JP2021110608A - 時計用モーター制御回路、ムーブメント、電子時計および時計用モーター制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示の電子時計は、前記時計用モーター制御回路と、前記時計用モーター制御回路で制御される時計用モーターと、を備えることを特徴とする。
以下、本発明の第1実施形態の電子時計1を図面に基づいて説明する。
電子時計1は、図1に示すように、ワールドタイム機能を有するアナログ電子時計である。電子時計1は、センター針である時針2および分針3と、6時側に配置された小秒針4と、時針2および分針3と同軸に設けられてタイムゾーンを指示する都市針5と、りゅうず9と、ボタン11、12と、ムーブメントを収容するケース8とを備える。
小秒針4は、平面視で文字板13の中央部よりも6時側で他の指針とは独立した指針軸に取り付けられている。
ベゼルには、タイムゾーンの代表都市を表す略語が表記され、ダイヤルリングには、協定世界時(UTC)との時差を示す数字が表記され、タイムゾーンの選択操作時には都市針5がこれらを指示する。
電子時計1のムーブメント10は、図2に示すように、信号源である水晶振動子14と、電源である電池15と、ボタン11、12の操作に連動してオン、オフされるプッシュスイッチS1、S2と、りゅうず9の引き出しに連動してオン、オフされるスライドスイッチS3、S4と、第1モーター41、第2モーター42、第3モーター43と、時計用のIC20とを備える。
図3に示すように、第1モーター41は、ステーター131と、コイル130と、ローター133とを備える。コイル130の両端は、後述するドライバー51の出力端子O1、O2に導通され、ローター133は、径方向に2極に着磁された磁石である。したがって、第1モーター41は、電子時計用に用いられる2極単相ステッピングモーターであり、後述するように、ドライバー51に入力される駆動信号によって駆動される。
第2モーター42、第3モーター43は、第1モーター41と同様の2極単相ステッピングモーターであるため、説明を省略する。
小秒針4は、第2モーター42によって運針され、時刻の秒を指示する。都市針5は、第3モーター43によって運針され、設定されたタイムゾーンの代表都市を指示する。
なお、本実施形態では、電池15のプラス電極を、高電位側の電源端子VDDに接続し、マイナス電極を低電位側の電源端子VSSに接続し、低電位側の電源端子VSSをグランド(基準電位)に設定している。
電池15は、一次電池または二次電池で構成される。二次電池の場合は、図示略のソーラーセルなどによって充電される。
スイッチS1は、電子時計1の略2時位置にあるボタン11に連動して入力されるプッシュスイッチであり、ボタン11が押されている状態ではオン状態となり、ボタン11が押されていない状態ではオフ状態となる。
スイッチS2は、電子時計1の略4時位置にあるボタン12に連動して入力されるプッシュスイッチであり、ボタン12が押されている状態ではオン状態となり、ボタン12が押されていない状態ではオフ状態となる。
スイッチS3、S4は、りゅうず9の引き出しに連動したスライドスイッチである。本実施形態では、りゅうず9が1段目に引き出された状態でスイッチS3がオン状態、スイッチS4がオフ状態となり、2段目に引き出された状態でスイッチS4がオン状態、スイッチS3がオフ状態となり、0段目ではスイッチS3、S4が共にオフ状態となる。
IC20は、図4に示すように、発振回路21と、分周回路22と、制御部23と、ROM24と、RAM25と、入力回路26と、バス27とを備える。なお、ROMはRead Only Memoryの略語であり、RAMはRandom access memoryの略語である。
IC20は、第1モーター41を駆動する第1モーター制御回路31と、第2モーター42を駆動する第2モーター制御回路32と、第3モーター43を駆動する第3モーター制御回路33と、第1タイマー35と、第2タイマー36と、電源電圧検出回路37とを備える。
分周回路22は、発振回路21の出力を分周して制御部23にタイミング信号(クロック信号)を供給する。
ROM24は、制御部23で実行される各種プログラムを収納している。本実施形態では、ROM24は、基本時計機能や各モーター41〜43の駆動処理などを実現するためのプログラムを収納している。
RAM25は、制御部23がプログラムを実行する際のワークメモリー等として利用される。
制御部23は、ROM24に収納されたプログラムや、RAM25を用いて各機能を実現する。したがって、制御部23、ROM24、RAM25によって、制御回路28が構成される。制御部23は、駆動制御部211、極性切替部212、サンプリング部213、サンプリング周期設定部214として機能する。すなわち、駆動制御部211、極性切替部212、サンプリング部213、サンプリング周期設定部214は、CPUである制御部23が、ROMに記憶されたプログラムを実行することで実現される機能である。
制御部23は、後述するように、第1モーター制御回路31、第2モーター制御回路32、第3モーター制御回路33に対して制御信号を出力して制御する。
極性切替部212は、第1モーター41のコイル130に流す駆動電流の極性を第1の極性と第2の極性との交互に切り替える制御を行う。
サンプリング部213は、後述する電流検出部60と、ドライバー制御部である駆動制御部211とを、サンプリング周期で間欠的に実行させる制御を行う。
サンプリング周期設定部214は、サンプリング周期設定条件を検出し、検出した前記サンプリング周期設定条件に応じて、第1周期tsp1および前記第1周期よりも長い第2周期tsp2の少なくとも2段階に前記サンプリング周期を変更する制御を行う。
したがって、本開示の時計用モーター制御回路は、IC20の制御回路28および第1モーター制御回路31を備えて構成される。また、第1モーター41は、本開示の時計用モーター制御回路で制御される時計用モーターである。
第1モーター制御回路31、第2モーター制御回路32、第3モーター制御回路33は、バス27を通して制御部23から入力される命令により、第1モーター41、第2モーター42、第3モーター43の駆動を制御する。制御部23は、後述するように、第1モーター制御回路31に対しては、第1モーター41の駆動電流が一定の電流範囲にほぼ維持されるように制御する定電流制御を行う。
第2タイマー36は、後述するように、極性切替用の条件であるOFF時間を計測する。
電源電圧検出回路37は、電池15の電圧、つまりはドライバー51の駆動電圧を検出する電圧検出部である。
第1モーター制御回路31の詳細は後述する。
