JP2019162766A - 感熱記録媒体 - Google Patents
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Abstract
Description
前記可変情報の記録には、版がいらず、低コストで印字できるインクジェット方式による記録が普及し始めている。
支持体の感熱記録層を有する面が感熱記録され、感熱記録層を有さずインク受容層を有する面がインクジェット記録される感熱記録媒体において、支持体に夾雑物が含まれる場合、インク受容層側の面から夾雑物が透けて視認され、インクジェット記録されたバーコードの読取不良や文字の判読不良などが生じてしまうという問題がある。
そこで、本発明者らは、夾雑物を含む支持体とインク受容層との間に、中空粒子及び屈折率が1.9以上の無機粒子の少なくともいずれかを含有する隠蔽層を設け、支持体を隠蔽することにより、インク受容層側の面から夾雑物が透けて視認されることを抑制できるため、インクジェット記録されたバーコードの読取不良や文字の判読不良の問題を解決できることを見出した。
しかし、特許文献2のように、隠蔽層に含有される無機粒子の硬度が高い場合、感熱記録媒体の裁断時に、裁断する刃を摩耗させやすく、また、紙粉を発生させやすい。このため、発生した紙粉が舞い上がって感熱記録面に付着した場合、或いは、裁断した感熱記録媒体の搬送方向の変更により、発生した紙粉が感熱記録面、又は感熱記録装置のサーマルヘッド部分などに付着した場合に、感熱記録面に記録不良が生じてしまうという問題がある。なお、図2Bは、感熱記録媒体に紙粉が付着し、感熱記録に不良が生じた場合の記録図である。
そこで、本発明者らは、隠蔽層に含有される無機粒子のモース硬度を7未満にすることにより、感熱記録媒体の裁断時における紙粉の発生を抑制することができるため、感熱記録面の記録不良を抑制することができることを見出した。なお、図2Aは、本発明の感熱記録媒体を用いて、正常に感熱記録した場合の記録図である。
ここで、中空粒子及び無機粒子の体積平均粒径が大きい場合、中空粒子及び無機粒子の厚みも大きくなり、隠蔽層にインクが浸透しにくく、結果として印字が滲みやすくなる。
そこで、本発明者らは、中空粒子及び無機粒子の体積平均粒径を制御することにより、隠蔽層へのインクの浸透性を向上させ、インクジェット記録面の印字の滲みを抑制し、インクジェット記録面の記録が良好になることを見出した。
本発明の感熱記録媒体は、支持体の一方の面に、感熱記録層を有し、前記支持体の他方の面に、隠蔽層と、インク受容層と、を順に有する感熱記録媒体であって、前記隠蔽層が、中空粒子、及び無機粒子の少なくともいずれかを含有し、前記無機粒子のモース硬度が7未満であり、かつ、前記無機粒子の屈折率が1.9以上であり、更に必要に応じて、その他の層を有する。各層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
感熱記録媒体は、支持体を有する。
支持体として、既に市場に出回って使用された古紙を再利用(リサイクル)する場合、新品の紙を使用する場合と比較して、感熱記録媒体の製造コストを抑えることができる。
しかしながら、通常、古紙を再利用する場合、古紙には支持体の色と異なる色の異物である夾雑物が含まれ、新品の紙と比較して白さが劣るのが現状である。したがって、支持体として夾雑物が含まれる古紙を利用する場合、インク受容層側の面から夾雑物が透けて視認され、インクジェット記録されたバーコードの読取不良や文字の判読不良などが生じてしまうという問題がある。
本発明の感熱記録媒体は、支持体とインク受容層との間に、隠蔽層を有する。したがって、支持体として夾雑物が含まれる古紙を利用する場合、隠蔽層が支持体に含まれる夾雑物を隠蔽するため、製造コストを抑えつつ、夾雑物がインク受容層側から視認されることを抑制することができる感熱記録媒体を提供することができる。
支持体の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層構造、積層構造などが挙げられる。
支持体の大きさとしては、特に制限はなく、感熱記録媒体の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
支持体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙基材、非紙基材などが挙げられる。これらの中でも、インクジェット記録された画像の乾燥性の点から、紙基材が好ましい。
パルプとしては、例えば、針葉樹の晒又は未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒又は未晒クラフトパルプ等の化学パルプ;グラウンドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミカルサーモメカニカルパルプ等の機械パルプ;脱墨パルプ等のパルプなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
填料としては、例えば、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料などの公知の填料が挙げられる。
紙基材としては、必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤、染料、消泡剤、pH調整剤などの助剤を含有してもよい。
感熱記録媒体は、支持体の一方の面に、感熱記録層を有する。
感熱記録層は、ロイコ染料、顕色剤、結合剤を含有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
