JP7084846B2 - 抗菌シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、抗菌シート及びその製造方法に関する。
近年、医療施設や食品加工施設等において、パーソナルコンピュータ等の電子機器の利用が進んでいる。医療施設等においては、室内における病原菌などの有害微生物の繁殖を抑制し、室内を清潔に保つことが求められている。従来から、この種の施設においては、水拭きによる清掃や、薬剤を用いた除菌等の種々の方法によって室内の清潔が維持されている。清掃や除菌等の方法によって室内の清潔を維持するためには定期的に清掃や除菌を行う必要がある。
しかし、キーボードや操作パネル、タッチパネル等の電子機器のインターフェースは、多数の人が頻繁に触れるため、清潔が損なわれやすい。これらの部分の清潔に保つためには、理想的には使用の都度清掃や除菌を行うことが望ましいが、使用の都度清掃等を行うことは極めて煩雑である。そのため、清掃や除菌の頻度を低減することが求められている。
かかる問題に対し、抗菌作用、つまり、菌の繁殖を抑制する作用を有するシートやフィルムによってインターフェースを覆い、清掃や除菌の頻度を低減する方法が注目されている。例えば、特許文献1には、可撓性高分子フィルム基材の少なくとも一方の表面に少なくとも1層の抗菌性金属薄膜を形成してなり、該金属薄膜は金属蒸発源を加熱溶融させて行う真空蒸着法により形成されている抗菌フィルムが記載されている。
特開2010-247450号公報
特許文献1の抗菌フィルムにおいて、抗菌性金属薄膜が抗菌効果を十分に発揮するためには、抗菌性金属薄膜の厚みをある程度厚くする必要がある。しかし、抗菌性金属薄膜の厚みが厚くなると、可視光が抗菌フィルムを透過しにくくなる。そのため、キーボードや操作パネル、タッチパネル等の電子機器のインターフェースに特許文献1の抗菌フィルムを使用する場合、インターフェースの視認性の低下を招くおそれがある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、可視光の透過性及び抗菌効果の高い抗菌シートを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、樹脂フィルムと、
前記樹脂フィルムの少なくとも片面に付着した銅粒子と、を有し、
波長380~780nmにおける全光線透過率が20%以上であり、
前記銅粒子の平均円相当径は10~30nmであり、
前記銅粒子の付着量は100~200mg/m 2である、抗菌シートにある。
前記抗菌シートは、樹脂フィルムと、樹脂フィルム上に形成され、前記特定の範囲の平均円相当径を有する銅粒子と、を有している。銅粒子の付着量を前記特定の範囲とすることにより、種々の細菌に対して高い抗菌効果を発揮する抗菌シートを得ることができる。
また、樹脂フィルム上に前記特定の範囲の平均円相当径を有する銅粒子を形成することにより、可視光の透過性を格段に高めることできる。その結果、前記特定の範囲の全光線透過率を実現することができる。前記特定の範囲の全光線透過率を有する抗菌シートは、可視光の透過性に優れ、キーボードや操作パネル、タッチパネル等の、電子機器のインターフェースの視認性の悪化を抑制することができる。
以上のように、前記抗菌シートは、抗菌効果及び可視光の透過性に優れている。そのため、電子機器のインターフェースの保護に好適に用いることができる。
実施例における、抗菌シートの一部拡大断面図である。 実施例における、試験材A2のSEM像である。 実施例における、試験材A6のSEM像である。 実施例における、試験材A11のSEM像である。 実施例における、試験材A21のSEM像である。 実施例における、試験材A10と印刷物とを重ね合わせた状態を示す図面代用写真である。 実施例における、試験材A11と印刷物とを重ね合わせた状態を示す図面代用写真である。 実施例における、試験材A12と印刷物とを重ね合わせた状態を示す図面代用写真である。 実施例における、試験材A13と印刷物とを重ね合わせた状態を示す図面代用写真である。
