JP7363395B2 - モーター制御回路、ムーブメント、電子時計、および電子時計の制御方法 - Google Patents
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Description
図1は、電子時計1を示す正面図である。
電子時計1は、ストップウォッチ機能等を備えるクロノグラフ時計である。
図1に示すように、電子時計1は、円板状の文字板2と、秒針3と、分針4と、時針5と、りゅうず6と、Aボタン7と、Bボタン8とを備える。
図2は、電子時計1の回路構成を示す図である。
図2に示すように、電子時計1は、秒針3、分針4および時針5を駆動させるムーブメント10を備える。
スイッチSW1は、図1に示すりゅうず6の引き出し操作に連動してオン、オフされる。スイッチSW2は、Aボタン7の操作に連動してオン、オフされる。スイッチSW3は、Bボタン8の操作に連動してオン、オフされる。
第1モーター13は、秒針3を駆動するステッピングモーターであり、第2モーター14は、分針4および時針5を駆動するステッピングモーターである。なお、第1モーター13および第2モーター14は、モーターの一例である。また、ICは、Integrated Circuitの略語である。
なお、本実施形態では、電池12のプラス電極を、高電位側の電源端子VDDに接続し、マイナス電極を低電位側の電源端子VSSに接続し、低電位側の電源端子VSSを基準電位に設定している。
図3に示すように、第1モーター13は、ステーター131と、コイル130と、ローター133とを備える。コイル130の両端は、IC20の出力端子O1,O2に導通される。また、ローター133は、径方向に2極に着磁された磁石である。したがって、第1モーター13は、電子時計用に用いられる2極単相ステッピングモーターであり、IC20の出力端子O1,O2から出力される駆動信号によって駆動される。
同様に、第2モーター14は、IC20の出力端子O3,O4から出力される駆動信号によって駆動される。
図4は、IC20の構成を示す構成図である。
図4に示すように、IC20は、発振回路21と、分周回路22と、電子時計1の制御用のCPU23と、ROM24と、入力回路26と、BUS27と、第1モーター制御回路30Aと、第2モーター制御回路30Bと、を備えている。なお、第1モーター制御回路30Aおよび第2モーター制御回路30Bは、モーター制御回路の一例である。また、CPUは、Central Processing Unitの略語であり、ROMは、Read Only Memoryの略語である。
分周回路22は、発振回路21の出力を分周してCPU23にタイミング信号を供給する。
ROM24は、CPU23で実行される各種プログラムを収納している。本実施形態では、ROM24は、基本時計機能やストップウォッチ機能、または、時差修正機能などを実現するためのプログラムを収納している。
CPU23は、ROM24に収納されたプログラムを実行し、上記の各機能を実現する。
第1モーター制御回路30Aおよび第2モーター制御回路30Bは、BUS27を通してCPU23から入力される命令により、所定の駆動信号を第1モーター13および第2モーター14に出力する。
第1モーター制御回路30Aは、秒針3を正逆方向、つまり時計回りおよび反時計回りの両方向に移動できるように、第1モーター13を制御する。したがって、第1モーター制御回路30Aは、第1モーター13を正逆方向に駆動制御できるものであればよい。
第1モーター制御回路30Aは、ドライバー制御部40と、ドライバー50と、電流検出回路60とを備える。
AND回路661には、ドライバー制御部40から出力される駆動極性信号PLが反転入力され、AND回路662には駆動極性信号PLがそのまま入力されているため、駆動極性信号PLによって選択されたコンパレーター641,642の一方の出力が検出信号DT1として出力される。
コンパレーター651,652は、コイル130の両端に発生する電圧と、第2基準電圧発生回路63の電圧とをそれぞれ比較する。
AND回路671には駆動極性信号PLが反転入力され、AND回路672には駆動極性信号PLがそのまま入力されているため、駆動極性信号PLによって選択されたコンパレーター651,652の一方の出力が検出信号DT2として出力される。
したがって、コイル130に流れる電流Iが下限電流値Imin以上の場合は、コイル130の両端に発生する電圧が第1基準電圧発生回路62の出力電圧以上になるため、検出信号DT1がHレベルとなる。一方、電流Iが下限電流値Iminを下回っている場合は、検出信号DT1がLレベルとなる。したがって、電流検出回路60の第1基準電圧発生回路62、コンパレーター641,642、複合ゲート68は、コイル130に流れる電流Iが下限電流値Iminより小さいことを検出可能に構成されている。
