JP7081268B2 - モーター制御回路、ムーブメント、電子時計 - Google Patents
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Description
特に消費電流をモーターが回転する最小限まで低下させたアナログ電子時計のステッピングモーターにおいては、モーターの駆動力が小さいため、このような外乱の影響を受けやすく、その結果、針位置が狂う等の問題が発生する恐れがある。
また、オフ時間が第1停止判定時間以上となることは、正常な動作時には発生しない。このため、駆動停止手段は、外乱の影響を受けていることを容易に検出でき、駆動手段の駆動を停止することで、外乱の影響を受けながらモーターを駆動することを防止できる。
また、駆動開始時または極性切替時からの前記経過時間が第2停止判定時間以上となった場合、つまり、第2停止判定時間が経過しても、次のステップの駆動が開始されないことは、正常な動作時には発生しない。このため、駆動停止手段は、外乱の影響を受けていることを容易に検出でき、駆動手段の駆動を停止することで、外乱の影響を受けながらモーターを駆動することを防止できる。
したがって、第1設定時間経過後に駆動手段のオン時間が第2設定時間未満になった場合は、ローターの1ステップ分の回転が終了したと判断でき、このタイミングで駆動信号の極性を切り替えることで、ローターをさらに1ステップ分、回転できる。
また、駆動開始後、第1設定時間経過前に、駆動手段のオン時間が第2設定時間未満になった場合、駆動停止手段は、外乱の影響を受けていることを容易に検出でき、駆動手段の駆動を停止することで、外乱の影響を受けながらモーターを駆動することを防止できる。
また、通常、Ton/(Ton+Toff)は順次小さくなり、駆動中に増加することは正常な動作時には発生しない。このため、駆動停止手段は、外乱の影響を受けていることを容易に検出でき、駆動手段の駆動を停止することで、外乱の影響を受けながらモーターを駆動することを防止できる。
このムーブメントによれば、前記モーター制御回路を備えているので、外乱の影響を受けた場合には、モーターの駆動を停止でき、外乱の影響が軽減された場合にモーターの駆動を再開できるため、外乱があっても駆動精度を高めることができるムーブメントを実現できる。
この電子時計によれば、前記モーター制御回路を備えたムーブメントで指針を運指できるため、指針の指示精度を高めることができる。特に消費電流をモーターが回転する最小限まで低下させたアナログ電子時計であっても、外乱の影響を受け難くでき、針の指示精度を向上できる。
まず、本発明のモーター駆動制御の理論について説明する。
モーターに流れる電流が上限電流値Imaxを超えたら駆動手段をオフ状態とし、下限電流値Iminより下がったら駆動手段をオン状態とするように制御すると、ImaxとIminの差が、ImaxやImin自体の電流値に比べて十分小さい場合、コイル両端の電圧Vcとコイル抵抗R、コイルのインダクタンスL、駆動電流i、誘起電圧Vの間には、Vc=R*i+L*di/dt+Vの関係がある。駆動手段をオン状態としてからの経過時間であるオン時間Tonと、オフ状態としてからの経過時間であるオフ時間Toffとが十分短ければ、i≒(Imax+Imin)/2となる。駆動手段がオン状態の時は、電源電圧をEとするとVc=Eなので、
E=R*i+L*di/dt+V…(1)
となる。また、オン時間Tonが十分短ければ、
di/dt=(Imax-Imin)/Ton…(2)
となり、駆動OFF時は、Vc=0なので、
0=R*i+L*di/dt+V…(3)
となる。また、オフ時間Toffが十分短ければ、
di/dt=(Imin-Imax)/Toff…(4)
となる。以上の(1)~(4)により、
V=E*Ton/(Ton+Toff)-R*i…(5)
となり、誘起電圧はローターの回転位置と相関があるので、式(5)によりImaxとIminを固定すればTon、Toffの関係からローターの回転位置を推定して、相の切り換え、つまり駆動信号の極性の切り替えを最適なタイミングで実行することができる。
ここで、TonとIminを固定した場合、Tonが十分小さければ、Imax≒Imin≒iとなるので、Toffのみからローターの回転位置を推定して、駆動信号の極性の切り替えを最適なタイミングで実行することができる。
また、ToffとImaxを固定した場合、Toffが十分小さければImax≒Imin≒iとなるので、Tonのみからローターの回転位置を推定して、駆動信号の極性の切り替えを最適なタイミングで実行することができる。
しかし、外部から磁界が加わった場合や衝撃によりローターの回転速度が変化した場合には、これらの関係が成り立たなくなり、駆動信号の極性の切り替えを最適なタイミングで行うことが不可能になることがある。
そのため、本発明では、Ton、Toffが通常ではありえない数値になったり、所定時間予測される数値にならなかったら駆動を停止する機能を新たに加えることで誤動作を防止するようにしたものである。以下、各実施形態によって本発明を説明する。
以下、本発明の第1実施形態の電子時計1を図面に基づいて説明する。
電子時計1は、図1に示すように、ユーザーの手首に装着される腕時計であり、外装ケース2と、円板状の文字板3と、図示略のムーブメントと、ムーブメント内に設けられたステッピングモーター13(図2参照、以下、モーター13と略す)で駆動される指針である秒針5、分針6、時針7と、操作部材であるりゅうず8およびボタン9とを備える。
電子時計1は、図2に示すように、信号源である水晶振動子11と、電源である電池12と、ボタン9の操作に連動してオン、オフされるスイッチS1と、りゅうず8の引き出し操作に連動してオン、オフされるスイッチS2と、モーター13と、時計用のIC20とを備えている。
図3に示すように、モーター13は、ステーター131と、コイル130と、ローター133とを備える。コイル130の両端は、後述するドライバー51の出力端子O1、O2に導通され、ローター133は、径方向に2極に着磁された磁石である。したがって、モーター13は、電子時計用に用いられる2極単相ステッピングモーターであり、後述するように、IC20の出力端子O1、O2から出力されるモーター駆動パルス(駆動信号)によって駆動される。
また、秒針5、分針6、時針7は、図示略の輪列で連動しており、モーター13により駆動され、秒、分、時を表示する。なお、本実施形態では、1つのモーター13で、秒針5、分針6、時針7を駆動しているが、例えば、秒針5を駆動するモーターと、分針6および時針7を駆動するモーターのように複数のモーターを設けてもよい。
なお、本実施形態では、電池12のプラス電極を、高電位側の電源端子VDDに接続し、マイナス電極を低電位側の電源端子VSSに接続し、低電位側の電源端子VSSをグランド(基準電位)に設定している。
電池12は、一次電池または二次電池で構成される。二次電池の場合は、図示略のソーラーセルなどによって充電される。
スイッチS1は、電子時計1の2時位置にあるボタン9に連動して入力され、例えば、ボタン9が押されている状態ではオン状態となり、ボタン9が押されていない状態ではオフ状態となる。
スイッチS2は、りゅうず8の引き出しに連動したスライドスイッチである。本実施形態では、りゅうず8が1段目に引き出された状態でオン状態となり、0段目ではオフ状態となる。
IC20は、図4に示すように、発振回路21と、分周回路22と、電子時計1の制御用のCPU(中央処理装置:Central Processing Unit)23と、ROM(Read Only Memory)24と、入出力回路26と、バス(BUS)27と、モーター制御回路30とを備えている。
分周回路22は、発振回路21の出力を分周してCPU23にタイミング信号(クロック信号)を供給する。
ROM24は、CPU23で実行される各種プログラムを収納している。本実施形態では、ROM24は、基本時計機能などを実現するためのプログラムを収納している。
CPU23は、ROM24に収納されたプログラムを実行し、前記各機能を実現する。
モーター制御回路30は、バス27を通してCPU23から入力される命令により、所定の駆動信号(駆動パルス)を出力する。
モーター制御回路30は、図5に示すように、第1タイマー31、第2タイマー32、第3タイマー33、第4タイマー34、ステップ数制御回路36、第1微分回路371、第2微分回路372、デコーダー38、SRラッチ回路39、フリップフロップ40、AND回路41、42、48、OR回路43、44、45、46、47と、ドライバー及び検出回路50とを備える。
第2タイマー32は、モーター13のコイル130に流す電流の極性を切り替えるための条件となる判定時間t2を計測するタイマーである。すなわち、この判定時間t2が、第1切替判定時間である。第2タイマー32の出力TM2は、第2タイマー32のリセット端子RがLレベルになってリセット状態が解除されてから、時間t2後にHレベルになる。
第3タイマー33は、モーター13の駆動を一旦停止するための条件となる時間t3を計測するタイマーである。すなわち、時間t3が第1停止判定時間である。第3タイマー33の出力TM3は、第3タイマー33のリセット端子RがLレベルになってリセット状態が解除されてから、時間t3後にHレベルになる。
