JP6424559B2 - エッチング用組成物及びそれを用いたプリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
<1> セミアディティブ工法によるプリント配線板製造用化学銅メッキのエッチング用組成物であって、過酸化水素0.2〜5質量%、硫酸0.5〜10質量%、フェニル尿素0.001〜0.3質量%、ハロゲンイオン0.1〜3質量ppm、およびテトラゾール類0.003〜0.3質量%を含有し、かつ、液温30℃における電気銅メッキの溶解速度(X)に対する化学銅メッキの溶解速度(Y)の比(Y/X)が4〜7であることを特徴とするエッチング用組成物である。
<2> 前記テトラゾール類が、1−メチルテトラゾール、1−メチル−5−エチルテトラゾール、1−エチル−5−メチルテトラゾール、1,5−ジメチルテトラゾール、および1,5−ジエチルテトラゾールからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする上記<1>に記載のエッチング用組成物である。
<3> 過酸化水素0.4〜2.5質量%、硫酸0.8〜6.0質量%、フェニル尿素0.005〜0.15質量%、ハロゲンイオン0.3〜2.5質量ppm、およびテトラゾール類0.005〜0.02質量%を含有する上記<1>または<2>に記載のエッチング用組成物である。
<4> 液温30℃における電気銅メッキの溶解速度(X)が0.1〜0.8μm/分であり、液温30℃における化学銅メッキの溶解速度(Y)が1.5〜2.8μm/分である上記<1>から<3>のいずれかに記載のエッチング用組成物である。
<5> 過酸化水素0.2〜5質量%、硫酸0.5〜10質量%、フェニル尿素0.001〜0.3質量%、ハロゲンイオン0.1〜3質量ppm、およびテトラゾール類0.003〜0.3質量%を含有し、かつ、液温30℃における電気銅メッキの溶解速度(X)に対する化学銅メッキの溶解速度(Y)の比(Y/X)が4〜7であるエッチング用組成物を用いて、化学銅メッキをエッチング除去することを特徴とするプリント配線板の製造方法である。
<6> 前記テトラゾール類が、1−メチルテトラゾール、1−メチル−5−エチルテトラゾール、1−エチル−5−メチルテトラゾール、1,5−ジメチルテトラゾール、および1,5−ジエチルテトラゾールからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする上記<5>に記載のプリント配線板の製造方法である。
<7> 前記エッチング用組成物が、過酸化水素0.4〜2.5質量%、硫酸0.8〜6.0質量%、フェニル尿素0.005〜0.15質量%、ハロゲンイオン0.3〜2.5質量ppm、およびテトラゾール類0.005〜0.02質量%を含有する上記<5>または<6>に記載のプリント配線板の製造方法である。
<8> 液温30℃における電気銅メッキの溶解速度(X)が0.1〜0.8μm/分であり、液温30℃における化学銅メッキの溶解速度(Y)が1.5〜2.8μm/分である上記<5>から<7>のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法である。
過酸化水素の濃度は、0.2〜5.0質量%であり、好ましくは0.3〜3.0質量%であり、更に好ましくは0.4〜2.5質量%であり、特に好ましくは0.5〜2.0質量%である。更に、本発明は、過酸化水素の濃度が1.0〜2.0質量%である態様も特に好ましい。過酸化水素の濃度が0.2〜5.0質量%であるとき、良好な銅の溶解速度が得られ、経済的にも優れる。
・銅溶解量測定方法;以下の式により質量法にて算出した。
溶解量=(処理前質量−処理後質量)/(処理面積×8.96)
・配線幅および配線幅減少量測定
レーザー顕微鏡 オリンパス株式会社製OLS−1100を使用した。
・アンダーカット測定
走査型電子顕微鏡 株式会社日立ハイテクフィールディング製S−3400Nを使用した。
化学銅メッキ基板(寸法15cm×15cm、メッキ厚1.5μm)、及び電気銅メッキ基板(寸法15cm×15cm、メッキ厚10μm)のそれぞれを、過酸化水素1質量%、硫酸4質量%、フェニル尿素0.01質量%、塩化物イオン1質量ppm、及び1−メチルテトラゾール0.01質量%で調製されたエッチング液を用いて、液温30℃、スプレー圧0.1MPaで20秒間スプレー処理して、処理前後の基板の質量差より銅溶解量を算出して、単位時間あたりの銅溶解速度を算出した。更に、化学銅メッキ溶解速度(Y)と電気銅メッキ溶解速度(X)との速度比(Y/X)を算出した。その結果、速度比(Y/X)は5.7であった。
