JP7074127B2 - 圧延銅箔の表面処理液及び表面処理方法並びに圧延銅箔の製造方法 - Google Patents
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Description
銅板や銅箔の表面の平滑化処理を行うためには、アゾール類、ハロゲンイオン及び銀イオンを用いる方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、この方法を圧延銅箔に使用すると、結晶粒界に沿ってエッチングが進行してしまい、クレーター状のエッチングやピットの発生などが起こり、平滑化することは困難であった。
圧延銅箔は、屈曲性が優れていることが知られており、屈曲性を向上させるために、再結晶焼鈍後の立方体集合組織が発達するように結晶方位が制御されている。しかし、その均一な結晶組織の中に、局部的に異なる結晶粒方位をもつ結晶粒子が存在しており、その部分のエッチング速度が周囲のエッチング速度と異なることで、エッチング後に、圧延銅箔の表面にクレーター状のエッチングやピットが形成されると考えられている(例えば、特許文献2、3参照)。
ところで、銅箔には圧延銅箔と電解銅箔があるが、電解銅箔は、結晶粒子の大きさを小さくし、ほぼ均一に揃えてランダム配向させることにより、エッチングのばらつきを抑えられることが知られている(非特許文献1)。このように、圧延銅箔と電解銅箔とでは銅の結晶組織が異なり、それ故、エッチング特性も異なることが知られている。本発明は、これらの銅箔のうち、圧延銅箔の表面処理に適した表面処理液及び表面処理方法、さらには圧延銅箔の製造方法に関する。
過酸化水素(A):0.5~3.0質量%
フェニル尿素(D):0.005~0.3質量%
[1a] 過酸化水素(A)、硫酸(B)、アルコール(C)及びフェニル尿素(D)を含有し、過酸化水素(A)/硫酸(B)のモル比が0.3~3.0の範囲にあり、硫酸(B)の含有量が0.5~15.0質量%の範囲にあり、アルコール(C)の含有量が0.1~5.0質量%の範囲にある表面処理液を、圧延銅箔表面と接触させて圧延銅箔表面を溶解させることにより、圧延銅箔表面を処理することを含む、圧延銅箔の製造方法。
[2a] 35℃の処理条件下で測定される次式:
エッチングレート[μm/min]=(処理前の質量[g]-1分間処理後の質量[g])/(処理面積[m2]×<銅の比重>8.92[g/cm3])
で示される圧延銅箔のエッチングレート(E/R)が、0.4~4.0μm/分の範囲にある、[1a]に記載の圧延銅箔の製造方法。
[3a] 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、加速電圧5kV及び倍率1000倍の条件下で得られたSEM画像を画像処理し、圧延銅箔表面の凹凸部のコントラストを単一しきい値を47に設定し、ヒストグラムを用いて級数を20とし、標準偏差を用いて求めた前記表面処理前後の圧延銅箔の輝度が、次式:
{(処理後の銅箔の輝度)-(未処理銅箔の輝度)}/(未処理銅箔の輝度)×100%<0%
の関係を満たす、[1a]又は[2a]に記載の圧延銅箔の製造方法。
[4a] 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、加速電圧5kV及び倍率1000倍の条件下で得られたSEM画像を画像処理し、圧延銅箔表面の凹凸部のコントラストを単一しきい値を47に設定し、ヒストグラムを用いて級数を20とし、標準偏差を用いて求めた前記表面処理前後の圧延銅箔の輝度が、次式:
{(処理後の銅箔の輝度)-(未処理銅箔の輝度)}/(未処理銅箔の輝度)×100%≦-5%
の関係を満たす、[1a]又は[2a]に記載の圧延銅箔の製造方法。
[5a] 前記過酸化水素(A)、及びフェニル尿素(D)の含有量がそれぞれ下記の範囲:
過酸化水素(A):0.5~3.0質量%
フェニル尿素(D):0.005~0.3質量%
にある、[1a]から[4a]のいずれか一項に記載の圧延銅箔の製造方法。
[6a] 過酸化水素(A)/硫酸(B)のモル比が0.5~0.9の範囲にある、[1a]から[5a]のいずれか一項に記載の圧延銅箔の製造方法。
[7a] 過酸化水素(A)、硫酸(B)、アルコール(C)及びフェニル尿素(D)を含有し、過酸化水素(A)/硫酸(B)のモル比が0.3~3.0の範囲にあり、硫酸(B)の含有量が0.5~15.0質量%の範囲にあり、アルコール(C)の含有量が0.1~5.0質量%の範囲にある圧延銅箔用表面処理液を用いて、圧延銅箔表面を溶解させることを含む、圧延銅箔の表面処理方法。