ロイコ染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物などが挙げられる。
顕色剤としては、ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種々の化合物又は酸化剤などが適用できる。
顕色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸、及びその金属塩などが挙げられる。
結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マイレン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
感熱記録層には、更に必要に応じて、その他の成分として、例えば、感度向上剤、填料、界面活性剤、滑剤、圧力発色防止剤などを併用することができる。
感度向上剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、種々の熱可融性物質を使用することができる。
感度向上剤としては、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類;p−ベンジルビフェニル、m−ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル−β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、ダイヤコールカーボネート、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジフェニルチオブタン、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3−ジフェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン、1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4−メチルベンジル)、シュウ酸ビス(4−クロロベンジル)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
填料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウム、表面処理されたシリカ等の無機系微粉末;尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等の有機系微粉末などが挙げられる。これらは、吸油量の点から、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
感熱記録媒体は、保護層を有してもよい。
保護層としては、結着剤、及び顔料を含有することが好ましく、滑剤、架橋剤を更に含有することがより好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
結着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂、水溶性樹脂エマルジョン、疎水性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低温低湿度条件下でのヘッドマッチング性の点から、水溶性樹脂が好ましい。
なお、結着剤の平均重合度は、例えば、JIS K 6726で定める試験法により測定することができる。
顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウム、シリカ等の無機系微粉末;シリコーン樹脂粒子、尿素ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂等の有機系微粉末などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
滑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化ポリエチレンワックス、モンタンワックス、ステアリン酸亜鉛、シリコーンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水溶性樹脂の耐水化剤として、例えば、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、アジピン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
感熱記録媒体は、支持体の他方の面に、隠蔽層を有する。
隠蔽層は、中空粒子、及び無機粒子の少なくともいずれかを含有し、結着剤を含有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
中空粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機中空粒子、無機中空粒子などが挙げられる。
有機中空粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中空樹脂粒子などが挙げられる。
中空樹脂粒子としては、例えば、樹脂を殻とし、空気などの気体を内包するものなどが挙げられる。
中空樹脂粒子は、乾燥後の粒子内部の空気層と殻のポリマー層との屈折率の差による光散乱により、白色を示し不透明度が高いため、隠蔽性に優れる。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)としては、例えば、装置名:Spectrum One(パーキンエルマー社製)などが挙げられる。
