JP2019127461A - 染料及び染毛剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】染色力及び染色堅牢性に優れ、且つ感作性を示さない又は感作性が十分に小さい染料及び染毛剤を提供すること。【解決手段】p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール及び2,5−ジアミノトルエンから選ばれる1種の化合物と、2,4−ジアミノフェノキシエタノールとが酸化共重合した二量体;p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール及び2,5−ジアミノトルエンから選ばれる1種又は2種の化合物と、2,6−ジアミノピリジンとが酸化共重合した三量体;又はo−アミノフェノールが酸化自己重合した二量体を含む染料、及び当該染料を含む染毛剤。【選択図】なし

Description

本発明は、染料及び染毛剤に関する。
従来、染毛剤等のヘアカラー製品には酸化染料が多く用いられている。酸化染料には、酸性染料、塩基性染料、HC染料等の他の染料と比べて、毛髪に対する染色力や染色堅牢性に優れるという利点がある。
酸化染料を用いた染毛剤としては、アンモニア等のアルカリ剤と酸化染料を含む1剤と、過酸化水素等の酸化剤を含む2剤で構成される2剤式の染毛剤が主流である。2剤式の染毛剤は、染毛時に1剤と2剤を混合して毛髪に塗布し、酸化染料を酸化重合させることにより毛髪を染色する。
このような従来の酸化染料を用いた染毛剤には、アンモニア等のアルカリ剤による皮膚刺激や臭気の問題、過酸化水素等の酸化剤による毛髪のダメージや皮膚刺激の問題がある。
これに対して、特許文献1〜3では、酸化染料を予め酸化重合させた酸化重合体を含む染毛剤が提案されている。これらの染毛剤によれば、染毛時にアンモニアや過酸化水素を用いる必要がない、あるいはこれらの量を減らすことができるため、皮膚刺激や臭気、毛髪のダメージ等の問題の改善が期待される。
特開平6−145032号公報 特開平6−172146号公報 特開平6−199641号公報
しかしながら、本発明者による検討の結果、特許文献1〜3に記載の染毛剤では、毛髪に対する染色力又は染色堅牢性の少なくとも一方が従来の酸化染料を含有する染毛剤と比べて劣ることが明らかとなった。また、本発明者による検討の結果、特許文献1〜3に記載の染毛剤の少なくとも一部は、感作性を示す(アレルギーを引き起こす)ことが明らかとなった。
そこで本発明は、染色力及び染色堅牢性に優れ、且つ感作性を示さない又は感作性が十分に小さい染料及び染毛剤を提供することを目的とする。
本発明の一側面にかかる染料は、p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール及び2,5−ジアミノトルエンから選ばれる1種の化合物と、2,4−ジアミノフェノキシエタノールとが酸化共重合した二量体を含む。本発明の他の側面にかかる染料は、p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール及び2,5−ジアミノトルエンから選ばれる1種又は2種の化合物と、2,6−ジアミノピリジンとが酸化共重合した三量体を含む。本発明の他の側面にかかる染料は、o−アミノフェノールが酸化自己重合した二量体を含む。これらの染料は、染色力及び染色堅牢性に優れ、且つ感作性を示さない又は感作性が十分に小さい。
本発明の一側面にかかる染毛剤は、上述の染料を含む。かかる染毛剤は、上述の染料を含むので、染色力及び染色堅牢性に優れ、且つ感作性を示さない又は感作性が十分に小さい。さらに、この染毛剤は、予め酸化重合させた酸化重合体を含むので、染毛時にアンモニア等のアルカリ剤や過酸化水素等の酸化剤を用いる必要がない、あるいはこれらの量を減らすことができる。
本発明によれば、染色力及び染色堅牢性に優れ、且つ感作性を示さない又は感作性が十分に小さい染料及び染毛剤を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<染料>
本実施形態の第一の染料は、p−フェニレンジアミン(P1)、p−アミノフェノール(P2)及び2,5−ジアミノトルエン(P3)から選ばれる1種の化合物と、2,4−ジアミノフェノキシエタノール(C3)とが酸化共重合した二量体(X1)を含む。なお、酸化共重合することにより生成する二量体に関して複数の異性体が存在する場合には、二量体(X1)はこれらの異性体全ての混合物を意味する。
第一の染料における二量体(X1)の含有量は、染色濃度をより向上させる観点から、30質量%以上であると好ましく、45質量%以上であるとより好ましく、60質量%以上であると更に好ましい。
本実施形態の第二の染料は、p−フェニレンジアミン(P1)、p−アミノフェノール(P2)及び2,5−ジアミノトルエン(P3)から選ばれる1種又は2種の化合物と、2,6−ジアミノピリジン(C5)とが酸化共重合した三量体(X2)を含む。なお、酸化共重合することにより生成する三量体に関して複数の異性体が存在する場合には、三量体(X2)はこれらの異性体全ての混合物を意味する。また、三量体(X2)は、通常、前者の化合物(P1,P2又はP3)2つと後者の化合物(C5)1つとの共重合体であるが、前者の化合物1つと後者の化合物2つとの共重合体であってもよい。
第二の染料における三量体(X2)の含有量は、染色濃度をより向上させる観点から、30質量%以上であると好ましく、45質量%以上であるとより好ましく、60質量%以上であると更に好ましい。
本実施形態の第三の染料は、o−アミノフェノール(P5)が酸化自己重合した二量体(X3)を含む。なお、酸化自己重合することにより生成する二量体に関して複数の異性体が存在する場合には、二量体(X3)はこれらの異性体全ての混合物を意味する。
第三の染料における二量体(X3)の含有量は、染色濃度をより向上させる観点から、30質量%以上であると好ましく、45質量%以上であるとより好ましく、60質量%以上であると更に好ましい。
ここで、「酸化共重合」とは、2種以上の化合物が酸化処理により共重合することをいい、「酸化自己重合」とは、単一の化合物が酸化処理により重合することをいう。
上述の化合物(P1)、(P2)、(P3)、(P5)、(C3)及び(C5)は、いずれも酸化染料、すなわち酸化処理によって得られる酸化重合体が発色する化合物である。これらのうち、p−フェニレンジアミン(P1)、p−アミノフェノール(P2)、2,5−ジアミノトルエン(P3)及びo−アミノフェノール(P5)は、単独で酸化され得る「プレカーサー」であり、2,4−ジアミノフェノキシエタノール(C3)及び2,6−ジアミノピリジン(C5)は、単独では酸化されず、プレカーサーと組み合わせて用いることにより酸化される「カップラー」である。これらの化合物は、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の塩又は水和物として用いてもよい。
