JP6405794B2 - 両面記録媒体 - Google Patents

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本発明は、両面記録媒体に関する。
従来より、金券、各種チケットやロト7等の数字選択式宝くじのようなロッテリーチケットなどの印刷は、記録画像を鮮明かつ大量に印刷することができるため、感熱記録媒体に、版を用いたオフセット印刷が行われている。
前記各種チケットや金券は、偽造防止等を図るために、感熱記録層に精巧なデザインが正確に印刷できることが要求される。さらに、感熱記録層を有さない側の面上に様々なトレーサビリティ情報が記録されたバーコード等の可変情報が印刷できることも要求されている。
前記可変情報の印刷には、版がいらず、低コストで印字できるインクジェット方式が普及し始めている。
例えば、支持体上に感熱記録層と、保護層とをこの順に有し、前記支持体の感熱記録層を有さない側の面上にインク受容層とを有し、インク受容層に無機粒子を含有する感熱記録材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記特許文献1に記載の感熱記録材料は、大量に連続印刷しても版汚れは発生しないが、インク受容層に含有される無機粒子の粒子径が小さく、インクの吸収性に劣るため、記録画像の乾燥性が悪く、高速で大量に印刷した場合に、インク受容層に形成された未乾燥の記録画像が感熱記録層及びインク受容層を汚し、画像品位が低下するという課題がある。
そこで、前記特許文献1の感熱記録材料において、インク受容層に含有される無機粒子の粒子径を大きくし、インクの吸収性を向上させることが考えられる(例えば、特許文献2参照)。しかし、ロール形態で保管される感熱記録材料では、インク受容層表面の無機粒子の一部が保護層の表面に転写されてしまい、高速で大量にオフセット印刷すると、版汚れが発生し、記録画像が擦れて正確に印刷できないという問題がある。
したがって、本発明は、ロール形態で保管し、高速で大量にオフセット印刷しても、無機粒子の転写量が少なく、版汚れの発生を防止でき、高品位な記録画像が得られる両面記録媒体を提供することを目的とする。
本発明において、前記「大量に」とは、ロール形態の両面記録媒体を7,000m以上連続に印刷することを意味する。また、前記「版汚れ」とは、版に無機粒子が付着することにより版非画線部に印刷されることを意味する。
前記課題を解決するための手段としての本発明の両面記録媒体は、支持体と、前記支持体上に、感熱記録層と、保護層とをこの順に有し、前記支持体の感熱記録層を有さない側の面上に、インク受容層とを有してなり、前記保護層が、水酸化アルミニウム及び炭酸カルシウムから選択される少なくとも1種を含む顔料、並びに結着剤を含有し、前記顔料の含有量が、前記結着剤100質量部に対して、110質量部以上であり、前記インク受容層が、平均二次粒子径8μm以上である無機粒子、及び合成樹脂を含むポリマーを含有し、前記合成樹脂の固形分含有量が、前記無機粒子100質量部に対して、5質量部以上であり、ロール形態である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、ロール形態で保管し、高速で大量にオフセット印刷しても、無機粒子の転写量が少なく、版汚れの発生を防止でき、高品位な記録画像が得られる両面記録媒体を提供することができる。
(両面記録媒体)
本発明の両面記録媒体は、支持体、前記支持体上に、感熱記録層、及び保護層をこの順に有し、前記支持体の感熱記録層を有さない側の面上に、インク受容層を有し、更に必要に応じてその他の層を有してなる。これら各層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記課題を解決するため、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、前記版汚れが発生する問題は、下記のことが原因であることを知見した。すなわち、前記感熱記録層と前記インク受容層を有する両面記録媒体を、前記保護層と前記インク受容層とが接するようにロール形態とすると、前記インク受容層表面の無機粒子の一部が前記保護層の表面に転写され、前記保護層に無機粒子が蓄積して蓄積物が生じる。前記蓄積物は、少量の印刷では問題とならないが、オフセット印刷により高速で大量に印刷すると、徐々に版に蓄積し、版汚れが生じることを知見した。一端版汚れが生じると、記録画像に異常が生じ、版を交換する必要がある。
<支持体>
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ、材料等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられる。前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記両面記録媒体の大きさ等に応じて適宜選択することができる。前記材料としては、例えば、紙基材、非紙基材などが挙げられる。これらの中でも、記録画像の乾燥性の点から、紙基材が好ましい。
前記紙基材としては、例えば、パルプなどが挙げられる。
前記パルプとしては、例えば、針葉樹の晒又は未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒又は未晒クラフトパルプ等の化学パルプ;グラウンドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミカルサーモメカニカルパルプ等の機械パルプ;脱墨パルプ等のパルプなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記紙基材の抄紙pHとしては、例えば、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも用いることができる。
前記紙基材には、不透明度を向上させることを目的として、填料を含有させることが好ましい。前記填料としては、例えば、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料などの公知の填料が挙げられる。
前記紙基材としては、必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤、染料、消泡剤、pH調整剤などの助剤を含有してもよい。
前記非紙基材としては、例えば、合成紙、ラミネート紙、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる高分子フィルムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記支持体の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上2,000μm以下が好ましく、20μm以上1,000μm以下がより好ましい。
<感熱記録層>
前記感熱記録層は、ロイコ染料、顕色剤、及び結合剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
<<ロイコ染料>>
前記ロイコ染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物などが挙げられる。
前記ロイコ染料としては、例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニル−1,3−ブタジエン−4−イル)ベンゾフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニル−1,3−ブタジエン−4−イル)ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7,−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−p−トリルスルホニルメタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<<顕色剤>>
前記顕色剤としては、前記ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種々の化合物又は酸化剤などが適用できる。
前記顕色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸、及びその金属塩などが挙げられる。