前記抗菌シートにおいて、樹脂フィルムとしては、可視光に対して透明な樹脂フィルムを使用することができる。樹脂フィルムには、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル及びシリコーンのうち1種または2種以上の樹脂が含まれていることが好ましい。これらの樹脂は、高い屈折率を有しているため、抗菌シートの可視光の透過性をより向上させることができる。また、これらの樹脂は、高い耐熱性を有しているため、抗菌シートの製造過程において真空蒸着を行う際の樹脂フィルムの劣化を抑制することができる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等を使用することができる。また、ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィンの単独重合体や、エチレン-プロピレン共重合体等の、オレフィンを含む共重合体を使用することができる。
樹脂フィルムの厚みは、例えば5~250μmとすることができる。樹脂フィルムの厚みが5μm未満の場合には、製造過程における樹脂フィルムの取り扱いが難しくなりやすい。一方、樹脂フィルムの厚みが250μmを超える場合には、可視光の透過性の低下を招くおそれがある。
樹脂フィルム上には、多数の銅粒子が付着している。銅粒子は、純銅から構成されていてもよいし、銅合金から構成されていてもよい。銅粒子が銅合金から構成されている場合、銅による抗菌効果を十分に発揮させる観点から、銅合金中の銅の含有量が60質量%以上であることが好ましい。
銅粒子の平均円相当径は、10~30nmである。銅粒子の平均円相当径を前記特定の範囲とすることにより、可視光の透過性に優れた抗菌シートを得ることができる。銅粒子の平均円相当径が10nm未満の場合には、可視光が銅粒子によって散乱されやすくなる。また、この場合には、銅粒子の層が光学的には連続膜としてふるまうため、可視光の透過性の低下を招くおそれがある。
また、銅粒子の平均円相当径が30nmを超える場合には、銅粒子同士が凝集し、銅粒子の層が連続膜に近い状態となる。そのため、この場合にも、可視光の透過性の低下を招くおそれがある。
なお、銅粒子の平均円相当径は、以下の方法により算出される値である。まず、SEM(つまり、走査型電子顕微鏡)を用いて樹脂フィルム上の銅粒子を観察し、銅粒子のSEM像を取得する。観察倍率及び視野面積は、視野内の銅粒子の数を十分に多くすることができれば、特に限定されることはない。例えば、観察倍率は1万~30万倍の範囲から適宜選択することができる。画像解析装置を用いて得られたSEM像中に存在する銅粒子の円相当径を算出する。これらの円相当径の算術平均を、銅粒子の平均円相当径とすればよい。
また、銅粒子の付着量は100~200mg/m 2とする。これにより、抗菌効果及び可視光の透過性の両方に優れた抗菌シートを得ることができる。銅粒子の付着量が100mg/m 2未満の場合には、樹脂フィルム上に付着した銅の量が不足するため、抗菌効果の低下を招くおそれがある。銅粒子の付着量が200mg/m 2を超える場合には、銅粒子の層の厚みが過度に厚くなり、可視光の透過性の低下を招くおそれがある。
銅粒子の付着量は、例えば、蛍光X線分析によりCuの特性X線強度を測定した後、予め作成した検量線を用いて特性X線強度を付着量に換算することにより算出することができる。
抗菌フィルムの表面に露出した銅粒子の数は、1500~5000個/μm2であることが好ましい。この場合には、抗菌シートの可視光の透過性をより向上させることができる。抗菌フィルムの表面に露出した銅粒子の数は、前述した平均円相当径と同様に銅粒子のSEM像を取得した後、画像解析装置によって銅粒子のSEM像中に存在する銅粒子の数を数え、この数を単位面積当たりの数に換算することにより算出することができる。
波長380~780nmにおける前記抗菌シートの全光線透過率は20%以上である。前記特定の範囲の全光線透過率を有する抗菌シートは、可視光の透過性が高いため、キーボード等の電子機器のインターフェースの視認性を損なうことなく、抗菌効果を発揮することができる。それ故、前記抗菌シートは、インターフェースの保護に好適である。なお、波長380~780nmにおける抗菌シートの全光線透過率は、JIS K7361-1:1997に準拠した方法により測定される値である。全光線透過率の測定には、例えば、ヘーズメーターを使用することができる。
波長380~780nmにおける全光線透過率は30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、45%以上であることがさらに好ましく、50%以上であることが特に好ましい。この場合には、抗菌シートの色がより薄くなるため、抗菌シートで被覆した場合のインターフェースの色調の変化をより効果的に抑制することができる。
