JP2018188376A - 染毛剤 - Google Patents

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美奈子 天谷
亮介 渡邊
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亮介 渡邊
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学 澤田
卓也 齋藤
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卓也 齋藤
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Takeo Miyamoto
丈生 宮本
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Kyohei Joko
恭平 上甲
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Abstract

【課題】
長期間保存した場合であっても、染色色味や染色濃度の変化がない又は小さく、且つ染色堅牢性に優れる染毛剤を提供すること。
【解決手段】
酸化染料の酸化重合体及び主溶媒としてのアルコール溶媒を含有する染毛剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、染毛剤に関する。
従来、染毛剤等のヘアカラー製品には酸化染料が多く用いられている。酸化染料には、酸性染料、塩基性染料、HC染料等の他の染料と比べて、毛髪に対する染色力や染色堅牢性に優れるという利点がある。
酸化染料を用いた染毛剤としては、アンモニア等のアルカリ剤と酸化染料を含む1剤と、過酸化水素等の酸化剤を含む2剤で構成される2剤式の染毛剤が主流である。2剤式の染毛剤は、染毛時に1剤と2剤を混合して毛髪に塗布し、酸化染料を酸化重合させることにより毛髪を染色する。
このような従来の酸化染料を用いた染毛剤には、アンモニア等のアルカリ剤による皮膚刺激や臭気の問題、過酸化水素等の酸化剤による毛髪のダメージや皮膚刺激の問題がある。
これに対して、特許文献1〜3では、酸化染料を予め酸化重合させた酸化重合体を含む染毛剤が提案されている。これらの染毛剤によれば、染毛時にアンモニアや過酸化水素を用いる必要がない、あるいはこれらの量を減らすことができるため、皮膚刺激や臭気、毛髪のダメージ等の問題の改善が期待される。
特開平6−145032号公報 特開平6−172146号公報 特開平6−199641号公報
ところで、染毛剤を製品として販売する際には、長期間保存した場合であっても、染色色味や染色濃度の変化がない又は小さいことが求められる。しかしながら、本発明者による検討の結果、特許文献1〜3に記載の染毛剤の処方では、染毛剤を長期間保存した場合に、染色色味や染色濃度が大きく変化することが明らかとなった。
そこで本発明は、長期間(例えば、1ヶ月間)保存した場合であっても、染色色味や染色濃度の変化がない又は小さく、且つ染色堅牢性に優れる染毛剤を提供することを目的とする。
本発明の一側面にかかる染毛剤は、酸化染料の酸化重合体及び主溶媒としてのアルコール溶媒を含有する。かかる染毛剤は、長期間保存した場合であっても、染色色味や染色濃度の変化がない又は小さい。さらに、この染毛剤は、予め酸化重合させた酸化重合体を含むので、染毛時にアンモニア等のアルカリ剤や過酸化水素等の酸化剤を用いる必要がない、あるいはこれらの量を減らすことができる。
本発明の一側面にかかる染毛剤は、水を含有する第1剤と、酸化染料の酸化重合体及び主溶媒としてのアルコール溶媒を含有する第2剤とを備える。かかる染毛剤は、長期間保存した場合であっても、染色色味や染色濃度の変化がない又は小さい。さらに、この染毛剤は、予め酸化重合させた酸化重合体を含むので、染毛時にアンモニア等のアルカリ剤や過酸化水素等の酸化剤を用いる必要がない、あるいはこれらの量を減らすことができる。
上記酸化染料の酸化重合体は、染毛剤を長期間保存する際の染色色味や染色濃度の変化をより小さくする観点から、二量体及び/又は三量体を含むことが好ましい。
上記酸化染料の酸化重合体は、染毛剤を長期間保存する際の染色色味や染色濃度の変化をより小さくする観点から、プレカーサーとカップラーとの酸化共重合体を含むことが好ましい。
本発明によれば、長期間保存した場合であっても、染色色味や染色濃度の変化がない又は小さく、且つ染色堅牢性に優れる染毛剤を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態の染毛剤は、酸化染料の酸化重合体及び主溶媒としてのアルコール溶媒を含有する1剤式の染毛剤であってもよい。
従来の酸化染料を用いた染毛剤では、染毛時に酸化染料と酸化剤とを反応させながら染色するため、使用前にこれらを別々に保管可能な2剤式とする必要があった。一方、本実施形態の染毛剤においては、酸化染料の酸化重合体がそのまま染料として機能し得るため、必ずしも2剤式とする必要はなく、1剤式の染毛剤とすることができる。
また、本実施形態の染毛剤は、水を含有する第1剤と、酸化染料の酸化重合体及び主溶媒としてのアルコール溶媒を含有する第2剤とを備える多剤式の染毛剤であってもよい。
多剤式の染毛剤は、各剤に所望の性質を付与することができるので、様々なタイプの染毛剤とすることが可能となる。多剤式の染毛剤は、第1剤と第2剤とからなる2剤式であっても、第1剤と第2剤に加えて第3剤等を備える、3剤以上の多剤式であってもよいが、利便性の観点から、2剤式又は3剤式であることが好ましい。
染毛剤の剤型は、例えば、ジェルタイプ、液体タイプ、泡タイプ、スプレータイプ、クリームタイプ、オイルタイプ等の、溶媒を含み得る剤型であればよい。これらの剤型と求められる機能に合わせて、上述の1剤式又は多剤式の染毛剤を選択することができる。
