JP2023101103A - 時計用モーター制御回路、ムーブメント、電子時計および電子時計の制御方法 - Google Patents

時計用モーター制御回路、ムーブメント、電子時計および電子時計の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モーターが停止している状態からローターを所定ステップ駆動させる際に、駆動時間が大きくなってしまうことを抑制できる時計用モーター制御回路、ムーブメント、電子時計および電子時計の制御方法の提供。【解決手段】時計用モーター制御回路は、コイルおよびローターを有するモーターを制御する時計用モーター制御回路であって、コイルに駆動電流を供給するオン状態、および、駆動電流を供給しないオフ状態に制御されるドライバーと、コイルに流れる電流値を検出する電流検出部と、目標電流値を設定する目標電流値設定部と、電流検出部が検出した電流値と目標電流値とを比較して、比較の結果に応じてドライバーをオン状態またはオフ状態に制御するドライバー制御部と、を備え、目標電流値設定部は、モーターが停止している状態から所定ステップ駆動する場合に、1ステップ目の目標電流値を、2ステップ目の目標電流値よりも、高くする。【選択図】図4

Description

本発明は、時計用モーター制御回路、ムーブメント、電子時計および電子時計の制御方法に関する。
特許文献1には、モーターコイルに流れる電流値に応じて、ドライバーをオン状態またはオフ状態に制御する駆動制御部を備える電子時計が開示されている。
特許文献1の電子時計は、駆動開始時からの経過時間が所定時間未満の場合、または、駆動開始時からの駆動手段のオン状態とオフ状態との切り替え回数が所定回数未満の場合は、駆動信号の極性の切り替えを実行しないように構成されている。これにより、停止していたローターを駆動するために負担がかかることなどで、ローターが1ステップ分回転する前に、一時的に極性切替条件に該当してローターが1ステップ分回転していない状態で極性切替を行う誤動作を防止できるようにしている。
特開2019-176706号公報
特許文献1では、停止している状態からローターを駆動させる場合において、1ステップ目の負担が2ステップ目以降の負担よりも大きいので、2ステップ目以降の駆動パルスの印加時間に比べて、1ステップ目の駆動パルスの印加時間が大きくなる。そうすると、モーターが停止している状態からローターを所定ステップ駆動させる際に、駆動時間が大きくなってしまうといった問題があった。
本開示の時計用モーター制御回路は、コイルおよびローターを有するモーターを制御する時計用モーター制御回路であって、前記コイルに駆動電流を供給するオン状態、および、前記駆動電流を供給しないオフ状態に制御されるドライバーと、前記コイルに流れる電流値を検出する電流検出部と、目標電流値を設定する目標電流値設定部と、前記電流検出部が検出した前記電流値と前記目標電流値とを比較して、前記比較の結果に応じて前記ドライバーを前記オン状態または前記オフ状態に制御するドライバー制御部と、を備え、前記目標電流値設定部は、前記モーターが停止している状態から所定ステップ駆動する場合に、1ステップ目の前記目標電流値を、2ステップ目の前記目標電流値よりも、高くすることを特徴とする。
本開示のムーブメントは、コイルおよびローターを有するモーターと、上記時計用モーター制御回路とを備えることを特徴とする。
本開示の電子時計は、上記ムーブメントを備えることを特徴とする。
本開示の時計の制御方法は、コイルおよびローターを有するモーターを備える電子時計の制御方法であって、前記コイルに駆動電流を供給するオン状態と、前記コイルに前記駆動電流を供給しないオフ状態とを、前記コイルに流れる電流値と目標電流値との比較の結果に基づいて切り換えて、前記モーターが停止している状態から前記ローターを所定ステップ回転させる場合に、1ステップ目の前記目標電流値を、2ステップ目の前記目標電流値よりも、高くすることを特徴とする。
一実施形態の電子時計を示す正面図。 前記実施形態の電子時計の回路構成を示す回路図。 前記実施形態の電子時計の第1モーターの構成を示す図。 前記実施形態の電子時計のICの構成を示す構成図。 前記実施形態のモーター制御回路の構成を示す回路図。 第1モーターの駆動制御処理を説明するフローチャート。 第1駆動制御処理を説明するフローチャート。 第2駆動制御処理を説明するフローチャート。 駆動制御処理における信号波形を示す図。 実施例および比較例のモーターのステップ数と周波数との関係を示す図。
[実施形態]
以下、本開示の一実施形態に係る電子時計1を図面に基づいて説明する。
図1は、電子時計1を示す正面図である。
電子時計1は、ストップウォッチ機能等を備えるクロノグラフ時計である。
図1に示すように、電子時計1は、円板状の文字板2と、秒針3と、分針4と、時針5と、りゅうず6と、Aボタン7と、Bボタン8とを備える。
[電子時計の回路構成]
図2は、電子時計1の回路構成を示す図である。
図2に示すように、電子時計1は、秒針3、分針4および時針5を駆動させるムーブメント10を備える。また、電子時計1がストップウォッチ機能を実行する場合は、秒針3、分針4および時針5はそれぞれ秒、分、時の経過時間を表示する指針として機能する。
ムーブメント10は、信号源である水晶振動子11と、電源である電池12と、スイッチSW1~SW3と、第1モーター13と、第2モーター14と、時計用のIC20と、を備えて構成される。
スイッチSW1は、図1に示すりゅうず6の引き出し操作に連動してオン、オフされる。スイッチSW2は、Aボタン7の操作に連動してオン、オフされる。スイッチSW3は、Bボタン8の操作に連動してオン、オフされる。
第1モーター13は、秒針3を駆動するステッピングモーターであり、第2モーター14は、分針4および時針5を駆動するステッピングモーターである。なお、第1モーター13および第2モーター14は、モーターの一例である。また、ICは、Integrated Circuitの略語である。
IC20は、水晶振動子11が接続される接続端子OSC1,OSC2と、スイッチSW1~SW3が接続される入出力端子G1~G3と、電池12が接続される電源端子VDD,VSSと、第1モーター13に接続される出力端子O1,O2と、第2モーター14に接続される出力端子O3,O4と、を備える。
なお、本実施形態では、電池12のプラス電極を、高電位側の電源端子VDDに接続し、マイナス電極を低電位側の電源端子VSSに接続し、低電位側の電源端子VSSを基準電位に設定している。
電池12は、一次電池または二次電池で構成される。二次電池の場合は、図示略のソーラーセルなどによって充電される。
図3は、第1モーター13の構成を示す図である。なお、第2モーター14は、説明を略すが、第1モーター13と同様な構成である。