第2モーター制御回路32は、1秒毎に小秒針4用の第1モーター41を駆動するため、腕時計等で採用されている低消費電力化が可能なモーター制御回路とされている。すなわち、第2モーター制御回路32は、パルス幅が小さい主駆動パルスを出力後、第2モーター42のコイル130の誘起電圧を測定してローター133が回転したか否かを検出し、非回転の場合には、主駆動パルスに比べて大きなパルス幅で固定された補正駆動パルスを出力してローター133を確実に回転させるように制御する。なお、第2モーター制御回路32は、固定パルスで第2モーター42を駆動してもよい。
第1モーター制御回路31は、都市針5による時差修正時に、時針2および分針3を高速で運針可能な制御回路である。
第1モーター制御回路31は、図4および図5に示すように、第1モーター41のコイル130に駆動信号を出力する駆動手段であるドライバー51と、コイル130に流れる電流値が閾値つまり比較電流を超えているか否かを判定する電流検出回路61と、電流検出回路61の比較電流を設定する比較電流設定回路71とを備える。
ドライバー51は、図5に示すように、2つのPchトランジスター52、53と、4つのNchトランジスター54、55、56、57と、2つの検出抵抗58、59と、デコーダー511と、ラッチ512とを備える。
デコーダー511は、制御部23から出力されるドライバー51の制御信号がバス27を介して入力され、入力された制御信号をデコードして駆動信号を出力する。この駆動信号は、ラッチ512で保持されるため、デコーダー511から出力される駆動信号が切り替えられるまでは、同じ駆動信号の出力が維持される。
第1モーター41の駆動電流の極性が第1の極性に制御される場合、駆動極性信号PLはLレベルとなる。この駆動極性信号PLがLレベルとされた第1の極性において、ドライバー51をオン状態に制御する場合、つまり図6の「ON期間」の場合は、P1はLレベル、P2はHレベルとされ、Pchトランジスター52がオン、Pchトランジスター53がオフされる。また、N1〜N3はLレベル、N4はHレベルとされ、Nchトランジスター54、55、56がオフ、Nchトランジスター57がオンされる。このため、電流は、Pchトランジスター52、端子O1、コイル130、端子O2、検出抵抗59、Nchトランジスター57を流れる。本実施形態では、端子O1から端子O2に向かってコイル130を流れる電流を、正方向の電流としている。
本実施形態では、コイル130に供給する駆動電流は、第1の極性および第2の極性に切り替えられ、第1の極性の場合に、コイル130に正方向の電流が流れるものとしている。したがって、コイル130に正方向の電流が流れる状態は、第1の極性の駆動信号によってドライバー51がオン状態に制御された状態である。
すなわち、第2の極性の場合に、コイル130に逆方向の電流が流れるものとしている。したがって、コイル130に逆方向の電流が流れる状態は、第2の極性の駆動信号によってドライバー51がオン状態に制御された状態である。
コンパレーター641、642は、抵抗値R1、R2の検出抵抗58、59の両端に発生する電圧と、比較電流設定回路71から出力される下限電流値Iminに相当する比較電圧とを比較する。
AND回路661には駆動極性信号PLが反転入力され、AND回路662には駆動極性信号PLがそのまま入力されているため、駆動極性信号PLによって選択されたコンパレーター641、642の一方の出力が検出信号DT1として出力される。
コンパレーター651、652は、抵抗値R1、R2の検出抵抗58、59の両端に発生する電圧と、比較電流設定回路71から出力される上限電流値Imaxに相当する比較電圧とを比較する。
AND回路671には駆動極性信号PLが反転入力され、AND回路672には駆動極性信号PLがそのまま入力されているため、駆動極性信号PLによって選択されたコンパレーター651、652の一方の出力が検出信号DT2として出力される。
DAコンバーター714は、上限電流値Imaxに相当する電圧を発生する。したがって、電流検出回路61の検出信号DT2は、コイル130に流れる駆動電流Iが上限電流値Imaxを超えた場合にHレベルとなり、上限電流値Imax以下の場合にLレベルとなる。このため、DAコンバーター714、コンパレーター651、652、複合ゲート69は、コイル130に流れる駆動電流Iが上限電流値Imaxを超えたことを検出する上限検出部である。
したがって、下限検出部および上限検出部を含む電流検出回路61、比較電流設定回路71によって、電流検出部60が構成される。
本実施形態では、ボタン11を押してスイッチS1が入力される毎に、都市針5が1時間時差のある次の都市の表示位置に移動し、都市針5の移動に連動して、時針2および分針3が+60分、早送りで移動される仕様になっている。
このため、制御回路28は、ボタン11によってスイッチS1の入力があると、第3モーター制御回路33から出力される駆動パルスにより、都市針5が+1時間時差を指示する位置まで正転、つまり右回転する。なお、各タイムゾーンを代表する都市の指示位置はRAM25等に予め記憶されており、制御回路28は、1時間時差のある次の都市の指示位置まで都市針5が移動するように制御できる。この都市針5の運針方法は、従来から行われている制御方法を利用できるので説明を省略する。
以下、第1モーター制御回路31による時針2および分針3の運針制御について、図7のフローチャートおよび図8のタイミングチャートに基づいて説明する。なお、本実施形態では、分針3は、第1モーター41を360ステップ駆動すると1周し、時針2は、4320ステップ駆動すると1周するように設定されている。
また、フローチャートおよび以下の説明において、ドライバー51をオンするとは、コイル130に駆動電流を流すことができるオン状態にドライバー51を制御することを意味し、ドライバー51をオフするとは、コイル130に駆動電流を流すことができないオフ状態にドライバー51を制御することを意味する。また、ドライバー51がオンされることで、第1モーター41が作動し、時針2および分針3が駆動される。
図8のタイミングチャートにおいて、SPはサンプリング周期tsp毎に第1タイマー35から制御部23に出力される信号を示す。また、O1は、出力端子O1の電圧レベルを示し、O2は、出力端子O2の電圧レベルを示す。したがって、端子O1がHレベルであり、端子O2がLレベルの場合は、コイル130に端子O1からO2に向かって駆動電流が流れる第1の極性でのオン状態を示す。また、端子O2がHレベルであり、端子O1がLレベルの場合は、コイル130に端子O2からO1に向かって駆動電流が流れる第2の極性でのオン状態を示す。さらに、端子O1、O2が共にLレベルの場合は、コイル130に駆動電流が流れていないオフ状態を示す。