前述したように、前記抗菌シートは、高い抗菌効果を有するとともに、優れた可視光の透過性を有している。そのため、例えば、タッチパネル等のバックライトを有するインターフェースだけではなく、キーボード等のバックライトを有しないインターフェースに対しても、視認性を損なうことなくインターフェースを保護することができる。それ故、前記抗菌シートは、キーボードカバーとして特に好適である。
前記抗菌シートは、樹脂フィルムと銅粒子との間にプライマー層を有していてもよい。この場合には、樹脂フィルムと銅粒子との接着性をより向上させ、樹脂フィルムからの銅粒子の剥離をより長期間に亘って抑制することができる。その結果、前記抗菌シートの抗菌効果をより長期間に亘って維持することができる。
プライマー層としては、例えば、樹脂フィルムと銅粒子との両方に高い接着性を有する接着剤を使用することができる。かかる接着剤としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、硝化綿系樹脂等の樹脂を含む接着剤がある。
また、前記抗菌シートにおける樹脂フィルムの裏面、つまり、銅粒子を有しない側の面には、抗菌シートを保護しようとする対象物に貼付するための粘着層が設けられていてもよい。粘着層の材質は、透明であれば特に限定されることはない。例えば、粘着層としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコ-ン系粘着剤等を使用することができる。
前記抗菌シートを作製するに当たっては、例えば、前記樹脂フィルムを準備した後、
圧力を1×10-4~1×10-2Paの範囲内に制御して真空蒸着を行うことにより前記樹脂フィルム上に前記銅粒子を形成する方法を採用することができる。
真空蒸着時の圧力を前記特定の範囲内とすることにより、樹脂フィルム上に形成される銅粒子の平均円相当径を前記特定の範囲内に制御することができる。真空蒸着中の圧力が1×10-4Pa未満となる場合には、樹脂フィルム上に銅の連続膜が形成されやすい。また、真空蒸着中の圧力が1×10-2Paを超える場合には、銅粒子の平均円相当径が大きくなりやすい。そのため、真空蒸着時の圧力が前記特定の範囲から外れる場合には、可視光の透過性の低下を招くおそれがある。樹脂フィルムに確実に銅粒子を形成する観点からは、真空蒸着時の圧力を1×10-3~1×10-2Paの範囲内に制御して真空蒸着を行うことが好ましい。
真空蒸着時の蒸着速度は、0.5~5nm/秒であることが好ましい。蒸着速度を前記特定の範囲内とすることにより、生産性の悪化を回避しつつ、前記特定の範囲の平均円相当径を有する銅粒子をより確実に形成することができる。蒸着速度が0.5nm/秒未満の場合には、真空蒸着に要する時間が長くなり、生産性の悪化を招くおそれがある。また、蒸着速度が5nm/秒を超える場合には、樹脂フィルム上に銅の連続膜が形成されやすくなり、可視光の透過性の低下を招くおそれがある。
前記の製造方法において、樹脂フィルムを準備した後、真空蒸着を行う前に、必要に応じて樹脂フィルムに前処理を施してもよい。前処理としては、例えば、樹脂フィルムの表面を正常化するための処理等を行うことができる。かかる処理としては、具体的には、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理等の表面処理を採用し得る。
前記抗菌シート及びその製造方法の実施例を、図1を用いて説明する。なお、本発明に係る抗菌シート及びその製造方法の具体的な態様は以下の態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜構成を変更することができる。
本例の抗菌シート1は、図1に示すように、樹脂フィルム2と、樹脂フィルム2の片面に付着した銅粒子3と、を有している。抗菌シート1は、例えば以下の方法により作製することができる。
まず、樹脂フィルム2として、ポリエチレンテレフタレートを含む厚み30μmの透明フィルムを準備する。この樹脂フィルム2の片面に、真空蒸着法によって純銅を付着させる。なお、真空蒸着における蒸発源としては、直径約1mmの粒状を呈する純度99.9質量%以上の純銅を使用する。