本実施形態の染毛剤は、酸化染料の酸化重合体及び主溶媒としてのアルコール溶媒を含有するものであればよいが、取り扱い性の向上等を目的として、従来公知の成分を加えてもよい。以下、各成分について詳細に説明する。
<酸化染料の酸化重合体>
酸化染料とは、酸化処理によって得られる酸化重合体が発色する染料をいう。酸化染料は、単独で酸化され得る「プレカーサー」と、単独では酸化されず、プレカーサーと組み合わせて用いることにより酸化される「カップラー」とに分類される。
本明細書中、「酸化染料の酸化重合体」は、少なくとも2つの酸化染料が重合したものであればよく、1種のプレカーサーの酸化重合体であっても、2種以上のプレカーサーの酸化共重合体であっても、少なくとも1種のプレカーサーと少なくとも1種のカップラーとの酸化共重合体であってもよい。これらの中で、染毛剤を長期間保存する際の染色色味や染色濃度の変化をより小さくし、且つ合成しやすい観点から、1種のプレカーサーの酸化重合体、2種のプレカーサーの酸化共重合体、又は、1種のプレカーサーと1種のカップラーとの酸化共重合体であると好ましく、2種のプレカーサーの酸化共重合体、又は、1種のプレカーサーと1種のカップラーとの酸化共重合体であるとより好ましく、1種のプレカーサーと1種のカップラーとの酸化共重合体であると更に好ましい。
プレカーサーとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール、2,5−ジアミノトルエン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、p−メチルアミノフェノール、o−フェニレンジアミン、トルエン−3,4−ジアミン、o−アミノフェノール、ニトロ−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−5−ニトロフェノール、4−アミノ−2−ニトロフェノール、m−フェニレンジアミン等が挙げられる。これらは、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の塩又は水和物として用いてもよい。
これらの中で、染毛剤を長期間保存する際の染色色味や染色濃度の変化をより小さくする観点から、p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール、2,5−ジアミノトルエン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン又は4,4’−ジアミノジフェニルアミンが好ましく、p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール又は2,5−ジアミノトルエンがより好ましい。
カップラーとしては、例えば、5−アミノ−o−クレゾール、レゾルシン(m−ジフェノール)、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、m−アミノフェノール、2,6−ジアミノピリジン、トルエン−2,4−ジアミン等が挙げられる。これらは、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の塩又は水和物として用いてもよい。
これらの中で、染毛剤を長期間保存する際の染色色味や染色濃度の変化をより小さくする観点から、5−アミノ−o−クレゾール、レゾルシン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール又はm−アミノフェノールが好ましい。
上述の酸化染料を酸化処理することにより、酸化染料の酸化重合体を合成することができる。酸化処理の方法は、特に限定されないが、例えば、酸化染料を含む水溶液に過酸化水素水等の酸化剤を添加する方法や、酸化染料を含む水溶液に空気を送り込み(エアレーション)、空気酸化する方法、酸化剤(例えばその水溶液)中に酸化染料(例えばその水溶液)を添加する方法、酸化染料(例えばその水溶液)の噴霧状物と酸化剤(例えばその水溶液)の噴霧状物とを接触させる方法等を適用することができる。得られた酸化染料の酸化重合体は、熱水洗浄、再結晶等により精製してもよい。
酸化染料の酸化重合体は、少なくとも2つの酸化染料が重合したものであればよいが、染毛剤を長期間保存する際の染色色味や染色濃度の変化がより小さい観点から、二量体及び/又は三量体を含むことが好ましい。酸化染料の酸化重合体における二量体及び/又は三量体の割合は、60質量%以上であると好ましく、70質量%以上であるとより好ましく、80質量%以上であると更に好ましい。
本実施形態の染毛剤における酸化染料の酸化重合体の含有量は、染毛剤全量を基準として、例えば0.001〜30質量%とすることができる。その中で、染毛剤を長期間保存する際の染色色味や染色濃度の変化がより小さい等の観点から、0.01〜20質量%であると好ましく、0.02〜10質量%であるとより好ましい。
本実施形態の染毛剤は、上述の酸化染料の酸化重合体を、1種単独で含有していてもよく、2種以上を組み合わせて含有していてもよい。特に、2種以上の酸化染料の酸化重合体を組み合わせると、染毛色を種々調整することができる。
<溶媒>
本実施形態の染毛剤は、主溶媒としてアルコール溶媒を含有する。多剤式の染毛剤である場合には、酸化染料の酸化重合体を含む剤における主溶媒がアルコール溶媒であればよい。ここで、「主溶媒」とは、溶媒が単独である場合にはその溶媒であり、複数の溶媒を組み合わせて用いた場合には含有量が最も多い溶媒を示す。アルコール溶媒の含有量は、溶媒全量に対して、50質量%以上であると好ましく、70質量%以上であるとより好ましく、90質量%以上であると更に好ましく、アルコール溶媒以外の溶媒を実質的に含有しないと特に好ましい。