駆動制御部211は、まず、電源電圧検出回路37によって電源電圧つまりドライバー51の駆動電圧を検出するステップS1を実行する。この電源電圧検出回路37で検出される電源電圧は、サンプリング周期設定条件の一例である。
次に、サンプリング周期設定部214は、サンプリング周期設定条件である電源電圧が電圧閾値V1以上であるか否かを判定するステップS2を実行する。電圧閾値V1は、電子時計1の電池15の種類などに応じて適宜設定され、例えば、2.5Vである。
駆動電圧が電圧閾値V1以上と高い場合、駆動電流の立ち上がりも早いため、電流検出のサンプリング周期が長いと検出タイミングの遅れによる検出誤差が増大する。一方、電流検出のサンプリング周期が短いと消費電流が増大する。
そのため、サンプリング周期設定部214は、電源電圧が電圧閾値V1以上のとき、つまりステップS2でYESと判定したときは、サンプリング周期tspを第1周期tsp1とするステップS3を実行する。サンプリング周期設定部214は、電源電圧が電圧閾値V1より小さいとき、つまりステップS2でNOと判定したときは、サンプリング周期tspを第1周期tsp1より長い第2周期tsp2に設定するステップS4を実行する。第1周期tsp1および第2周期tsp2は、制御部23の性能などに応じて適宜設定され、例えば、第1周期tsp1=2μsec、第2周期tsp2=4μsecである。なお、図8のタイミングチャートは、サンプリング周期tspとして第2周期tsp2を設定した例である。
サンプリング部213は、ステップS5の実行後の経過時間を第1タイマー35で計測し、この経過時間がサンプリング周期tspを経過したか否かを判定するステップS6を実行する。経過時間がサンプリング周期tspを経過していない場合は、サンプリング部213はステップS6でNOと判定し、ステップS6の判定処理を繰り返す。
経過時間がサンプリング周期tspを経過した場合、サンプリング部213は、ステップS6でYESと判定する。すると、サンプリング部213は、電流検出部60を作動し、駆動電流Iが上限電流値Imaxを超えているか否かを判定する電流検出処理であるステップS7を実行する。
ステップS7でNOと判定された場合、サンプリング部213は、ステップS6に戻って処理を継続し、次のサンプリング周期tspが経過すると、ステップS7を実行する。すなわち、サンプリング部213は、ステップS7でYESと判定するまでは、サンプリング周期tsp毎に電流検出部60を作動してステップS7の電流検出処理を実行する。図8では、端子O1がHレベルになったドライバー51のオン開始時から2周期までは駆動電流Iが上限電流値Imax未満であり、3周期目で上限電流値Imaxを超えている。したがって、サンプリング周期tspが3周期経過時に、ステップS7でYESと判定する。
また、ステップS7でYESと判定されるまで、駆動制御部211から出力される制御信号をデコーダー511でデコードした駆動信号は、ラッチ512で維持されるので、駆動制御部211はドライバー51のオン状態を維持している。したがって、サンプリング部213は、ステップS7でYESと判定するまでは、サンプリング周期tsp毎に駆動制御部211によるオン状態の駆動処理を実行していることになる。
サンプリング部213は、ステップS8の実行後の経過時間を第1タイマー35で計測し、この経過時間がサンプリング周期tspを経過したか否かを判定するステップS9を実行する。経過時間がサンプリング周期tspを経過していない場合は、サンプリング部213はステップS9でNOと判定し、ステップS9の判定処理を繰り返す。
経過時間がサンプリング周期tspを経過した場合、サンプリング部213は、ステップS9でYESと判定し、電流検出部60を作動して、駆動電流が下限電流値Iminを下回ったか否かを判定する電流検出処理であるステップS10を実行する。
サンプリング部213は、電流検出部60がステップS10でNOと判定した場合、ステップS9に戻って処理を継続する。このため、サンプリング部213は、次のサンプリング周期tspを経過すると、再度、ステップS10を実行する。すなわち、サンプリング部213は、ステップS10でYESと判定するまでは、サンプリング周期tsp毎に、電流検出部60を作動してステップS10の電流検出処理を実行する。
また、ステップS10でYESと判定されるまで、ドライバー51をオフ状態とする駆動信号は、ラッチ512で維持されるので、駆動制御部211はドライバー51のオフ状態を維持している。したがって、サンプリング部213は、ステップS10でYESと判定するまでは、サンプリング周期tsp毎に駆動制御部211によるオフ状態の駆動処理を実行していることになる。
極性切替部212は、ステップS11でNOと判定した場合は、極性の切り替えを行わない。そして、ステップS5に戻るため、駆動制御部211は、ドライバー51をオンして第1モーター41の駆動を継続する。
V=E*Ton/(Ton+Toff)−R*I…(1)
そのため、オフ時間Toffが判定時間tmax未満の場合には、極性切替部212は、ステップS11でNOと判定し、駆動制御部211は再びドライバー51をオンしてコイル130への駆動電流の供給を再開するステップS5を実行する。
一方、オフ時間Toffが判定時間tmax以上の場合、極性切替部212は、ローター133が180度回転したものと判断して極性を切り替えるステップS12を実行する。すなわち、極性切替部212は、オフ時間Toffが判定時間tmax以上の場合、駆動極性信号PLのLレベルおよびHレベルの状態を反転する。このため、極性切替部212は、第1の極性の場合は、駆動極性信号PLをLレベルとし、駆動制御部211は、図6に示すように、駆動極性信号PLがLの場合のオン、オフ時のゲート信号によってドライバー51を制御する。
次に、駆動制御部211は、残りステップ数が「0」であるか否かを判定するステップS13を実行する。駆動制御部211は、ステップS13でNOと判定した場合は、駆動開始から360ステップの運針が終了していないため、ステップS5に戻り、第1モーター41の駆動を継続する。
一方、駆動制御部211は、ステップS13でYESと判定した場合は、駆動開始から360ステップの運針が終了して時針2、分針3が1時間分早送りされたと判断し、第1モーター41の駆動制御を終了する。
本実施形態によれば、サンプリング周期設定部214は、駆動開始時に検出した電源電圧によって、サンプリング周期tspを第1周期tsp1および第2周期tsp2のいずれかに設定している。このため、サンプリング部213は、電源電圧が高い場合は、短い第1周期tsp1で電流検出処理を行うことができ、検出タイミングの遅れによる検出誤差を抑制できる。