二量体(X1)及び三量体(X2)は所定の2種の化合物を酸化処理することにより合成することができる。また、二量体(X3)はo−アミノフェノール(P5)を酸化処理することにより合成することができる。酸化処理の方法は、特に限定されないが、例えば、上記所定の化合物を含む水溶液に過酸化水素水等の酸化剤を添加する方法や、上記所定の化合物を含む水溶液に空気を送り込み(エアレーション)、空気酸化する方法、酸化剤(例えばその水溶液)中に上記所定の化合物(例えばその水溶液)を添加する方法、上記所定の化合物(例えばその水溶液)の噴霧状物と酸化剤(例えばその水溶液)の噴霧状物とを接触させる方法等を適用することができる。得られた酸化重合体は、熱水洗浄、再結晶等により精製してもよい。
なお、上述の染料は、本発明による効果を損なわない範囲で、酸化処理によって生じるその他の副生物等を含んでいてもよい。
本実施形態の染料は、例えば、人毛、羊毛、ヤクなどの獣毛等の染毛や、セルロース繊維、絹、皮革等の染色の用途に用いることができる。
<染毛剤>
本実施形態の染毛剤は、上述の染料を含む。本実施形態の染毛剤における上述の染料の含有量は、染毛剤全量を基準として、例えば0.001〜30質量%とすることができる。その中で、染色力及び染色堅牢性をより向上させる観点から、0.01〜20質量%であると好ましく、0.02〜10質量%であるとより好ましい。
本実施形態の染毛剤は、上述の染料を、1種単独で含有していてもよく、2種以上を組み合わせて含有していてもよい。特に、2種以上の染料を組み合わせると、染毛色を種々調整することができる。
本実施形態の染毛剤は、1剤式の染毛剤であっても、多剤式の染毛剤であってもよい。従来の酸化染料を用いた染毛剤では、染毛時に酸化染料と酸化剤とを反応させながら染色するため、使用前にこれらを別々に保管可能な多剤式とする必要があった。一方、本実施形態の染毛剤においては、酸化重合体がそのまま染料として機能し得るため、必ずしも多剤式とする必要はなく、1剤式の染毛剤とすることができる。
本実施形態の多剤式の染毛剤は、各剤に所望の性質を付与することができるので、様々なタイプの染毛剤とすることが可能となる。多剤式の染毛剤は、第1剤と第2剤とからなる2剤式であっても、第1剤と第2剤に加えて第3剤等を備える、3剤以上の多剤式であってもよいが、利便性の観点から、2剤式又は3剤式であることが好ましい。
本実施形態の多剤式の染毛剤は、水を含有する第1剤と、上述の染料及びアルコール溶媒を含有する第2剤とを備えてもよい。
本実施形態の染毛剤の剤型としては、例えば、ジェルタイプ、液体タイプ、泡タイプ、スプレータイプ、クリームタイプ、オイルタイプ、粉末状タイプ等が挙げられる。これらの剤型と求められる機能に合わせて、上述の1剤式又は多剤式の染毛剤を選択することができる。
本実施形態の染毛剤は、上述の染料を含むものであればよいが、取り扱い性の向上等を目的として、従来公知の成分、例えば以下に示す任意成分を加えてもよい。以下、各成分について詳細に説明する。
(任意成分)
本実施形態の染毛剤は、上述の染料に加えて、例えば(A)アルカリ剤、(B)油性成分、(C)界面活性剤、(D)酸化剤、(E)キレート剤、(F)水溶性高分子、(G)防腐剤、(H)その他の染料、(I)溶媒等を任意成分として含有してもよい。これらの成分は、染毛剤の剤型と求められる機能に合わせて適宜選択することができる。また、多剤式の染毛剤においては、任意成分は、適宜第1剤、第2剤又は第3剤等のいずれに添加されていてもよい。
((A)成分)
(A)成分は、1種又は2種以上のアルカリ剤である。
アルカリ剤の種類は限定されないが、アンモニア、アルカノールアミン類、有機アミン類、塩基性アミノ酸類及びそれらの塩や無機アルカリを挙げることができる。
アルカノールアミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等を挙げることができる。
有機アミン類としては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等を挙げることができる。
塩基性アミノ酸類としては、アルギニン、リジン等を挙げることができる。
無機アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン等の炭酸塩又は炭酸水素塩を挙げることができる。
これらの中でも、染料の毛髪への浸透の観点からは炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム又はアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン若しくはそれらの塩が好ましい。
(A)成分の配合量は特に限定されないが、染毛剤に(A)成分を配合する場合は、染毛剤全量を基準として、0.1〜20質量%含まれることが好ましく、0.3〜10質量%含まれることがより好ましい。
((B)成分)
(B)成分は、1種又は2種以上の油性成分である。
(B)成分の種類は限定されず、高級アルコール、シリコーン類、油脂、炭化水素、高級脂肪酸、ロウ類、エステル類等が例示される。
高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、ラノリンアルコール、及び水添ラノリンアルコール等の飽和又は不飽和の直鎖状の高級アルコールを挙げることができる。
シリコーン類としては、例えば、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ヒドロキシ末端基を有するジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、シクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等を挙げることができる。
油脂としては、例えば、ローズヒップ油、ツバキ油、ヒマワリ種子油、アボカド油、コメヌカ油、マカダミアナッツ油、ナタネ油、オリーブ油、パーム油、メドウフォーム油、アーモンド油、シア脂、ミンク油等を挙げることができる。
炭化水素としては、例えば、ミネラルオイル、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、ポリブテン、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等を挙げることができる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等を挙げることができる。
