JP6907925B2 - 電子時計 - Google Patents
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Description
この電子時計では、受信特性として、直線偏波を得られるように電極形状を設計したパッチアンテナを用いている(特許文献1の段落0037−0038参照)。特許文献1には、金属製の胴や電池等の金属部品による干渉を避けるため、給電部の位置を金属部材に近い辺に配置し、この辺に直交する辺の受信感度を上げることで、全体としてパッチアンテナの受信感度を向上させることが記載されている。
また、平面アンテナを備える電子時計は、平面アンテナの指向性を考慮し、電子時計の表面(カバーガラス側)を天頂方向に向けて、ユーザーがボタン操作などで衛星信号の受信動作を指示する手動受信を行うものが一般的である。この場合、ユーザーが手動受信を長期間実行しないと、衛星信号によって内部時刻を修正する処理も行われないため、時刻表示精度が低下する。
このため、平面アンテナを備える電子時計において、ユーザーがボタン操作などを行わずに自動的に衛星信号の受信処理が行われることが求められている。
しかしながら、自動受信処理時には、電子時計は必ずしも表面が天頂方向に向いているとは限らないため、受信感度が低下し、自動受信の成功確率も低下するという新たな課題がある。
また、給電部を平面アンテナの中心に対して、第1角度範囲(1.5時方向から4.5時方向までの90度の角度範囲)、または、第2角度範囲(7.5時方向から10.5時方向までの90度の角度範囲)に配置したので、電子時計の側面方向の指向性を、文字板の3時および9時の目盛を結ぶ3時−9時方向を中心とした90度の角度範囲内で設定することができる。
本発明者は、円偏波を受信する平面アンテナでは、電子時計の側面方向の指向性は、給電部の配置位置によって変化し、平面アンテナの中心と給電部の配置位置とを結ぶ方向の感度が高まることを新たに見出し、この特性を利用して自動受信の成功確率を向上できる電子時計を設計したものである。
すなわち、電子時計は、ユーザーの手首に装着した際に、手首から肘に向かう方向が電子時計の3時−9時方向に一致する。ユーザーが屋外を歩行している場合は、通常、腕は肩から下方に位置しており、電子時計の3時−9時方向は天頂方向に向くことになる。これにより、平面アンテナにおいて、電子時計の3時−9時方向を中心として90度の角度範囲内で指向性が得られれば、天頂方向に位置する衛星からの信号を受信し易くなり、衛星信号の受信感度を向上できる。したがって、ユーザーが屋外を歩行中に、電子時計が自動的に衛星信号の受信を開始した場合でも、衛星信号の受信に成功する確率を高くできる。自動受信に成功する確率が高まれば、自動的に内部時刻も修正できる。これにより、表示時刻の精度も向上でき、利便性の高い電子時計を提供できる。
給電部が3時方向または9時方向に配置されていれば、腕を垂直方向に下ろした際に電子時計の3時−9時方向を天頂方向に向けることができる。したがって、歩行中に腕を前後に移動した場合でも、受信感度の変化を小さくでき、自動受信の成功確率をより向上できる。
このような構成によれば、例えば、平面矩形状の平面アンテナを、平面円形のケース内で、ケースの平面中心よりも12時側や6時側に配置した場合、平面アンテナの12時側や6時側の側面はケースに近接するが、3時や9時側の側面はケースから離して配置できる。このため、給電部を第1角度範囲内または第2角度範囲内に配置すれば、給電部をケースから離すことができ、導電性のケースによる影響を受け難くできる。したがって、給電部をケースに最も近接した側面側に配置した場合に比べて、平面アンテナの受信感度を向上できる。
このような構成によれば、前記給電部をストリップ電極で構成でき、給電ピンを用いる場合に比べて、平面アンテナを薄型化でき、平面アンテナを面実装で容易に製造できる。
このような構成によれば、前記給電部をストリップ電極で構成でき、給電ピンを用いる場合に比べて、平面アンテナを薄型化でき、平面アンテナを面実装で容易に製造できる。
このような構成によれば、平面アンテナを、電池から離して配置できる。これにより、電池による影響を抑制でき、電池が平面アンテナと同じ領域に配置される場合に比べて、平面アンテナの受信感度を向上できる。
電子時計において、平面アンテナよりも時計表面側に、耐磁板や太陽電池パネルの電極部などの金属部品が配置されることがある。この場合、前記金属部品とアンテナ電極との最短距離を平面アンテナの厚さ寸法の80%以上とすれば、金属部品の影響を抑制でき、金属部品がより近接した場合に比べて、平面アンテナの受信感度を向上できる。
水晶振動子、モーター、耐磁板は、金属製の部品を有するため、受信に影響を与える可能性がある。したがって、これらの部品の少なくともいずれかを給電部と異なる領域に配置すれば、給電部から離して配置できて影響を抑制でき、これらの部品のすべてが給電部と同じ領域に配置される場合に比べて、平面アンテナの受信感度を向上できる。
パッチアンテナは、平板型のアンテナであり、単一の指向性を持ち、指向性が狭いことで知られているが、パッチアンテナが実装される回路基板は、グランド板の機能を有するので、外部から入射する無線電波を回路基板上で反射させてアンテナに導くことができる。そのため、アンテナは、アンテナに直接的に入射する無線電波のみならず、回路基板で反射されて間接的に入射する無線電波も受信できる。従って、パッチアンテナを用いれば、アンテナの受信性能をより向上できる。
衛星信号等の高周波信号を送信する配線は、直角配線のように、直線部分と折曲部分とでパターン幅の変化が大きくなると、特性インピーダンスの変化も大きくなってノイズの影響を受けやすい。したがって、給電部から受信ICまでの配線を直線状に配線できれば、ノイズの影響を最小限にできる。