また、サンプリング部213は、電源電圧が低い場合は、第1周期tsp1に比べて長い第2周期tsp2で電流検出処理を行うため、消費電力を抑制できる。また、電源電圧が低い場合は、駆動電流の立ち上がりも緩やかであるため、電流検出の周期を第2周期tsp2に設定しても、検出タイミングの遅れは発生しにくく、検出タイミングの遅れによる検出誤差も抑制できる。
第1実施形態では、サンプリング周期設定部214は、電源電圧に基づいてサンプリング周期tspを設定していたが、上限電流値Imax、下限電流値Iminの値によってサンプリング周期tspを設定しても良い。第1モーター41のコイル130の抵抗を小さくして、上限電流値Imax、下限電流値Iminを上げると、第1モーター41の駆動周波数が増大するので、サンプリング周期tspを短くすることが望ましい。したがって、使用する第1モーター41の特性、例えば、コイル130の抵抗値に応じて、上限電流値Imax、下限電流値Iminを設定する。この上限電流値Imax、下限電流値Iminは、記憶部であるRAM25に記憶される。このため、サンプリング周期設定部214は、RAM25から上限電流値Imax、下限電流値Iminを読み出し、この上限電流値Imax、下限電流値Iminの値に応じてサンプリング周期tspを設定してもよい。すなわち、上限電流値Imaxや下限電流値Iminの値が閾値以上と高い場合は、サンプリング周期設定部214は、短い第1周期tsp1を設定し、閾値未満と低い場合は、サンプリング周期設定部214は、長い第2周期tsp2を設定すればよい。
次に、第2実施形態の電子時計について説明する。第2実施形態の電子時計の構成は第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。このため、以下では、第1実施形態と相違する制御フローについて、図9のフローチャートに基づいて説明する。なお、図9のフローチャートにおいて、第1実施形態の図7のフローチャートと同じ処理については、同一符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態の電子時計においても、駆動制御部211は、都市針5が+1時間時差を指示する位置まで正転されると、時針2および分針3を1時間分進めるため、第1モーター41のステップ数を360に設定して駆動を開始する。
駆動制御部211は、まず、電源電圧検出回路37によって電源電圧を検出するステップS1を実行する。駆動制御部211は、検出した電源電圧に応じて、ドライバー51の最小オン時間Ton_min、最小オフ時間Toff_minを設定する。一般に電源電圧が高いなど、コイル130に流れる駆動電流の変化が早い場合には、最小オン時間Ton_min、最小オフ時間Toff_minを短く設定することが好ましい。このため、RAM25には、電源電圧に対応する最小オン時間Ton_min、最小オフ時間Toff_minの設定値が記憶され、駆動制御部211は、検出した電源電圧に応じて最小オン時間Ton_min、最小オフ時間Toff_minを設定する。したがって、駆動制御部211は、オン時間の最小値である最小オン時間Ton_minと、オフ時間の最小値である最小オフ時間Toff_minとを設定する最小値設定部である。
サンプリング周期設定部214は、ステップS21でNOと判定した場合は、サンプリング周期tspを第1周期tsp1とするステップS3を実行し、ステップS21でYESと判定したときは、サンプリング周期tspを第1周期tsp1より長い第2周期tsp2に設定するステップS4を実行する。第1周期tsp1および第2周期tsp2は、例えば、第1周期tsp1=2μsec、第2周期tsp2=4μsecである。
ステップS6〜S8は、第1実施形態と同じ処理であるため説明を省略する。なお、図9では、ステップS6やステップS7でNOの場合、ステップS22に戻って処理を継続していたが、既にステップS22でYESと判定されているため、ステップS22の判定処理に戻らずに、ステップS6の判定処理に戻るように制御してもよい。
ステップS9〜S13は、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。また、ステップS6、S7と同様に、ステップS9、S10でNOの場合、ステップS23に戻っているが、ステップS9に戻って処理を継続してもよい。
また、駆動制御部211は、ステップS13でYESと判定した場合は、駆動開始から360ステップの運針が終了して時針2、分針3が1時間分早送りされたと判断し、第1モーター41の駆動制御を終了する。
第2実施形態によれば、サンプリング周期設定部214は、極性切替の誤判定を防止するためのマスク期間である最小オン時間Ton_minに応じて、サンプリング周期tspを設定する。このため、最小オン時間Ton_minが最小時間閾値t0よりも短い場合、つまり駆動電流の変化が早い場合は、サンプリング周期tspを第1周期tsp1に設定し、最小オン時間Ton_minが最小時間閾値t0以上の場合、つまり駆動電流の変化が遅い場合は、サンプリング周期tspを第1周期tsp1よりも長い第2周期tsp2に設定できる。
このため、駆動電流の変化が早い場合は、短い第1周期tsp1で電流検出処理を行うことができ、検出タイミングの遅れによる検出誤差を抑制できる。また、駆動電流の変化が遅い場合は、第1周期tsp1に比べて長い第2周期tsp2で電流検出処理を行うため、消費電力を抑制できる。また、駆動電流の変化が遅い場合は、駆動電流の立ち上がりも緩やかであるため、電流検出の周期を第2周期tsp2に設定しても、検出タイミングの遅れは発生しにくく、検出タイミングの遅れによる検出誤差も抑制できる。
第2実施形態では、ステップS21において、最小オン時間Ton_minに基づいてサンプリング周期tspを設定していたが、最小オフ時間Toff_minに基づいてサンプリング周期tspを設定してもよい。
次に、第3実施形態の電子時計について説明する。第3実施形態の電子時計の構成は第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。このため、以下では、第1実施形態と相違する制御フローについて、図10のフローチャートおよび図11のタイミングチャートに基づいて説明する。なお、図10のフローチャートにおいて、第1実施形態の図7のフローチャートと同じ処理については、同一符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態の電子時計においても、駆動制御部211は、都市針5が+1時間時差を指示する位置まで正転されると、時針2および分針3を1時間分進めるため、第1モーター41のステップ数を360に設定して駆動を開始する。