[8a] 35℃の処理条件下で測定される次式:
エッチングレート[μm/min]=(処理前の質量[g]-1分間処理後の質量[g])/(処理面積[m2]×<銅の比重>8.92[g/cm3])
で示される圧延銅箔のエッチングレート0.4~4.0μm/minの速度で圧延銅箔表面を溶解させることを含む、[7a]に記載の圧延銅箔の表面処理方法。
[9a] 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、加速電圧5kV及び倍率1000倍の条件下で得られたSEM画像を画像処理し、圧延銅箔表面の凹凸部のコントラストを単一しきい値を47に設定し、ヒストグラムを用いて級数を20とし、標準偏差を用いて求めた前記表面処理前後の圧延銅箔の輝度が、次式:
{(処理後の銅箔の輝度)-(未処理銅箔の輝度)}/(未処理銅箔の輝度)×100%<0%
の関係を満たす、[7a]又は[8a]に記載の圧延銅箔の表面処理方法。
[10a] 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、加速電圧5kV及び倍率1000倍の条件下で得られたSEM画像を画像処理し、圧延銅箔表面の凹凸部のコントラストを単一しきい値を47に設定し、ヒストグラムを用いて級数を20とし、標準偏差を用いて求めた前記表面処理前後の圧延銅箔の輝度が、次式:
{(処理後の銅箔の輝度)-(未処理銅箔の輝度)}/(未処理銅箔の輝度)×100%≦-5%
の関係を満たす、[7a]又は[8a]に記載の圧延銅箔の表面処理方法。
[11a] 前記過酸化水素(A)、及びフェニル尿素(D)の含有量がそれぞれ下記の範囲:
過酸化水素(A):0.5~3.0質量%
フェニル尿素(D):0.005~0.3質量%
にある、[7a]から[10a]のいずれか一項に記載の圧延銅箔の表面処理方法。
[12a] 過酸化水素(A)/硫酸(B)のモル比が0.5~0.9の範囲にある、[7a]から[11a]のいずれか一項に記載の圧延銅箔の表面処理方法。
[13a] 過酸化水素(A)、硫酸(B)、アルコール(C)及びフェニル尿素(D)を含有し、過酸化水素(A)/硫酸(B)のモル比が0.3~3.0の範囲にあり、硫酸(B)の含有量が0.5~15.0質量%の範囲にあり、アルコール(C)の含有量が0.1~5.0質量%の範囲にある圧延銅箔用表面処理液。
[14a] 前記過酸化水素(A)、及びフェニル尿素(D)の含有量がそれぞれ下記の範囲:
過酸化水素(A):0.5~3.0質量%
フェニル尿素(D):0.005~0.3質量%
にある、[13a]に記載の圧延銅箔用表面処理液。
[15a] 過酸化水素(A)/硫酸(B)のモル比が0.5~0.9の範囲にある、[13a]又は[14a]に記載の圧延銅箔用表面処理液。
本発明の圧延銅箔の製造方法は、過酸化水素(A)、硫酸(B)、アルコール(C)及びフェニル尿素(D)を含有し、過酸化水素(A)/硫酸(B)のモル比が0.3~3.0の範囲にあり、硫酸(B)が0.5~15.0質量%の範囲にあり、アルコール(C)が0.1~5.0質量%の範囲にある表面処理液を、圧延銅箔表面と接触させて圧延銅箔表面を溶解させることにより、圧延銅箔表面を処理することを特徴としている。
本発明の好ましい態様によれば、上記の組成を有する表面処理液を圧延銅箔表面と接触させて圧延銅箔表面を溶解させることにより、結晶粒界に沿ったエッチングが起こり難く、表面の平滑性に優れた圧延銅箔を得ることができる。
本発明に用いる圧延銅箔用表面処理液は過酸化水素(A)、硫酸(B)、アルコール(C)及びフェニル尿素(D)を含有する。以下これらについて詳細に説明する。
本発明における過酸化水素(A)は銅の酸化剤として機能する成分である。
本発明で用いられる過酸化水素(A)に制限はなく、市販の過酸化水素水溶液を用いることができ、例えば三菱ガス化学株式会社製の60%工業用・電子工業用グレード品を好適に使用することができる。
表面処理液中の過酸化水素(A)の濃度は、好ましくは0.5~3.0質量%であり、更に好ましくは0.6~2.5質量%であり、特に好ましくは0.8~2.0質量%である。上記範囲に過酸化水素の濃度があるとき、良好な銅の表面状態と好適な銅の溶解速度が得られる。