第4タイマー34は、モーターの駆動を再開するまでの待機時間t4を計測するタイマーである。すなわち、待機時間t4が待機設定時間である。第4タイマー34の出力TM4は、第4タイマー34のリセット端子RがHレベルになってリセット状態が解除されてから、時間t4後にHレベルになる。
なお、ステップ数制御回路36に入力する設定信号は、例えばCPU23からバス27を介して入力される。
第1微分回路371は、駆動極性信号PLの立ち上がり、及び立下り毎に微分パルスを出力する。
第2微分回路372は、タイマー信号TM3の立ち上がり毎に微分パルスを出力する。
AND回路42は、第3タイマー33の出力TM3が反転された信号と、ステップ数制御回路36の出力TDとが入力される。
OR回路43は、AND回路41の出力と、第2微分回路372の出力とが入力される。
OR回路44は、ドライバー及び検出回路50の出力DT1が反転された信号と、AND回路42の出力DONが反転された信号とが入力される。
フリップフロップ40は、クロック端子CにOR回路43の出力が入力される。フリップフロップ40は、出力端子Qから駆動極性信号PLを出力する。
OR回路46は、AND回路42の出力DONの反転信号と、SRラッチ回路39の出力TONの反転信号と、ドライバー及び検出回路50の出力DT1の反転信号とが入力される。OR回路46の出力は、第1タイマー31のリセット端子Rに入力される。
AND回路48は、SRラッチ回路39の出力TONと、第3タイマー33の出力TM3が反転された信号とが入力される。
OR回路47は、AND回路48の出力と、第4タイマー34の出力TM4とが入力される。OR回路47の出力は、第3タイマー33のリセット端子Rに入力される。
第3タイマー33の出力TM3は、第4タイマー34のリセット端子Rに反転して入力される。
ドライバー及び検出回路50は、図6に示すように、ドライバー51と、電流検出回路61とを備える。
ドライバー51は、2つのPchトランジスター52、53と、4つのNchトランジスター54、55、56、57と、2つの検出抵抗58,59とを備える。各トランジスター52~57は、デコーダー38から出力されるゲート信号P1、P2、N1、N2、N3、N4によって制御され、モーター13のコイル130に正逆両方向の電流を供給する。したがって、ドライバー51は、モーター13のコイル130に駆動信号を出力してモーター13を駆動する駆動手段である。
コンパレーター641、642は、抵抗値R1、R2の検出抵抗58、59の両端に発生する電圧と、第1基準電圧発生回路62の電圧とをそれぞれ比較する。
AND回路661には駆動極性信号PLが反転入力され、AND回路662には駆動極性信号PLがそのまま入力されているため、駆動極性信号PLによって選択されたコンパレーター641、642の一方の出力が出力DT1として出力される。
したがって、コイル130に流れる電流Iが下限電流値Imin以上の場合は、検出抵抗58、59の両端に発生する電圧が第1基準電圧発生回路62の出力電圧を上回るため、検出信号DT1がHレベルとなる。一方、電流Iが下限電流値Iminを下回っている場合は、検出信号DT1がLレベルとなる。したがって、電流検出回路61は、コイル130に流れる電流Iが下限電流値Iminより小さいことを検出する下限検出手段である。
次に、本実施形態のモーター制御回路30による制御について、図7のフローチャートと、図8~10のタイミングチャートを用いて説明する。なお、図8は、本実施形態のモーター制御回路30の通常時の動作を示すタイミングチャートであり、図9は、外部磁界等の外乱による不具合を示す比較例のタイミングチャートであり、図10は外部磁界等の外乱が発生したときの本実施形態のモーター制御回路30の動作を示すタイミングチャートである。図9の比較例は、本実施形態のモーター制御回路30から第3タイマー33、第4タイマー34を無くした場合の動作例である。
IC20のCPU23は、モーター13の駆動制御を開始すると、指針の移動量を設定する設定信号をモーター制御回路30のステップ数制御回路36に出力する。例えば、秒針5を1秒運針するためのステップ数が「5」であった場合、CPU23は、1秒毎に、ステップ数制御回路36の設定値nを「5」に設定する信号を出力する(SA1)。
なお、CPU23が設定信号を出力してステップ数制御回路36の設定値nを設定した後は、モーター制御回路30内の各回路によって、以下の制御が実行される。すなわち、CPU23は、モーター13を駆動するタイミングで、その駆動量を設定する設定信号をモーター制御回路30に出力するだけでよい。
本実施形態では、図8のタイミングチャートで出力DONがHレベルとなった直後は、P1がLレベル、P2がHレベルのため、Pchトランジスター52がオン、Pchトランジスター53がオフされる。また、N1~N3がLレベル、N4がHレベルのため、Nchトランジスター54、55、56がオフ、Nchトランジスター57がオンされる。このため、電流は、Pchトランジスター52、端子O1、コイル130、端子O2、検出抵抗59、Nchトランジスター57を流れる。本実施形態では、端子O1から端子O2に向かってコイル130を流れる電流を、正方向の電流としている。また、本実施形態では、コイル130に出力される駆動信号(駆動電流)は、第1の極性および第2の極性に切り替えられ、第1の極性の場合に、コイル130に正方向の電流が流れるものとしている。したがって、コイル130に正方向の電流が流れる状態は、第1の極性の駆動信号を出力するようにドライバー51がオン状態に制御された状態である。
一方、SA3でYESと判定すると、電流検出回路61は検出信号DT1をHレベルに変更し、これにより第1タイマー31が作動する。第1タイマー31の作動により、電流Iが下限電流値Iminを超えてから時間t1が経過したか否かを判定できる(SA4)。
すなわち、検出信号DT1がHレベルに変化すると、OR回路46の出力がHレベルからLレベルに変化し、第1タイマー31のリセット状態が解除される。このため、第1タイマー31は、時間t1の経過計測を開始し、時間t1が経過する迄はLレベルの信号を出力し続け、時間t1の経過時、つまりSA4でYESと判定した場合にHレベルの信号を出力する。
この際、OR回路45の出力は、出力DONが反転して入力されているため、出力DONがHレベルの間は、信号TONのレベルに連動して変化する。したがって、ドライバー51がオフされて信号TONがLレベルに変化すると、OR回路45の出力もLレベルとなり、第2タイマー32のリセットを解除し、第2タイマー32のタイマー計測が開始する。また、ドライバー51がオンされて信号TONがHレベルに変化すると、OR回路45の出力もHレベルとなり、第2タイマー32がリセットされて時間t2の計測が停止する。したがって、第2タイマー32によって、駆動手段であるドライバー51のオフ時間が第1切替判定時間t2以下であるか時間t2を超えているかを判定できる。
なお、モーター13が正常に動作している場合は、ドライバー51をオフしてから電流IがIminを下回るまでの経過時間(駆動手段のオフ時間)が第1停止判定時間t3以上となることがないため、SA6ではNOと判定される。
SA8でNOと判定された場合は、極性の切り替えは行われず、SA2に戻り、ドライバー51をオンしてモーター13を駆動する。
電流IがIminを下回ると、検出信号DT1がLレベルに変化する。この際、第2タイマー32で計測するオフ時間が時間t2未満であれば、第2タイマー32の出力TM2もLレベルであるため、OR回路43の出力はLレベルに維持され、フリップフロップ40から出力される駆動極性信号PLも同じレベルに維持される。したがって、極性の切り替えは実行されず、検出信号DT1がLレベルに変化してSRラッチ回路39の出力TONがHレベルに変化することによるドライバー51のオンが実行される。
SA8でYESと判定された場合、出力TM2はHレベルであり、かつ、検出信号DT1がLレベルである。このため、AND回路41の出力はHレベルとなり、OR回路43の出力もHレベルであるため、フリップフロップ40にクロック信号が入力され、駆動極性信号PLの状態が反転し、デコーダー38は駆動信号の極性を切り替えるようにドライバー51を制御する。なお、ドライバー51のオフ時間とローター133の回転角には相関があるため、時間t2はローター133が約180°回転したときに発生する値に基づいて設定すればよい。
したがって、本実施形態では、極性切替条件となる時間t2、時間t3、電流Iが下限電流値Imin未満であることを測定する第2タイマー32、第3タイマー33、電流検出回路61と、これらの検出結果から駆動信号の極性を切り替えるようにドライバー51を制御するフリップフロップ40およびデコーダー38によって、極性切替手段が構成される。