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等を挙げることができる。
エステル類としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、オクタン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、イソオクタン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、オレイン酸オレイル、リシノール酸オクチルドデシル、カプリル酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、2−エチルヘキサン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、パルミチン酸デキストリン等を挙げることができる。
これらの中でも、乳化安定性、毛髪への塗布のしやすさ、指通り向上の観点から、特に高級アルコール、シリコーン類、炭化水素、エステル又は油脂が好ましい。高級アルコールとしては、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール又はベヘニルアルコールがより好ましい。シリコーン類としては、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、シクロペンタシロキサン、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン又はアミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体がより好ましい。炭化水素としては、ミネラルオイル、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン、流動パラフィン又はワセリンがより好ましい。エステルとしては、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル又はパルミチン酸デキストリンがより好ましい。油脂としては、シア脂、ヒマワリ種子油、オリーブ油又はマカダミアナッツ油がより好ましい。
(B)成分の配合量は特に限定されないが、染毛剤に(B)成分を配合する場合は、染毛剤の乳化安定性、塗布のしやすさ、毛髪とのなじみやすさ、染毛力の観点から、染毛剤全量を基準として、0.1〜99.6質量%含まれることが好ましく、0.5〜90質量%含まれることがより好ましく、1〜70質量%含まれることが更に好ましい。
((C)成分)
(C)成分は、1種又は2種以上の界面活性剤である。
界面活性剤の種類は限定されず、カチオン性、アニオン性、非イオン性、両性イオン性の各種界面活性剤を用いることができる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、モノステアリン酸ポリエリレングリコールなどのポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンショ糖脂肪酸エステル、デシルグルコシドなどのアルキルグリコシド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム(セトリモニウムクロリド)、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(ステアルトリモニウムクロリド)、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(ベヘントリモニウムクロリド)、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(ジステアルジモニウムクロリド)、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム(ステアリルトリモニウムブロミド)、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、パンテニルヒドロキシプロピルステアルジモニウムクロリド、クオタニウム−91等が例示される。
アニオン性界面活性剤としては、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、セトステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、POEラウリルエーテルリン酸、POEセチルエーテルリン酸等のアルキルリン酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、POEラウリルエーテル酢酸ナトリウム等のアルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン(ココイルグルタミン酸TEA)、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノエチル、リン酸ジセチル等のリン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステル等が例示される。
両性イオン性界面活性剤としては、以下の(1)〜(5)が例示される。
(1)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ラウラミドプロピルベタイン)、リシノレイン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩又はトリエタノールアミン塩。
(2)デシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、セチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オレイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ベヘニルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩又はトリエタノールアミン塩。
(3)ココアンホ酢酸Na(N−ヤシ油脂肪酸アシル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミン)、ココアンホプロピオン酸Na(N−ヤシ油脂肪酸アシル−N’−カルボキシエチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミン)、ラウロアンホ酢酸Na(N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミン)、オリーブアンホ酢酸Na、カカオ脂アンホ酢酸Na、ゴマアンホ酢酸Na、スイートアーモンドアンホ酢酸Na、ステアロアンホ酢酸塩、パームアンホ酢酸Na、ピーナッツアンホ酢酸Na、ヒマワリ種子アンホ酢酸Na、綿実アンホ酢酸Na等のN−アシルアミノエチル−N−2−ヒドロキシエチルアミノカルボン酸塩。