前記顕色剤としては、例えば、4,4’−イソプロピリデンビスフェノール;4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール);4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール;4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール);4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール;4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール);4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール);1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ブタン;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン;4,4’−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール;4,4’−ジフェノールスルホン;4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン;4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン;4,4’−ジフェノールスルホキシド;p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル;p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル;プロトカテキュ酸ベンジル;没食子酸ステアリル;没食子酸ラウリル;没食子酸オクチル;1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン;1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン;1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン;1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロパン;N,N’−ジフェニルチオ尿素;N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素;サリチルアニリド;5−クロロ−サリチルアニリド;2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸;2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸;1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸;ヒドロキシナフトエ酸の亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩;ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル;ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル;1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン;1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン;2,4’−ジフェノールスルホン;3,3’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン;α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン;テトラブロモビスフェノールA;テトラブロモビスフェノールS;4,4’−チオビス(2−メチルフェノール);4,4’−チオビス(2−クロロフェノール);チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記顕色剤の含有量は、前記ロイコ染料1質量部に対して、1質量部以上20質量部以下が好ましく、2質量部以上10質量部以下がより好ましい。
<<結合剤>>
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マイレン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<<その他の成分>>
前記感熱記録層には、更に必要に応じて、前記その他の成分として、例えば、感度向上剤、填料、界面活性剤、滑剤、圧力発色防止剤などを併用することができる。
前記感度向上剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、種々の熱可融性物質を使用することができる。
前記感度向上剤としては、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類;p−ベンジルビフェニル、m−ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル−β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、ダイヤコールカーボネート、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジフェニルチオブタン、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3−ジフェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン、1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4−メチルベンジル)、シュウ酸ビス(4−クロロベンジル)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記填料としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウム、表面処理されたシリカ等の無機系微粉末;尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等の有機系微粉末などが挙げられる。これらは、吸油量の点から、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記感熱記録層は、特に制限はなく、一般に知られている方法により形成することができ、例えば、ロイコ染料、顕色剤を別々に結合剤、その他の成分と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機により、分散粒径が0.1μm以上3μm以下になるまで粉砕分散した後、必要に応じて、填料、滑剤等と共に、一定処方で混合して感熱記録層塗布液を調製し、支持体上に塗布することによって感熱記録層を形成することができる。
前記感熱記録層塗布液の塗布量としては、乾燥質量で2g/m以上15g/m以下が好ましく、3g/m以上12g/m以下がより好ましい。前記塗布量が、上記範囲内であると、耐可塑剤性を向上することができる。
<保護層>
前記保護層としては、結着剤、及び顔料を含有してなり、滑剤(ワックス)、架橋剤を含有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
<<結着剤>>
前記結着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂、水溶性樹脂エマルジョン、疎水性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低温低湿度条件下でのヘッドマッチング性の点から、水溶性樹脂が好ましい。
前記水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール;変性ポリビニルアルコール;メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシセルロース等のセルロース誘導体;カゼイン;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;スチレン/無水マレイン酸共重合体;ジイソブチレン/無水マレイン酸共重合体;ポリアクリルアミド;変性ポリアクリルアミド;メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体;カルボキル変性ポリエチレン;ポリビニルアルコール/アクリルアミドブロック共重合体;メラミン・ホルムアルデヒド樹脂;尿素・ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。これらの中でも、耐可塑剤性の点から、ポリビニルアルコールが好ましい。
前記水溶性樹脂エマルジョン又は疎水性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチルセルロース、エチレン/酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記結着剤の平均重合度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,700以上が好ましい。前記平均重合度が、1,700以上であると、耐可塑剤性、及び低温低湿度条件下でのヘッドマッチング性が向上する。なお、前記平均重合度は、例えばJIS K 6726で定める試験法により測定することができる。
<<顔料>>
前記顔料としては、例えば、水酸化アルミニウム及び炭酸カルシウムから選択される少なくとも1種を含有してなり、必要に応じて、その他の顔料を含有することができる。前記水酸化アルミニウム及び炭酸カルシウムから選択される少なくとも1種を含有することで、ロール形態で前記保護層と前記インク受容層とが接するようにした場合、前記保護層と前記インク受容層との密着が少なくなることにより、前記インク受容層の無機粒子が保護層表面に転写しにくく、かつ長期にわたって印字を行った際のサーマルヘッドに対する耐磨耗性を向上することができる。
前記その他の顔料としては、例えば、カオリン、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウム、シリカ等の無機系微粉末;シリコーン樹脂粒子、尿素ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂等の有機系微粉末などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記顔料の含有量としては、前記結着剤100質量部に対して、110質量部以上であり、200質量部以下が好ましい。前記含有量が、110質量部以上であると、ロール形態で保管した場合でも、インク受容層の無機粒子が保護層表面に転写することを抑制することができる。