本発明においても、平面アンテナの給電部を平面アンテナの中心に対して、第1角度範囲(基準線から時計回りに45度から135度までの90度の角度範囲)、または、第2角度範囲(基準線から反時計回りに45度から135度までの90度の角度範囲)に配置したので、電子時計の側面方向の指向性を3時−9時方向を中心とした90度の角度範囲内で設定することができる。このため、天頂方向に位置する衛星からの信号を受信し易くなり、衛星信号の受信感度を向上でき、ユーザーが屋外を歩行中に、電子時計が自動的に衛星信号の受信を開始した場合でも、衛星信号の受信に成功する確率を高くできる。自動受信に成功する確率が高まれば、自動的に内部時刻も修正できるため、表示時刻の精度も向上でき、利便性の高い電子時計を提供できる。
以下、本発明に係る第1実施形態の電子時計1を図面に基づいて説明する。本実施形態では、電子時計1のカバーガラス31側を表面側(上側)とし、裏蓋12側を裏面側(下側)として説明する。
本実施形態の電子時計1は、後述するように、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星や準天頂衛星などの位置情報衛星Sからの衛星信号を受信して衛星時刻情報を取得し、内部時刻情報を修正できるように構成されている。さらに、電子時計1は、衛星信号の受信処理として、ユーザーがボタンを操作することで受信を開始する手動受信に加えて、所定の条件に該当した際に自動的に受信を開始する自動受信を備えている。
文字板2は、3つの小窓(サブダイヤル)を有する。すなわち、図2に示すように、文字板2の指針軸3Aが設けられた平面中心に対して、2時方向に円形の第1小窓770と指針771が設けられ、10時方向に円形の第2小窓780と指針781が設けられ、6時方向に円形の第3小窓790と指針791が設けられている。
また、文字板2の平面中心に対して、4時方向に矩形の日窓2Bが設けられている。図4にも示すように、文字板2の裏面側には日車5が配置され、日車5は日窓2Bから視認可能となっている。さらに、文字板2には、指針軸3Aが挿通される貫通孔2Cと、指針771、781、791の指針軸が挿通される貫通孔も形成されている。
これらの秒針3B、分針3C、時針3D、指針771、781、791および日車5は、後述するステップモーターおよび輪列を介して駆動される。
図2〜図5に示すように、電子時計1は、後述するムーブメント20等を収容する外装ケース10を備える。なお、図4は、文字板2の6時位置および12時位置を結ぶIV−IV線に沿った断面図であり、図5は、文字板2の2時位置および8時位置を結ぶV−V線に沿った断面図である。
外装ケース10は、ケース本体11と、裏蓋12と、カバーガラス31を備える。ケース本体11は、円筒状の胴111と、胴111の表面側に設けられたベゼル112とを備える。
ケース本体11の裏面側には、ケース本体11の裏面側の開口を塞ぐ円板状の裏蓋12が設けられている。裏蓋12は、ケース本体11の胴111にねじ構造により接続される。なお、本実施形態では、胴111と裏蓋12とは、別体で構成されているが、これに限らず、胴111および裏蓋12が一体化されたワンピースケースでもよい。
胴111、ベゼル112、裏蓋12には、SUS(ステンレス鋼)、チタン合金、アルミ、BS(真鍮)などの金属材料が利用される。
次に、電子時計1の外装ケース10に内蔵される内部構造について説明する。
図4、5に示すように、外装ケース10内には、文字板2の他、ムーブメント20、平面アンテナ(パッチアンテナ)40、日車5、ダイヤルリング32等が収容される。
地板21は、プラスチック等の非導電性部材にて形成されている。地板21は、駆動体22を収容する駆動体収容部21Aと、日車5が配置される日車配置部21Bと、平面アンテナ40を収容するアンテナ収容部21Cとを備える。
駆動体収容部21Aおよびアンテナ収容部21Cは、地板21の裏面側に設けられている。アンテナ収容部21Cは、平面位置が文字板2の12時位置であるため、図2、3に示すように、平面アンテナ40は12時位置に配置されている。具体的には、平面アンテナ40は、指針3の指針軸3Aとケース本体11との間であり、かつ、文字板2の略11時位置から略1時位置の範囲に配置されている。すなわち、平面アンテナ40の中心位置は、外装ケース10の平面中心(文字板2の中心)に対して11時方向から1時方向までの60度の角度範囲内に配置されている。
さらに、駆動体22は、指針771を駆動する第4ステップモーター224および第4輪列771A(図5)と、指針781を駆動する第5ステップモーター225および第5輪列(図示略)とを有する。
近年、スマートフォンなどの携帯端末用のケースに、高性能な磁石が多く使われるようになり、腕時計にも耐磁性が求められている。このため、外部磁界を迂回させて、ステップモーター221〜225の誤動作を防止するために、図7に示すように、純鉄などの高透磁率材からなる第1耐磁板91および第2耐磁板92が、平面的にステップモーター221〜225と重なる位置に配置されている。なお、各ステップモーター221〜225は、コアに巻回されたコイルと、ステーターと、ローターとを備える。これらのうち、コイル部分は外部磁界の影響を受けにくいので、耐磁板91、92とは必ずしも平面的に重ならなくてもよい。従って、耐磁板91、92は、ステップモーター221〜225の少なくとも一部に平面的に重なり、特に、ステーターやローターと平面的に重なることが好ましい。
第1耐磁板91は、図4、5に示すように、地板21および日車5の時計表面側(カバーガラス31側)であり、太陽電池パネル25の裏面側に配置されている。この耐磁板91は、ステップモーター221〜225の表面(文字板2側の面)をほぼ覆うように配置される。
第1耐磁板91には、図7に示すように、日窓2Bに対応する位置に形成されて日車5を視認可能にするための開口部911や、指針軸3A、4B,4C,4Dが配置される開口部913〜916が形成されている。
第1耐磁板91において、前記平面アンテナ40と平面視で重なる領域は切り欠かれて切欠部912とされている。このため、耐磁板91は、平面アンテナ40の表面側には配置されず、平面アンテナ40は、耐磁板91の切欠部912を通して電波を受信できる。