前記文献としては、例えば、化学便覧(出版社:丸善株式会社)、ポリマー辞典(出版社:大成社)などが挙げられる。
アクリル樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、架橋型スチレン−アクリル樹脂、変性スチレン−アクリル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
中空樹脂粒子の市販品としては、例えば、スチレン−アクリル樹脂(商品名:ローペイクOP−62、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:450nm、中空率:33%)、スチレン−アクリル樹脂(商品名:ローペイクOP−84J、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:550nm、中空率:20%)、スチレン−アクリル樹脂(商品名:ローペイクOP−91、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:1,000nm、中空率:55%)、スチレン−アクリル樹脂(商品名:ローペイクHP−1055、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:1,000nm、中空率:55%)、スチレン−アクリル樹脂(商品名:ローペイクHP−91、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:1,000nm、中空率:50%)、スチレン−アクリル樹脂(商品名:ローペイクULTRA、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:380nm、中空率:45%)、架橋型スチレン−アクリル樹脂(商品名:SX−834、JSR株式会社製、体積平均粒径:300nm、中空率:50%)、架橋型スチレン−アクリル樹脂(商品名:SX−863(A)、JSR株式会社製、体積平均粒径:300nm、中空率:30%)、架橋型スチレン−アクリル樹脂(商品名:SX−864(B)、JSR株式会社製、体積平均粒径:300nm、中空率:30%)、架橋型スチレン−アクリル樹脂(商品名:SX−866(A)、JSR株式会社製、体積平均粒径:300nm、中空率:30%)、架橋型スチレン−アクリル樹脂(商品名:SX−866(B)、JSR株式会社製、体積平均粒径:300nm、中空率:30%)、架橋型スチレン−アクリル樹脂(商品名:SX−868、JSR株式会社製、体積平均粒径:500nm、中空率:30%)、架橋型スチレン−アクリル樹脂(商品名:SX−847、JSR株式会社製、体積平均粒径:2,000nm、中空率:60%)、架橋型スチレン−アクリル樹脂(商品名:ローペイクULTRA E、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:500nm、中空率:45%)、架橋型スチレン−アクリル樹脂(商品名:ローペイクULTRA DUAL、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:380nm、中空率:45%)、架橋型スチレン−アクリル樹脂(商品名:SN−1055、ダウ・ケミカル社製、体積平均粒径:1,000nm、中空率:55%)、変性スチレン−アクリル樹脂(商品名:Nipol MH5055、日本ゼオン株式会社製、体積平均粒径:500nm、中空率:55%)、変性スチレン−アクリル樹脂(商品名:Nipol MH8055、日本ゼオン株式会社製、体積平均粒径:800nm、中空率:55%)、変性スチレン−アクリル樹脂(商品名:Nipol MH8101、日本ゼオン株式会社製、体積平均粒径:1,000nm、中空率:50%)、中空樹脂粒子(体積平均粒径:3,500nm、中空率:90%)、中空樹脂粒子(体積平均粒径:3,000nm、中空率:90%)、中空樹脂粒子(体積平均粒径:4,200nm、中空率:91%)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
無機中空粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリナックス(登録商標、日鉄鉱業株式会社製)などが挙げられる。
無機中空粒子のモース硬度としては、感熱記録媒体を裁断する際の刃の摩耗を抑制する点から、7未満が好ましい。
電子顕微鏡としては、例えば、装置名:S−3700(日立ハイテクフィールディング株式会社製)などが挙げられる。
隠蔽層における中空粒子の含有割合としては、隠蔽層全体の質量に対して、30質量%以上90質量%以下が好ましく、50質量%以上80質量%以下がより好ましい。
隠蔽層における中空粒子の含有割合は、例えば、隠蔽層の断面を電子顕微鏡により求めることができる。電子顕微鏡としては、例えば、装置名:S−3700(日立ハイテクフィールディング株式会社製)などが挙げられる。
隠蔽層における無機粒子のモース硬度としては、7未満であり、5以下が好ましい。無機粒子のモース硬度が7未満であると、感熱記録媒体を裁断する際に、裁断する刃の摩耗を抑制することができ、また、紙粉の発生を抑制することができるため、感熱記録面の記録不良を抑制することができる。
モース硬度計としては、例えば、装置名:モース硬度計(ニチカ株式会社製)などが挙げられる。
蛍光X線分析装置としては、例えば、装置名:EMAX−250X(ホリバ株式会社製)などが挙げられる。
