JP7091158B2 - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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本発明は、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
近年、インクジェット記録装置は、オフィス印刷や商業印刷分野での利用が増加しつつある。そして、インクジェット記録装置に対しては記録速度のさらなる高速化が要求されている。記録速度を向上させるには、従来のシリアル方式の記録ヘッドを利用して行うマルチパス記録方法よりも、ライン型の記録ヘッド(ラインヘッド)を使用し、いわゆる1パスで画像を記録するインクジェット記録方法が有利である。
但し、ラインヘッドは、装置の構成上、あるノズルからの吐出が休止している期間や、吐出頻度の低いノズルからの回復処理を行いにくいといった特性がある。特に、吐出頻度の低いノズルがあっても、インクの増粘による吐出性の低下を予防するための予備吐出動作を行いにくい場合がある。
一方、ラインヘッドを使用して1パスで画像を記録する場合、ノズルごとの吐出量の違いが画質に影響を及ぼしやすいため、インクの吐出安定性をこれまで以上に向上させる必要がある。例えば、ノズル内での異物の滞留を抑制すべく、吐出口近傍でインクを流動させる機構を備えたプリントヘッドが提案されている(特許文献1)。また、インクを循環させる機構を備えた記録ヘッドから、増粘剤などを含有するとともに、高剪断速度での粘度低下を抑制したインクを吐出することが提案されている(特許文献2)。
特開2007-118611号公報 特開2011-132536号公報
本発明者らは、記録速度のさらなる高速化を目的とし、特許文献1で提案された、吐出口近傍でインクを流動させる機構を採用したラインヘッドを使用し、1パスで画像を記録することについて検討した。その結果、インクの吐出安定性が向上しうることがわかった。しかし、特許文献1で提案された機構を採用したラインヘッドを用いた場合であっても、長期間にわたってインクを吐出して記録した場合には、画像にスジ状のムラが発生する場合があるといった新たな課題が生ずることを見出した。また、特許文献2で提案された構成によれば、粘度の調整やインクの循環により吐出バラツキは軽減され、間欠吐出安定性も向上しうることがわかった。しかし、長期間にわたってインクを吐出して記録した場合には、画像にはスジ状のムラが発生することが判明した。
したがって、本発明の目的は、ムラの発生が低減された高品質な画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、このインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、インクを吐出する吐出口と、前記インクを吐出するためのエネルギーを発生する吐出素子と、前記吐出口と前記吐出素子の間で連通してその内部に前記インクが流通する第1流路及び第2流路と、を具備する記録ヘッドから前記インクを吐出して画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記吐出口から前記インクを吐出する吐出工程と、前記吐出工程とは別の、前記第1流路内の前記インクを前記第2流路へと流動させる流動工程と、を有し、前記インクが、顔料、及びエチレンオキサイド基を有する化合物を含有する水性インクであり、前記エチレンオキサイド基を有する化合物が、下記の、化合物A、化合物B、及び化合物Cからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするインクジェット記録方法が提供される。
化合物A:3価以上の多価アルコールにXモルのエチレンオキサイド基及びYモルのプロピレンオキサイド基が付加した、{X/(X+Y)}×100(%)の値が5%以上45%以下の多価アルコール誘導体
化合物B:数平均分子量600以上4,000以下のポリエチレングリコール(但し、前記インク中の前記化合物Bの含有量(質量%)は、前記顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上である)
化合物C:炭化水素基の炭素数が12以上のポリオキシエチレンアルキルエーテル
本発明によれば、ムラの発生が低減された高品質な画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供することができる。また、本発明によれば、このインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置を提供することができる。
記録ヘッドの一例を示す模式図である。 記録ヘッド内におけるインクの流動状態を説明する模式図である。 ラインヘッドの一例を示す斜視図である。 吐出素子基板の断面を示す斜視図である。 インクジェット記録装置の主要部を示す斜視図である。 インクの供給系を示す模式図である。 吐出口近傍におけるインクの流動状態を説明する模式図である。 ラインヘッドの一例を部分的に示す断面図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。第1流路及び第2流路を、まとめて「流路」と記載することがある。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。
<インクジェット記録方法、インクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録装置は、インクを吐出する吐出口と、インクを吐出するためのエネルギーを発生する吐出素子と、吐出口と吐出素子の間で連通してその内部にインクが流通する第1流路及び第2流路と、を具備する記録ヘッドを備える。さらに、本発明のインクジェット記録装置は、吐出素子とは別の、第1流路内のインクを第2流路へと流動させる流動手段を備える。また、本発明のインクジェット記録方法は、例えば、上記のインクジェット記録装置を使用し、上記の記録ヘッドからインクを吐出して画像を記録する方法である。すなわち、本発明のインクジェット記録方法は、吐出口からインクを吐出する吐出工程と、吐出工程とは別の、第1流路内のインクを第2流路へと流動させる流動工程と、を有する。
インクの吐出頻度の低い吐出口からは、インクが吐出されていない間に水分が蒸発し、インクが増粘する。これが、インクの吐出安定性が低下する要因の一つである。シリアルヘッドなどの従来の記録ヘッドと比べて、ラインヘッドは、吐出口の回復処理である予備吐出動作を行いにくいため、吐出口からの水分蒸発を抑制する工夫を施す必要がある。そこで、本発明者らは、特許文献1で提案された流動機構を採用したラインヘッドや、特許文献2で提案されたインクと循環機構について検討した。その結果、インクを流動させない場合に比べて、インクの吐出安定性は向上したが、そのレベルは十分であるとは言えなかった。特許文献1及び2で提案されているように、インクを流動させると吐出口近傍に新しいインクが次々と供給されるため、吐出口から水分が蒸発しやすくなる。その結果、吐出口近傍のインクが増粘しやすくなって、インクの吐出安定性がさほど向上しなかったと推測される。
本発明者らは、吐出口近傍におけるインクの増粘を抑制する手法について詳細に検討した。その結果、図1に示すようなインクの流れ(以下、「循環流」とも記す)が生ずる記録ヘッドを用いることで、吐出口近傍のインクの蒸発及び増粘を有効に抑制することが可能となり、インクの吐出安定性が向上しうることがわかった。
