以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る太陽電池パネルを備えた電子時計100の平面図である。
図1に示すように、電子時計100は、外装ケース101、文字板102、指針103、およびリューズ(竜頭)104を備えている。
外装ケース101の側面には、6時側と12時側とにそれぞれ時計バンド(不図示)を取り付けるためのバンド取り付け部101a,101bが形成されている。リューズ104は、外装ケース101の側面の3時位置側に設けられている。指針103は、外装ケース101の外表面に設けられた文字板102上に配置され、秒針105、分針106、および時針107を備えている。
[第1実施形態]
まず、電子時計の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る電子時計100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、電子時計100は、リューズスイッチ検出回路1、発振回路2、分周回路3、制御回路4、計時駆動部5、および計時部6を備える。
リューズスイッチ検出回路1は、リューズ104(図1)に操作に応じて、後述するリューズスイッチ検出信号K1INを生成し、生成したリューズスイッチ検出信号K1INを制御回路4に出力する。なお、リューズスイッチ検出回路1の構成と動作については、後述する。
発振回路2は、水晶振動子を備え、水晶振動子の振動に基づいた所定周波数(例えば32768[Hz])の発振クロック信号を発生させる。発振回路2は、発生させた発振信号を分周回路3に出力する。分周回路3は、発振回路2から入力された発振信号を分周して計時に用いられる計時基準信号、基準クロック信号SMP等を生成する。計時基準信号の駆動周波数は、例えば1[Hz]であり、基準クロック信号SMPの周波数は、例えば128[Hz]である。分周回路3は、生成した計時基準信号を制御回路4に出力する。また、分周回路3は、生成した基準クロック信号SMPをリューズスイッチ検出回路1に出力する。
制御回路4は、分周回路3から入力される基準信号を用いて、計時を行う。計時された結果は、現在の時刻である。制御回路4は、計時した結果を示す計時情報を計時駆動部5に出力する。また、制御回路4は、リューズスイッチ検出回路1が出力したリューズスイッチ検出信号K1INに基づいて、計時部6に対する制御指示を生成し、生成した制御指示を計時駆動部5に出力する。なお、制御指示とは、指針103の駆動停止、指針103の駆動再開等の指示である。また、制御回路4は、計時駆動部5が出力した誘起信号のパターンに基づいて、計時駆動部が有するステッピングモータ(不図示)の回転状況を判定する。制御回路4は、判定した結果に基づいて、補正駆動を行う必要がある場合、補助駆動パルスを生成し、生成した補助駆動パルスを計時駆動部5に出力する。
計時駆動部5は、駆動回路、ステッピングモータ、輪列、回転検出判定回路(不図示)等を含んで構成される。計時駆動部5は、制御回路4が出力した計時情報に応じて、計時部6を駆動する。また、計時駆動部5の回転検出判定回路は、ステッピングモータの回転駆動時の自由振動によって発生する誘起信号を検出し、ステッピングモータが回転したか否か等の駆動状態を表す誘起信号のパターンを制御回路4に出力する。
計時部6は、指針103(図1)を備え、計時駆動部5によって駆動、停止、駆動再開等が行われる。
次に、リューズスイッチ検出回路1の構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る時計装置におけるリューズスイッチ検出回路1の構成を示す回路図である。なお、図3に示す回路では、基準電位Vddは電源Vssより高い電圧になっている。電源Vssは、例えば、−1.55Vである。
リューズスイッチ11は、リューズ104(図1)の操作に応じて、機械的または電気的に接続状態と切断状態とを選択可能とするものである。リューズスイッチ11は、例えば、リューズ104が押し込まれた状態のときオフ状態に切り換わり、引き出された状態のときオン状態に切り換わる。また、図3に示すように、リューズスイッチ11は、信号ライン12の一端と基準電位Vddとの間に挿入される。信号ライン12の他端は、インバータ13及びインバータ14を介して、リューズスイッチ検出端子15に接続される。リューズスイッチ検出端子15からは、リューズスイッチ検出信号K1INが出力される。リューズスイッチ検出信号K1INは、リューズスイッチ11のオン状態及びオフ状態を検出する信号である。
信号ライン12と電源Vssとの間には、NチャネルMOSトランジスタ16及びNチャネルMOSトランジスタ21が挿入される。また、信号ライン12と電源Vssとの間には、NチャネルMOSトランジスタ17が挿入される。NチャネルMOSトランジスタ16及びNチャネルMOSトランジスタ17は、信号ライン12のプルダウン抵抗として機能する。NチャネルMOSトランジスタ16のゲート(G)は、基準電位Vddに接続される。NチャネルMOSトランジスタ16は、ドレイン(D)が信号ライン12に接続され、ソース(S)がNチャネルMOSトランジスタ21のドレインに接続され、ボディ(B;Body)(バックゲートとも称する)が電源Vssに接続される。NチャネルMOSトランジスタ21のソースとボディは、電源Vssに接続される。NチャネルMOSトランジスタ21のゲートには、NANDゲート36から、ワンショットパルス信号OSPが供給される。NチャネルMOSトランジスタ17は、ドレインが信号ライン12に接続され、ソースとボディが電源Vssに接続される。NチャネルMOSトランジスタ17のゲートには、NANDゲート19の出力信号PDが供給される。
また、信号ライン12と基準電位Vddとの間には、PチャネルMOSトランジスタ22及びPチャネルMOSトランジスタ23が挿入される。PチャネルMOSトランジスタ22は、ドレインが信号ライン12に接続され、ソースがPチャネルMOSトランジスタ23のドレインに接続され、ボディが基準電位Vddに接続される。PチャネルMOSトランジスタ22のゲートには、NANDゲート36から、ワンショットパルス信号OSPが供給される。PチャネルMOSトランジスタ23は、ソースとボディが基準電位Vddに接続される。PチャネルMOSトランジスタ23のゲートには、NANDゲート19の出力信号PDが供給される。
NANDゲート19の一方の入力端には、インバータ14の出力信号が供給される。NANDゲート19の他方の入力端には、システムリセット端子18からシステムリセット信号SRXが供給される。システムリセット信号SRXは、パワーオンリセットを行う信号である。システムリセット信号SRXは、システム稼働中ではハイレベルになっており、パワーオンリセットのときに、ローレベルとなる。インバータ13は、入力端子が信号ライン12に接続され、出力端子がインバータ14の入力端子に接続される。
ワンショットパルス信号生成回路30は、インバータ31と、インバータ32と、キャパシタ33と、NANDゲート34とから構成される。インバータ31は、入力端に基準クロック信号SMPが入力され、出力端にインバータ32の入力端とNANDゲート34の一方の入力端が接続される。インバータ32は、出力端にキャパシタ33の一端とNANDゲート34の他方の入力端が接続される。キャパシタ33の他端は基準電位に接続される。なお、キャパシタ33は、MOSトランジスタのゲート酸化膜の容量で形成できる。
ワンショットパルス信号生成回路30には、基準クロック端子37から基準クロック信号SMPが供給される。ワンショットパルス信号生成回路30のNANDゲート34の出力信号は、NANDゲート36の一方の入力端に供給される。NANDゲート36の他方の入力端には、チェック信号入力端子35からチェック信号R_CHECKXが供給される。チェック信号R_CHECKXは、プルダウン抵抗のチェック用の信号で、通常時には、ハイレベルとなる。プルダウン抵抗のチェックを行う際に、チェック信号R_CHECKXはローレベルとなる。
NANDゲート36からは、ワンショットパルス信号OSPが出力される。このワンショットパルス信号OSPがNチャネルMOSトランジスタ21のゲート及びPチャネルMOSトランジスタ22のゲートに供給される。