<<滑剤>>
前記滑剤(ワックス)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化ポリエチレンワックス、モンタン系ワックス、ステアリン酸亜鉛、シリコーン系ワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低温低湿環境下でのヘッドマッチング性、及び耐可塑剤性の点から、酸化ポリエチレンワックス、モンタン系ワックスが好ましく、酸化ポリエチレンワックス、モンタン酸エステルワックスがより好ましい。
前記酸化ポリエチレンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックスを空気酸化及び/又はオゾン酸化等により酸化(カルボキシ基、水酸基及び/又はホルミル基を導入)したものなどが挙げられる。
前記酸化ポリエチレンワックスの重量平均分子量としては、500以上10,000以下が好ましく、600以上9,000以下がより好ましく、700以上8,000以下が特に好ましい。なお、前記重量平均分子量の測定としては、例えば、静的光散乱光度計(商品名:SLS−6000(スタティック光散乱光度計)、大塚電子株式会社製)により、溶媒を1−クロロナフタレン、測定温度を160℃として測定されることができる。
前記酸化ポリエチレンワックスの市販品としては、例えば、商品名:RP−960(中京油脂株式会社製、固形分:30%)、商品名:L−787(中京油脂株式会社製、固形分:30%)などが挙げられる。
前記モンタン酸エステルワックスとしては、例えば、モンタン酸をアルコール等で一部分、又は全てをエステル化されているものが挙げられ、モンタン酸部分ケン化エステルワックスと呼ばれることもある。
前記モンタン酸エステルワックスとしては、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよく、前記市販品としては、商品名:J−206、(中京油脂株式会社製、固形分30%)などが挙げられる。
前記酸化ポリエチレンワックス又はモンタン酸エステルワックスの塗布方法としては、感熱記録層表面に塗布する際に、前記酸化ポリエチレンワックス又は前記モンタン酸エステルワックスを感熱記録層表面に直接塗布することは困難であるため、前記酸化ポリエチレンワックス又は前記モンタン酸エステルワックスを、分散剤を用いて湿式分散させた分散体を用いることが好ましい。
前記分散体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)酸化ポリエチレンワックス又はモンタン酸エステルワックスを、分散剤としてのポリビニルアルコールを用いて水に分散させた水分散体、(ii)酸化ポリエチレンワックス又はモンタン酸エステルワックスを、アニオン系の乳化剤を用いて乳化分散したエマルジョンなどが挙げられる。
前記滑剤の含有量としては、結着剤100質量部に対し、100質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましい。前記含有量が、100質量部以下であると、ロール形態で保管した場合でも、前記インク受容層に含有される無機粒子が前記保護層表面に転写しにくくなり、保護層表面のオフセット印刷時の版汚れを抑制することができ、印刷品質を向上することができる。
前記滑剤の体積平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐可塑剤性、及び低温低湿環境下でのヘッドマッチング性の点から、0.3μm以上6μm以下が好ましい。前記体積平均粒子径が、上記範囲内であると、低温低湿環境下でのヘッドマッチング性、及び耐可塑剤性を向上させることができる。なお、前記体積平均粒子径の測定は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(商品名:LA−920、株式会社堀場製作所製)を用いて測定することができる。
前記滑剤としては、必要に応じて、公知であるその他の滑剤と組合せて使用することができ、前記その他の滑剤としては、例えば、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;セレシン等の鉱物系ワックス及びその誘導体;パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタン、ペトロラクタム等の石油系ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックス;硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体等の水素化ワックス;ステアリン酸・オレイン酸・エルカ酸・ラウリン酸・セバシン酸・ベヘン酸・パルミチン酸等の脂肪酸;アジピン酸・イソフタル酸等のアマイド;ビスアマイド、エステル、ケトン、金属塩及びその誘導体;アルキル変性のシリコーン樹脂又はアミド変性のシリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<<架橋剤>>
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水溶性樹脂の耐水化剤として、例えば、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、アジピン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記保護層は、特に制限はなく、一般に知られている方法により形成することができ、例えば、顔料、架橋剤を別々に結着剤、その他の成分と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機により、分散粒径が0.1μm以上3μm以下になるまで粉砕分散した後、必要に応じて、滑剤等と共に、一定処方で混合して保護層塗布液を調製し、感熱記録層上に塗布することによって保護層を形成することができる。
前記保護層塗布液の塗布量としては、乾燥重量で0.1g/m以上20g/m以下が好ましく、0.5g/m以上10g/m以下がより好ましい。前記塗布量が、上記範囲内であると、耐可塑剤性、及び低温低湿環境下でのヘッドマッチング性を向上することができる。
<インク受容層>
前記インク受容層は、無機粒子、及び合成樹脂を含むポリマーを含有してなり、必要に応じて、その他成分を含有してなる。
<<無機粒子>>
前記無機粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、アルミナゲル、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ゼオライト、焼成クレー、カオリンクレー、タルク、ホイワイトカーボン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸バリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水性インクの吸収性が良く、また、インクジェット記録部の画像濃度も高いため、シリカが好ましい。
前記シリカとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿式法シリカ、気相法シリカなどの合成非晶質シリカを用いることができる。
前記湿式法シリカとしては、製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカに分類される。
前記沈降法シリカとしては、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。 前記沈降法シリカの合成としては、珪酸ナトリウムと硫酸とをアルカリ条件下で反応させて製造される。粒子が成長したシリカ粒子を凝集・沈降させ、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て精製される。
前記沈降法シリカの市販品としては、例えば、商品名:ニップシール(日本シリカ株式会社製)、商品名:トクシール(株式会社トクヤマ製)などが挙げられる。
前記ゲル法シリカとしては、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。
前記ゲル法シリカの合成としては、珪酸ナトリウムと硫酸とを酸性条件下で反応させて製造される。熟成中の微小粒子を溶解し、他の一次粒子どうしを結合するように再析出させて精製することができる。なお、他の一次粒子どうしを結合するように再析出させるため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成することができる。
前記ゲル法シリカの市販品としては、例えば、商品名:ニップジェル(東ソー・シリカ株式会社製)、商品名:サイロイド、商品名:サイロジェット(以上、グレースジャパン株式会社製)などが挙げられる。
前記気相法シリカとしては、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。
前記気相法シリカの合成としては、火炎加水分解法によって、四塩化ケイ素を水素、及び酸素と共に燃焼して精製することができ、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシラン及びトリクロロシラン等のシラン類も、単独又は四塩化ケイ素と混合した状態で精製することができる。
気相法シリカの市販品としては、商品名:アエロジル(日本アエロジル株式会社製)、商品名:QSタイプ(株式会社トクヤマ製)として市販されている。
