JP7085355B2 - 染料及び染毛剤 - Google Patents
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Description
本実施形態の第一の染料は、p-フェニレンジアミン(P1)、p-アミノフェノール(P2)及び2,5-ジアミノトルエン(P3)から選ばれる1種の化合物と、2,4-ジアミノフェノキシエタノール(C3)とが酸化共重合した二量体(X1)を含む。なお、酸化共重合することにより生成する二量体に関して複数の異性体が存在する場合には、二量体(X1)はこれらの異性体全ての混合物を意味する。
本実施形態の染毛剤は、上述の染料を含む。本実施形態の染毛剤における上述の染料の含有量は、染毛剤全量を基準として、例えば0.001~30質量%とすることができる。その中で、染色力及び染色堅牢性をより向上させる観点から、0.01~20質量%であると好ましく、0.02~10質量%であるとより好ましい。
本実施形態の染毛剤は、上述の染料に加えて、例えば(A)アルカリ剤、(B)油性成分、(C)界面活性剤、(D)酸化剤、(E)キレート剤、(F)水溶性高分子、(G)防腐剤、(H)その他の染料、(I)溶媒等を任意成分として含有してもよい。これらの成分は、染毛剤の剤型と求められる機能に合わせて適宜選択することができる。また、多剤式の染毛剤においては、任意成分は、適宜第1剤、第2剤又は第3剤等のいずれに添加されていてもよい。
(A)成分は、1種又は2種以上のアルカリ剤である。
アルカリ剤の種類は限定されないが、アンモニア、アルカノールアミン類、有機アミン類、塩基性アミノ酸類及びそれらの塩や無機アルカリを挙げることができる。
塩基性アミノ酸類としては、アルギニン、リジン等を挙げることができる。
(B)成分は、1種又は2種以上の油性成分である。
(B)成分の種類は限定されず、高級アルコール、シリコーン類、油脂、炭化水素、高級脂肪酸、ロウ類、エステル類等が例示される。
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等を挙げることができる。
(C)成分は、1種又は2種以上の界面活性剤である。
界面活性剤の種類は限定されず、カチオン性、アニオン性、非イオン性、両性イオン性の各種界面活性剤を用いることができる。
両性イオン性界面活性剤としては、以下の(1)~(5)が例示される。
(D)成分は、1種又は2種以上の酸化剤である。
酸化剤としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、硝酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物などを挙げることができる。
(E)成分は、1種又は2種以上のキレート剤である。
キレート剤としては、グルコン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸(DHEDDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、1,3-プロパンジアミン四酢酸(1,3PDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIMDA)、L-アスパラギン酸-N,N-二酢酸(ASDA)、アミノトリメチレンホスホン酸(NTMP)、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、トリポリリン酸、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、グリセリン酸、グリクロン酸、コハク酸、リンゴ酸、フィチン酸、サリチル酸、安息香酸、酢酸、フェルラ酸、マレイン酸等の化合物、その化合物の塩、その化合物の誘導体、及びその誘導体の塩が例示される。
(F)成分は、1種又は2種以上の水溶性高分子である。
水溶性高分子としては、具体的には、有機天然高分子、有機半合成高分子、有機合成高分子等、無機高分子等が挙げられる。
(G)成分は、1種又は2種以上の防腐剤である。
防腐剤としては、例えば、アミノ酸、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、エチルヘキシルグリセリン、サリチル酸、ピロクトンオラミン、パラオキシ安息香酸メチルエステル等が挙げられる。
(H)成分は、1種又は2種以上のその他の染料(上述の染料以外の染料)である。
その他の染料としては、例えば、酸性染料、塩基性染料、HC染料、分散染料、ニトロ染料等が挙げられる。酸性染料としては、青色1号、紫色401号、黒色401号、だいだい色205号、赤色227号、赤色106号、黄色203号、酸性橙3等が挙げられる。塩基性染料としては、塩基性青99、塩基性茶16、塩基性茶17、塩基性赤76、塩基性赤51、塩基性黄57、塩基性黄87、塩基性橙31等が挙げられる。HC染料としては、HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC青2、HC赤1、HC赤3、HC赤7、HC橙1等が挙げられる。分散染料としては、分散紫1、分散青11、分散黒9等が挙げられる。ニトロ染料としては、4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、4-ニトロ-m-フェニレンジアミン、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、2-アミノ-3-ニトロフェノール、2-アミノ-4-ニトロフェノール、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、2-アミノ-5-ニトロフェノール、3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール、3-メチルアミノ-4-ニトロフェノキシエタノール、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール等が挙げられる。なお、本実施形態の染毛剤は、上述の染料以外の、酸化染料の酸化重合体を(H)成分として含有していてもよい。