また、過酸化水素(A)/硫酸(B)のモル比は、0.3~3.0であり、好ましくは、0.4~3.0であり、更に好ましくは0.5~3.0である。過酸化水素(A)/硫酸(B)のモル比は、特に好ましくは0.5~0.9である。この範囲にモル比をコントロールすることによって良好な銅の表面状態と好適な銅の溶解速度が得られる。また、圧延銅箔表面の平滑性をより優れたものとすることが出来る。
本発明における硫酸(B)は過酸化水素によって酸化された銅のエッチング剤として機能する成分である。
本発明で用いられる硫酸(B)に制限はなく、例えば和光純薬工業株式会社製の95%の特級試薬を好適に使用することができる。
表面処理液中の硫酸(B)の濃度は、0.5~15.0質量%であり、好ましくは0.6~15.0質量%であり、更に好ましくは1.0~5.0質量%である。この範囲にあることで、良好な銅の表面状態と好適な銅の溶解速度が得られる。
本発明におけるアルコール(C)は一般的なアルコールを全て包含するものであり、圧延銅箔表面の平滑性を向上させる成分である。
アルコール(C)の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール等の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価のアルコール、3価以上のアルコール、及びポリエチレングリコールなどのグリコールエーテルが挙げられる。これらの2種以上を併用することもできる。
表面処理液中のアルコール(C)の濃度は、0.1~5.0質量%であり、好ましくは0.5~5.0質量%である。この範囲にあることで圧延銅箔の平滑な表面状態を得ることが出来る。
本発明におけるフェニル尿素(D)は過酸化水素の安定性を向上させる成分である。
本発明で用いられるフェニル尿素(D)に制限は無く、例えば和光純薬工業株式会社製のフェニル尿素を好適に使用することが出来る。
表面処理液中のフェニル尿素(D)の濃度は、好ましくは、0.005~0.3質量%であり、より好ましくは、0.005~0.15質量%、更に好ましくは0.005~0.1質量%である。この範囲にあることで過酸化水素の分解を抑えることが出来る。また、フェニル尿素(D)の量比を適宜調整することで、圧延銅箔表面の平滑性をより優れたものとすることが出来る。
本発明の表面処理液は、さらに水、その他、通常用いられる各種添加剤を、本発明の効果を害しない範囲で含むことができる。
例えば、アルカリ、有機カルボン酸類、有機アミン化合物類等の公知のエッチング速度調製剤やエッチングレートを安定化するために銅イオン供給源を必要に応じ添加しても良い。
また、水としては、蒸留、イオン交換処理、フイルター処理、各種吸着処理などによって、金属イオンや有機不純物、パーテイクル粒子などが除去されたものが好ましく、純水がより好ましく、特に超純水が好ましい。
圧延銅箔用表面処理液は過酸化水素(A)、硫酸(B)、アルコール(C)、フェニル尿素(D)及び必要に応じてその他の成分を均一に攪拌することにより調製される。
本発明においては、前記表面処理液を圧延銅箔表面と接触させて圧延銅箔表面を溶解させることにより圧延銅箔表面を処理する。本発明の好ましい態様によれば、前記表面処理液を用いて圧延銅箔表面を処理することにより、圧延銅箔表面の平滑性を優れたものとすることが出来る。表面処理液を圧延銅箔表面と接触させる方法は特に制限されなく、浸漬、噴霧等の公知の方法を採用することができる。
上記のとおり、本発明の圧延銅箔用表面処理液は、浸漬、噴霧等による公知の圧延銅箔の表面処理方法に用いることができる。本発明に用いられる圧延銅箔は、一般的に知られている圧延銅箔であり、銅または銅合金のインゴットを圧延ロールによって塑性加工と熱処理を繰り返して製造された、屈曲性や高い結晶配向性を有する銅箔である。
本発明の好ましい態様によれば、得られた圧延銅箔は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、加速電圧5kV及び倍率1000倍の条件下で得られたSEM画像を画像処理し、圧延銅箔表面の凹凸部のコントラストを単一しきい値を47に設定し、ヒストグラムを用いて級数を20とし、標準偏差を用いて求めた前記表面処理前後の圧延銅箔の輝度が、次式:
{(処理後の銅箔の輝度)-(未処理銅箔の輝度)}/(未処理銅箔の輝度)×100%<0%
の関係を満たすことができ、平滑性に優れている。上記式で示される数値(%)は、より好ましくは-5%以下であり、さらに好ましくは-10%以下である。