前記無機粒子の平均二次粒子径は、インク受容層の接着強度、及びロール形態で保管した場合でも、保護層のオフセット印刷版汚れが少ない点から、8μm以上であり、9μmが好ましい。前記平均二次粒子径が、8μm以上であると、シリカの表面積が小さくなり、シリカ同士を結着させるポリマーが少なくて済み、インク受容層の接着強度を向上することができる。さらに、ロール形態で保管した場合でも、感熱記録層のオフセット印刷版汚れが少なくすることができ、さらに、記録画像の乾燥性、及び耐ピッキング性を向上することができる。なお、前記平均二次粒子径としては、例えば、前記無機粒子の希薄分散液をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定して得られる値である。
前記シリカの吸油量としては、JIS−K5101により表される吸油量で、200ml/100g以上400ml/100g以下が好ましく、250ml/100g以上350ml/100g以下がより好ましい。前記吸油量が、200ml/100g以上であると、十分なインク吸収性を得ることができ、400ml/100g以下であると、インク受容層の接着強度を向上することができる。
前記無機粒子の含有量としては、インク受容層中の固形分合計含有量に対して、0.4質量部以上0.75質量部以下が好ましい。前記含有量が、0.4質量部以上であると、インクの吸収性、及び記録画像の乾燥性が良好であり、0.75質量部以下であると、シリカの転写、及び版汚れを防止することができる。
前記無機粒子は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、必要に応じて、粉砕して用いることもできる。前記粉砕には、公知の機械的な粉砕装置を用いることができ、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル;高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機;超音波分散機;薄膜旋回型分散機などを用いることができる。
<<ポリマー>>
前記ポリマーは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、オフセット印刷における印刷ピッキング等の物理的ストレスに対して十分な耐久性を持っていることが好ましい。
前記ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、水溶性カチオン性ポリマー、合成樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリビニルアルコールは、インク受容層の接着強度が向上し、印字画像の物理的耐久性が向上することができる。
前記ポリビニルアルコールとしては、例えば、シラノール変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。前記シラノール変性ポリビニルアルコールは、水性インクの吸収速度を低下させることなく、インク受容層の接着強度を向上することができるため、好適に用いることができる。
前記シラノール変性ポリビニルアルコールの平均重合度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粘度安定性、及び接着強度の点から、400以上4,000以下が好ましく、500以上3,500以下がより好ましい。前記平均重合度が、上記範囲内であると、粘度安定性、及び接着強度を向上することができる。なお、前記平均重合度は、例えばJIS K 6726で定める試験法により測定することができる。
前記ポリビニルアルコールの固形分含有量は、無機粒子100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下が好ましい。前記固形分含有量が、10質量部以上であると、インク受容層の物理的耐久性を十分に得ることができる。50質量部以下であると、インクジェットインクの吸収性が良好であり、にじみやムラの発生を抑制し、記録画像の乾燥性を向上することができる。
前記水溶性カチオン性ポリマーとしては、例えば、1級〜3級アミン、1級〜3級アミン塩、4級アンモニウム塩などのポリマーが挙げられる。
前記水溶性カチオン性ポリマーとしては、例えば、アリルアミン重合体、アリルアミン・ジアリルアミン塩共重合体、アリルアミン・ジメチルアリルアミン共重合体、部分メトキシカルボニル化アリルアミン重合体、部分尿素化ポリアリルアミン重合体、ジアリルアミン重合体、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、メチルジアリルアミン重合体、ジアリルアミン・二酸化硫黄共重合体、メチルジアリルアミン・二酸化硫黄共重合体、及びこれらの塩;ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト・二酸化硫黄共重合体、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリビニルアミン共重合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性カチオン性ポリマーの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2,000以上250,000以下が好ましい。前記重量平均分子量が、2,000以上であると、インク受容層の接着強度を向上することができ、250,000以下であると、記録画像のにじみ及びムラが発生を防止することができる。なお、前記重量平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
前記水溶性カチオン性ポリマーの固形分含有量としては、無機粒子100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下が好ましい。前記固形分含有量が、5質量部であると、インク受容層の耐水性を十分に得ることができ、50質量部以下であると、インク受容層の耐水性が飽和することがなく、感熱記録層を同時塗布する場合の乾燥条件に制約が生じることがない。
前記合成樹脂は、版面に供給される湿し水に対する溶解防止効果の他に、水性インクの吸収性を低下させること無く、前記インク受容層の接着強度を向上することができる。
前記合成樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、酢酸ビニル重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体、ノニオン性の未変性スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水溶性カチオン性ポリマーとの相溶性の点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル重合体、ノニオン性の未変性スチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。
前記合成樹脂の固形分含有量は、無機粒子100質量部に対して、5質量部以上であり、50質量部以下であることが好ましい。前記固形分含有量が、5質量部以上であると、インク受容層の耐水性を向上することができ、50質量部以下であると、インクの吸収性が良好であり、にじみやムラの発生を防止でき、記録画像の乾燥性を向上することができる。
前記ポリマーとしては、インク受容層の接着強度の点から、ポリビニルアルコール、水溶性カチオン性ポリマー、及び合成樹脂を併用することが好ましい。
前記ポリマーとしては、上記以外のポリマーを併用することができ、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂などの水性接着剤などが挙げられる。
前記ポリマーの固形分合計含有量としては、高速インクジェット印刷加工に対する記録画像の乾燥性、及び感熱記録層塗工ラインでの同時高速塗工に対応の点から、無機粒子100質量部に対し、100質量部以下であることが好ましく、65質量部以下がより好ましい。
前記インク受容層としては、必要に応じて、その他の成分を含有することができ、前記その他の成分としては、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤力増強剤、乾燥紙力増強剤などが挙げられる。
前記インク受容層としては、特に制限はなく、一般に知られている方法により形成することができ、例えば、無機粒子、ポリマー、その他の成分と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機により、分散粒径が0.1μm以上3μm以下になるまで粉砕分散した後、一定処方で混合してインク受容層塗布液を調製し、支持体の感熱記録層を有しない側の面上に塗布することによってインク受容層を形成することができる。
前記インク受容層の塗布量としては、3.0g/m以上8.0g/m以下が好ましい。前記塗布量が3.0g/m以上であると、記録画像の乾燥性が良好であり、未乾燥のインクが保護層又はインク受容層を汚すことがなく、印刷品質を向上することができる。前記塗布量が、8.0g/m以下であると、インクジェット受容層の機能が飽和することなく、感熱記録層を同時塗布する場合の乾燥条件に制約が生じることがない。
前記支持体上に前記感熱記録層、前記感熱記録層上に前記保護層、及び前記支持体の感熱記録層を有しない側の面上に前記インク受容層を設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一般的な塗布装置である、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、スプレーコーター、サイズプレスなどの各種装置を、オンマシン又はオフマシンで使用することができる。また、前記各層を設けた後にマシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、シューカレンダー等のカレンダー装置を用い、カレンダー処理することもできる。