ステップ数制御回路36は、残りステップ数が0になったかを確認し(SA11)、SA11でNOの場合(nが0ではなかった場合)は、駆動期間信号TDをHレベルに維持する。このため、SA2に戻り、デコーダー38からの信号によってドライバー51がオンされる。ただし、極性信号PLが反転しているので、デコーダー38は、コイル130を流れる電流が前回までと逆方向となるように設定されたゲート信号を出力する。具体的には、P1がHレベル、P2がLレベル、N1,N2,N4がLレベル、N3がHレベルとなる。これにより、Pchトランジスター52がオフ、Pchトランジスター53がオンされる。また、Nchトランジスター54、55、57がオフ、Nchトランジスター56がオンされる。このため、電流は、Pchトランジスター53、端子O2、コイル130、端子O1、検出抵抗58、Nchトランジスター56を流れる。したがって、コイル130に出力される駆動信号(駆動電流)は、第2の極性であり、コイル130に正方向と逆方向である負方向の電流が流れる。したがって、コイル130に負方向の電流が流れる状態は、第2の極性の駆動信号を出力するようにドライバー51がオン状態に制御された状態である。
図8に示すように、各ゲート信号P1、P2、N1、N2、N3、N4は、n=5,3,1の場合と、n=4,2の場合とで、コイル130を流れる電流の方向つまり極性が異なるように設定されている。
なお、本実施形態において、ドライバー51の第2の極性でのオフ状態は、P1がHレベル、P2がHレベル、N1がLレベル、N2がHレベル、N3がHレベル、N4がHレベルである。すなわち、Pchトランジスター52、53およびNchトランジスター54をオフ、Nchトランジスター55、56、57をオンにした状態を、ドライバー51の第2の極性でのオフ状態としている。この第2の極性でのオフ状態においても、コイル130の両端が電源端子VSSに接続されて短絡され、ドライバー51からコイル130への電流Iの供給が停止する。
したがって、SA2~SA11を繰り返すことで、図8に示すような制御が実行される。すなわち、電流Iが下限電流値Iminを下回るとドライバー51がオンされ、このドライバー51のオンからの経過時間が時間t1を超えるとドライバー51がオフされる。そして、ドライバー51のオフ時間が時間t2を超えていなければ、ドライバー51を再度オンする。したがって、同じ極性のままで、ドライバー51のオンと、オフとが繰り返される。
そして、ドライバー51のオフ時間が時間t2を超えた時点で、極性を切り替え、かつ、残りステップ数を-1とし、ステップ数が0でなければ、図8に示すように、極性が異なる点以外は前述したものと同じ駆動制御を行う。そして、ステップ数が0になると、モーター13の駆動制御も終了する。
ここで、本実施形態と対比するため、第3タイマー33、第4タイマー34が設けられていない場合に、外部磁界や衝撃などが影響して不具合が発生した場合の一例を、図9のタイミングチャートで説明する。
ドライバー51のオン時間、オフ時間は、コイル130に発生する逆誘起電圧に依存するが、外部磁界や衝撃等の影響により、逆誘起電圧が変動するため、オン時間、オフ時間とローター133の回転位置の関係が崩れることがある。例えば、図9に示すように、ローター133が180°回転したとみなすべきタイミングがtaであった場合、本来であればタイミングtaの前でオフ時間がt2を超えていなければならない。
しかし、外部磁界や衝撃等の影響でオフ時間がt2より短くなると、再度、ドライバー51をオンしてしまい、t1経過後にドライバー51をオフすると、回転の検出が遅れて、ローター133が180°を大きく上回ってから電流IがIminを下回ってしまうことがある。このとき、後述する本実施形態のTM3、TM4信号による制御が無かった場合、極性の切り替えが異常なタイミングで実行されて脱調状態になり、回転角とオン時間、オフ時間の関係が崩れる。このため、図9の3ステップ目(n=3)のように、極端に短い時間に極性の切り替えが実行されてしまい、ローター133が回転しきらないため、次のステップ(n=2)が吸引状態になり、駆動電流を供給し続けてもローター133が回転せずに停止したままになることがある。
図9に示す例は、不具合の発生パターンの一例であるが、これ以外にも外乱により種々のパターンの不具合が発生する。
図7および図10により、本実施形態で上記不具合を防止する動作を説明する。
第3タイマー33は、第4タイマー34の出力TM4がLレベルに維持されている場合、出力TONがLレベルに変化すると、つまりドライバー51がオフされると、リセットが解除されてt3の時間計測を開始する。時間t3が経過する前に出力TONがHレベルに変化し、ドライバー51がオンされると、第3タイマー33はリセットされる。
そして、図10のタイミングチャートの2ステップ目(n=4)の駆動のように、外部磁界や衝撃等による影響でドライバー51のオフ期間が第1停止判定時間t3を超えた場合(SA6でYES)は、ドライバー51の駆動を停止する(SA12)。したがって、本実施形態では、第3タイマー33およびデコーダー38によって、駆動停止条件に該当することを判定してドライバー51の駆動を停止する駆動停止手段が構成される。
すなわち、ドライバー51のオフ期間がt3を超えると、第3タイマー33の出力TM3がHレベルになるため、出力TM3が反転して入力されるAND回路42の出力である駆動信号DONがLレベルになる。このため、デコーダー38は、ドライバー51の駆動を停止する。なお、SA5でのドライバー51のオフ状態と、SA12のドライバー51の停止状態とを比較すると、SA5では、デコーダー38は、Pchトランジスター52、53をオフすることでドライバー51をオフに制御し、Nchトランジスター54、55の一方はオン、他方はオフし、Nchトランジスター56、57はオンしている。一方、SA12では、デコーダー38は、図10のステップ3のように、Pchトランジスター52、53をオフすることでドライバー51をオフに制御し、Nchトランジスター54、55、56、57はすべてオンしている。
また、SA12では、駆動信号DONがLレベルであるとOR回路44の出力はHレベルとなり、SRラッチ回路39の出力TONはHレベルとなる。信号TONはドライバー51のオン、オフを切り替える信号であるため、信号TONがHレベルになると、通常、デコーダー38はドライバー51をオンするが、駆動信号DONがLレベルであるため、デコーダー38は、ドライバー51の駆動を停止する処理を優先する。駆動信号DONがLレベルになった場合、Pchトランジスター52、53はオフされ、Nchトランジスター54~57はすべてオンされる。Nchトランジスター54~57をすべてオンすることで、トータルのオン抵抗を減少させて、ショートブレーキ力を強め、外乱に対して安定させることができる。また、コンパレーター641、642の出力が一定になり、不要な消費電流の増加を抑制できる。
極性信号PLが反転することで、第1微分回路371からクロック信号が出力され、ステップ数制御回路36は残りステップを1減らす(SA14)。
すなわち、第4タイマー34は、t4の時間が経過すると、出力TM4をHレベルに変化させる。このため、第3タイマー33は、リセットされて出力TM3もLレベルに変化する。出力TM3がLレベルになると、第4タイマー34はリセットされる。したがって、出力TM4は一瞬だけHレベルとなり、すぐにLレベルに戻ることになる。
出力TM3がLレベルになると、駆動信号DONがHレベルとなり、デコーダー38からのゲート信号によって、ドライバー51がオンされる。これにより、モーター13の駆動が再開する。この際、極性が切り替えられているので、ローター133が吸引状態になっている可能性は低くなり、ローター133を回転することができる。
以降は、前述のとおり、SA2~SA11を繰り返し、n=0になるまで、モーター13の駆動を続行し、駆動が終了する。
また、SA2での駆動再開後、再度t3の検出があった場合(SA6でYESの場合)には、SA12~SA15の停止処理が再度実行される。
本実施形態のモーター制御回路30によれば、ドライバー51をオフしてから時間t3以上経過している場合、すなわち、ドライバー51のオフから時間t3を経過しても、コイル130を流れる電流Iが下限電流値Iminを下回らない場合は、通常動作時には発生しない現象であるため、ドライバー51の駆動を停止している。これにより、外部磁界等の外乱が影響していることを検出し、外乱の影響を受けたままモーター13を駆動することを防止できる。したがって、外乱によってモーター13の正確な制御ができずに、針位置が狂う等の問題の発生を防止できる。
なお、第1実施形態では、図7に示すように、ドライバー51をオフしてからの経過時間が時間t3を超えた場合に、SA6でYESと判定し、SA12~SA15の処理を行っていた。これに対し、第1変形例では、図11のフローチャートに示すように、SA12~SA15の処理に移行する条件を判定する処理SA16において、ステップ数制御回路36にステップ数が設定されて駆動を開始した時点から、あるいは、極性が切り替わってから、すなわち各ステップでの駆動を開始してからの経過時間が第2停止判定時間t13以上になった場合に、SA12~SA15の処理を行うように設定した。時間t13は、例えば、10msecなど、正常に動作していれば発生せず、外部磁界や衝撃などの影響でローター133が吸引状態になっている場合に発生する条件に設定すればよい。すなわち、図8に示すように、正常に動作している場合は、各ステップでの駆動処理も一定時間以内に終了し、極性が切り替わって次のステップでの駆動処理が開始される。一方、図9のn=4のステップに示すように、外乱の影響を受けると、そのステップでの駆動処理が一定時間以内に終了しないことが多い。したがって、駆動開始時点からの経過時間、つまり最初のステップ(図8~10ではn=5のステップ)での経過時間が時間t13以上の場合や、極性が切り替わってからの経過時間、つまり2番目以降のステップ(n=4~1)での経過時間が時間t13以上の場合は、外乱が影響していると判断し、ドライバー51の駆動を一定時間停止する処理(SA12~SA15)を実行すればよい。