図3に示すように、第1モーター13は、ステーター131と、コイル130と、ローター133とを備える。コイル130の両端は、IC20の出力端子O1,O2に導通される。また、ローター133は、径方向に2極に着磁された磁石である。したがって、第1モーター13は、電子時計用に用いられる2極単相ステッピングモーターであり、IC20の出力端子O1,O2から供給される駆動電流によって駆動される。
例えば、コイル130に出力端子O1から出力端子O2に駆動電流を流すと、図3において反時計回りの磁界が発生するとする。その磁界によりステーター131を分極することにより、ローター133と反発させ、ローター133を単位量である180°回転させる。ローター133が180°回転しきったところで、今度は出力端子O2から出力端子O1に駆動電流を流す。すると、図3において時計回りの磁界が発生する。その磁界によりステーター131を先ほどとは逆に分極することにより、ローター133と反発させ、ローター133をさらに180°回転させる。ローター133はこの動作の繰り返しで回転を継続する。このように、ローター133が単位量だけ回転する毎に、駆動電流を供給する出力端子O1,O2を切り替えて駆動電流が流れる方向を切り替えることは、駆動電流の極性を切り替えることに相当する。
[ICの回路構成]
図4は、IC20の構成を示す構成図である。
図4に示すように、IC20は、発振回路21と、分周回路22と、電子時計1の制御用のCPU23と、ROM24と、入力回路26と、BUS27と、第1モーター制御回路30Aと、第2モーター制御回路30Bと、を備えている。なお、第1モーター制御回路30Aおよび第2モーター制御回路30Bは、モーター制御回路の一例である。また、CPUは、Central Processing Unitの略語であり、ROMは、Read Only Memoryの略語である。
発振回路21は、図2に示す基準信号源である水晶振動子11を高周波発振させ、この高周波発振で発生する所定周波数(32768Hz)の発振信号を分周回路22に出力する。
分周回路22は、発振回路21の出力を分周してCPU23にタイミング信号を供給する。
ROM24は、CPU23で実行される各種プログラムを収納している。本実施形態では、ROM24は、基本時計機能やストップウォッチ機能、または、時差修正機能などを実現するためのプログラムを収納している。
CPU23は、ROM24に収納されたプログラムを実行し、上記の各機能を実現する。
入力回路26は、入出力端子G1~G3の状態をBUS27に出力する。BUS27は、CPU23、入力回路26、第1モーター制御回路30A、第2モーター制御回路30B間のデータ転送などに用いられる。
第1モーター制御回路30Aおよび第2モーター制御回路30Bは、BUS27を通してCPU23から入力される命令により、所定の駆動電流を第1モーター13および第2モーター14のコイル130に供給する。
[モーター制御回路の構成]
第1モーター制御回路30Aは、秒針3を正逆方向、つまり時計回りおよび反時計回りの両方向に移動できるように、第1モーター13を制御する。したがって、第1モーター制御回路30Aは、第1モーター13を正逆方向に駆動制御できるものであればよい。
第2モーター制御回路30Bは、分針4および時針5を正逆方向の両方向に移動できるように、第2モーター14を制御する。
図5は、第1モーター制御回路30Aの構成を示す回路図である。なお、第2モーター制御回路30Bの構成は、第1モーター制御回路30Aと同様である。
第1モーター制御回路30Aは、デコーダー31と、ドライバー50と、電流検出回路60とを備える。
デコーダー31は、CPU23からBUS27を介して、ドライバー50に対して制御信号としてのゲート信号P1,P2,N1,N2,N3,N4を出力する。このため、CPU23、BUS27、デコーダー31は、ドライバー50を制御するドライバー制御部を構成する。
ドライバー50は、第1モーター13のコイル130に駆動電流を供給する。ドライバー50は、2つのPchトランジスター52,53と、4つのNchトランジスター54,55,56,57と、2つの検出抵抗58,59とを備える。各トランジスター52~57は、デコーダー31から出力される制御信号によって制御され、第1モーター13のコイル130に正逆両方向の電流Iを供給する。
電流検出回路60は、第1基準電圧発生回路62と、第2基準電圧発生回路63と、コンパレーター641、642、651、652と、複合ゲート68、69とを備えている。複合ゲート68は、AND回路661、662およびOR回路680を組み合わせたものと同等の機能を備える一つの素子である。複合ゲート69は、AND回路671、672およびOR回路690を組み合わせたものと同等の機能を備える一つの素子である。
なお、電流検出回路60は、本開示の電流検出部の一例である。
コンパレーター641,642は、コイル130の両端に発生する電圧と、第1基準電圧発生回路62の電圧とをそれぞれ比較する。
AND回路661には、デコーダー31から出力される駆動極性信号PLが反転入力され、AND回路662には駆動極性信号PLがそのまま入力されているため、駆動極性信号PLによって選択されたコンパレーター641,642の一方の出力が検出信号DT1として出力される。
コンパレーター651,652は、コイル130の両端に発生する電圧と、第2基準電圧発生回路63の電圧とをそれぞれ比較する。
AND回路671には駆動極性信号PLが反転入力され、AND回路672には駆動極性信号PLがそのまま入力されているため、駆動極性信号PLによって選択されたコンパレーター651,652の一方の出力が検出信号DT2として出力される。
第1基準電圧発生回路62は、下限目標電流値Iminに相当する電圧を発生する。具体的には、第1基準電圧発生回路62は、コイル130に流れる電流Iが下限目標電流値Iminの場合にコイル130の両端に発生する電圧に相当する電位を出力するように設定されている。
したがって、コイル130に流れる電流Iが下限目標電流値Imin以上の場合は、コイル130の両端に発生する電圧が第1基準電圧発生回路62の出力電圧以上になるため、検出信号DT1がHレベルとなる。一方、電流Iが下限目標電流値Iminを下回っている場合は、検出信号DT1がLレベルとなる。したがって、電流検出回路60の第1基準電圧発生回路62、コンパレーター641,642、複合ゲート68は、コイル130に流れる電流Iが下限目標電流値Iminより小さいことを検出可能に構成されている。
第2基準電圧発生回路63は、上限目標電流値Imaxに相当する電圧を発生する。したがって、電流検出回路60の出力DT2は、コイル130に流れる電流Iが上限目標電流値Imaxを超えた場合にHレベルとなり、上限目標電流値Imax以下の場合にLレベルとなる。このため、電流検出回路60の第2基準電圧発生回路63、コンパレーター651、652、複合ゲート69は、コイル130に流れる電流Iが上限目標電流値Imaxを超えたことを検出可能に構成されている。