また、記録感度と記録画質を高めるために支持体と感熱記録層との間に、吸油性顔料又は中空粒子を主成分とした下塗り層などを設けることができる。また、両面記録媒体の製造方法における各種の公知技術を利用してその他の層を設けることもできる。
<その他の層>
前記その他の層としては、例えば、下塗り層、中間層などを設けることができる。
前記下塗り層としては、前記支持体と前記感熱記録層との間に設けることができる。前記下塗り層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プラスチック球状微小中空粒子(スチレン−アクリル酸を主体とする共重合体樹脂、商品名:ローペイクHP−91、ローム&ハース電子材料株式会社製、中空率:50%)、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:スマーテックスPA−9159、日本エイアンドエル株式会社製、固形分濃度:47.5%)、及び水を混合して下塗り層塗布液を調製し、前記支持体上に塗布することによって、下塗り層を形成することができる。
前記中間層としては、前記保護層と前記感熱記録層との間に設けることができる。
前記中間層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、結着樹脂を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有することができる。
前記その他の成分としては、例えば、中空粒子、界面活性剤、顔料などが挙げられる。
前記結着樹脂、前記中空粒子、前記界面活性剤、前記顔料としては、前記下塗り層、前 記感熱記録層、前記保護層と同様のものを用いることができる。
前記中間層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm以上10μm以下が好ましく、0.3μm以上5μm以下がより好ましい。
−形態−
本発明の両面記録媒体としては、ロール形態で保管されることができる。ロール形態としては、ロール形態の芯材はあってもなくてもよいが、最終的にロールが使用されて無くなると捨てられるためコアレスタイプが好ましい。
−用途−
本発明の両面記録媒体としては、ロール形態で保管し、高速で大量にオフセット印刷しても、無機粒子の転写量が少なく、版汚れの発生を防止でき、高品位な記録画像が得られるため、例えば、レシート、チケット(鉄道用、航空機用、イベント用等)、ロッテリー(ロト6、ナンバーズ)などに適用することができる。
以下に、本発明の実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」及び「%」は、特に明示しない限り、「質量部」及び「質量%」を示す。
(1)下塗り層塗布液の調製例
−下塗り層塗布液−
・プラスチック球状微小中空粒子(スチレン−アクリル酸を主体とする共重合体樹脂、商品名:ローペイクHP−91、ローム&ハース電子材料株式会社製、中空率:50%)・・・36部
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:スマーテックスPA−9159、日本エイアンドエル株式会社製、固形分濃度:47.5%)・・・10部
・水・・・54部
(2)感熱記録層塗布液の調製例
−ロイコ染料分散液−
・ロイコ染料:2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン・・・20部
・結着剤:イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・20部
・水・・・60部
−顕色剤分散液−
・顕色剤:4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン(商品名:D−8、日本曹達株式会社製)・・・20部
・結着剤:イタコン酸変性ポリビニルアルコール(変性率:1モル%)(商品名:KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・20部
・シリカ(商品名:ミズカシルP−527、水澤化学工業株式会社製)・・・10部
・水・・・50部
上記組成からなる材料を、それぞれ平均粒径が1.0μm以下になるように、サンドミルを用いて分散し、前記ロイコ染料分散液、前記顕色剤分散液を調製した。
−感熱記録層塗布液の調製例−
続いて、前記ロイコ染料分散液と前記顕色剤分散液を1:7の割合で混合し、水で固形分を25%に調整し、攪拌して、感熱記録層塗布液を調製した。
(3)保護層分散液の調製例
−保護層分散液A液−
・顔料:水酸化アルミニウム(フィラー)(商品名:ハイジライトH−43M、昭和電工株式会社製)・・・20部
・結着剤:イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・20部
・水・・・60部
上記組成の材料を、サンドミルを用いて4時間分散し、保護層分散液A液を調製した。
−保護層分散液B液−
・顔料:炭酸カルシウム(商品名:BR−15、白石工業株式会社製)・・・20部
・結着剤:イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・20部
・水・・・60部
上記組成の材料を、サンドミルを用いて4時間分散し、保護層分散液B液を調製した。
−保護層分散液C液−
・顔料:カオリン(商品名:UW−90、エンゲルハード社製)・・・20部
・結着剤:イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・20部
・水・・・60部
上記組成の材料を、サンドミルを用いて4時間分散し、保護層分散液C液を調製した。
−保護層塗布液1〜14の調整例−
保護層塗布液1〜14の調製例を以下に記す。なお、結着剤の固形分100質量部に対する、顔料及び滑剤の固形分含有量(部)を表1及び表2に示した。
−−保護層塗布液1の調製例1−−
・保護層分散液A液・・・750部
・結着剤:イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・850部
・滑剤:酸化ポリエチレンワックスエマルジョン(商品名:RP−960、中京油脂株式会社製、固形分:30%)・・・83部
・架橋剤:ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂エマルジョン(商品名:WS525、星光PMC株式会社製、固形分:25%)・・・40部
上記組成の材料を混合、攪拌して、水で固形分合計含有量を10%に調整し、保護層塗布液1を調製した。
−−保護層塗布液2の調製例2−−
前記保護層塗布液1のうち、保護層分散液A液550部、及びイタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液を890部に変更した以外は、前記保護層塗布液1と同様にして保護層塗布液2を調製した。
−−保護層塗布液3の調製例3−−
前記保護層塗布液1のうち、保護層分散液A液1,000部、及びイタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液を800部に変更した以外は、前記保護層塗布液1と同様にして保護層塗布液3を調製した。
−−保護層塗布液4の調製例4−−
前記保護層塗布液1のうち、酸化ポリエチレンワックスエマルジョンを、モンタン酸エステルワックス(商品名:RP−960、中京油脂株式会社製、固形分30%)に変更した以外は、前記保護層塗布液1と同様にして保護層塗布液4を調製した。
−−保護層塗布液5の調製例5−−
前記保護層塗布液1のうち、酸化ポリエチレンワックスエマルジョンを0部に変更した以外は、前記保護層塗布液1と同様にして保護層塗布液5を調製した。
−−保護層塗布液6の調製例6−−
前記保護層塗布液1のうち、酸化ポリエチレンワックスエマルジョンを333部に変更した以外は、前記保護層塗布液1と同様にして保護層塗布液6を調製した。
−−保護層塗布液7の調製例7−−
前記保護層塗布液1のうち、イタコン酸変性ポリビニルアルコールを、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:D−700VH、日本酢ビ・ポバール株式会社製、重合度:1,700)10%水溶液に変更し、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂を、アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤)(商品名:ADH、株式会社日本ファインケム製)10%水溶液に変更した以外は、前記保護層塗布液1と同様にして保護層塗布液7を調製した。
−−保護層塗布液8の調製例8−−
前記保護層塗布液1のうち、保護層分散液A液を保護層分散液C液に変更した以外は、前記保護層塗布液1と同様にして保護層塗布液8を調製した。
−−保護層塗布液9の調製例9−−
前記保護層塗布液1のうち、保護層分散液A液500部、及びイタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液を900部に変更した以外は、前記保護層塗布液1と同様にして保護層塗布液9を調製した。
−−保護層塗布液10の調製例10−−
前記保護層塗布液1のうち、保護層分散液A液1,050部、及びイタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液を790部に変更した以外は、前記保護層塗布液1と同様にして保護層塗布液10を調製した。
−−保護層塗布液11の調製例11−−