真空蒸着は、例えば以下のようにして行うことができる。まず、蒸着装置内の冷却ステージ上に樹脂フィルムを載置する。その後、蒸着装置内を減圧する。そして、冷却ステージにより樹脂フィルムを冷却しながら真空蒸着を行う。このように、樹脂フィルムを冷却しながら真空蒸着を行うことにより、樹脂フィルムの熱収縮やシワ、歪等の発生を抑制することができる。
装置内の圧力を表1に示す範囲に制御し、蒸着速度及び時間を適宜変更することにより、表1に示す抗菌シート(試験材A1~A24)を得ることができる。なお、本例における蒸着速度は、0.05~5nm/秒の範囲内である。
各試験材における銅粒子の平均円相当径、付着量及び表面に露出した銅粒子の数の測定方法は、以下の通りである。
・平均円相当径
電解放出型走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製「SU8230」)を用い、各試験材における銅粒子が付着した面のSEM像を取得する。なお、SEM像取得時の加速電圧は1.0kV、ワーキングディスタンスは3.0mm、観察倍率は10万倍とする。得られたSEM像中に映っている銅粒子から、粒子全体が映っている銅粒子を無作為に30個選択する。そして、これらの銅粒子の円相当径の算術平均を銅粒子の平均円相当径とする。各試験材における銅粒子の平均円相当径は表1に示す通りである。
・表面に露出した銅粒子の数
前述したSEM像内に、一辺200nmの正方形状の領域を無作為に設定し、領域内に存在する銅粒子の数を数える。この数を1μm2当たりの数に換算した値を表面に露出した銅粒子の数とする。各試験材における表面に露出した銅粒子の数は表1に示す通りである。
・付着量
蛍光X線分析装置(株式会社リガク製「RIX3100」)を用い、各試験材における銅粒子が付着した面の蛍光X線分析を行って銅の付着量を測定する。各試験材における銅粒子の付着量は表1に示す通りである。
また、各試験材における可視光の透過性及び抗菌効果の評価方法は以下の通りである。
・可視光の透過性
ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製「NDH-2000」)を用い、JIS K7361-1:1997に準拠した方法により波長380~780nmにおける各試験材の全光線透過率を測定する。各試験材の全光線透過率は表1の「透過率」欄に示す通りである。
また、本例では、前述した透過率とともに、レーザープリンターによってモノクロ印刷された印刷物と試験材とを重ね合わせた際の印刷内容の視認性を評価する。なお、本例において使用する印刷物Pにおいては、図6~図9に示すように、白地の紙面上に「ABC」という文字が黒色で印刷されている。表1の「印刷物の視認性」欄には、印刷物と試験材とを重ね合わせた状態において、印刷内容を視認できる場合に記号「A」、印刷内容を視認できない場合に記号「B」を記載した。
・抗菌効果
各試験材から一辺40mmの正方形状を呈する抗菌加工試験片を採取する。また、真空蒸着を行う前の樹脂フィルム2から一辺40mmの正方形状を呈する無加工試験片を採取する。これらの試験片を用い、JIS Z2801:2010に規定された方法により抗菌性試験を行う。試験に用いる細菌は黄色ブドウ球菌及び大腸菌とし、培養時間は24時間とする。
各試験片における24時間培養後の生菌数に基づき、抗菌効果の大小を示す抗菌活性値を算出することができる。抗菌活性値Rは、具体的には、以下の式により算出される値である。なお、下記式における記号Utは無加工試験片における24時間培養後の生菌数の常用対数の平均値であり、Atは抗菌加工試験片における24時間培養後の生菌数の常用対数の平均値である。
R=Ut-At
各試験材における抗菌活性値を表1に示す。抗菌効果の評価においては、黄色ブドウ球菌及び大腸菌の両方について抗菌活性値Rが2.0以上である場合と合格と判定し、少なくとも一方が2.0未満である場合を不合格と判定した。
Figure 0007084846000001
表1に示すように、試験材A5~A7、A10~A12、A15~A17は、樹脂フィルム2上に、平均円相当径10~30nmの銅粒子3を有している。また、これらの試験材における銅粒子3の付着量は100~200mg/m2であり、波長380~780nmにおける全光線透過率は20%以上である。図3及び図4に、これらの試験材の代表として、試験材A6及び試験材A11のSEM像を示す。
図3及び図4に示すように、これらの試験材は、樹脂フィルムの表面全体に微細な銅粒子3が付着している。それ故、これらの試験材は、表1に示すように可視光の透過性に優れ、かつ、高い抗菌効果を有することが理解できる。