アルコール溶媒としては、室温(20〜30℃)で液体として存在する、染毛剤に使用可能であるものであれば特に限定されないが、例えば、炭素数1〜10の1価アルコール、2価アルコール又は3価アルコールを用いることができる。当該アルコールはエーテル基(−O−)を有していてもよい。アルコール溶媒の具体例としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール(1,3−ブタンジオール)、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、イソプレングリコール、ペンタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、2−ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール等が挙げられる。なお、室温で液体として存在し、染毛剤に使用可能であるものであれば、以下に任意成分として示されているアルコールをアルコール溶媒として用いてもよい。また、これらのアルコール溶媒は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中で、エタノール、1,3−ブチレングリコール又はベンジルアルコールが好ましい。
染毛剤におけるアルコール溶媒の含有量は、染毛剤の剤型等に合わせて種々調整することができる。
多剤式の染毛剤においては、第2剤の主溶媒としてアルコール溶媒を含有するとともに、第1剤の溶媒として水(特に精製水)を含有する。第1剤は、水に加えて上述のアルコール溶媒を含有していてもよい。第1剤又は第2剤は、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のN−アルキルピロリドン;炭酸プロピレン等の炭酸アルキレン;γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン等のラクトン等の他の有機溶媒を含有していてもよい。
多剤式の染毛剤において、第1剤と第2剤に加えて第3剤等を備える場合における第3剤等の溶媒は、染毛剤の剤型等に合わせて種々選択することができる。
<任意成分>
本実施形態の染毛剤は、上述の成分に加えて、例えば(A)アルカリ剤、(B)油性成分、(C)界面活性剤、(D)酸化剤、(E)キレート剤、(F)水溶性高分子、(G)防腐剤、(H)その他の染料等を任意成分として含有してもよい。これらの成分は、染毛剤の剤型と求められる機能に合わせて適宜選択することができる。また、多剤式の染毛剤においては、任意成分は、適宜第1剤、第2剤又は第3剤等のいずれに添加されていてもよいが、例えば、第2剤は酸化染料の酸化重合体及びアルコール溶媒からなるものとして、第1剤又は第3剤等に任意成分を添加することもできる。
((A)成分)
(A)成分は、1種又は2種以上のアルカリ剤である。
アルカリ剤の種類は限定されないが、アンモニア、アルカノールアミン類、有機アミン類、塩基性アミノ酸類及びそれらの塩や無機アルカリを挙げることができる。
アルカノールアミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等を挙げることができる。
有機アミン類としては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等を挙げることができる。
塩基性アミノ酸類としては、アルギニン、リジン等を挙げることができる。
無機アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン等の炭酸塩又は炭酸水素塩を挙げることができる。
これらの中でも、染料の毛髪への浸透の観点からは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム又はアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン若しくはそれらの塩が好ましい。
(A)成分の配合量は特に限定されないが、染毛剤に(A)成分を配合する場合は、染毛剤全量を基準として、0.1〜20.0質量%含まれることが好ましく、0.3〜10.0質量%含まれることがより好ましい。
((B)成分)
(B)成分は、1種又は2種以上の油性成分である。
(B)成分の種類は限定されず、高級アルコール、シリコーン類、油脂、炭化水素、高級脂肪酸、ロウ類、エステル類等が例示される。
高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、ラノリンアルコール、及び水添ラノリンアルコール等の飽和又は不飽和の直鎖状の高級アルコールを挙げることができる。
シリコーン類としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ヒドロキシ末端基を有するジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、シクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等を挙げることができる。
油脂としては、例えば、ローズヒップ油、ツバキ油、ヒマワリ種子油、アボカド油、コメヌカ油、マカダミアナッツ油、ナタネ油、オリーブ油、パーム油、メドウフォーム油、アーモンド油、シア脂、ミンク油等を挙げることができる。
炭化水素としては、例えば、ミネラルオイル、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、ポリブテン、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等を挙げることができる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等を挙げることができる。
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等を挙げることができる。