図1は、記録ヘッドの一例を示す模式図である。図1に示す記録ヘッドは、インクを吐出する吐出口1と、インクを吐出するためのエネルギーを発生する吐出素子4と、吐出口1と吐出素子4の間で連通してその内部にインクが流通する第1流路17及び第2流路18と、を備える。インクは、吐出口1と吐出素子4の間を通って、第1流路17から第2流路18(図1中の矢印の方向)へと流動している。インクが流動していないと、吐出口1のメニスカスからの水分蒸発が進行し、これに伴って吐出口1と吐出素子4の間に存在するインクが徐々に増粘する。このため、吐出休止時間が長い場合、次の吐出動作の際に、インクの流体抵抗が増大して吐出しづらくなる場合がある。これに対して、図1中の矢印の方向へとインクが流動していると、メニスカスから水分が蒸発しても、循環流により吐出口1と吐出素子4の間にインクが次々と供給されるので、インクの増粘が抑制され、吐出しづらい状態を生じにくくすることができる。
次に、本発明者らは、図1に示すような循環流を生じさせるラインヘッドの吐出口から長期間にわたってインクを吐出させて画像を記録した。その結果、記録枚数の増加に伴い、画像にムラが発生するといった新たな課題が生ずることがわかった。画像にムラが発生する理由について詳細に調べたところ、以下のような現象が生じていることが判明した。
図2は、記録ヘッド内におけるインクの流動状態を説明する模式図である。長期間にわたってインクを吐出させた記録ヘッドの吐出口からのインクの吐出量を測定したところ、(a-1)及び(a-2)に示すように、吐出量がほとんど変動していない吐出口1aと、吐出量が変動した吐出口1bがあることがわかった。そして、画像にムラが発生している部分は、吐出量が変動した吐出口1bと一致していた。以上より、吐出口1a、1bごとのインクの吐出量の違いによって、記録媒体に形成されるインクドット30の径に違いが生じ、画像ムラとして認識されることが判明した。
そこで、本発明者らは、吐出口ごとにインクの吐出量が変動する要因について検討した。その結果、この変動は、他の吐出口と比較して吐出量が減少するものであることがわかった。さらに、吐出量が変動した吐出口は、吐出口近傍のインク温度が、他の吐出口近傍のインク温度よりも低下していたり、吐出口近傍のインク供給口やインク回収口が異物によって一部閉塞されていたりしていることがわかった。これにより、循環流の速度が低下した吐出口と、循環流の速度が低下していない吐出口とで、吐出口近傍に存在するインクの蒸発及び増粘の程度に微小な差が生じて吐出量が変動し、画像ムラが発生したものと推測される。
本発明者らは、インクを長期間吐出させることで、吐出口ごとの循環流の速度にバラつきが生じた場合であっても、画像ムラの発生を抑制する手法について検討した。具体的には、循環流の速度変化による吐出口ごとのインクの吐出量のバラつきを改善するために、吐出口近傍に存在するインクの粘度を循環流の速度に関わらず一定に保持することを検討した。その結果、エチレンオキサイド基を有する特定の化合物(詳細は後述する)をインクに含有させることで、循環流の速度にバラつきが生じた場合であっても、吐出口ごとのインクの吐出量のバラつきを抑制しうることを見出した。このような効果が得られる理由について、本発明者らは以下のように推測している。
循環流を生じさせる記録ヘッドは、吐出口近傍のインクの一部を第1流路(インク供給口)から第2流路(インク回収口)へと流し続けることで、吐出口近傍のインクの粘度を一定に維持している。循環流の速度が低下すると、図2(a-2)に示すように、インク回収口へと流れるインクの量が減少して吐出口1b近傍にインクが滞留し、蒸発及び濃縮を繰り返して増粘する。すなわち、吐出口ごとの循環流の速度が異なると、吐出口近傍のインクに粘度差が生じてしまい、吐出量に差が発生することになる。エチレンオキサイド基を有する特定の化合物は、その分子構造上、水分を抱え込みやすい。吐出口近傍にインクが滞留しやすくなった場合であっても、エチレンオキサイド基を有する特定の化合物が存在していれば、インクが流動している部分から吐出口近傍へと水分を取り込むことができる。循環流の速度が低下すると、吐出口からの水分蒸発量が増加するが、蒸発した分の水分をインクが流動している部分から絶えず取り込むことができる。このため、図2(b-1)及び(b-2)に示すように、循環流の速度にバラつきが生じた場合であっても、吐出口1c、1d近傍のインクの粘度を一定範囲内に制御することができ、循環流の速度に影響されにくいインク層20が形成される。これにより、吐出口ごとのインクの吐出量の変動が抑制され、記録媒体に形成されるインクドット30の径のバラつきを解消して画像ムラの発生を抑制することができると考えられる。
図3は、ラインヘッドの一例を示す斜視図である。図3に示すように、ラインヘッド11には、吐出口列が配置された吐出素子基板10が直線状に配列されている。吐出素子基板10には、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラック(CMYK)の各インクに対応する吐出口列が配列されている。
図4は、吐出素子基板の断面を示す斜視図である。図4に示すように、吐出素子基板10は、吐出口1が形成された吐出口形成部材5と、吐出素子(不図示)が配設された基板3とを備える。吐出口形成部材5と基板3が積層されることで、インクが流動する第1流路17及び第2流路18が形成される。第1流路17は、流入路6中のインクが流入する流入口8から、吐出口1と吐出素子の間の部分までの領域である。また、第2流路18は、吐出口1と吐出素子との間の部分から、流出路7へとインクが流出する流出口9までの領域である。例えば、圧力の高い流入口8と圧力の低い流出口9といったように、流入口8と流出口9との間に圧力差を持たせれば、圧力の高い方から低い方へ(図4中の矢印の方向へ)とインクを流動させることができる。流入路6及び流入口8を通ったインクは、第1流路17内に入る。そして、吐出口1と吐出素子との間の部分を通ったインクは、第2流路18及び流出口9を通って、流出路7へと流れる。
第1流路内のインクを第2流路へと流動させる流動工程は、吐出口からインクを吐出する吐出工程とは別の工程(異なる工程)である。また、流動工程における第1流路から第2流路へのインクの流動は、吐出口と吐出素子の間へのインクの充填とは別に行うことが好ましい。流動工程は、吐出口からインクを排出することなく、第1流路内のインクを第2流路へと流動させる工程であることが好ましい。吐出口からのインクの排出には、予備吐出や吸引などの回復動作が含まれる。記録ヘッドの回復動作の際には、第1流路から第2流路へのインクの流動は停止させてもよい。さらに、流動工程では、吐出素子とは別の流動手段によって、第1流路から第2流路へとインクを流動させることが好ましい。
以下、熱エネルギーを発生する吐出素子を利用し、気泡を発生させてインクを吐出するサーマル方式の記録ヘッドを例に挙げて、本発明のインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置のさらなる詳細について説明する。但し、ピエゾ方式の記録ヘッドや、その他の吐出方式が採用された記録ヘッドであっても、本発明のインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に適用することができる。ここでは、インク収容部と記録ヘッドの間でインクを循環させる形態を例に挙げて説明するが、それ以外の形態であってもよい。例えば、記録ヘッドの上流側と下流側に2つのインク収容部を設け、一方のインク収容部から他方のインク収容部へとインクを流動させる形態であってもよい。さらに、CMYKの4色のインクを吐出可能な吐出素子基板が直線状に配列されたラインヘッドを例に挙げて説明するが、4色のインクにそれぞれ対応する吐出素子基板を設けたラインヘッドを用いることもできる。また、ラインヘッド以外の記録ヘッドとして、走査させながら画像を記録するシリアルヘッドを用いることもできる。本発明では、サーマル方式でインクを吐出するラインヘッドを用いることが特に好ましい。