ここで、本実施形態では、CPU23は、BUS27およびデコーダー31を介して、第1基準電圧発生回路62の下限目標電流値Iminの値、および、第2基準電圧発生回路63の上限目標電流値Imaxの値を設定する。具体的には、CPU23は、第1基準電圧発生回路62の下限目標電流値Iminの値を第1電流値I1、または、第1電流値I1よりも低い第2電流値I2に設定する。また、CPU23は、第2基準電圧発生回路63の上限目標電流値Imaxの値を第3電流値I3、または、第3電流値I3よりも低い第4電流値I4に設定する。すなわち、CPU23は、本開示の目標電流値設定部を構成する。
なお、CPU23による第1基準電圧発生回路62の下限目標電流値Imin、および、第2基準電圧発生回路63の上限目標電流値Imaxの設定の詳細については、後述する。
[第1モーター制御回路の制御処理]
次に、本実施形態の第1モーター制御回路30Aの制御処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
第1モーター制御回路30Aの制御処理が開始されると、CPU23は、ステップS1として、第1モーター13のローター133を回転させるステップ数としてNを設定する。
本実施形態では、ローター133を単位量である180°回転させることを1ステップとし、秒針3は、1ステップで360°/60=6°回転するものとする。CPU23は、秒針3を現在の位置から所定の位置まで早送り駆動させるのに必要なステップ数を目標のステップ数Nとして算出する。なお、以下に、CPU23がステップ数Nとして2以上のステップ数を設定した場合の制御処理を説明する。
次に、CPU23は、ステップS100として、第1駆動制御処理を実行する。
[第1駆動制御処理]
図7は、本実施形態の第1駆動制御処理を説明するフローチャートである。なお、第1駆動制御処理は、1ステップ目のローター133の回転の制御である。
図7に示すように、第1駆動制御処理が実行されると、CPU23は、ステップS101として、BUS27およびデコーダー31を介して、第1基準電圧発生回路62の下限目標電流値Iminを第1電流値I1に設定し、第2基準電圧発生回路63の上限目標電流値Imaxを第3電流値I3に設定し、Flag値を0に設定する。なお、Flag値は極性切替の条件に使用する値である。
次に、CPU23は、ステップS102として、Tstep1をリセットし、Tstep1のカウントを開始する。なお、Tstep1は、第1駆動制御処理が開始されてからの継続時間、つまり、1ステップ目の継続時間である。
そして、CPU23は、ステップS103として、第1オン時間Ton1および第1オフ時間Toff1をリセットする。なお、第1オン時間Ton1はドライバー50がオンとなってからの継続時間であり、第1オフ時間Toff1はドライバー50がオフとなってからの継続時間である。
次に、CPU23は、ステップS104として、ゲート信号P1、P2、N1、N2、N3、N4によって第1モーター13のドライバー50をオンし、第1オン時間Ton1のカウントを開始する。
本実施形態では、ドライバー50がオンされると、P1がLレベル、P2がHレベルとなり、Pchトランジスター52がオン、Pchトランジスター53がオフされる。また、N1~N3がLレベル、N4がHレベルとなり、Nchトランジスター54、55、56がオフ、Nchトランジスター57がオンされる。このため、駆動電流が、Pchトランジスター52、端子O1、コイル130、端子O2、検出抵抗59、Nchトランジスター57を流れる。
次に、CPU23は、ステップS105として、第1オン時間Ton1が、当該第1オン時間Ton1の最小値であるTon1_minを超えたか否かを判定する。ステップS105でNoと判定した場合は、CPU23は、ステップS105の処理を繰り返して実行する。
ここで、本実施形態では、CPU23は、第2基準電圧発生回路63に上限目標電流値Imaxとして設定した第3電流値I3に応じて、第1オン時間の最小値Ton1_minを設定する。なお、第1オン時間の最小値Ton1_minの設定方法については、後述する。
ステップS105でYesと判定された場合、電流検出回路60は、ステップS106として、コイル130を流れる電流Iが、上限目標電流値Imaxとして設定された第3電流値I3を超えたか否かを判定する。このように、本実施形態では、ドライバー50がオンとなってからの第1オン時間Ton1の最小値が設定されているので、ドライバー50が頻繁にオンとオフとを繰り返して、その際に生じる貫通電流や充放電電流で消費電流が増大することを抑制できる。
ステップS106でNoと判定された場合、電流検出回路60は、電流Iが上限目標電流値Imaxを超えるまで、つまり、検出抵抗58、59に発生する電圧が、第2基準電圧発生回路63の基準電圧を超えるまで、ステップS106の判定処理を継続する。
一方、ステップS106でYesと判定された場合、CPU23は、ステップS107として、第1駆動制御処理が開始されてからの継続時間、つまり、1ステップ目の継続時間であるTstep1が、Tstep1_minを超えたか否かを判定する。
なお、Tstep1_minとしては、1ステップ目の駆動を継続する最小時間、つまり、1ステップ目から2ステップ目に極性を切り替えるまでの最小時間が設定されている。これにより、ローター133が1ステップ分回転する前に、一時的に極性切替条件に該当したとしても、ローター133が1ステップ分回転していない状態で極性切替を行う誤動作を抑制できる。
そして、ステップS107でYesと判定した場合、CPU23は、ステップS108として、ドライバー50がオンとなってからの継続時間である第1オン時間Ton1が、所定時間t11を超えたか否かを判定する。
なお、所定時間t11としては、極性を切り替えるための第1オン時間Ton1の閾値、つまり、ローター133が単位量である180°回転したか否かを判定する閾値が設定されている。
ステップS108でYesと判定した場合、CPU23は、ステップS109として、Flag値を1に設定する。そして、CPU23は、ステップS110として、ゲート信号P1、P2、N1、N2、N3、N4によってドライバー50をオフし、第1オフ時間Toff1のカウントを開始する。具体的には、P1がHレベル、P2がHレベル、N1がHレベル、N2がLレベル、N3がHレベル、N4がHレベルとなる。このため、コイル130の両端が電源端子VSSに接続されて短絡され、ドライバー50からコイル130への電流Iの供給も停止する。したがって、コイル130に電流Iが流れていない状態は、ドライバー50がオフ状態に制御された状態である。