領域105は、図6において右上、つまり文字板2の12時から3時の範囲であり、他の領域106〜108は時計回りに設定される。
第2耐磁板92は、平面アンテナ40と干渉しないように、切欠部922が形成されている。このため、第2耐磁板92は、領域105においては、平面アンテナ40と重ならない部分を覆う形状とされ、領域106から領域107までは略半円状に形成されている。したがって、第2耐磁板92は、切欠部922によって領域108は被覆していない。
この領域108には、後述するように、平面アンテナ40の給電部44と、受信部(受信IC)50とが配置されている。さらに、領域108には、ステップモーター221〜225、水晶振動子63も配置されていない。
第2耐磁板92には、各ステップモーター221〜224のコイルが配置される開口部926と、二次電池24が配置される略円形の切欠部927が形成されている。
また、第2直線102で仮想的に2つの領域(領域105,108と、領域106,107)に分けた場合、平面アンテナ40と二次電池24とは、異なる領域に配置されている。
本実施形態の電子時計1は、図4、5に示す時計駆動制御用の第1回路基板723(図7では不図示)と、図4、5、7に示すGPS受信用の第2回路基板724との2枚の回路基板が配置されている。
第1回路基板723は、地板21と第2耐磁板92との間に配置され、各ステップモーター221〜225のコイルに導通する配線などが設けられ、コネクター751を介して第2回路基板724に接続されている。
第2回路基板724は、第2耐磁板92の裏面にスペーサー750(図7では不図示)を介して配置されている。第2回路基板724は、図7にも示すように、平面略円形に形成され、かつ、二次電池24が配置される略円形の切欠部731が形成されている。この切欠部731に二次電池24を配置することで、電子時計1を薄型化できる。第2回路基板724の表面側には、平面アンテナ(パッチアンテナ)40と、GPS衛星Sから受信した衛星信号を処理する受信部50(受信素子、受信用IC、GPSモジュール)と、電源用IC75と、メモリー用IC76、チップ素子761、水晶振動子63などが実装されている。メモリー用IC76は、フラッシュメモリーで構成され、GPS受信用のファームウェアのプログラムや、測位受信処理において算出した位置情報からタイムゾーンを判別するためのタイムゾーンデータが記憶されている。
回路押え板725には、裏蓋12に導通するための裏蓋導通バネ725Aが一体に形成されている。この裏蓋導通バネ725Aは、回路押え板725において複数形成されている。
二次電池24は、図5〜7に示すように、平面円形に形成されたボタン型のリチウムイオン電池であり、駆動体22、受信部50等に電力を供給する。二次電池24は、第2回路基板724の切欠部731に設けられ、平面視において、平面アンテナ40、受信部50、電源用IC75と重ならない位置、具体的には、文字板2の平面中心に対して8時方向に配置されている。
太陽電池パネル25は、電極部として表面電極や裏面電極を有する。表面電極は、光を通すためにITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極で形成されている。また、樹脂フィルムで構成されたベース上に、発電層としてアモルファスシリコン半導体の薄膜が形成されている。
GPS衛星信号の周波数は、約1.5GHzであり、高周波である。高周波は、電波時計で受信する長波の標準電波と異なり、ソーラーパネルの薄い透明電極でも電波は減衰し、アンテナ特性が低下する。このため、図7に示すように、円板状に形成された太陽電池パネル25は、平面アンテナ40と平面視で重なる部分に切欠部251が形成されている。太陽電池パネル25は、地板21の表面側に配置され、平面アンテナ40の表面側には配置されていない。したがって、平面アンテナ40は、太陽電池パネル25の切欠部251を通して電波を受信できる。
なお、太陽電池パネル25には、文字板2の日窓2Bと平面的に重なる開口252や、指針軸3A,4B〜4Dが挿通される孔253,257〜259が形成されている。
さらに、太陽電池パネル25は、複数のセルに分割され、各セルは直列に接続されている。本実施形態の太陽電池パネル25は、図7に示すように、8個のソーラーセルを有し、各ソーラーセルが直列に接続されている。1つのソーラーセルでの起電圧は約0.6V以上である。このため、8個のソーラーセルを直列に接続すれば、約0.6V×8段=約4.8V以上の起電圧が得られる。したがって、起電圧が大きなリチウムイオン二次電池24を充電でき、GPS受信装置(GPSモジュール)などの消費電流の大きなデバイスを内蔵できる。
地板21の日車配置部21Bには、リング状に形成され、表面に日付が表示されたカレンダー車である日車5が配置される。日車5は、プラスチック等の非導電性部材により形成されている。ここで、日車5は、平面視において、平面アンテナ40の少なくとも一部と重なっている。なお、カレンダー車は、日車に限らず、曜日を表示する曜車や、月を表示する月車などでもよい。
地板21の表面側には、太陽電池パネル25および日車5の表面側を覆って、文字板2が配置される。文字板2は、非導電性を有し、かつ、少なくとも一部の光を透過させる透光性を有するプラスチックなどの材料で形成されている。
ここで、平面視において平面アンテナ40と重なる文字板2の表面に、略字等を設けることができる。この場合、平面アンテナ40の受信性能を向上させるため、略字等の文字板2の表面に設けられるパーツは、金属製ではなく、プラスチック等の非導電性部材にて形成されることが好ましい。一方、平面アンテナ40と平面的に重ならない第3小窓790や略字は、金属パーツを用いることができる。
また、文字板2は、透光性を有する。そのため、ユーザーが時計の表面側から見ると、文字板2の裏面側に配置された太陽電池パネル25が透けて見える。このため、太陽電池パネル25が配置されている領域と配置されていない領域とで、文字板2の色が違って見える。この色の違いが目立たないように、文字板2はデザイン的なアクセントを有してもよい。
