JP4459055B2 - 電子時計 - Google Patents

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Description

従来技術
本発明は、電源スイッチの制御回路を有する電子時計に関するものである。特に、本発明は、組立工程途中の検査時等において、電源投入時に素早く時計回路を起動させることのできる電子時計に関するものである。
電子時計、特に充電式電子時計では、小さい容量のキャパシタと大きい容量のキャパシタを用いているものがある。その場合、電子時計の時計回路を正常に動作させることができる位に、大きい容量のキャパシタが充電できるまでは、小さい容量のキャパシタで電子時計の時計回路を動作させている。また、大きい容量のキャパシタが十分充電されたことを電圧検出回路にて検出し、電子時計の電源を小さい容量のキャパシタから大きい容量のキャパシタに切り替えている。さらに、大きい容量のキャパシタの電圧が低下したときは、逆に電子時計の電源を大きい容量のキャパシタから小さい容量のキャパシタ切り替えている(特公平4−81754号公報、第5頁の図1参照)。
一般的に、このような充電式電子時計では、発電源として例えばソーラーセルなどを有し、この発電源であるソーラーセルを用いて、前述の大きい容量のキャパシタ及び小さい容量のキャパシタを充電している。しかし、工場での組立工程中及び小売店等での分解掃除の工程中等では、発電源であるソーラーセルを組み込む前に、時計回路の動作を確認したい場合がある。そのような場合、ソーラーセルと接続されていない大きい容量のキャパシタ(一般的には二次電池を使用する)を組み込んで、大きい容量のキャパシタに充電されている電源を利用して時計回路を動作させている。
以下、図15を用いて従来の技術を説明する。図15は従来の充電式電子時計のブロック図である。図15において、1は発電手段であり、本従来例ではソーラーセルを用いている。2は発電手段1のエネルギーを蓄え且つ時計回路を動作させるための第1蓄電手段であり、本従来例ではキャパシタを用いている。3は発電手段1のエネルギーを蓄え且つ発電手段1が発電していないときに第1蓄電手段2にエネルギーを放電するための第2蓄電手段であり、本従来例では二次電池を用いている。一般的には、キャパシタ2は二次電池3より容量の小さい物が使用される。
4及び5は発電手段1が発電しておらず、即ち起電圧を発生していない場合に、第1蓄電手段2及び第2蓄電手段3の蓄電エネルギーが発電手段1に逆流することを防止するための逆流防止ダイオードである。6は発電手段1の発電エネルギーを第2蓄電手段3に充電するためにオンするスイッチであり、本従来例ではNチャネルトランジスタ61により構成されている。7は第2蓄電手段3が十分充電されたときに第1蓄電手段2と第2蓄電手段3を並列に接続するためのスイッチであり、本従来例では逆方向Nチャネルトランジスタ71及び順方向Nチャネルトランジスタ72からより構成されている。
8は時計回路であり、発振回路81、発振回路81が発振しているかどうかを検出する発振停止検出回路82、発振回路81の信号を分周する分周回路83、分周回路83の信号を用いて所望の信号を作成する波形整形回路84、及び第2蓄電手段3の電圧を検出する電池電圧検出回路85などから構成されている。なお、時計回路8は、他に論理歩度調整回路及びモータ駆動回路等を含んでいるが、ここでは省略している。
次に図15のブロック図の動作について説明する。第2蓄電手段3が十分蓄電されていないとき、電池電圧検出回路85は第2蓄電手段3の電圧が低いことを検出して、スイッチ7をオフする。波形整形回路84は、スイッチ6を例えば1秒おきにオン・オフを繰り返すように制御する。スイッチ6がオフしているとき発電手段1の発電エネルギーは第1蓄電手段2に充電され、スイッチ6がオンしているとき発電手段1の発電エネルギーは第2蓄電手段3に充電される。
第2蓄電手段3が十分充電されていない状態から、発電手段1により充電されて、電圧が上昇してくると、電池電圧検出手段85が第2蓄電手段3の電圧が上昇したことを検出して、スイッチ7をオンする。これにより第1蓄電手段2と第2蓄電手段3が並列に接続されるので、スイッチ6のオン・オフに関わらず、第1蓄電手段2及び第2蓄電手段3は発電手段1によって同時に充電される。また、第1蓄電手段2と第2蓄電手段3が並列に接続されている状態では、発電手段1の発電がされなくなっても、第1蓄電手段2には第2蓄電手段3からエネルギーが補充されて、時計回路8は動作を続けることができる。
発電手段1が発電しない状態が続くと、やがて第2蓄電手段3の蓄電エネルギーが減少する。すると、電池電圧検出回路85が第2蓄電手段3の電圧の低下を検出して、スイッチ7をオフする。すると、時計回路8の電源は第1蓄電手段2に切り替わる。発電手段1が発電しない状態がさらに続くと、第1蓄電手段2の蓄電エネルギーも消費されて、電圧が低下し、発振回路81の動作が停止する。また、同時に波形整形回路84の動作も停止し、スイッチ6はオフされる。
さらに、発電手段1が発電しない状態が続くと、時計回路8の内部リーク等により第1蓄電手段2の蓄電エネルギーはさらに減少し、第1蓄電手段2の電圧は0V(GND)に近くなる。すると、波形整形回路84及び電池電圧検出回路85が、スイッチ6及びスイッチ7をオフするために出力しているLレベルは、Hレベルと認識されて、スイッチ6及びスイッチ7がオンしてしまう場合がある。これを防止するために、発振停止検出回路82が発振停止を検出しているときは、波形整形回路84及び電池電圧検出手段85は、それぞれのNチャネルトランジスタのバルク電位のLレベルを出力して、スイッチがオフできるように構成されている。
このように、時計回路8が動作を停止している場合、スイッチ7がオフ状態であるので、時計回路の電源は第1蓄電手段2に設定されている。したがって、時計回路8が動作を再開するのは、第1蓄電手段2に蓄電エネルギーが蓄えられた場合、即ち発電手段1が発電を開始した場合となる。発電手段1が発電を開始すると、スイッチ6及びスイッチ7がオフしているので、発電手段1の発電エネルギーは第1蓄電手段2に蓄電される。第1蓄電手段2の電圧が発振回路81の動作電圧を上回ると、発振回路81が動作を開始し、スイッチ6及びスイッチ7の制御が可能になる。