前記文献としては、例えば、化学便覧(出版社:丸善株式会社)などが挙げられる。
無機粒子の市販品としては、例えば、酸化亜鉛(商品名:ZnO−350、住友大阪セメント株式会社製、モース硬度:4.0、屈折率:2.0)、酸化チタン(アナターゼ型、商品名:JA−1、テイカ株式会社製、モース硬度:6.0、屈折率:2.5)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
蛍光X線分析装置としては、例えば、装置名:EMAX−250X(ホリバ株式会社製)などが挙げられる。
隠蔽層における無機粒子の含有割合としては、隠蔽層全体の質量に対して、30質量%以上90質量%以下が好ましく、50質量%以上80質量%以下がより好ましい。
隠蔽層における無機粒子の含有割合は、例えば、蛍光X線分析により求めることができる。蛍光X線分析装置としては、例えば、装置名:EMAX−250X(ホリバ株式会社製)などが挙げられる。
結着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂、水溶性樹脂エマルジョン、疎水性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
感熱記録媒体は、支持体の他方の面に、インク受容層を有する。
インク受容層は、支持体の他方の面において、隠蔽層よりも外側に位置する層として形成される。
インク受容層は、無機粒子、ポリマー、合成樹脂エマルジョンを含有することが好ましく、更に必要に応じて、その他成分を含有する。
無機粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、アルミナゲル、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ゼオライト、焼成クレー、カオリンクレー、タルク、ホイワイトカーボン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸バリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水性インクの吸収性、及びインクジェット記録部の画像濃度の点から、シリカが好ましい。
湿式法シリカとしては、例えば、沈降法シリカ、ゲル法シリカなどが挙げられる。
沈降法シリカの合成方法としては、例えば、珪酸ナトリウムと硫酸とをアルカリ条件下で反応させる方法などが挙げられる。粒子が成長したシリカ粒子を凝集・沈降させ、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て、精製される。
沈降法シリカの市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、商品名:ニップシール(日本シリカ株式会社製)、商品名:トクシール(株式会社トクヤマ製)などが挙げられる。
ゲル法シリカの合成方法としては、例えば、珪酸ナトリウムと硫酸とを酸性条件下で反応させる方法などが挙げられる。熟成中の微小粒子を溶解し、他の一次粒子どうしを結合するように再析出させて精製することができる。なお、他の一次粒子どうしを結合するように再析出させるため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成することができる。
ゲル法シリカの市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、商品名:ニップジェル(東ソー・シリカ株式会社製)、商品名:サイロイド(グレースジャパン株式会社製)、商品名:サイロジェット(グレースジャパン株式会社製)などが挙げられる。
気相法シリカの合成方法としては、例えば、火炎加水分解法によって、四塩化ケイ素を水素、及酸素と共に燃焼して精製する方法などが挙げられる。四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシラン及びトリクロロシラン等のシラン類も、単独又は四塩化ケイ素と混合した状態で精製することができる。
気相法シリカの市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、商品名:アエロジル(日本アエロジル株式会社製)、商品名:QSタイプ(株式会社トクヤマ製)などが挙げられる。
無機粒子の平均二次粒子径が8μm以上であると、シリカの表面積が小さくなり、シリカ同士を結着させるポリマーが少なくて済み、インク受容層の接着強度を向上することができる。また、ロール形態で保管した場合でも、感熱記録層のオフセット印刷版汚れが少なくすることができ、さらに、記録画像の乾燥性、及び耐ピッキング性を向上することができる。
無機粒子の平均二次粒子径としては、例えば、前記無機粒子の希薄分散液をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定することにより求めることができる。
シリカの吸油量が200(mL/100g)以上であると、十分なインク吸収性を得ることができる。シリカの吸油量が400(mL/100g)以下であると、インク受容層の接着強度を向上させることができる。
粉砕としては、特に制限はなく、公知の機械的な粉砕装置を用いることができ、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル;高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機;超音波分散機;薄膜旋回型分散機などを用いることができる。
ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、オフセット印刷における印刷ピッキング等の物理的ストレスに対して十分な耐久性を持っていることが好ましい。
ポリビニルアルコールとしては、例えば、シラノール変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
シラノール変性ポリビニルアルコールは、水性インクの吸収速度を低下させることなく、インク受容層の接着強度を向上することができるため、好適に用いることができる。
シラノール変性ポリビニルアルコールの平均重合度が400以上4,000以下であると、粘度安定性、及び接着強度を向上することができる。
シラノール変性ポリビニルアルコールの平均重合度は、例えば、JIS K 6726で定める試験法により測定することができる。
ポリビニルアルコールの固形分含有量が10質量部以上であると、インク受容層の物理的耐久性を十分に得ることができる。ポリビニルアルコールの固形分含有量が50質量部以下であると、インクジェットインクの吸収性が良好であり、にじみやムラの発生を抑制し、記録画像の乾燥性を向上させることができる。
水溶性カチオン性ポリマーとしては、例えば、アリルアミン重合体、アリルアミンジアリルアミン塩共重合体、アリルアミン・ジメチルアリルアミン共重合体、部分メトキシカルボニル化アリルアミン重合体、部分尿素化ポリアリルアミン重合体、ジアリルアン重合体、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、メチルジアリルアミン重合体、ジアリルアミン・二酸化硫黄共重合体、メチルジアリルアミン・二酸化硫黄共重合体、及びこれらの塩;ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト・二酸化硫黄共重合体、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリビニルアミン共重合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水溶性カチオン性ポリマーの重量平均分子量が2,000以上であると、インク受容層の接着強度を向上することができる。水溶性カチオン性ポリマーの重量平均分子量が250,000以下であると、記録画像のにじみ及びムラが発生を防止することができる。
水溶性カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
水溶性カチオン性ポリマーの固形分含有量が5質量部であると、インク受容層の耐水性を十分に得ることができる。水溶性カチオン性ポリマーの固形分含有量が50質量部以下であると、インク受容層の耐水性が飽和することがなく、感熱記録層を同時塗布する場合の乾燥条件に制約が生じない点で好ましい。
合成樹脂エマルジョンの固形分含有量が5質量部以上であると、インク受容層の耐水性を向上することができる。合成樹脂エマルジョンの固形分含有量が50質量部以下であると、インクの吸収性が良好であり、にじみやムラの発生を防止でき、記録画像の乾燥性を向上させることができる。
ポリマーとしては、上記以外のポリマーを併用することができ、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂などの水性接着剤などが挙げられる。
その他の成分としては、例えば、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤力増強剤、乾燥紙力増強剤などが挙げられる。
また、記録感度と記録画質を高めるために支持体と感熱記録層との間に、吸油性顔料又は中空粒子を主成分とした下塗り層などを設けることができる。更に、両面記録媒体の製造方法における各種の公知技術を利用して、その他の層を設けることもできる。
その他の層としては、例えば、下塗り層、中間層などを設けることができる。
下塗り層としては、例えば、前記支持体と前記感熱記録層との間に設けることができる。
下塗り層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プラスチック球状微小中空粒子(スチレン−アクリル酸を主体とする共重合体樹脂、商品名:ローペイクHP−91、ローム&ハース電子材料株式会社製、中空率:50%)、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:スマーテックスPA−9159、日本エイアンドエル株式会社製、固形分濃度:47.5%)、及び水を混合して下塗り層塗布液を調製し、前記支持体上に塗布することによって、下塗り層を形成することができる。
中間層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結着樹脂を含有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
その他の成分としては、例えば、中空粒子、界面活性剤、顔料などが挙げられる。
結着樹脂、中空粒子、界面活性剤、顔料としては、下塗り層、感熱記録層、保護層と同様のものを用いることができる。
中間層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm以上10μm以下が好ましく、0.3μm以上5μm以下がより好ましい。
<下塗り層塗布液の調製>