前記保護層塗布液1のうち、酸化ポリエチレンワックスエマルジョンをステアリン酸亜鉛溶液(商品名:ハイドリンZ−7−30、中京油脂株式会社製、固形分30%)に変更した以外は、保護層塗布液1と同様にして保護層塗布液11を調製した。
−−保護層塗布12の調製例12−−
前記保護層塗布液1のうち、保護層分散液B液750部に変更した以外は、前記保護層塗布液1と同様にして保護層塗布液12を調製した。
−−保護層塗布液13の調製例13−−
前記保護層塗布液1のうち、保護層分散液B液550部、及びイタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液を890部に変更した以外は、前記保護層塗布液1と同様にして保護層塗布液13を調製した。
−−保護層塗布液14の調製例14−−
前記保護層塗布液1のうち、保護層分散液B液1,000部、及びイタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液を800部に変更した以外は、前記保護層塗布液1と同様にして保護層塗布液14を調製した。
(4)インク受容層塗布液の調製
−無機粒子分散液の調製例−
−−無機粒子分散液A液の調製例1−−
シリカA(商品名:サイリシア450、富士シリシア化学株式会社製、平均二次粒子径:8μm)20部、水79.8部、及び水酸化ナトリウム0.2部をディスパーで混合攪拌し、固形分20%の無機粒子分散液A液を調製した。
−−無機粒子分散液B液の調製例2−−
シリカB(商品名:サイリシア380、富士シリシア化学株式会社製、平均二次粒子径:9μm)20部、水79.8部、及び水酸化ナトリウム0.2部をディスパーで混合攪拌し、固形分20%の無機粒子分散液B液を調製した。
−−無機粒子分散液C液の調製例3−−
シリカC(商品名:AZ−6A0、東ソー・シリカ株式会社製、平均二次粒子径:9μm)20部、水79.8部、及び水酸化ナトリウム0.2部をディスパーで混合攪拌し、固形分20%の無機粒子分散液C液を調製した。
−−無機粒子分散液D液の調製例4−−
シリカD(商品名:AY−603、東ソー・シリカ株式会社製、平均二次粒子径:11μm)20部、水79.8部、及び水酸化ナトリウム0.2部をディスパーで混合攪拌し、固形分20%の無機粒子分散液D液を調製した。
−−無機粒子分散液E液の調製例5−−
シリカE(商品名:サイリシア370、富士シリシア化学株式会社製、平均二次粒子径:6.4μm)20部、水79.8部、及び水酸化ナトリウム0.2部をディスパーで混合攪拌し、固形分20%の無機粒子分散液E液を調製した。
なお、前記平均二次粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定した。
−インク受容層塗布液1〜24の調製例−
インク受容層塗布液1〜24の調製例を以下に記す。前記インク受容層塗布液1〜24における無機粒子、ポリビニルアルコール、水溶性カチオン性ポリマー、及び合成樹脂エマルジョンの固形分含有量(部)を、下記に記載の固形分含有量(部)で混合撹拌し、インク受容層塗布液中の固形分濃度が16%になるように水で調製し、インク受容層塗布液1〜24を調製した。なお、固形分含有量(部)が0であるものは、該当成分を含有しないことを示す。無機粒子の固形分100質量部に対する、ポリビニルアルコール、水溶性カチオン性ポリマー、及び合成樹脂エマルジョンの固形分含有量(部)、並びにポリマーの固形分合計含有量(部)を表3〜表5に示した。
−−インク受容層塗布液1の調製例1−−
・無機粒子分散液A液・・・500部
・ポリビニルアルコール:シラノール変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、株式会社クラレ製)・・・35部
・水溶性カチオン性ポリマー:ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名SC−100、ハイモ株式会社製、固形分:35%)・・・57.2部
・合成樹脂エマルジョン:エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)・・・17.9部
上記組成の材料を混合、攪拌し、固形分濃度が16%になるように水で調整し、インク受容層塗布液1を調製した。
−−インク受容層塗布液2の調製例2−−
前記インク受容層塗布液1のうち、無機粒子分散液A液500部を無機粒子分散液B液500部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液1と同様にしてインク受容層塗布液2を調製した。
−−インク受容層塗布液3の調製例3−−
前記インク受容層塗布液1のうち、無機粒子分散液A液500部を無機粒子分散液C液500部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液1と同様にしてインク受容層塗布液3を調製した。
−−インク受容層塗布液4の調製例4−−
前記インク受容層塗布液1のうち、無機粒子分散液A液500部を無機粒子分散液D液500部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液1と同様にしてインク受容層塗布液4を調製した。
−−インク受容層塗布液5の調製例5−−
前記インク受容層塗布液2のうち、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)17.9部をエチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)8.95部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液5を調製した。
−−インク受容層塗布液6の調製例6−−
前記インク受容層塗布液2のうち、シラノール変性ポリビニルアルコール35部、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名SC−100、ハイモ株式会社製、固形分:35%)57.2部、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)17.9部をシラノール変性ポリビニルアルコール40部、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名SC−100、ハイモ株式会社製、固形分:35%)85.8部、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)53.6部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液6を調製した。
−−インク受容層塗布液7の調製例7−−
前記インク受容層塗布液2のうち、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)17.9部をエチレン酢ビエマルジョンB(エチレン酢ビエマルジョン、商品名:スミカフレックス400HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:55%)18.2部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液7を調製した。
−−インク受容層塗布液8の調製例8−−
前記インク受容層塗布液2のうち、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)17.9部をエチレン酢ビエマルジョンC(商品名:スミカフレックス305HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:50%)20部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液8を調製した。
−−インク受容層塗布液9の調製例9−−
前記インク受容層塗布液2のうち、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)17.9部をエチレン酢ビエマルジョンD(商品名:スミカフレックス401HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:55%)18.2部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液9を調製した。
−−インク受容層塗布液10の調製例10−−
前記インク受容層塗布液2のうち、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)17.9部をエチレン酢ビエマルジョンE(商品名:モビニール106E、日本合成化学工業株式会社製、固形分:45%)22.3部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液10を調製した。
−−インク受容層塗布液11の調製例11−−
前記インク受容層塗布液2のうち、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)17.9部をエチレン酢ビエマルジョンF(商品名:モビニール109E、日本合成化学工業株式会社製、固形分:55%)18.2部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液11を調製した。
−−インク受容層塗布液12の調製例12−−
前記インク受容層塗布液2のうち、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)17.9部をエチレン酢ビエマルジョンG(商品名:モビニール180E、日本合成化学工業株式会社製、固形分:55%)18.2部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液12を調製した。