さらに、太陽電池パネル25に切欠部251を形成したことで、切欠部251に重なる部分の文字板2の色調が他の部分と違って見えることがある。それを防止するために太陽電池パネル25と同色(例えば紺色や紫色)のプラスチックシートを太陽電池パネル25の下に重ねてもよいし、太陽電池パネル25全体を切り欠かずに、電波遮蔽する電極層を平面アンテナ40と平面的に重なる部分のみ取り除いて、基材となる樹脂フィルム層を残して色調を合わせてもよい。
文字板2の表面側には、非導電性部材である合成樹脂(例えばABS樹脂)にて形成されたリング部材であるダイヤルリング32が設けられる。ダイヤルリング32は、文字板2の周囲に沿って配置され、内周面が傾斜面(円錐面)とされ、この傾斜面には時字マークやワールドタイムの時差などの目盛が印刷されている。ダイヤルリング32をプラスチックで成形すれば、電子時計1は受信性能も確保でき、かつ、ダイヤルリング32は複雑な形状で形成され得て意匠性を向上できる。
地板21のアンテナ収容部21Cには、パッチアンテナ(マイクロストリップアンテナ)である平面アンテナ40が配置される。平面アンテナ40は、GPS衛星Sからの衛星信号を受信するものである。
平面アンテナ40は、平面視において、ケース本体11(胴111およびベゼル112)、太陽電池パネル25、耐磁板91,92とは重ならずに、非導電性部材にて形成された日車5、文字板2、カバーガラス31と重なっている。すなわち、電子時計1では、平面アンテナ40の時計表面側において、平面視で平面アンテナ40と重なる部品はすべて非導電性部材にて形成されている。
このため、時計表面側から伝播されてくる衛星信号は、カバーガラス31を透過した後、ケース本体11、耐磁板91、92、太陽電池パネル25によって遮られることなく、文字板2、日車5、地板21を透過して平面アンテナ40に入射する。なお、秒針3B、分針3C、時針3D、指針771、指針781は平面アンテナ40と重なる面積が小さいことから、金属製であっても衛星信号の受信に支障ないが、非導電性部材であれば衛星信号が遮断される影響をより回避できる点で好ましい。
平面アンテナ40は、図8、9に示すように、誘電体基材41にアンテナ電極部42と、GND電極43と、給電部44とを積層した面実装型のパッチアンテナである。給電部44は、給電電極441と、側面電極442とを備えた帯状のストリップ電極である。パッチアンテナが方形の場合は、アンテナ電極部42の一辺が半波長で共振し、円形の場合は直径が約0.58波長で共振する。しかし、平面アンテナ40は誘電体基材41を備えているので、誘電体の波長短縮効果により平面アンテナ40を小形化できる。
誘電体基材41の表面411には、アンテナ電極部(放射電極部)42が形成されている。
アンテナ電極部42は、平面視で矩形状に形成され、一対の対角部分には、円偏波を受信するために縮退分離素子部45が形成されている。縮退分離素子部45は、アンテナ電極部42で発生する直交する2つの偏波のバランスをずらすものであり、切り欠きや突出部等であれば良い。本実施形態では、アンテナ電極部42の角部を切り欠くことで縮退分離素子部45を構成している。
側面電極442は、第1側面413Aの中央部においてアンテナ電極部42と近接して容量結合している。アンテナ電極部42で受信された衛星電波は、容量結合を介して側面電極442に伝達し、給電電極441から取り出すことができる。
GND電極43は、図9にも示すように、誘電体基材41の裏面412において、給電電極441と絶縁され、かつ、給電電極441以外を覆うベタ電極である。
図6に示すように、平面アンテナ40の中心Oに対して第1角度範囲および第2角度範囲を仮想的に設定する。
第1角度範囲は、平面アンテナ40の中心Oに対する方向を、文字板2(ムーブメント20)の中心に対する目盛の方向に対応させた場合に、1.5時方向から4.5時方向までの角度範囲である。1.5時方向とは、文字板2の中心を通る第1直線101、第2直線102に対して45度の角度方向であるため、図6において平面アンテナ40の中心Oから第2側面413Bおよび第3側面413Cが交差する角部に向かう仮想線471の方向である。同様に、4.5時方向とは、平面アンテナ40の中心Oから第2側面413Bおよび第4側面413Dが交差する角部に向かう仮想線472の方向である。
第2角度範囲は、平面アンテナ40の中心Oに対する方向を、文字板2(ムーブメント20)の中心に対する目盛の方向に対応させた場合に、7.5時方向から10.5時方向までの角度範囲である。7.5時方向とは、図6において平面アンテナ40の中心Oから第1側面413Aおよび第4側面413Dが交差する角部に向かう仮想線473の方向である。10.5時方向とは、平面アンテナ40の中心Oから第1側面413Aおよび第3側面413Cが交差する角部に向かう仮想線474の方向である。
したがって、第1、2角度範囲は中心角が90度の角度範囲である。そして、本実施形態では、給電部44は、第2角度範囲内に配置されている。さらに、給電部44は、平面アンテナ40の中心Oに対して第2直線102と平行な直線103(図3)上に配置されているため、第2角度範囲内において、9時方向に配置されている。
なお、第1角度範囲および第2角度範囲は、以下のように説明することもできる。文字板2に平行であって、平面アンテナ40の上面(表面)411を含む平面Aを考える。当該平面Aにおいて、平面アンテナ40の平面中心Oを原点とし、外装ケース10に接続される第1バンド15、第2バンド16の長手方向に平行であり、前記原点から第1バンド15に向かう直線を基準線470とする。基準線470は、中心Oを原点とし、第1直線101に重なる直線である。第1角度範囲は、原点を回転中心として基準線470から時計回りに45度から135度までの範囲である。第2角度範囲は、原点を回転中心として基準線470から反時計回りに45度から135度までの範囲である。本実施形態では、給電部44は、基準線470に対して反時計回りに90度の位置に配置されている。