プラスチック球状微小中空粒子(スチレン−アクリル酸を主体とする共重合体樹脂、商品名:ローペイクHP−91、ダウ・ケミカル社製、中空率:50%)36質量部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:スマーテックスPA−9159、日本エイアンドエル社製、固形分濃度:47.5%)10質量部、及び水54質量部を混合し、下塗り層塗布液を調製した。
<ロイコ染料分散液の作製>
ロイコ染料として、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン20質量部、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製)10質量%水溶液 20質量部、及び水60質量部を、サンドミルを用いて分散し、体積平均粒径:1.0μm以下のロイコ染料分散液を作製した。
顕色剤として、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン(商品名:D−8、日本曹達株式会社製)20質量部、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製、変性率:1モル%)10%水溶液 20質量部、シリカ(商品名:ミズカシルP−527、水澤化学工業株式会社製)10質量部、及び水50質量部を、サンドミルを用いて分散し、体積平均粒径:1.0μm以下の顕色剤分散液を作製した。
<保護層分散液の作製>
フィラーとして、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−43M、昭和電工株式会社製)20質量部、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製、変性率:1モル%)10%水溶液 20質量部、及び水60質量部を、サンドミルを用いて4時間かけて分散し、保護層分散液を作製した。
前記保護層分散液750質量部、結着剤として、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製、変性率:1モル%)10%水溶液 850質量部、架橋剤として、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(商品名:WS525、星光PMC株式会社製、固形分濃度:25%)40質量部、及び滑剤として、酸化ポリエチレンワックスエマルジョン(商品名:RP−960、中京油脂株式会社製、固形分濃度:30%)83質量部を混合し、水を加えて撹拌することにより、保護層塗布液(固形分濃度:10%)を調製した。
<隠蔽層塗布液1の調製例>
有機中空粒子として、中空樹脂粒子1 70質量部(乾燥質量換算)、及び結着剤として、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製、変性率:1モル%)10%水溶液300質量部を混合し、水を加えて撹拌することにより、隠蔽層塗布液1(固形分濃度:10%)を調製した。
<隠蔽層塗布液2〜10の調製例>
隠蔽層塗布液の調製例1において、有機中空粒子、有機中空粒子の乾燥質量、隠蔽層全体の質量に対する、有機中空粒子の含有割合(質量%)、及び隠蔽層全体の乾燥付着量を下記及び表1〜2に示すように変更した以外は、隠蔽層塗布液の調製例1と同様にして、隠蔽層塗布液2〜10を調製した。
・中空樹脂粒子1(架橋型スチレン−アクリル樹脂、商品名:SX−834、JSR株式会社製、中空率:50%、屈折率:1.6、体積平均粒径:300nm、固形分濃度:20%)
・中空樹脂粒子2(架橋型スチレン−アクリル樹脂、商品名:ローペイクULTRA E、ダウ・ケミカル社製、中空率:45%、屈折率:1.6、体積平均粒径:500nm、固形分濃度:30%)
・中空樹脂粒子3(架橋型スチレン−アクリル樹脂、商品名:SN−1055、ダウ・ケミカル社製、中空率:55%、屈折率:1.6、体積平均粒径:1,000nm、固形分濃度:25%)
・中空樹脂粒子4(架橋型スチレン−アクリル樹脂、商品名:SX−847、JSR株式会社製、中空率:60%、屈折率:1.6、体積平均粒径:2,000nm、固形分濃度:20%)
・中空樹脂粒子5(中空率:90%、屈折率:1.6、体積平均粒径:3,000nm、固形分濃度:33%)
・中空樹脂粒子6(中空率:91%、屈折率:1.6、体積平均粒径:4,200nm、固形分濃度:33%)
<隠蔽層塗布液11の調製例>
<<無機粒子分散液1の作製>>
無機粒子として、酸化亜鉛(商品名:ZnO−350、住友大阪セメント株式会社製)20質量部、結着剤として、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製、変性率:1モル%)10%水溶液 20質量部、及び水60質量部を、サンドミルを用いて体積平均粒径:500nmになるまで分散し、隠蔽層塗布液用の無機粒子分散液1を作製した。
前記隠蔽層塗布液用の無機粒子分散液1 70質量部、及び結着剤として、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製、変性率:1モル%)10%水溶液 300質量部を混合し、水を加えて撹拌することにより、隠蔽層塗布液11(固形分濃度:10%)を調製した。
<隠蔽層調製例12〜19の調製例>
隠蔽層塗布液の調製例11において、無機粒子、体積平均粒径、隠蔽層全体の質量に対する、有機中空粒子の含有割合(質量%)、及び隠蔽層全体の乾燥付着量を下記に示すように変更した以外は、隠蔽層塗布液の調製例11と同様にして、隠蔽層塗布液12〜19を調製した。
なお、酸化亜鉛の体積平均粒径は、サンドミルを用いた分散の時間を変更することにより調整した。