なお、以下では、例えば、Aボタン7が3秒以上押されてストップウォッチモードが選択された場合等に、秒針3を0秒の位置に正転早送り駆動させる際の制御方法、つまり、秒針3を高速で移動させる際の制御方法について説明する。
IC20のCPU23は、ストップウォッチモードが設定されると、目標ステップ数Nを計算する。
本実施形態では、ローター133を単位量である180°回転させることを1ステップとし、秒針3は、1ステップで1/60回転するものとする。CPU23は、秒針3を現在の位置から正転方向、即ち時計回りで0秒位置まで回転させるのに必要なステップ数を目標ステップ数Nとして算出する。この場合、秒針3を0秒の位置まで回転させるのに必要なローター133の回転量、即ち所望の回転量は、N×180°である。
しかしながら、図7A、図7Bに示すように、第1モーター13に衝撃が加わると、駆動波形が定常時と異なる。この影響は、衝撃によりローター133の角速度が変わることにより、誘起電流が変化するからである。定常時と比べ、誘起電流が変化することで、コイル130に流れる電流の立ち上がり又は立下りに違いが生じてくるため、ローター133の回転角とオン時間やオフ時間とに相関がなくなってしまう。具体的には、図7Aに示すように、衝撃を受けた際の単位量回転時間PT2は、それ以前の単位量回転時間PT1に比べて極端に短くなったり、図7Bに示すように、それ以前の単位量回転時間PT1に比べて極端に長くなったりする。このことは、ローター133が単位量である180°回転していないにも関わらずオフ時間が所定の閾値を超えてしまったり、ローター133が180°回転したにも関わらずオフ時間が所定の閾値を超えていなかったりして、ローター133の回転角を誤検出している可能性があることを示している。ローター133の回転角の誤検出は、第1モーター制御回路30Aの誤動作に相当する。
次に、図8~図10を参照し、第1モーター13に対する外部磁界の影響について説明する。なお、本実施形態では、出力端子O1から出力端子O2に向かってコイル130を流れる電流を、正方向の電流としている。また、本実施形態では、コイル130に出力する駆動信号は、第1極性および第2極性に切り替えられ、第1極性の場合に、コイル130に正方向の電流が流れるものとしている。
図11Aおよび図11Bは、ストップウォッチモードが設定された際のドライバー制御部40の動作を説明するフローチャートである。ドライバー制御部40は、CPU23の制御を受け、図11Aおよび図11Bのフローチャートに従って動作する。
一方、ドライバー制御部40は、オン時間が閾値t1以上になった場合、ステップS103でYESと判定し、ステップS104の処理を実行する。
なお、所定の閾値t1とは、ドライバー50が頻繁にオンとオフとを繰り返して、その際に生じる貫通電流や充放電電流で消費電流が増大することを抑制するために、ドライバー50を最低限オンにする時間である。
一方、ドライバー制御部40は、電流Iが上限電流値Imaxを超えた場合、ステップS104でYESと判定し、ステップS105にてドライバー50をオフする。
一方、ドライバー制御部40は、オフ時間が閾値t2以上になった場合、ステップS106でYESと判定し、ステップS107の処理を実行する。
なお、所定の閾値t2とは、閾値t1と同様に、ドライバー50が頻繁にオンとオフとを繰り返すことを抑制するために、ドライバー50を最低限オフにする時間である。
一方、ドライバー制御部40は、電流Iが下限電流値Iminより小さくなった場合、ステップS107でYESと判定しステップS108の処理を実行する。
一方、ドライバー制御部40は、オフ時間が閾値t3以上の場合、ステップS108でYESと判定し、ステップS109の処理を実行する。
一方、ドライバー制御部40は、現在の極性での単位量回転時間が直前の極性での単位量回転時間よりも長いか、あるいは、現在の極性での単位量回転時間と、直前の極性での単位量回転時間との差の絶対値が所定の閾値t5未満(|直前の極性での単位量回転時間-現在の極性での単位量回転時間|<閾値t5)だった場合、ステップS113の処理を実行する。
一方、ドライバー制御部40は、現在の極性での単位量回転時間が直前の極性での単位量回転時間よりも短いか、あるいは、現在の極性での単位量回転時間と、直前の極性での単位量回転時間との差の絶対値が閾値t6未満(|直前の極性での単位量回転時間-現在の極性での単位量回転時間|<閾値t6)だった場合、NOと判定し、ステップS118の処理を実行する。ステップS118以降の処理は説明を省略する。