一方、ステップS107、または、ステップS108でNoと判定した場合、CPU23は、前述のステップS110を実行する。すなわち、CPU23は、ステップS107、または、ステップS108でNoと判定した場合、Flag値を変更せずに、ドライバー50をオフする。
次に、CPU23は、ステップS111として、ドライバー50がオフとなってからの継続時間である第1オフ時間Toff1が、当該第1オフ時間Toff1の最小値であるToff1_minを超えたか否かを判定する。ステップS111でNoと判定した場合は、CPU23は、ステップS111の処理を繰り返して実行する。
ここで、本実施形態では、CPU23は、第1基準電圧発生回路62に下限目標電流値Iminとして設定した第1電流値I1に応じて、Toff1_minを設定する。なお、第1オフ時間の最小値Toff1_minの設定方法については、後述する。
ステップS111でYesと判定された場合、電流検出回路60は、ステップS112として、コイル130を流れる電流Iが、下限目標電流値Iminとして設定された第1電流値I1を下回ったか否かを判定する。このように、本実施形態では、ドライバー50がオフとなってからの第1オフ時間Toff1の最小値が設定されているので、ドライバー50が頻繁にオンとオフとを繰り返して、その際に生じる貫通電流や充放電電流で消費電流が増大することを抑制できる。
ステップS112でNoと判定した場合、電流検出回路60は、電流Iが下限目標電流値Iminを下回るまで、つまり、検出抵抗58、59に発生する電圧が、第1基準電圧発生回路62の基準電圧を下回るまで、ステップS112の判定処理を継続する。
ステップS112でYesと判定した場合、CPU23は、ステップS113として、設定されたFlag値が1であるか否かを判定する。
そして、ステップS113でYesと判定した場合、CPU23は、ステップS114として、ドライバー50がオフとなってからの継続時間である第1オフ時間Toff1が、所定時間t12を超えたか否かを判定する。
なお、所定時間t12としては、極性を切り替えるための第1オフ時間Toff1の閾値、つまり、ローター133が単位量である180°回転したか否かを判定する閾値が設定されている。
ステップS114でYesと判定した場合、CPU23は、ステップS115として、極性の切り替えを実行して、第1駆動制御処理を終了する。すなわち、CPU23は、Flag値が1で、かつ、第1オフ時間Toff1が所定時間t12を超えた場合に、極性の切り替えを実行する。
このように、本実施形態では、CPU23は、第1駆動制御処理が開始されてからの継続時間であるTstep1がTstep1_minを超え、かつ、ドライバー50がオンとなってからの継続時間である第1オン時間Ton1が所定時間t11を超えた以降にドライバー50がオフとなってからの継続時間である第1オフ時間Toff1が所定時間t12を超えた場合に、極性の切り替えを実行する。そのため、ローター133が回転し過ぎたり、ローター133が1ステップ分回転する前に極性切替を行ったりすることを抑制できる。
一方、ステップS113、または、ステップS114でNoと判定した場合、CPU23は、ステップS103に戻って処理を繰り返す。
図6に戻って、ステップS100の第1駆動制御処理が終了したら、CPU23は、ステップS2として、残りステップ数Nを1減らす。
そして、CPU23は、ステップS200として、第2駆動制御処理を実行する。つまり、CPU23は、極性切替条件に該当した場合に極性を切り替えて次のステップの駆動を実行する。
[第2駆動制御処理]
図8は、本実施形態の第2駆動制御処理を説明するフローチャートである。なお、第2駆動制御処理は、2ステップ目以降のローター133の回転の制御である。
図8に示すように、第2駆動制御処理が実行されると、CPU23は、ステップS201として、BUS27およびデコーダー31を介して、第1基準電圧発生回路62の下限目標電流値Iminを第2電流値I2に設定し、第2基準電圧発生回路63の上限目標電流値Imaxを第4電流値I4に設定し、Flag値を0に設定する。
すなわち、本実施形態では、CPU23は、第2駆動制御処理における下限目標電流値Iminを第1電流値I1よりも低い第2電流値I2に設定し、上限目標電流値Imaxを第3電流値I3よりも低い第4電流値I4に設定する。換言すると、本実施形態では、CPU23は、第1モーター13が停止している状態から所定ステップ駆動する場合に、第1基準電圧発生回路62および第2基準電圧発生回路63に設定する1ステップ目の目標電流値を、2ステップ目の目標電流値よりも高く設定する。例えば、CPU23は、第1モーター13が停止している状態から所定ステップ駆動する場合に、第1基準電圧発生回路62および第2基準電圧発生回路63に設定する1ステップ目の目標電流値を、2ステップ目の目標電流値の1.5倍の値に設定する。
次に、CPU23は、ステップS202として、Tstep2をリセットし、Tstep2のカウントを開始する。なお、Tstep2は、第2駆動制御処理が開始されてからの継続時間である。
そして、CPU23は、ステップS203として、第2オン時間Ton2および第2オフ時間Toff2をリセットする。なお、第2オン時間Ton2はドライバー50がオンとなってからの継続時間であり、第2オフ時間Toff2はドライバー50がオフとなってからの継続時間である。
次に、CPU23は、ステップS204として、ゲート信号P1、P2、N1、N2、N3、N4によって第1モーター13のドライバー50をオンし、第2オン時間Ton2のカウントを開始する。
そして、CPU23は、ステップS205として、第2オン時間Ton2が、当該第2オン時間Ton2の最小値であるTon2_minを超えたか否かを判定する。ステップS205でNoと判定した場合は、CPU23は、ステップS205の処理を繰り返して実行する。
ここで、本実施形態では、CPU23は、第2基準電圧発生回路63に上限目標電流値Imaxとして設定した第4電流値I4に応じて、Ton2_minを設定する。なお、第2オン時間の最小値Ton2_minの設定方法については、後述する。
ステップS205でYesと判定された場合、電流検出回路60は、ステップS206として、コイル130を流れる電流Iが、上限目標電流値Imaxとして設定された第4電流値I4を超えたか否かを判定する。このように、本実施形態では、ドライバー50がオンとなってからの第2オン時間Ton2の最小値が設定されているので、ドライバー50が頻繁にオンとオフとを繰り返して、その際に生じる貫通電流や充放電電流で消費電流が増大することを抑制できる。
ステップS206でNoと判定された場合、電流検出回路60は、電流Iが上限目標電流値Imaxを超えるまで、つまり、検出抵抗58、59に発生する電圧が、第2基準電圧発生回路63の基準電圧を超えるまで、ステップS206の判定処理を継続する。