以上は、発電手段(ソーラーセル)1が回路に接続されている状態における、発電手段1及び第1蓄電手段2及び3等の動作を説明したものである。しかしながら、工場の組立工程途中などにおいて、前述のように発電手段1を第1蓄電手段2又は第2蓄電手段3に接続する前に時計回路の動作を確認したい場合がある。
そのような場合、最初に、予めある程度充電されている第2蓄電手段3を電子時計に投入(電子時計の回路に接続又は組み込む)する。もちろん、発電手段1が回路に接続する前は、時計回路8は非駆動状態にある。第2蓄電手段3を電子時計に投入すると、第1蓄電手段2への充電が可能な状態となる。しかし、時計回路8が動いていないので電池電圧検出手段85は非駆動状態にある。したがって、時計回路8の電源である第1蓄電手段2が第2蓄電手段3と切り離されている。そこで、スイッチ7の両端を導通ピンで触れることにより第1蓄電手段2を強制的に充電し、時計回路8を駆動状態としていた。他の方法としては、わざわざ発電手段(ソーラーセル)1を回路に接続することによって発電電源を確保し、時計回路8を駆動状態としていた。上記方法によって、第1蓄電手段2の電圧が一定電圧以上になると、時計回路8が動作を始める。その後、時計回路の動作確認、例えば消費電流の検査を行うこととなる。
上述したように、従来の充電式電子時計では、以下のような問題があった。
第1蓄電手段2の電池電圧が不十分な場合、時計回路8を動作させるためには、第1蓄電手段2を充電させる必要があった。例えば、工場の生産ラインの組立工程途中で時計回路8が動作するかどうかを確認したい場合、(1)第2蓄電手段3を投入するなどして第1蓄電手段2を強制充電する、又は(2)発電手段(ソーラーセル)1を回路に接続して第1蓄電手段2を充電する必要があった。
特に生産ラインで時計回路8の消費電流を測定する場合、通常第2蓄電手段3の端子に電流計を接続して測定を行うが、やはり時計回路8の電源である第1蓄電手段2が充電されるまでは時計回路8は動作しないので、わざわざ第1蓄電手段2を強制充電せねばならなかった。このように、わざわざ、第1蓄電手段2を充電する手間は、非常に煩わしかった。この点は、電子時計の分解修理時なども同様である。
本発明は上記の問題点を解決し、二次電池を投入するだけで確実に時計システムの動作を開始させ、短時間での消費電流の測定等の時計回路の動作確認を行うことができる(充電式)電子時計を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る電子時計は、第1の電源と、第1の電源に接続された時計回路と、第2の電源が投入されたことを検知する電源投入検出回路と、第1の電源と第2の電源を接続するためのスイッチ回路と、電源投入検出回路によって第2の電源が投入されたことが検出されたときに、スイッチ回路を制御して第1の電源と第2の電源とを接続し、第2の電源によって第1の電源を充電し、時計回路を動作させるように制御する制御回路とを有することを特徴とする。第2の電源が投入されたことを検出してスイッチをオンすることによって、時計回路に電源を供給することができる構成としたので、発電手段が発電をおこなわなくても停止状態の時計回路を動作させることができる。また、第2の電源が投入されたことを検出してスイッチをオンすることによって、時計回路に電源を供給することができる構成としたので、第1の電源に蓄電エネルギーが無い状態であっても、停止状態の時計回路を動作させることができる。
さらに、本発明に係る電子時計では、第2の電源は、第1の電源手段よりも大きな容量を有することが好ましい。
さらに、本発明に係る電子時計では、スイッチ回路は、第1の電源と第2の電源を並列に接続するための第1のスイッチと、第1のスイッチと並列に接続された第2のスイッチを有し、制御回路は、電源投入検出回路によって第2の電源が投入されたことが検出されたときに、第2のスイッチをオンさせて第1の電源と第2の電源とを接続することが好ましい。
さらに、本発明に係る電子時計では、発電手段によって第2の電源が充分に充電されたときに、第1のスイッチをオンする電圧検出手段とを有することが好ましい。
さらに、本発明に係る電子時計では、制御回路は、時計回路により制御されることが好ましい。
さらに、本発明に係る電子時計では、制御回路は、第2のスイッチをオンした後、発振回路が発振を開始することにより、第2のスイッチをオフするように時計回路によって制御されることが好ましい。発振回路が発振を開始した後にスイッチをオフするように構成したので、スイッチオフ後は、電子時計に通常の動作を行わせることができる。
さらに、本発明に係る電子時計では、制御回路は、第2のスイッチをオンした後、一定時間経過後に、第2のスイッチをオフするように制御することが好ましい。発振回路の開始後、十分に時間が経過してから、スイッチをオフするように構成したので、電源投入後確実に時計回路を動作させことができる。
さらに、本発明に係る電子時計では、制御回路は、計時手段を含み、計時手段が一定時間の計時を行うと、制御回路は第2のスイッチをオフするように制御することが好ましい。十分に時間が経過してから、スイッチをオフにするように構成したので、確実に時計回路を動作させることができる。
さらに、本発明に係る電子時計では、制御回路は、第2のスイッチをオンした後、発振回路が発振開始から一定時間経過後に、第2のスイッチをオフするように時計回路によって制御されることが好ましい。発振回路の開始後、十分に時間が経過してから、スイッチをオフするように構成したので、電源投入後確実に時計回路を動作させことができる。
さらに、本発明に係る電子時計では、制御回路は、第2のスイッチをオンした後、発電手段の発電が行われたことを検出すると、第2のスイッチをオフするように制御することが好ましい。発電手段が発電しているときにはスイッチをオフするように構成したので、電子時計は発電開始後は速やかに時計動作を行うことができる。
さらに、本発明に係る電子時計は、第2の電源の電圧が所定電圧以下のときは、第2のスイッチをオンさせないように動作する比較回路を有することが好ましい。電源電圧が発振回路の発振を行うのに不十分な場合はスイッチをオンしないように構成したので、電子時計は発電開始後は速やかに時計動作を行うことができる。