−−インク受容層塗布液13の調製例13−−
前記インク受容層塗布液2のうち、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)17.9部を酢ビエマルジョンA(商品名:モビニール168N、日本合成化学工業株式会社製、固形分:50%)20部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液13を調製した。
−−インク受容層塗布液14の調製例14−−
前記インク受容層塗布液2のうち、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)17.9部を酢ビエマルジョンB(商品名:モビニール206、日本合成化学工業株式会社製、固形分:50%)20部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液14を調製した。
−−インク受容層塗布液15の調製例15−−
前記インク受容層塗布液2のうち、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)17.9部を未変性スチレンブタジエン共重合体(商品名:SR−130、日本エイアンドエル株式会社製)10部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液15を調製した。
−−インク受容層塗布液16の調製例16−−
前記インク受容層塗布液2のうち、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名SC−100、ハイモ株式会社製、固形分:35%)57.2部をポリアリルアミン塩酸塩(商品名:PAA−HCL−10L、ニットーボーメディカル株式会社製、固形分:40%)50部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液16を調製した。
−−インク受容層塗布液17の調製例17−−
前記インク受容層塗布液2のうち、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名SC−100、ハイモ株式会社製、固形分:35%)57.2部をポリジアリルアミン塩酸塩(商品名:PAS−92、ニットーボーメディカル株式会社製、固形分:20%)100部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液17を調製した。
−−インク受容層塗布液18の調製例18−−
前記インク受容層塗布液2のうち、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名SC−100、ハイモ株式会社製、固形分:35%)57.2部をポリメチルジアリルアミン塩酸塩(商品名:PAS−M−1、ニットーボーメディカル株式会社製、固形分:50%)40部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液18を調製した。
−−インク受容層塗布液19の調製例19−−
前記インク受容層塗布液2のうち、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:SC−100、ハイモ株式会社製、固形分:35%)57.2部をポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:シャロールDC−902P、第一工業製薬株式会社製、固形分:51%)39.3部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液19を調製した。
−−インク受容層塗布液20の調製例20−−
前記インク受容層塗布液2のうち、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:SC−100、ハイモ株式会社製、固形分:35%)57.2部をポリジアリルアミンエピクロルヒドリン(商品名:ユニセンスKHE105L、センカ株式会社製、固形分:54%)37.1部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液20を調製した。
−−インク受容層塗布液21の調製例21−−
前記インク受容層塗布液1のうち、無機粒子分散液A液500部を無機粒子分散液E液500部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液1と同様にしてインク受容層塗布液21を調製した。
−−インク受容層塗布液22の調製例22−−
前記インク受容層塗布液2のうち、シラノール変性ポリビニルアルコール35部、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:SC−100、ハイモ株式会社製、固形分:35%)57.2部、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)17.9部を、シラノール変性ポリビニルアルコール50部、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:SC−100、ハイモ株式会社製、固形分:35%)85.8部、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)53.6部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液22を調製した。
−−インク受容層塗布液23の調製例23−−
前記インク受容層塗布液2のうち、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製)17.9部をエチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製)0部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液23を調製した。
−−インク受容層塗布液24の調製例24−−
前記インク受容層塗布液2のうち、エチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)17.9部をエチレン酢ビエマルジョンA(商品名:スミカフレックス455HQ、住化ケムテックス株式会社製、固形分:56%)5.36部に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液24を調製した。
−−インク受容層塗布液25の調製例25−−
前記インク受容層塗布液2のうち、シラノール変性ポリビニルアルコール35部、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:SC−100、ハイモ株式会社製、固形分:35%)57.2部をシラノール変性ポリビニルアルコール20部、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:SC−100、ハイモ株式会社製、固形分:35%)28.6部、に変更した以外は、前記インク受容層塗布液2と同様にしてインク受容層塗布液25を調製した。
(実施例1)
−両面記録媒体の作製−
市販の上質紙(商品名:npi上質、日本製紙株式会社製、坪量81.4g/m)の表面に、前記下塗り層塗布液を乾燥付着量が2g/mとなるように塗布し、乾燥して下塗り層を形成した。前記下塗り層上に、前記感熱記録層塗布液を乾燥付着量が6g/mとなるように塗布し、乾燥して感熱記録層を形成した。前記感熱記録層上に、前記保護層塗布液1を、乾燥付着量が2g/mとなるように塗布し、乾燥して保護層を形成した。次に、前記上質紙の感熱記録層を有しない側の面上に、前記インク受容層塗布液1を乾燥付着量が4.5g/mとなるように塗布し、乾燥してインク受容層を形成した。
次に、前記支持体の前記感熱記録層を有する側の面上が王研式平滑度1,500秒〜2,500秒になるように保護層に金属ロールが、インク受容層には樹脂ロールが接するようにしてスーパーカレンダー処理を行った。以上により、実施例1の両面記録媒体を作製した。
(実施例2〜33及び比較例1〜5)
実施例2〜33及び比較例1〜5について、表6に記載の保護層塗布液、及びインク受容層塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして、両面記録媒体を作製した。
次に、作製した実施例1〜33、及び比較例1〜5の両面記録媒体について、下記の評価を行った。
<評価方法>
(1)版汚れの評価
−無機粒子の転写量−
保護層表面とインク受容層表面を重ね合わせ、加圧試験機で5kgf/cmの加重をかけて70℃環境下で6時間保管した。保管後、保護層表面の無機粒子の転写量を、蛍光X線分析装置を用いて計測し、保管試験後の値から保管試験前の値を差し引いて求めた。なお、数値単位はkcpsであり、数値が少ない程、保護層表面への無機粒子の転写量が少ないため、表面のオフセット印刷における版汚れの発生が少ない。また、無機粒子の転写量が、40kcps以下が実用上問題無いレベルである。
蛍光X線分析装置:理学電気工業株式会社製 ZSX Primus II)
検出元素:インク受容層の無機粒子元素(本実施例ではSi)
分析情報:強度測定
結果を表6の「無機粒子の転写量」に示した。
−版汚れ−
サンプルをロール形態で30℃、14日間保管した後、感熱記録層表面をオフセット印刷機(商品名:ダイヤ3H−4、三菱重工業株式会社製)でYMCK4色を用いた全面印刷画像を7,000m連続して印刷し、印刷後の版に付着した汚れ及び記録画像を目視で確認して、下記評価基準に基づき、「版汚れ」を評価した。結果を表6の「版汚れ」に示した。「◎」〜「△」であれば実用上問題のないレベルである。