エステル類としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、オクタン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、イソオクタン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、カプリル酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、2−エチルヘキサン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、パルミチン酸デキストリン等を挙げることができる。
これらの中でも、乳化安定性、毛髪への塗布のしやすさ、指通り向上の観点から、特に高級アルコール、シリコーン類、炭化水素又は油脂が好ましい。高級アルコールとしては、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール又はベヘニルアルコールがより好ましい。シリコーン類としては、アミノ変性シリコーン、シクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン又はアミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体がより好ましい。炭化水素としては、ミネラルオイル、パラフィン、流動パラフィン又はワセリンがより好ましい。油脂としては、ヒマワリ種子油、オリーブ油又はマカダミアナッツ油がより好ましい。
(B)成分の配合量は特に限定されないが、染毛剤に(B)成分を配合する場合は、染毛剤の乳化安定性、塗布のしやすさ、毛髪とのなじみやすさ、染毛力の観点から、染毛剤全量を基準として、0.1〜90質量%含まれることが好ましく、1〜70質量%含まれることがより好ましい。
((C)成分)
(C)成分は、1種又は2種以上の界面活性剤である。
界面活性剤の種類は限定されず、カチオン性、アニオン性、非イオン性、両性イオン性の各種界面活性剤を用いることができる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、モノステアリン酸ポリエリレングリコールなどのポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンショ糖脂肪酸エステル、デシルグルコシドなどのアルキルグリコシド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム(セトリモニウムクロリド)、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(ステアルトリモニウムクロリド)、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(ベヘントリモニウムクロリド)、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(ジステアルジモニウムクロリド)、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム(ステアリルトリモニウムブロミド)、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、パンテニルヒドロキシプロピルステアルジモニウムクロリド、クオタニウム−91等が例示される。
アニオン性界面活性剤としては、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、セトステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、POEラウリルエーテルリン酸、POEセチルエーテルリン酸等のアルキルリン酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、POEラウリルエーテル酢酸ナトリウム等のアルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン(ココイルグルタミン酸TEA)、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノエチル、リン酸ジセチル等のリン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステル等が例示される。
両性イオン性界面活性剤としては、以下の(1)〜(5)が例示される。
(1)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ラウラミドプロピルベタイン)、リシノレイン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩又はトリエタノールアミン塩。
(2)デシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、セチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オレイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ベヘニルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩又はトリエタノールアミン塩。
(3)ココアンホ酢酸Na(N−ヤシ油脂肪酸アシル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミン)、ココアンホプロピオン酸Na(N−ヤシ油脂肪酸アシル−N’−カルボキシエチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミン)、ラウロアンホ酢酸Na(N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミン)、オリーブアンホ酢酸Na、カカオ脂アンホ酢酸Na、ゴマアンホ酢酸Na、スイートアーモンドアンホ酢酸Na、ステアロアンホ酢酸塩、パームアンホ酢酸Na、ピーナッツアンホ酢酸Na、ヒマワリ種子アンホ酢酸Na、綿実アンホ酢酸Na等のN−アシルアミノエチル−N−2−ヒドロキシエチルアミノカルボン酸塩。