図5は、インクジェット記録装置の主要部を示す斜視図である。図5に示すインクジェット記録装置1000は、記録媒体15を搬送する搬送部16と、記録媒体の搬送方向と直交して配置されるラインヘッド11とを備える。インクジェット記録装置1000は、複数の記録媒体15を連続して、又は間欠的に搬送しながら画像を記録するラインヘッド11を備える。記録媒体15としては、カット紙だけでなくロール紙を用いることもできる。記録媒体としては、どのようなものを用いてもよい。なかでも、普通紙や非コート紙などのコート層を有しない記録媒体、及び、光沢紙やアート紙などのコート層を有する記録媒体のような、浸透性を有する紙を用いることが好ましい。
流動工程では、インクを連続的に流動させる又は間欠的に流動させることが好ましい。以下、インクを連続的に流動させる方法、及びインクを間欠的に流動させる方法の詳細について説明する。まず、図6を参照しつつ、インクを連続的に流動させる方法について説明する。図6は、インクの供給系を示す模式図である。図6に示すラインヘッド11は、第1循環ポンプ(高圧側)1001、第1循環ポンプ(低圧側)1002、バッファタンク1003、及び第2循環ポンプ1004などに接続されている。説明を簡略化するために、図6では1色のインクが流動する経路のみを示しているが、実際にはCMYKの4色分の流動経路がラインヘッド11にそれぞれ設けられている。
インク収容部であるメインタンク1006に接続されるバッファタンク1003は、大気連通口(不図示)を有しており、インク中の気泡を外部に排出することが可能である。バッファタンク1003は、補充ポンプ1005にも接続されている。画像の記録や吸引回復など、吐出口からインクを吐出(排出)することにより、ラインヘッド11でインクが消費される。補充ポンプ1005は、消費量に対応する量のインクをメインタンク1006からバッファタンク1003へと移送する。
第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002は、液体接続部111から流出させたラインヘッド11内のインクを、バッファタンク1003へと流す。第1循環ポンプとしては、定量的な送液能力を有する容積型ポンプを用いることが好ましい。このような容積型ポンプの具体例としては、チューブポンプ、ギアポンプ、ダイヤフラムポンプ、シリンジポンプなどを挙げることができる。吐出ユニット300の駆動時には、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002によって、共通流入路211及び共通流出路212内にインクを流動させることができる。
負圧制御ユニット230は、相互に異なる制御圧が設定された2つの圧力調整機構を備える。圧力調整機構(高圧側)H及び圧力調整機構(低圧側)Lは、それぞれ、インクから異物を取り除くフィルタ221を設けた供給ユニット220を経由して、吐出ユニット300内の共通流入路211及び共通流出路212に接続されている。吐出ユニット300には、共通流入路211、共通流出路212、並びに吐出素子基板10と連通する流入路6及び流出路7が設けられている。流入路6及び流出路7は、共通流入路211及び共通流出路212と連通しているため、共通流入路211から吐出素子基板10の内部流路を通過して共通流出路212へとインクの一部が流れる流れ(図6中の矢印)が発生する。吐出素子基板10の内部流路におけるインクの流れは、図4中の矢印で示されている。すなわち、図4に示すように、第1流路17内のインクは、吐出口1と吐出素子の間を通って第2流路18へと流動する。
図6に示すように、共通流入路211には圧力調整機構Hが接続されているとともに、共通流出路212には圧力調整機構Lが接続されているため、流入路6と流出路7の間には圧力差が生じている。これにより、流入路6と連通する流入口8(図4)と、流出路7と連通する流出口9(図4)との間にも、圧力差が生じている。流入口と流出口の圧力差によりインクを流動させる場合、インクの流速(mm/s)は、0.1mm/s以上10.0mm/s以下に制御することが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法では、記録ヘッドの回復動作中にも、第1流路内のインクを第2流路へと流動させてもよい。記録ヘッドの回復動作中にインクが流動すると、定常的にインクが流動することになる。定常的にインクが流動すると水分が蒸発しやすくなり、循環するインクの濃度が上昇しやすくなる。インクの濃度上昇を抑制すべく、一定時間の経過によりインクに水を加える機構をインクジェット記録装置に設けることが好ましい。さらに、インクの濃度を検出する検出器をインクジェット記録装置に配設し、検知したインクの濃度上昇と連動させてインクに水を加えることが好ましい。
図7は、吐出口近傍におけるインクの流動状態を説明する模式図である。吐出口近傍におけるインクの流動状態は2種類に大別される。1つ目は、図7(a)に示すような、吐出口のメニスカス12の近傍に循環流が生じない流動状態である。2つ目は、図7(b)に示すような、吐出口のメニスカス12の近傍に循環流が生ずる流動状態である。流路内のインクの流速が同等であっても、メニスカス12の近傍におけるインクの流動状態は一定にならない場合がある。インクがいずれの流動状態になるのかは、流路内のインクの流速よりも、吐出口形成部材の厚さ(c)、流路の高さ(d)、及び吐出口の直径(e)に依存すると考えられる。例えば、流路の高さ(d)と吐出口の直径(e)が同等である場合、吐出口形成部材の厚さ(c)が大きいと、図7(b)に示すようにメニスカス12の近傍に循環流が生じやすくなる。
次いで、図8を参照しつつ、インクを間欠的に流動させる方法について説明する。図8は、ラインヘッドの一例を部分的に示す断面図である。図8に示すように、流入口210から流入したインクは、インクの流動手段である循環ポンプ206の作用によって矢印の方向へと流動し、流出口212から流出する。また、循環ポンプ206は、インクを間欠的に流動させることができるポンプである。このため、循環ポンプ206を駆動させることで、吐出口116と吐出素子216の間にインクを間欠的に流動させることができる。インクを間欠的に流動させる場合、インクの流速(m/s)は、1.0m/s以上10.0m/s以下に制御することが好ましい。
<インク>
本発明のインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置で用いるインクは、顔料、及びエチレンオキサイド基を有する化合物を含有するインクジェット用の水性インクである。以下、インクを構成する各成分やインクの物性について詳細に説明する。
(色材)
インクに含有させる色材としては、顔料を用いる。インク中の色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.50質量%以上15.00質量%以下であることが好ましく、1.00質量%以上10.00質量%以下であることがさらに好ましい。
顔料の具体例としては、カーボンブラック、酸化チタンなどの無機顔料;アゾ、フタロシアニン、キナクリドン、イソインドリノン、イミダゾロン、ジケトピロロピロール、ジオキサジンなどの有機顔料を挙げることができる。
顔料の分散方式としては、分散剤として樹脂を用いた樹脂分散顔料や、顔料の粒子表面に親水性基が結合している自己分散顔料などを用いることができる。また、顔料の粒子表面に樹脂を含む有機基を化学的に結合させた樹脂結合型顔料や、顔料の粒子の表面を樹脂などで被覆したマイクロカプセル顔料などを用いることができる。
顔料を水性媒体中に分散させるための樹脂分散剤としては、アニオン性基の作用によって顔料を水性媒体中に分散させうるものを用いることが好ましい。樹脂分散剤としては、後述するような樹脂、なかでも水溶性樹脂を用いることができる。インク中の顔料の含有量(質量%)は、樹脂分散剤の含有量に対する質量比率で、0.3倍以上10.0倍以下であることが好ましい。