図4は、本実施形態に係るワンショットパルス信号生成回路30の一例を示す回路図である。図4に示すように、インバータ31は、PチャネルMOSトランジスタ51とNチャネルMOSトランジスタ52とからなるCMOS(Complementary MOS)インバータにより構成される。PチャネルMOSトランジスタ51は、ドレインがNチャネルMOSトランジスタ52のドレインと接続され、ソースとボディが基準電位に接続される。PチャネルMOSトランジスタ51のゲートとNチャネルMOSトランジスタ52のゲートには、基準クロック信号SMPが接続される。NチャネルMOSトランジスタ52は、ソースとボディが電源Vssに接続される。
インバータ32は、PチャネルMOSトランジスタ53とNチャネルMOSトランジスタ54とからなるCMOSインバータにより構成される。PチャネルMOSトランジスタ53のゲートとNチャネルMOSトランジスタ54のゲートには、PチャネルMOSトランジスタ51のドレインとNチャネルMOSトランジスタ52のドレインの交点が接続される。PチャネルMOSトランジスタ53は、ドレインがNチャネルMOSトランジスタ54のドレインと接続され、ソースとボディが基準電位に接続される。NチャネルMOSトランジスタ54は、ソースとボディが電源Vssに接続される。キャパシタ33の一端には、PチャネルMOSトランジスタ53のドレインとNチャネルMOSトランジスタ54のドレインの交点が接続される。
NANDゲート34は、PチャネルMOSトランジスタ55及び56と、NチャネルMOSトランジスタ57及び58とからなるCMOSのNANDゲートにより構成される。PチャネルMOSトランジスタ55のゲートとNチャネルMOSトランジスタ57のゲートには、PチャネルMOSトランジスタ53のドレインとNチャネルMOSトランジスタ54のドレインとキャパシタ33の一端との交点が接続される。PチャネルMOSトランジスタ55は、ドレインがNチャネルMOSトランジスタ57のドレインと接続され、ソースとボディが基準電位に接続される。NチャネルMOSトランジスタ57は、ソースがNチャネルMOSトランジスタ58のドレインに接続され、ボディが電源Vssに接続される。NチャネルMOSトランジスタ58は、ゲートがPチャネルMOSトランジスタ51のドレインとNチャネルMOSトランジスタ52のドレインの交点に接続され、ソースとボディが電源Vssに接続される。PチャネルMOSトランジスタ56は、ドレインがPチャネルMOSトランジスタ55のドレインとNチャネルMOSトランジスタ57のドレインの交点に接続され、ゲートがPチャネルMOSトランジスタ51のドレインとNチャネルMOSトランジスタ52のドレインの交点に接続され、ソースとボディが基準電位に接続される。
NANDゲート36は、PチャネルMOSトランジスタ59及び60と、NチャネルMOSトランジスタ61及び62とからなるCMOSのNANDゲートにより構成される。PチャネルMOSトランジスタ59のゲートとNチャネルMOSトランジスタ61のゲートには、PチャネルMOSトランジスタ55のドレインとNチャネルMOSトランジスタ57のドレインとPチャネルMOSトランジスタ56のドレインとの交点が接続される。PチャネルMOSトランジスタ59は、ドレインがNチャネルMOSトランジスタ61のドレインと接続され、ソースとボディが基準電位に接続される。NチャネルMOSトランジスタ61は、ソースがNチャネルMOSトランジスタ62のドレインに接続され、ボディが電源Vssに接続される。NチャネルMOSトランジスタ62は、ゲートがチェック信号入力端子35に接続され、ソースとボディが電源Vssに接続される。PチャネルMOSトランジスタ60は、ドレインがPチャネルMOSトランジスタ59のドレインとNチャネルMOSトランジスタ61のドレインとの交点に接続され、ゲートがチェック信号入力端子35に接続され、ソースとボディが基準電位に接続される。PチャネルMOSトランジスタ59のドレインとNチャネルMOSトランジスタ61のドレインとPチャネルMOSトランジスタ60のドレインとの交点が、NANDゲート36の出力であり、ワンショットパルス信号OSPである。
図5は、本実施形態に係るワンショットパルス信号生成回路30の動作を示す波形図である。基準クロック端子37には、図5(A)に示すような基準クロック信号SMPが供給される。基準クロック信号SMPは、例えば周波数128Hzの矩形波であり、そのハイレベルの期間とローレベルの期間は等しい。この基準クロック信号SMPは、インバータ31に供給される。インバータ31からは、図5(B)に示すように、基準クロック信号SMPの反転信号が出力される。インバータ31の出力信号は、NANDゲート34の一方の入力端に供給される。
また、インバータ31の出力信号は、インバータ32を介して、NANDゲート34の他方の入力端に供給される。インバータ32の出力信号は、キャパシタ33に充放電される。これにより、インバータ32からは、図5(C)に示すような波形の信号が出力される。このインバータ32の出力信号がNANDゲート34に供給される。
NANDゲート34には、図5(B)に示すようなインバータ31の出力信号と、図5(C)に示すようなインバータ32の出力信号が入力される。これにより、NANDゲート34からは、図5(D)に示すように、所定周期で所定のパルス幅のパルス信号が出力される。
NANDゲート34の出力信号は、NANDゲート36の一方の入力端に供給される。NANDゲート36の他方の入力端には、チェック信号入力端子35からチェック信号R_CHECKXが供給される。図5(E)に示すように、チェック信号R_CHECKXは、通常時には、ハイレベルとなる。図5(F)に示すように、チェック信号R_CHECKXがハイレベルの間では、NANDゲート36からは、NANDゲート34の出力信号(図5(D))の反転信号が出力される。このNANDゲート36の出力信号がワンショットパルス信号OSPとしてNチャネルMOSトランジスタ21及びPチャネルMOSトランジスタ22のゲートに供給される。
図5(F)に示すように、このワンショットパルス信号OSPは、所定パルス幅のパルス信号となる。すなわち、この例では、ワンショットパルス信号OSPは、周波数128Hzの基準クロック信号SMPの立ち下がりに同期してハイレベルとなり、ハイレベルのパルス幅が100n秒となる。このパルス幅100n秒は、周期に比べて、非常に短いパルス幅である。
次に、本実施形態の動作について説明する。図3において、リューズ104(図1)が押し込まれた状態にあるときには、リューズスイッチ11はオフ状態である。リューズスイッチ11がオフ状態にされているとき、信号ライン12の一端は、オープン状態になる。このとき、NチャネルMOSトランジスタ16のゲートは基準電位Vddなので、NチャネルMOSトランジスタ16はオン状態である。ここで、ワンショットパルス信号OSPがハイレベルであれば、NチャネルMOSトランジスタ21がオン状態になり、信号ライン12をNチャネルMOSトランジスタ16、NチャネルMOSトランジスタ21を介して電源Vssに接続され、信号ライン12がローレベルにプルダウンされる。
初期設定時には、システムリセット端子18からのシステムリセット信号SRXがローレベルとなる。システムリセット信号SRXがローレベルとなると、NANDゲート19の出力信号PDはハイレベルになり、NチャネルMOSトランジスタ17がオン状態となり、PチャネルMOSトランジスタ23がオフ状態になる。NチャネルMOSトランジスタ17がオンすると、NチャネルMOSトランジスタ17がプルダウン抵抗として機能し、信号ライン12がローレベルにプルダウンされる。
このように、初期設定時には、NチャネルMOSトランジスタ16と、NチャネルMOSトランジスタ17とにより、信号ライン12はローレベルにプルダウンされる。これにより、リューズスイッチ検出端子15からのリューズスイッチ検出信号K1INはローレベルになる。
なお、初期設定時には、NANDゲート19の出力信号PDはハイレベルであり、PチャネルMOSトランジスタ23はオフ状態である。したがって、信号ライン12から、PチャネルMOSトランジスタ22及びPチャネルMOSトランジスタ23を介して、基準電位Vddに繋がる経路はオフ状態である。
通常稼働時には、システムリセット端子18からのシステムリセット信号SRXはハイレベルとなる。また、リューズスイッチ11はオフ状態である。通常稼働時には、NチャネルMOSトランジスタ16はオン状態であり、ワンショットパルス信号OSPによりNチャネルMOSトランジスタ21がオン状態にされると、信号ライン12は、NチャネルMOSトランジスタ16、NチャネルMOSトランジスタ21を介して電源Vssに接続され、信号ライン12がローレベルにプルダウンされる。