サンプリング周期設定部214は、まず、ステップS31を実行し、サンプリング周期tspの初期値として第1周期tsp1を設定する。
次に、極性切替部212は、駆動制御部211、電流検出部60を作動して、ステップS5〜S12の処理を実行し、駆動電流の極性を切り替えるまでの1ステップ分の駆動処理を実行する。ステップS5〜S12は、第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
一方、ステップS13でNOと判定された場合、サンプリング周期設定部214は、サンプリング周期設定条件であるステップ期間tst を期間閾値tst1と比較するステップS32を実行する。サンプリング周期設定部214は、ステップ期間tstが期間閾値tst1未満と短く、ステップS32でNOと判定した場合は、サンプリング周期tspを第1周期tsp1に設定するステップS33を実行する。また、サンプリング周期設定部214は、ステップ期間tstが期間閾値tst1以上であり、ステップS32でYESと判定した場合は、サンプリング周期tspを第2周期tsp2に設定するステップS34を実行する。
ここで、ステップ期間tstは、タイマーを設けて測定してもよいが、サンプリング周期tspに、ステップS11でYESと判定されるまでのサンプリング数を乗算することで求めることができる。したがって、サンプリング部213でサンプリング数をカウントしている場合は、サンプリング部213がステップ期間を計測するステップ期間計測部となる。
期間閾値tst1は、第1モーター41の特性などに応じて設定すればよく、例えば、2msecである。第1周期tsp1および第2周期tsp2は、例えば、第1周期tsp1=2μsec、第2周期tsp2=4μsecである。
例えば、図11のタイミングチャートでは、1回目のステップにおけるサンプリング周期tspは、初期である第1周期tsp1である。そして、1回目のステップにおけるステップ期間tstが期間閾値tst1以上であるため、サンプリング周期設定部214は、ステップS32でYESと判定し、サンプリング周期tspを第2周期tsp2に切り替える。このため、図11においても、2回目のステップ以降は、サンプリング周期tspが第2周期tsp2とされている。この後、ステップ期間tstが期間閾値tst1未満となれば、サンプリング周期tspは第1周期tsp1に切り替えられる。
第3実施形態によれば、サンプリング周期設定部214は、前回のステップの長さであるステップ期間tstに連動してサンプリング周期tspを設定しているので、第1モーター41の駆動制御状態に応じてサンプリング周期tspを適切に設定できる。すなわち、ステップ期間tstが長い場合は、一定時間に回転するローター133の回転角も小さいため、サンプリング周期tspを第2周期tsp2に設定して長くすることで、消費電流を削減できる。また、一定時間に回転するローター133の回転角が小さい場合、サンプリング周期tspを第2周期tsp2に設定しても、検出タイミングの遅れは発生しにくく、検出タイミングの遅れによる検出誤差も抑制できる。
一方、ステップ期間tstが短い場合は、サンプリング周期tspを第1周期tsp1に設定することで、検出タイミングの遅れによる検出誤差を抑制できる。
次に、第4実施形態の電子時計について説明する。第4実施形態の電子時計の構成は第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。このため、以下では、第1実施形態と相違する制御フローについて、図12のフローチャートおよび図13のタイミングチャートに基づいて説明する。なお、図12のフローチャートにおいて、第1実施形態の図7のフローチャートと同じ処理については、同一符号を付し、説明を省略する。
第4実施形態の電子時計においても、駆動制御部211は、都市針5が+1時間時差を指示する位置まで正転されると、時針2および分針3を1時間分進めるため、第1モーター41のステップ数を360に設定して駆動を開始する。
サンプリング周期設定部214は、まず、ステップS41を実行し、サンプリング周期tspの初期値として第3周期tsp3を設定する。第3周期tsp3は、例えば、8μsecである。
次に、駆動制御部211は、第1実施形態と同じくステップS5の処理を実行し、サンプリング部213はステップS6を実行する。そして、サンプリング部213は、ステップS6でYESと判定した場合、ステップの最初つまりステップS5でドライバー51をオンしてからの経過時間、つまり駆動電流の極性を切り替えてからの経過時間を測定し、この経過時間が経過時間閾値t1以上であるか否かを判定するステップS42を実行する。
ここで、経過時間は、タイマーを設けて測定してもよいが、ステップS42はステップS6でYESと判定される毎に実行されるため、サンプリング周期tspにステップS6でYESと判定されるまでのサンプリング数を乗算することで求めることができる。したがって、サンプリング部213でサンプリング数をカウントしている場合は、サンプリング部213が経過時間を計測する時間計測部となる。
経過時間閾値t1は、第1モーター41の特性などに応じて設定すればよく、例えば、1msecである。
サンプリング部213は、ステップS42でNOと判定した場合は、サンプリング周期tspを変更せずに維持する。
駆動制御部211は、ステップS7でYESと判定すると、第1実施形態と同じくドライバー51をオフするステップS8を実行し、その後、サンプリング部213は、ステップS9からステップS10を実行する。
この際、ステップS9でYESと判定した場合は、サンプリング部213は、ステップS42と同じく経過時間が経過時間閾値t1以上であるか否かを判定するステップS44を実行する。サンプリング部213は、ステップS44でNOであれば、サンプリング周期tspを維持し、YESであれば、サンプリング周期設定部214を作動してサンプリング周期tspを第2周期tsp2に設定するステップS45を実行する。
サンプリング部213は、ステップS10において、電流検出部60を作動して駆動電流Iが下限電流値Imin未満であるかを判定し、NOの場合はステップS9に戻り、YESの場合はステップS11を実行する。ステップS11、S12、S13は、第1実施形態と同じ処理であるため、説明を省略する。
そして、ステップS13でNOの場合、つまり第1モーター41の駆動を継続する場合は、ステップS41に戻り、サンプリング周期tspを初期値である第3周期tsp3に設定してステップS5移行の処理を実行する。
以上の処理を行うことによって、図13に示すように、駆動電流の極性を切り替えてからの経過時間が経過時間閾値t1未満の場合は、第3周期tsp3でサンプリング処理が行われ、経過時間閾値t1以上になると、第3周期tsp3に比べて短い第2周期tsp2でサンプリング処理が行われる。