自己分散顔料としては、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基などのアニオン性基が、顔料の粒子表面に直接又は他の原子団(-R-)を介して結合しているものを用いることができる。アニオン性基は、酸型及び塩型のいずれであってもよく、塩型である場合は、その一部が解離した状態及び全てが解離した状態のいずれであってもよい。アニオン性基が塩型である場合において、カウンターイオンとなるカチオンとしては、アルカリ金属カチオン、アンモニウム、有機アンモニウムなどを挙げることができる。他の原子団(-R-)の具体例としては、炭素原子数1乃至12の直鎖又は分岐のアルキレン基;フェニレン基やナフチレン基などのアリーレン基;カルボニル基;イミノ基;アミド基;スルホニル基;エステル基;エーテル基などを挙げることができる。また、これらの基を組み合わせた基であってもよい。
顔料が樹脂分散顔料である場合には、後述するエチレンオキサイド基を有する化合物は、化合物A及び化合物Bの少なくとも一方であることが好ましい。樹脂分散顔料の場合、高分子量の樹脂が顔料の粒子表面に樹脂分散剤として吸着しているため、化合物A及び化合物Bのような界面活性能が比較的弱い化合物は、樹脂分散剤と三次元ネットワークを形成することができる。これにより、循環流の速度に影響されにくいインク層が効率よく形成され、画像ムラの発生をさらに抑制することができる。
顔料が自己分散顔料である場合には、後述するエチレンオキサイド基を有する化合物は、化合物Cであることが好ましい。樹脂分散顔料と比較して、自己分散顔料は疎水性の高い顔料の粒子表面が多く露出している。このため、化合物Cのような界面活性能が強い化合物は、顔料に素早く配向することができる。これにより、循環流の速度に影響されにくいインク層が効率よく形成され、画像ムラの発生をさらに抑制することができる。
(エチレンオキサイド基を有する化合物)
本発明のインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置で用いるインクは、エチレンオキサイド基を有する化合物を含有する。インク中のエチレンオキサイド基を有する化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.01質量%以上30.00質量%以下であることが好ましく、0.10質量%以上15.00質量%以下であることがさらに好ましい。
エチレンオキサイド基を有する化合物は、以下に示す化合物A、化合物B、及び化合物Cからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
化合物A:3価以上の多価アルコールにXモルのエチレンオキサイド基及びYモルのプロピレンオキサイド基が付加した、{X/(X+Y)}×100(%)の値が5%以上45%以下の多価アルコール誘導体
化合物B:数平均分子量600以上4,000以下のポリエチレングリコール(但し、インク中の化合物Bの含有量(質量%)は、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上である)
化合物C:炭化水素基の炭素数が12以上のポリオキシエチレンアルキルエーテル
[化合物A]
化合物Aは、3価以上の多価アルコールにXモルのエチレンオキサイド基及びYモルのプロピレンオキサイド基が付加した多価アルコール誘導体である。そして、化合物Aの{X/(X+Y)}×100(%)の値は、5%以上45%以下である。
多価アルコール誘導体(化合物(A))は、3価以上の多価アルコールのヒドロキシ基の水素原子を除く部分に、エチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基が付加した構造を有する、アルキレンオキサイド変性多価アルコール化合物である。化合物Aは、分岐構造を有する化合物である。このため、化合物Aはインク中に存在する化合物の親水性基との間で水素結合して架橋構造を形成しやすい。また、疎水性基であるプロピレンオキサイド基が顔料に対して緩く作用することで、吐出口近傍において顔料とともに循環流の速度に影響されにくいインク層を形成する。
多価アルコール誘導体は、下記一般式(1)で表される構造を有する。
Figure 0007091158000001
一般式(1)中、Lは、ヒドロキシ基以外のアルコール残基を表す。Rは、それぞれ独立に、エチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基を表す。nは、3以上の整数であり、アルキレンオキサイド基の数を意味する。多価アルコール誘導体1分子中の合計のnの値は、X+Yの値と等しい。mは、3以上の整数であり、多価アルコールの価数と等しい。一般式(1)中、Rで表されるエチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基は、ブロック構造であっても、ランダム構造であってもよい。Rで表されるエチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基のモル数や割合は、多価アルコール誘導体の1分子の全体に付加したエチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基のモル数の平均値として、複数のRに平均的に付加したものとして算出する。
エチレンオキサイド基は、-CH2CH2O-で表される。また、プロピレンオキサイド基は、-CH2CH(CH3)O-で表される。多価アルコール誘導体1分子中の、エチレンオキサイド基のモル数X及びプロピレンオキサイド基のモル数Yで表される、{X/(X+Y)}×100(%)の値は、5%以上45%以下であり、好ましくは10%以上30%以下である。{X/(X+Y)}×100(%)の値が5%未満であると、疎水性基であるプロピレンオキサイド基が多すぎて、顔料との相互作用が強くなりすぎるとともに、化合物と水分子との親和性も低くなりすぎるため、画像ムラの発生を抑制することができない。一方、{X/(X+Y)}×100(%)の値が45%超であっても、画像ムラの発生を抑制することができない。これは、親水性基であるエチレンオキサイド基が多すぎて、顔料との相互作用が弱くなりすぎるとともに、化合物の性質が水分子と類似していることから水と同様の挙動を示すようになり、循環流の速度に影響されにくいインク層が形成されなくなるためである。
多価アルコール誘導体の主骨格となる多価アルコールは、3価以上である。多価アルコールは10価以下であることが好ましく、3価以上6価以下であることがさらに好ましい。多価アルコールが3価未満であると、疎水性基による顔料への作用が不十分になるため、循環流の速度に影響されにくいインク層を形成することができず、画像ムラの発生を抑制することができない。
多価アルコールとしては、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、マンニトール、グリセリン、ポリグリセリン、オリゴ糖アルコール、パラチニット、トレイトール、アラビニトール、リビトール、イジトール、ボレミトール、ペルセイトール、オクチトール、ガラクチトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、及びこれらの縮合物などを挙げることができる。なかでも、ソルビトールが特に好ましい。ソルビトールを主骨格とする多価アルコール誘導体は、親水性及び疎水性のバランスがよいため、画像ムラを特に効果的に抑制することができる。