したがって、第1実施形態と第1変形例とを併用し、SA6でNOと判定された場合にSA16の判定を行い、SA6またはSA16のいずれかでYESと判定された場合に、SA12のドライバー51の駆動停止処理を行うようにすることが好ましい。
次に、本発明の第2実施形態について、図12~15を参照して説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一または同様の構成には同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
[構成の説明]
第2実施形態では、図12に示すモーター制御回路30Bを用いている点が、第1実施形態と相違する。第2実施形態のモーター制御回路30Bも、第1実施形態と同じく電子時計1のモーター13の駆動を制御する。
モーター制御回路30Bは、モーター制御回路30に対して、ドライバー及び検出回路50B、デコーダー38Bの構成が相違する。また、モーター制御回路30Bは、第4タイマー34を備えていない点と、AND回路49が追加されている点でモーター制御回路30と相違する。その他の構成は、モーター制御回路30と同様である。
デコーダー38Bは、電流出力のON/OFF切り替え信号TON、駆動極性信号PL、駆動信号DON、タイマー出力TM3、クロック信号SPの状態に応じて、図15のタイミングチャートに示すように、ドライバー及び検出回路50Bのゲート信号P1、P2、N1、N2、N3、N4を出力する。
モーター制御回路30Bのステップ数制御回路36、第1微分回路371、第2微分回路372、SRラッチ回路39、フリップフロップ40の構成及び動作は、第1実施形態と同じである。また、第2実施形態においても、デコーダー38Bでドライバー51を制御し、駆動信号の極性を切り替える条件や、ドライバー51を停止する条件は、第1実施形態と同じであるため、駆動制御手段、極性切替手段および駆動停止手段は第1実施形態と同じである。
ドライバー51および電流検出回路61の構成及び動作は、第1実施形態と同じである。すなわち、ドライバー51は、コイル130に電流を供給し、電流検出回路61は、コイル130に流れる電流Iの電流値が下限電流値Imin以上であるか、下限電流値Iminを下回っているかを検出する。
この磁界検出回路71は、第3タイマー33の出力TM3がHレベルになると作動する。すると、デコーダー38Bは、磁界検出回路71のクロック発生回路72から出力されるクロック信号によりドライバー51を制御し、コイル130に発生する外部磁界による起電力をチョッパー増幅する。したがって、磁界検出回路71と、デコーダー38Bおよびドライバー51によってチョッパー増幅回路が構成される。磁界検出回路71は、このチョッパー増幅された電圧値がインバーター751、752の閾値電圧を超えるか超えないかにより、外部磁界を検出するものである。
クロック発生回路72は、第3タイマー33の出力TM3がHレベルになると作動し、クロック信号SPをラッチ回路73のクロック入力と、デコーダー38Bに出力する。
次に、第2実施形態のモーター制御回路30Bによる制御について、図14のフローチャートと、図15のタイミングチャートを用いて説明する。なお、図14のフローチャートのSB1~SB14までの処理は、第1実施形態の図7のフローチャートのSA1~SA14と同じ処理であるため、説明を簡略する。
第2実施形態においても、第1実施形態と同じく、CPU23から設定信号が入力されると、モーター制御回路30Bは駆動を開始し、ステップ数制御回路36にステップ数(例えば5)を設定する(SB1)。
ステップ数制御回路36は、駆動期間信号TDをHレベルとし、駆動信号DONがHレベルとなり、デコーダー38Bは、ゲート信号P1、P2、N1~N4を制御することで、ドライバー51をオンして電流Iをコイル130に供給する(SB2)。
以降、第1実施形態と同じく、SB3~SB11の処理が実行され、図15のステップ数n=5の場合のように、正常動作時は、モーター制御回路30Bは、ドライバー51のオフ時間が第1切替判定時間t2を超えた場合に、駆動信号の極性を切り替えて駆動制御を継続する。
出力TM3がHレベルの期間、図15に示すように、デコーダー38Bは、クロック信号SPの出力周期に応じて、ドライバー51の出力端子O1または出力端子O2がハイインピーダンス状態とショート状態とを繰り返すように、各ゲート信号を制御する。なお、出力端子O1または出力端子O2は、極性の切り替えによって、電流Iが供給される端子側を選択すればよい。例えば、図15の3番目のステップ(n=3)では、出力端子O1に接続されるNchトランジスター54を、クロック信号SPに合わせてオン、オフすることで、コイル130に発生する誘起電圧をチョッパー増幅している。
そして、チョッパー増幅された出力端子O1の電位がインバーター751の閾値電圧を超えると、インバーター751の出力がLレベルに変化し、その信号が反転して入力されるOR回路77の出力がHレベルに変化する。したがって、クロック信号SPに同期してラッチ回路73の出力MDがHレベルに変化する。ここで、OR回路78は、ラッチ回路73の出力MDと、出力TM3の反転信号とが入力されるため、出力TM3がHレベルの場合、ラッチ回路73の出力MDがHレベルであればOR回路78の出力もHレベルとなる。このため、コイル130で外部磁界を検出している間は、第5タイマー74はリセット状態を維持する。
出力端子O2側をチョッパー増幅する場合も同様に、出力端子O2の電位がインバーター752の閾値電圧を超えると、クロック信号SPに同期してラッチ回路73の出力MDがHレベルに変化し、第5タイマー74はリセットされる。
このため、ラッチ回路73の出力MDもLレベルに維持され、出力TM3がHレベルの場合、第5タイマー74はリセットが解除された状態となる。すなわち、第5タイマー74は、ラッチ回路73の出力MDがHレベルからLレベルに変化したタイミング、つまり外部磁界の検出状態から非検出状態に変化したタイミングで、時間計測を開始する。
第5タイマー74は、リセットが解除された状態つまり外部磁界を検出していない状態が時間t5以上継続した場合に、出力信号RMをHレベルとする。出力信号RMがHレベルになると、第3タイマー33がリセットされて出力TM3がLレベルとなり、DON信号がHレベルになるため、モーター13の駆動が再開される。
したがって、第5タイマー74が計測する時間t5は、外部磁界判定時間であり、例えば30msec等に設定される。この時間t5は、特に、ノイズ源になりやすい交流電源(約50Hz)の周期より長い期間に設定することが好ましい。
第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
すなわち、モーター制御回路30Bによっても、ドライバー51をオフしてから時間t3以上経過している場合に、ドライバー51の駆動を停止しているので、外部磁界等の外乱の影響を受けたままモーター13を駆動することを防止できる。したがって、外乱によってモーター13の正確な制御ができずに、針位置が狂う等の問題の発生を防止できる。
次に、本発明の第3実施形態について、図16~21を参照して説明する。なお、第3実施形態において、第1、2実施形態と同一または同様の構成には同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
[構成の説明]
第3実施形態のモーター制御回路30Cは、電流Iを上限電流値Imaxと比較してモーター13の駆動制御を行う点が、下限電流値Iminと比較して制御する第1、2実施形態と相違する。
第2タイマー32Cは、ドライバー51をオンして、モーター13のコイル130への電流を供給している時間(Ton時間)t32を計測するタイマーである。この時間t32が第2設定時間であり、後述するように、電流の極性を切り替えたり、ドライバー51の駆動を停止するための一つの条件となる。第2タイマー32Cの出力TM2は、第2タイマー32Cのリセット端子Rに入力される信号がHレベルになってリセット状態が解除されてから、時間t32後にHレベルになる。
第3タイマー33Cは、モーター13の駆動を停止するための条件となる第1設定時間t33を計測するタイマーである。第3タイマー33Cの出力TM3は、第3タイマー33Cのリセット端子Rに入力される信号がLレベルになってリセット状態が解除されてから、時間t33後にHレベルになる。