(4)ココアンホジ酢酸Na、ココアンホジプロピオン酸Na、及びラウロアンホジ酢酸Na等のN−アシルアミノエチル−N−カルボキシメトキシエチルアミノカルボン酸塩。
(5)ヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシエチルサルコシン。
染毛剤中における(B)成分と(C)成分との配合量の質量比は、乳化安定性、毛髪への塗布のしやすさ、染毛力向上といった観点から、(B):(C)=1:1〜5:1であることが好ましく、2:1〜4:1であることがより好ましく、3:1〜4:1であることが更に好ましい。
(C)成分の配合量は特に限定されないが、染毛剤に(C)成分を配合する場合は、染毛剤の乳化安定性、塗布のしやすさ等の観点から、染毛剤全量を基準として、0.1〜30質量%含まれることが好ましく、1.0〜25質量%含まれることがより好ましい。
((D)成分)
(D)成分は、1種又は2種以上の酸化剤である。
酸化剤としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、硝酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物などを挙げることができる。
((E)成分)
(E)成分は、1種又は2種以上のキレート剤である。
キレート剤としては、グルコン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸(DHEDDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(1,3PDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIMDA)、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸(ASDA)、アミノトリメチレンホスホン酸(NTMP)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、トリポリリン酸、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、グリセリン酸、グリクロン酸、コハク酸、リンゴ酸、フィチン酸、サリチル酸、安息香酸、酢酸、フェルラ酸、マレイン酸等の化合物、その化合物の塩、その化合物の誘導体、及びその誘導体の塩が例示される。
(E)成分の配合量は、染毛剤に(E)成分を配合する場合は、乳化安定性や染毛力などの観点から、染毛剤全量に対して、0.001〜2.0質量%であることが好ましい。
((F)成分)
(F)成分は、1種又は2種以上の水溶性高分子である。
水溶性高分子としては、具体的には、有機天然高分子、有機半合成高分子、有機合成高分子等、無機高分子等が挙げられる。
有機天然高分子としては、セルロース、アラビアガム、グアーガム、ローカストビンガム、カラギーナン、クインスシード、デンプン、グリチルリチン酸、トラガカントガム、キャロブガム、ペクチン、ガラクタン、カラヤガム、アルゲコロイド等の植物系の有機天然高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン、ヒアルロン酸等の微生物系の有機天然高分子、アルブミン、グリコーゲン、コラーゲン、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、ムコイチン硫酸、ヒアルロン酸等の動物系の有機天然高分子などが挙げられる。
有機半合成高分子としては、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系の有機半合成高分子、カチオン化セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸Na、カルボキシメチルセルロースNa、セルロース末等のセルロース系の有機半合成高分子、アルギン酸Na、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系の有機半合成高分子、カチオン化グアーガム(例えばグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド)などが挙げられる。
有機合成高分子としては、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系の有機合成高分子、ポリエチレングリコール等のポリエチレン系の有機合成高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル(VA)共重合体等の共重合系の有機合成高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリエチルアクリレート等のアクリル系の有機合成高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなどが挙げられる。
無機高分子としては、ベントナイト、ラボナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
((G)成分)
(G)成分は、1種又は2種以上の防腐剤である。
防腐剤としては、例えば、アミノ酸、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、エチルヘキシルグリセリン、サリチル酸、ピロクトンオラミン、パラオキシ安息香酸メチルエステル等が挙げられる。