<SEM観察>
走査型電子顕微鏡(SEM:株式会社日立ハイテクノロジーズ製 S-3400N)を用いて、加速電圧5kV、倍率1000倍の条件で圧延銅箔の表面状態を測定した。
SEM画像より、粒界エッチングされていないものを平滑化されているとした。
表面状態の評価は次のように行った。
粒界エッチングが起こっていないもの:「優」
粒界エッチングが起こっているもの :「不可」
SEM画像を解析ソフトWinROOF2013(三谷商事株式会社製)を用いて解析した。圧延銅箔表面の凹凸部のコントラストを単一しきい値を47に設定し、ヒストグラムを用いて級数を20とし、標準偏差により輝度を求めた。
輝度が低いほど平滑性が高く、輝度が高いほど平滑性が低い。未処理銅箔の輝度28.4を基準として、処理後の銅箔の平滑性を下記式に基づいて判断した。
{(処理後の銅箔の輝度)-(未処理銅箔の輝度)}/(未処理銅箔の輝度)×100%
={(処理後の銅箔の輝度)-28.4}/28.4×100%
-10%以下 :「優」
-10%未満~-5%以下:「良」
-5%未満~0%未満 :「可」
0%以上 :「不可」とした。
1分間浸漬攪拌処理を行い、以下の式に基づいて質量法にて算出した。
エッチングレート[μm/min]=(処理前の質量[g]-1分間処理後の質量[g])/(処理面積[m2]×<銅の比重>8.92[g/cm3])
過酸化水素(A)2.00g(三菱ガス化学株式会社製60%過酸化水素)、硫酸(B)8.42g(和光純薬工業株式会社製の95%の特級試薬)、アルコール(C)1.00g(和光純薬工業株式会社製ポリエチレングリコール600(PEG600)(和光一級))、フェニル尿素(D)0.06g(和光純薬工業株式会社製)、及び硫酸銅五水和物を23.60g(和光純薬工業株式会社製)を計りとり、更に総質量が200gになるように超純水を加えて、均一になるまで攪拌して圧延銅箔用表面処理液を調製した。
30mm四方に裁断した圧延銅箔HA-V2箔を、上記表面処理液を用いて攪拌速度を200rpm、液温を30度に設定し、浸漬攪拌処理にて3μmエッチング処理した。
結果を表1及び図2に示した。輝度の測定結果が未処理基板の28.4より小さく、また図2より表面がクレーター状にエッチングされていないことから良好な平滑性であることが分かる。
表1に示した組成に変更した以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表1及び図2に示した。輝度の測定結果が未処理基板の28.4より小さく、また図2より表面がクレーター状にエッチングされていないことから良好な平滑性であることが分かる。
表1に示した組成に変更した以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表1及び図3に示した。輝度の測定結果が未処理基板の28.4より小さく、また図3より表面がクレーター状にエッチングされていないことから良好な平滑性であることが分かる。
表2に示した組成に変更した以外は、実施例1と同様に実験を行った。結果を表2及び図4に示した。輝度の測定結果が未処理基板の28.4より大きいものや、また図4より表面がクレーター状にエッチングされているものがあることから良好な平滑性を得ることは出来ないことがわかる。
表3に示した組成(特許文献1の実施例)に変更した以外は、実施例1と同様に実験を行った。結果を表3及び図4に示した。図4より表面がクレーター状にエッチングされていないが、輝度の測定結果が未処理基板の28.4より大きいことから良好な平滑性を得ることは出来ないことがわかる。
Claims (12)
- 過酸化水素(A)、硫酸(B)、アルコール(C)及びフェニル尿素(D)を含有し、過酸化水素(A)/硫酸(B)のモル比が0.3~3.0の範囲にあり、過酸化水素(A)の含有量が0.5~3.0質量%の範囲にあり、硫酸(B)の含有量が0.5~15.0質量%の範囲にあり、アルコール(C)の含有量が0.1~5.0質量%の範囲にあり、フェニル尿素(D)の含有量が0.005~0.1質量%未満の範囲にある表面処理液を、圧延銅箔表面と接触させて圧延銅箔表面を溶解させることにより、圧延銅箔表面を処理することを含む、圧延銅箔の製造方法。
- 35℃の処理条件下で測定される次式:
エッチングレート[μm/min]=(処理前の質量[g]-1分間処理後の質量[g])/(処理面積[m2]×<銅の比重>8.92[g/cm3])