インク中の化合物Aの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.50質量%以上15.00質量%以下であることが好ましく、0.50質量%以上10.00質量%以下であることがさらに好ましい。また、インク中の化合物Aの含有量(質量%)は、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.20倍以上3.50倍以下であることがさらに好ましい。上記の質量比率が0.20倍未満であると、吐出口近傍のインク粘度の制御が若干難しくなり、画像ムラの抑制効果がやや低下することがある。一方、上記の質量比率が3.50倍超であると、インク粘度が高くなりすぎてしまうため、画像ムラの抑制効果がやや低下することがある。
化合物Aの分子量は、1,500以上25,000以下であることが好ましく、2,000以上15,000以下であることがさらに好ましく、3,000以上10,000以下であることが特に好ましい。なお、多価アルコール誘導体におけるエチレンオキサイド基やプロピレンオキサイド基のモル数は分布を有する場合がある。この場合、モル数の平均値を利用して分子量を算出することができる。
[化合物B]
化合物Bは、数平均分子量が600以上4,000以下のポリエチレングリコールである。エチレンオキサイド基を有する化合物として化合物Bを用いる場合、インク中の化合物Bの含有量(質量%)は、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上であることを要する。上記の質量比率が0.10倍未満であると、吐出口近傍のインクの粘度を好適な範囲に保持することができず、画像ムラの発生を抑制することができない。ポリエチレングリコールは、分子構造中に多くのエチレンオキサイド基を有するため、水分子との親和性が高いが、疎水性基をほとんど有しないため、メニスカスや顔料に対して選択的に作用しにくい。このため、顔料に対して一定量以上のポリエチレングリコールを含有させないと、循環流の速度に影響されにくいインク層が形成されず、画像ムラの発生を抑制することができないと考えられる。インク中の化合物Bの含有量(質量%)は、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、3.00倍以下であることが好ましい。上記の質量比率が3.00倍超であると、インクの粘度が高くなりすぎてしまい、画像ムラの抑制効果がやや低下することがある。
インク中の化合物Bの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上15.00質量%以下であることが好ましく、0.30質量%以上10.00質量%以下であることがさらに好ましい。
数平均分子量が600以上4,000以下のポリエチレングリコールは、粘度上昇を抑えながら、吐出口近傍に存在することができる。このため、数平均分子量が600以上4,000以下のポリエチレングリコールを化合物Bとして用いることで、画像ムラの抑制効果を得ることができる。ポリエチレングリコールの数平均分子量が600未満であると、分子量が小さすぎるために吐出口近傍に留まりにくくなる。このため、吐出口付近のインクの増粘を制御することが困難になり、画像ムラが発生しやすくなる。ポリエチレングリコールの数平均分子量が4,000超であると、インクの粘度が高くなりすぎて、画像ムラを抑制することができない。なかでも、数平均分子量600以上2,000以下のポリエチレングリコールを用いることが好ましい。
ポリエチレングリコールの数平均分子量は、以下の手順にしたがって測定及び算出することができる。測定対象となるポリエチレングリコール1g(0.1mgの桁まで秤量)を、共栓付きフラスコで正確に秤量した無水フタル酸ピリジン溶液25mLに入れ、共栓をして沸騰水浴中で2時間加熱した後、室温になるまで放置する。その後、0.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液50mL(正確に秤量する)及び滴定用フェノールフタレイン溶液10滴をフラスコに入れる。0.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液を用いてフラスコ内の液体を滴定し、液体が15秒間紅色を保つ点を終点とする。得られた滴定量M(mL)と、ポリエチレングリコールを用いないこと以外は、上記と同様に実施した空試験により得られた滴定量R(mL)とから、下記式にしたがってポリエチレングリコールの数平均分子量を算出することができる。
数平均分子量={(ポリエチレングリコールの量(g))×4,000}/{(M-R)×0.5(mol/L)}
[化合物C]
化合物Cは、炭化水素基の炭素数が12以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルである。化合物Cは、その分子中に、親水性基であるエチレンオキサイド基と、疎水性基である長鎖アルキル基とを、明確に分かれた状態で含んでいる。このため、吐出口近傍のインクが蒸発及び増粘した際には、化合物Cが顔料に対して効率よく配向し、吐出口近傍において顔料とともに循環流の速度に影響されにくいインク層を形成する。
炭化水素基の炭素数が12未満であると、親水性基の割合が多くなりすぎて親水的な分子挙動をするようになるため、界面活性剤としての性能が低下する。したがって、顔料に対して配向しにくくなり、循環流の速度に影響されにくいインク層が形成されず、画像ムラを抑制することができない。炭化水素基の炭素数は22以下であることが好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、R-O-(CH2CH2O)x-Hで表される化合物(界面活性剤)である。Rは、炭素数12以上の炭化水素基である。炭化水素基としては、括弧内に炭素数を示すと、例えば、ラウリル基(12)、ミリスチル基(14)、セチル基(16)、ステアリル基(18)、オレイル基(18)、リノレイル基(18)、ベヘニル基(22)などを挙げることができる。また、xはエチレンオキサイド基の付加モル数を示す整数であり、8以上100以下であることが好ましく、10以上50以下であることがさらに好ましい。
インク中の化合物Cの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.01質量%以上5.00質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上1.50質量%以下であることがさらに好ましい。また、インク中の化合物Cの含有量(質量%)は、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.02倍以上0.50倍以下であることが好ましい。上記の質量比率が0.02倍未満であると、吐出口近傍のインク粘度の制御が若干難しくなり、画像ムラの抑制効果がやや低下することがある。一方、上記の質量比率が0.50倍超であると、インクの表面張力が低下しやすく、画像の発色性が十分に得られない場合がある。
化合物Cのグリフィン法により求められるHLB値は、12.0以上であることが好ましい。HLB値が12.0未満であると、一分子中のエチレンオキサイド基の数が少ないため、水との親和性が若干弱くなる。このため、吐出口近傍のインク粘度の制御が若干困難になり、画像ムラの抑制効果がやや低下することがある。グリフィン法によるHLB値は、「HLB値=20×界面活性剤のエチレンオキサイド基の式量/界面活性剤の分子量」の式から算出することができる。グリフィン法により求められるHLB値は、界面活性剤(化合物)の親水性や親油性の程度を表す物性値であり、0.0乃至20.0の値をとる。HLB値が小さいほど親油性が高く、HLB値が大きいほど親水性が高い。
(樹脂)