第4実施形態によれば、ステップの途中でサンプリング周期を変更するため、消費電流の削減と、ローター133の回転の検出精度の向上とを両立できる。すなわち、駆動電流の極性を切り替えてからの経過時間が経過時間閾値t1未満の場合は、長い周期である第3周期tsp3でサンプリング処理が行われるため、消費電流を削減できる。
一方、経過時間が経過時間閾値t1以上となれば、第3周期tsp3に比べて短い第2周期tsp2でサンプリング処理が行われるため、ローター133の回転検出に影響する駆動の後半部分は短い間隔で検出処理を行うことができ、ローター133の回転検出精度を向上できる。
第4実施形態では、サンプリング周期tspを第3周期tsp3と第2周期tsp2とで切り替えていたが、第3周期tsp3と、例えば2μsecである第1周期tsp1とで切り替えてもよいし、第2周期tsp2と第1周期tsp1とで切り替えてもよい。
次に、第5実施形態の電子時計について説明する。第5実施形態の電子時計の構成は第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。このため、以下では、第1実施形態と相違する制御フローについて、図14のフローチャートに基づいて説明する。なお、図14のフローチャートにおいて、第4実施形態の図12のフローチャートと同じ処理については、同一符号を付し、説明を省略する。
第5実施形態は、駆動電流の極性を切り替えてからの経過時間に応じて、サンプリング周期tspを、最初は短くし、中間では長くし、最後は再度短くし、サンプリング周期tspを3つの期間で切り替えるものである。
また、ステップS52でNOの場合、サンプリング部213は、ステップの最初からの経過時間tが第2経過時間閾値t2以上であるかを判定するステップS54を実行する。ステップS54でYESの場合、サンプリング周期設定部214はサンプリング周期tspを第3周期tsp13に設定するステップS55を実行し、NOの場合はサンプリング周期tspを変更しない。
次に、ステップS7〜S9の処理後、サンプリング部213は、ステップの最初からの経過時間tが第1経過時間閾値t1以上、第2経過時間閾値t2未満であるかを判定するステップS56を実行する。ステップS56でYESの場合、サンプリング周期設定部214はサンプリング周期tspを第2周期tsp12に設定するステップS57を実行する。
また、ステップS56でNOの場合、サンプリング部213は、ステップの最初からの経過時間tが第2経過時間閾値t2以上であるかを判定するステップS58を実行する。ステップS58でYESの場合、サンプリング周期設定部214はサンプリング周期tspを第3周期tsp13に設定するステップS59を実行し、NOの場合はサンプリング周期tspを変更しない。
その後、ステップS10〜S13を処理し、ステップS13でYESと判定するまで、上記処理を繰り返す。
また、第2周期tsp12は、第1周期tsp11、第3周期tsp13よりも長く設定される。第1周期tsp11と、第3周期tsp13とは、同じ周期でもよいし、第1周期tsp11が第3周期tsp13よりも長くてもよいし、第3周期tsp13が第1周期tsp11よりも長くてもよい。これらは、制御対象となる第1モーター41の特性などに応じて設定すればよい。このため、第1周期tsp11、第2周期tsp12、第3周期tsp13の具体的な値は適宜設定でき、例えば、第1周期tsp11=2μsec、第2周期tsp12=4μsec、第3周期tsp13=1μsecである。
第5実施形態によれば、ステップの途中でサンプリング周期を変更するため、消費電流の削減と、ローター133の回転の検出精度の向上とを両立できる。すなわち、駆動電流の極性を切り替えた直後は、サンプリング周期を第2周期tsp12に比べて短い第1周期tsp11に設定しているので、駆動の立ち上がり時の検出遅れを防止でき、オーバーシュートを抑制できる。このため、オーバーシュートによる消費電流の増大を防止でき、省エネルギー化を実現できる。
また、経過時間が経過時間閾値t1以上となれば、第1周期tsp11に比べて長い第2周期tsp12でサンプリング処理が行われるため、消費電流を低減できる。
さらに、経過時間が第2経過時間閾値t2以上になると、第2周期tsp12に比べて短い第3周期tsp13でサンプリング処理が行われるため、ローター133の回転検出に影響する駆動の後半部分は短い間隔で検出処理を行うことができ、ローター133の回転検出精度を向上できる。
一方、第1周期tsp11と第3周期tsp13とを異なるサンプリング周期に設定した場合は、第1モーター41の特性などに応じた最適な検出を実行でき、モーターをより適切に制御できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記第1〜第4実施形態では、サンプリング周期tspを2段階に切り替えていたが、3段階以上に切り替えてもよい。例えば、第1実施形態のように、電源電圧に応じてサンプリング周期tspを設定する場合は、検出した電源電圧を2つの電圧閾値V1、V2と比較し、電源電圧が電圧閾値V1以上と高レベルの場合は第1周期tsp1に設定すればよい。また、検出した電源電圧が、電圧閾値V1未満、電圧閾値V2以上と中レベルの場合は第1周期tsp1よりも長い第2周期tsp2に設定し、電圧閾値V2未満と低レベルの場合は第2周期tsp2よりも長い第3周期tsp3に設定すればよい。他の実施形態においても、サンプリング周期tspを3段階以上に切り替えてもよい。
また、ボタン11を押して都市針5が指示する時差を1時間単位で変更する場合に、都市針5の移動量を一定にすることで、都市名や時差を示す数字が表記されていなくても、選択された時差を認識できるように構成してもよい。例えば、都市針5を±1時間時差毎に±15度の回転角で移動させて、UTCに対して±12時間の時差まで指示可能に構成してもよい。また、都市針5を±1時間時差毎に±12度の回転角で移動させて、UTCに対して+14時間および−12時間の時差まで指示可能に構成してもよい。