(4)ココアンホジ酢酸Na、ココアンホジプロピオン酸Na、及びラウロアンホジ酢酸Na等のN−アシルアミノエチル−N−カルボキシメトキシエチルアミノカルボン酸塩。
(5)ヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシエチルサルコシン。
染毛剤中における(B)成分と(C)成分との配合量の質量比は、乳化安定性、毛髪への塗布のしやすさ、染毛力向上といった観点から、(B):(C)=1:1〜5:1であることが好ましく、2:1〜4:1であることがより好ましく、3:1〜4:1であることが更に好ましい。
(C)成分の配合量は特に限定されないが、染毛剤に(C)成分を配合する場合は、染毛剤の乳化安定性、塗布のしやすさ等の観点から、染毛剤全量を基準として、0.1〜30質量%含まれることが好ましく、1.0〜25質量%含まれることがより好ましい。
((D)成分)
(D)成分は、1種又は2種以上の酸化剤である。
酸化剤としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、硝酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物などを挙げることができる。
((E)成分)
(E)成分は、1種又は2種以上のキレート剤である。
キレート剤としては、グルコン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸(DHEDDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(1,3PDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIMDA)、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸(ASDA)、アミノトリメチレンホスホン酸(NTMP)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、トリポリリン酸、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、グリセリン酸、グリクロン酸、コハク酸、リンゴ酸、フィチン酸、サリチル酸、安息香酸、酢酸、フェルラ酸、マレイン酸等の化合物、その化合物の塩、その化合物の誘導体、及びその誘導体の塩が例示される。
(E)成分の配合量は、染毛剤に(E)成分を配合する場合は、乳化安定性や染毛力などの観点から、染毛剤全量に対して、0.001〜2.0質量%であることが好ましい。
((F)成分)
(F)成分は、1種又は2種以上の水溶性高分子である。
水溶性高分子としては、具体的には、有機天然高分子、有機半合成高分子、有機合成高分子等、無機高分子等が挙げられる。
有機天然高分子としては、セルロース、アラビアガム、グアーガム、ローカストビンガム、カラギーナン、クインスシード、デンプン、グリチルリチン酸、トラガカントガム、キャロブガム、ペクチン、ガラクタン、カラヤガム、アルゲコロイド等の植物系の有機天然高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン、ヒアルロン酸等の微生物系の有機天然高分子、アルブミン、グリコーゲン、コラーゲン、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、ムコイチン硫酸、ヒアルロン酸等の動物系の有機天然高分子などが挙げられる。
有機半合成高分子としては、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系の有機半合成高分子、カチオン化セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸Na、カルボキシメチルセルロースNa、セルロース末等のセルロース系の有機半合成高分子、アルギン酸Na、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系の有機半合成高分子、カチオン化グアーガム(例えばグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド)などが挙げられる。
有機合成高分子としては、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系の有機合成高分子、ポリエチレングリコール等のポリエチレン系の有機合成高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル(VA)共重合体等の共重合系の有機合成高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリエチルアクリレート等のアクリル系の有機合成高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなどが挙げられる。
無機高分子としては、ベントナイト、ラボナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
((G)成分)
(G)成分は、1種又は2種以上の防腐剤である。
防腐剤としては、例えば、アミノ酸、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、エチルヘキシルグリセリン、サリチル酸、ピロクトンオラミン、パラオキシ安息香酸メチルエステル等が挙げられる。
((H)成分)
(H)成分は、1種又は2種以上のその他の染料(上述の染料以外の染料)である。
その他の染料としては、例えば、酸性染料、塩基性染料、HC染料、分散染料、ニトロ染料等が挙げられる。酸性染料としては、青色1号、紫色401号、黒色401号、だいだい色205号、赤色227号、赤色106号、黄色203号、酸性橙3等が挙げられる。塩基性染料としては、塩基性青99、塩基性茶16、塩基性茶17、塩基性赤76、塩基性赤51、塩基性黄57、塩基性黄87、塩基性橙31等が挙げられる。HC染料としては、HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC青2、HC赤1、HC赤3、HC赤7、HC橙1等が挙げられる。分散染料としては、分散紫1、分散青11、分散黒9等が挙げられる。ニトロ染料としては、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、4−ニトロ−m−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、3−ニトロ−p−ヒドロキシエチルアミノフェノール、3−メチルアミノ−4−ニトロフェノキシエタノール、4−アミノ−3−ニトロフェノール、4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール等が挙げられる。なお、本実施形態の染毛剤は、上述の染料以外の、酸化染料の酸化重合体を(H)成分として含有していてもよい。