信号ライン12がローレベルになると、NANDゲート19の入力信号はローレベルになる。NANDゲート19の入力信号がローレベルで、システムリセット信号SRXがハイレベルであるから、NANDゲート19の出力信号PDはハイレベルになり、NチャネルMOSトランジスタ17はオン状態になり、PチャネルMOSトランジスタ23はオフ状態になる。NチャネルMOSトランジスタ17がオン状態になると、NチャネルMOSトランジスタ17がプルダウン抵抗として機能し、信号ライン12はローレベルにプルダウンされる。
このように、通常稼動時には、NチャネルMOSトランジスタ16と、NチャネルMOSトランジスタ17とにより、信号ライン12はローレベルにプルダウンされ、リューズスイッチ検出端子15からのリューズスイッチ検出信号K1INはローレベルになる。
なお、通常稼働時には、NANDゲート19の出力信号PDはハイレベルであり、PチャネルMOSトランジスタ23はオフしている。したがって、信号ライン12から、PチャネルMOSトランジスタ22及びPチャネルMOSトランジスタ23を介して、基準電位Vddに繋がる経路はオフ状態である。
システム稼働中にリューズ104が引き出されると、リューズスイッチ11はオン状態になる。リューズスイッチ11がオン状態になると、信号ライン12の一端がリューズスイッチ11を介して基準電位Vddと繋がり、信号ライン12はハイレベルとなる。
信号ライン12がハイレベルになると、インバータ14の出力がハイレベルになり、リューズスイッチ検出端子15からのリューズスイッチ検出信号K1INはハイレベルになる。また、システム稼働中では、システムリセット信号SRXはハイレベルになっている。したがって、NANDゲート19の出力信号PDはローレベルになる。NANDゲート19の出力信号PDがローレベルになると、NチャネルMOSトランジスタ17はオフ状態になり、PチャネルMOSトランジスタ23はオン状態になる。NチャネルMOSトランジスタ17がオフ状態になることで、NチャネルMOSトランジスタ17は、プルダウン抵抗として機能しなくなる。
更に、本実施形態では、NチャネルMOSトランジスタ16と電源Vssとの間に、NチャネルMOSトランジスタ21が設けられている。NチャネルMOSトランジスタ21は、ワンショットパルス信号OSPにより、オン状態またはオフ状態にされる。NチャネルMOSトランジスタ16に電流が流れるのは、ワンショットパルス信号OSPがハイレベルでNチャネルMOSトランジスタ21がオン状態となる期間であり、ワンショットパルス信号OSPがハイレベルとなる期間は、図5(F)に示すように、100nsの非常に短い期間である。したがって、NチャネルMOSトランジスタ16を介して流れる電流は僅かである。
また、このとき、PチャネルMOSトランジスタ23がオン状態である。PチャネルMOSトランジスタ22は、ワンショットパルス信号OSPにより、NチャネルMOSトランジスタ21と相補的に動作する。これにより、ワンショットパルス信号OSPがローレベルの間、信号ライン12から、PチャネルMOSトランジスタ22及びPチャネルMOSトランジスタ23を介して、基準電位Vddに繋がる経路により、信号ライン12がハイレベルに維持される。
リューズ104が再び押し込まれると、リューズスイッチ11がオン状態からオフ状態になる。リューズスイッチ11がオン状態からオフ状態になると、信号ライン12の一端は、オープン状態になる。このとき、NチャネルMOSトランジスタ16はオン状態であり、ワンショットパルス信号OSPによりNチャネルMOSトランジスタ21がオンされると、信号ライン12からの電流がNチャネルMOSトランジスタ16、NチャネルMOSトランジスタ21を介して流れ、信号ライン12がローレベルにプルダウンされる。これにより、インバータ14の出力信号がローレベルになり、リューズスイッチ検出端子15からのリューズスイッチ検出信号K1INは、ローレベルになる。
インバータ14の出力信号がローレベルになると、NANDゲート19の出力信号PDがハイレベルになり、NチャネルMOSトランジスタ17はオン状態になり、PチャネルMOSトランジスタ23はオフ状態になる。NチャネルMOSトランジスタ17がオン状態になると、NチャネルMOSトランジスタ17がプルダウン抵抗として機能し、信号ライン12がローレベルにプルダウンされる。
なお、図5(G)に示すように、リューズスイッチ11がオフ状態にされたときに、ワンショットパルス信号OSPがローレベルであったとすると、PチャネルMOSトランジスタ22及びPチャネルMOSトランジスタ23がオン状態であり、NチャネルMOSトランジスタ21はオフ状態である。このため、信号ライン12から、PチャネルMOSトランジスタ22及びPチャネルMOSトランジスタ23を介して、基準電位Vddに繋がる経路により、信号ライン12はハイレベルに維持され、図5(H)に示すように、リューズスイッチ検出信号K1INはハイレベルに維持される。しかしながら、ワンショットパルス信号OSPがローレベルからハイレベルに変化すると、PチャネルMOSトランジスタ22がオフし、NチャネルMOSトランジスタ21がオン状態になり、信号ライン12はローレベルにプルダウンされる。信号ライン12がローレベルにプルダウンされると、NANDゲート19の出力信号PDがハイレベルになり、PチャネルMOSトランジスタ23はオフ状態になり、NチャネルMOSトランジスタ17がオン状態になる。このため、信号ライン12がローレベルにプルダウンされ、図5(H)に示すように、リューズスイッチ検出信号K1INはローレベルとなる。
本実施形態では、NチャネルMOSトランジスタ21のゲートにワンショットパルス信号OSPを供給してNチャネルMOSトランジスタ21をオン状態及びオフ状態にし、NチャネルMOSトランジスタ16を間欠的に駆動することで、リューズスイッチ11をオン時の消費電流を削減している。本実施形態では、例えば、図5(F)に示した周波数128Hz、パルス幅が100n秒のワンショットパルス信号OSPを用いることで、プルダウンの平均電流は、例えば1nA以下とすることができる。
ここで、図5(F)に示したワンショットパルス信号OSPのパルス幅(ハイレベルの期間)を短くすれば、電流の削減効果は更に大きくなる。しかしながら、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅を小さくすると、プルダウン抵抗としての機能は低下する。
図4に示したように、本実施形態におけるワンショットパルス信号生成回路30では、インバータ32のNチャネルMOSトランジスタ54でキャパシタ33を充放電して、図5(C)に示すような波形の信号を形成し、ワンショットパルス信号OSPを生成している。ワンショットパルス信号OSPのパルス幅は、キャパシタ33の容量と、NチャネルMOSトランジスタ54の駆動能力とにより決まる。
すなわち、キャパシタ33の容量を大きくすると、図5(C)に示す信号の立ち下がりエッジの変化が遅くなり、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅は長くなる。キャパシタ33の容量が小さければ、図5(C)に示す信号の立ち下がりエッジの変化が速くなり、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅は短くなる。
また、NチャネルMOSトランジスタ54の駆動能力が小さいと、キャパシタ33の容量の充放電にかかる時間が長くなり、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅は長くなる。NチャネルMOSトランジスタ54の駆動能力が大きいと、キャパシタ33の容量の充放電にかかる時間が短くなり、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅は短くなる。
図3において、プルダウン抵抗として機能するNチャネルMOSトランジスタ16は、ワンショットパルス信号生成回路30のNチャネルMOSトランジスタ54と同様に、NチャネルのMOSトランジスタである。このため、集積回路上での特性は、同様の傾向を示す。このことから、本実施形態では、ワンショットパルス信号生成回路30のパルス幅の変化と、NチャネルMOSトランジスタ16のプルダウン能力の変化とが相補的に働き、プルダウン能力のバラツキが小さくなり、プルダウン能力が安定する。