誘電体基材41の表面411には、アンテナの周波数、受信する信号の偏波を決めるアンテナ電極部42をGND電極43と同様な方法で構成する。アンテナ電極部42は、誘電体基材41の表面よりも一回り小さく形成され、誘電体基材41の表面においてアンテナ電極部42の周囲には、アンテナ電極部42が積層されておらず誘電体基材41が露出する露出面が設けられる。
誘電体基材41の裏面412および第1側面413Aには、給電部44の給電電極441および側面電極442を、GND電極43と同様な方法で構成する。
誘電体基材41は、例えば、表面形状は略正方形状であり、一辺の寸法は約11mmであり、厚さ寸法は3mmである。アンテナ電極部42は、例えば、表面形状は略正方形状であり、一辺の寸法は約8〜9mmである。
なお、給電部44を3時方向または9時方向に配置するとは、平面アンテナ40の平面中心から給電部44が配置された方向を、文字板2の平面中心からの方向に対応させた場合に、3時の目盛に向かう方向、または、9時の目盛に向かう方向であることを示す。したがって、図2,3,6に示す平面アンテナ40は、9時方向に給電部44が配置される向きで設置されている。
図11に示すように、ユーザーが電子時計1を装着して歩いている状態で自動受信処理を実行した場合、ユーザーが電子時計1を左手首に装着している場合は、電子時計1の9時方向がほぼ天頂方向となり、右手首に装着している場合は、3時方向がほぼ天頂方向となる。したがって、本実施形態の平面アンテナ40のように、3時−9時方向の指向性があれば、天頂方向からの衛星信号を受信しやすくできる。
さらに、平面アンテナ40のGND電極43は、第2回路基板724のグランドパターンを介して受信部50のグランド部に導通しており、第2回路基板724はグランド板(グランドプレーン)として機能する。さらに、受信部50のグランド部は、第2回路基板724のグランドパターンを介して金属製の胴111や裏蓋12に導通しており、胴111や裏蓋12もグランドプレーンとして利用できる。
パッチアンテナの動作原理は、パッチ(アンテナ電極部42)の縁に沿った強い電界が、縁から空間へ向かって放射されるため(送信アンテナとして用いた場合)、アンテナ近傍の電気力線は強くなり、近傍の金属や誘電体の影響を受けやすい。特に、アンテナ電極部42より上方(カバーガラス31側)に位置する金属部品の影響は大きい。
このため、平面アンテナ40の上面(アンテナ電極部42)よりも上側(カバーガラス31側)に配置される金属部品と、アンテナ電極部42との位置関係は以下のように設定している。
本実施形態において、平面アンテナ40の上面より上側に配置される金属部品は、外装ケース10のケース本体11(胴111)、第1耐磁板91、太陽電池パネル25の電極部である。
図4に示すように、アンテナ電極部42とケース本体11との最短距離をD1、アンテナ電極部42と文字板2の裏面に配置される第1耐磁板91との最短距離をD2、アンテナ電極部42と太陽電池パネル25の電極部との最短距離をD3とする。また、平面アンテナ40の厚さ寸法をtとする。
平面アンテナ40は、平面視で11mm×11mmの矩形状とされ、厚さ寸法tが3mmのものを用いた。図12に示すように、平面アンテナ40の周囲には発泡スチロール450を配置し、発泡スチロール450の上面に、太陽電池の電極からなる金属片451を配置し、平面アンテナ40と金属片451との距離aを変化させた場合の平面アンテナ40への影響を確認した。平面アンテナ40の影響度は、アンテナの共振周波数の変化で確認した。
図13のグラフにおいて、横軸は距離aの寸法(mm)であり、縦軸は周波数シフト量(MHz)である。また、線461は側面413Aに対して金属片451を変化させた場合の周波数シフト量である。他の線462〜464は、第2側面413B〜第4側面413Dに対して金属片451をそれぞれ変化させた場合の周波数シフト量である。
図13に示すように、いずれの側面413A〜413Bに対しても、2.5mm以上離すことで周波数シフト量が0MHzとなった。すなわち、寸法aを平面アンテナ40の厚さ寸法(3mm)の約80%以上にすれば、金属部品の影響を軽減できる。
このため、本実施形態では、最短距離D1〜D3は、少なくとも平面アンテナ40の厚さ寸法(H1=3mm)の80%である2.4mm以上に設定した。
図14は、電子時計1の回路構成を示す概略図である。
電子時計1は、平面アンテナ40と、フィルター(SAW)35と、受信部50と、制御表示部60と、電源供給部70を含んで構成されている。
フィルター35は、バンドパスフィルターであり、1.5GHzの衛星信号を通過させるものとなっている。また、平面アンテナ40とフィルター35との間に、受信感度を良好にするLNA(ローノイズアンプ)を別途組み込む構成としてもよい。なお、フィルター35が受信部50内に組み込まれる構成としてもよい。
RF部51は、PLL回路511、VCO(Voltage Controlled Oscillator)512、LNA(Low Noise Amplifier)513、ミキサー514、IFアンプ515、IFフィルター516、ADC(A/D変換器)517等を備えている。
ミキサー514でミキシングされたIFは、IFアンプ515、IFフィルター516を通り、ADC(A/D変換器)517でデジタル信号に変換される。
そして、ベースバンド部52は、RF部51のADC517からデジタル信号が入力され、相関処理や測位演算等を行うことにより、衛星時刻情報や測位情報を取得できるようになっている。
なお、PLL回路511用のクロック信号は、温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)53から生成されるようになっている。
制御部61は、RTC611、記憶部612を含んで構成されている。