(I)成分は、1種又は2種以上の溶媒である。
溶媒としては、例えば、水;エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール(1,3-ブタンジオール)、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、イソプレングリコール、ペンタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、2-ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール等のアルコール溶媒;N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン等のN-アルキルピロリドン溶媒;炭酸プロピレン等の炭酸アルキレン溶媒;γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトン等のラクトン溶媒、液化石油ガス、ジメチルエーテル(DME)等が挙げられる。
本実施形態の染毛剤には、上述の成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を配合することができる。
このようなその他の成分としては、ペプチド、アミノ酸系成分、pH緩衝成分、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸、尿素等の保湿剤、8-オキシキノリン等の安定化剤、システイン、チオグリコール酸、亜硫酸塩、アスコルビン酸等の酸化防止剤、植物抽出物、生薬抽出物、殺菌剤、ビタミン類、色素、香料、顔料、紫外線吸収剤、シリカ等の体質粉体、無機塩等を挙げることができる。
実施例及び比較例において合成した染料については、下記条件にてLC/MS測定、HPLC測定を行なった。
・LC/MS測定(LC1260:アジレント・テクノロジー製)
TSKgel ODS-100Sカラム(東ソー)、アセトニトリル/水(35/65)溶離液、流速0.6ml/min、検出器UV=430nmおよび280nm
・HPLC測定(UltiMate3000:Thermo Fisher SCIENTIFIC製)
TSKgel ODS-100Sカラム(東ソー)、カラム温度40℃、アセトニトリル/水(35/65)溶離液、流速1.00ml/min、検出器UV=430nmおよび280nm
・実施例1(染料P1-C3の合成)
50mLの蒸留水に、プレカーサーとしてp-フェニレンジアミン0.34g、カップラーとして2,4-ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩0.50g(プレカーサーとカップラーのモル比は1.5:1)を添加し、酸化剤として35%過酸化水素水溶液1.61gを加えた後、水酸化ナトリウムでpH8に調整し、常温でエアレーションしながら4時間攪拌して酸化させた。その後、硫酸マグネシウムを添加し18時間放置にて塩析後、析出物をろ別し、0.042g(収率5.0%)の析出物(染料P1-C3)を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=2.5分の位置に全体の14%を占める第1のピークが、リテンションタイム=2.6分の位置に全体の31%を占める第2のピークが、リテンションタイム=3.0分の位置に全体の37%を占める第3のピークが検出された。
第1のピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]+=273であった。これは、p-フェニレンジアミンと2,4-ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩の1:1共重合体(二量体)の分子量(計算値:272)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(二量体)であることが確認された。
第2のピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]+=275であった。これは、p-フェニレンジアミンと2,4-ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩1:1共重合体(二量体、第1のピークの化合物の異性体)の分子量(計算値:274)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(二量体)であることが確認された。
第3のピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]+=383であった。これは、p-フェニレンジアミンと2,4-ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩の2:1共重合体(三量体)の分子量(計算値:382)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(三量体)であることが確認された。
なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