すなわち、ワンショットパルス信号生成回路30のNチャネルMOSトランジスタ54の駆動能力が大きい場合には、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅は短くなる。ワンショットパルス信号OSPのパルス幅が短くなると、NチャネルMOSトランジスタ16のプルダウン能力は低下する傾向にある。しかしながら、NチャネルMOSトランジスタ54とNチャネルMOSトランジスタ16の駆動能力は同様の傾向を示す。すなわち、製造上のバラツキにより、NチャネルMOSトランジスタ54の駆動能力が大きくなれば、NチャネルMOSトランジスタ16の駆動能力も大きくなる。また、温度変化等の影響により、NチャネルMOSトランジスタ54の駆動能力が大きくなれば、NチャネルMOSトランジスタ16の駆動能力も大きくなる。このことから、NチャネルMOSトランジスタ54の駆動能力が大きくなり、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅が短くなったとしても、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅が短くなることによるプルダウン能力の低下は、NチャネルMOSトランジスタ16のプルダウン能力の増加により相殺され、プルダウン能力は大きく変動しない。
また、ワンショットパルス信号生成回路30のNチャネルMOSトランジスタ54の駆動能力が小さい場合には、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅は長くなる。ワンショットパルス信号OSPのパルス幅が長くなると、NチャネルMOSトランジスタ16による電流が増加する傾向にある。しかしながら、NチャネルMOSトランジスタ54とNチャネルMOSトランジスタ16の駆動能力は同様の傾向を示す。このため、NチャネルMOSトランジスタ54の駆動能力が小さければ、NチャネルMOSトランジスタ16の駆動能力も小さいことになり、NチャネルMOSトランジスタ16に流れる電流も減少する。このことから、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅が長くなることによる電流の増加は、NチャネルMOSトランジスタ16の駆動能力の低下による電流の減少により相殺され、消費電流は大きく変動しない。
また、本実施形態におけるワンショットパルス信号生成回路30では、キャパシタ33は、ゲート酸化膜を利用した容量である。このため、キャパシタ33の容量とNチャネルMOSトランジスタ54の駆動能力とが相補的に働き、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅のバラツキが小さくなる。
すなわち、ワンショットパルス信号生成回路30のキャパシタ33はゲート酸化膜を利用した容量であるため、ゲート酸化膜が厚くなると、その容量は小さくなる。キャパシタ33の容量が小さくなると、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅は短くなる傾向になる。しかしながら、ワンショットパルス信号生成回路30のキャパシタ33はゲート酸化膜を厚くすると、これに連動して、インバータ32を構成するNチャネルMOSトランジスタ54のゲート酸化膜も厚くなる。NチャネルMOSトランジスタ54のゲート酸化膜が厚くなると、NチャネルMOSトランジスタ54の駆動能力が低くなる。このため、キャパシタ33の充放電時間が長くなり、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅は長くなる傾向となる。このように、ゲート酸化膜が厚くなり、キャパシタ33の容量が小さくなることにより、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅の短くなっても、NチャネルMOSトランジスタ54の駆動能力の低下により相殺され、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅のバラツキが小さくなる。
さらに、ゲート酸化膜下を不純濃度の濃い領域とすることで空乏層の広がりを低減し、ゲート電圧に対する容量値のバラツキが低減され、ワンショットパルス信号OSPのパルス幅のバラツキをより抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る電子時計100は、信号ライン12に接続されている第1のスイッチとしてのリューズスイッチ11と、第2のスイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタ21、ワンショットパルス信号生成回路30と、を備え、リューズスイッチ11は、信号ライン12に挿入され、NチャネルMOSトランジスタ21の一端は、リューズスイッチ11の後段の信号ライン12に接続され、NチャネルMOSトランジスタ21の他端は、電源Vssに接続され、ワンショットパルス信号生成回路30は、基準クロック信号SMPを用いてワンショットパルス信号OSPを生成し、NチャネルMOSトランジスタ21は、ワンショットパルス信号OSPによって制御される。
この構成によれば、リューズ104を引き出して、リューズスイッチ11をオンしたときに、プルダウン抵抗に流れる電流を非常に小さくすることができる。これにより、店舗などで、リューズ104を引いて展示したような場合に、電池の寿命を延ばすことができる。
また、本実施形態に係る電子時計100は、発振回路2と、発振回路から得られる周波数を分周した周波数に基づき計時される計時部6と、を備え、基準クロック信号SMPは、発振回路から得られる周波数を分周した周波数により構成され、第1のスイッチ(リューズスイッチ11)は、リューズ104の動作により接続状態と切断状態とが選択されるスイッチである。
また、本実施形態に係る電子時計100において、基準クロック信号SMPは、ワンショットパルス信号生成回路30は、第1のインバータ31と、第2のインバータ32と、キャパシタ33と、NANDゲート34と、を備え、第1のインバータ31は、入力端に基準クロック信号SMPが入力され、出力端に第2のインバータ32の入力端とNANDゲート34の一方の入力端が接続され、第2のインバータ32は、出力端にキャパシタ33の一端とNANDゲート34の他方の入力端が接続され、キャパシタ33の他端は基準電位に接続され、NANDゲート34の出力信号を基に、基準クロック信号SMPのハイレベルの期間より短い期間のハイレベルの信号を生成する。
この構成によれば、高い周波数の信号を用いることなく、ハイレベルの期間の短いパルス信号を生成して、プルダウン抵抗を間欠的に駆動でき、消費電力を低減できる。すなわち、電子時計100の発振回路2が備える水晶振動子の発振周波数32kHz(32768Hz)から作り出す、例えば128Hz程度の周波数(基準クロック信号SMP)により、短時間のパルス信号を生成してプルダウン抵抗を間欠駆動させることができるので、当該間欠駆動に専用の高い周波数を要することなく、効率的に低消費化を実現できる。すなわち、例えば図3(F)に示すような100nsの短時間のパルスを生成するためには、上記の発振周波数を単純に分周する等では不十分であるが、本発明の構成のリューズスイッチ検出回路1を採用することにより、回路規模を妥当に抑えつつ上記の発振周波数を用いて非常に短時間のパルスによる間欠駆動を可能とする。これは、上述の基準クロック信号SMPを、時計の根本を為す計時機構にも利用される発振周波数32kHzから作り出される周波数とすることができる点によるものであり、電子時計100に特有の作用として実現される構成となっている。
また、本実施形態に係る電子時計100において、キャパシタ33は、ゲート酸化膜を利用した容量により形成され、第2のインバータ32を構成するNチャネルMOSトランジスタ54は、キャパシタ33を充放電して基準クロック信号SMPの立ち下がりを遅延させ、ワンショットパルス信号OSPのハイレベルの期間のパルス幅は、キャパシタ33の容量と第2のインバータ32を構成するNチャネルMOSトランジスタ54の駆動能力とにより決まる。