RTC611は、水晶振動子63から出力される基準信号を用いて、内部時刻情報を計時している。
記憶部612は、受信部50から出力される衛星時刻情報や測位情報を記憶する。また、記憶部612には、測位情報に対応する時差データも記憶され、RTC611で計時されている内部時刻情報および時差データにより、現在地のローカルタイムを算出できるようにされている。
二次電池24は、第1レギュレーター72を介して制御表示部60に駆動電力を供給し、第2レギュレーター73を介して受信部50に駆動電力を供給する。
電圧検出回路74は、二次電池24の電圧をモニターし、制御部61に出力する。従って、制御部61は、二次電池24の電圧を把握して受信処理を制御できる。また、電圧検出回路74は、充電制御回路71によって、二次電池24と太陽電池パネル25とを切断した状態で、太陽電池パネル25の開放電圧を検出し、制御部61に出力する。従って、制御部61は、太陽電池パネル25に照射している光の強度を把握して、電子時計1が屋外に配置されているか否かを判断できる。このため、太陽電池パネル25は屋外検出センサーとしても機能する。なお、屋外検出センサーは、発電用の太陽電池パネル25で兼用するものに限定されず、紫外線センサーや照度センサーなどの専用のセンサーで構成してもよい。
なお、充電制御回路71と電圧検出回路74は、電源用IC75に構成されている。メモリー用IC76、チップ素子761は、図14では図示を省略する。
図15は、制御部61における衛星信号の自動受信処理を示すフローチャートである。自動受信処理は、予め設定された時刻に受信を開始する定時受信処理と、電子時計1が屋外に配置されることを検出した場合に受信を開始する屋外受信処理とを備えている。また、自動受信処理では、少なくとも1つの位置情報衛星Sを捕捉して衛星信号を受信し、時刻情報を取得して内部時刻を修正するものである。
受信制御を開始すると、制御部61は、まず、変数H、Tを「0」に初期化する(SA1)。
ここで、変数Hは、予め定められた時間範囲、本実施形態では制御開始時刻である12時から、次の制御開始時刻直前である翌日の11時59分59秒までの24時間以内で、制御部61による屋外受信処理が行われたか否かを示す変数であり、初期値は「0」であり、未実施の場合は「0」に維持され、実施された場合は「1」に更新される。
例えば、定時受信時刻が15時であれば、12時から15時までは前記Tは「0」であり、15時になって定時受信処理が実施されると前記Tは「1」となる。その後、15時から24時、さらに翌日の12時まで前記Tは「1」に維持され、翌日の12時になるとTは「0」に初期化される。
また、制御開始時刻は、1日に2つ以上の時刻を設定してもよいし、2日以上の期間で1回のタイミングに設定してもよい。すなわち、制御開始時刻から次の制御開始時刻までの時間範囲の長さは24時間に限らず、いずれの時間としてもよいが、通常は、半日(12時間)、1日(24時間)、2日(48時間)など、半日以上の時間に設定することが好ましい。
さらに、前記変数H,Tは、受信結果つまり成功、失敗は関係なく、受信処理が実施されれば「1」に設定される。すなわち、受信に失敗した場合でも「1」に設定される。
制御部61は、変数Hが「0」の場合、つまり屋外受信処理が未実施の場合に、受信部50を作動して屋外受信処理を実行する。
具体的には、前記変数の初期化後、制御部61は変数Tが「0」か否かを判定する(SA2)。そして、制御部61は、変数Tが「1」(SA2:No)であり、変数Hが「0」(SA3:Yes)の場合と、変数Tが「0」(SA2:Yes)であり、定時受信時刻ではなく(SA11:No)、変数Hが「0」(SA13:Yes)の場合に、受信部50を作動して屋外受信処理を実行する。
制御部61は、太陽電池パネル25に当たる光の照度に対応する開放電圧の照度検出レベルが、1秒間隔などで2回連続して設定された閾値(検出レベル)以上か否かを判定する(SA4)。
SA4でNoと判定した場合(低照度状態である場合)、制御部61は、電子時計1が屋外に配置されておらず、GPS信号の受信に適した場所に配置されていない可能性が高いと判断する。そして、制御部61は、現在の時刻が11時59分59秒になったか否かを判定する(SA5)。
SA5でNoと判定した場合、制御部61はSA2に戻り、処理を継続する。一方、SA5でYesと判定した場合は、受信制御処理を終了し、次に制御部61での処理が開始される制御再開時刻まで待機状態に移行する。ここで、制御再開時刻は1秒後の12時00分00秒である。
なお、SA7で開始される受信処理は、SA4でYesと判定された場合の屋外受信処理の他、後述する定時受信処理でも実施される。以下、屋外受信処理(光自動受信処理)と定時受信処理とをまとめて、「自動受信処理」という場合がある。
このSA7の自動受信処理では、測時モードでの受信処理が行われるように設定されている。
また、制御部61は、定時受信時刻として、今回成功した自動受信の開始時刻(自動受信成功時刻)を記憶部612に記録する(SA10)。
一方、SA2でYesと判定した場合(変数Tが「0」の場合)、制御部61は、定時受信時刻になったか否かを判定する(SA11)。
なお、定時受信時刻は、前述したように、前回の受信成功時の受信開始時刻であり、記憶部612に記憶されている。従って、制御部61は、内部時刻が定時受信時刻になったか否かを判定する。制御部61は、内部時刻が定時受信時刻になったと判定した場合(SA11:Yes)、前記変数Tを「1」に設定する(SA12)。次に、制御部61は、受信部50を作動して自動受信処理を開始する(SA7)。
そして、屋外受信処理時と同じく、制御部61は、受信に成功したか否かを判定し(SA8)、成功していれば内部時刻修正処理(SA9)と、定時受信時刻の記録処理(SA10)を行う。なお、定時受信処理時に受信成功した場合、自動受信の開始時刻は記憶部612に記憶されている定時受信時刻と同じである。従って、SA10においては、定時受信時刻として同じ時刻が設定されることになる。このため、SA10の定時受信時刻の記録処理は、屋外受信処理で受信に成功した場合のみ行うようにしてもよい。