第4タイマー34Cは、モーター13の駆動を再開するまでの待機設定時間t34を計測するタイマーである。第4タイマー34Cの出力TM4は、第4タイマー34Cのリセット端子Rに入力される信号がHレベルになってリセット状態が解除されてから、時間t34後にHレベルになる。
第0タイマー35Cは、駆動開始時に極性切替の誤判定を防止するためのマスク時間t30を計測するタイマーである。第0タイマー35Cの出力TM0は、第0タイマー35Cのリセット端子Rに入力される信号がHレベルになってリセット状態が解除されてから、時間t30後にHレベルになる。
微分回路371Cは、駆動極性信号PLの立ち上がり、及び立下り毎に微分パルス(クロック信号CL)を出力する。
AND回路42Cは、SRラッチ回路80の出力DOFFの反転信号と、駆動期間信号TDとが入力される。AND回路42Cの出力DONは、デコーダー38Cと、OR回路44Cとに入力される。
OR回路44Cは、出力DONの反転信号と、第1タイマー31Cの出力TM1とが入力され、SRラッチ回路39に信号を出力する。
OR回路45Cは、SRラッチ回路39の出力TONと、出力DONの反転信号とが入力され、OR回路45Cの出力信号は第1タイマー31Cのリセット端子Rに入力される。
AND回路46Cは、出力TONと、出力DONとが入力され、AND回路46Cの出力信号は第2タイマー32Cのリセット端子に反転して入力される。
OR回路47Cは、微分回路371Cから出力されるクロック信号CLと、出力DONの反転信号とが入力され、OR回路47Cの出力は第3タイマー33Cのリセット端子Rに入力される。
AND回路82は、AND回路41Cの出力信号と、出力TM3の反転信号とが入力され、AND回路82の出力信号はSRラッチ回路80のセット端子Sに入力される。
SRラッチ回路80は、リセット端子Rに出力TM4が入力され、SRラッチ回路80の出力信号DOFFは、反転して第4タイマー34Cのリセット端子と、AND回路42Cとに入力される。
ドライバー及び検出回路50Cは、図17に示すように、ドライバー51と、電流検出回路61Cとを備える。ドライバー51は、第1実施形態と同一であるため、同一符号を付して説明を省略する。
電流検出回路61Cは、第2基準電圧発生回路63と、コンパレーター651、652と、複合ゲート69とを備えている。複合ゲート69は、AND回路671、672およびOR回路690を組み合わせたものと同等の機能を備える一つの素子である。すなわち、電流検出回路61の第1基準電圧発生回路62を第2基準電圧発生回路63に変更した構成である。
第2基準電圧発生回路63は、上限電流値Imaxに相当する電圧を発生する。したがって、電流検出回路61Cの出力DT2は、コイル130に流れる電流Iが上限電流値Imaxを超えた場合にHレベルとなり、上限電流値Imax以下の場合にLレベルとなる。このため、電流検出回路61Cは、コイル130に流れる電流Iが上限電流値Imaxを超えたことを検出する上限検出手段である。
次に、本実施形態のモーター制御回路30Cによる制御について、図18のフローチャートと、図19~21のタイミングチャートを用いて説明する。なお、図19は、モーター制御回路30Cの通常時の動作を示すタイミングチャートであり、図20は、外部磁界等の外乱による不具合を示す比較例のタイミングチャートであり、図21は外部磁界等の外乱が発生したときのモーター制御回路30Cの動作を示すタイミングチャートである。
図18に示すように、IC20のCPU23は、指針の移動量を設定する設定信号をモーター制御回路30Cのステップ数制御回路36Cに出力する(SC1)。本実施形態では、ステップ数「4」を設定する設定信号を出力している。
設定信号により、設定値n=4がステップ数制御回路36Cに設定されると、駆動期間信号TDがHレベルになり、AND回路42の出力DONがHレベルになり、デコーダー38Cは、第1実施形態と同じく、ゲート信号P1、P2、N1、N2、N3、N4によってモーター13のドライバー51をオンし(SC2)、コイル130に正方向の電流が流れる。
一方、SC3でYESと判定すると、電流検出回路61Cは検出信号DT2をHレベルに変更し、SRラッチ回路39にリセット信号が入力されて信号TONがLレベルになる。デコーダー38Cは、信号TONがLレベルになると、ゲート信号を制御してドライバー51をオフする(SC4)。
SC7でYESと判定された場合、つまり出力TM1がHレベルに変化した場合は、OR回路44Cの出力がHレベルとなり、SRラッチ回路39の出力TONがHレベルに変化するため、デコーダー38Cはドライバー51をオンにする(SC2)。以下、SC6でYESと判定するまで、モーター制御回路30CはSC2~SC7を繰り返す。
また、駆動極性信号PLの反転により、微分回路371Cからクロック信号CLが出力され、ステップ数制御回路36Cは残りステップを1減らし(SC10)、残りステップが0になるまで(SC11でYESとなるまで)、SC2~SC11を繰り返すことで、図19に示すように、モーター13を正常に駆動できる。
ここで、本実施形態と対比するため、第3タイマー33、第4タイマー34が設けられていない場合に、外部磁界や衝撃などが影響して不具合が発生した場合の一例を、図20のタイミングチャートで説明する。
ドライバー51のオン時間、オフ時間は、コイル130に発生する逆誘起電圧に依存するが、外部磁界や衝撃等の影響により、逆誘起電圧が変動するため、オン時間、オフ時間とローター133の回転位置の関係が崩れることがある。例えば、図20に示すように、ローター133が180°回転したとみなすべきタイミングになる前に、外部磁界や衝撃等の影響でオン時間がt32より短くなってしまい、ローター133が回転しきっていないのにもかかわらず極性切替が実行されて、所定のステップ数が終了していないのに駆動が終了してしまうことがある。
図20に示す例は、不具合の発生パターンの一例であるが、これ以外にも外乱により種々のパターンの不具合が発生する。
図18および図21により、本実施形態で上記不具合を防止する動作を説明する。
図18において、SC6でYESの場合に直ちにSC7の極性切り替えを行うと、外部磁界等の影響で図20のような不具合が生じる可能性がある。
そこで、本実施形態では、SC6でYESと判定された場合、前述したように、各ステップの駆動開始(各相での駆動開始)から第1設定時間t33以内であるかを判定する(SC8)。
第3タイマー33Cは、クロック信号CLがLレベルの状態で、出力DONがHレベルに変化したタイミングつまり駆動開始時および駆動再開時つまり1ステップ目と、出力DONがHレベルでクロック信号CLがHレベルに変化した状態、つまり極性が切り替えられる状態でリセットが解除されて時間計測を開始する。そして、各ステップの駆動開始から時間t33が経過すると、第3タイマー33Cは出力TM3をHレベルに変化させる。したがって、出力TM3がLレベルであれば、SC8でYESと判定できる。一方、出力TM3がHレベルであれば、SC8でNOと判定できる。
SC8でNOの場合、前述したように、極性を切り替える処理SC9、残りステップ数を1減らす処理SC10を実行し、SC11で残りステップ数が0になれば、図18の指針の駆動処理を終了する。
ドライバー51の駆動を停止すると、その停止開始から待機設定時間t34経過したかを判定する(SC13)。すなわち、時間t34を測定する第4タイマー34Cは、出力DOFFがHレベルとなることで計測を開始し、時間t34が経過して第4タイマー34Cの出力がHレベルとなると、SRラッチ回路80がリセットされ、出力DOFFがLレベルとなる。出力DOFFがLレベルになると、出力DONがHレベルになるため、ドライバー51の駆動が再開する(SC2)。その後、SC2~SC13を適宜繰り返し、n=0になるまで駆動を続行し、n=0になるとSC11でYESとなり、駆動が終了する。
第3実施形態によれば、前記第1、2実施形態と同様の効果が得られる。
すなわち、モーター制御回路30Cでは、ステップの開始から時間t33以内でドライバー51のオン時間が時間t32未満になった場合に、ドライバー51の駆動を停止しているので、外部磁界等の外乱の影響を受けたままモーター13を駆動することを防止できる。したがって、外乱によってモーター13の正確な制御ができずに、針位置が狂う等の問題の発生を防止できる。
また、ドライバー51のオン時間でローター133の回転を検出する場合、駆動開始直後の1ステップ目は誤検出しやすくなるが、マスク時間t30を設定しているので、誤検出を防止できる。
次に、本発明の第4実施形態について、図22~31を参照して説明する。
第4実施形態の電子時計1Dは、図22に示すように、ワールドタイム機能を有するアナログ電子時計である。電子時計1Dは、センター針である分針6Dおよび時針7Dと、6時側に配置された秒針5Dと、タイムゾーンを指示する都市針4Dと、りゅうず8Dと、ボタン9A,9Bとを備える。
秒針5Dは、第1モーター14によって運針され、時刻の秒を指示する。都市針4Dは、第2モーター15によって運針され、設定されたタイムゾーンの代表都市を指示する。分針6Dおよび時針7Dは、第3モーター16によって連動して運針される。このため、分針6Dは1周180分割で分を表示し、時針7Dは1周2160分割で時を表示する。