で示される圧延銅箔のエッチングレート(E/R)が、0.4~4.0μm/分の範囲にある、請求項1に記載の圧延銅箔の製造方法。 - 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、加速電圧5kV及び倍率1000倍の条件下で得られたSEM画像を画像処理し、圧延銅箔表面の凹凸部のコントラストを単一しきい値を47に設定し、ヒストグラムを用いて級数を20とし、標準偏差を用いて求めた前記表面処理前後の圧延銅箔の輝度が、次式:
{(処理後の銅箔の輝度)-(未処理銅箔の輝度)}/(未処理銅箔の輝度)×100%<0%
の関係を満たす、請求項1又は2に記載の圧延銅箔の製造方法。 - 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、加速電圧5kV及び倍率1000倍の条件下で得られたSEM画像を画像処理し、圧延銅箔表面の凹凸部のコントラストを単一しきい値を47に設定し、ヒストグラムを用いて級数を20とし、標準偏差を用いて求めた前記表面処理前後の圧延銅箔の輝度が、次式:
{(処理後の銅箔の輝度)-(未処理銅箔の輝度)}/(未処理銅箔の輝度)×100%≦-5%
の関係を満たす、請求項1又は2に記載の圧延銅箔の製造方法。 - 過酸化水素(A)/硫酸(B)のモル比が0.5~0.9の範囲にある、請求項1から4のいずれか一項に記載の圧延銅箔の製造方法。
- 過酸化水素(A)、硫酸(B)、アルコール(C)及びフェニル尿素(D)を含有し、過酸化水素(A)/硫酸(B)のモル比が0.3~3.0の範囲にあり、過酸化水素(A)の含有量が0.5~3.0質量%の範囲にあり、硫酸(B)の含有量が0.5~15.0質量%の範囲にあり、アルコール(C)の含有量が0.1~5.0質量%の範囲にあり、フェニル尿素(D)の含有量が0.005~0.1質量%未満の範囲にある圧延銅箔用表面処理液を用いて、圧延銅箔表面を溶解させることを含む、圧延銅箔の表面処理方法。
- 35℃の処理条件下で測定される次式:
エッチングレート[μm/min]=(処理前の質量[g]-1分間処理後の質量[g])/(処理面積[m2]×<銅の比重>8.92[g/cm3])
で示される圧延銅箔のエッチングレート0.4~4.0μm/minの速度で圧延銅箔表面を溶解させることを含む、請求項6に記載の圧延銅箔の表面処理方法。 - 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、加速電圧5kV及び倍率1000倍の条件下で得られたSEM画像を画像処理し、圧延銅箔表面の凹凸部のコントラストを単一しきい値を47に設定し、ヒストグラムを用いて級数を20とし、標準偏差を用いて求めた前記表面処理前後の圧延銅箔の輝度が、次式:
{(処理後の銅箔の輝度)-(未処理銅箔の輝度)}/(未処理銅箔の輝度)×100%<0%
の関係を満たす、請求項6又は7に記載の圧延銅箔の表面処理方法。 - 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、加速電圧5kV及び倍率1000倍の条件下で得られたSEM画像を画像処理し、圧延銅箔表面の凹凸部のコントラストを単一しきい値を47に設定し、ヒストグラムを用いて級数を20とし、標準偏差を用いて求めた前記表面処理前後の圧延銅箔の輝度が、次式:
{(処理後の銅箔の輝度)-(未処理銅箔の輝度)}/(未処理銅箔の輝度)×100%≦-5%
の関係を満たす、請求項6又は7に記載の圧延銅箔の表面処理方法。 - 過酸化水素(A)/硫酸(B)のモル比が0.5~0.9の範囲にある、請求項6から9のいずれか一項に記載の圧延銅箔の表面処理方法。
- 過酸化水素(A)、硫酸(B)、アルコール(C)及びフェニル尿素(D)を含有し、過酸化水素(A)/硫酸(B)のモル比が0.3~3.0の範囲にあり、過酸化水素(A)の含有量が0.5~3.0質量%の範囲にあり、硫酸(B)の含有量が0.5~15.0質量%の範囲にあり、アルコール(C)の含有量が0.1~5.0質量%の範囲にあり、フェニル尿素(D)の含有量が0.005~0.1質量%未満の範囲にある、圧延銅箔用表面処理液。
- 過酸化水素(A)/硫酸(B)のモル比が0.5~0.9の範囲にある、請求項11に記載の圧延銅箔用表面処理液。
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