JP6840208B2 - 磁歪式トルク検出センサ - Google Patents
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Description
また、被検出体に対するコアの対向面積や磁束通路となるコアの体積を増やして所望の方向の磁束自体をより増やすことで、トルクの検出感度を向上させたいという要求がある。
更には、センサを被検出体の軸方向に小型化したいという要求もある。
被検出体の外周を覆って同心状に組み付けられる絶縁筒体と、前記絶縁筒体の外周面側に配置された架橋部で互いに連結される少なくとも3以上の奇数又は偶数となる脚部を有する複数のコアと、前記各コアの前記架橋部により連結された脚部に1つおきに巻かれた検出コイルと、を具備し、前記複数のコアは前記被検出体の軸心に対して所定角度で傾斜して配列され、前記複数の脚部端面が前記絶縁筒体の内周面より前記被検出体に臨むように組み付けられていることを特徴とする。
また、3以上の脚部が絶縁筒体の外周面側に配置された架橋部で互いに連結されているので、コアの体積が径方向外側に向かって拡大するので、磁束通路が広く確保することができる。
特に、脚部の数が3以上の奇数の場合には、検出コイルを架橋部に連結された両側脚部を除いて1つおきに配置することができ、検出コイルがはみ出すことによるデッドスペースに発生が少なく検出コイルが巻かれた脚部とその両側の脚部を通じた磁気回路が形成され、脚部端面を通過する磁束量を増やすことができる。
尚、脚部の数が3以上の偶数の場合、複数の脚部に1つおきに検出コイルを巻くと架橋部のいずれかの端部に連結する脚部に検出コイルが巻かれるため検出コイルが外側にはみ出すが、コアの脚部端面を通過する磁束量を増やすことができる。
以上より、トルクの検出に有効な磁束の絶対量を増やすことができるので、被検出体に作用するトルクの検出感度が向上する。
この場合には複数の検出コイルに同じ向きに通電することで、検出コイルを巻き付けられた脚部同士を通過する磁束は被検出体に対して同じ方向になる。同様に検出コイルを巻き付けられていない脚部同士を通過する磁束も被検出体に対して同じ方向になる。ただし、検出コイルを巻き付けられた脚部同士を通過する磁束と検出コイルを巻き付けていない脚部同士の磁束の方向は被検出体に対して反対になる。これによりで被検出体を通ってコアに戻ってくる磁路は打ち消し合うことなく統一された方向となり、よって検出に寄与する磁束量が増えることでトルクの検出感度が向上する。
これにより、被検出体の軸心に対してトルクが印加された場合+45°の方向に圧縮応力が作用し−45°の方向に引張応力が作用する場合、又は+45°の方向に引張応力が作用し−45°の方向に圧縮応力が作用する。その際、前記のように当該被検出体の軸心に対して±45°のいずれかの傾斜角となるように前記複数のコアが前記絶縁筒体に組み付けられていることで、被検出体に生じる透磁率の変化を検出コイルのインダクタンス変化量からトルクに換算して最大に検出することができる。
この場合には、通常被検出体の軸方向に+45°の方向の圧縮応力を検出するコア及び検出コイルを一方の絶縁筒体に配置し、−45°の方向の引張応力を検出するコア及び検出コイル他方の絶縁筒体に分けて配置する必要があるが、これらを1の絶縁筒体の周囲に周方向に等間隔で配置することにより磁歪式トルク検出センサを軸方向に小型化することができる。
また、架橋部3aの一部が切り欠かれている切欠き部3a1を有しているが、コア3を被検出体Sの軸心に対して±45°に傾斜して絶縁筒体2に組み付けられるため、コア3の架橋部3aのコーナー部が絶縁筒体2の外周よりはみ出ないようにするためである。逆に、架橋部3aの板厚を揃えないのは、可及的にコア3の体積を増やして磁束通路を多く確保するためでもある。
このように、通常は被検出体Sの軸方向に+45°の方向の圧縮応力を検出するコア3及び検出コイル4を一方の絶縁筒体2に配置し、−45°の方向の引張応力を検出するコア3及び検出コイル4を他方の絶縁筒体2に分けて配置する必要があるところ、これらを1の絶縁筒体2の周囲に等間隔で配置することにより磁歪式トルク検出センサ1を軸方向に小型化することができる。
尚、+45°の傾斜角で装着されるコア3と、−45°の傾斜角度で装着されるコア3は、必ずしも絶縁筒体2の外周に交互配置でなく、各々等角度で配置されていればよい。
例えば、絶縁筒体2に装着可能であれば、図8に示すようにコア3を構成する架橋部3a及び脚部3bの板厚がすべて同一の板厚のコア3を用いてもよい。この場合、コア3は積層コアであってもブロック状のコアであってもいずれでもよい。
図9Aは、前述した検出コイル4が3本の脚部3bの中央に巻かれている場合を模式的に示しているが、図9Bに示すように、両側の脚部3bに検出コイル4が同じ向きに巻かれていてもよい。この場合、各検出コイル4に流れる電流は同じ向きとなり、通電によりコア3に発生する磁束量を増やすことで被検出体Sに作用するトルクの検出感度が向上する。
図10にトルク試験装置の模式図を示す。評価試料5は長手方向一端部(左端部)を回転固定治具6に固定され、長手方向他端部(右端部)に向かって複数箇所(他えば3箇所)で保持治具7a1,7a2,7a3に回転可能に支持されている。回転固定治具6は、評価試料5の回転を妨げる。
保持治具7a1と保持治具7a2との間には、磁歪型トルクセンサ1が評価試料5の外周を覆って同心状に組付けられている。磁歪型トルクセンサ1は、評価試料5に作用するトルクを検出し、トルク電圧変換機8に送出し、トルクの大きさを電圧値に変換して出力する。
本実施形態に示す磁歪式トルクセンサ1を用いれば、磁歪材料であるFeCoVのみならず、一般的な構造材料であるSCM415であってもヒステリシス特性はやや大きくなるもののいずれの場合もトルクを測定できることが判明した。
以上より、トルクの検出に有効な磁束の絶対量を増やすことができるので、被検出体Sに作用するトルクの検出感度が向上する。
また、絶縁筒体2とコア3はインサート成形により一体に組み付けられていてもよい。
Claims (4)
- 被検出体の外周を覆って同心状に組み付けられる絶縁筒体と、
前記絶縁筒体の外周面側に配置された架橋部で互いに連結される少なくとも3以上の奇数又は偶数となる脚部を有する複数のコアと、
前記各コアの前記架橋部により連結された脚部に1つおきに巻かれた検出コイルと、を具備し、
前記複数のコアは前記被検出体の軸心に対して所定角度で傾斜して配列され、前記複数の脚部端面が前記絶縁筒体の内周面より前記被検出体に臨むように組み付けられていることを特徴とする磁歪式トルク検出センサ。 - 前記検出コイルが複数の脚部に設けられ各検出コイルに流れる電流は同じ向きである請求項1記載の磁歪式トルク検出センサ。
- 前記複数のコアは前記被検出体との間で形成される磁路が当該被検出体の軸心に対して±45°のいずれかの傾斜角となるように、前記複数のコアが前記絶縁筒体の軸心方向若しくは回転方向に等間隔で組み付けられている請求項1又は請求項2記載の磁歪式トルク検出センサ。
- 単一の絶縁筒体に、前記被検出体の軸心に対して±45°の傾斜角を有するコアが周方向に等間隔で組み付けられている請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の磁歪式トルク検出センサ。
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