一方、制御部61は、SA13でNoと判定された場合、つまりH=1で屋外受信処理は実施済みであるが、T=0で定時受信処理は未実施の場合、SA5の判定処理に戻る。
すなわち、制御部61は、受信成功の有無に関係なく、屋外受信処理および定時受信処理を1回ずつ行うことが受信制御の終了条件となる。
また、制御開始時刻から次の制御開始時刻までの間に、定時受信処理は必ず実施されるが、屋外受信処理はSA4でYesと判定されない限り、実施できない。SA4で屋外であることを検出できない場合は、SA5でYesと判定されるまで、SA2〜SA5の処理を繰り返すことになる。
電子時計1は、平面アンテナ40の給電部44を3時方向または9時方向となるように配置したので、GPS衛星信号のように右旋偏波信号を受信する際に、平面アンテナ40の平面(XY)方向の指向性が3時−9時方向となる。したがって、手首に電子時計1を装着した状態でユーザーが歩行している場合に、電子時計1の3時−9時方向を天頂方向に向けることができるため、位置情報衛星Sから送信される衛星信号を感度良く受信できる。
従って、特に、自動受信時に受信に成功する確率を向上でき、自動的に内部時刻も修正できるため、表示時刻の精度も向上でき、利便性の高い電子時計1を提供できる。
このため、金属製のケース本体11による平面アンテナ40への影響を軽減でき、平面アンテナ40の受信感度を向上できる。
さらに、給電部44から給電ライン46を斜め方向に引き出して、受信部50まで給電ライン46を直線状に配線したので、特性インピーダンスの変化を抑制でき、給電ライン46に対するノイズの影響を最小限にできる。
したがって、受信性能を確保でき、かつ、薄型化できて腕時計に適した電子時計1を提供できる。
さらに、平面アンテナ40の表面411は、緩衝材47に当接するため、地板21に直接接触することを防止でき、セラミックで形成された誘電体基材41の破損を防止できる。
また、日車5は、平面視において平面アンテナ40と重なるため、日車5および平面アンテナ40を避けて配置する指針3、771、781、791の指針軸3A、4B、4C、4Dの配置位置の自由度が高まり、電子時計1のデザイン自由度を向上できる。
次に、本発明の第2実施形態について、図16を参照して説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一または同様の構成には同一符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態の電子時計1Bは、平面アンテナ40Bが傾いて配置された点が、第1実施形態の電子時計1と相違する。すなわち、第1実施形態の電子時計1では、平面アンテナ40の各側面413A〜413Dは、電子時計1の3時−9時方向に沿った第1直線101と、12時−6時方向に沿った第2直線102に対して平行に配置されている。
一方、第2実施形態の電子時計1Bでは、平面アンテナ40Bの各側面413A〜413Dは、前記第1直線101、第2直線102に対して平行ではなく、傾斜して配置されている。
この平面アンテナ40Bにおいても、給電部44は第1角度範囲内または第2角度範囲内に配置されている。すなわち、図16に示すように、平面アンテナ40Bの中心Oを通り、第1直線101に平行な第1直線101Aと、平面アンテナ40Bの中心Oを通り、第2直線102に平行な第2直線102Aとを設定した場合、第1角度範囲を規定する1.5時方向の仮想線471と、4.5時方向の仮想線472とは、第1直線101Aおよび第2直線102Aに対して45度の角度に設定される。また、第2角度範囲を規定する7.5時方向の仮想線473と、10.5時方向の仮想線474も、第1直線101Aおよび第2直線102Aに対して45度の角度に設定される。
そして、平面アンテナ40Bの給電部44は、図16に示すように、第2角度範囲内、つまり仮想線473および仮想線474間に設けられている。
なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1角度範囲および第2角度範囲は、第1バンド15、第2バンド16の長手方向に平行であり、平面アンテナ40Bの平面中心(原点)Oから第1バンド15に向かう方向の直線を基準線470とすると、第1角度範囲は、基準線470から時計回りに45度から135度までの範囲、すなわち仮想線471および仮想線472間の範囲である。また、第2角度範囲は、基準線470から反時計回りに45度から135度までの範囲、すなわち仮想線474および仮想線473間の範囲である。第2実施形態では、給電部44は、基準線470に対して反時計回りに45度から135度までの範囲に配置されている。
なお、本発明は前記各実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
このように平面アンテナ40のアンテナ電極部42を金属部品(第1耐磁板91や太陽電池パネル25の電極部)から離れるように配置することで、最短距離D2、D3をより大きくでき、金属部品による電波の遮蔽の影響を低減することができる。
また、図20に示すように、平面アンテナ40の給電部44は、給電電極441のみを備えるものでもよい。この場合、給電電極441が第1側面413Aの中央部においてアンテナ電極部42と容量結合する。アンテナ電極部42で受信された衛星電波は、容量結合を介して給電電極441に伝達し、給電電極441から取り出すことができる。このような構成であっても、給電電極441と側面電極442とで給電部44を構成した場合と同様の効果が得られる。