50mLの蒸留水に、プレカーサーとして2,5-ジアミノトルエン硫酸塩0.69g、カップラーとして2,4-ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩0.50g(プレカーサーとカップラーのモル比は1:1.5)を添加し、酸化剤として35%過酸化水素水溶液1.61gを加えた後、水酸化ナトリウムでpH8に調整し、常温でエアレーションしながら4時間攪拌して酸化させた。その後、硫酸マグネシウムを添加し18時間放置にて塩析後、析出物をろ過し、0.06g(収率5.0%)の析出物(染料P3-C3)を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=3.8分の位置に全体の78%を占めるピークが検出された。
このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]+=287であった。これは、2,5-ジアミノトルエン硫酸塩と2,4-ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩の1:1共重合体(二量体)の分子量(計算値:286)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(二量体)であることが確認された。
なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
100mLの蒸留水に、プレカーサーとしてp-アミノフェノール0.25g、カップラーとして2,4-ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩0.50g(プレカーサーとカップラーのモル比は1:1)を添加し、酸化剤として35%過酸化水素水溶液0.80gを加えた後、水酸化ナトリウムでpH8に調整し、常温でエアレーションしながら4時間攪拌して酸化させた。その後、カタラーゼを0.5g添加して過酸化水素を失活させ、酢酸エチルを添加し、下層液を回収した。回収液に硫酸マグネシウム10gを添加し、アセトンを水層と等量加えて混和後、上層を回収し風乾した。風乾後に析出物0.39g(収率52%)の析出物(染料P2-C3)を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=3.4分の位置に全体の64%を占めるピークが検出された。
このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]+=274であった。これは、p-アミノフェノールと2,4-ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩の1:1共重合体(二量体)の分子量(計算値:273)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(二量体)であることが確認された。
なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
400mLの蒸留水に、プレカーサーであるo-アミノフェノール2.0gを添加し、水酸化ナトリウムでpH8に調整し、常温でエアレーションしながら4日間攪拌して酸化させた。その後、析出物をろ別し、0.96g(収率48%)の析出物(染料P5-P5)を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=7.6分の位置に全体の88%を占めるピークが検出された。
このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]+=213であった。これは、o-アミノフェノールの自己重合体(二量体)の分子量(計算値:212)に対応するものであり、ピークの化合物が自己重合体(二量体)であることが確認された。
100mLの蒸留水に、プレカーサーとしてp-アミノフェノール0.20g、カップラーとして2,6-ジアミノピリジン0.2g(プレカーサーとカップラーのモル比は1:1)を添加し、常温でエアレーションしながら4日間攪拌して酸化させた。その後、析出物(染料P2-C5)をろ別し、0.36g(収率90%)の析出物を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=3.2分の位置に全体の9%を占める第1のピークが、リテンションタイム=4.5分の位置に全体の86%を占める第2のピークが検出された。
第1のピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]+=320であった。これは、p-アミノフェノールと2,6-ジアミノピリジンの2:1共重合体(三量体)の分子量(計算値:319)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(三量体)であることが確認された。
第2のピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]+=322であった。これは、p-アミノフェノールと2,6-ジアミノピリジンの2:1共重合体(三量体、第1のピークの化合物の異性体)の分子量(計算値:321)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(三量体)であることが確認された。
なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
100mLの蒸留水に、プレカーサーとしてp-フェニレンジアミン0.20g、カップラーとして2,6-ジアミノピリジン0.2g(プレカーサーとカップラーのモル比は1:1)を添加し、常温でエアレーションしながら4日間攪拌して酸化させた。その後、析出物(染料P1-C5)をろ別し、0.26g(収率65%)の析出物を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=4.3分の位置に、全体の88%を占めるピークが検出された。このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]+=320であった。これは、p-フェニレンジアミンと2,6-ジアミノピリジンの2:1共重合体(三量体)の分子量(計算値:319)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(三量体)であることが確認された。なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