さらに、本発明に係る電子時計では、スイッチ回路は、第1の電源と第2の電源を並列に接続するための第1のスイッチを有し、制御回路は、電源投入検出回路によって前記第2の電源が投入されたことが検出されたときに、第1のスイッチをオンさせて第1の電源と前記第2の電源とを接続することが好ましい。第1のスイッチと並列に第2のスイッチを設けずに、第2の電源が投入されたことを検出して時計回路に電源を供給することができる構成とした。
図1は、本発明に係る第1の実施形態を示す充電式電子時計のブロック構成図である。
図2は、第1の実施形態の変形例を示すブロック構成図である。
図3は、本発明に係る第2の実施形態を示す充電式電子時計のブロック構成図ある。
図4は、第2の実施形態の変形例を示すブロック構成図である。
図5は、本発明に係る第3の実施形態を示す充電式電子時計のブロック構成図ある。
図6は、第3の実施形態の変形例を示すブロック構成図である。
図7は、本発明に係る第4の実施形態を示す充電式電子時計のブロック構成図ある。
図8は、第4の実施形態の変形例を示すブロック構成図である。
図9は、本発明に係る電源投入検出手段とSW制御手段の構成図である。
図10は、本発明に係る電源投入検出手段とSW制御手段の動作タイムチャートである。
図11は、本発明に係る第5の実施形態を示す充電式電子時計のブロック構成図ある。
図12は、第5の実施形態の変形例を示すブロック構成図である。
図13は、本発明に係る電源投入検出手段と第2のSW制御手段の構成図である。
図14は、発振停止検出回路82と波形整形回路84との関係を示す図である。
図15は、従来の技術を示す充電式電子時計の構成図ある。
以下本発明に係る充電式電子時計の実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明に係る第1の実施形態を示す充電式電子時計のブロック図である。図1において、図15と同様の構成には同一の番号を付して、説明を省略した。
図1において、86は第2蓄電手段3が電子時計に投入されたことを検出する電源投入検出手段であり、87は後述するスイッチ9を制御するSW制御回路(SWはスイッチの略)である。第2蓄電手段3から、電源投入検出手段86及びSW制御回路87へ電源が供給される。スイッチ9は逆方向Nチャネルトランジスタ91から構成されており、スイッチ7を構成するNチャネルトランジスタ71と並列に接続されている。
図9に、電源投入検出手段86及びSW制御回路87の回路構成の一例を示す。電源投入検出手段86はキャパシタ861、抵抗862及びインバータ863から構成されている。キャパシタ861の一方の電極はVDD電位に、他の電極は抵抗862に接続されている。抵抗862の一方の端子はVSS電位に、もう一方の端子はキャパシタ861に接続されている。キャパシタ861と抵抗862とを接続するラインがインバータ863の入力(信号(a))と接続され、インバータ863の出力が電源投入検出手段86の出力(信号(b))となる。
SW制御回路87は、ナンドゲート8711及び8712を有するナンドラッチ871、及びインバータ872から構成される。ナンドラッチ871のナンドゲート8711の入力は、電源投入検出手段86の出力(信号(b))と接続されている。他のナンドゲート8712の入力は、図1の実施形態の場合は発振停止検出回路82の出力(信号(c))と接続されている。ナンドゲート8712の出力がインバータ872の入力と接続され、インバータ872の出力がSW制御回路87の出力(信号(d))となる。
図9に示す回路の動作を、図10に示すタイムチャートを用いて説明する。図10の(a)〜(d)は、前述した信号(a)〜(d)をそれぞれ示している。時間t1は電源投入検出手段86に電源が投入された時間であり、且つ第2蓄電手段3が充電式時計に接続された時間である。電源投入検出手段86にVSS電位が供給されると、キャパシタ861の容量と抵抗862の抵抗値による時定数に基づき、キャパシタ861がVSS電位に充電される。よって図9の信号(a)の電位は、図10の(a)の様に推移する。ここでインバータ863は、入力が1/2VSSより高いときはLレベル、低いときにはHレベルを出力するものとする。
t2は信号(a)が1/2VSSとなったときの時間である。キャパシタ861が充電されて、キャパシタ861の電位が1/2VSSより低くなると(時間t2)、インバータ863の出力(信号(b))はLレベルからHレベルに切り替わる(図10の(b)参照)。このように、電源投入検出手段86は、第2蓄電手段3が投入された当初のみLレベルを出力し、第2蓄電手段3が投入されたままであれば、その後Lレベルを出力することはない。
発振回路81の発振停止を検出すると、発振停止検出回路82の出力(信号(c))はHレベルとなる。したがって、第2蓄電手段3投入とき、SW制御回路87のナンドゲート8712の入力(信号(c))はHレベルとなる(図10の(c)参照)。また、第2蓄電手段3投入とき、信号(b)はLレベルであるので、ナンドゲート8711の入力(信号(b))はLレベルで、したがってナンドゲート8711の出力はHレベルとなる。両方の入力がHレベルであるので、ナンドゲート8712の出力はLレベルとなる。時間t2に、ナンドゲート8712のLレベルが入力されて、インバータ872の出力(信号(d))はHレベルとなる(図10の(d)参照)。
時間t3は発振停止検出回路82が発振回路81の発振を検出した時間である。発振回路81の発振を検出すると、発振振幅検出回路82の出力(信号(c))はLレベルとなる。時間t3に、ナンドゲート8712の入力(c)がLレベルになると、ナンドゲート8712の出力はHレベルとなる。時間t3に、ナンドゲート8712のHレベルが入力されて、インバータ872の出力(信号(d))はLレベルとなる(図10の(d)参照)。このように、SW制御回路87は、電源投入検出回路86の出力(信号(c))に基づいて、第2蓄電手段3が投入されてからHレベルを出力し、その後Lレベルを出力する。SW制御回路87は第2蓄電手段3が投入されたままであれば、その後動作することはない。
次に図1に示す回路の動作について説明する。