一方、ステップS206でYesと判定された場合、CPU23は、ステップS207として、第2駆動制御処理が開始されてからの継続時間であるTstep2が、Tstep2_minを超えたか否かを判定する。
なお、Tstep2_minとしては、2ステップ目の駆動を継続する最小時間が設定されている。これにより、ローター133が1ステップ分回転する前に、一時的に極性切替条件に該当したとしても、ローター133が1ステップ分回転していない状態で極性切替を行う誤動作を抑制できる。また、本実施形態では、Tstep2_min2は、前述した第1駆動制御処理のTstep1_minよりも大きい値、例えば、Tstep1_minの1.1倍の値が設定されているが、Tstep1と同じ値に設定されていてもよい。
そして、ステップS207でYesと判定した場合、CPU23は、ステップS208として、第2オン時間Ton2が、所定時間t21を超えたか否かを判定する。
なお、所定時間t21としては、極性を切り替えるための第2オン時間Ton2の閾値、つまり、ローター133が単位量である180°回転したか否かを判定する閾値が設定されている。また、本実施形態では、所定時間t21は、前述した第1駆動制御処理の所定時間t11よりも大きい値、例えば、t11の1.1倍の値が設定されているが、t11と同じ値に設定されていてもよい。
ステップS208でYesと判定した場合、CPU23は、ステップS209として、Flag値を1に設定する。そして、CPU23は、ステップS210として、ドライバー50をオフし、第2オフ時間Toff2のカウントを開始する。
一方、ステップS207、または、ステップS208でNoと判定した場合、CPU23は、前述のステップS210を実行する。すなわち、CPU23は、ステップS207、または、ステップS208でNoと判定した場合、Flag値を変更せずに、ドライバー50をオフする。
次に、CPU23は、ステップS211として、第2オフ時間Toff2が、当該第2オフ時間Toff2の最小値であるToff2_minを超えたか否かを判定する。ステップS211でNoと判定した場合は、CPU23は、ステップS211の処理を繰り返して実行する。
ここで、本実施形態では、CPU23は、第1基準電圧発生回路62に下限目標電流値Iminとして設定した第2電流値I2に応じて、Toff2_minを設定している。なお、第2オフ時間Toff2_minの設定方法については、後述する。
ステップS211でYesと判定された場合、電流検出回路60は、ステップS212として、コイル130を流れる電流Iが、下限目標電流値Iminとして設定された第2電流値I2を下回ったか否かを判定する。このように、本実施形態では、ドライバー50がオフとなってからの第2オフ時間Toff2の最小値が設定されているので、ドライバー50が頻繁にオンとオフとを繰り返して、その際に生じる貫通電流や充放電電流で消費電流が増大することを抑制できる。
ステップS212でNoと判定した場合、電流検出回路60は、電流Iが下限目標電流値Iminを下回るまでステップS212の判定処理を継続する。
ステップS212でYesと判定した場合、CPU23は、ステップS213として、設定されたFlag値が1であるか否かを判定する。
そして、ステップS213でYesと判定した場合、CPU23は、ステップS214として、第2オフ時間Toff2が、所定時間t22を超えたか否かを判定する。
なお、所定時間t22としては、極性を切り替えるための第2オフ時間Toff2の閾値、つまり、ローター133が単位量である180°回転したか否かを判定する閾値が設定されている。また、本実施形態では、所定時間t22は、前述した第1駆動制御処理の所定時間t12よりも大きい値、例えば、t12の1.1倍の値が設定されているが、t12と同じ値に設定されていてもよい。
ステップS214でYesと判定した場合、CPU23は、ステップS215として、極性の切り替えを実行して、第2駆動制御処理を終了する。すなわち、CPU23は、Flag値が1で、かつ、第2オフ時間Toff2が所定時間t22を超えた場合に、極性の切り替えを実行する。
このように、第1駆動制御処理と同様に、CPU23は、第2駆動制御処理が開始されてからの継続時間であるTstep2がTstep2_minを超えた以降に、ドライバー50がオンとなってからの継続時間である第2オン時間Ton2が所定時間t21を超え、かつ、ドライバー50がオフとなってからの継続時間である第2オフ時間Toff2が所定時間t22を超えた場合、極性の切り替えを実行する。そのため、ローター133が回転し過ぎたり、ローター133が1ステップ分回転する前に極性切替を行ったりすることを抑制できる。
一方、ステップS213、または、ステップS214でNoと判定した場合、CPU23は、ステップS203に戻って処理を繰り返す。
図6に戻って、ステップS200の第2駆動制御処理が終了したら、CPU23は、ステップS3として、残りステップ数Nを1減らす。
そして、CPU23は、ステップS4として、残りステップ数Nが0か否かを判定する。ステップS4でNoと判定した場合、CPU23は、ステップS200に戻って第2駆動制御処理を繰り返す。一方、ステップS4でYesと判定した場合、CPU23は、駆動制御処理を終了する。
図9は、駆動制御処理における第1駆動制御処理および第2駆動制御処理の信号波形を示す図である。
図9に示すように、本実施形態では、前述したように、1ステップ目の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminを、2ステップ目以降の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminよりも高く設定する。これにより、第1モーター13が停止している状態から所定のステップ数N駆動する場合に、負担の大きい1ステップ目のローター133の駆動時間を短くすることができる。そのため、第1モーター13が停止している状態からローター133を所定のステップ数N駆動させる際に、駆動時間が大きくなってしまうことを抑制できる。
また、1ステップ目よりも負担の小さい2ステップ目以降の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminを、1ステップ目の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminよりも低くするので、駆動時間が大きくなることを抑制しつつ、電力消費量を抑制できる。