((I)成分)
(I)成分は、1種又は2種以上の溶媒である。
溶媒としては、例えば、水;エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール(1,3−ブタンジオール)、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、イソプレングリコール、ペンタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、2−ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール等のアルコール溶媒;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のN−アルキルピロリドン溶媒;炭酸プロピレン等の炭酸アルキレン溶媒;γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン等のラクトン溶媒、液化石油ガス、ジメチルエーテル(DME)等が挙げられる。
これらの中で、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール又はベンジルアルコールが好ましい。
(その他の成分)
本実施形態の染毛剤には、上述の成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を配合することができる。
このようなその他の成分としては、ペプチド、アミノ酸系成分、pH緩衝成分、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸、尿素等の保湿剤、8−オキシキノリン等の安定化剤、システイン、チオグリコール酸、亜硫酸塩、アスコルビン酸等の酸化防止剤、植物抽出物、生薬抽出物、殺菌剤、ビタミン類、色素、香料、顔料、紫外線吸収剤、シリカ等の体質粉体、無機塩等を挙げることができる。
以下に、本発明を実施例により更に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。なお、実施例中、配合量の単位は「質量部」であり、「残量」とは、各剤における全量を100質量部としたときの他の成分の配合量を除いた残りの量を示す。また、「1,3−PG」は、1,3−プロパンジオールを示し、「1,3−BG」は、1,3−ブチレングリコールを示し、「LPG」は、液化石油ガスを示し、「VA」は酢酸ビニルを示し、「POE」は、ポリオキシエチレンを示す。
<染料の分析>
実施例及び比較例において合成した染料については、下記条件にてLC/MS測定、HPLC測定を行なった。
・LC/MS測定(LC1260:アジレント・テクノロジー製)
TSKgel ODS−100Sカラム(東ソー)、アセトニトリル/水(35/65)溶離液、流速0.6ml/min、検出器UV=430nmおよび280nm
・HPLC測定(UltiMate3000:Thermo Fisher SCIENTIFIC製)
TSKgel ODS−100Sカラム(東ソー)、カラム温度40℃、アセトニトリル/水(35/65)溶離液、流速1.00ml/min、検出器UV=430nmおよび280nm
合成した染料における重合体の重合度(二量体又は三量体)と単量体(酸化染料)の構成は、LC/MS測定による分子量の実測値と、単量体の分子量に基づいて計算した重合体の分子量の計算値とを対比すること等により判定することができる。また、2種以上の酸化染料を用いた場合に、一方の酸化染料(プレカーサー)のみが重合した自己重合体が、合成した酸化共重合体に含まれるか否かは、別途プレカーサーの自己重合体を合成し、LC/MS測定による分子量やHPLC測定のリテンションタイム(原料は280nmで検出、酸化共重合体は430nmで検出)を対比すること等により判定することができる。さらに、合成した酸化共重合体に原料である酸化染料が含まれるか否かは、LC/MS測定による分子量やHPLC測定の際のリテンションタイムを対比すること等により判定することができる。
<染料の合成>
・実施例1(染料P1−C3の合成)
50mLの蒸留水に、プレカーサーとしてp−フェニレンジアミン0.34g、カップラーとして2,4−ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩0.50g(プレカーサーとカップラーのモル比は1.5:1)を添加し、酸化剤として35%過酸化水素水溶液1.61gを加えた後、水酸化ナトリウムでpH8に調整し、常温でエアレーションしながら4時間攪拌して酸化させた。その後、硫酸マグネシウムを添加し18時間放置にて塩析後、析出物をろ別し、0.042g(収率5.0%)の析出物(染料P1−C3)を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=2.5分の位置に全体の14%を占める第1のピークが、リテンションタイム=2.6分の位置に全体の31%を占める第2のピークが、リテンションタイム=3.0分の位置に全体の37%を占める第3のピークが検出された。
第1のピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=273であった。これは、p−フェニレンジアミンと2,4−ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩の1:1共重合体(二量体)の分子量(計算値:272)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(二量体)であることが確認された。
第2のピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=275であった。これは、p−フェニレンジアミンと2,4−ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩1:1共重合体(二量体、第1のピークの化合物の異性体)の分子量(計算値:274)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(二量体)であることが確認された。