前述したように、例えば工場の組立工程途中で時計回路8の消費電流の検査をする場合を考慮し、発電手段(ソーラーセル)1は回路と接続されておらず、且つ第2蓄電手段(二次電池)3は電子時計に投入されていないものとする。
そこで、最初に、予めある程度充電されている第2蓄電手段3を投入する。
第2蓄電手段3が投入される直前、時計回路8は非動作状態である。また、発振停止検出回路82が発振回路81の発振停止を検出しているので信号(c)はHレベルである。また、波形整形回路84及び電池電圧検出手段85も、発振停止状態なので、それぞれLレベルを出力する。
図14に、発振停止検出回路82と波形整形回路84との関係を示す。図14において波形整形回路84のそれぞれの最終出力には、Nチャンネルトランジスタ1401のドレインが接続されている。これらのNチャンネルトランジスタ1401のソース・バルクはVSSに接続され、ゲートは発振停止検出回路82に接続されている。発振停止検出回路82は、発振停止を検出すると、Nチャンネルトランジスタ1401のゲートにHレベル信号を供給する。これにより、Nチャンネルトランジスタ1401はONして、各出力がVSSレベルとなる。即ち、発振停止状態では、波形整形回路84及び電池電圧検出回路85は、Lレベル(VSSレベル)を出力する。なお、発振回路81が発振していれば、発振停止回路82はLレベルを出力し、Nチャンネルトランジスタ1401はOFFしているので、Nチャンネルトランジスタ1401は回路動作に影響を与えない。したがって、スイッチ6及びスイッチ7はオフ状態となる。さらに、前述したようにSW制御回路87は第2蓄電手段3の投入時以外はLレベルを出力しているので、スイッチ9もオフ状態である。そして時計回路8の電源である第1蓄電手段2も蓄電エネルギーが無い状態である。以上より、第2蓄電手段3が投入される直前では、時計回路8は非動作状態、スイッチ6、スイッチ7及びスイッチ9はオフ状態である。
この状態で第2蓄電手段3が投入されると、前述したように、電源投入検出手段86が第2蓄電手段3が投入されたことを検出して、Lレベルを出力する(信号(b))。信号(b)がLレベルとなることにより、SW制御回路87はHレベルを出力(信号(d))する。これによって、スイッチ9はオンする。ここで接続された第2蓄電手段3は予め十分蓄電されており且つ電圧が十分であれば、第2蓄電手段3の蓄電エネルギーは、オン状態のスイッチ9及びスイッチ7の順方向Nチャネルトランジスタ72の寄生ダイオードを介して第1蓄電手段2に充電される。充電によって第1蓄電手段2の電圧が上昇し、第1蓄電手段2の電圧が発振回路81の最低動作電圧を上回ると、発振回路81は発振を開始し、時計回路8は動作を開始する。
前述したように、発振停止検出回路82は発振回路81が発振を開始したことを検出すると、発振停止検出回路82はLレベルを出力(信号(c))する。信号(c)がLレベルとなることにより、SW制御回路87はLレベルを出力(信号(d))する。これによって、スイッチ9はオフする。同時に、電池電圧検出手段85も第2蓄電手段3の電圧が充分あることを検出して、Hレベルを出力し、スイッチ7をオンする。このように、時計回路8が動作を停止している状態から第2蓄電手段3を投入した場合でも、速やかに時計回路8は動作を再開することができる。したがって、時計回路8の消費電流の検査等を容易に行うことができる。もちろん、小売店等での時計の分解組立時などにも本方式を採用することができる。
図2は、第1の実施形態の変形例を示すブロック構成図である。図1との相違点は、図2では、図1に示すスイッチ9の代わりに、OR回路92を設けた点である。OR回路92の一方の入力はSW制御回路87と接続され、他方の入力は電池電圧検出手段85と接続され、OR回路92の出力はスイッチ7のNチャンネルトランジスタ71のゲートに接続されている。
図2において、第1の実施形態と同様に、第2蓄電手段3が投入されたことを電源投入検出回路86が検出し、Lレベルを出力(信号(b))する。信号(b)がLレベルとなることにより、SW制御回路87がHレベルを出力(信号(d))をする。すると、OR回路92はHレベルを出力し、スイッチ7のNチャンネルトランジスタ71がオンする。すると、第2蓄電手段3の蓄電エネルギーは、スイッチ7のNチャネルトランジスタ71とスイッチ7のNチャネルトランジスタ72の寄生ダイオードを介して第1蓄電手段2に放電される。充電によって第1蓄電手段2の電圧が上昇し、第1蓄電手段2の電圧が発振回路81の最低動作電圧を上回ると、発振回路81は発振を開始する。以降は、第1の実施形態と同様に、発振停止検出回路82は発振回路81が発振を開始したことを検出すると、発振停止検出回路82はLレベルを出力(信号(c))する。信号(c)がLレベルとなることにより、SW制御回路87はLレベルを出力(信号(d))する。しかしながら、電池電圧検出手段85も第2蓄電手段3の電圧が充分あることを検出して、Hレベルを出力する。したがって、OR回路92はHレベルを出力して、スイッチ7をオンし続ける。このように、時計回路8が動作を停止している状態から第2蓄電手段3を投入した場合でも、速やかに時計回路8は動作を再開することができる。このように、図1のスイッチ9の代わりにOR回路92を設けた場合でも、図1に示す充電式電子時計と同様の動作を行うことができる。もちろん、小売店等での時計の分解組立時などにも本変形方式を採用することができる。
図3は本発明に係る第2の実施形態を示す充電式電子時計のブロック構成図である。図1との相違点は、図3ではSW制御回路87が分周回路83の信号で制御される点である。
本実施形態の場合、第1の実施形態と同様に、当初は、発電手段1は回路と接続されておらず、且つ第2蓄電手段3は電子時計に投入されていないものとする。したがって、最初に、第2蓄電手段3を投入する。
第2蓄電手段3が投入されたことを電源投入検出回路86が検出し、Lレベルを出力(信号(b))する。信号(b)がLレベルとなることにより、SW制御回路87がスイッチ9をオンする。すると第2蓄電手段3の蓄電エネルギーは、スイッチ9のNチャネルトランジスタ91とスイッチ7のNチャネルトランジスタ72の寄生ダイオードを介して第1蓄電手段2に放電される。充電によって第1蓄電手段2の電圧が上昇し、第1蓄電手段2の電圧が発振回路81の最低動作電圧を上回ると、発振回路81は発振を開始する。