・酸化亜鉛(商品名:ZnO−350、住友大阪セメント株式会社製、モース硬度:4.0、屈折率:2.0、体積平均粒径:500nm、1,000nm、3,000nm、及び5,000nm)
・酸化チタン(アナターゼ型、商品名:JA−1、テイカ株式会社製、モース硬度:6.0、屈折率:2.5、体積平均粒径:500nm)
<隠蔽層塗布液20及び21の調製例>
隠蔽層塗布液の調製例7において、無機粒子、及び体積平均粒径を下記に示すように変更した以外は、隠蔽層塗布液の調製例11と同様にして、比較例用の隠蔽層塗布液20及び21を調製した。
・酸化チタン(ルチル型、商品名:GTR−100、石原産業株式会社製、モース硬度:7.5、屈折率:2.7、体積平均粒径:500nm)
・炭酸カルシウム(商品名:BR−15、白石カルシウム株式会社製、モース硬度:3.0、屈折率:1.7、体積平均粒径:600nm)
<無機粒子分散液の作製>
シリカ(商品名:サイリシア450、富士シリシア化学株式会社製、二次粒子の平均粒径:8μm)20質量部、水79.8部、及び水酸化ナトリウム0.2部を、ディスパーを用いて混合し、撹拌することにより、インク受容層塗布液用の無機粒子分散液(固形分濃度:20%)を作製した。
なお、二次粒子の平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(装置名:LA−920、株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。
前記インク受容層塗布液用の無機粒子分散液500質量部、シラノール変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、株式会社クラレ製)35質量部、水溶性カチオン性ポリマーとして、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名SC−100、ハイモ株式会社製、固形分濃度:35%)57.2質量部、及び合成樹脂エマルジョンとして、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分濃度:56%)17.9質量部を混合し、水を加えて撹拌することにより、インク受容層塗布液(固形分濃度:16%)を調製した。
[感熱記録媒体の作製]
支持体としての上質紙(商品名:npi上質、日本製紙株式会社製、坪量:81.4g/m2)の表面に、下塗り層塗布液を塗布し(乾燥付着量:2g/m2)、乾燥して下塗り層を形成した。次に、下塗り層上に感熱記録層塗布液を塗布し(乾燥付着量:6g/m2)、乾燥して感熱記録層を形成した。次に、感熱記録層上に保護層塗布液を塗布し(乾燥付着量:2g/m2)、乾燥して保護層を形成した。
次に、前記上質紙の感熱記録層を有しない側の面上に、隠蔽層塗布液1を塗布し(乾燥付着量:5.0g/m2)、乾燥して隠蔽層を形成した。次に、隠蔽層上にインク受容層塗布液を塗布し(乾燥付着量:4.5g/m2)、乾燥してインク受容層を形成した。
その後、装置(装置名:スーパーカレンダー、熊谷理機工業株式会社製)において、前記装置の金属ロールと前記保護層とが接し、前記装置の樹脂ロールと前記インク受容層とが接するようにして、前記支持体の感熱記録層を有する側の面が、王研式平滑度:1,500秒以上2,500秒以下の平滑度になるように、スーパーカレンダー処理を行い、実施例1の感熱記録媒体を作製した(図1)。
なお、後述する「支持体の隠蔽性」の評価用の感熱記録媒体は、レーザープリンター(装置名:MP C721、株式会社リコー製)を用いて、前記上質紙に黒のベタ画像(幅:5cm、長さ:5cm、マクベス濃度:1.10)を形成した支持体を用いて作製した。
更に、後述する「支持体に含まれる夾雑物の視認性」の評価用の感熱記録媒体は、レーザープリンター(装置名:MP C721、株式会社リコー製)を用いて、前記上質紙に黒のドット画像(直径:1.0mm、マクベス濃度:1.10)を形成した支持体を用いて作製した。
前記マクベス濃度は、マクベス濃度計(装置名:RD−914、マクベス株式会社製)を用いて測定した。
実施例1の感熱記録媒体の作製において、隠蔽層塗布液1を塗布しなかった以外は、実施例1の感熱記録媒体と同様にして、比較例1の感熱記録媒体を作製した(図3)。
実施例1の感熱記録媒体の作製において、隠蔽層塗布液1を隠蔽層塗布液2〜21に変更した以外は、実施例1の感熱記録媒体と同様にして、実施例2〜19、及び比較例2〜3の感熱記録媒体を作製した。
隠蔽層における無機粒子のモース硬度は、モース硬度計(ニチカ株式会社製)を用いて測定した。
有機中空粒子の屈折率は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR、装置名:Spectrum One、パーキンエルマー社製)を用いて分子構造を特定し、分子構造から化学便覧(出版社:丸善株式会社)、及びポリマー辞典(出版社:大成社)より、屈折率を調べて求めた。
隠蔽層における無機粒子の屈折率は、蛍光X線分析(装置名:EMAX−250X、ホリバ株式会社製)を用いて分子構造を特定し、分子構造から化学便覧(出版社:丸善株式会社)より、屈折率を調べて求めた。
隠蔽層における中空粒子の含有割合は、隠蔽層の断面を電子顕微鏡(装置名:S−3700、日立ハイテクフィールディング株式会社製)により観察することにより求めた。
また、隠蔽層における無機粒子の含有割合は、蛍光X線分析装置(装置名:EMAX−250X、ホリバ株式会社製)より求めた。
