JP7073833B2 - 電子時計 - Google Patents
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Description
特許文献1の電子時計では、位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する平面アンテナと、指針を駆動する複数のモーターと、二次電池とが平面視で重ならないように配置することで、電子時計を薄型化していた。
本発明の目的は、薄型化でき、受信性能の低下や太陽電池パネルの変形も抑制できる電子時計を提供することにある。
さらに、第一の導電部材と、第二の導電部材とは、間隔をあけて配置しているので、各導電部材が隣接して配置される場合に比べて、平面アンテナに対する影響を分散でき、平面アンテナの特性のバラツキを減少でき、全方向から受信をし易くできる。
その上、各導電部材は間隔をあけて配置しているので、導電部材をコイルバネで構成した場合に、コイルバネから太陽電池に加わる負荷を分散でき、太陽電池の変形等を抑制できる。
本発明によれば、平面アンテナに対して金属製の二次電池を離して配置でき、二次電池による平面アンテナへの影響を少なくでき、受信性能の低下をさらに防止できる。
本発明によれば、平面アンテナに対して各導電部材を離して配置でき、各導電部材同士も離して配置できる。したがって、平面アンテナの受信性能の低下を防止でき、太陽電池への負荷を分散できる。
本発明によれば、平面アンテナの給電部と、受信アンテナ用の受信ICとを、同じ第一領域に配置できるので、給電部と受信ICとを接続する配線を短くでき、ノイズの影響を減少できる。特に、給電部と受信ICとが同じ領域に配置されているので、配線を直線状に配置することも容易になり、ノイズの影響を最小限にできる。
パッチアンテナは、平板型のアンテナであり、単一の指向性を持ち、指向性が狭いことで知られているが、パッチアンテナが実装される回路基板は、グランド板の機能を有するので、外部から入射する無線電波を回路基板上で反射させてアンテナに導くことができる。そのため、アンテナは、アンテナに直接的に入射する無線電波のみならず、回路基板で反射されて間接的に入射する無線電波も受信できる。従って、パッチアンテナを用いれば、アンテナの受信性能をより向上できる。
8個のソーラーセルを直列に接続すれば、約4.8V以上の起電圧が得られる。したがって、起電圧が大きなリチウムイオン二次電池を充電でき、平面アンテナや受信ICを備えるGPS受信装置(GPSモジュール)などの消費電流の大きなデバイスを内蔵できる。
太陽電池パネルの電極端子は、導通部材が裏側に配置されるため、他の箇所に比べて黒く目立ってしまう場合がある。この場合でも、見切り部材で電極端子部分を隠すことができるため、高品位の電子時計を容易に実現できる。
以下、本発明に係る第1実施形態の電子時計1を図面に基づいて説明する。本実施形態では、電子時計1のカバーガラス31側を表面側(上側)とし、裏蓋12側を裏面側(下側)として説明する。
本実施形態の電子時計1は、後述するように、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星や準天頂衛星などの位置情報衛星Sからの衛星信号を受信して衛星時刻情報を取得し、内部時刻情報を修正できるように構成されている。さらに、電子時計1は、衛星信号の受信処理として、ユーザーがボタンを操作することで受信を開始する手動受信機能に加えて、所定の条件に該当した際に自動的に受信を開始する自動受信機能を備えている。
文字板2は、3つの小窓(サブダイヤル)を有する。すなわち、図2に示すように、文字板2の指針軸3Aが設けられた平面中心に対して、2時方向に円形の第1小窓770と指針771が設けられ、10時方向に円形の第2小窓780と指針781が設けられ、6時方向に円形の第3小窓790と指針791が設けられている。
また、文字板2の平面中心に対して、4時方向に矩形の日窓2Bが設けられている。図3にも示すように、文字板2の裏面側には日車5が配置され、日車5は日窓2Bから視認可能となっている。さらに、文字板2には、指針軸3Aが挿通される貫通孔2Cと、指針771、781、791の指針軸が挿通される貫通孔も形成されている。
これらの秒針3B、分針3C、時針3D、指針771、781、791および日車5は、後述するステップモーターおよび輪列を介して駆動される。
図2および図3に示すように、電子時計1は、後述するムーブメント20等を収容する外装ケース10を備える。なお、図3は、文字板2の6時位置および12時位置を結ぶIII-III線に沿った断面図である。