((H)成分)
(H)成分は、1種又は2種以上のその他の染料(酸化染料の酸化重合体以外の染料)である。
その他の染料としては、例えば、酸性染料、塩基性染料、HC染料、分散染料、ニトロ染料等が挙げられる。酸性染料としては、青色1号、紫色401号、黒色401号、だいだい色205号、赤色227号、赤色106号、黄色203号、酸性橙3等が挙げられる。塩基性染料としては、塩基性青99、塩基性茶16、塩基性茶17、塩基性赤76、塩基性赤51、塩基性黄57、塩基性黄87、塩基性橙31等が挙げられる。HC染料としては、HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC青2、HC赤1、HC赤3、HC赤7、HC橙1等が挙げられる。分散染料としては、分散紫1、分散青11、分散黒9等が挙げられる。ニトロ染料としては、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、4−ニトロ−m−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、3−ニトロ−p−ヒドロキシエチルアミノフェノール、3−メチルアミノ−4−ニトロフェノキシエタノール、4−アミノ−3−ニトロフェノール、4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール等が挙げられる。
(その他の成分)
本実施形態の染毛剤には、上述の成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を配合することができる。
このようなその他の成分としては、ペプチド、アミノ酸系成分、pH緩衝成分、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸、尿素等の保湿剤、8−オキシキノリン等の安定化剤、システイン、チオグリコール酸、亜硫酸塩、アスコルビン酸等の酸化防止剤、植物抽出物、生薬抽出物、殺菌剤、ビタミン類、色素、香料、顔料、紫外線吸収剤、シリカ等の体質粉体等を挙げることができる。
以下に、本発明を実施例により更に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。なお、実施例中、配合量の単位は「質量部」であり、「残量」とは、各剤における全量を100質量部としたときの他の成分の配合量を除いた残りの量を示す。また、「1,3−BG」は、1,3−ブチレングリコールを示し、「LPG」は、液化石油ガスを示し、「DME」はジメチルエーテルを示し、「VA」は酢酸ビニルを示す。
<染料の分析>
合成例において合成した酸化染料の酸化重合体(染料)については、下記条件にてLC/MS測定、HPLC測定を行なった。
・LC/MS測定(LC1260:アジレント・テクノロジー製)
TSKgel ODS−100Sカラム(東ソー)、アセトニトリル/水(35/65)溶離液、流速0.6ml/min、検出器UV=430nmおよび280nm
・HPLC測定(UltiMate3000:Thermo Fisher SCIENTIFIC製)
TSKgel ODS−100Sカラム(東ソー)、カラム温度40℃、アセトニトリル/水(35/65)溶離液、流速1.00ml/min、検出器UV=430nmおよび280nm
合成した酸化染料の酸化重合体における単量体(酸化染料)の構成と重合度(二量体、三量体等)は、LC/MS測定による分子量の実測値と、単量体の分子量に基づいて計算した重合体の分子量の計算値とを対比すること等により判定することができる。また、2種以上の酸化染料を用いた場合に、一方の酸化染料(プレカーサー)のみが重合した自己重合体が、合成した酸化染料の酸化重合体に含まれるか否かは、別途プレカーサーの自己重合体を合成し、LC/MS測定による分子量やHPLC測定のリテンションタイム(原料は280nmで検出、酸化共重合体は430nmで検出)を対比すること等により判定することができる。さらに、合成した酸化染料の酸化重合体に原料である酸化染料が含まれるか否かは、LC/MS測定による分子量やHPLC測定の際のリテンションタイムを対比すること等により判定することができる。
<染料の合成>
・合成例1(染料P1−C1の合成)
2.0Lの蒸留水に、プレカーサーとしてp−フェニレンジアミン2.16g、カップラーとして5−アミノ−o−クレゾール2.46g(プレカーサーとカップラーのモル比は1:1)を加えた後、常温でエアレーションしながら一週間攪拌して空気酸化させた。
その後、析出物をろ別し、ろ物を80〜90℃の熱水で洗浄して、2.93g(収率63%)の析出物(染料P1−C1)を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=4.7分の位置に、全体の99%を占めるピークが検出された。このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=228であった。これは、p−フェニレンジアミンと5−アミノ−o−クレゾールの1:1共重合体(二量体)の分子量(計算値:227)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(二量体)であることが確認された。なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
・合成例2(染料P1−C2の合成)
2.5Lの蒸留水に、プレカーサーとしてp−フェニレンジアミン29.21g、カップラーとしてレゾルシン14.85g(プレカーサーとカップラーのモル比は2:1)、酸化剤として35%過酸化水素水溶液52.56gを加えた後、水酸化ナトリウムでpH10に調整し、常温で6時間攪拌しながら酸化させた。