さらに、1ステップ目よりも負担の小さい2ステップ目以降の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminを、1ステップ目の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminよりも低くするので、2ステップ目においてローター133が回転し過ぎてしまうことを抑制できる。
また、本実施形態では、CPU23は、上限目標電流値Imaxに応じてオン時間Ton1,Ton2の最小値Ton1_min,Ton2_minを設定する。具体的には、CPU23は、第2基準電圧発生回路63に設定した上限目標電流値Imaxが第3電流値I3の場合、第1オン時間Ton1の最小値をTon1_minに設定する。一方、CPU23は、第2基準電圧発生回路63に設定した上限目標電流値Imaxが第4電流値I4の場合、第2オン時間Ton2の最小値を、例えばTon1_minの1.1倍の値であるTon2_minに設定する。これにより、CPU23は、第2基準電圧発生回路63に設定した上限目標電流値Imaxに応じてオン時間Ton1,Ton2の最小値Ton1_min,Ton2_minを設定するので、1ステップ目と2ステップ目とで上限目標電流値Imaxを変更した場合でも、最小値Ton1_min,Ton2_minを適切に設定することができる。そのため、ローター133が1ステップ分回転していない状態で極性切替を行う誤動作が発生したり、ローター133が回転しない誤動作が発生したり、第1モーター13の周波数が不安定になったりすることを抑制できる。
さらに、本実施形態では、CPU23は、下限目標電流値Iminに応じてオフ時間Toff1,Toff2の最小値Toff1_min,Toff2_minを設定する。具体的には、CPU23は、第1基準電圧発生回路62に設定した下限目標電流値Iminが第1電流値I1の場合、オフ時間Toff1の最小値をToff1_minに設定する。一方、CPU23は、第1基準電圧発生回路62に設定した下限目標電流値Iminが第2電流値I2の場合、第2オフ時間Toff2の最小値を、例えばToff1_minの1.1倍の値であるToff2_minに設定する。これにより、CPU23は、第1基準電圧発生回路62に設定した下限目標電流値Iminに応じてオフ時間Toff1,Toff2の最小値Toff1_min,Toff2_minを設定するので、1ステップ目と2ステップ目とで下限目標電流値Iminを変更した場合でも、最小値Toff1_min,Toff2_minを適切に設定することができる。そのため、ローター133が1ステップ分回転していない状態で極性切替を行う誤動作が発生したり、ローター133が回転しない誤動作が発生したり、第1モーター13の周波数が不安定になったりすることを抑制できる。
上記のように、本実施形態では、CPU23は、目標電流値に応じて、オン時間Ton1,Ton2の最小値Ton1_min,Ton2_min、および、オフ時間Toff1,Toff2の最小値Toff1_min,Toff2_minを設定する制御部を構成する。
図10は、実施例および比較例におけるモーターのステップ数と周波数との関係を示す図である。なお、実施例では、1ステップ目の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminを、2ステップ目以降の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminの1.5倍の値に設定している。また、比較例では、1ステップ目と2ステップ目以降とで、上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminを同じ値に設定している。
図10に示すように、1ステップ目の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminを、2ステップ目以降の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminよりも高く設定した実施例では、2ステップ目以降のモーターの周波数が320Hz~340Hzで安定している。一方、1ステップ目と2ステップ目以降とで、上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminを同じ値に設定した比較例では、5ステップ目までモーターの周波数が大きく変動しており、6ステップ目以降に320Hz~340Hzで安定した。
このことから、1ステップ目の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminを、2ステップ目以降の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminよりも高く設定することにより、モーターの周波数を早く安定させることができることが示唆された。
[実施形態の作用効果]
このような本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、目標電流値設定部を構成するCPU23は、第1モーター13が停止している状態から所定のステップ数N駆動する場合に、負担の大きい1ステップ目の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminを、2ステップ目の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminよりも高くする。これにより、1ステップ目のローター133の駆動時間を短くすることができる。そのため、第1モーター13が停止している状態からローター133を所定のステップ数N駆動させる際に、駆動時間が大きくなってしまうことを抑制できる。
また、1ステップ目よりも負担の小さい2ステップ目以降の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminを、1ステップ目の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminよりも低くするので、駆動時間が大きくなることを抑制しつつ、電力消費量を抑制できる。
さらに、1ステップ目よりも負担の小さい2ステップ目の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminを、1ステップ目の上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminよりも低くするので、2ステップ目においてローター133が回転し過ぎてしまうことを抑制できる。
本実施形態では、制御部を構成するCPU23は、設定した上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminに応じて、オン時間Ton1,Ton2の最小値Ton1_min,Ton2_min、および、オフ時間Toff1,Toff2の最小値Toff1_min,Toff2_minを設定する。これにより、ドライバー50が頻繁にオンとオフとを繰り返して、その際に生じる貫通電流や充放電電流で消費電流が増大することを抑制できる。