この構成によれば、第2のインバータ32を構成するNチャネルMOSトランジスタ54の駆動能力とキャパシタ33の容量とが相殺され、パルス幅のバラツキを抑えることができる。また、キャパシタ33の変化と、プルダウン抵抗として機能するNチャネルMOSトランジスタ16駆動能力の変化とが相殺され、プルダウン能力のバラツキを抑え、プルダウン能力や消費電流を安定させることができる。
また、本実施形態に係る電子時計100において、第2のスイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタ16を第1のプルダウン抵抗として用い、ワンショットパルス信号OSPに応じて、NチャネルMOSトランジスタ16の機能を制御する。
この構成によれば、第2のスイッチとして機能するNチャネルMOSトランジスタ16を第1のプルダウン抵抗として用い、第1のプルダウン抵抗を間欠的に駆動できる。
また、本実施形態に係る電子時計100において、信号ライン12と第2のスイッチとして機能するNチャネルMOSトランジスタ21との間に第1のプルダウン抵抗として機能するNチャネルMOSトランジスタ16を挿入し、ワンショットパルス信号OSPに応じて、第1のプルダウン抵抗の機能を制御する。
この構成によれば、信号ライン12と第2のスイッチとして機能するNチャネルMOSトランジスタ21との間に、第1のプルダウン抵抗として機能するNチャネルMOSトランジスタ16を挿入し、第1のプルダウン抵抗を間欠的に駆動できる。
また、本実施形態に係る電子時計100において、信号ライン12と電源Vssとの間に第2のプルダウン抵抗として機能するNチャネルMOSトランジスタ17を挿入し、信号ライン12の出力レベルとリセット信号SRXに応じて、NチャネルMOSトランジスタ17の機能を制御する。
この構成によれば、リューズスイッチ11がオフの間、第2のプルダウン抵抗として機能するNチャネルMOSトランジスタ17により信号ライン12をプルダウンすることで、ノイズの影響を受け難くすることができる。
また、本実施形態に係る電子時計100において、信号ライン12と基準電位Vddとの間に、信号ライン12と基準電位Vddとを繋ぐ第3のスイッチとしてのPチャネルMOSトランジスタ22を挿入し、PチャネルMOSトランジスタ22をNチャネルMOSトランジスタ21と相補的に動作させる。
この構成によれば、リューズスイッチ11がオンの間、第3のスイッチとして機能するPチャネルMOSトランジスタ22により、信号ライン12の信号レベルをハイレベルに維持できる。
<第1実施形態の変形例>
図6は、本実施形態に係る時計装置のリューズスイッチ検出回路1Aの変形例を示す回路図である。図6において、図3のリューズスイッチ検出回路1と同一部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。なお、変形例の電子時計100の構成は、図2においてリューズスイッチ検出回路1をリューズスイッチ検出回路1Aに置き換えた構成である。
前述の図3に示したリューズスイッチ検出回路1では、プルダウン抵抗として機能するNチャネルMOSトランジスタ16と電源Vssとの間にNチャネルMOSトランジスタ21を挿入し、NチャネルMOSトランジスタ21をワンショットパルス信号OSPでオン状態及びオフ状態にすることで、NチャネルMOSトランジスタ16を間欠的に駆動している。このように、図3に示す構成では、プルダウン抵抗として機能するNチャネルMOSトランジスタ16と、スイッチング素子としてのNチャネルMOSトランジスタ21とが分かれた構成となっている。
これに対して、図6に示す変形例ではプルダウン抵抗として機能するNチャネルMOSトランジスタ16をワンショットパルス信号OSPでオン状態及びオフ状態にしており、図3の構成における、NチャネルMOSトランジスタ16とNチャネルMOSトランジスタ21の機能を、1つのNチャネルMOSトランジスタ16で行っている。他の構成については、図3に示したものと同様である。なお、NチャネルMOSトランジスタ16は、ドレインが信号ライン12に接続され、ソースとボディが電源Vssに接続され、ゲートにワンショットパルス信号OSPが供給される。
上述した第1実施形態の変形例においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。なお、本実施形態に係る電子時計100の構成は、図2においてリューズスイッチ検出回路1をリューズスイッチ検出回路1Bに置き換えた構成である。
図7は、本実施形態に係る時計装置におけるリューズスイッチ検出回路1Bの構成を示す回路図である。なお、図7に示す回路では、基準電位Vddは電源Vssより高い電圧になっている。電源Vssは、例えば、−1.55Vである。
図7において、リューズスイッチ311は、信号ライン312の一端と電源Vssとの間に挿入される。信号ライン312の他端は、インバータ313を介して、リューズスイッチ検出端子315に接続される。リューズスイッチ検出端子315からは、リューズスイッチ検出信号K1INXが出力される。リューズスイッチ検出信号K1INXは、リューズスイッチ311のオン状態及びオフ状態を検出する信号である。
信号ライン312と基準電位Vddとの間には、PチャネルMOSトランジスタ316とPチャネルMOSトランジスタ317とが挿入される。PチャネルMOSトランジスタ316及びPチャネルMOSトランジスタ317は、プルアップ抵抗として機能する。PチャネルMOSトランジスタ316は、ドレインが信号ライン312に接続され、ソースとボディが基準電位Vddに接続される。PチャネルMOSトランジスタ316のゲートには、NORゲート336から、ワンショットパルス信号OSPXが供給される。PチャネルMOSトランジスタ317は、ドレインが信号ライン312に接続され、ソースとボディが基準電位Vddに接続される。PチャネルMOSトランジスタ317のゲートには、ANDゲート319の出力信号PUが供給される。
また、信号ライン312と電源Vssとの間には、NチャネルMOSトランジスタ322及びNチャネルMOSトランジスタ323とが挿入される。NチャネルMOSトランジスタ322は、ドレインが信号ライン312に接続され、ソースとボディがNチャネルMOSトランジスタ323のドレインに接続される。NチャネルMOSトランジスタ322のゲートには、NORゲート336から、ワンショットパルス信号OSPXが供給される。NチャネルMOSトランジスタ323は、ソースとボディが電源Vssに接続される。NチャネルMOSトランジスタ323のゲートには、ANDゲート319の出力信号PUが供給される。
ANDゲート319の一方の入力端には、インバータ313の出力信号が供給される。ANDゲート319の他方の入力端には、システムリセット端子318からシステムリセット信号SRXが供給される。システムリセット信号SRXは、パワーオンリセットを行う信号である。システムリセット信号SRXは、システム稼働中ではハイレベルになっており、パワーオンリセットのときに、ローレベルとなる。インバータ313の入力端子は信号ライン312に接続される。
ワンショットパルス信号生成回路330は、インバータ331と、インバータ332と、キャパシタ333と、NORゲート334とから構成される。
インバータ331は、入力端に基準クロック信号SMPが入力され、出力端にインバータ332の入力端とNORゲート334の一方の入力端が接続される。インバータ332は、出力端にキャパシタ333の一端とNORゲート334の他方の入力端が接続される。キャパシタ333の他端は基準電位に接続される。
ワンショットパルス信号生成回路330には、基準クロック端子337から基準クロック信号SMPが供給される。ワンショットパルス信号生成回路330のNORゲート334からの出力信号は、NORゲート336の一方の入力端に供給される。NORゲート336の他方の入力端には、チェック信号入力端子335からチェック信号R_CHECKが供給される。チェック信号R_CHECKは、プルアップ抵抗のチェック用の信号で、通常時には、ローレベルとなる。プルアップ抵抗のチェックを行う際に、チェック信号R_CHECKはハイレベルとなる。
NORゲート336からは、ワンショットパルス信号OSPXが出力される。このワンショットパルス信号OSPXがPチャネルMOSトランジスタ316のゲート及びNチャネルMOSトランジスタ322のゲートに供給される。