第3のピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=383であった。これは、p−フェニレンジアミンと2,4−ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩の2:1共重合体(三量体)の分子量(計算値:382)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(三量体)であることが確認された。
なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
・実施例2(染料P3−C3の合成)
50mLの蒸留水に、プレカーサーとして2,5−ジアミノトルエン硫酸塩0.69g、カップラーとして2,4−ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩0.50g(プレカーサーとカップラーのモル比は1:1.5)を添加し、酸化剤として35%過酸化水素水溶液1.61gを加えた後、水酸化ナトリウムでpH8に調整し、常温でエアレーションしながら4時間攪拌して酸化させた。その後、硫酸マグネシウムを添加し18時間放置にて塩析後、析出物をろ過し、0.06g(収率5.0%)の析出物(染料P3−C3)を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=3.8分の位置に全体の78%を占めるピークが検出された。
このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=287であった。これは、2,5−ジアミノトルエン硫酸塩と2,4−ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩の1:1共重合体(二量体)の分子量(計算値:286)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(二量体)であることが確認された。
なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
・実施例3(染料P2−C3の合成)
100mLの蒸留水に、プレカーサーとしてp−アミノフェノール0.25g、カップラーとして2,4−ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩0.50g(プレカーサーとカップラーのモル比は1:1)を添加し、酸化剤として35%過酸化水素水溶液0.80gを加えた後、水酸化ナトリウムでpH8に調整し、常温でエアレーションしながら4時間攪拌して酸化させた。その後、カタラーゼを0.5g添加して過酸化水素を失活させ、酢酸エチルを添加し、下層液を回収した。回収液に硫酸マグネシウム10gを添加し、アセトンを水層と等量加えて混和後、上層を回収し風乾した。風乾後に析出物0.39g(収率52%)の析出物(染料P2−C3)を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=3.4分の位置に全体の64%を占めるピークが検出された。
このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=274であった。これは、p−アミノフェノールと2,4−ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩の1:1共重合体(二量体)の分子量(計算値:273)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(二量体)であることが確認された。
なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
・実施例4(染料P5−P5の合成)
400mLの蒸留水に、プレカーサーであるo−アミノフェノール2.0gを添加し、水酸化ナトリウムでpH8に調整し、常温でエアレーションしながら4日間攪拌して酸化させた。その後、析出物をろ別し、0.96g(収率48%)の析出物(染料P5−P5)を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=7.6分の位置に全体の88%を占めるピークが検出された。
このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=213であった。これは、o−アミノフェノールの自己重合体(二量体)の分子量(計算値:212)に対応するものであり、ピークの化合物が自己重合体(二量体)であることが確認された。
・実施例5(染料P2−C5の合成)
100mLの蒸留水に、プレカーサーとしてp−アミノフェノール0.20g、カップラーとして2,6−ジアミノピリジン0.2g(プレカーサーとカップラーのモル比は1:1)を添加し、常温でエアレーションしながら4日間攪拌して酸化させた。その後、析出物(染料P2−C5)をろ別し、0.36g(収率90%)の析出物を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=3.2分の位置に全体の9%を占める第1のピークが、リテンションタイム=4.5分の位置に全体の86%を占める第2のピークが検出された。
第1のピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=320であった。これは、p−アミノフェノールと2,6−ジアミノピリジンの2:1共重合体(三量体)の分子量(計算値:319)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(三量体)であることが確認された。
第2のピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=322であった。これは、p−アミノフェノールと2,6−ジアミノピリジンの2:1共重合体(三量体、第1のピークの化合物の異性体)の分子量(計算値:321)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(三量体)であることが確認された。
なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
・実施例6(染料P1−C5の合成)