その後、析出物をろ別し、ろ物を80〜90℃の熱水で洗浄して、1.21g(収率2.7%)の析出物(染料P1−C2)を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=3.2分の位置に、全体の94%を占めるピークが検出された。このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=321であった。これは、p−フェニレンジアミンとレゾルシンの2:1共重合体(三量体)の分子量(計算値:320)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(三量体)であることが確認された。なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
・合成例3(染料P2−C1の合成)
2Lの蒸留水に、プレカーサーとしてp−アミノフェノール2.18g、カップラーとして5−アミノ−o−クレゾール2.46g(プレカーサーとカップラーのモル比は1:1)を添加し、常温でエアレーションしながら一週間攪拌して空気酸化させた。
その後、析出物をろ別し、ろ物を80〜90℃の熱水で洗浄した、熱水洗浄後の析出物をエタノールに溶解させ、ろ過にてろ液を回収した。ろ液に蒸留水添加にて再結晶を行い、1.83g(収率39%)の精製物(染料P2−C1)を回収した。
回収した精製物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=4.7分の位置に、全体の98%を占めるピークが検出された。このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=229であった。これは、p−アミノフェノールと5−アミノ−o−クレゾールの1:1共重合体(二量体)の分子量(計算値:228)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(二量体)であることが確認された。なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
・合成例4(染料P1−C3の合成)
0.5Lの蒸留水に、プレカーサーとしてp−フェニレンジアミン14.9g、カップラーとしてm−アミノフェノール5g(プレカーサーとカップラーのモル比は3:1)を添加し、酸化剤として35%過酸化水素水溶液53.4gを加えた後、硫酸でpH8に調整し、常温で4時間攪拌しながら酸化させた。その後、析出物(染料P1−C3)をろ別し、1.75g(収率9%)の析出物を回収した。
回収した析出物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=5.3分の位置に、全体の97%を占めるピークが検出された。このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=320であった。これは、p−フェニレンジアミンとm−アミノフェノールの2:1共重合体(三量体)の分子量(計算値:319)に対応するものであり、ピークの化合物が共重合体(三量体)であることが確認された。なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーとカップラー、又はプレカーサーの自己重合体は検出されなかった。
・合成例5(染料P1−P1の合成)
2.0Lの蒸留水に、プレカーサーであるp−フェニレンジアミン5.4gを添加し、常温でエアレーションしながら1週間攪拌して空気酸化させた。その後、析出物をろ別し、ろ物を80〜90℃の熱水で洗浄して、3.44g(収率64%)の精製物(染料P1−P1)を回収した。
回収した精製物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=6.8分の位置に、全体の100%を占めるピークが検出された。このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=319であった。これは、p−フェニレンジアミンの自己重合体(三量体)の分子量(計算値:318)に対応するものであり、ピークの化合物が自己重合体(三量体)であることが確認された。なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーは検出されなかった。
・合成例6(染料P2−P2の合成)
100mLの蒸留水に、プレカーサーであるp−アミノフェノール1.5gを添加し、常温でエアレーションしながら1日間攪拌して空気酸化させた。その後、析出物をろ別し、ろ物を80〜90℃の熱水で洗浄して、0.12g(収率8%)の精製物(染料P2−P2)を回収した。
回収した精製物について、HPLC測定を行ったところ、リテンションタイム=5.6分の位置に、全体の97%を占めるピークが検出された。このピークの部分について、LC/MS測定を行ったところ、実測値が[M+H]=322であった。これは、p−アミノフェノールの自己重合体(三量体)の分子量(計算値:321)に対応するものであり、ピークの化合物が自己重合体(三量体)であることが確認された。なお、HPLC測定では、原料であるプレカーサーは検出されなかった。
<処方例>
・処方例1−1及び1−2(ヘアカラートリートメントクリームタイプ2剤式)
表1に記載の処方で、第1剤及び第2剤から構成されるヘアカラートリートメントクリームタイプ2剤式の染毛剤を調合した。染毛は、人毛白髪毛束1gに第1剤と第2剤を1:1の比率で配合した剤を1.5g塗布し、30分30〜35℃で放置後、毛束を水洗し風乾することにより行なった。
Figure 2018188376
・処方例2−1及び2−2(ヘアカラートリートメントジェルタイプ2剤式)
表2に記載の処方で、第1剤及び第2剤から構成されるヘアカラートリートメントジェルタイプ2剤式の染毛剤を調合した。染毛は、人毛白髪毛束1gに第1剤と第2剤を1:1の比率で配合した剤を1.5g塗布し、30分30〜35℃で放置後、毛束を水洗し風乾することにより行なった。