ここで、分周回路83は、発振回路81の信号を分周して、十分時間が経過してからLレベルを出力(信号(c))する。信号(c)がLレベルとなることにより、SW制御回路87はLレベルを出力(信号(d))する。これによって、スイッチ9はオフする。このように、発振回路81の発振が安定してからスイッチ9をオフすることになり、より確実に時計回路8が動作できるようになる。即ち、発振回路81が発振開始後、直ぐに発振を停止してしまうことがあっても、直ぐにスイッチ9をオフしないので、引き続き第1蓄電手段2が充電される。これにより、発振回路81は再度発振を開始するように促され、より確実に時計回路が動作できるようになる。
図4は、第2の実施形態の変形例を示すブロック構成図である。図3との相違点は、図4では、図3に示すスイッチ9の代わりに、OR回路92を設けた点である。OR回路92の一方の入力はSW制御回路87と接続され、他方の入力は電池電圧検出手段85と接続され、OR回路92の出力はスイッチ7のNチャンネルトランジスタ71のゲートに接続されている。
図4において、第2の実施形態と同様に、第2蓄電手段3が投入されたことを電源投入検出回路86が検出し、Lレベルを出力(信号(b))する。信号(b)がLレベルとなることにより、SW制御回路87がHレベルを出力(信号(d))をする。すると、OR回路92はHレベルを出力し、スイッチ7のNチャンネルトランジスタ71がオン状態なる。すると第2蓄電手段3の蓄電エネルギーは、スイッチ7のNチャネルトランジスタ71とスイッチ7のNチャネルトランジスタ72の寄生ダイオードを介して第1蓄電手段2に放電される。充電によって第1蓄電手段2の電圧が上昇し、第1蓄電手段2の電圧が発振回路81の最低動作電圧を上回ると、発振回路81は発振を開始する。
ここで、分周回路83は、発振回路81の信号を分周して、十分時間が経過してからLレベルを出力(信号(c))する。信号(c)がLレベルとなることにより、SW制御回路87はLレベルを出力(信号(d))する。しかしながら、電池電圧検出手段85は、第2蓄電手段3の電圧が充分にあることを検出するので、Hレベルを出力する。したがって、OR回路92は引き続きHレベルを出力し、スイッチ7のNチャンネルトランジスタ71がオンする。このように、図3のスイッチ9の代わりにOR回路92を設けた場合でも、図3に示す充電式電子回路と同様の動作を行うことができる。もちろん、小売店等での時計の分解組立時などにも本変形方式を採用することができる。
図5は本発明に係る第3の実施形態を示す充電式電子時計のブロック構成図である。図1と図5との相違点は、図5ではSW制御回路87が発電手段1の信号で制御される点である。
本実施形態では、発電手段1は電子時計に組み込まれているが、第2蓄電手段3は電子時計に投入されていないものとする。したがって、最初に、第2蓄電手段3を電子時計に投入する。
第2蓄電手段3が投入されたことを電源投入検出回路86が検出し、Lレベルを出力(信号(b))する。信号(b)がLレベルとなることにより、SW制御回路87がスイッチ9をオンする。すると、第2蓄電手段3の蓄電エネルギーは、スイッチ9のNチャネルトランジスタ91とスイッチ7のNチャネルトランジスタ72の寄生ダイオードを介して第1蓄電手段2に放電される。充電によって第1蓄電手段2の電圧が上昇し、第1蓄電手段2の電圧が発振回路81の最低動作電圧を上回ると、発振回路81は発振を開始する。
しかし、第2蓄電手段3の電圧が不十分な場合は、第1蓄電手段2の電圧が発振回路81の最低動作電圧を下回り、発振回路81は発振を開始しない。しかしながら、本実施形態では、発電手段1が組み込まれているので、発電手段1が発電を開始する。図5では、SW制御回路87が、発電手段1の発電電位を検出して、スイッチ9をオフにするように構成されている。スイッチ9がオフになると、第1蓄電手段2と第2蓄電手段3とが切り離され、発電手段1の発電電位が第1蓄電手段2を充電することとなる。
第1蓄電手段2が十分充電されると、発振回路81が発振を開始し、そして時計回路8が動作を開始する。このとき、第2蓄電手段3は十分な充電量を有していないので、電池電圧検出手段85によりスイッチ7はオフ状態とされている。従って図15で説明したように、第1蓄電手段2と第2蓄電手段3は交互に充電される。第2蓄電手段3が十分充電された後は、図15を用いて説明した状況と同様な状況になる。このように、第2蓄電手段3の蓄電エネルギーが不十分で且つ第2蓄電手段3の電圧が足りない場合でも、発電手段1を組み込まれているので、通常通り発振回路81の発振を開始させることができる。本実施形態は、電子時計の分解掃除時などに特に有効である。
図6は、第3の実施形態の変形例を示すブロック構成図である。図5との相違点は、図6では、図5に示すスイッチ9の代わりに、OR回路92を股けた点である。OR回路92の一方の入力はSW制御回路87と接続され、他方の入力は電池電圧検出手段85と接続され、OR回路92の出力はスイッチ7のNチャンネルトランジスタ71のゲートに接続されている。
図6において、第3の実施形態と同様に、第2蓄電手段3が投入されたことを電源投入検出回路86が検出し、Lレベルを出力(信号(b))する。信号(b)がLレベルとなることにより、SW制御回路87がHレベルを出力(信号(d))をする。すると、OR回路92はHレベルを出力し、スイッチ7のNチャンネルトランジスタ71がオンする。すると、第2蓄電手段3の蓄電エネルギーは、スイッチ7のNチャネルトランジスタ71とスイッチ7のNチャネルトランジスタ72の寄生ダイオードを介して第1蓄電手段2に放電される。充電によって第1蓄電手段2の電圧が上昇し、第1蓄電手段2の電圧が発振回路81の最低動作電圧を上回ると、発振回路81は発振を開始する。