上記実施形態では、オフ時間が所定の条件に該当した場合に、極性の切り替えを行っていたが、これに限らない。
即ち、オン時間が所定の条件に該当した場合に、極性の切り替えを行ってもよい。
上記実施形態では、正転駆動、つまり、秒針3を時計回りに回転させる駆動について説明したが、これに限らない。
即ち、上記実施形態は、逆転駆動、つまり、秒針3を反時計回りに回転させる駆動にも適用可能である。
上記実施形態では、ストップウォッチモードが選択された場合について説明したが、これに限らない。
即ち、時差修正モードや時刻修正モード、針位置検出モードでも適応する。時差修正モードや時刻修正モード、針位置検出モードに適用する場合には、分針4や時針5を駆動する第2モーター14の駆動を制御する第2モーター制御回路30Bに上記の動作を行わせればよい。
上記実施形態では、現在の極性での単位量回転時間と、直前の極性での単位量回転時間とを比較して外乱の有無を判定しているが、比較対象は、過去の極性での単位量回転時間であれば、直前の極性での単位量回転時間に限らない。例えば、現在の極性での単位量回転時間と、2つ前の極性での単位量回転時間と比較してもよい。
Claims (14)
- コイルおよびローターを有するモーターを制御するモーター制御回路であって、
前記コイルに駆動信号を出力するドライバーと、
前記ドライバーが前記コイルに前記駆動信号を出力するオン状態と、前記ドライバーが前記コイルに前記駆動信号を出力しないオフ状態とを、前記コイルに流れる電流値に基づいて切り替えて、前記ローターを回転させるドライバー制御部と、
前記オン状態の継続時間、または、前記オフ状態の継続時間が所定条件に該当する毎に、前記ローターが所定の単位量だけ回転したと判断して前記駆動信号の極性を切り替える極性切替部と、
前記極性切替部による前記極性の切り替えを繰り返し、前記ローターを所望の回転量だけ回転させる回転制御部と、
前記極性切替部が前記極性を切り替えてから前記ローターが前記所定の単位量だけ回転したと判断するまでの単位量回転時間が、過去の単位量回転時間よりも短くなり、かつ、前記単位量回転時間と前記過去の単位量回転時間との差の絶対値が第1閾値以上の場合に、外乱が生じたと判定する判定部と、を備えたことを特徴とするモーター制御回路。 - コイルおよびローターを有するモーターを制御するモーター制御回路であって、
前記コイルに駆動信号を出力するドライバーと、
前記ドライバーが前記コイルに前記駆動信号を出力するオン状態と、前記ドライバーが前記コイルに前記駆動信号を出力しないオフ状態とを、前記コイルに流れる電流値に基づいて切り替えて、前記ローターを回転させるドライバー制御部と、
前記オン状態の継続時間、または、前記オフ状態の継続時間が所定条件に該当する毎に、前記ローターが所定の単位量だけ回転したと判断して前記駆動信号の極性を切り替える極性切替部と、
前記極性切替部による前記極性の切り替えを繰り返し、前記ローターを所望の回転量だけ回転させる回転制御部と、
前記極性切替部が前記極性を切り替えてから前記ローターが前記所定の単位量だけ回転したと判断するまでの単位量回転時間が、過去の単位量回転時間よりも長くなり、かつ、前記単位量回転時間と前記過去の単位量回転時間との差の絶対値が第2閾値以上の場合に、外乱が生じたと判定する判定部と、を備えることを特徴とするモーター制御回路。 - 請求項1または2に記載のモーター制御回路であって、
前記判定部は、前記オフ状態の継続時間が第3閾値以上の場合に、前記外乱が生じたと判定することを特徴とするモーター制御回路。 - 請求項1~3のいずれか一項に記載のモーター制御回路であって、
前記外乱が生じたと前記判定部が判定した場合に、前記外乱による誤動作を補正する補正部を備えることを特徴とするモーター制御回路。 - 請求項4に記載のモーター制御回路であって、
前記補正部は、前記外乱が生じたと前記判定部が判定した場合に、前記駆動信号を出力しない状態を前記ローターが静止するまで継続させることを特徴とするモーター制御回路。 - 請求項4又は5に記載のモーター制御回路であって、
前記判定部は、前記単位量回転時間が過去の単位量回転時間よりも短くなり、かつ、前記単位量回転時間と前記過去の単位量回転時間との差の絶対値が第1閾値以上の場合に、前記外乱が生じたと判定し、
前記補正部は、前記極性を現在の極性のまま維持して、前記ローターを前記単位量だけ回転させるための駆動信号を出力することを特徴とするモーター制御回路。 - 請求項4~6のいずれか一項に記載のモーター制御回路であって、
前記判定部は、前記単位量回転時間が過去の単位量回転時間よりも長くなり、かつ、前記単位量回転時間と前記過去の単位量回転時間との差の絶対値が第2閾値以上の場合に、前記外乱が生じたと判定し、