インクには、樹脂を含有させることができる。インク中の樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上20.00質量%以下であることが好ましく、0.50質量%以上15.00質量%以下であることがさらに好ましい。
樹脂は、(i)顔料の分散状態を安定化させるため、すなわち、樹脂分散剤やその補助としてインクに添加することができる。また、(ii)記録される画像の各種特性を向上させるためにインクに添加することができる。樹脂の形態としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、及びこれらの組み合わせなどを挙げることができる。また、樹脂は、水性媒体に溶解しうる水溶性樹脂であってもよく、水性媒体中に分散する樹脂粒子であってもよい。樹脂粒子は、色材を内包する必要はない。
本明細書において「樹脂が水溶性である」とは、その樹脂を酸価と等モル量のアルカリで中和した場合に、動的光散乱法により粒子径を測定しうる粒子を形成しない状態で水性媒体中に存在することを意味する。樹脂が水溶性であるか否かについては、以下に示す方法にしたがって判断することができる。まず、酸価相当のアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)により中和された樹脂を含む液体(樹脂固形分:10質量%)を用意する。次いで、用意した液体を純水で10倍(体積基準)に希釈して試料溶液を調製する。そして、試料溶液中の樹脂の粒子径を動的光散乱法により測定した場合に、粒子径を有する粒子が測定されない場合に、その樹脂は水溶性であると判断することができる。この際の測定条件は、例えば、以下のようにすることができる。
[測定条件]
SetZero:30秒
測定回数:3回
測定時間:180秒
粒度分布測定装置としては、動的光散乱法による粒度分析計(例えば、商品名「UPA-EX150」、日機装製)などを使用することができる。勿論、使用する粒度分布測定装置や測定条件などは上記に限られるものではない。
水溶性樹脂の酸価は、100mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましい。樹脂粒子を構成する樹脂の酸価は、5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましい。水溶性樹脂の重量平均分子量は、3,000以上15,000以下であることが好ましい。樹脂粒子を構成する樹脂の重量平均分子量は、1,000以上2,000,000以下であることが好ましい。動的光散乱法により測定される樹脂粒子の体積平均粒子径は、100nm以上500nm以下であることが好ましい。
樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂などを挙げることができる。なかでも、アクリル系樹脂やウレタン系樹脂が好ましい。
アクリル系樹脂としては、親水性ユニット及び疎水性ユニットを構成ユニットとして有するものが好ましい。なかでも、(メタ)アクリル酸に由来する親水性ユニットと、芳香環を有するモノマー及び(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの少なくとも一方に由来する疎水性ユニットと、を有する樹脂が好ましい。特に、(メタ)アクリル酸に由来する親水性ユニットと、スチレン及びα-メチルスチレンの少なくとも一方のモノマーに由来する疎水性ユニットとを有する樹脂が好ましい。これらの樹脂は、顔料との相互作用が生じやすいため、顔料を分散させるための樹脂分散剤として好適に利用することができる。
親水性ユニットは、アニオン性基などの親水性基を有するユニットである。親水性ユニットは、例えば、親水性基を有する親水性モノマーを重合することで形成することができる。親水性基を有する親水性モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボン酸基を有する酸性モノマー、これらの酸性モノマーの無水物や塩などのアニオン性モノマーなどを挙げることができる。酸性モノマーの塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンを挙げることができる。疎水性ユニットは、アニオン性基などの親水性基を有しないユニットである。疎水性ユニットは、例えば、アニオン性基などの親水性基を有しない、疎水性モノマーを重合することで形成することができる。疎水性モノマーの具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、(メタ)アクリル酸ベンジルなどの芳香環を有するモノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマーなどを挙げることができる。
ウレタン系樹脂は、例えば、ポリイソシアネートと、それと反応する成分(ポリオールやポリアミン)とを反応させて得ることができる。また、架橋剤や鎖延長剤をさらに反応させたものであってもよい。
(水性媒体)
本発明のインクジェット記録方法で用いるインクは、水性媒体として少なくとも水を含有する水性のインクである。インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては、脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。水性インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.00質量%以上95.00質量%以下であることが好ましい。また、水性インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.00質量%以上50.00質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、アルコール類、化合物B以外の(ポリ)アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。
(その他添加剤)
インクには、上記成分以外にも必要に応じて、消泡剤、その他の界面活性剤、pH調整剤、粘度調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤など種々の添加剤を含有させてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液1)
酸価200mgKOH/g、重量平均分子量10,000のスチレン-アクリル酸共重合体(樹脂)を用意した。用意した樹脂を、その酸価と等モルの水酸化ナトリウムで中和するとともに、イオン交換水に溶解させ、樹脂(固形分)の含有量が20.0%である樹脂分散剤の水溶液を調製した。顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)15.0部、樹脂分散剤の水溶液30.0部、及び水55.0部の混合物をサンドグラインダーに入れて1時間分散した後、遠心分離処理して粗大粒子を除去した。ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過した後、適量のイオン交換水を加えて顔料分散液1を得た。得られた顔料分散液1の顔料の含有量は15.0%、樹脂分散剤の含有量は6.0%であった。
(顔料分散液2)
顔料の種類をC.I.ピグメントレッド122に変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が15.0%、樹脂分散剤の含有量が6.0%の顔料分散液2を得た。
(顔料分散液3)
顔料の種類をC.I.ピグメントイエロー74に変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が15.0%、樹脂分散剤の含有量が6.0%の顔料分散液3を得た。
(顔料分散液4)