エッチング液が、過酸化水素1.5質量%、硫酸4.5質量%、フェニル尿素0.02質量%、臭素イオン2質量ppm、及び1−メチル−5−エチルテトラゾール0.01質量%で調製された以外は、実施例1と同様に行った。その結果、速度比(Y/X)は5.0であった。
エッチング液が、過酸化水素2質量%、硫酸5質量%、フェニル尿素0.005質量%、塩化物イオン0.5質量ppm、及び1,5−ジメチルテトラゾール0.02質量%で調製された以外は、実施例1と同様に行った。その結果、速度比(Y/X)は5.0であった。
エッチング液が、過酸化水素0.8質量%、硫酸4質量%、5-アミノテトラゾール0.005質量%、及び臭素イオン3質量ppmで調製された以外は、実施例1と同様に行った。その結果、速度比(Y/X)は2.8であった。
エッチング液が、過酸化水素2質量%、硫酸10質量%、及び1−(1',2'−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール0.05質量%で調製された以外は、実施例1と同様に行った。その結果、速度比(Y/X)は7.3であった。
エッチング液が、過酸化水素2質量%、硫酸9質量%、ベンゾトリアゾール0.025質量%、1H−1、2、3−トリアゾール0.1質量%、及びフェノールスルホン酸ナトリウム・1水和物0.1質量%で調製された以外は、実施例1と同様に行った。その結果、速度比(Y/X)は2.3であった。
エッチング液が、過酸化水素2.5質量%、硫酸10質量%、5−アミノテトラゾール0.05質量%、及びフェニル尿素0.05質量%で調製された以外は、実施例1と同様に行った。その結果、速度比(Y/X)は2.0であった。
エッチング液が、過酸化水素2質量%、硫酸9質量%、5−アミノテトラゾール0.3質量%、銀イオン0.2質量ppm、及び塩化物イオン0.2質量ppmで調製された以外は、実施例1と同様に行った。その結果、速度比(Y/X)は2.2であった。
エッチング液が、過酸化水素1.5質量%、硫酸5質量%、ベンゾトリアゾール0.3質量%、及び塩化物イオン5質量ppmで調製された以外は、実施例1と同様に行った。その結果、速度比(Y/X)は2.3であった。
エポキシ樹脂絶縁基材上に化学銅メッキ0.5μmを形成した基板(寸法15cm×15cm)にドライフィルムをラミネートして露光、現像してレジストパターンを形成した。開口部に厚み18μmの電気銅メッキを施し、その後アミン系レジスト剥離液(三菱ガス化学製製品名:R−100S)にてドライフィルムレジストを剥離し、テスト基板を作製した。電気銅メッキで形成された配線部の幅をレーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製OLS−1100)にて5点測定した結果の平均値は9.8μmであった(図1)。次に、過酸化水素1質量%、硫酸4質量%、フェニル尿素0.01質量%、塩化物イオン1質量ppm、及び1-メチルテトラゾール0.01質量%で調製されたエッチング液(実施例1組成)で液温30℃、スプレー圧0.1MPaでスプレー処理して化学銅メッキ層(厚み0.5μm)を完全に溶解除去した。溶解除去に要した時間は50秒であった。化学銅メッキ層の溶解除去の確認は、金属顕微鏡(オリンパス株式会社製MX61L)を使用した。電気銅メッキで形成された配線部の幅をレーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製OLS−1100)にて5点測定した結果の平均値は9.5μmであって、配線幅減少量の平均値は0.3μmであった。イオンミリング装置(株式会社日立ハイテクフィールディング製 ION MILLING SYSTEM E−3500)を使用して配線を切断して配線断面を走査型電子顕微鏡で観察してアンダーカットを測定した結果、アンダーカットの発生は無かった(図2)。
エッチング液が、過酸化水素1.5質量%、硫酸4.5質量%、フェニル尿素0.02質量%、臭素イオン2質量ppm、及び1−メチル−5-エチルテトラゾール0.01質量%で調製された以外は、実施例4と同様に行った。その結果、配線幅減少量の平均値は0.4μmで、アンダーカットの発生は無かった。
エッチング液が、過酸化水素2質量%、硫酸5質量%、フェニル尿素0.005質量%、塩化物イオン0.5質量ppm、及び1,5−ジメチルテトラゾール0.02質量%で調製された以外は、実施例4と同様に行った。その結果、配線幅減少量の平均値は0.4μmで、アンダーカットの発生は無かった。
エッチング液が、過酸化水素0.8質量%、硫酸4質量%、5−アミノテトラゾール0.005質量%、及び臭素イオン3質量ppmで調製された以外は、実施例4と同様に行った。その結果、配線幅減少量の平均値は1.4μm、アンダーカット量は1.2μmであった(図3)。