しかし、第2蓄電手段3の電圧が不十分な場合は、第1蓄電手段2の電圧が発振回路81の最低動作電圧を下回り、発振回路81は発振を開始しない。しかしながら、本実施形態では、発電手段1が組み込まれているので、発電手段1が発電を開始する。第3の実施形態と同様に、SW制御回路87が、発電手段1の発電電位を検出して、Lレベルを出力する。それによって、OR回路92がLレベルを出力し、スイッチ7のNチャネルトランジスタ71のスイッチ71をオフにする。スイッチ7がオフになると、第1蓄電手段2と第2蓄電手段3とが切り離され、発電手段1の発電電位が第1蓄電手段2を充電することとなる。
第1蓄電手段2が十分充電されると、発振回路81が発振を開始し、そして時計回路8が動作を開始する。しかしながら、このとき、第2蓄電手段3は充分な充電量を有していないので、電池電圧検出手段85の出力はLレベルである。したがって、依然OR回路92はLレベルを出力し、スイッチ7はオフ状態とされている。従って図14で説明したように、第1蓄電手段2と第2蓄電手段3は交互に充電される。第2蓄電手段3が充分充電された後は、図14を用いて説明した状況と同様な状況になる。このように、第2蓄電手段3の蓄電エネルギーが不十分で且つ第2蓄電手段3の電圧が足りない場合でも、発電手段1を組み込まれているので、第2蓄電手段3の充電が充分でなくとも、第2蓄電手段3が発電手段1によって充電されることなく、第1蓄電手段2が発電手段1によって充電されるように構成することができる。これによって、時計回路8を素早く起動させることが可能となる。図6に示すように、図5のスイッチ9の代わりにOR回路92を設けた場合でも、図5に示す充電式電子回路と同様の動作を行うことができる。もちろん、小売店等での時計の分解組立時などにも本変形方式を採用することができる。
図7は本発明に係る第4の実施形態を示す充電式電子時計のブロック構成図である。図7において、図1と同様の構成には同一の番号を付して、説明を省略した。図1と図7の相違点は、図7において比較回路100を設けた点である。
図7において、比較回路100は、バッファゲート101、ダイオード102及びプルダウン抵抗103から構成されている。ダイオード102は、そのVFが発振回路81の動作開始電圧より大きくなるように構成されており、そのアノードはSW制御回路87の出力に、そのカソードはバッファゲート101の入力に接続されている。また、バッファゲート101の入力はプルダウン抵抗103により第2蓄電手段3のマイナス側にプルダウンされている。バッファゲート101の出力はスイッチ9のNチャネルトランジスタ91のゲートに接続されている。
次に図7のブロック構成図の動作について説明する。本実施形態では、発電手段1は電子時計に組み込まれているが、第2蓄電手段3は電子時計に投入されていないものとする。これまでと同様に、時計回路8が動作しておらず、スイッチ6、スイッチ7及びスイッチ9がオフ状態の場合に、第2蓄電手段3を投入する。
第1の実施形態と同様に、第2蓄電手段3が投入されたことを電源投入検出回路86が検出し、Lレベルを出力(信号(b))する。信号(b)がLレベルとなることにより、SW制御回路87がHレベル(信号(d))を出力する。
このとき、SW制御回路87とスイッチ9の間に接続されたダイオード102により、SW制御回路87の出力信号(信号(d))のHレベルと第2蓄電手段3のマイナス側の電位との差(即ち、第2蓄電手段3の電源電圧)が、ダイオード102のVFを越えない場合、ダイオード102の出力は解放状態となる。またこの場合、バッファゲート101の入力はプルダウン抵抗103によりLレベルに固定され、バッファゲート101の出力はLレベルとなり、スイッチ9はオフ状態のままとなる。一方、第2蓄電手段3の電源電圧が、ダイオード102のVFを越えている場合、ダイオード102の出力はHレベルとなり、バッファゲート101の出力もHレベルとなり、スイッチ9はオンする。
スイッチ9がオンすると、上述したように第2蓄電手段3の蓄電エネルギーがスイッチ9及びスイッチ7のNチャネルトランジスタ72の寄生ダイオードを介して第1蓄電手段2に放電される。充電によって第1蓄電手段2の電圧が上昇し、第1蓄電手段2の電圧が発振回路81の最低動作電圧を上回ると、発振回路81は発振を開始し、時計回路8は動作を開始する。
ここでスイッチ9がオンとなるのは、第2蓄電手段3の電圧が発振回路81の動作開始電圧を上回っているときだけなので、スイッチ9がオンとなった場合、発振回路81は必ず発振することができる。したがって、第2蓄電手段3を接続したけれども、発振回路81を発振させるには第2蓄電手段3の電圧が足りないという場合には、スイッチ9がオンとはならない。
その場合、接続されている発電手段1が発電していれば、発電手段1により第1蓄電手段2に蓄電エネルギーが蓄電される。前述したように、第2蓄電手段3の電圧が足りない場合には、スイッチ9はオンとならない。さらに、電池電圧検出手段85もスイッチ7をオンにしない。したがって、第1蓄電手段2の蓄電エネルギーが第2蓄電手段3に流れこまず、迅速に第1蓄電手段2を充電することができる。第1蓄電手段2が、充分に充電されれば、発振回路81が発振を開始し、時計回路8を動作させることができる。
図8は、第4の実施形態の変形例を示すブロック構成図である。図7との相違点は、図8では、図7に示すスイッチ9の代わりに、OR回路92を設けた点である。OR回路92の一方の入力は比較回路100のバッファゲート101の出力と接続され、他方の入力は電池電圧検出手段85と接続され、OR回路92の出力はスイッチ7のNチャンネルトランジスタ71のゲートに接続されている。
図8において、第4の実施形態と同様に、第2蓄電手段3が投入されたことを電源投入検出回路86が検出し、Lレベルを出力(信号(b))する。信号(b)がLレベルとなることにより、SW制御回路87がHレベル(信号(d))を出力する。
前述したように、比較回路100は、第2蓄電手段3の電源電圧がダイオード102のVFを越えない場合Lレベルを出力し、第2蓄電手段3の電源電圧がダイオード102のVFを越えている場合Hレベルを出力する。
比較回路100がHレベルを出力すると、OR回路92はHレベルを出力してスイッチ7のNチャネルトランジスタ71がオンとなる。すると、第2蓄電手段3の蓄電エネルギーがスイッチ7のトランジスタ71及びスイッチ7のNチャネルトランジスタ72の寄生ダイオードを介して第1蓄電手段2に放電される。充電によって第1蓄電手段2の電圧が上昇し、第1蓄電手段2の電圧が発振回路81の最低動作電圧を上回ると、発振回路81は発振を開始し、時計回路8は動作を開始する。