顔料の種類をカーボンブラックに変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が15.0%、樹脂分散剤の含有量が6.0%の顔料分散液4を得た。
(顔料分散液5)
水5.5gに濃塩酸5.0gを溶かした溶液を5℃に冷却した状態とし、この状態で4-アミノフタル酸1.6gを加えた。この溶液の入った容器をアイスバスに入れ、撹拌して溶液の温度を10℃以下に保持しながら、5℃のイオン交換水9.0gに亜硝酸ナトリウム2.2gを溶かして得た溶液を加えた。15分間撹拌後、カーボンブラック(比表面積220m2/g、DBP吸油量105mL/100g)6.0gを撹拌下で加え、さらに15分間撹拌してスラリーを得た。得られたスラリーを(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過し、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させた。適量の水を添加して顔料の含有量を調整し、顔料の含有量が15.0%の顔料分散液5を得た。
<化合物A~Cの用意>
(化合物A)
表1に示す化合物を用意した。表1中、「m」及び「n」は、下記式(A)~(D)中の「m」及び「n」の値である。化合物A-15は、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル(商品名「サンニックスGP-250」、三洋化成工業製)である。
Figure 0007091158000002
表1中の化合物A(多価アルコール誘導体)の「構造」を以下に示す。
Figure 0007091158000003
(化合物B)
表2に示す化合物を用意した。化合物B-9は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(商品名「ニューポールPE-108」、エチレンオキサイド基85モル、プロピレンオキサイド基15モル、数平均分子量16,500、三洋化成工業製)である。
Figure 0007091158000004
(化合物C)
表3に示す化合物を用意した。化合物C-9は、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(炭化水素基の炭素数4、グリフィン法によるHLB値12.8)である。
Figure 0007091158000005
<インクの調製>
表4-1~4-3、5-1、5-2、6-1、及び6-2の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過して、各インクを調製した。「アセチレノールE60」は、川研ファインケミカル製の界面活性剤の商品名である。表4-1~4-3、5-1、5-2、6-1、及び6-2の下段には、インク中の各種の成分の含有量と質量比率を示した。
Figure 0007091158000006
Figure 0007091158000007
Figure 0007091158000008
Figure 0007091158000009
Figure 0007091158000010
Figure 0007091158000011
Figure 0007091158000012
<評価>
図5に示す主要部を有するインクジェット記録装置のインク収容部(不図示)に各インクを充填し、温度25℃、相対湿度10%の環境で、以下に示す各評価を行った。記録ヘッドとしては、図6に示す構成を有するライン型の記録ヘッドを使用した。この記録ヘッドは、1つのノズルにつき、吐出口と吐出素子の間で連通する第1流路及び第2流路を具備し、ポンプを利用して第1流路内のインクを第2流路へと流動させるものである。ノズル列1列当たりのノズル数は1024個、ノズル密度は600dpi、1ノズル当たりのインク吐出量は5ngである。以下の評価では、ノズル列を2列分使用し、1/600インチ×1/600インチの単位領域にインク滴を3滴付与する条件で、15インチ/秒の速度で記録媒体を搬送して画像を記録した。また、記録ヘッド内のインクの温度が40℃となるように加温した。
本発明においては、「画像ムラ」の点数と「発色性」の点数の合計(合計点数)が「7点」、「6点」、「5点」、及び「4点」を許容できるレベル、「3点」、「2点」、及び「1点」を許容できないレベルとした。評価結果を表7に示す。比較例1、8、及び16についてはインクを流動させない条件で評価しようとしたが、インクを正常に吐出し続けることができなかった。
(画像ムラ)
まず、上記のインクジェット記録装置を使用し、流速10mm/sでインクを1時間流動させた後、記録デューティ100%の画像を記録した。記録媒体としては、普通紙(商品名「Bright White Inkjet Paper」、ヒューレッドパッカード製)を使用した。次いで、インクの流速を1mm/s低下させ(つまり9mm/sとした)、その状態を1時間維持した後、記録デューティ100%のベタ画像を記録した。以後、インクの流速を1mm/sずつ低下させながら上記のサイクルを繰り返した。記録1日後のベタ画像の光学濃度を光源:D50、視野:2°の条件で測定した。カーボンブラックを含有するインクで記録したベタ画像の光学濃度は、反射濃度計(商品名「マクベスRD-918」、マクベス製)を使用して測定した。カラー顔料を含有するインクで記録したベタ画像の光学濃度は、分光光度計(商品名「Spectrolino」、Gretag Macbeth製)を使用して測定した。流速10mm/sでインクを流動させた際に記録したベタ画像の光学濃度を基準とし、以下に示す評価基準にしたがって画像ムラを評価した。流速10mm/秒でインクを流動させた際に記録したベタ画像と比較して、光学濃度が0.05以上変化した場合に「ベタ画像に濃度差が発生した」と評価した。インクの流速を低下させて記録したベタ画像の濃度低下は、吐出口近傍のインクが蒸発・増粘し、インクの吐出量が低下したことを意味する。本評価では、吐出口近傍のインクの蒸発・増粘が起こりやすい条件とすべく、インク流速を低下させた状態を1時間維持した後にベタ画像を記録した。
5点:インクの流速を4mm/sとした際に記録したベタ画像に濃度差が発生した。
4点:インクの流速を5mm/sとした際に記録したベタ画像に濃度差が発生した。
3点:インクの流速を6mm/sとした際に記録したベタ画像に濃度差が発生した。
2点:インクの流速を7mm/sとした際に記録したベタ画像に濃度差が発生した。
1点:インクの流速を8mm/sとした際に記録したベタ画像に濃度差が発生した。
0点:インクの流速を10mm/sとした際に記録したベタ画像にムラがあった。
(発色性)
上記のインクジェット記録装置を使用し、流速10mm/sでインクを流動させながら、2種類の記録媒体(普通紙)に記録した。記録媒体としては、商品名「BUSINESS MULTIPURPOSE 4200」(ゼロックス製)、及び商品名「Bright White Inkjet Paper」(ヒューレッドパッカード製)を使用した。カーボンブラックを含有するインクの場合、記録デューティ100%のベタ画像を記録した。カラー顔料を含有するインクの場合、記録デューティ67%のベタ画像を記録した。記録1日後のベタ画像の光学濃度を光源:D50、視野:2°の条件で測定した。カーボンブラックを含有するインクで記録したベタ画像の光学濃度は、反射濃度計(商品名「マクベスRD-918」、マクベス製)を使用して測定した。カラー顔料を含有するインクで記録したベタ画像の光学濃度は、分光光度計(商品名「Spectrolino」、Gretag Macbeth製)を使用して測定した。測定した光学濃度の平均値を算出し、以下に示す評価基準にしたがって発色性を評価した。
2点:光学濃度の平均値が、ブラックインクの場合1.3以上、シアンインク及びイエローインクの場合1.0以上、マゼンタインクの場合0.9以上であった。