外装ケース10は、ケース本体11と、裏蓋12と、カバーガラス31を備える。ケース本体11は、円筒状の胴111と、胴111の表面側に設けられたベゼル112とを備える。
ケース本体11の裏面側には、ケース本体11の裏面側の開口を塞ぐ円板状の裏蓋12が設けられている。裏蓋12は、ケース本体11の胴111にねじ構造により接続される。なお、本実施形態では、胴111と裏蓋12とは、別体で構成されているが、これに限らず、胴111および裏蓋12が一体化されたワンピースケースでもよい。
胴111、ベゼル112、裏蓋12には、SUS(ステンレス鋼)、チタン合金、アルミ、BS(真鍮)などの金属材料が利用される。
次に、電子時計1の外装ケース10に内蔵される内部構造について説明する。
図3に示すように、外装ケース10内には、文字板2の他、ムーブメント20、平面アンテナ(パッチアンテナ)40、日車5、ダイヤルリング32等が収容される。
地板21は、プラスチック等の非導電性部材にて形成されている。地板21は、駆動体22を収容する駆動体収容部21Aと、日車5が配置される日車配置部21Bと、平面アンテナ40を収容するアンテナ収容部21Cとを備える。
駆動体収容部21Aおよびアンテナ収容部21Cは、地板21の裏面側に設けられている。アンテナ収容部21Cは、平面位置が文字板2の12時位置であるため、図2に示すように、平面アンテナ40は12時位置に配置されている。具体的には、平面アンテナ40は、指針3の指針軸3Aとケース本体11との間であり、かつ、文字板2の略11時位置から略1時位置の範囲に配置されている。すなわち、平面アンテナ40の中心位置は、外装ケース10の平面中心(文字板2の中心)に対して11時方向から1時方向までの60度の角度範囲内に配置されている。
さらに、駆動体22は、指針771を駆動する第4ステップモーター224および第4輪列(図示略)と、指針781を駆動する第5ステップモーター225および第5輪列(図示略)とを有する。
近年、スマートフォンなどの携帯端末用のケースに、高性能な磁石が多く使われるようになり、腕時計にも耐磁性が求められている。このため、外部磁界を迂回させて、ステップモーター221~225の誤動作を防止するために、図3に示すように、純鉄などの高透磁率材からなる第1耐磁板91および第2耐磁板92が、平面的にステップモーター221~225と重なる位置に配置されている。なお、各ステップモーター221~225は、コアに巻回されたコイルと、ステーターと、ローターとを備える。これらのうち、コイル部分は外部磁界の影響を受けにくいので、耐磁板91、92とは必ずしも平面的に重ならなくてもよい。従って、耐磁板91、92は、ステップモーター221~225の少なくとも一部に平面的に重なり、特に、ステーターやローターと平面的に重なることが好ましい。
第1耐磁板91は、図3に示すように、地板21および日車5の時計表面側(カバーガラス31側)であり、太陽電池パネル25の裏面側に配置されている。この耐磁板91は、ステップモーター221~225の表面(文字板2側の面)をほぼ覆うように配置される。
第1耐磁板91には、日窓2Bに対応する位置に形成されて日車5を視認可能にするための開口部や、指針軸3A、4B,4C,4Dが配置される開口部が形成されている。
第1耐磁板91において、前記平面アンテナ40と平面視で重なる領域は切り欠かれて切欠部912とされている。このため、耐磁板91は、平面アンテナ40の表面側には配置されず、平面アンテナ40は、耐磁板91の切欠部912を通して電波を受信できる。
第一領域105は、図4において左上、つまり文字板2の9時から12時の範囲であり、第二領域106は、図4において右上、つまり文字板2の12時から3時の範囲である。第三領域107は、図4において右下、つまり文字板2の3時から6時の範囲であり、第四領域108は、図4において左下、つまり文字板2の6時から9時の範囲である。
第2耐磁板92は、平面アンテナ40と干渉しないように、切欠部922が形成され、平面視で平面アンテナ40と重ならないように形成されている。このため、第2耐磁板92は、第二領域106においては、平面アンテナ40と重ならない部分を覆う形状とされ、第三領域107から第四領域108までは略半円状に形成されている。したがって、第2耐磁板92は、切欠部922によって第一領域105は被覆していない。
この第一領域105には、後述するように、平面アンテナ40の給電部44と、受信部(受信IC)50とが配置されている。一方、第一領域105には、ステップモーター221~225、水晶振動子63は、配置されていない。
第2耐磁板92には、各ステップモーター221~224のコイルが配置される開口部と、二次電池24が配置される略円形の切欠部が形成されている。