ここでスイッチ7のNチャネルトランジスタ71がオンとなるのは、第2蓄電手段3の電圧が発振回路81の動作開始電圧を上回っているときだけなので、スイッチ7のNチャネルトランジスタ71がオンとなった場合、発振回路81は必ず発振することができる。したがって、第2蓄電手段3を接続したけれども、発振回路81を発振させるには第2蓄電手段3の電圧が足りないという場合には、スイッチ7のNチャネルトランジスタ71がオンとはならない。その場合は、さらに発電手段1を接続して発電させ、第1蓄電手段2に発電エネルギーを蓄電させる必要がある。前述したように、第1蓄電手段2が充分に充電されれば、発振回路81が発振を開始し、時計回路8を動作させることができる。
このように、図8に示すように、図7のスイッチ9の代わりにOR回路92を設けた場合でも、図7に示す充電式電子回路と同様の動作を行うことができる。もちろん、小売店等での時計の分解組立時などにも本変形方式を採用することができる。
図11は本発明に係る第5の実施形態を示す充電式電子時計のブロック構成図である。図11において、図1と同様の構成には同一の番号を付して、説明を省略した。図1との相違点は、図11では第2のSW制御回路88が使用される点である。
図13に、電源投入検出手段86及び第2のSW制御回路88の回路構成の一例を示す。電源投入検出手段86は、図9と同様に、キャパシタ861、抵抗862及びインバータ863から構成されている。キャパシタ861の一方の電極はVDD電位に、他の電極は抵抗862に接続されている。抵抗862の一方の端子はVSS電位に、もう一方の端子はキャパシタ861に接続されている。キャパシタ861と抵抗862とを接続するラインがインバータ863の入力(信号(a))と接続され、インバータ863の出力が電源投入検出手段86の出力(信号(b))となる。
第2のSW制御回路88は、CR発振器881及びカウンタ882から構成されている。CR発振器881は、インバータ8811、8813及び8814、ナンドゲート8812、アンドゲート8717、抵抗8815及びコンデンサ8816から構成される。カウンタ882は、タイマ8821及びインバータ8822から構成されている。
CR発振器881は、入力(信号(d))がHレベルになると発振を開始し、抵抗8815及びコンデンサ8816による時定数に応じて、出力(信号(e))の周波数が変更されるように構成されている。計時手段の一例であるカウンタ882は、CR発振器の出力(信号(e))をカウントし、カウントアップすると(N回)、Lレベル出力(信号(d))を行うように構成されている。
次に、図13に示す回路の動作を説明する。電源投入検出手段86の信号(a)の電位は、前述した図10の(a)の様に推移する。したがって、第2蓄積手段3の投入時は、電源投入手段86の出力(信号(b))はLレベルである。信号(b)によって、カウンタ882のタイマ8821にリセットがかかり、タイマ8821の出力はLレベルとなり、インバータ8822によって、カウンタ882の出力(信号(d))はHレベルとなる。信号(d)がHレベルになることにより、CR発振器881が発振を開始する。カウンタ882は、CR発振器881の出力(信号(e))をカウントし、予め定められたカウント数(N)に達すると、Lレベル出力(信号(d))を行う。信号(d)がLレベルになることにより、CR発振器881は、発振を停止する。
第2のSW制御回路88の出力、即ちカウンタ882の出力(信号(d))が、第2蓄電手段3投入後に、HレベルからLレベルになるまでの時間は、発振回路81の発振が安定するほど第2蓄電手段3から第1蓄電手段2へ充電がさなれるまでの時間以上で、電池電圧検出手段85が動作するまでの時間であることが望ましい。なお、CR発振器882の時定数を変更すること、又はカウンタ882のカウントアップ数(N)を変更することによって、第2のSW制御回路88の出力が、HレベルからLレベルになるまでの時間を変更することができる。
次に図11のブロック構成図の動作について説明する。本実施形態では、発電手段1は電子時計に組み込まれているが、第2蓄電手段3は電子時計に投入されていないものとする。これまでと同様に、時計回路8が動作しておらず、スイッチ6、スイッチ7及びスイッチ9がオフ状態の場合に、第2蓄電手段3を投入する。
第1の実施形態と同様に、第2蓄電手段3が投入されたことを電源投入検出回路86が検出し、Lレベルを出力(信号(b))する。信号(b)がLレベルとなると、第2のSW制御回路88は、Hレベル(信号(d))を出力する。
第2のSW制御回路88がHレベルを出力(信号(d))することによって、スイッチ9はオンする。ここで接続された第2蓄電手段3は予め十分蓄電されており且つ電圧が十分であれば、第2蓄電手段3の蓄電エネルギーは、オン状態のスイッチ9及びスイッチ7の順方向Nチャネルトランジスタ72の寄生ダイオードを介して第1蓄電手段2に充電される。充電によって第1蓄電手段2の電圧が上昇し、第1蓄電手段2の電圧が発振回路81の最低動作電圧を上回ると、発振回路81は発振を開始し、時計回路8は動作を開始する。
前述したように、CR発振器881の時定数及びカウンタ882のカウントアップ数(N)によって予め定められている時間経過後、第2のSW制御回路88がLレベル(信号(d))を出力する。これによって、スイッチ9はオフする。同時に、電池電圧検出手段85も第2蓄電手段3の電圧が十分あることを検出して、Hレベルを出力し、スイッチ7をオンする。このように、時計回路8が動作を停止している状態から第2蓄電手段3を投入した場合でも、速やかに時計回路8は動作を再開することができる。したがって、時計回路8の消費電流の検査等を容易に行うことができる。もちろん、小売店等での時計の分解組立時などにも本方式を採用することができる。
ここで、第2のSW制御回路88の動作は、発振回路81の発振の有無には依存しない。したがって、第2蓄電手段3を投入後、第2蓄電手段3の電圧が低く、発振回路81の発振が開始しない場合でも、予め定められた時間後に第2のSW制御回路88の出力(信号(d))はLレベルとなり、スイッチ9をオフする。そのため、発電手段(ソーラーパネル)1に光があたり発電を開始した場合、第1蓄電手段2が充電され、発振回路81が発振することができる。