また、これらの試験材の中でも、特に、波長380~780nmにおける全光線透過率が30%以上である試験材A5、A6、A10、A11、A15は、図6に例示する試験材A10及び図7に例示する試験材A11のように、印刷物Pと試験材とを重ね合わせた際に、背面から光を透過させない場合においても印刷内容を容易に視認できる。従って、これらの試験材は、タッチパネル等のバックライトを有するインターフェース及びキーボード等のバックライトを有しないインターフェースのいずれにおいても、視認性を確保しつつ抗菌効果を発揮することができる。
これに対し、波長380~780nmにおける全光線透過率が20%以上30%未満である試験材は、図8に例示する試験材A12のように、全光線透過率が30%以上である試験材に比べて印刷物Pの視認性が低い。それ故、抗菌シートの全光線透過率が20%以上30%未満である場合には、インターフェースの視認性を向上させるために、バックライト等を用い、インターフェースの背後から光を照射することが望ましい。
試験材A4、A9、A14に示すように、銅粒子3の付着量が前記特定の範囲よりも少ない場合には、抗菌効果が不十分となるおそれがある。また、試験材A8、A13、A18に示すように、銅粒子3の平均円相当径が前記特定の範囲内であっても、付着量が過度に多い場合には、波長380~780nmにおける全光線透過率が20%未満となる。これらの試験材は、図9に例示する試験材A13のように、印刷物Pの印刷内容をほとんど視認することができない。このように、波長380~780nmにおける全光線透過率が20%未満となる抗菌シートは、抗菌シート越しにインターフェースを視認することが難しいため、インターフェースの保護用としては好ましくない。
また、真空蒸着中における装置内の圧力が10-5Pa台まで低下すると、図2に例示する試験材A2のように、樹脂フィルム2上に純銅の連続膜が形成されやすくなる。純銅の連続膜は、銅粒子からなる層に比べて可視光の透過性が低い。それ故、可視光の透過性を高めるために付着量を少なくしようとすると、試験材A1のように抗菌効果の低下を招く。また、抗菌効果を十分に得るために付着量を多くしようとすると、試験材A2、A3のように波長380~780nmにおける全光線透過率が20%未満となる。
また、真空蒸着中における装置内の圧力が10-1Pa台まで上昇すると、図5に例示する試験材A21のように、樹脂フィルム2上に銅粒子同士が凝集した連続膜様の構造が形成されやすくなる。この場合にも、前記特定の範囲の平均円相当径を有する銅粒子からなる層に比べて可視光の透過性が低くなる。そのため、連続膜の場合と同様に、可視光の透過性を高めるために付着量を少なくしようとすると、試験材A19のように抗菌効果の低下を招く。また、抗菌効果を十分に得るために付着量を多くしようとすると、試験材A20~A23のように波長380~780nmにおける全光線透過率が20%未満となる。
1 抗菌シート
2 樹脂フィルム
3 銅粒子

Claims (5)

  1. 樹脂フィルムと、
    前記樹脂フィルムの少なくとも片面に付着した銅粒子と、を有し、
    波長380~780nmにおける全光線透過率が20%以上であり、
    前記銅粒子の平均円相当径は10~30nmであり、
    前記銅粒子の付着量は100~200mg/m 2である、抗菌シート。
  2. 前記樹脂フィルムには、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル及びシリコーンのうち1種または2種以上の樹脂が含まれている、請求項1に記載の抗菌シート。
  3. 前記樹脂フィルムの厚みは5~250μmである、請求項1または2に記載の抗菌シート。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の抗菌シートからなるキーボードカバー。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の抗菌シートの製造方法であって、
    圧力を1×10-4~1×10-2Paの範囲内に制御して真空蒸着を行うことにより前記樹脂フィルム上に前記銅粒子を形成する、抗菌シートの製造方法。
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