また、第二直線102で仮想的に2つの領域(第一領域105および第二領域106と、第三領域107および第四領域108)に分けた場合、平面アンテナ40と二次電池24とは、異なる領域に配置されている。従って、本実施形態では、第二直線102が文字板2の平面領域を2つの領域に分ける仮想直線である。また、第一直線101が第一仮想直線であり、第二直線102が第二仮想直線である。
本実施形態の電子時計1は、図3に示す時計駆動制御用の第1回路基板723(図5では不図示)と、図3、5に示すGPS受信用の第2回路基板724との2枚の回路基板が配置されている。
第1回路基板723は、地板21と第2耐磁板92との間に配置され、各ステップモーター221~225のコイルに導通する配線などが設けられ、コネクター751を介して第2回路基板724に接続されている。
第2回路基板724は、第2耐磁板92の裏面にスペーサー750(図5では不図示)を介して配置されている。第2回路基板724は、図5にも示すように、平面略円形に形成され、かつ、二次電池24が配置される略円形の切欠部731が形成されている。この切欠部731に二次電池24を配置することで、電子時計1を薄型化できる。第2回路基板724の表面側には、平面アンテナ(パッチアンテナ)40と、GPS衛星Sから受信した衛星信号を処理する受信部50(受信素子、受信用IC、GPSモジュール)と、電源用IC75と、メモリー用IC76、チップ素子761、水晶振動子63などが実装されている。メモリー用IC76は、フラッシュメモリーで構成され、GPS受信用のファームウェアのプログラムや、測位受信処理において算出した位置情報からタイムゾーンを判別するためのタイムゾーンデータが記憶されている。
回路押え板725には、裏蓋12に導通するための裏蓋導通バネ725Aが一体に形成されている。この裏蓋導通バネ725Aは、回路押え板725において複数形成されている。
二次電池24は、図5に示すように、平面円形に形成されたボタン型のリチウムイオン電池であり、駆動体22、受信部50等に電力を供給する。二次電池24は、第2回路基板724の切欠部731に設けられ、平面視において、平面アンテナ40、受信部50、電源用IC75と重ならない位置、具体的には、文字板2の平面中心に対して8時方向に配置されている。
二次電池24の裏蓋側には、電池端子板(図示略)が配置され、電池端子板は第2回路基板724に導通されている。
本発明の太陽電池である太陽電池パネル25は、電極部として表面電極や裏面電極を有する。表面電極は、光を通すためにITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極で形成されている。また、樹脂フィルムで構成されたベース上に、発電層としてアモルファスシリコン半導体の薄膜が形成されている。
GPS衛星信号の周波数は、約1.5GHzであり、高周波である。高周波は、電波時計で受信する長波の標準電波と異なり、ソーラーパネルの薄い透明電極でも電波は減衰し、アンテナ特性が低下する。このため、図5に示すように、円板状に形成された太陽電池パネル25は、平面アンテナ40と平面視で重なる部分に切欠部251が形成されている。太陽電池パネル25は、地板21の表面側に配置され、平面アンテナ40の表面側には配置されていない。したがって、平面アンテナ40は、太陽電池パネル25の切欠部251を通して電波を受信できる。
なお、太陽電池パネル25には、文字板2の日窓2Bと平面的に重なる開口252や、指針軸3A,4B~4Dが挿通される孔253,257,258,259が形成されている。
したがって、太陽電池パネル25で発電した電流は、図5および図8にも示すように、電極端子271、272、導通バネ281、282、充電用端子741、742を介して二次電池24に充電される。
ここで、本実施形態においては、ソーラーセル261、268の中心角は約40度である。このため、電極端子271、272の離間距離を、電極端子271と、太陽電池パネル25の平面中心、つまり指針軸3Aが配置される孔253と、電極端子272とを結ぶ中心角で表すと、前記中心角は、例えば、40度以上、80度以下に設定することが好ましい。図6の例では、前記中心角は約55度とされている。
この際、太陽電池パネル25の電極端子271、272は、係合フック291の近傍に配置されている。これにより、導通バネ281、282によって電極端子271、272を付勢する力が加わっても、その力を太陽電池パネル押さえ29の係合フック291で支持でき、導通バネ281、282による太陽電池パネル25の変形を抑制できる。