上質紙に黒のベタ画像(幅:5cm、長さ:5cm、マクベス濃度:1.10)を形成して作製した前記感熱記録媒体において、マクベス濃度計(装置名:RD−914、マクベス株式会社製)を用いて、黒のベタ画像のマクベス濃度を測定し、「支持体に含まれる黒点の隠蔽性」を評価した。マクベス濃度の値が低いほど、支持体に含まれる黒点の隠蔽性が優れることを表す。なお、マクベス濃度:0.40以下が、実施可能レベルである。
上質紙に黒のドット画像(直径:1.0mm、マクベス濃度:1.10)を形成して作製した前記感熱記録媒体において、ルーペを用いて黒のドット画像を観察し、下記基準に基づいて、「支持体に含まれる黒点の視認性」を評価した。なお、下記評価基準における「△」以上が、実施可能レベルである。
−評価基準−
◎:黒のドット画像がほとんど視認されない
○:黒のドット画像があまり視認されない
△:黒のドット画像が視認されるが、実用上問題ないレベルである
×:黒のドット画像が鮮明に視認される
作製した感熱記録媒体をロール状に加工し、オートカッターを搭載した感熱記録プリンター(装置名:TM−T88II、セイコーエプソン株式会社製)を用いて、感熱記録媒体に対し、連続での感熱記録及び裁断を行った。
前記裁断を30万回行った後、顕微鏡(装置名:VHX−1000、株式会社キーエンス製)を用いて、オートカッターの刃の先端部分を正面方向から観察し、下記基準に基づいて、「連続裁断時の刃の耐磨耗性、及び紙粉の発生のなさ」を評価した。なお、下記評価基準における「△」以上が、実施可能レベルである。
更に、前記裁断を30万回行う間に、裁断時に発生した紙粉により、感熱記録面に記録不良が生じた回数を計測し、下記基準に基づいて、「紙粉による感熱記録不良のなさ」を評価した。なお、下記評価基準における「△」以上が、実施可能レベルである。
−連続裁断時の刃の耐磨耗性、及び紙粉の発生のなさの評価基準−
◎:刃がほとんど摩耗せず、紙粉がほとんど発生しない
○:刃があまり摩耗せず、紙粉の発生量も少量である
△:刃が摩耗し、紙粉が発生するが、実用上問題ないレベルである
×:刃が非常に摩耗し、紙粉が多量に発生する
−紙粉による感熱記録不良のなさの評価基準−
◎:感熱記録不良の回数が1回以下である
○:感熱記録不良の回数が2回以上4回以下である
△:感熱記録不良の回数が5回以上10回以下である
×:感熱記録不良の回数が11回以上である
作製した感熱記録媒体のインク受容層側の面に、インクジェットプリンター(装置名:MG6330、キヤノン株式会社製)を用いて、黒色で「轟」の文字(フォントサイズ:8pt)を印字した。目視により印字部を観察し、下記基準に基づいて、「インクジェット記録面の印字の滲み」を評価した。なお、下記評価基準における「△」以上が、実施可能レベルである。
−評価基準−
◎:印字の滲みが発生せず、印字が精細である
○:印字の滲みがわずかに発生している
△:印字の滲みが発生するが、判読が可能であり、実用上問題ないレベルである
×:印字の滲みが発生し、判読が困難である
<1> 支持体の一方の面に、感熱記録層を有し、
前記支持体の他方の面に、隠蔽層と、インク受容層と、を順に有する感熱記録媒体であって、
前記隠蔽層が、中空粒子、及び無機粒子の少なくともいずれかを含有し、
前記無機粒子のモース硬度が7未満であり、かつ、前記無機粒子の屈折率が1.9以上であることを特徴とする感熱記録媒体である。
<2> 前記中空粒子の体積平均粒径が、4,000nm以下である前記<1>に記載の感熱記録媒体である。
<3> 前記無機粒子の体積平均粒径が、3,000nm以下である前記<1>に記載の感熱記録媒体である。
<4> 前記隠蔽層における前記中空粒子の中空率が、40%以上95%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<5> 前記隠蔽層における前記中空粒子及び前記無機粒子の含有割合が、隠蔽層全体の質量に対して、30質量%以上90質量%以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<6> 前記隠蔽層における前記中空粒子の量が、乾燥質量換算で、1.5g/m2以上5g/m2以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
11 夾雑物
20 感熱記録層
21 ロイコ染料
30 隠蔽層
31 中空粒子、及び無機粒子の少なくともいずれか
40 インク受容層
50 保護層
A 感熱記録面
B インクジェット記録面
Claims (6)
- 支持体の一方の面に、感熱記録層を有し、
前記支持体の他方の面に、隠蔽層と、インク受容層と、を順に有する感熱記録媒体であって、
前記隠蔽層が、中空粒子、及び無機粒子の少なくともいずれかを含有し、
前記無機粒子のモース硬度が7未満であり、かつ、前記無機粒子の屈折率が1.9以上であることを特徴とする感熱記録媒体。 - 前記中空粒子の体積平均粒径が、4,000nm以下である請求項1に記載の感熱記録媒体。
- 前記無機粒子の体積平均粒径が、3,000nm以下である請求項1に記載の感熱記録媒体。
- 前記隠蔽層における前記中空粒子の中空率が、40%以上95%以下である請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録媒体。
- 前記隠蔽層における前記中空粒子及び前記無機粒子の含有割合が、隠蔽層全体の質量に対して、30質量%以上90質量%以下である請求項1から4のいずれかに記載の感熱記録媒体。
- 前記隠蔽層における前記中空粒子の量が、乾燥質量換算で、1.5g/m2以上5g/m2以下である請求項1から5のいずれかに記載の感熱記録媒体。
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