−評価基準−
◎:版汚れが全く無く、記録画像が正常に印刷されている
○:版汚れがほとんど無く、記録画像が正常に印刷されている
△:版汚れが僅かにあるが、記録画像が正常に印刷されている
×:版汚れが酷く、実用性に欠け、記録画像がかすれる
(2)感熱記録層の評価
(耐可塑剤性)
熱傾斜試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、前記支持体の感熱記録層を有する側の面上から、マクベス反射濃度計(商品名:RD−914、マクベス社製)で画像濃度が1.30になるように熱ブロックで印字し、印字物を得た。その後、得られた印字物の印字面に可塑剤を含む塩ビラップ(商品名:ポリマラップ、信越ポリマー株式会社製)を貼り合わせ40℃で15時間放置し、前記放置後の印字面の画像濃度をマクベス反射濃度計(商品名:RD−914、マクベス社製)にて測定した。試験後の画像濃度が高いほど、耐可塑剤性が高く、画像信頼性に優れる。結果を表6の「耐可塑剤性」に示した。前記画像濃度が、1.0以上であれば実用上問題のないレベルである。
(ヘッドマッチング性(耐スティッキング性))
各両面記録媒体、及びサーマルプリンター(商品名:L’esprit R−12、サトー株式会社製)を5℃、35%RHの低温低湿環境下に1時間放置して調温・調湿した後、各感熱記録層に幅8cm×長さ8cmの全面黒ベタ発色印字の印字パターンを印字した。前記印字の印字長は、サーマルプリンターによって前記印字パターンを印字した際の印字開始部から印字終了部までの印字の長さであり、耐スティッキング性が優れている場合は、前記印字パターンが正確に印字される。一方、耐スティッキング性が劣る場合は、両面記録媒体の同一部分に重複して印字されるため、印字パターンが正確に印字されない。また、目視による印字品質確認も実施し、下記の基準により、低温低湿環境下での「ヘッドマッチング性」の評価を行った。但し、下記評価基準において、4以上が、市場において使用可能である。結果を表6の低温低湿環境下での「ヘッドマッチング性」に示した。
−評価基準−
5:スティッキングは発生しない
4:スティッキングは発生するが、品質には問題がない
3:スティッキングが発生し、品質に問題がある
2:うまく搬送されず、スティッキングが発生する
1:全く搬送されない
(3)インク受容層の評価
(記録画像の乾燥性)
作製した各両面記録媒体について、市販のインクジェットプリンター(商品名:MG−6330、キヤノン株式会社製)を用いて、インク受容層に、用紙種類:普通紙、印刷設定:標準の条件で、縦5cm×横5cmの黒ベタ(印字率100%)画像の印字を行い、記録画像を得た。得られた記録画像の印字部のインク吸収性を目視により観察し、下記基準で「記録画像の乾燥性」を評価した。記録画像の乾燥性は1〜5の数値で表した。前記記録画像の乾燥性が1であると、インクの吸収性が最も悪いことを表し、前記数値が大きくなるほど良好となり、5はインクの吸収性が最良なことを示す。3以上であれば実用上問題ないレベルである。結果を表6の「記録画像の乾燥性」に示した。
(画像濃度)
上記で得られた前記記録画像の画像濃度を、マクベス反射濃度計(商品名:RD−914、マクベス社製)で測定し、下記基準で「画像濃度」を評価した。前記画像濃度が高い程印字品質が高く、1.50以上が実用上問題ないレベルである。結果を表6の「画像濃度」に示した。
(接着強度)
各両面記録媒体におけるインク受容層に、粘着テープ(商品名:セロテープ(登録商標)、ニチバン株式会社製)を貼り、しっかりと圧着した後、ゆっくり剥がし、インク受容層の剥離状態を観察し、インク受容層と支持体との「接着強度」を1〜5の数値で評価した。前記数値が大きいほど良好な特性を示し、5は全く剥がれないことを示す。3以上で実用上問題無い。一方、2以下の場合、インク受容層の耐ピッキング性が低いため、オフセット印刷時の版汚れが発生しやすくなる。結果を表6の「接着強度」に示した。
(耐水性)
作製した両面記録媒体を、20℃の水に10分間浸漬した後、取り出してインク受容層を指で10回擦り、インク受容層の剥がれを目視により観察し、下記評価基準に基づき、インク受容層の「耐水性」を評価した。評価が「○」であれば、実用上問題無いレベルである。「△」、及び「×」の場合、インク受容層が湿し水へ溶解やすくなり、オフセット印刷の版汚れが発生しやすくなる。結果を表6の「耐水性」に示した。
−評価基準−
○:インク受容層の剥がれ無し
△:インク受容層の一部剥がれ有り
×:インク受容層の全面剥がれ有り
Figure 0006405794
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表6から明らかなように、各実施例の場合、ロール形態で保管した場合でも、感熱記録層にオフセット印刷した場合でも版汚れが少ないことが分かる。
これに対して、比較例1〜5において、無機粒子の転写量が多く、版汚れが発生していることが分かる。さらに、インク受容層に含有される無機粒子の平均二次粒子径が8μm未満である比較例1において、記録画像の乾燥性が低く、かつインク受容層の接着強度が低いことが分かる。また、保護層に含有される顔料の固形分含有量を結着剤100質量部に対し110質量部未満である比較例3においては、低温低湿環境下でのヘッドマッチング性に劣ることが分かる。さらに、合成樹脂の固形分含有量が無機粒子100質量部に対して、5質量部未満である比較例4及び5においては、耐水性が著しく低下することが分かる。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 支持体と、前記支持体上に、感熱記録層と、保護層とをこの順に有し、前記支持体の感熱記録層を有さない側の面上に、インク受容層とを有してなり、
前記保護層が、水酸化アルミニウム及び炭酸カルシウムから選択される少なくとも1種を含む顔料、並びに結着剤を含有し、
前記顔料の含有量が、前記結着剤100質量部に対して、110質量部以上であり、
前記インク受容層が、平均二次粒子径8μm以上である無機粒子、及び合成樹脂を含むポリマー、を含有し、
前記合成樹脂の固形分含有量が、前記無機粒子100質量部に対して、5質量部以上であり、
ロール形態であることを特徴とする両面記録媒体である。
<2> 前記インク受容層が、ポリマーとして、ポリビニルアルコール、及び水溶性カチオン性ポリマーを更に含有し、
前記ポリマーの固形分合計含有量が、無機粒子100質量部に対して、100質量部以下である前記<1>に記載の両面記録媒体である。
<3> 前記顔料の含有量が、前記結着剤100質量部に対して、200質量部以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の両面記録媒体である。
<4> 前記無機粒子が、シリカであり、
前記無機粒子の平均二次粒子径が、9μm以上である前記<1>から<3>のいずれかに記載の両面記録媒体である。
<5> 前記顔料の含有量が、前記結着剤100質量部に対して、150質量部以上200質量部以下であり、
前記ポリマーの固形分合計含有量が、無機粒子100質量部に対して、65質量部以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の両面記録媒体である。
<6> 前記保護層が、滑剤を含有し、
前記滑剤が、モンタン酸エステルワックス、及び酸化ポリエチレンワックスの少なくともいずれかである前記<1>から<5>のいずれかに記載の両面記録媒体である。
<7> 前記滑剤の含有量が、前記結着剤100質量部に対して、100質量部以下である前記<6>に記載の両面記録媒体である。
特開2001−30632号公報 特開2002−292998号公報

Claims (7)

  1. 支持体と、前記支持体上に、感熱記録層と、保護層とをこの順に有し、前記支持体の感熱記録層を有さない側の面上に、インク受容層とを有してなり、
    前記保護層が、水酸化アルミニウム及び炭酸カルシウムから選択される少なくとも1種を含む顔料、並びに結着剤を含有し、
    前記顔料の含有量が、前記結着剤100質量部に対して、110質量部以上であり、
    前記インク受容層が、平均二次粒子径8μm以上である無機粒子、及び合成樹脂を含むポリマー、を含有し、
    前記合成樹脂の固形分含有量が、前記無機粒子100質量部に対して、5質量部以上であり、
    ロール形態であることを特徴とする両面記録媒体。
  2. 前記インク受容層が、ポリマーとして、ポリビニルアルコール、及び水溶性カチオン性ポリマーを更に含有し、
    前記ポリマーの固形分合計含有量が、無機粒子100質量部に対して、100質量部以下である請求項1に記載の両面記録媒体。
  3. 前記顔料の含有量が、前記結着剤100質量部に対して、200質量部以下である請求項1から2のいずれかに記載の両面記録媒体。
  4. 前記無機粒子が、シリカであり、
    前記無機粒子の平均二次粒子径が、9μm以上である請求項1から3のいずれかに記載の両面記録媒体。
  5. 前記顔料の含有量が、前記結着剤100質量部に対して、150質量部以上200質量部以下であり、
    前記ポリマーの固形分合計含有量が、無機粒子100質量部に対して、65質量部以下である請求項1から4のいずれかに記載の両面記録媒体。
  6. 前記保護層が、滑剤を含有し、
    前記滑剤が、モンタン酸エステルワックス、及び酸化ポリエチレンワックスの少なくともいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の両面記録媒体。
  7. 前記滑剤の含有量が、前記結着剤100質量部に対して、100質量部以下である請求項6に記載の両面記録媒体。
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