地板21の日車配置部21Bには、リング状に形成され、表面に日付が表示されたカレンダー車である日車5が配置される。日車5は、プラスチック等の非導電性部材により形成されている。ここで、日車5は、平面視において、平面アンテナ40の少なくとも一部と重なっている。なお、カレンダー車は、日車5に限らず、曜日を表示する曜車や、月を表示する月車などでもよい。
地板21の表面側には、太陽電池パネル25および日車5の表面側を覆って、文字板2が配置される。文字板2は、非導電性を有し、かつ、少なくとも一部の光を透過させる透光性を有するプラスチックなどの材料で形成されている。
ここで、平面視において平面アンテナ40と重なる文字板2の表面に、略字等を設けることができる。この場合、平面アンテナ40の受信性能を向上させるため、略字等の文字板2の表面に設けられるパーツは、金属製ではなく、プラスチック等の非導電性部材にて形成されることが好ましい。一方、平面アンテナ40と平面的に重ならない第3小窓790や略字は、金属パーツを用いることができる。
また、文字板2は、透光性を有する。そのため、ユーザーが時計の表面側から見ると、文字板2の裏面側に配置された太陽電池パネル25が透けて見える。このため、太陽電池パネル25が配置されている領域と配置されていない領域とで、文字板2の色が違って見える。この色の違いが目立たないように、文字板2はデザイン的なアクセントを有してもよい。
さらに、太陽電池パネル25に切欠部251を形成したことで、切欠部251に重なる部分の文字板2の色調が他の部分と違って見えることがある。それを防止するために太陽電池パネル25と同色(例えば紺色や紫色)のプラスチックシートを太陽電池パネル25の下に重ねてもよいし、太陽電池パネル25全体を切り欠かずに、電波遮蔽する電極層を平面アンテナ40と平面的に重なる部分のみ取り除いて、基材となる樹脂フィルム層を残して色調を合わせてもよい。
文字板2の表面側には、非導電性部材である合成樹脂(例えばABS樹脂)にて形成されたリング部材であるダイヤルリング32が設けられる。ダイヤルリング32は、文字板2の周囲に沿って配置され、内周面が傾斜面(円錐面)とされ、この傾斜面には時字マークやワールドタイムの時差などの目盛が印刷されている。ダイヤルリング32をプラスチックで成形すれば、電子時計1は受信性能も確保でき、かつ、ダイヤルリング32は複雑な形状で形成され得て意匠性を向上できる。
ダイヤルリング32は、図3に示すように、文字板2および太陽電池パネル25の外周縁を覆う位置に配置されている。このため、太陽電池パネル25の電極端子271、272、接続部275と、導通バネ281、282は、ダイヤルリング32と平面視で重なる位置に配置され、ダイヤルリング32の内周側に露出しないようにされている。したがって、ダイヤルリング32は、本発明の見切り部材の一例である。
地板21のアンテナ収容部21Cには、パッチアンテナ(マイクロストリップアンテナ)である平面アンテナ40が配置される。平面アンテナ40は、GPS衛星Sからの衛星信号を受信するものである。
平面アンテナ40は、平面視において、ケース本体11(胴111およびベゼル112)、太陽電池パネル25、耐磁板91,92とは重ならずに、非導電性部材にて形成された日車5、文字板2、カバーガラス31と重なっている。すなわち、電子時計1では、平面アンテナ40の時計表面側において、平面視で平面アンテナ40と重なる部品はすべて非導電性部材にて形成されている。
このため、時計表面側から伝播されてくる衛星信号は、カバーガラス31を透過した後、ケース本体11、耐磁板91、92、太陽電池パネル25によって遮られることなく、文字板2、日車5、地板21を透過して平面アンテナ40に入射する。なお、秒針3B、分針3C、時針3D、指針771、指針781は平面アンテナ40と重なる面積が小さいことから、金属製であっても衛星信号の受信に支障ないが、非導電性部材であれば衛星信号が遮断される影響をより回避できる点で好ましい。
平面アンテナ40は、図9に示すように、誘電体基材41にアンテナ電極部42と、GND電極43と、給電部44とを積層した面実装型のパッチアンテナである。給電部44は、平面アンテナ40の底面に配置された給電電極441を備えている。なお、給電部44は、給電電極441と、平面アンテナ40の側面に給電電極441から連続して設けられた側面電極とを備えた帯状のストリップ電極でもよい。
パッチアンテナが方形の場合は、アンテナ電極部42の一辺が半波長で共振し、円形の場合は直径が約0.58波長で共振する。しかし、平面アンテナ40は誘電体基材41を備えているので、誘電体の波長短縮効果により平面アンテナ40を小形化できる。