100mLの蒸留水に、プレカーサーとしてp−フェニレンジアミン0.20g、カップラーとして2,6−ジアミノピリジン0.2g(プレカーサーとカップラーのモル比は1:1)を添加し、常温でエアレーションしながら4日間攪拌して酸化させた。その後、析出物(染料P1−C5)をろ別し、0.26g(収率65%)の析出物を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=4.3分の位置に、全体の88%を占めるピークが検出された。このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=320であった。これは、p−フェニレンジアミンと2,6−ジアミノピリジンの2:1共重合体(三量体)の分子量(計算値:319)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(三量体)であることが確認された。なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
・実施例7(染料P3−C5の合成)
100mLの蒸留水に、プレカーサーとして2,5−ジアミノトルエン硫酸塩0.44g、カップラーとして2,6−ジアミノピリジン0.2g(プレカーサーとカップラーのモル比は1:1)を添加し、常温でエアレーションしながら4日間攪拌して酸化させた。その後、析出物(染料P3−C5)をろ別し、0.11g(収率17%)の析出物を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=3.3分の位置に、全体の75%を占めるピークが検出された。このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=352であった。これは、2,5−ジアミノトルエン硫酸塩と2,6−ジアミノピリジンの2:1共重合体(三量体)の分子量(計算値:351)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(三量体)であることが確認された。なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
・比較例1(染料P1−P1の合成)
2.0Lの蒸留水に、プレカーサーであるp−フェニレンジアミン5.4gを添加し、常温でエアレーションしながら1週間攪拌して空気酸化させた。その後、析出物をろ別し、ろ物を80〜90℃の熱水で洗浄して、3.44g(収率64%)の精製物(染料P1−P1)を回収した。
回収した精製物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=6.8分の位置に、全体の100%を占めるピークが検出された。このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=319であった。これは、p−フェニレンジアミンの自己重合体(三量体)の分子量(計算値:318)に対応するものであり、ピークの化合物が自己重合体(三量体)であることが確認された。なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーは検出されなかった。
・比較例2(染料P2−P2の合成)
100mLの蒸留水に、プレカーサーであるp−アミノフェノール1.5gを添加し、常温でエアレーションしながら1日間攪拌して空気酸化させた。その後、析出物をろ別し、ろ物を80〜90℃の熱水で洗浄して、0.12g(収率8%)の精製物(染料P2−P2)を回収した。
回収した精製物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=5.6分の位置に、全体の97%を占めるピークが検出された。このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=322であった。これは、p−アミノフェノールの自己重合体(三量体)の分子量(計算値:321)に対応するものであり、ピークの化合物が自己重合体(三量体)であることが確認された。なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーは検出されなかった。
・比較例3(染料P3−P3の合成)
100mLの蒸留水に、プレカーサーである2,5−ジアミノトルエン硫酸塩1.0gを添加し、酸化剤として35%過酸化水素水溶液3.06gを加えた後、水酸化ナトリウムでpH8に調整し、常温でエアレーションしながら24時間攪拌して酸化させた。その後、析出物をろ別し、0.13g(収率13%)の析出物(染料P3−P3)を回収した。
・比較例4(染料P4−P4の合成)
50mLの蒸留水に、プレカーサーである4,4’−ジアミノジフェニルアミン1.02gを添加し、酸化剤として硝酸カリウム0.68gを加えた後、水酸化ナトリウムでpH8に調整し、4時間攪拌して酸化させた。その後、ろ過により、0.29g(収率28%)の析出物(染料P4−P4)を回収した。
<処方例>
以下の処方例では、動粘度74〜77mm/s(37.5℃時点)のミネラルオイル、融点88℃のマイクロクリスタリンワックス、融点56℃のワセリン、動粘度10000mm/s(37.5℃時点)のメチルポリシロキサンを用いた。
・処方例1−1及び1−2(ヘアカラートリートメントオイルタイプ1剤式)
表1に記載のヘアカラートリートメントオイルタイプ1剤式の染毛剤を調合した。染毛の際には、調合した剤を水洗浄後タオルドライした人毛白髪毛束1gに1.5g塗布し、15分30〜35℃で放置後水洗し風乾した。
Figure 2019127461
・処方例2−1〜2−5(ヘアカラートリートメントクリームオイルタイプ2剤式)
表2に記載の処方で、第1剤及び第2剤から構成されるヘアカラートリートメントクリームオイルタイプ2剤式の染毛剤を調合した。染毛の際には、第1剤と第2剤を4:1の比率で配合し、水洗浄後タオルドライした人毛白髪毛束1gに1.5g塗布し、15分30〜35℃で放置後水洗し風乾した。
なお、処方例2−1、2−3及び2−4については、シア脂の融点を超える80℃で加熱して溶解させた上で、調合した。
Figure 2019127461
・処方例3(ヘアカラートリートメントクリーム分散剤タイプ)
表3に記載の処方で、第1剤及び第2剤から構成されるヘアカラートリートメントクリーム分散剤タイプの染毛剤を調合した。染毛の際には、第1剤と第2剤を4:1の比率で配合し、水洗浄後タオルドライした人毛白髪毛束1gに1.5g塗布し、15分30〜35℃で放置後水洗し風乾した。
Figure 2019127461
・処方例4(ヘアカラートリートメントオイル分散剤タイプ)
表4に記載の処方で、第1剤及び第2剤から構成されるヘアカラートリートメントオイル分散剤タイプの染毛剤を調合した。染毛の際には、第1剤と第2剤を4:1の比率で配合し、水洗浄後タオルドライした人毛白髪毛束1gに1.5g塗布し、15分30〜35℃で放置後水洗し風乾した。
Figure 2019127461
・処方例5−1及び5−2(ヘアカラートリートメントジェルオイルタイプ2剤式)
