協化学(株)製、2.0%水溶液)49.4部、上記保護層用顔料分散液87.6部、ステアリン酸亜鉛分散液(中京油脂(株)製の商品名「ハイミクロンF111」、21%水溶液)48.2部、前記化合物(9)(和光純薬(株)製)の4%水溶液153.9部、前記化合物(10)(和光純薬(株)製)の4%水溶液51.3部を均一に混合して、保護層用塗布ブレンド液を得た。
(感熱記録材料の作製)
前記下塗り層付支持体の上に、下から、シアン感熱記録層用塗布液、中間層用塗布液、マゼンタ感熱記録層用塗布液、中間層用塗布液、イエロー感熱記録層用塗布液、光透過率調整層用塗布液、保護層用塗布液の順に7層同時に塗布し、十分に乾燥して多色感熱記録材料を得た。
この際、各塗布液の乾燥後の固形分塗布量は、支持体側から順に、シアン感熱記録層7.3g/m2、中間層3.3g/m2、マゼンタ感熱記録層7.7g/m2、中間層2.5g/m2、イエロー感熱記録層4.6g/m2、光透過率調整層2.4g/m2、保護層1.9g/m2であった。
[実施例2〜6]
実施例1において、マゼンタ感熱記録層用のカプラー乳化分散液の調製、及び/又はイエロー感熱記録層用のカプラー乳化分散液の調製に当って、酢酸エチルの使用量、水相液のゼラチン濃度、ホモジナイザーの回転数等を調整して、上記乳化分散液の粒径を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、下記の表1に示す乳化物粒径を有する実施例2〜6の多色感熱記録材料を作製した。また、対応するジアゾニウム塩又は電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセル液の粒径の調整は、乳化分散の時間を変えて所望のカプセル液を得た。該マイクロカプセルのカプセル粒径、及び乳化分散物/カプラー化合物(E/C)粒径比を表1に示す。尚、下記の表1において、各発色層の塗布量(固形分)については、実施例1の塗布量に対する相対値で表示した。
[比較例1〜3]
実施例1において、上記の実施例2〜6の感熱記録材料の作製と同様にして、下記の表1に示す乳化物粒径及び塗布量を有する比較例1〜3の多色感熱記録材料を作製した。
Figure 2006001279
(感熱記録材料の評価)
上記で得られた実施例1〜6及び比較例1〜3の各感熱記録材料について、下記に示す方法により画像部のマゼンタとイエローの発色濃度の評価、及び記録画像の色再現性や鮮鋭性の官能評価を行った。その評価試験の結果を下記の表2に示した。
(1)発色性の評価
上記の各感熱記録材料について、富士写真フイルム(株)製のデジタルプリンター「NC370D」を用いて、イエロー、マゼンタ、シアンの単色印画を行った。次いで、該印画サンプルの発色濃度を、X−rite社の光学濃度計「モデル310」を用いて、それぞれブルーフィルター、グリーンフィルター、レッドフィルターを使用して測定した。
ここで、発色性の評価結果は、比較例1の各単色濃度1.0を与える印画エネルギーでの各試料の単色濃度比率を持って行った。
(2)色再現性と鮮鋭性の評価
また、色再現性と鮮鋭性に関する評価は、以下の方法により行った。
淡い黄色、青色、桃色、緑色、赤色等を含む布地及び花や風景を撮影した画像を、上記プリンターを用いて各感熱記録材料に印画した。この際、各感熱記録材料について、予め最適なカラーバランスが得られる様に印画エネルギーの調整を行った。この様にして得られた画像について、色再現性と鮮鋭性等に関する画質の官能検査を行った。
Figure 2006001279
上記の表2から明らかな様に、電子受容性化合物又はカプラー化合物が、体積平均粒子径が0.18μm未満の乳化分散物として含有される感熱記録層が設けられた本発明の感熱記録材料は、比較例の感熱記録材料に比べて、マゼンタ及びイエローの発色濃度が高く、色再現性及び鮮鋭性に優れた画質の感熱記録材料であることが判明した。

Claims (4)

  1. 支持体上に、電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物又はジアゾニウム塩と反応して発色させるカプラー化合物が、乳化分散物として含有される感熱記録層が設けられた感熱記録材料において、該感熱記録層の少なくとも1層が、体積平均粒子径が0.18μm未満の上記乳化分散物を含有することを特徴とする感熱記録材料。
  2. 前記体積平均粒子径が0.16μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 少なくとも、イエロー、マゼンタ、及びシアンに発色する3層の感熱記録層を有し、そのうちの少なくとも1層が前記乳化分散物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
  4. 感熱記録層の少なくとも1層がマイクロカプセルに内包された電子供与性染料前駆体又はジアゾニウム塩を含有してなり、且つ前記乳化分散物の体積平均粒子径が上記マイクロカプセルの体積平均粒子径の0.5未満であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の感熱記録材料。
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