誘電体基材41の表面411には、アンテナ電極部(放射電極部)42が形成されている。
アンテナ電極部42は、平面視で矩形状に形成され、一対の対角部分には、円偏波を受信するために縮退分離素子部45が形成されている。縮退分離素子部45は、アンテナ電極部42で発生する直交する2つの偏波のバランスをずらすものであり、切り欠きや突出部等であれば良い。本実施形態では、アンテナ電極部42の角部を切り欠くことで縮退分離素子部45を構成している。
GND電極43は、誘電体基材41の裏面412において、給電電極441と絶縁され、かつ、給電電極441以外を覆うベタ電極である。
図4に示すように、平面アンテナ40の中心Oに対して第1角度範囲および第2角度範囲を仮想的に設定する。
第1角度範囲は、平面アンテナ40の中心Oに対する方向を、文字板2(ムーブメント20)の中心に対する目盛の方向に対応させた場合に、1.5時方向から4.5時方向までの角度範囲である。1.5時方向とは、文字板2の中心を通る第一直線101、第二直線102に対して45度の角度方向であるため、図4において平面アンテナ40の中心Oから第2側面413Bおよび第3側面413Cが交差する角部に向かう仮想線471の方向である。同様に、4.5時方向とは、平面アンテナ40の中心Oから第2側面413Bおよび第4側面413Dが交差する角部に向かう仮想線472の方向である。
第2角度範囲は、平面アンテナ40の中心Oに対する方向を、文字板2(ムーブメント20)の中心に対する目盛の方向に対応させた場合に、7.5時方向から10.5時方向までの角度範囲である。7.5時方向とは、図4において平面アンテナ40の中心Oから第1側面413Aおよび第4側面413Dが交差する角部に向かう仮想線473の方向である。10.5時方向とは、平面アンテナ40の中心Oから第1側面413Aおよび第3側面413Cが交差する角部に向かう仮想線474の方向である。
なお、第1角度範囲および第2角度範囲は、以下のように説明することもできる。文字板2に平行であって、平面アンテナ40の上面(表面)411を含む平面Aを考える。当該平面Aにおいて、平面アンテナ40の平面中心Oを原点とし、外装ケース10に接続される第1バンド15、第2バンド16の長手方向に平行であり、前記原点から第1バンド15に向かう直線を基準線470とする。基準線470は、中心Oを原点とし、第一直線101に重なる直線である。第1角度範囲は、原点を回転中心として基準線470から時計回りに45度から135度までの範囲である。第2角度範囲は、原点を回転中心として基準線470から反時計回りに45度から135度までの範囲である。本実施形態では、給電部44は、基準線470に対して反時計回りに90度の位置に配置されている。
誘電体基材41の表面411には、アンテナの周波数、受信する信号の偏波を決めるアンテナ電極部42をGND電極43と同様な方法で構成する。アンテナ電極部42は、誘電体基材41の表面よりも一回り小さく形成され、誘電体基材41の表面においてアンテナ電極部42の周囲には、アンテナ電極部42が積層されておらず誘電体基材41が露出する露出面が設けられる。
誘電体基材41の裏面412には、給電部44の給電電極441を、GND電極43と同様な方法で構成する。
誘電体基材41は、例えば、表面形状は略正方形状であり、一辺の寸法は約11mmであり、厚さ寸法は3mmである。アンテナ電極部42は、例えば、表面形状は略正方形状であり、一辺の寸法は約8~9mmである。
さらに、平面アンテナ40のGND電極43は、第2回路基板724のグランドパターンを介して受信部50のグランド部に導通しており、第2回路基板724はグランド板(グランドプレーン)として機能する。さらに、受信部50のグランド部は、第2回路基板724のグランドパターンを介して金属製の胴111や裏蓋12に導通しており、胴111や裏蓋12もグランドプレーンとして利用できる。
パッチアンテナの動作原理は、パッチ(アンテナ電極部42)の縁に沿った強い電界が、縁から空間へ向かって放射されるため(送信アンテナとして用いた場合)、アンテナ近傍の電気力線は強くなり、近傍の金属や誘電体の影響を受けやすい。特に、アンテナ電極部42より上方(カバーガラス31側)に位置する金属部品の影響は大きい。
このため、平面アンテナ40の上面(アンテナ電極部42)よりも上側(カバーガラス31側)に配置される金属部品と、アンテナ電極部42との位置関係は以下のように設定している。
本実施形態において、平面アンテナ40の上面より上側に配置される金属部品は、外装ケース10のケース本体11(胴111)、第1耐磁板91、太陽電池パネル25の電極部である。