本開示の時計用モーター制御回路は、時計用モーターのコイルに駆動電流を供給するオン状態、および、前記駆動電流を供給しないオフ状態に制御されるドライバーと、前記コイルに流れる前記駆動電流が下限電流値より小さいことを検出する下限検出部、および、前記コイルに流れる前記駆動電流が上限電流値より大きいことを検出する上限検出部を備える電流検出部と、前記ドライバーを前記オン状態に制御した後、前記駆動電流が前記上限電流値よりも大きいことを前記上限検出部が検出した場合に前記ドライバーを前記オフ状態に制御し、前記ドライバーを前記オフ状態に制御した後、前記駆動電流が前記下限電流値よりも小さいことを前記下限検出部が検出した場合に前記ドライバーを前記オン状態に制御するドライバー制御部と、前記ドライバーの前記オン状態の継続時間であるオン時間、または、前記ドライバーの前記オフ状態の継続時間であるオフ時間が極性切替条件に該当したことを検出した場合に、前記駆動電流の極性を第1の極性および第2の極性に交互に切り替える極性切替部と、前記電流検出部および前記ドライバー制御部を、サンプリング周期で間欠的に実行させるサンプリング部と、サンプリング周期設定条件を検出し、検出した前記サンプリング周期設定条件に応じて、第1周期および前記第1周期よりも長い第2周期の少なくとも2段階に前記サンプリング周期を変更するサンプリング周期設定部と、を備えることを特徴とする。
本開示の時計用モーター制御回路によれば、サンプリング周期設定部は、検出したサンプリング周期設定条件に応じて、第1周期および第2周期の少なくとも2段階にサンプリング周期を変更する。そして、サンプリング部は、電流検出部およびドライバー制御部を、サンプリング周期設定部が設定したサンプリング周期で間欠的に実行する。このため、駆動電流の変化が早い場合のように、短い間隔で電流検出処理などを行う必要がある場合は、サンプリング周期を第1周期に設定することで、検出タイミングの遅れによる検出誤差を抑制できる。
また、駆動電流の変化が緩やかな場合には、サンプリング周期を第2周期に設定することで、消費電力を抑制でき、検出タイミングの遅れも発生し難いため、検出誤差も抑制できる。
本開示の時計用モーター制御回路によれば、駆動電流の極性を切り替えた当初はサンプリング周期を第2周期に設定し、極性の切り替え時点からの経過時間が経過時間閾値以上となれば、サンプリング周期を第1周期に設定するため、消費電流の削減と、ローターの回転検出精度の向上とを両立できる。すなわち、駆動電流の極性を切り替えてからの経過時間が経過時間閾値未満の場合は、第2周期でサンプリング処理が行われるため、消費電流を削減できる。
一方、経過時間が経過時間閾値以上となれば、第2周期に比べて短い第1周期でサンプリング処理が行われるため、ローターの回転検出に影響する駆動の後半部分は短い間隔で検出処理を行うことができ、ローターの回転検出精度を向上できる。
本開示の時計用モーター制御回路によれば、駆動電流の極性を切り替えた当初はサンプリング周期を第3周期に設定し、極性の切り替え時点からの経過時間が第1経過時間閾値以上となれば、サンプリング周期を第2周期に設定し、さらに、経過時間が第2経過時間閾値以上となれば、サンプリング周期を第1周期に設定するため、消費電流の削減と、ローターの回転検出精度の向上とを両立できる。
本開示の時計用モーター制御回路によれば、サンプリング周期設定部は、駆動開始時に検出した電源電圧によって、サンプリング周期を第1周期および第2周期のいずれかに設定している。このため、サンプリング部は、電源電圧が高い場合は、短い第1周期で電流検出処理を行うことができ、検出タイミングの遅れによる検出誤差を抑制できる。
また、サンプリング部は、電源電圧が低い場合は、第1周期に比べて長い第2周期で電流検出処理を行うため、消費電力を抑制できる。また、電源電圧が低い場合は、駆動電流の立ち上がりも緩やかであるため、電流検出の周期を第2周期に設定しても、検出タイミングの遅れは発生しにくく、検出タイミングの遅れによる検出誤差も抑制できる。
本開示の時計用モーター制御回路によれば、サンプリング周期設定部は、オン時間またはオフ時間の最小値に応じて、サンプリング周期を設定する。このため、オン時間またはオフ時間の最小値が最小時間閾値よりも短い場合、つまり駆動電流の変化が早い場合は、サンプリング周期を第1周期に設定でき、検出タイミングの遅れによる検出誤差を抑制できる。また、オン時間またはオフ時間の最小値が最小時間閾値以上の場合、つまり駆動電流の変化が遅い場合は、サンプリング周期を第2周期に設定して電流検出処理を行うため、消費電力を抑制でき、検出タイミングの遅れによる検出誤差も抑制できる。
本開示の時計用モーター制御回路によれば、サンプリング周期設定部は、前回のステップ期間に連動してサンプリング周期を設定しているので、時計用モーターの駆動制御状態に応じてサンプリング周期を適切に設定できる。すなわち、ステップ期間が長い場合は、一定時間に回転するローターの回転角も小さいため、サンプリング周期を第2周期に設定して長くすることで、消費電流を削減できる。また、一定時間に回転するローターの回転角が小さい場合、サンプリング周期を第2周期に設定しても、検出タイミングの遅れは発生しにくく、検出タイミングの遅れによる検出誤差も抑制できる。
一方、ステップ期間が短い場合は、サンプリング周期を第1周期に設定することで、検出タイミングの遅れによる検出誤差を抑制できる。
本開示の時計用モーター制御回路によれば、時計用モーターの特性に応じてサンプリング周期を設定できるので、消費電流の低減と、ローターの回転検出精度の向上とを両立できる。
下限電流値や上限電流値は、例えば、時計用モーターのコイルの抵抗値が小さい場合、つまり駆動電流の立ち上がりが急である場合に高く設定され、コイルの抵抗値が大きい場合、つまり駆動電流の立ち上がりが緩やかな場合は低く設定される。このため、下限電流値や上限電流値が高い値の場合はサンプリング周期を第1周期に設定し、下限電流値や上限電流値が低い値の場合はサンプリング周期を第2周期に設定することで、消費電流の低減と、ローターの回転検出精度の向上とを両立できる。
本開示のムーブメントによれば、前記時計用モーター制御回路を備えているので、駆動電流の変化が早い場合のように、短い間隔で電流検出処理などを行う必要がある場合は、サンプリング周期を第1周期に設定することで、検出タイミングの遅れによる検出誤差を抑制できる。また、駆動電流の変化が緩やかな場合には、サンプリング周期を第2周期に設定することで、消費電力を抑制でき、検出タイミングの遅れも発生し難いため、検出誤差も抑制できる。
本開示の電子時計によれば、前記時計用モーター制御回路を備えているので、駆動電流の変化が早い場合のように、短い間隔で電流検出処理などを行う必要がある場合は、サンプリング周期を第1周期に設定することで、検出タイミングの遅れによる検出誤差を抑制できる。また、駆動電流の変化が緩やかな場合には、サンプリング周期を第2周期に設定することで、消費電力を抑制でき、検出タイミングの遅れも発生し難いため、検出誤差も抑制できる。
本開示の時計用モーター制御方法によれば、検出したサンプリング周期設定条件に応じて、第1周期および第2周期の少なくとも2段階にサンプリング周期を変更する。そして、定電流制御をサンプリング周期で実行する。このため、駆動電流の変化が早い場合のように、短い間隔で電流検出処理などを行う必要がある場合は、サンプリング周期を第1周期に設定することで、検出タイミングの遅れによる検出誤差を抑制できる。