図24に示すように、IC20Dは、発振回路21と、分周回路22と、電子時計1の制御用のCPU23と、ROM24と、入出力回路26と、BUS27とを備える。さらに、IC20Dは、第1モーター14を駆動する第1モーター制御回路30Dと、第2モーター15を駆動する第2モーター制御回路30Eと、第3モーター16を駆動する第3モーター制御回路30Fと、磁界検出手段である磁界検出回路17Dと、電流検出回路18Dとを備えている。
発振回路21、分周回路22、CPU23、ROM24、入出力回路26、バス27は第1実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
ここで、外部磁界が検出されないときには、第1モーター制御回路30Dは、前述の主駆動パルスを出力後、回転検出を行い、非回転の場合に補正駆動パルスを出力する低消費電力駆動制御を実行する。また、外部磁界が検出された場合は、第1モーター制御回路30Dは、主駆動パルスの代わりに補正駆動パルス(固定パルス)を出力し、ローター133を確実に回転させる。この場合、ローター133の回転検出は行う必要が無い。
電子時計1Dでは、ボタン9Aを押すと、第2モーター制御回路30Eは、都市針4Dを正転方向(時計回り方向)に移動させ、次のタイムゾーンの都市名を指示させる。また、ボタン9Bを押すと、第2モーター制御回路30Eは、都市針4Dを逆転方向(反時計回り方向)に移動させ、次のタイムゾーンの都市名を指示させる。
なお、タイムゾーンは通常1時間毎に設定されるため、ボタン9A、9Bを押す毎に、タイムゾーンは1時間毎変更される。ただし、UTCに対して、+5.5時間のタイムゾーンに設定されるインドのように、1時間毎ではないタイムゾーンを設定可能にしてもよい。この場合は、ボタン9A、9Bを押す毎に、設定されたタイムゾーンにおける次のタイムゾーンに選択すればよい。
また、第3モーター制御回路30Fには、電流検出回路18Dが並設されている。電流検出回路18Dは、図25に示すように、第1基準電圧発生回路62、第2基準電圧発生回路63、コンパレーター641、642、651、652、複合ゲート68、69を備える。複合ゲート68は、AND回路661、662およびOR回路680を組み合わせたものと同等の機能を備える一つの素子である。複合ゲート69は、AND回路671、672およびOR回路690を組み合わせたものと同等の機能を備える一つの素子である。すなわち、電流検出回路18Dは、電流検出回路61、61Cを組み合わせた構成を備える。
電流検出回路18Dの検出結果の出力DT1、DT2は、バス27を介してCPU23で検出され、CPU23は、この出力DT1、DT2に応じて、第3モーター制御回路30Fのドライバー51を制御する。
また、第3モーター制御回路30Fは、ボタン9A,9Bによるタイムゾーンの変更操作時には、変更されたタイムゾーンに応じて分針6D、時針7Dを運針する。例えば、ボタン9Aによって、タイムゾーンが1時間進められた場合は、連動して分針6D、時針7Dを+60分だけ運針する。
CPU23は、ボタン9Aのプッシュ操作により、IC20Dの入出力端子K1端子に接続されたスイッチS1の入力を検出すると、第2モーター制御回路30Eから駆動パルスを出力させて、都市針4Dを1ステップ正転(時計回り方向である右回転)させる(SD1)。この際、CPU23は、都市針4Dの移動に連動し、分針6Dおよび時針7Dの駆動が完了するまでのステップ総数である完了ステップ数を設定し、ステップ数をカウントする変数nを0に初期化する。
例えば、都市針4Dが1時間進められたタイムゾーンを指示した場合、CPU23は、完了ステップ数を、分針6Dおよび時針7Dを+60分運針させるステップ数である180に設定する。また、CPU23は、都市針4Dが30分進められたタイムゾーンを指示した場合、完了ステップ数は90に設定する。
また、都市針4Dが1時間戻すタイムゾーンを指示した場合、CPU23は、完了ステップ数を180×11=1980に設定する。本実施形態では、第3モーター制御回路30Fで駆動される分針6Dおよび時針7Dは、正転方向のみに運針可能に設定されているため、都市針4Dを1時間戻した場合、分針6Dおよび時針7Dは、12時間制であるため、11時間分、正転方向に運針する。
CPU23は、ドライバー51をオンした後、コイル130に流れる電流Iを電流検出回路18Dで検出し、電流Iが上限電流値Imaxよりも大きくなったか否かを判定する(SD4)。CPU23は、SD4でNOと判定した場合、SD4の判定処理を継続する。
CPU23は、SD4でYESと判定した場合、ドライバー51をオフする(SD5)。その後、CPU23は、コイル130に流れる電流Iが下限電流値Iminより小さくなったか否かを判定する(SD6)。CPU23は、SD6でNOと判定した場合、SD6の判定処理を継続する。
CPU23は、SD6でYESと判定した場合、駆動開始後の1ステップ目であるか、あるいは、駆動再開後の1ステップ目であるか否かを判定する(SD7)。
CPU23は、SD7でNOと判定した場合、ドライバー51をオンしている期間Tonの割合が前回よりも大きいか否かを判定する(SD8)。期間Tonの割合は、Ton/(Ton+Toff)で求められる。
V=E*Ton/(Ton+Toff)-R*i…(6)
2ステップ目のTon/(Ton+Toff)は、1パルス目が1.0近くであり、その後、徐々に低下しており、パルス数の増加にしたがって低下する傾向を維持する。
一方、外部磁界中で運針する場合は、磁界の影響で前述の関係が成り立たなくなることがあるので、Ton/(Ton+Toff)は通常時とは異なった変化をする。図30、図31はその一例であり、1ステップ目のTon/(Ton+Toff)は通常時と同様であるが、2ステップ目以降では、Ton/(Ton+Toff)が2パルス目で大きく低下した後、8パルス目まで上昇し、その後、急速に低下している。このような環境では、例えば2パルス目でTon/(Ton+Toff)が切替設定値(本実施形態では0.3)以下に低下する可能性もあり、ローター133が180°回転する前に回転したと誤判定する可能性がある。なお、切替設定値は0.3に限定されず、モーター16の仕様などに応じて設定すればよい。
このため、本実施形態では、SD9において、Ton/(Ton+Toff)が0.3以下であるかを判定することで、ローター133が回転したかを判定している。
なお、本実施形態では、ローター133の回転判定条件SD9を、1ステップ目および2ステップ目で兼用していたが、1ステップ目の回転判定条件は、図29,31に示す傾向を考慮して別途設定してもよい。
また、SD9でYESと判定した場合、CPU23は、極性を切り替え(SD11)、ステップ数nに1を加算する(SD12)。そして、CPU23は、ステップ数nが完了ステップ数(例えば180)になったか否かを判定し(SD13)、SD13でNOの場合は、SD3に戻って分針6D、時針7Dの早送りを継続する。SD13でYESの場合、CPU23は、分針6D、時針7Dはタイムゾーンの変更分(例えば1時間分)の早送りが終了していると判断して駆動を終了する。
CPU23は、秒針5Dの運針のため、1秒毎に外部磁界を検出する(SD21)。具体的には、第1モーター制御回路30Dから外部磁界検出パルスを第1モーター14のコイル130に出力し、コイル130に発生する誘起電圧を磁界検出回路17Dで検出することで外部磁界を検出する。
同様に、外部磁界を検出して秒針を固定パルスで運針した場合も、時分針を早送りしている場合と、時分針を早送りせずに通常の時刻表示用に運針している場合とがある。例えば、図26に示すように、駆動開始1ステップ目(SD7でYES)は、時分針の早送りを停止しないので、1Hzの割り込み処理で外部磁界を検出した場合でも、時分針が早送りされている場合がある。
そこで、CPU23は、SD26で時分針が早送り中であるか否かを判定し、早送り中でなければ(SD26でNO)、第3モーター制御回路30Fによって通常の時分針表示処理を行う(SD27)。本実施形態では、CPU23は、20秒毎に第3モーター制御回路30Fを1ステップ分駆動して、分針6Dを2度、つまり1分の目盛(6度)の1/3だけ移動する。
一方、SD26でYESの場合は、図26のフローチャートで時分針が早送りされているので、図27のフローチャートでは第3モーター制御回路30Fを制御する必要が無いため、処理を終了する。
第4実施形態によれば、前記第1~3実施形態と同様の効果が得られる。
すなわち、モーター制御回路30Dでは、2ステップ目以降の制御では、各パルスにおけるオン時間の割合が前回パルスの場合よりも増加した場合、すなわちTon/(Ton+Toff)が前回より大きくなった場合(SD8でYES)は、外部磁界等の外乱の影響があると判断し、ドライバー51の駆動を停止して時分針の早送り処理を停止している。したがって、外部磁界等の外乱の影響を受けたままモーター13を駆動することを防止でき、外乱によってモーター13の正確な制御ができずに、針位置が狂う等の問題の発生を防止できる。
また、2ステップ目以降と異なる動作となる1ステップ目においては、SD8の判定を行わないため、1ステップ目で外乱の有無を誤判定することを防止できる。