図12は、第5の実施形態の変形例を示すブロック構成図である。図11との相違点は、図12では、図11に示すスイッチ9の代わりに、OR回路92を設けた点である。OR回路92の一方の入力は第2のSW制御回路88と接続され、他方の入力は電池電圧検出手段85と接続され、OR回路92の出力はスイッチ7のNチャンネルトランジスタ71のゲートに接続されている。
図12において、第5の実施形態と同様に、第2蓄電手段3が投入されたことを電源投入検出回路86が検出し、Lレベルを出力(信号(b))する。信号(b)がLレベルとなることにより、第2のSW制御回路88がHレベルを出力(信号(d))をする。すると、OR回路92はHレベルを出力し、スイッチ7のNチャンネルトランジスタ71がオンする。すると、第2蓄電手段3の蓄電エネルギーは、スイッチ7のNチャネルトランジスタ71とスイッチ7のNチャネルトランジスタ72の寄生ダイオードを介して第1蓄電手段2に放電される。充電によって第1蓄電手段2の電圧が上昇し、第1蓄電手段2の電圧が発振回路81の最低動作電圧を上回ると、発振回路81は発振を開始する。このように、図11のスイッチ9の代わりにOR回路92を設けた場合でも、図11に示す充電式電子時計と同様の動作を行うことができる。もちろん、小売店等での時計の分解組立時などにも本変形方式を採用することができる。

Claims (19)

  1. 電子時計において、
    第1の電源と、
    前記第1の電源と接続された時計回路と、
    前記第1の電源よりも大きな容量を有する第2の電源が投入されたことを検知する電源投入検出回路と、
    前記時計回路の非動作状態ではオフ状態であって、前記第1の電源と前記第2の電源とを接続するためのスイッチ回路と、
    前記電源投入検出回路によって前記第2の電源が投入されたことが検出されたときに、前記スイッチ回路を制御して前記第1の電源と前記第2の電源とを接続し、前記第2の電源によって前記第1の電源を充電し、前記時計回路を動作させるように制御する制御回路とを有する電子時計。
  2. 前記スイッチ回路は、前記第1の電源と第2の電源を並列に接続するための第1のスイッチと、前記第1のスイッチと並列に接続された第2のスイッチとを有し、前記制御回路は、前記電源投入検出回路によって前記第2の電源が投入されたことが検出されたときに、前記第2のスイッチをオンさせて前記第1の電源と前記第2の電源とを接続する請求項1に記載の電子時計。
  3. さらに、発電手段と、
    前記発電手段によって前記第2の電源が充分に充電されたときに、前記第1のスイッチをオンする電圧検出手段とを有する請求項2に記載の電子時計。
  4. 前記制御回路は、前記時計回路により制御される請求項2に記載の電子時計。
  5. 前記時計回路は発振回路を有し、
    前記制御回路は、第2のスイッチをオンした後、前記発振回路が発振を開始することにより、第2のスイッチをオフするように前記時計回路によって制御される請求項2に記載の電子時計。
  6. 前記制御回路は、第2のスイッチをオンした後、一定時間経過後に、第2のスイッチをオフするように制御する請求項2に記載の電子時計。
  7. 前記制御回路は計時手段を含み、前記計時手段が一定時間の計時を行うと、前記制御回路は前記第2のスイッチをオフするように制御する請求項2に記載の電子時計。
  8. 前記時計回路は発振回路を有し、
    前記制御回路は、第2のスイッチをオンした後、前記発振回路が発振開始から一定時間経過後に、第2のスイッチをオフするように前記時計回路によって制御される請求項2に記載の電子時計。
  9. 前記電子時計はさらに発電手段を有し、
    前記制御回路は、第2のスイッチをオンした後、前記発電手段の発電が行われたことを検出すると、第2のスイッチをオフするように制御する請求項2に記載の電子時計。
  10. さらに、前記第2の電源の電圧が所定電圧以下のときは、前記第2のスイッチをオンさせないように動作する比較回路を有する請求項2に記載の電子時計。
  11. 前記スイッチ回路は、前記第1の電源と第2の電源を並列に接続するための第1のスイッチを有し、前記制御回路は、前記電源投入検出回路によって前記第2の電源が投入されたことが検出されたときに、前記第1のスイッチをオンさせて前記第1の電源と前記第2の電源とを接続する請求項1に記載の電子時計。
  12. さらに、発電手段と、
    前記発電手段によって前記第2の電源が充分に充電されたときに、前記第1のスイッチをオンする電圧検出手段とを有する請求項11に記載の電子時計。
  13. 前記制御回路は、前記時計回路により制御される請求項11に記載の電子時計。
  14. 前記時計回路は発振回路を有し、
    前記制御回路は、第1のスイッチをオンした後、前記発振回路が発振を開始するまで、第1のスイッチをオンするように前記時計回路によって制御される請求項11に記載の電子時計。
  15. 前記制御回路は、第1のスイッチをオンした後、一定時間経過するまで、第1のスイッチをオンするように制御する請求項11に記載の電子時計。
  16. 前記制御回路は計時手段を含み、前記計時手段が一定時間の計時を行うと、前記制御回路は前記第1のスイッチをオンするように制御する請求項11に記載の電子時計。
  17. 前記時計回路は発振回路を有し、
    前記制御回路は、第1のスイッチをオンした後、前記発振回路が発振開始から一定時間経過するまで、第1のスイッチをオンするように前記時計回路によって制御される請求項11に記載の電子時計。
  18. 前記電子時計はさらに発電手段を有し、
    前記制御回路は、第1のスイッチをオンした後、前記発電手段の発電が行われたことを検出するまで第1のスイッチをオンするように制御する請求項11に記載の電子時計。
  19. さらに、前記第2の電源の電圧が一定電圧以下のときは、前記第1のスイッチをオンしないよう動作する比較回路を有する請求項11に記載の電子時計。
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