JP7076505B2 - トルク検出センサ用コア及びトルク検出センサ - Google Patents
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Description
また、被検出体の全周にわたって、検出感度を低下させずにきめ細かくトルクを検出したいというニーズもある。
被検出体の周囲に設けられた環状のコアから複数箇所で突設されたティースに巻き付けられたコイルに通電して被検出体との間に形成される磁気回路において透磁率の変化をコイルインピーダンスの変化で測定するトルク検出センサ用コアであって、磁性板材が複数積層された環状の第一コアバックより径方向に第一ティースが複数箇所で突設された第一積層コアと、磁性板材が複数積層された環状の第二コアバックより径方向に第二ティースが複数箇所で突設された第二積層コアと、を備え、前記第一積層コアと前記第二積層コアは、磁性材よりなる環状の中間コアを介して積層され前記第一ティースと前記第二ティースとが周方向に千鳥配置となるように積層されていることを特徴とする。
環状の第一コアバックに第一ティースが設けられた第一積層コア及び環状の第二コアバックに第二ティースが設けられた第一積層コアは、モータの固定子コアに用いられる積層コアと同様な製造工程を経て製造することができ、第一ティース及び第二ティースに巻くコイルも巻線機を用いて巻くことができるので、径方向及び軸方向に小型化し安価に量産化することができる。
また、第一積層コアと第二積層コアは、磁性材よりなる環状の中間コアを介して積層されているので、第一ティースと第二ティースの周囲により多くのコイルを巻くことができるので、被検出体に作用する磁束量を増やして検出感度を向上させることができる。
これにより、第一ティースと第二ティースとの間に、軸心方向に対して+45度の傾きを有する複数の磁路及び-45度の傾きを有する複数の磁路が各々形成されるので、複数の磁気回路において透磁率の変化をコイルインピーダンスの変化として測定することで、被検出体の全周にわたって発生した圧縮応力及び引張応力を、検出感度を低下させずにきめ細かく検出することができる。
これにより各ティースからより多くの磁束が被検出体を通過するので、検出感度が向上する。
このようにしても第一コアバックと第二コアバックの軸心方向の距離を設けることで、第一ティースと第二ティースの周囲により多くのコイルを巻くことができるので、被検出体に作用する磁束量を増やして検出感度を向上させることができる。
これにより、第一ティースを第一コアバックより取り外した状態で、第二ティースを第二コアバックより取り外した状態で、コイルが巻けるため、巻き線作業が容易となり、生産性を向上することができる。
これにより、第一コアバックに対する第一ティース、第二コアバックに対する第二ティースの組み付けの自由度が高く生産性が向上する。
よって、被検出体の全周にわたって発生した圧縮応力及び引張応力をきめ細かく検出することができる。
この場合、任意のタイミングで第一コイル及び第二コイルに通電することで被検出体に作用する圧縮応力又は引張応力を検出することができる。
また、これを用いて被検出体の全周にわたって発生した圧縮応力及び引張応力を、検出感度を低下させずに検出することができる小型なトルク検出センサを提供することができる。
被検出体の一例としては、逆磁歪効果が大きい材料が好ましい。例えば、逆磁歪効果が高い材料として、パーメンジュール、Fe-Al(アルフェル)、Fe-Nix(パーマロイ)および球状黒鉛鋳鉄( JIS :FCD70 ) などがある。尚、逆磁歪効果とは、磁性体に外部から応力を加えると磁気特性が変化する現象である。また、被検出体には、必要に応じて磁性焼鈍を予め施しておくと、詳しくは後述するが被検出体に作用するトルクを好適に検出できる。また、非磁性材料であっても金属磁性材料を溶射等してコーティングしたり、磁性円筒を軸に圧入したりすることでトルク検出することが可能となる。尚、被検出体は、円柱状であるがこれに限定されない。被検出体は、外形が円柱状であれば、内部の構造は問わない。例えば、内径が軸方向において一定である円筒状、または内径が軸方向に位置により異なっている円筒状であってもよい。また、被検出体は、回転することが予定されているものであってもよいし、予定されていないものであってもよい。更には、被検出体は、中実な軸材料でもよいし、後述するように中空状の中空軸等であってもよい。
また、図2Aに示すように、第一積層コア2aと第二積層コア2bは、磁性材よりなる環状の中間コア2cを介して積層され、かしめ又は接着若しくはこれらの併用により一体化されていてもよい。これにより、第一ティース3aと第二ティース3bの周囲により多くのコイル5を巻くことができるので、被検出体に作用する磁束量を増やして検出感度を向上させることができる。
以上説明したトルク検出センサ1は、被検出体Sの周囲に複数箇所で対峙するティース3に巻き付けられたコイル5に通電して被検出体Sとの間に形成される磁気回路において透磁率の変化をコイルインピーダンスの変化で測定する自己励磁型のトルク検出センサが用いられる。なお、必ずしも第一ティース3aの周囲に巻かれた第一コイル5aと第二ティース3bの周囲に巻かれた第二コイル5bは巻方向が反対に巻かれていなければならないわけではなく、第一コイル5aと第二コイル5bの巻方向が同じ向きに巻かれていても良い。