本実施形態では、CPU23は、第1基準電圧発生回路62に設定した下限目標電流値Iminに応じてオフ時間Toff1,Toff2の最小値Toff1_min,Toff2_minを設定するので、1ステップ目と2ステップ目とで下限目標電流値Iminを変更した場合でも、最小値Toff1_min,Toff2_minを適切に設定することができる。そのため、ローター133が1ステップ分回転していない状態で極性切替を行う誤動作が発生したり、ローター133が回転しない誤動作が発生したり、第1モーター13の周波数が不安定になったりすることを抑制できる。
本実施形態では、CPU23は、第2基準電圧発生回路63に設定した上限目標電流値Imaxに応じてオン時間Ton1,Ton2の最小値Ton1_min,Ton2_minを設定するので、1ステップ目と2ステップ目とで上限目標電流値Imaxを変更した場合でも、最小値Ton1_min,Ton2_minを適切に設定することができる。そのため、ローター133が1ステップ分回転していない状態で極性切替を行う誤動作が発生したり、ローター133が回転しない誤動作が発生したり、第1モーター13の周波数が不安定になったりすることを抑制できる。
[変形例]
なお、本開示は前述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれるものである。
前記実施形態では、CPU23は、設定した上限目標電流値Imaxおよび下限目標電流値Iminに応じて、オン時間Ton1,Ton2の最小値Ton1_min,Ton2_min、および、オフ時間Toff1,Toff2の最小値Toff1_min,Toff2_minを設定していたが、これに限定されない。例えば、制御部を構成するCPUは、第1ステップ目と第2ステップ目以降で、オン時間の最小値、または、オフ時間の最小値を同じ値に設定してもよい。
前記実施形態では、CPU23は、ステップS105,S205において、第1,2駆動制御処理が開始されてからの継続時間Tstep1,Tstep2が、最小値Tstep1_min,Tstep2_minを超えたか否かを判定していたが、これに限定されない。つまり、前記実施形態では、CPU23は、第1,2駆動制御処理が開始されてからの継続時間Tstep1,Tstep2を極性切替の条件にしていたが、これに限定されない。例えば、CPU23は、第1,2駆動制御処理が開始されてからの継続時間Tstep1,Tstep2を極性切替の条件にしていなくてもよい。
前記実施形態では、CPU23は、ドライバー50がオンとなってからの継続時間であるオン時間Ton1,Ton2が所定時間t11,t21を超えた以降、ドライバー50がオフとなってからの継続時間であるオフ時間Toff1,Toff2が所定時間t22を超えた場合、極性の切り替えを実行するように構成されていたが、これに限定されない。例えば、CPUは、オン時間が所定時間を下回った場合、または、オフ時間が所定時間を超えた場合に、極性の切り替えを実行するように構成されていてもよい。
[本開示のまとめ]
本開示の時計用モーター制御回路は、コイルおよびローターを有するモーターを制御する時計用モーター制御回路であって、前記コイルに駆動電流を供給するオン状態、および、前記駆動電流を供給しないオフ状態に制御されるドライバーと、前記コイルに流れる電流値を検出する電流検出部と、目標電流値を設定する目標電流値設定部と、前記電流検出部が検出した前記電流値と前記目標電流値とを比較して、前記比較の結果に応じて前記ドライバーを前記オン状態または前記オフ状態に制御するドライバー制御部と、を備え、前記目標電流値設定部は、前記モーターが停止している状態から所定ステップ駆動する場合に、1ステップ目の前記目標電流値を、2ステップ目の前記目標電流値よりも、高くすることを特徴とする。
本開示では、目標電流値設定部は、モーターが停止している状態から所定ステップ駆動する場合に、負担の大きい1ステップ目の目標電流値を2ステップ目の目標電流値よりも高くするので、1ステップ目のローターの駆動時間を短くすることができる。そのため、モーターが停止している状態からローターを所定ステップ駆動させる際に、駆動時間が大きくなってしまうことを抑制できる。
また、1ステップ目よりも負担の小さい2ステップ目の目標電流値を、1ステップ目の目標電流値よりも低くするので、駆動時間が大きくなることを抑制しつつ、電力消費量を抑制できる。
さらに、1ステップ目よりも負担の小さい2ステップ目の目標電流値を、1ステップ目の目標電流値よりも低くするので、2ステップ目においてローターが回転し過ぎてしまうことを抑制できる。
本開示の時計用モーター制御回路において、設定された前記目標電流値に応じて、前記オン状態の継続時間であるオン時間の最小値、または、前記オフ状態の継続時間であるオフ時間の最小値を設定する制御部を備え、前記ドライバー制御部は、設定された前記オン時間の最小値、または、前記オフ時間の最小値に応じて、前記ドライバーを制御してもよい。
これにより、仮に一時的に極性切替条件に該当したとしても、オン状態の継続時間であるオン時間が最小値よりも短い場合、または、オフ状態の継続時間であるオフ時間が最小値よりも短い場合は、極性切替を行わないようにすることができる。そのため、ローターが1ステップ分回転する前に、一時的に極性切替条件に該当してローターが1ステップ分回転していない状態で極性切替を行う誤動作を抑制できる。
本開示の時計用モーター制御回路において、前記目標電流値設定部は、前記目標電流値として第1電流値、または、前記第1電流値より低い第2電流値を設定し、前記制御部は、設定された前記目標電流値に応じて前記オフ時間の最小値を設定し、前記ドライバー制御部は、前記ドライバーを前記オフ状態に制御した後、設定された前記オフ時間の最小値を超え、かつ、前記電流値が設定された前記第1電流値または前記第2電流値よりも小さいことが検出された場合に前記ドライバーを前記オン状態に制御してもよい。
これにより、制御部は、設定された目標電流値に応じてオフ時間の最小値を設定するので、1ステップ目と2ステップ目とで目標電流値を変更した場合でも、オフ時間の最小値を適切に設定することができる。そのため、ローターが1ステップ分回転していない状態で極性切替を行う誤動作が発生したり、ローターが回転しない誤動作が発生したり、モーターの周波数が不安定になったりすることを抑制できる。