図3に示すように、アンテナ電極部42とケース本体11との最短距離をD1、アンテナ電極部42と文字板2の裏面に配置される第1耐磁板91との最短距離をD2、アンテナ電極部42と太陽電池パネル25の電極部との最短距離をD3とする。また、平面アンテナ40の厚さ寸法をtとする。
電子時計1の平面視において、ステップモーター221~225と、二次電池24と、平面アンテナ40とを互いに重ならないように配置したので、電子時計1を薄型化できる。
また、文字板2の平面領域を、第二直線102で2つの領域に分けた際に、一方の領域(第一領域105および第二領域106)に平面アンテナ40を配置し、他方の領域(第三領域107および第四領域108)に、導通バネ281、282を配置したので、平面アンテナ40に対して、導通バネ281、282を離して配置できる。特に、平面アンテナ40と、各導通バネ281、282との間の寸法は、平面アンテナ40と外装ケース10との寸法D1に比べて、数倍の大きさにすることができる。このため、導通バネ281、282による平面アンテナ40への影響を少なくでき、受信性能の低下を防止できる。
さらに、第一導通バネ281と、第二導通バネ282とは、第三領域107および第四領域108にそれぞれ配置されている。すなわち、第一導通バネ281および第二導通バネ282を、間隔をあけて配置しているので、第一導通バネ281および第二導通バネ282が隣接して配置される場合に比べて、平面アンテナ40の指向性特性への影響を分散できるため、全方向から受信をし易くできる。
その上、第一導通バネ281と、第二導通バネ282とを間隔をあけて配置しているので、導通バネ281、282によって太陽電池パネル25に加わる負荷を分散できる。すなわち、2つの導通バネ281、282が隣接配置されている場合は、太陽電池パネル25の一箇所に2つのバネが当接するため、太陽電池パネル25に大きな力が加わる。このため、太陽電池パネル押さえ29が導通バネ281、282の力を支持できるように、太陽電池パネル押さえ29を厚くしたり、係合フック291の数を増やす必要がある。これに対し、本実施形態のように、導通バネ281、282を間隔を空けて配置すれば、太陽電池パネル25に加わる負荷を分散でき、太陽電池パネル押さえ29を薄型化でき、係合フック291の数も最小限にすることができる。
特に、前記実施形態では、各導通バネ281、282を、係合フック291の近傍に配置したので、導通バネ281、282の力を効果的に支持することができる。
また、受信部50が配置される第一領域105には、第2耐磁板92、ステップモーター221~225、水晶振動子63を配置していないので、給電ライン46に対する金属部品の影響も軽減でき、平面アンテナ40の感度劣化を抑制できる。
さらに、給電部44から給電ライン46を斜め方向に引き出して、受信部50まで給電ライン46を直線状に配線したので、特性インピーダンスの変化を抑制でき、給電ライン46に対するノイズの影響を最小限にできる。
このため、金属製のケース本体11による平面アンテナ40への影響を軽減でき、平面アンテナ40の受信感度を向上できる。
また、胴111および裏蓋12は、受信部50のグランド部に接続されるため、グランドプレーンとして機能する。これにより、グランドプレーンの面積を大きくとることができ、アンテナ利得が向上してアンテナ特性を向上できる。
平面アンテナ40は、平面視において太陽電池パネル25や耐磁板91、92と重ならないため、時計の表面側から伝播されてくる衛星信号は、太陽電池パネル25や耐磁板91で遮られることなく平面アンテナ40に入射する。このため、受信性能を低下させることなく、太陽電池パネル25および耐磁板91、92を電子時計1に設けることができる。
平面アンテナ40を文字板2の中心から12時方向に配置したので、第1小窓770、第2小窓780、第3小窓790の各指針771、781、791の指針軸4B、4C、4Dと干渉することがない。このため、電子時計1の文字板2のデザインの制約を少なくできる。
したがって、受信性能を確保でき、かつ、薄型化できて腕時計に適した電子時計1を提供できる。
また、日車5は、平面視において平面アンテナ40と重なるため、日車5および平面アンテナ40を避けて配置する指針3、771、781、791の指針軸3A、4B、4C、4Dの配置位置の自由度が高まり、電子時計1のデザイン自由度を向上できる。
なお、本発明は前記各実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