100mLの蒸留水に、プレカーサーとして2,5-ジアミノトルエン硫酸塩0.44g、カップラーとして2,6-ジアミノピリジン0.2g(プレカーサーとカップラーのモル比は1:1)を添加し、常温でエアレーションしながら4日間攪拌して酸化させた。その後、析出物(染料P3-C5)をろ別し、0.11g(収率17%)の析出物を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=3.3分の位置に、全体の75%を占めるピークが検出された。このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]+=352であった。これは、2,5-ジアミノトルエン硫酸塩と2,6-ジアミノピリジンの2:1共重合体(三量体)の分子量(計算値:351)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(三量体)であることが確認された。なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
2.0Lの蒸留水に、プレカーサーであるp-フェニレンジアミン5.4gを添加し、常温でエアレーションしながら1週間攪拌して空気酸化させた。その後、析出物をろ別し、ろ物を80~90℃の熱水で洗浄して、3.44g(収率64%)の精製物(染料P1-P1)を回収した。
回収した精製物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=6.8分の位置に、全体の100%を占めるピークが検出された。このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]+=319であった。これは、p-フェニレンジアミンの自己重合体(三量体)の分子量(計算値:318)に対応するものであり、ピークの化合物が自己重合体(三量体)であることが確認された。なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーは検出されなかった。
100mLの蒸留水に、プレカーサーであるp-アミノフェノール1.5gを添加し、常温でエアレーションしながら1日間攪拌して空気酸化させた。その後、析出物をろ別し、ろ物を80~90℃の熱水で洗浄して、0.12g(収率8%)の精製物(染料P2-P2)を回収した。
回収した精製物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=5.6分の位置に、全体の97%を占めるピークが検出された。このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]+=322であった。これは、p-アミノフェノールの自己重合体(三量体)の分子量(計算値:321)に対応するものであり、ピークの化合物が自己重合体(三量体)であることが確認された。なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーは検出されなかった。
100mLの蒸留水に、プレカーサーである2,5-ジアミノトルエン硫酸塩1.0gを添加し、酸化剤として35%過酸化水素水溶液3.06gを加えた後、水酸化ナトリウムでpH8に調整し、常温でエアレーションしながら24時間攪拌して酸化させた。その後、析出物をろ別し、0.13g(収率13%)の析出物(染料P3-P3)を回収した。
50mLの蒸留水に、プレカーサーである4,4’-ジアミノジフェニルアミン1.02gを添加し、酸化剤として硝酸カリウム0.68gを加えた後、水酸化ナトリウムでpH8に調整し、4時間攪拌して酸化させた。その後、ろ過により、0.29g(収率28%)の析出物(染料P4-P4)を回収した。
以下の処方例では、動粘度74~77mm2/s(37.5℃時点)のミネラルオイル、融点88℃のマイクロクリスタリンワックス、融点56℃のワセリン、動粘度10000mm2/s(37.5℃時点)のメチルポリシロキサンを用いた。
表1に記載のヘアカラートリートメントオイルタイプ1剤式の染毛剤を調合した。染毛の際には、調合した剤を水洗浄後タオルドライした人毛白髪毛束1gに1.5g塗布し、15分30~35℃で放置後水洗し風乾した。
表2に記載の処方で、第1剤及び第2剤から構成されるヘアカラートリートメントクリームオイルタイプ2剤式の染毛剤を調合した。染毛の際には、第1剤と第2剤を4:1の比率で配合し、水洗浄後タオルドライした人毛白髪毛束1gに1.5g塗布し、15分30~35℃で放置後水洗し風乾した。
なお、処方例2-1、2-3及び2-4については、シア脂の融点を超える80℃で加熱して溶解させた上で、調合した。
表3に記載の処方で、第1剤及び第2剤から構成されるヘアカラートリートメントクリーム分散剤タイプの染毛剤を調合した。染毛の際には、第1剤と第2剤を4:1の比率で配合し、水洗浄後タオルドライした人毛白髪毛束1gに1.5g塗布し、15分30~35℃で放置後水洗し風乾した。
表4に記載の処方で、第1剤及び第2剤から構成されるヘアカラートリートメントオイル分散剤タイプの染毛剤を調合した。染毛の際には、第1剤と第2剤を4:1の比率で配合し、水洗浄後タオルドライした人毛白髪毛束1gに1.5g塗布し、15分30~35℃で放置後水洗し風乾した。