本開示の時計用モーター制御回路において、前記目標電流値設定部は、前記目標電流値として第3電流値、または、前記第3電流値より低い第4電流値を設定し、前記制御部は、設定された前記目標電流値に応じて前記オン時間の最小値を設定し、前記ドライバー制御部は、前記ドライバーを前記オン状態に制御した後、設定された前記オン時間の最小値を超え、かつ、前記電流値が設定された前記第3電流値または前記第4電流値より大きいことが検出された場合に前記ドライバーを前記オフ状態に制御してもよい。
これにより、制御部は、設定された目標電流値に応じてオン時間の最小値を設定するので、1ステップ目と2ステップ目とで目標電流値を変更した場合でも、オン時間の最小値を適切に設定することができる。そのため、ローターが1ステップ分回転していない状態で極性切替を行う誤動作が発生したり、ローターが回転しない誤動作が発生したり、モーターの周波数が不安定になったりすることを抑制できる。
本開示のムーブメントは、コイルおよびローターを有するモーターと、上記時計用モーター制御回路と、を備えることを特徴とする。
本開示のムーブメントによれば、上記時計用モーター制御回路を備えるので、モーターが停止している状態からローターを所定ステップ駆動させる際に、駆動時間が大きくなってしまうことを抑制できる。
さらに、1ステップ目よりも負担の小さい2ステップ目の目標電流値を、1ステップ目の目標電流値よりも低くするので、2ステップ目においてローターが回転し過ぎてしまうことを抑制できる。
本開示の電子時計は、上記ムーブメントを備えることを特徴とする。
本開示の電子時計によれば、上記ムーブメントを備えるので、モーターが停止している状態からローターを所定ステップ駆動させる際に、駆動時間が大きくなってしまうことを抑制できる。
さらに、1ステップ目よりも負担の小さい2ステップ目の目標電流値を、1ステップ目の目標電流値よりも低くするので、2ステップ目においてローターが回転し過ぎてしまうことを抑制できる。
本開示の電子時計の制御方法は、コイルおよびローターを有するモーターを備える電子時計の制御方法であって、前記コイルに駆動電流を供給するオン状態と、前記コイルに前記駆動電流を供給しないオフ状態とを、前記コイルに流れる電流値と目標電流値との比較の結果に基づいて切り換えて、前記モーターが停止している状態から前記ローターを所定ステップ回転させる場合に、1ステップ目の前記目標電流値を、2ステップ目の前記目標電流値よりも、高くすることを特徴とする。
本開示の電子時計の制御方法によれば、モーターが停止している状態からローターを所定ステップ駆動させる際に、駆動時間が大きくなってしまうことを抑制できる。
さらに、1ステップ目よりも負担の小さい2ステップ目の目標電流値を、1ステップ目の目標電流値よりも低くするので、2ステップ目においてローターが回転し過ぎてしまうことを抑制できる。
1…電子時計、2…文字板、3…秒針、4…分針、5…時針、7…Aボタン、8…Bボタン、10…ムーブメント、11…水晶振動子、12…電池、13…第1モーター、14…第2モーター、20…IC、21…発振回路、22…分周回路、23…CPU(制御部、目標電流値設定部)、24…ROM、26…入力回路、27…BUS、30A…第1モーター制御回路、30B…第2モーター制御回路、31…デコーダー、50…ドライバー、60…電流検出回路、62…第1基準電圧発生回路、63…第2基準電圧発生回路、130…コイル、131…ステーター、133…ローター。

Claims (7)

  1. コイルおよびローターを有するモーターを制御する時計用モーター制御回路であって、
    前記コイルに駆動電流を供給するオン状態、および、前記駆動電流を供給しないオフ状態に制御されるドライバーと、
    前記コイルに流れる電流値を検出する電流検出部と、
    目標電流値を設定する目標電流値設定部と、
    前記電流検出部が検出した前記電流値と前記目標電流値とを比較して、前記比較の結果に応じて前記ドライバーを前記オン状態または前記オフ状態に制御するドライバー制御部と、を備え、
    前記目標電流値設定部は、前記モーターが停止している状態から所定ステップ駆動する場合に、1ステップ目の前記目標電流値を、2ステップ目の前記目標電流値よりも、高くする
    ことを特徴とする時計用モーター制御回路。
  2. 請求項1に記載の時計用モーター制御回路において、
    設定された前記目標電流値に応じて、前記オン状態の継続時間であるオン時間の最小値、または、前記オフ状態の継続時間であるオフ時間の最小値を設定する制御部を備え、
    前記ドライバー制御部は、設定された前記オン時間の最小値、または、前記オフ時間の最小値に応じて、前記ドライバーを制御する
    ことを特徴とする時計用モーター制御回路。
  3. 請求項2に記載の時計用モーター制御回路において、
    前記目標電流値設定部は、前記目標電流値として第1電流値、または、前記第1電流値より低い第2電流値を設定し、
    前記制御部は、設定された前記目標電流値に応じて前記オフ時間の最小値を設定し、
    前記ドライバー制御部は、前記ドライバーを前記オフ状態に制御した後、設定された前記オフ時間の最小値を超え、かつ、前記電流値が設定された前記第1電流値または前記第2電流値よりも小さいことが検出された場合に前記ドライバーを前記オン状態に制御する
    ことを特徴とする時計用モーター制御回路。
  4. 請求項2または請求項3に記載の時計用モーター制御回路において、
    前記目標電流値設定部は、前記目標電流値として第3電流値、または、前記第3電流値より低い第4電流値を設定し、
    前記制御部は、設定された前記目標電流値に応じて前記オン時間の最小値を設定し、
    前記ドライバー制御部は、前記ドライバーを前記オン状態に制御した後、設定された前記オン時間の最小値を超え、かつ、前記電流値が設定された前記第3電流値または前記第4電流値より大きいことが検出された場合に前記ドライバーを前記オフ状態に制御する
    ことを特徴とする時計用モーター制御回路。
  5. コイルおよびローターを有するモーターと、
    請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の時計用モーター制御回路と、を備える
    ことを特徴とするムーブメント。
  6. 請求項5に記載のムーブメントを備える
    ことを特徴とする電子時計。
  7. コイルおよびローターを有するモーターを備える電子時計の制御方法であって、
    前記コイルに駆動電流を供給するオン状態と、前記コイルに前記駆動電流を供給しないオフ状態とを、前記コイルに流れる電流値と目標電流値との比較の結果に基づいて切り換えて、前記モーターが停止している状態から前記ローターを所定ステップ回転させる場合に、1ステップ目の前記目標電流値を、2ステップ目の前記目標電流値よりも、高くする
    ことを特徴とする電子時計の制御方法。
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