エッチング液が、過酸化水素2質量%、硫酸10質量%、及び1−(1',2'−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール0.05質量%で調製された以外は、実施例4と同様に行った。その結果、配線幅減少量の平均値は0.8μm、アンダーカット量は1μmであった。
エッチング液が、過酸化水素2質量%、硫酸9質量%、ベンゾトリアゾール0.025質量%、1H-1,2,3-トリアゾール0.1質量%、及びフェノールスルホン酸ナトリウム・1水和物0.1質量%で調製された以外は、実施例4と同様に行った。その結果、配線幅減少量の平均値は1.5μm、アンダーカット量は0.6μmであった。
エッチング液が、過酸化水素2.5質量%、硫酸10質量%、5−アミノテトラゾール0.05質量%、及びフェニル尿素0.05質量%で調製された以外は、実施例4と同様に行った。その結果、配線幅減少量の平均値は1.5μm、アンダーカット量は0.7μmであった。
エッチング液が、過酸化水素2質量%、硫酸9質量%、5−アミノテトラゾール0.3質量%、銀イオン0.2質量ppm、及び塩化物イオン0.2質量ppmで調製された以外は、実施例4と同様に行った。その結果、配線幅減少量の平均値は1.3μm、アンダーカット量は0.8μmであった。
エッチング液が、過酸化水素1.5質量%、硫酸5質量%、ベンゾトリアゾール0.3質量%、及び塩化物イオン5質量ppmで調製された以外は、実施例4と同様に行った。その結果、配線幅減少量の平均値は1.0μm、アンダーカット量は0.6μmであった。
Claims (8)
- セミアディティブ工法によるプリント配線板製造用化学銅メッキのエッチング用組成物であって、過酸化水素0.2〜5質量%、硫酸0.5〜10質量%、フェニル尿素0.001〜0.3質量%、ハロゲンイオン0.1〜3質量ppm、およびテトラゾール類0.003〜0.3質量%を含有し、かつ、液温30℃における電気銅メッキの溶解速度(X)に対する化学銅メッキの溶解速度(Y)の比(Y/X)が4〜7であることを特徴とするエッチング用組成物。
- 前記テトラゾール類が、1−メチルテトラゾール、1−メチル−5−エチルテトラゾール、1−エチル−5−メチルテトラゾール、1,5−ジメチルテトラゾール、および1,5−ジエチルテトラゾールからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のエッチング用組成物。
- 過酸化水素0.4〜2.5質量%、硫酸0.8〜6.0質量%、フェニル尿素0.005〜0.15質量%、ハロゲンイオン0.3〜2.5質量ppm、およびテトラゾール類0.005〜0.02質量%を含有する請求項1または2に記載のエッチング用組成物。
- 液温30℃における電気銅メッキの溶解速度(X)が0.1〜0.8μm/分であり、液温30℃における化学銅メッキの溶解速度(Y)が1.5〜2.8μm/分である請求項1から3のいずれかに記載のエッチング用組成物。
- 過酸化水素0.2〜5質量%、硫酸0.5〜10質量%、フェニル尿素0.001〜0.3質量%、ハロゲンイオン0.1〜3質量ppm、およびテトラゾール類0.003〜0.3質量%を含有し、かつ、液温30℃における電気銅メッキの溶解速度(X)に対する化学銅メッキの溶解速度(Y)の比(Y/X)が4〜7であるエッチング用組成物を用いて、化学銅メッキをエッチング除去することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
- 前記テトラゾール類が、1−メチルテトラゾール、1−メチル−5−エチルテトラゾール、1−エチル−5−メチルテトラゾール、1,5−ジメチルテトラゾール、および1,5−ジエチルテトラゾールからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項5に記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記エッチング用組成物が、過酸化水素0.4〜2.5質量%、硫酸0.8〜6.0質量%、フェニル尿素0.005〜0.15質量%、ハロゲンイオン0.3〜2.5質量ppm、およびテトラゾール類0.005〜0.02質量%を含有する請求項5または6に記載のプリント配線板の製造方法。
- 液温30℃における電気銅メッキの溶解速度(X)が0.1〜0.8μm/分であり、液温30℃における化学銅メッキの溶解速度(Y)が1.5〜2.8μm/分である請求項5から7のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
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