表5に記載の処方で、第1剤及び第2剤から構成されるヘアカラートリートメントジェルオイルタイプ2剤式の染毛剤を調合した。染毛の際には、第1剤と第2剤を4:1の比率で配合し、人毛白髪毛束1gに1.5g塗布し、15分30〜35℃で放置後水洗し風乾した。
なお、処方例5−1については、シア脂の融点を超える80℃で加熱して溶解させた上で、調合した。
Figure 2019127461
・処方例6−1及び6−2(ヘアカラー剤クリームオイルタイプ3剤式)
表6に記載の処方で、第1剤、第2剤及び第3剤から構成されるヘアカラー剤クリームオイルタイプ3剤式の染毛剤を調合した。染毛の際には、第1剤と第2剤と第3剤を4:1:5の比率で配合し、人毛白髪毛束1gに1.5g塗布し、30分30〜35℃で放置後水洗し風乾した。
なお、処方例6−1については、シア脂の融点を超える80℃で加熱して溶解させた上で、調合した。
Figure 2019127461
・処方例7(ヘアカラートリートメントスプレーオイルタイプ)
表7に記載のヘアカラートリートメントスプレーオイルタイプの染毛剤を調合した。染毛の際には、調合した剤を、水洗浄後タオルドライした人毛白髪毛束1gに1.0g塗布し、15分30〜35℃で放置後水洗し風乾した。
Figure 2019127461
・処方例8−1及び8−2(ヘアカラートリートメント泡タイプ 2剤式)
表8に記載の処方で、第1剤及び第2剤から構成されるヘアカラートリートメント泡タイプ 2剤式の染毛剤を調合した。染毛の際には、第1剤と第2剤を1:1の比率で配合し、人毛白髪毛束1gに1.5g塗布し、30分30〜35℃で放置後水洗し風乾した。
なお、処方例8−1については、シア脂の融点を超える80℃で加熱して溶解させた上で、調合した。
Figure 2019127461
(実施例8〜119、比較例5〜68)
表12〜17に示す染料及び処方例を適用し、染毛剤について以下の評価を行った。また、染料についても以下の評価を行った。その結果を、表12〜17に示す。
<染毛剤の評価>
・評価方法1(染色濃度)
各染毛剤を調合し、毛束の染色を行った。染色後の毛束の染色濃度について、下記の評価基準で専門パネラー20名に評価させた。
◎:非常に濃く染まる
○:濃く染まる
△:薄く染まる
×:非常に薄く染まる
・評価方法2(染色堅牢性)
各染毛剤を調合し、毛束の染色を行った。染色後の毛束を軽く濡らして、表9に記載のシャンプー0.5gを塗布し30秒泡立てながら洗浄した後、流水で30秒洗浄して風乾する工程を3回繰り返すことによりシャンプー褪色試験を行なった。褪色試験前後の毛束について、下記の評価基準で専門パネラー20名に評価させた。
◎:染色堅牢性が非常に高い(試験前後で褪色がほとんどない)
○:染色堅牢性が高い(試験前後で褪色が若干認められる)
△:染色堅牢性が低い(試験前後で褪色が認められる)
×:染色堅牢性が非常に低い(試験前後で褪色が非常に大きい)
Figure 2019127461
<染料の評価>
・評価方法3(皮膚感作性細胞試験)
h−CLAT法(OECD TG442E)にて試験を行った。濃度設定試験にて、生細胞のカウントは、FACS使用(h−CLAT法)を比色法または目視によるカウント手法に置き換えて細胞生存率75%濃度を算出した。感作性評価試験にて、FACS使用(h−CLAT法)をqPCRによる免疫関連タンパク遺伝子(CCL4、CD54、CD68)発現相対量の定量に置き換えて代替試験を行った。また、難水溶性の染料の細胞培地は、メビオールジェル(特開2008−125453号明細書参照)を用い、随時最適な染料溶媒にて試験を行った。評価は、陰性コントロールとしてドデシル硫酸ナトリウム、陽性コントロールとして2,4−ジニトロクロロベンゼンを用い、NOEL値(いかなる影響も認められない最大の暴露濃度)により比較した。
◎:アレルゲン性ほぼなし(NOEL値が陰性コントロールと同じかそれよりも高いもの)
○:アレルゲン性がかなり低い(NOEL値が陰性コントロールよりもわずかに低い)
△:アレルゲン性が高い(NOEL値が陰性コントロールより低く陽性コントロールの値に近い)
×:アレルゲン性がかなり高い(NOEL値が陽性コントロールと同じかそれより低いもの)
・評価方法4(皮膚感作性パッチテスト)
合成された染料を1,3−BGに溶解させて1%濃度にしたものを、20名のモニターの二の腕に直径1cmの円形の範囲で塗布し、30分放置後、水道水で洗浄した。その後、試験部位を表10に示す本邦基準判定に基づき経過観察し、下記の評価基準で評価した。
◎:全てのモニターにおいて、皮膚反応なし(−)を示し、皮膚感作性はない
○:モニター2名以下が48時間後に軽微な紅斑(±)を示し、皮膚感作性は小さい
△:モニター1名以上が48時間後に紅斑(+)または紅斑+浮腫(++)を示し、皮膚感作性は大きい
×:モニター1名以上が48時間後に紅斑+浮腫+水疱、丘疹等(+++)あるいは大水疱(++++)を示し、皮膚感作性は大きい
Figure 2019127461
・評価方法5(染毛剤の皮膚感作性パッチテスト)
各染毛剤を調合し、20名のモニターの二の腕に直径1cmの円形の範囲で塗布し、30分放置後、表9に記載のシャンプー(評価方法2と同じシャンプー)を用いて水洗浄した。その後、試験部位を表11に示す本邦基準判定に基づき経過観察し、下記の評価基準で評価した。
◎◎ :全てのモニターにおいて、皮膚反応なし(−−)を示し、皮膚感作性はない
◎ :モニター2名以下が48時間後に極淡薄色紅斑(−)を示し、皮膚感作性は小さい
○ :モニター2名以下が48時間後に軽微な紅斑(±)を示し、皮膚感作性は小さい
△ :モニター1名以上が48時間後に紅斑(+)または紅斑+浮腫(++)を示し、皮膚感作性は大きい
× :モニター1名以上が48時間後に紅斑+浮腫+水疱、丘疹等(+++)あるいは大水疱(++++)を示し、皮膚感作性は大きい
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Claims (4)

  1. p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール及び2,5−ジアミノトルエンから選ばれる1種の化合物と、2,4−ジアミノフェノキシエタノールとが酸化共重合した二量体を含む染料。
  2. p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール及び2,5−ジアミノトルエンから選ばれる1種又は2種の化合物と、2,6−ジアミノピリジンとが酸化共重合した三量体を含む染料。
  3. o−アミノフェノールが酸化自己重合した二量体を含む染料。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の染料を含む染毛剤。
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