前記補正部は、前記極性を現在の極性から次の極性に切り替えて、前記ローターを前記単位量だけ回転させるための駆動信号を出力することを特徴とするモーター制御回路。 - 請求項4~7のいずれか一項に記載のモーター制御回路であって、
前記判定部は、前記オフ状態の継続時間が第3閾値以上の場合に、前記外乱が生じたと判定し、
前記補正部は、前記極性を現在の極性のまま維持して、前記ローターを前記単位量だけ回転させるための駆動信号を出力することを特徴とするモーター制御回路。 - コイルおよびローターを有するモーターを制御するモーター制御回路であって、
前記コイルに駆動信号を出力するドライバーと、
前記ドライバーが前記コイルに前記駆動信号を出力するオン状態と、前記ドライバーが前記コイルに前記駆動信号を出力しないオフ状態とを、前記コイルに流れる電流値に基づいて切り替えて、前記ローターを回転させるドライバー制御部と、
前記オン状態の継続時間、または、前記オフ状態の継続時間が所定条件に該当する毎に、前記ローターが所定の単位量だけ回転したと判断して前記駆動信号の極性を切り替える極性切替部と、
前記極性切替部による前記極性の切り替えを繰り返し、前記ローターを所望の回転量だけ回転させる回転制御部と、
前記オフ状態の継続時間が第3閾値以上の場合に、外乱が生じたと判定する判定部と、
前記外乱が生じたと前記判定部が判定した場合に、前記外乱による誤動作を補正する補正部と、を備え、
前記補正部は、前記極性を現在の極性のまま維持して、前記ローターを前記単位量だけ回転させるための駆動信号を出力することを特徴とするモーター制御回路。 - 請求項1~9のいずれか一項に記載のモーター制御回路を備えることを特徴とするムーブメント。
- 請求項10に記載のムーブメントを備えることを特徴とする電子時計。
- コイルおよびローターを有するモーターと、前記コイルに駆動信号を出力するドライバーとを備える電子時計の制御方法であって、
前記ドライバーが前記コイルに前記駆動信号を出力するオン状態と、前記ドライバーが前記コイルに前記駆動信号を出力しないオフ状態とを、前記コイルに流れる電流値に基づいて切り替えて、前記ローターを回転させ、
前記オン状態の継続時間、または、前記オフ状態の継続時間が所定条件に該当する毎に、前記ローターが所定の単位量だけ回転したと判断して前記駆動信号の極性を切り替え、
前記極性の切り替えを繰り返し、前記ローターを所望の回転量だけ回転させ、
前記極性を切り替えてから、前記ローターが前記所定の単位量だけ回転したと判断するまでの単位量回転時間が、過去の単位量回転時間よりも短くなり、かつ、前記単位量回転時間と前記過去の単位量回転時間との差の絶対値が第1閾値以上の場合に、外乱が生じたと判定することを特徴とする電子時計の制御方法。 - コイルおよびローターを有するモーターと、前記コイルに駆動信号を出力するドライバーとを備える電子時計の制御方法であって、
前記ドライバーが前記コイルに前記駆動信号を出力するオン状態と、前記ドライバーが前記コイルに前記駆動信号を出力しないオフ状態とを、前記コイルに流れる電流値に基づいて切り替えて、前記ローターを回転させ、
前記オン状態の継続時間、または、前記オフ状態の継続時間が所定条件に該当する毎に、前記ローターが所定の単位量だけ回転したと判断して前記駆動信号の極性を切り替え、
前記極性の切り替えを繰り返し、前記ローターを所望の回転量だけ回転させ、
前記極性を切り替えてから、前記ローターが前記所定の単位量だけ回転したと判断するまでの単位量回転時間が過去の単位量回転時間よりも長くなり、かつ、前記単位量回転時間と前記過去の単位量回転時間との差の絶対値が第2閾値以上の場合に、外乱が生じたと判定することを特徴とする電子時計の制御方法。 - コイルおよびローターを有するモーターと、前記コイルに駆動信号を出力するドライバーとを備える電子時計の制御方法であって、
前記ドライバーが前記コイルに前記駆動信号を出力するオン状態と、前記ドライバーが前記コイルに前記駆動信号を出力しないオフ状態とを、前記コイルに流れる電流値に基づいて切り替えて、前記ローターを回転させ、
前記オン状態の継続時間、または、前記オフ状態の継続時間が所定条件に該当する毎に、前記ローターが所定の単位量だけ回転したと判断して前記駆動信号の極性を切り替え、
前記極性の切り替えを繰り返し、前記ローターを所望の回転量だけ回転させ、
前記オフ状態の継続時間が第3閾値以上の場合に、外乱が生じたと判定し、
前記極性を現在の極性のまま維持して、前記ローターを所定の単位量だけ回転させるための駆動信号を出力することで、前記外乱による誤動作を補正することを特徴とする電子時計の制御方法。
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