Figure 2018188376
・処方例3−1及び3−2(ヘアカラートリートメント泡タイプ オイル系)
表3に記載のヘアカラートリートメント泡タイプ オイル系の染毛剤を調合した。染毛は、人毛白髪毛束1gに調合した剤を1.5g塗布し、30分30〜35℃で放置後、毛束を水洗し風乾することにより行なった。
Figure 2018188376
・処方例4−1及び4−2(ヘアカラー剤3剤式)
表4に記載の処方で、第1剤、第2剤及び第3剤から構成されるヘアカラー剤3剤式の染毛剤を調合した。染毛は、人毛白髪毛束1gに第1剤と第2剤と第3剤を1:1:2の比率で配合した剤を1.5g塗布し、30分30〜35℃で放置後、毛束を水洗し風乾することにより行なった。
Figure 2018188376
・処方例5(ヘアカラートリートメントスプレータイプ)
表5に記載のヘアカラートリートメントスプレータイプの染毛剤を調合した。染毛は、人毛白髪毛束1gに調合した剤を1.0g塗布し、30分30〜35℃で放置後、毛束を水洗し風乾することにより行なった。
Figure 2018188376
・処方例6−1及び6−2(ヘアカラートリートメントオイルタイプ1剤式)
表6に記載の処方で、ヘアカラートリートメントオイルタイプ1剤式の染毛剤を調合した。染毛は、人毛白髪毛束1gに調合した剤を1.0g塗布し、30分30〜35℃で放置後、毛束を水洗し風乾することにより行なった。
Figure 2018188376
・処方例7(ヘアカラートリートメントクリームタイプ1剤式)
表7に記載の処方で、ヘアカラートリートメントクリームタイプ1剤式の染毛剤を調合した。染毛は、人毛白髪毛束1gに調合した剤を1.5g塗布し、30分30〜35℃で放置後、毛束を水洗し風乾することにより行なった。
Figure 2018188376
・処方例8(ヘアカラートリートメントジェルタイプ1剤式)
表8に記載の処方で、ヘアカラートリートメントジェルタイプ1剤式の染毛剤を調合した。染毛は、人毛白髪毛束1gに調合した剤を1.5g塗布し、30分30〜35℃で放置後、毛束を水洗し風乾することにより行なった。
Figure 2018188376
・処方例9(ヘアカラートリートメント泡タイプ 水系)
表9に記載の処方で、ヘアカラートリートメント泡タイプ 水系の染毛剤を調合した。染毛は、人毛白髪毛束1gに調合した剤を1.5g塗布し、30分30〜35℃で放置後、毛束を水洗し風乾することにより行なった。
Figure 2018188376
・処方例10(ヘアカラー剤2剤式)
表10に記載の処方で、第1剤及び第2剤から構成されるヘアカラー剤2剤式の染毛剤を調合した。染毛は、人毛白髪毛束1gに第1剤と第2剤を1:1の比率で配合した剤を1.5g塗布し、30分30〜35℃で放置後、毛束を水洗し風乾することにより行なった。
Figure 2018188376
・処方例11(ヘアカラートリートメントオイルタイプ2剤式)
表11に記載の処方で、第1剤及び第2剤から構成されるヘアカラートリートメントオイルタイプ2剤式の染毛剤を調合した。染毛は、人毛白髪毛束1gに第1剤と第2剤を1:1の比率で配合した剤を1.0g塗布し、30分30〜35℃で放置後、毛束を水洗し風乾することにより行なった。
Figure 2018188376
(実施例1〜84及び比較例1〜28)
表13〜19に示す染料及び処方例を適用し、染毛剤について評価を行った。その結果を、表13〜19に示す。
<染毛剤の評価>
・評価方法1(染色色味)
各染毛剤を調合し、調合後すぐに染色を行った毛髪と、調合して1ヶ月経過してから染色を行った毛髪の染色色味を比較し、1ヶ月経過した剤の染色色味について、下記の評価基準で専門パネラー20名に評価させた。
◎ :変化なし
○ :僅かに変化した
△ :大きく変化した
× :大きく変化しくすんだ
・評価方法2(染色濃度)
各染毛剤を調合し、調合後すぐに染色を行った毛髪と、調合して1ヶ月経過してから染色を行った毛髪の染色濃度を比較し、1ヶ月経過した剤の染色濃度について、下記の評価基準で専門パネラー20名に評価させた。
◎ :変化なし
○ :僅かに薄くなった
× :非常に薄くなった
・評価方法3(染色堅牢性)
各染毛剤を調合し、毛束の染色を行った。染色後の毛束を軽く濡らして、表12に記載のシャンプー0.5gを塗布し30秒泡立てながら洗浄した後、流水で30秒洗浄して風乾する工程を3回繰り返すことによりシャンプー褪色試験を行なった。褪色試験前後の毛束について、下記の評価基準で専門パネラー20名に評価させた。
◎ :染色堅牢性が非常に高い(試験前後で褪色がほとんどない)
○ :染色堅牢性が高い(試験前後で褪色が若干認められる)
△ :染色堅牢性が低い(試験前後で褪色が認められる)
× :染色堅牢性が非常に低い(試験前後で褪色が非常に大きい)
Figure 2018188376
Figure 2018188376
Figure 2018188376
Figure 2018188376
Figure 2018188376
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Figure 2018188376

Claims (4)

  1. 酸化染料の酸化重合体及び主溶媒としてのアルコール溶媒を含有する染毛剤。
  2. 水を含有する第1剤と、酸化染料の酸化重合体及び主溶媒としてのアルコール溶媒を含有する第2剤とを備える染毛剤。
  3. 酸化染料の酸化重合体が二量体及び/又は三量体を含む、請求項1又は2に記載の染毛剤。
  4. 酸化染料の酸化重合体がプレカーサーとカップラーとの酸化共重合体を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の染毛剤。
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