図8は、ワンショットパルス信号生成回路330の一例を示す回路図である。図8に示すように、インバータ331は、PチャネルMOSトランジスタ351とNチャネルMOSトランジスタ352とからなるCMOSインバータにより構成される。なお、インバータ331の構成は、インバータ31(図4)のPチャネルMOSトランジスタ51をPチャネルMOSトランジスタ351に置き換え、NチャネルMOSトランジスタ52をNチャネルMOSトランジスタ352に置き換えた構成である。
また、インバータ332は、PチャネルMOSトランジスタ353とNチャネルMOSトランジスタ354とからなるCMOSインバータにより構成される。なお、インバータ332の構成は、インバータ32(図4)のPチャネルMOSトランジスタ53をPチャネルMOSトランジスタ353に置き換え、NチャネルMOSトランジスタ54をNチャネルMOSトランジスタ354に置き換えた構成である。キャパシタ333は、ゲート酸化膜を利用した容量により形成される。
NORゲート334は、PチャネルMOSトランジスタ355及び356と、NチャネルMOSトランジスタ357及び358とからなるCMOSのNORゲートにより構成される。PチャネルMOSトランジスタ355のゲートとNチャネルMOSトランジスタ357のゲートには、PチャネルMOSトランジスタ353のドレインとNチャネルMOSトランジスタ354のドレインとキャパシタ333の一端との交点が接続される。PチャネルMOSトランジスタ355は、ドレインがPチャネルMOSトランジスタ356のソースと接続され、ソースとボディが基準電位に接続される。PチャネルMOSトランジスタ356は、ドレインがNチャネルMOSトランジスタ357のドレインとNチャネルMOSトランジスタ358のドレインに接続され、ゲートは、PチャネルMOSトランジスタ351のドレインとNチャネルMOSトランジスタ352のドレインとNチャネルMOSトランジスタ358のゲートとに接続される。NチャネルMOSトランジスタ357のソースとボディは電源Vssに接続される。NチャネルMOSトランジスタ358のソースとボディは電源Vssに接続される。
NORゲート336は、PチャネルMOSトランジスタ359及び360と、NチャネルMOSトランジスタ361及び362とからなるCMOSのNORゲートにより構成される。PチャネルMOSトランジスタ359のゲートとNチャネルMOSトランジスタ361のゲートには、PチャネルMOSトランジスタ356のドレインとNチャネルMOSトランジスタ357のドレインとNチャネルMOSトランジスタ358のドレインとの交点が接続される。PチャネルMOSトランジスタ359は、ドレインがPチャネルMOSトランジスタ360のソースと接続され、ソースとボディが基準電位に接続される。PチャネルMOSトランジスタ360は、ドレインがNチャネルMOSトランジスタ361のドレインとNチャネルMOSトランジスタ362のドレインに接続され、ゲートは、チェック信号入力端子335に接続される。NチャネルMOSトランジスタ361のソースとボディは電源Vssに接続される。NチャネルMOSトランジスタ362のソースとボディは電源Vssに接続される。PチャネルMOSトランジスタ360のドレインとNチャネルMOSトランジスタ361のドレインとNチャネルMOSトランジスタ362のドレインとの交点が、NORゲート336の出力であり、ワンショットパルス信号OSPXである。
図9は、本実施形態に係るワンショットパルス信号生成回路330の動作を示す波形図である。基準クロック端子337には、図9(A)に示すような基準クロック信号SMPが供給される。基準クロック信号SMPは、例えば、周波数128Hzの矩形波であり、そのハイレベルの期間とローレベルの期間は等しい。この基準クロック信号SMPは、インバータ331に供給される。インバータ331からは、図9(B)に示すように、基準クロック信号SMPの反転信号が出力される。インバータ331の出力信号は、NORゲート334の一方の入力端に供給される。
また、インバータ331の出力信号は、インバータ332を介して、NORゲート334の一方の入力端に供給される。インバータ332とNORゲート334の間には、キャパシタ333が形成されている。インバータ332の出力信号は、キャパシタ333に充放電され、インバータ332からは、図9(C)に示すような波形の信号が出力される。このインバータ332の出力信号がNORゲート334の他方の入力端に供給される。
NORゲート334には、図9(B)に示すようなインバータ331の出力信号と、図9(C)に示すような波形のインバータ332の出力信号が入力される。これにより、NORゲート334からは、図9(D)に示すように、所定周期で所定のパルス幅のパルス信号が出力される。
NORゲート334の出力信号は、NORゲート336の一方の入力端に供給される。NORゲート336の他方の入力端には、チェック信号の入力端からチェック信号R_CHECKが供給される。図9(E)に示すように、チェック信号R_CHECKは、通常時には、ローレベルとなる。図9(F)に示すように、チェック信号R_CHECKがローレベルの間では、NORゲート336からは、NORゲート334の出力信号(図9(D))の反転信号が出力される。このNORゲート336の出力信号がワンショットパルス信号OSPXとしてPチャネルMOSトランジスタ316及びNチャネルMOSトランジスタ322のゲートに供給される。
図9(F)に示すように、このワンショットパルス信号OSPXは、所定パルス幅のパルス信号となる。すなわち、この例では、ワンショットパルス信号OSPXは、周波数128Hzの基準クロック信号SMPの立ち上がりに同期した周期でローレベルとなり、ローレベルのパルス幅が100n秒となる。このパルス幅100n秒は、周期に比べて、非常に短いパルス幅である。
次に、本実施形態の動作について説明する。リューズ104が押し込まれた状態にあるときには、リューズスイッチ311はオフ状態である。リューズスイッチ311がオフ状態であるときには、信号ライン312の一端は、オープン状態になる。ここで、ワンショットパルス信号OSPXがローレベルになり、PチャネルMOSトランジスタ316がオン状態になると、PチャネルMOSトランジスタ316を介して基準電源Vddと接続され、信号ライン312がハイレベルにプルアップされる。信号ライン312がハイレベルになると、インバータ313の出力信号はローレベルになる。
初期設定時には、システムリセット端子318からのシステムリセット信号SRXがローレベルとなり、ANDゲート319の出力信号PUはローレベルになり、PチャネルMOSトランジスタ317がオン状態になり、NチャネルMOSトランジスタ323がオフ状態になる。PチャネルMOSトランジスタ317がオン状態になると、PチャネルMOSトランジスタ317がプルアップ抵抗として機能し、信号ライン312がハイレベルにプルアップされる。
このように、初期設定時には、PチャネルMOSトランジスタ317と、PチャネルMOSトランジスタ316とにより、信号ライン312がハイレベルにプルアップされる。これにより、リューズスイッチ検出信号K1INXは、ローレベルになる。
なお、初期設定時には、ANDゲート319の出力信号PUはローレベルであり、NチャネルMOSトランジスタ323はオフ状態である。したがって、信号ライン312から、NチャネルMOSトランジスタ322及びNチャネルMOSトランジスタ323を介して、電源Vssにつながる経路はオフ状態である。
通常稼働時には、システムリセット端子318からのシステムリセット信号SRXはハイレベルとなっている。また、リューズスイッチ311はオフ状態である。通常稼動時には、ワンショットパルス信号OSPXによりPチャネルMOSトランジスタ316がオン状態になると、PチャネルMOSトランジスタ316を介して基準電源Vddに接続され、信号ライン312がハイレベルにプルアップされる。信号ライン312がハイレベルにプルアップされると、インバータ313の出力信号はローレベルとなり、これにより、リューズスイッチ検出端子315からのリューズスイッチ検出信号K1INXはローレベルになる。
インバータ313の出力信号はローレベルであり、システムリセット端子318からのシステムリセット信号SRXはハイレベルであるから、ANDゲート319の出力信号PUはローレベルになる。ANDゲート319の出力信号PUがローレベルになると、PチャネルMOSトランジスタ317はオンし、NチャネルMOSトランジスタ323はオフ状態になる。PチャネルMOSトランジスタ317がオン状態になると、PチャネルMOSトランジスタ317がプルアップ抵抗として機能し、信号ライン312がハイレベルにプルアップされる。