また、駆動電流の変化が緩やかな場合には、サンプリング周期を第2周期に設定することで、消費電力を抑制でき、検出タイミングの遅れも発生し難いため、検出誤差も抑制できる。
Claims (11)
- 時計用モーターのコイルに駆動電流を供給するオン状態、および、前記駆動電流を供給しないオフ状態に制御されるドライバーと、
前記コイルに流れる前記駆動電流が下限電流値より小さいことを検出する下限検出部、および、前記コイルに流れる前記駆動電流が上限電流値より大きいことを検出する上限検出部を備える電流検出部と、
前記ドライバーを前記オン状態に制御した後、前記駆動電流が前記上限電流値よりも大きいことを前記上限検出部が検出した場合に前記ドライバーを前記オフ状態に制御し、前記ドライバーを前記オフ状態に制御した後、前記駆動電流が前記下限電流値よりも小さいことを前記下限検出部が検出した場合に前記ドライバーを前記オン状態に制御するドライバー制御部と、
前記ドライバーの前記オン状態の継続時間であるオン時間、または、前記ドライバーの前記オフ状態の継続時間であるオフ時間が極性切替条件に該当したことを検出した場合に、前記駆動電流の極性を第1の極性および第2の極性に交互に切り替える極性切替部と、
前記電流検出部および前記ドライバー制御部を、サンプリング周期で間欠的に実行させるサンプリング部と、
サンプリング周期設定条件を検出し、検出した前記サンプリング周期設定条件に応じて、第1周期および前記第1周期よりも長い第2周期の少なくとも2段階に前記サンプリング周期を変更するサンプリング周期設定部と、
を備えることを特徴とする時計用モーター制御回路。 - 請求項1に記載の時計用モーター制御回路において、
前記極性切替部が前記駆動電流の極性を切り替えてからの経過時間を計測する時間計測部を備え、
前記サンプリング周期設定条件は、前記経過時間であり、
前記サンプリング周期設定部は、前記経過時間を、経過時間閾値と比較し、
前記経過時間が、前記経過時間閾値未満の場合は、前記サンプリング周期を前記第2周期に設定し、
前記経過時間が、前記経過時間閾値以上の場合は、前記サンプリング周期を前記第1周期に設定する
ことを特徴とする時計用モーター制御回路。 - 請求項1に記載の時計用モーター制御回路において、
前記極性切替部が前記駆動電流の極性を切り替えてからの経過時間を計測する時間計測部を備え、
前記サンプリング周期設定条件は、前記経過時間であり、
前記サンプリング周期設定部は、前記経過時間を、第1経過時間閾値および前記第1経過時間閾値よりも大きな値である第2経過時間閾値と比較し、
前記経過時間が、前記第1経過時間閾値未満の場合は、前記サンプリング周期を前記第1周期に設定し、
前記経過時間が、前記第1経過時間閾値以上、前記第2経過時間閾値未満の場合は、前記サンプリング周期を前記第1周期よりも長い前記第2周期に設定し、
前記経過時間が、前記第2経過時間閾値以上の場合は、前記サンプリング周期を前記第2周期よりも短い第3周期に設定する
ことを特徴とする時計用モーター制御回路。 - 請求項1に記載の時計用モーター制御回路において、
前記ドライバーを駆動する駆動電圧を検出する電圧検出部を備え、
前記サンプリング周期設定条件は、前記駆動電圧であり、
前記サンプリング周期設定部は、
前記駆動電圧が電圧閾値以上の場合は、前記サンプリング周期を前記第1周期に設定し、
前記駆動電圧が前記電圧閾値未満の場合は、前記サンプリング周期を前記第2周期に設定する
ことを特徴とする時計用モーター制御回路。 - 請求項1に記載の時計用モーター制御回路において、
前記オン時間の最小値、または、前記オフ時間の最小値を設定する最小値設定部を備え、
前記サンプリング周期設定条件は、前記オン時間の最小値、または、前記オフ時間の最小値であり、
前記サンプリング周期設定部は、
前記オン時間の最小値、または、前記オフ時間の最小値が、最小時間閾値未満の場合は、前記サンプリング周期を前記第1周期に設定し、
前記オン時間の最小値、または、前記オフ時間の最小値が、前記最小時間閾値以上の場合は、前記サンプリング周期を前記第2周期に設定する
ことを特徴とする時計用モーター制御回路。 - 請求項1に記載の時計用モーター制御回路において、
前記極性切替部が前記駆動電流の極性を切り替えてから次に極性を切り替えるまでのステップ期間を計測するステップ期間計測部を備え、
前記サンプリング周期設定条件は、前記ステップ期間であり、
前記サンプリング周期設定部は、
前記ステップ期間が、期間閾値未満の場合は、前記サンプリング周期を前記第1周期に設定し、
前記ステップ期間が、前記期間閾値以上の場合は、前記サンプリング周期を前記第2周期に設定する
ことを特徴とする時計用モーター制御回路。 - 請求項1に記載の時計用モーター制御回路において、
前記時計用モーターの特性により設定される設定値を記憶する記憶部を備え、
前記サンプリング周期設定条件は、前記設定値であり、
前記サンプリング周期設定部は、
前記設定値に応じて、前記サンプリング周期を前記第1周期または前記第2周期に設定する
ことを特徴とする時計用モーター制御回路。 - 請求項7に記載の時計用モーター制御回路において、
前記設定値は、前記下限電流値または前記上限電流値の少なくとも一方である
ことを特徴とする時計用モーター制御回路。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の時計用モーター制御回路と、
前記時計用モーター制御回路で制御される時計用モーターと、
を備えることを特徴とするムーブメント。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の時計用モーター制御回路と、
前記時計用モーター制御回路で制御される時計用モーターと、
を備えることを特徴とする電子時計。 - 時計用モーターのコイルに供給する駆動電流を電流値に応じてオン状態とオフ状態とに切り替え、前記オン状態の継続時間であるオン時間、または、前記オフ状態の継続時間であるオフ時間が極性切替条件に該当したことを検出した場合に、前記駆動電流の極性を切り替えてローターをステップ駆動する定電流制御を行う時計用モーター制御方法において、
前記定電流制御をサンプリング周期で実行し、
サンプリング周期設定条件を検出し、検出した前記サンプリング周期設定条件に応じて、第1周期および前記第1周期よりも長い第2周期の少なくとも2段階に前記サンプリング周期を変更する
ことを特徴とする時計用モーター制御方法。
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