この場合、周方向に隣合う第一ティース3aの極性は同磁極(N極)であり、周方向に隣合う第二ティース3bの極性も同磁極(S極)となるため、トルク検出に必要な磁路成分(±45度)のみが形成されるため、トルク検出が効率よく実現することができる。
このように、第一積層コア2a、第二積層コア2bの周方向に千鳥配置で突設される第一ティース3a、第二ティース3bの数を増やすことで、よりきめ細かく被検出体に作用するトルク変化を検出することができる。
このように、第一積層コア2a、第二積層コア2bの周方向に千鳥配置で突設される第一ティース3a、第二ティース3bの数を増やすことで、さらにきめ細かく被検出体に作用するトルク変化を検出することができる。
図5乃至図8のトルク検出センサ用コアとは、環状の第一コアバック2a1と第一ティース3aが一体ではなく、環状の第二コアバック2b1と第二ティース3bが一体ではない点が異なる。
上述した実施例では図2A乃至図2Cと同様に同径の環状の第一積層コア2a、中間コア2c、第二積層コア2bが軸心方向に積層されてコア2として一体に組み付けられていたが、例えば中間コア2cの外径が第一積層コア2a及び第二積層コア2bより大きくかつこれらが中間コア2cの両端開口から同心状に嵌め込まれるようになっていてもよい。
また、これを用いて被検出体の全周にわたって発生した圧縮応力及び引張応力を、検出感度を低下させずに検出することができる小型なトルク検出センサを提供することができる。
このように、被検出体Sが中実な軸に限らず、中空軸のトルク変化も検出できるので、汎用性が向上する。
Claims (8)
- 被検出体の周囲に設けられた環状のコアから複数箇所で突設されたティースに巻き付けられたコイルに通電して被検出体との間に形成される磁気回路において透磁率の変化をコイルインピーダンスの変化で測定するトルク検出センサ用コアであって、
磁性板材が複数積層された環状の第一コアバックより径方向に第一ティースが複数箇所で突設された第一積層コアと、
磁性板材が複数積層された環状の第二コアバックより径方向に第二ティースが複数箇所で突設された第二積層コアと、を備え、
前記第一積層コアと前記第二積層コアは、磁性材よりなる環状の中間コアを介して積層され前記第一ティースと前記第二ティースとが周方向に千鳥配置となるように積層されていることを特徴とするトルク検出センサ用コア。 - 前記第一ティースと前記第二ティースは、周方向に対して45度の傾きを有する位相差で千鳥配置されている請求項1記載のトルク検出センサ用コア。
- 前記第一ティースと前記第二ティースの被検出体に対向する磁束作用面は幅広に形成されている請求項1又は請求項2記載のトルク検出センサ用コア。
- 被検出体の周囲に設けられた環状のコアから複数箇所で突設されたティースに巻き付けられたコイルに通電して被検出体との間に形成される磁気回路において透磁率の変化をコイルインピーダンスの変化で測定するトルク検出センサ用コアであって、
磁性板材が複数積層された環状の第一コアバックより径方向に第一ティースが複数箇所で突設された第一積層コアと、
磁性板材が複数積層された環状の第二コアバックより径方向に第二ティースが複数箇所で突設された第二積層コアと、を備え、
磁性材よりなる環状の中間コアの外径が前記第一積層コア及び前記第二積層コアより大きくかつこれらが前記中間コアの両端開口から同心状に嵌め込まれて一体に組み付けられ前記第一ティースと前記第二ティースとが周方向に千鳥配置となるように積層されていることを特徴とするトルク検出センサ用コア。 - 前記第一ティースは第一コアバックの周面に設けられたアリ溝に係合部を軸心方向に嵌め合わせて組み付けられており、前記第二ティースは第二コアバックの周面に設けられたアリ溝に係合部を軸心方向に嵌め合わせて組み付けられている請求項1乃至請求項4記載のいずれかに記載のトルク検出センサ用コア。
- 前記第一ティースは第一コアバックの周面に設けられた凹部に凸部を軸心方向に嵌め合わせて組み付けられており、前記第二ティースは第二コアバックの周面に設けられた凹部に凸部を軸心方向に嵌め合わせて組み付けられている請求項1乃至請求項4記載のいずれかに記載のトルク検出センサ用コア。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のトルク検出センサ用コアと、前記第一ティース及び前記第二ティースの周囲に巻かれた巻き方向が異なる第一コイル及び第二コイルが直列に接続された複数の通電回路とを備えたことを特徴とするトルク検出センサ。
- 前記トルク検出センサ用コアに千鳥配置で突設された第一ティースに巻かれた第一コイル及び第二ティースに巻かれた第二コイル通電して被検出体との間に形成される磁気回路において透磁率の変化をコイルインピーダンスの変化で測定する自己励磁型センサである請求項7記載のトルク検出センサ。
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