表5に記載の処方で、第1剤及び第2剤から構成されるヘアカラートリートメントジェルオイルタイプ2剤式の染毛剤を調合した。染毛の際には、第1剤と第2剤を4:1の比率で配合し、人毛白髪毛束1gに1.5g塗布し、15分30~35℃で放置後水洗し風乾した。
なお、処方例5-1については、シア脂の融点を超える80℃で加熱して溶解させた上で、調合した。
表6に記載の処方で、第1剤、第2剤及び第3剤から構成されるヘアカラー剤クリームオイルタイプ3剤式の染毛剤を調合した。染毛の際には、第1剤と第2剤と第3剤を4:1:5の比率で配合し、人毛白髪毛束1gに1.5g塗布し、30分30~35℃で放置後水洗し風乾した。
なお、処方例6-1については、シア脂の融点を超える80℃で加熱して溶解させた上で、調合した。
表7に記載のヘアカラートリートメントスプレーオイルタイプの染毛剤を調合した。染毛の際には、調合した剤を、水洗浄後タオルドライした人毛白髪毛束1gに1.0g塗布し、15分30~35℃で放置後水洗し風乾した。
表8に記載の処方で、第1剤及び第2剤から構成されるヘアカラートリートメント泡タイプ 2剤式の染毛剤を調合した。染毛の際には、第1剤と第2剤を1:1の比率で配合し、人毛白髪毛束1gに1.5g塗布し、30分30~35℃で放置後水洗し風乾した。
なお、処方例8-1については、シア脂の融点を超える80℃で加熱して溶解させた上で、調合した。
表12~17に示す染料及び処方例を適用し、染毛剤について以下の評価を行った。また、染料についても以下の評価を行った。その結果を、表12~17に示す。
・評価方法1(染色濃度)
各染毛剤を調合し、毛束の染色を行った。染色後の毛束の染色濃度について、下記の評価基準で専門パネラー20名に評価させた。
◎:非常に濃く染まる
○:濃く染まる
△:薄く染まる
×:非常に薄く染まる
各染毛剤を調合し、毛束の染色を行った。染色後の毛束を軽く濡らして、表9に記載のシャンプー0.5gを塗布し30秒泡立てながら洗浄した後、流水で30秒洗浄して風乾する工程を3回繰り返すことによりシャンプー褪色試験を行なった。褪色試験前後の毛束について、下記の評価基準で専門パネラー20名に評価させた。
◎:染色堅牢性が非常に高い(試験前後で褪色がほとんどない)
○:染色堅牢性が高い(試験前後で褪色が若干認められる)
△:染色堅牢性が低い(試験前後で褪色が認められる)
×:染色堅牢性が非常に低い(試験前後で褪色が非常に大きい)
・評価方法3(皮膚感作性細胞試験)
h-CLAT法(OECD TG442E)にて試験を行った。濃度設定試験にて、生細胞のカウントは、FACS使用(h-CLAT法)を比色法または目視によるカウント手法に置き換えて細胞生存率75%濃度を算出した。感作性評価試験にて、FACS使用(h-CLAT法)をqPCRによる免疫関連タンパク遺伝子(CCL4、CD54、CD68)発現相対量の定量に置き換えて代替試験を行った。また、難水溶性の染料の細胞培地は、メビオールジェル(特開2008-125453号明細書参照)を用い、随時最適な染料溶媒にて試験を行った。評価は、陰性コントロールとしてドデシル硫酸ナトリウム、陽性コントロールとして2,4-ジニトロクロロベンゼンを用い、NOEL値(いかなる影響も認められない最大の暴露濃度)により比較した。
◎:アレルゲン性ほぼなし(NOEL値が陰性コントロールと同じかそれよりも高いもの)
○:アレルゲン性がかなり低い(NOEL値が陰性コントロールよりもわずかに低い)
△:アレルゲン性が高い(NOEL値が陰性コントロールより低く陽性コントロールの値に近い)
×:アレルゲン性がかなり高い(NOEL値が陽性コントロールと同じかそれより低いもの)
合成された染料を1,3-BGに溶解させて1%濃度にしたものを、20名のモニターの二の腕に直径1cmの円形の範囲で塗布し、30分放置後、水道水で洗浄した。その後、試験部位を表10に示す本邦基準判定に基づき経過観察し、下記の評価基準で評価した。
◎:全てのモニターにおいて、皮膚反応なし(-)を示し、皮膚感作性はない
○:モニター2名以下が48時間後に軽微な紅斑(±)を示し、皮膚感作性は小さい
△:モニター1名以上が48時間後に紅斑(+)または紅斑+浮腫(++)を示し、皮膚感作性は大きい
×:モニター1名以上が48時間後に紅斑+浮腫+水疱、丘疹等(+++)あるいは大水疱(++++)を示し、皮膚感作性は大きい
各染毛剤を調合し、20名のモニターの二の腕に直径1cmの円形の範囲で塗布し、30分放置後、表9に記載のシャンプー(評価方法2と同じシャンプー)を用いて水洗浄した。その後、試験部位を表11に示す本邦基準判定に基づき経過観察し、下記の評価基準で評価した。
◎◎ :全てのモニターにおいて、皮膚反応なし(--)を示し、皮膚感作性はない
◎ :モニター2名以下が48時間後に極淡薄色紅斑(-)を示し、皮膚感作性は小さい
○ :モニター2名以下が48時間後に軽微な紅斑(±)を示し、皮膚感作性は小さい
△ :モニター1名以上が48時間後に紅斑(+)または紅斑+浮腫(++)を示し、皮膚感作性は大きい
× :モニター1名以上が48時間後に紅斑+浮腫+水疱、丘疹等(+++)あるいは大水疱(++++)を示し、皮膚感作性は大きい
Claims (4)
- p-フェニレンジアミン、p-アミノフェノール及び2,5-ジアミノトルエンから選ばれる1種の化合物と、2,4-ジアミノフェノキシエタノールとが酸化共重合した二量体を、45質量%以上の含有量で含む染料。
- p-フェニレンジアミン、p-アミノフェノール及び2,5-ジアミノトルエンから選ばれる1種又は2種の化合物と、2,6-ジアミノピリジンとが酸化共重合した三量体を、45質量%以上の含有量で含む染料。
- o-アミノフェノールが酸化自己重合した二量体を、45質量%以上の含有量で含む染料。
- 請求項1~3のいずれか一項に記載の染料を含む染毛剤。
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