また、SD9において、Ton/(Ton+Toff)が0.3以下に低下したことを検出し、ローター133が所定の角度まで回転したことを判定しているので、各ステップでのローター133の駆動を精度よく実行できる。
また、モーター制御回路30Dは、ドライバー51の駆動制御を行う専用のロジック回路は設けずに、CPU23がドライバー51を制御しているので、容易に構成することができる。
なお、外部磁界の検出は、第1モーター14で行う場合に限定されず、都市針4Dを駆動する第2モーター15で行ってもよい。すなわち、磁界検出パルスは、パルス幅も小さく、ローター133を回転させることがないため、いずれかのモーターを利用して外部磁界を検出できる。
次に、本発明の第5実施形態について、図32および図33を参照して説明する。
第5実施形態は、第4実施形態の電子時計1Dにおける制御フローを変更したものである。したがって、電子時計1Dの構成などは第4実施形態と同じであるため、説明を省略する。
第5実施形態は、図32、図33に示すように、外部磁界によって時分針の早送りを停止した場合、2ステップの駆動を行い、その時のドライバー51のオン期間Tonとオフ期間Toffとの関係で外部磁界の影響が無くなったか否かを判定し、その結果で時分針の早送りを再開するか否かを制御するものである。
このため、図32の時分針の早送り制御(SD1~SD13)は、図26に示す第4実施形態の制御と同一であるため、同一符号を付して説明を省略する。
第5実施形態では、CPU23は、SD8でYESと判定した場合、つまり外部磁界が影響していると判定した場合、図33の処理を実行する。すなわち、CPU23は、時分針の早送りを停止し(SD31)、待機設定時間t6が経過するまで待機する(SD32)。時間t6は例えば1秒であり、その時間t6だけ待機すれば、外部磁界の影響が無くなっていることが期待できる時間に設定すればよい。
このため、CPU23は、SD32でYESと判定した後、時分針用の第3モーター制御回路30Fのドライバー51をオンし(SD33)、電流Iが上限電流値Imaxを超えたか否かを判定する(SD34)。
CPU23は、SD34でYESとなるまで、SD34の判定処理を繰り返し、YESと判定した場合は、ドライバー51をオフする(SD35)。
CPU23は、SD36でYESと判定した場合は、Ton/(Ton+Toff)が0.3以下であるか、つまりローター133が所定角度回転したかを判定する(SD37)。
CPU23は、SD37でNOと判定した場合は、SD33に戻って処理を継続し、YESと判定した場合は、SD11,SD12と同じく、極性を切り替え(SD38)、ステップ数nに1を加算する(SD39)。これにより、1ステップの駆動が終了する。
CPU23は、SD42の処理後、電流Iが下限電流値Iminを下回ったか否かを判定し(SD43)、SD43でYESと判定した場合は、Ton/(Ton+Toff)が前回より大きいか、つまり外部磁界の影響があるかを判定し(SD44)、SD44でYESと判定した場合は、SD31に戻って、2ステップの駆動を再度実行する。
一方、CPU23は、SD44でNOと判定した場合、Ton/(Ton+Toff)が0.3以下であるか、つまりローター133が所定角度回転したかを判定し(SD45)、SD45でNOと判定した場合は、SD40に戻って処理を継続し、YESと判定した場合は、2ステップ駆動で外部磁界の有無を検出する必要が無くなったので、SD11に戻って処理を継続し、変更されたタイムゾーンに応じた位置まで時分針を早送りする。
第5実施形態によれば、前記第4実施形態と同様の効果が得られる。
さらに、第4実施形態では、外部磁界の影響により時分針早送りを停止した場合、秒駆動用の1Hzの割り込み処理時に外部磁界の有無を検出して早送りを再開していたが、第5実施形態では、時分針を駆動する第3モーター16の2ステップ毎の駆動時に外部磁界が存在するか否かを判定し、早送りを再開していた。すなわち、第5実施形態では、第3モーター制御回路30F内で処理が完結するため、秒針を常に固定パルスで駆動し、外部磁界の検出機能を備えない時計でも適用できる。
なお、第5実施形態では、SD8でYESと判定した場合、2ステップの駆動を行っていたが、1ステップで外部磁界の影響を判定してもよいし、3ステップ以上の複数ステップの駆動を行っても判定してもよい。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第3実施形態のモーター制御回路30Cでは、ドライバー51のオン時間と、ステップの開始からの経過時間とで極性の切り替えと、ドライバーの駆動停止とを選択していたが、ドライバー51のオン時間のみで選択してもよい。また、第1変形例と同様に、ドライバー51のオン時間で極性の切り替えを制御し、駆動開始時または極性切替時からの経過時間でドライバー51の駆動停止を制御してもよい。さらに、これらの制御を組み合わせてもよい。
さらに、第3実施形態では、SC13で待機設定時間t4が経過してからSC2に戻っていたが、第2実施形態と同様に、SC13の代わりに外部磁界を検出して、外部磁界が無いと判断できた場合にSC2に戻るように制御してもよい。
前記各実施形態では、電子時計1は、腕時計タイプのものであるが、例えば、置時計であってもよい。また、本発明のモーター制御回路は、時計の指針を駆動するモーターを制御するものに限定されず、各種計器で計測値を指示する指針用のモーター用の制御回路等にも適用できる。特に、外乱の影響を受けても、モーターの駆動量のずれが小さいため、電子時計に限らず、各種の電子機器で利用できる。
Claims (20)
- コイルを備え、指針を駆動するモーターと、
オン状態とオフ状態とを有し、前記コイルに駆動信号を出力して前記モーターを駆動する駆動手段と、
前記コイルに流れる電流が下限電流値より小さいことを検出する下限検出手段と、
前記下限検出手段の検出結果により前記駆動手段を前記オン状態にし、前記オン状態にしてからの経過時間により前記駆動手段を前記オフ状態にする駆動制御手段と、
前記駆動手段を前記オフ状態にしてからの経過時間であるオフ時間が極性切替条件に該当する場合、前記駆動信号の極性を切り替える極性切替手段と、
前記オフ時間が駆動停止条件に該当する場合、前記駆動手段の駆動を停止する駆動停止手段と、を備え、
前記駆動停止条件は、正常な動作時には発生しないが、外乱が加わった場合に発生する条件である
ことを特徴とするムーブメント。 - コイルを備え、指針を駆動するモーターと、
オン状態とオフ状態とを有し、前記コイルに駆動信号を出力して前記モーターを駆動する駆動手段と、
前記コイルに流れる電流が下限電流値より小さいことを検出する下限検出手段と、
前記下限検出手段の検出結果により前記駆動手段を前記オン状態にし、前記オン状態にしてからの経過時間により前記駆動手段を前記オフ状態にする駆動制御手段と、
前記駆動手段を前記オフ状態にしてからの経過時間であるオフ時間が極性切替条件に該当する場合、前記駆動信号の極性を切り替える極性切替手段と、
駆動開始時または極性切替時からの経過時間が駆動停止条件に該当する場合、前記駆動手段の駆動を停止する駆動停止手段と、を備え、
前記駆動停止条件は、正常な動作時には発生しないが、外乱が加わった場合に発生する条件である
ことを特徴とするムーブメント。 - コイルを備え、指針を駆動するモーターと、
オン状態とオフ状態とを有し、前記コイルに駆動信号を出力して前記モーターを駆動する駆動手段と、
前記コイルに流れる電流が上限電流値より大きいことを検出する上限検出手段と、
前記上限検出手段の検出結果により前記駆動手段を前記オフ状態にし、前記オフ状態にしてからの経過時間により前記駆動手段を前記オン状態にする駆動制御手段と、
前記駆動手段を前記オン状態にしてからの経過時間であるオン時間が極性切替条件に該当する場合、前記駆動信号の極性を切り替える極性切替手段と、
前記オン時間が駆動停止条件に該当する場合、前記駆動手段の駆動を停止する駆動停止手段と、を備え、
前記駆動停止条件は、正常な動作時には発生しないが、外乱が加わった場合に発生する条件である
ことを特徴とするムーブメント。 - コイルを備え、指針を駆動するモーターと、
オン状態とオフ状態とを有し、前記コイルに駆動信号を出力して前記モーターを駆動する駆動手段と、
前記コイルに流れる電流が上限電流値より大きいことを検出する上限検出手段と、
前記上限検出手段の検出結果により前記駆動手段を前記オフ状態にし、前記オフ状態にしてからの経過時間により前記駆動手段を前記オン状態にする駆動制御手段と、
前記駆動手段を前記オン状態にしてからの経過時間であるオン時間が極性切替条件に該当する場合、前記駆動信号の極性を切り替える極性切替手段と、
駆動開始時または極性切替時からの経過時間が駆動停止条件に該当する場合、前記駆動手段の駆動を停止する駆動停止手段と、を備え、
前記駆動停止条件は、正常な動作時には発生しないが、外乱が加わった場合に発生する条件である
ことを特徴とするムーブメント。 - コイルを備え、指針を駆動するモーターと、
オン状態とオフ状態とを有し、前記コイルに駆動信号を出力して前記モーターを駆動する駆動手段と、
前記コイルに流れる電流が下限電流値より小さいことを検出する下限検出手段と、