1点:光学濃度の平均値が、ブラックインクの場合1.3未満、シアンインク及びイエローインクの場合1.0未満、マゼンタインクの場合0.9未満であった。
Figure 0007091158000013

Claims (20)

  1. インクを吐出する吐出口と、前記インクを吐出するためのエネルギーを発生する吐出素子と、前記吐出口と前記吐出素子の間で連通してその内部に前記インクが流通する第1流路及び第2流路と、を具備する記録ヘッドから前記インクを吐出して画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記吐出口から前記インクを吐出する吐出工程と、
    前記吐出工程とは別の、前記第1流路内の前記インクを前記第2流路へと流動させる流動工程と、を有し、
    前記インクが、顔料、及びエチレンオキサイド基を有する化合物を含有する水性インクであり、
    前記エチレンオキサイド基を有する化合物が、下記の、化合物A、化合物B、及び化合物Cからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするインクジェット記録方法。
    化合物A:3価以上の多価アルコールにXモルのエチレンオキサイド基及びYモルのプロピレンオキサイド基が付加した、{X/(X+Y)}×100(%)の値が5%以上45%以下の多価アルコール誘導体
    化合物B:数平均分子量600以上4,000以下のポリエチレングリコール(但し、前記インク中の前記化合物Bの含有量(質量%)は、前記顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上である)
    化合物C:炭化水素基の炭素数が12以上のポリオキシエチレンアルキルエーテル
  2. 前記化合物Aの{X/(X+Y)}×100(%)の値が、10%以上30%以下である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記多価アルコールが、ソルビトールである請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記化合物Bが、数平均分子量600以上2,000以下のポリエチレングリコールである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記化合物Cのグリフィン法により求められるHLB値が、12.0以上である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記インク中の前記化合物Aの含有量(質量%)が、前記顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.20倍以上3.50倍以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記インク中の前記化合物Bの含有量(質量%)が、前記顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、3.00倍以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記インク中の前記化合物Cの含有量(質量%)が、前記顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.02倍以上0.50倍以下である請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記顔料が、樹脂分散顔料であり、
    前記エチレンオキサイド基を有する化合物が、前記化合物A及び前記化合物Bの少なくとも一方である請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記顔料が、自己分散顔料であり、
    前記エチレンオキサイド基を有する化合物が、前記化合物Cである請求項1乃至9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記記録ヘッドが、複数の前記吐出口のそれぞれに対応する、複数の前記第1流路が1つの流入路に連通しているとともに、複数の前記第2流路が1つの流出路に連通している請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記流動工程において、前記吐出口から前記インクを排出することなく、前記インクを流動させる請求項1乃至11のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  13. さらに、前記流動工程における前記インクの流動を停止して前記記録ヘッドの回復動作を行う回復工程を有する請求項1乃至12のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  14. 前記流動工程において、前記インクの吐出方向と交差する方向に前記インクを流動させる請求項1乃至13のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  15. 前記流動工程において、前記吐出素子とは別の流動手段によって前記インクを流動させる請求項1乃至14のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  16. 前記流動工程において、前記第1流路に連通する流入口と前記第2流路に連通する流出口との間の圧力差で前記インクを流動させる請求項1乃至15のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  17. 前記圧力差で流動させる前記インクの流速が、0.1mm/s以上10.0mm/s以下である請求項16に記載のインクジェット記録方法。
  18. 前記流動工程において、前記インクを間欠的に流動させる請求項1乃至15のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  19. 間欠的に流動させる前記インクの流速が、1.0m/s以上10.0m/s以下である請求項18に記載のインクジェット記録方法。
  20. インクを吐出する吐出口と、前記インクを吐出するためのエネルギーを発生する吐出素子と、前記吐出口と前記吐出素子の間で連通してその内部に前記インクが流通する第1流路及び第2流路と、を具備する記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置であって、
    さらに、前記吐出素子とは別の、前記第1流路内の前記インクを前記第2流路へと流動させる流動手段を備え、
    前記インクが、顔料、及びエチレンオキサイド基を有する化合物を含有する水性インクであり、
    前記エチレンオキサイド基を有する化合物が、下記の、化合物A、化合物B、及び化合物Cからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするインクジェット記録装置。
    化合物A:3価以上の多価アルコールにXモルのエチレンオキサイド基及びYモルのプロピレンオキサイド基が付加した、{X/(X+Y)}×100(%)の値が5%以上45%以下の多価アルコール誘導体
    化合物B:数平均分子量600以上4,000以下のポリエチレングリコール(但し、前記インク中の前記化合物Bの含有量(質量%)は、前記顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上である)
    化合物C:炭化水素基の炭素数が12以上のポリオキシエチレンアルキルエーテル
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