このように、通常稼動時には、PチャネルMOSトランジスタ317と、PチャネルMOSトランジスタ316とにより、信号ライン312はハイレベルにプルアップされる。
なお、通常稼働時には、ANDゲート319の出力信号PUはローレベルであり、NチャネルMOSトランジスタ323はオフ状態である。したがって、信号ライン312から、NチャネルMOSトランジスタ322及びNチャネルMOSトランジスタ323を介して、電源Vssにつながる経路は、オフ状態である。
システム稼働中にリューズ104が引き出されると、リューズスイッチ311はオン状態になる。リューズスイッチ311がオン状態になると、信号ライン312の一端がリューズスイッチ311を介して電源Vssに接続され、信号ライン312はローレベルとなる。
信号ライン312がローレベルになると、インバータ313の出力がハイレベルになり、リューズスイッチ検出端子315からのリューズスイッチ検出信号K1INXはハイレベルになる。また、システム稼働中では、システムリセット信号SRXはハイレベルになっている。したがって、ANDゲート319の出力信号PUはハイレベルになり、PチャネルMOSトランジスタ317はオフし、NチャネルMOSトランジスタ323はオン状態になる。PチャネルMOSトランジスタ317がオフ状態になると、PチャネルMOSトランジスタ317は、プルアップ抵抗として機能しなくなる。
なお、このとき、PチャネルMOSトランジスタ316がオン状態であると、PチャネルMOSトランジスタ316を介して電流が流れる。PチャネルMOSトランジスタ316がオンするのは、ワンショットパルス信号OSPXがローレベルとなる期間だけである。図9(F)に示すように、ワンショットパルス信号OSPXがローレベルとなる期間は僅かである。したがって、PチャネルMOSトランジスタ316を介して流れる電流は僅かとなる。
また、このとき、NチャネルMOSトランジスタ322は、ワンショットパルス信号OSPXにより、PチャネルMOSトランジスタ316と相補的に動作する。これにより、ワンショットパルス信号OSPXがハイレベルの間、信号ライン312から、NチャネルMOSトランジスタ322及びNチャネルMOSトランジスタ323を介して、電源Vssに繋がる経路に接続され、信号ライン312がローレベルに維持される。
リューズ104が再び押し込まれると、リューズスイッチ311がオン状態からオフ状態になる。リューズスイッチ311がオン状態からオフ状態になると、信号ライン312の一端は、オープン状態になる。このとき、ワンショットパルス信号OSPXがローレベルになり、PチャネルMOSトランジスタ316がオン状態になると、信号ライン312がPチャネルMOSトランジスタ316を介して接続され、信号ライン312がハイレベルにプルアップされる。これにより、インバータ313の出力信号がローレベルになり、リューズスイッチ検出端子315からのリューズスイッチ検出信号K1INXは、ローレベルになる。
インバータ313の出力信号がローレベルになると、ANDゲート319の出力信号PUはローレベルになり、PチャネルMOSトランジスタ317はオン状態になり、NチャネルMOSトランジスタ323はオフ状態になる。PチャネルMOSトランジスタ317がオン状態になると、PチャネルMOSトランジスタ317がプルアップ抵抗として機能し、信号ライン312がハイレベルにプルアップされる。
なお、リューズスイッチ311がオフされたときに、ワンショットパルス信号OSPXがハイレベルであったとすると、NチャネルMOSトランジスタ322及びNチャネルMOSトランジスタ323がオン状態であり、PチャネルMOSトランジスタ316はオフ状態である。このため、信号ライン312から、NチャネルMOSトランジスタ322及びNチャネルMOSトランジスタ323を介して、電源Vssに繋がる経路により、信号ライン312はローレベルに維持され、図9(H)に示すように、リューズスイッチ検出信号K1INXはハイレベルに維持される。しかしながら、ワンショットパルス信号OSPXがローレベルになると、NチャネルMOSトランジスタ322はオフ状態になり、PチャネルMOSトランジスタ316がオン状態になり、信号ライン312はハイレベルにプルアップされる。信号ライン312はハイレベルにプルアップされると、ANDゲート319の出力信号PUはローレベルになり、NチャネルMOSトランジスタ323はオフする。このため、図9(H)に示すように、リューズスイッチ検出信号K1INXはローレベルになる。
本実施形態では、PチャネルMOSトランジスタ316のゲートにワンショットパルス信号OSPXを供給して、PチャネルMOSトランジスタ316を間欠的に駆動することで、リューズスイッチ311をオン時の消費電流を削減している。ここで、図9(F)に示したワンショットパルス信号OSPXのパルス幅(ローレベルの期間)を短くすれば、電流の削減効果は大きくなる。
また、プルアップ抵抗として機能するPチャネルMOSトランジスタ316は、ワンショットパルス信号生成回路330のPチャネルMOSトランジスタ353と同様に、PチャネルのMOSトランジスタである。このため、集積回路上での特性は、同様の傾向を示す。このことから、本実施形態では、第1実施形態と同様に、ワンショットパルス信号生成回路330のパルス幅の変化と、PチャネルMOSトランジスタ316のプルアップ能力の変化とが相補的に働き、プルアップ能力のバラツキが小さくなり、プルアップ能力や消費電流が安定する。
すなわち、キャパシタ333の容量を大きくすると、図9(C)に示す信号の立ち上がりエッジの変化が遅くなり、ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅は長くなる。キャパシタ333の容量が小さければ、図9(C)に示す信号の立ち上がりエッジの変化が速くなり、ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅は短くなる。
また、PチャネルMOSトランジスタ353の駆動能力が小さいと、キャパシタ333の容量の充放電にかかる時間が長くなり、ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅は長くなる。PチャネルMOSトランジスタ353の駆動能力が大きいと、キャパシタ333の容量の充放電にかかる時間が短くなり、ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅は短くなる。
図7において、プルアップ抵抗として機能するPチャネルMOSトランジスタ316は、ワンショットパルス信号生成回路330のPチャネルMOSトランジスタ353と同様に、PチャネルのMOSトランジスタである。このため、集積回路上での特性は、同様の傾向を示す。すなわち、製造上のバラツキにより、PチャネルMOSトランジスタ353の駆動能力が大きくなれば、PチャネルMOSトランジスタ316の駆動能力も大きくなる。また、温度変化等の影響により、PチャネルMOSトランジスタ353の駆動能力が大きくなれば、PチャネルMOSトランジスタ316の駆動能力も大きくなる。
ワンショットパルス信号生成回路330のPチャネルMOSトランジスタ353の駆動能力が大きい場合には、ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅は短くなる。ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅が短くなると、PチャネルMOSトランジスタ316のプルアップ能力は低下する傾向にある。しかしながら、PチャネルMOSトランジスタ353とPチャネルMOSトランジスタ316の駆動能力は同様の傾向を示す。したがって、PチャネルMOSトランジスタ353の駆動能力が大きければ、PチャネルMOSトランジスタ316の駆動能力も大きいことになる。このことから、ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅が短くなることによるプルアップ能力の低下は、PチャネルMOSトランジスタ316の駆動能力の増加により相殺され、プルアップ能力は大きく変動しない。