アンテナ基板400とメイン基板720とを別体にすれば、平面アンテナ40とメイン基板720とを並列に並べることができる。すなわち、アンテナ基板400は、平面アンテナ40のみを実装するため、基板の層の数も少なくでき、薄型化できる。一方、メイン基板720は、例えば6層の基板などで構成され、かつ、両面にIC等が実装されるため、アンテナ基板400に比べて厚さ寸法が大きくなる。したがって、メイン基板720とアンテナ基板400とを別体とすれば、メイン基板720は、時計厚さ方向において平面アンテナ40の高さ寸法内に配置できる。このため、平面アンテナ40の厚さ寸法を確保しながら、電子時計1を薄型化できる。
なお、導通バネ281、282は、平面視で文字板2を2つの領域に区分した際に、平面アンテナ40が配置される領域とは異なる領域に配置すればよい。
また、平面アンテナ40の給電部は、給電ピンを用いてもよい。
前記実施形態では、第1耐磁板91および第2耐磁板92を切り欠いて切欠部912、922を形成するようにしたが、第1耐磁板、第2耐磁板としては、切欠部が形成されたものに限定されない。すなわち、受信への影響を考慮して、平面アンテナ40との距離が適切になるように、第1耐磁板91および第2耐磁板92の形状を設定すればよい。
平面アンテナ40としては、前述のパッチアンテナに限定されず、チップアンテナや逆Fアンテナなどの他の種類の平面アンテナでもよく、受信する信号に種類に応じて適切な平面アンテナを用いればよい。
Claims (7)
- 複数の指針と、
文字板と、
前記文字板の裏面側に配置される太陽電池と、
前記太陽電池の裏面側に配置される回路基板と、
前記太陽電池と前記回路基板とを接続する第一の導電部材および第二の導電部材と、
前記文字板の裏面側に配置される平面アンテナと、
前記複数の指針を駆動する複数のモーターと、
前記太陽電池によって充電される二次電池と、を有し、
前記文字板に垂直な方向から見た平面視において、前記複数のモーター、前記二次電池、前記平面アンテナは、重ならないように配置され、かつ前記文字板に平行な方向から見た断面視において、前記モーター、前記二次電池、前記平面アンテナは、略同一平面上に配置され、
前記平面視において、前記文字板の平面中心位置を通り、互いに直交する第一仮想直線および第二仮想直線で、前記文字板の平面領域を第一領域から第四領域までの4つの領域に分けた際に、前記平面アンテナは、隣接する第一領域および第二領域に跨がって配置され、前記第一の導電部材は第三領域に配置され、前記第二の導電部材は第四領域に配置され、
前記平面アンテナは、前記平面視において、前記第一領域に配置された給電部を備え、
前記平面アンテナ用の受信ICは、前記平面視において、前記第一領域であり、かつ、前記平面アンテナと重ならない位置に配置され、
前記モーターは、前記平面視において、前記第一領域以外に配置され、
前記第一の導電部材および前記第二の導電部材は、間隔を有して配置される
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、
前記第一の導電部材および前記第二の導電部材は、前記平面視において、前記平面中心位置に対する前記第一の導電部材と前記第二の導電部材との間の角度が40度以上80度以下であるように配置される
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1または請求項2に記載の電子時計において、
前記第一領域は前記文字板の9時から12時の範囲に配置され、前記第二領域は前記文字板の前記12時から3時の範囲に配置され、前記第三領域は前記文字板の前記3時から6時の範囲に配置され、前記第四領域は前記文字板の前記6時から前記9時の範囲に配置される
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記平面視において、前記二次電池は、前記平面アンテナが配置される領域とは異なる領域に配置される
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記平面アンテナは、パッチアンテナである
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記太陽電池は、直列に接続された8つ以上のセルを備える
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記平面視において、前記文字板の外周および前記太陽電池の外周を覆う見切り部材を備え、
前記平面視において、前記第一の導電部材および前記第二の導電部材は、前記見切り部材と重なる位置に配置される
ことを特徴とする電子時計。
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