前記コイルに流れる電流が上限電流値より大きいことを検出する上限検出手段と、
前記下限検出手段の検出結果により前記駆動手段を前記オン状態にし、前記上限検出手段の検出結果により前記駆動手段を前記オフ状態にする駆動制御手段と、
前記駆動手段を前記オン状態にしてからの経過時間であるオン時間と前記駆動手段を前記オフ状態にしてからの経過時間であるオフ時間との関係が極性切替条件に該当する場合、前記駆動信号の極性を切り替える極性切替手段と、
前記オン時間と前記オフ時間との関係が駆動停止条件に該当する場合、前記駆動手段の駆動を停止する駆動停止手段と、を備え、
前記駆動停止条件は、正常な動作時には発生しないが、外乱が加わった場合に発生する条件である
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項1に記載のムーブメントにおいて、
前記極性切替手段は、前記オフ時間が第1切替判定時間を超えており、かつ、第1停止判定時間未満の場合に前記極性切替条件に該当したと判定し、
前記駆動停止手段は、前記オフ時間が前記第1停止判定時間以上の場合に前記駆動停止条件に該当したと判定する
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項2に記載のムーブメントにおいて、
前記極性切替手段は、駆動開始時または極性切替時からの前記経過時間が第2停止判定時間未満であり、前記オフ時間が第1切替判定時間を超えている場合に、前記極性切替条件に該当したと判定し、
前記駆動停止手段は、駆動開始時または極性切替時からの前記経過時間が前記第2停止判定時間以上になった場合に、前記駆動停止条件に該当したと判定する
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項3に記載のムーブメントにおいて、
前記極性切替手段は、駆動開始時または極性切替時から第1設定時間が経過した後に、前記オン時間が第2設定時間未満となった場合に、前記極性切替条件に該当したと判定し
、
前記駆動停止手段は、駆動開始時または極性切替時から前記第1設定時間を経過する前に、前記オン時間が前記第2設定時間未満となった場合に、前記駆動停止条件に該当したと判定する
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項5に記載のムーブメントにおいて、
前記駆動手段から出力される前記駆動信号の各周期において、前記オン時間をTon、前
記オフ時間をToffとした場合、
前記極性切替手段は、Ton/(Ton+Toff)が切替設定値以下になった場合に、前記極性切替条件に該当したと判定し、
前記駆動停止手段は、Ton/(Ton+Toff)が駆動中に増加した場合に、前記駆動停止条件に該当したと判定する
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のムーブメントにおいて、
前記駆動停止手段によって前記駆動手段が停止されてからの経過時間が待機設定時間になったことを検出するタイマーを備え、
前記駆動制御手段は、前記タイマーによって前記経過時間が前記待機設定時間になったことが検出された場合に、前記駆動手段の駆動を再開させる
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のムーブメントにおいて、
外部磁界を検出する磁界検出手段を備え、
前記駆動制御手段は、前記駆動停止手段によって前記駆動手段が停止されている場合、前記磁界検出手段からの出力に応じて、前記駆動手段の駆動を再開させる
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項11に記載のムーブメントにおいて、
前記磁界検出手段は、
前記コイルの少なくとも一端を、ハイインピーダンス状態、プルダウン状態、または、プルアップ状態のいずれかの状態とする制御手段と、
前記コイルの一端に発生する電圧を検出する電圧検出手段とを備える
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項11に記載のムーブメントにおいて、
前記磁界検出手段は、
前記コイルの少なくとも一端に発生する電圧をチョッパー増幅するチョッパー増幅回路と、
前記電圧を検出する電圧検出手段とを備える
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のムーブメントにおいて、
前記駆動制御手段は、前記駆動停止手段によって前記駆動手段が停止されてから待機設定時間の経過後、前記駆動信号の出力を1ステップまたは複数ステップ行い、
前記駆動信号の出力時に前記駆動手段の駆動停止条件に該当しない場合に、前記駆動手段の駆動を再開させる
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のムーブメントを備えることを特徴とす
る電子時計。 - オン状態とオフ状態とを有し、モーターのコイルに駆動信号を出力して前記モーターを駆動する駆動手段と、
前記コイルに流れる電流が下限電流値より小さいことを検出する下限検出手段と、
前記下限検出手段の検出結果により前記駆動手段を前記オン状態にし、前記オン状態にしてからの経過時間により前記駆動手段を前記オフ状態にする駆動制御手段と、
前記駆動手段を前記オフ状態にしてからの経過時間であるオフ時間が極性切替条件に該当する場合、前記駆動信号の極性を切り替える極性切替手段と、
前記オフ時間が駆動停止条件に該当する場合、前記駆動手段の駆動を停止する駆動停止手段と、を備え、
前記駆動停止条件は、正常な動作時には発生しないが、外乱が加わった場合に発生する条件である
ことを特徴とするモーター制御回路。 - オン状態とオフ状態とを有し、モーターのコイルに駆動信号を出力して前記モーターを駆動する駆動手段と、
前記コイルに流れる電流が下限電流値より小さいことを検出する下限検出手段と、
前記下限検出手段の検出結果により前記駆動手段を前記オン状態にし、前記オン状態にしてからの経過時間により前記駆動手段を前記オフ状態にする駆動制御手段と、
前記駆動手段を前記オフ状態にしてからの経過時間であるオフ時間が極性切替条件に該当する場合、前記駆動信号の極性を切り替える極性切替手段と、
駆動開始時または極性切替時からの経過時間が駆動停止条件に該当する場合、前記駆動手段の駆動を停止する駆動停止手段と、を備え、
前記駆動停止条件は、正常な動作時には発生しないが、外乱が加わった場合に発生する条件である
ことを特徴とするモーター制御回路。 - オン状態とオフ状態とを有し、モーターのコイルに駆動信号を出力して前記モーターを駆動する駆動手段と、
前記コイルに流れる電流が上限電流値より大きいことを検出する上限検出手段と、
前記上限検出手段の検出結果により前記駆動手段を前記オフ状態にし、前記オフ状態にしてからの経過時間により前記駆動手段を前記オン状態にする駆動制御手段と、
前記駆動手段を前記オン状態にしてからの経過時間であるオン時間が極性切替条件に該当する場合、前記駆動信号の極性を切り替える極性切替手段と、
前記オン時間が駆動停止条件に該当する場合、前記駆動手段の駆動を停止する駆動停止手段と、を備え、
前記駆動停止条件は、正常な動作時には発生しないが、外乱が加わった場合に発生する条件である
ことを特徴とするモーター制御回路。 - オン状態とオフ状態とを有し、モーターのコイルに駆動信号を出力して前記モーターを駆動する駆動手段と、
前記コイルに流れる電流が上限電流値より大きいことを検出する上限検出手段と、
前記上限検出手段の検出結果により前記駆動手段を前記オフ状態にし、前記オフ状態にしてからの経過時間により前記駆動手段を前記オン状態にする駆動制御手段と、
前記駆動手段を前記オン状態にしてからの経過時間であるオン時間が極性切替条件に該当する場合、前記駆動信号の極性を切り替える極性切替手段と、
駆動開始時または極性切替時からの経過時間が駆動停止条件に該当する場合、前記駆動手段の駆動を停止する駆動停止手段と、を備え、
前記駆動停止条件は、正常な動作時には発生しないが、外乱が加わった場合に発生する条件である
ことを特徴とするモーター制御回路。 - オン状態とオフ状態とを有し、モーターのコイルに駆動信号を出力して前記モーターを駆動する駆動手段と、
前記コイルに流れる電流が下限電流値より小さいことを検出する下限検出手段と、
前記コイルに流れる電流が上限電流値より大きいことを検出する上限検出手段と、
前記下限検出手段の検出結果により前記駆動手段を前記オン状態にし、前記上限検出手段の検出結果により前記駆動手段を前記オフ状態にする駆動制御手段と、
前記駆動手段を前記オン状態にしてからの経過時間であるオン時間と前記駆動手段を前記オフ状態にしてからの経過時間であるオフ時間との関係が極性切替条件に該当する場合、前記駆動信号の極性を切り替える極性切替手段と、
前記オン時間と前記オフ時間との関係が駆動停止条件に該当する場合、前記駆動手段の駆動を停止する駆動停止手段と、を備え、
前記駆動停止条件は、正常な動作時には発生しないが、外乱が加わった場合に発生する条件である
ことを特徴とするモーター制御回路。
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