前記実施形態では、太陽電池パネル25は、平面アンテナ40と平面視で重なる部分に切欠部251が形成されているが、太陽電池パネル25は、切欠部251が形成されたものに限定されない。太陽電池パネル25は、平面アンテナ40での電波受信に影響しないように構成されていればよく、平面アンテナ40と平面視で重なる部分に太陽電池パネルが配置されない形状であればよい。たとえば、太陽電池パネル25に、平面アンテナ40と平面視で重なる部分のみくり抜いた開口を形成してもよいし、太陽電池パネル25を半円状に形成し、平面アンテナ40と平面視で重なる部分に太陽電池パネルを配置しないようにしてもよい。
前記実施形態では、第1耐磁板91および第2耐磁板92を切り欠いて切欠部912、922を形成するようにしたが、第1耐磁板、第2耐磁板としては、切欠部が形成されたものに限定されない。すなわち、受信への影響を考慮して、平面アンテナ40との距離が適切になるように、第1耐磁板91および第2耐磁板92の形状を設定すればよい。
平面アンテナ40としては、前述のパッチアンテナに限定されず、チップアンテナなどの他の種類の平面アンテナでもよく、受信する信号に種類に応じて適切な平面アンテナを用いればよい。
Claims (11)
- ケースと、
前記ケース内に配置されて円偏波を受信する平面アンテナと、
前記平面アンテナを作動させる制御部とを有する電子時計であって、
前記平面アンテナは、縮退分離素子を有するアンテナ電極と、給電部とを備え、
前記給電部は、前記平面アンテナの中心に対して、第1角度範囲内または第2角度範囲内に配置され、
前記平面アンテナの中心に対する方向を、時計の文字板の中心に対する目盛の方向に対応させた場合に、前記第1角度範囲は、1.5時方向から4.5時方向までの角度範囲であり、前記第2角度範囲は、7.5時方向から10.5時方向までの角度範囲である
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、
前記給電部は、前記平面アンテナの中心に対して、3時方向または9時方向に配置されている
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1または請求項2に記載の電子時計において、
前記平面アンテナは、平面アンテナの中心位置が、前記ケースの平面中心に対して11時方向から1時方向までの角度範囲内、または、5時方向から7時方向までの角度範囲内に配置されている
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記平面アンテナは、誘電体基材と、前記誘電体基材の表面に設けられた前記アンテナ電極と、前記誘電体基材の裏面に設けられたグランド電極と、前記裏面に設けられた給電電極とを備え、
前記給電部は、前記給電電極である
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記平面アンテナは、誘電体基材と、前記誘電体基材の表面に設けられた前記アンテナ電極と、前記誘電体基材の裏面に設けられたグランド電極と、前記裏面に設けられた給電電極と、前記給電電極に導通されて前記誘電体基材の側面に設けられた側面電極とを備え、
前記給電部は、前記給電電極および前記側面電極を備えて構成される
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記ケース内に配置される電池を有し、
平面視において、前記ケース内を、前記ケースの中心と前記平面アンテナの中心とを通る直線に直交し且つ前記ケースの中心を通る直線で仮想的に2つの領域に分けたとき、
前記電池は、前記平面アンテナが配置される領域とは異なる領域に配置される
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記ケースの厚さ方向において、前記平面アンテナよりも時計表面側に配置され、平面視において、前記平面アンテナと重ならない金属部品を備え、
前記金属部品と前記アンテナ電極との最短距離は、前記平面アンテナの厚さ寸法の80%以上である
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電子時計において、
水晶振動子、モーター、耐磁板の少なくともいずれかを有し、
平面視において、前記ケース内を、前記ケースの中心と前記平面アンテナの中心とを通る第1直線と、前記第1直線に直交し且つ前記ケースの中心を通る第2直線とで仮想的に4つの領域に分けたとき、
前記水晶振動子、前記モーター、前記耐磁板の少なくともいずれかは、前記給電部が配置される領域とは異なる領域に配置される
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記平面アンテナは、パッチアンテナである
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記平面アンテナおよび前記平面アンテナ用の受信ICが実装された回路基板を備え、
前記平面アンテナの前記給電部と、前記受信ICとを接続する配線は、前記回路基板に直線状に配線されている
ことを特徴とする電子時計。 - ケースと、
前記ケース内に配置される文字板と、
前記ケース内であって前記文字板の裏面側に配置され、円偏波を受信する平面アンテナと、
前記平面アンテナを作動させる制御部と、
前記ケースの12時側および6時側にそれぞれ接続される第1バンドおよび第2バンドと、
を有する電子時計であって、
前記平面アンテナは、縮退分離素子を有するアンテナ電極と、給電部とを備え、
前記給電部は、前記平面アンテナの中心に対して、第1角度範囲内または第2角度範囲内に配置され、
前記平面アンテナの前記文字板側の面を含む平面において、前記平面アンテナの中心を原点とし、前記第1バンドおよび前記第2バンドの長手方向に平行であり、前記原点から前記第1バンドに向かう直線を基準線とした場合に、前記第1角度範囲は、前記原点を回転中心として前記基準線から時計回りに45度から135度までの範囲であり、前記第2角度範囲は、前記原点を回転中心として前記基準線から反時計回りに45度から135度までの範囲である
ことを特徴とする電子時計。
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