また、ワンショットパルス信号生成回路330のPチャネルMOSトランジスタ353の駆動能力が小さい場合には、ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅は長くなる。ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅が長くなると、PチャネルMOSトランジスタ316による電流が増加する傾向にある。しかしながら、PチャネルMOSトランジスタ353とPチャネルMOSトランジスタ316の駆動能力は同様の傾向を示す。このため、PチャネルMOSトランジスタ353の駆動能力が小さければ、PチャネルMOSトランジスタ316の駆動能力も小さいことになり、PチャネルMOSトランジスタ316に流れる電流も減少する。このことから、ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅が長くなることによる電流の増加は、PチャネルMOSトランジスタ316の電流の減少により相殺され、消費電流は大きく変動しない。
また、本実施形態におけるワンショットパルス信号生成回路330では、キャパシタ333は、ゲート酸化膜を利用した容量である。このため、第1実施形態と同様に、キャパシタ333の容量とPチャネルMOSトランジスタ353の駆動能力とが相補的に働き、ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅のバラツキが小さくなる。
すなわち、ワンショットパルス信号生成回路330のキャパシタ333はゲート酸化膜を利用した容量であるため、ゲート酸化膜が厚くなると、その容量は小さくなる。キャパシタ333の容量が小さくなると、ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅は短くなる傾向になる。しかしながら、ワンショットパルス信号生成回路330のキャパシタ333はゲート酸化膜を厚くすると、これに連動して、インバータ332を構成するPチャネルMOSトランジスタ353のゲート酸化膜も厚くなる。PチャネルMOSトランジスタ353のゲート酸化膜が厚くなると、PチャネルMOSトランジスタ353の駆動能力が低くなる。このため、キャパシタ333の充放電時間が長くなり、ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅は長くなる傾向となる。このように、ゲート酸化膜が厚くなり、キャパシタ333の容量が小さくなることにより、ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅の短くなっても、PチャネルMOSトランジスタ353の駆動能力の低下により相殺され、ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅のバラツキが小さくなる。
さらに、ゲート酸化膜下を不純濃度の濃い領域とすることで空乏層の広がりを低減し、ゲート電圧に対する容量値のバラツキが低減され、ワンショットパルス信号OSPXのパルス幅のバラツキをより抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る電子時計100は、信号ライン312に接続されている第1のスイッチとしてのリューズスイッチ311と、第2のスイッチとしてのPチャネルMOSトランジスタ316、ワンショットパルス信号生成回路330と、を備え、リューズスイッチ311は、信号ライン312に挿入され、PチャネルMOSトランジスタ316の一端は、リューズスイッチ311の後段の信号ライン312に接続され、PチャネルMOSトランジスタ316の他端は、基準電位Vddに接続され、ワンショットパルス信号生成回路330は、基準クロック信号SMPを用いてワンショットパルス信号OSPXを生成し、PチャネルMOSトランジスタ316は、ワンショットパルス信号OSPXによって制御される。
この構成によれば、リューズ104を引き出して、リューズスイッチ311をオンしたときに、プルアップ抵抗に流れる電流を非常に小さくすることができる。これにより、店舗などで、リューズ104を引いて展示したような場合に、電池の寿命を延ばすことができる。
また、本実施形態に係る電子時計100は、発振回路2と、発振回路から得られる周波数を分周した周波数に基づき計時される計時部6と、を備え、基準クロック信号SMPは、発振回路から得られる周波数を分周した周波数により構成され、第1のスイッチ(リューズスイッチ311)は、リューズ104の動作により接続状態と切断状態とが選択されるスイッチである。
また、本実施形態に係る電子時計において、ワンショットパルス信号生成回路330は、第1のインバータ331と、第2のインバータ332と、キャパシタ333と、NORゲート334と、を備え、第1のインバータ331は、入力端に基準クロック信号SMPが入力され、出力端に第2のインバータ332の入力端とNORゲート334の一方の入力端が接続され、第2のインバータ332は、出力端にキャパシタ333の一端とNORゲート334の他方の入力端が接続され、キャパシタ333の他端は基準電位に接続され、NORゲート334の出力信号を基に、基準クロック信号SMPのローレベルの期間より短い期間のローレベルの信号を生成する。
この構成によれば、高い周波数の信号を用いることなく、ローレベルの期間の短いパルス信号を生成して、プルアップ抵抗を間欠的に駆動でき、消費電力を低減できる。また、第1実施形態と同様に、電子時計100の発振回路2が備える水晶振動子の発振周波数32kHzから作り出す基準クロック信号SMPにより、短時間のパルス信号を生成してプルダウン抵抗を間欠駆動させることができるので、当該間欠駆動に専用の高い周波数を要することなく、効率的に低消費化を実現できる。本発明の構成のリューズスイッチ検出回路1Aを採用することにより、回路規模を妥当に抑えつつ上記の発振周波数を用いて非常に短時間のパルスによる間欠駆動を可能とする。
また、本実施形態に係る電子時計において、キャパシタ333は、ゲート酸化膜を利用した容量により形成され、第2のインバータ332を構成するPチャネルMOSトランジスタ353は、キャパシタ333を充放電して基準クロック信号SMPの立ち上がりを遅延させ、ワンショットパルス信号OSPXのローレベルの期間のパルス幅は、キャパシタ333の容量と第2のインバータ332を構成するPチャネルMOSトランジスタ353の駆動能力とにより決まる。
この構成によれば、第2のインバータ332を構成するPチャネルMOSトランジスタ353の駆動能力とキャパシタ333の容量とが相殺され、パルス幅のバラツキを抑えることができる。また、キャパシタ333の変化と、プルアップ抵抗として機能するPチャネルMOSトランジスタ316駆動能力の変化とが相殺され、プルアップ能力のバラツキを抑え、プルアップ能力や消費電流を安定させることができる。
また、本実施形態に係る電子時計において、第2のスイッチとしてのPチャネルMOSトランジスタ316を第1のプルアップ抵抗として用い、ワンショットパルス信号OSPXに応じて、PチャネルMOSトランジスタ316の機能を制御する。
この構成によれば、第2のスイッチの機能するPチャネルMOSトランジスタ316を第1のプルアップ抵抗として用い、第1のプルアップ抵抗を間欠的に駆動できる。
また、本実施形態に係る電子時計において、信号ライン312と基準電位Vddとの間に第2のプルアップ抵抗として機能するPチャネルMOSトランジスタ317を挿入し、信号ライン312の出力レベルとリセット信号SRXに応じて、PチャネルMOSトランジスタ317の機能を制御する。
この構成によれば、リューズスイッチ311がオフの間、第2のプルアップ抵抗として機能するPチャネルMOSトランジスタ317により信号ライン312をプルアップすることで、ノイズの影響を受け難くすることができる。
また、本実施形態に係る電子時計において、信号ライン312と電源Vssとの間に、信号ライン312と電源Vssとを繋ぐ第3のスイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタ322を挿入し、NチャネルMOSトランジスタ322をPチャネルMOSトランジスタ316と相補的に動作させる。
この構成によれば、リューズスイッチ311がオンの間、第3のスイッチとして機能するNチャネルMOSトランジスタ322により、信号ライン312の信号レベルをローレベルに維持できる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。