以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態においては、本発明が適用された画像形成装置および定着装置として、電子写真方式を採用したいわゆるタンデム型のカラープリンターおよびこれに具備された定着装置を例示して説明を行なう。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置の概略図である。まず、この図1を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置1の概略的な構成および動作について説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、装置本体2と、給紙ユニット9とを主として備えている。装置本体2は、記録材としての用紙に画像を形成するための部位である画像形成部2Aと、画像形成部2Aに用紙を供給するための部位である給紙部2Bとを含んでいる。給紙ユニット9は、画像形成部2Aに供給するための用紙を収納するものであり、給紙部2Bに着脱自在に設けられている。
画像形成装置1の内部には、複数のローラー3が設置されており、これにより用紙が所定の方向に沿って搬送される搬送経路4が、上述した画像形成部2Aおよび給紙部2Bに跨って構築されている。また、図中に示すように、装置本体2には、画像形成部2Aに用紙を供給するための手差しトレイ9aが別途設けられていてもよい。
画像形成部2Aは、たとえばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色のトナー像を形成可能な作像ユニット5と、当該作像ユニット5に含まれる感光体を露光するための露光ユニット6と、作像ユニット5に懸架された中間転写ベルト7aと、搬送経路4上であってかつ中間転写ベルト7aの走路上に設けられた転写部7と、転写部7よりも下流側の部分の搬送経路4上に設けられた、後述する本実施の形態に係る定着装置8Aとを主として備えている。
作像ユニット5は、露光ユニット6からの露光を受けてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色のトナー像あるいはブラック(K)のみからなるトナー像を形成し、これを中間転写ベルト7aに転写する(いわゆる一次転写)。これにより、中間転写ベルト7aには、カラートナー像あるいはモノクロトナー像が形成されることになる。
中間転写ベルト7aは、その表面に形成されたカラートナー像あるいはモノクロトナー像を転写部7へと移送し、給紙部2Bから転写部7へと搬送されてきた用紙とともに転写部7において圧接される。これにより、中間転写ベルト7aの表面に形成されたカラートナー像あるいはモノクロトナー像が用紙へと転写される(いわゆる二次転写)。
カラートナー像あるいはモノクロトナー像が転写された用紙は、その後、定着装置8Aによって加圧および加熱される。これにより、用紙上にカラー画像あるいはモノクロ画像が形成されることになり、当該カラー画像あるいはモノクロ画像が形成された用紙は、その後、装置本体2から排出される。
図2は、本実施の形態に係る定着装置の幅方向の中央部における模式断面図であり、図3は、当該定着装置の図2中に示すIII-III線に沿った模式断面図である。また、図4および図5は、それぞれ当該定着装置の図3中に示すIV-IV線およびV-V線に沿った模式断面図である。次に、これら図2ないし図5を参照して、本実施の形態に係る定着装置8Aの構成および動作について説明する。
ここで、図4および図5は、図2と同様に、いずれも定着装置8Aの幅方向の所定位置において定着装置8Aを当該幅方向と直交する方向に沿って切断した断面を表わしており、図4に示す断面は、後述する第2ガイド部27に設けられた第2当接面27aを含む部分の定着装置8Aの断面であり、図5は、後述する第1ガイド部26に設けられた第1当接面26bを含む部分の定着装置8Aの断面である。なお、図2に示す断面は、図3中に示すII-II線に沿った部分の定着装置8Aの断面に該当する。
図2ないし図5に示すように、定着装置8Aは、加圧回転体としての加圧ローラー10と、加熱回転体としての定着ベルト21を含む定着ベルトユニット20Aと、回転検出部としての反射型光電センサ30と、用紙を搬送するための各種のガイド41~43とを主として備えている。
加圧ローラー10は、たとえばアルミニウム合金等からなる金属製の芯金11と、当該芯金11を覆うように設けられたたとえばシリコーンゴム等からなるゴム製の弾性層12とによって構成されている。加圧ローラー10は、弾性層12を覆うように設けられたたとえばフッ素系樹脂からなる離型層をさらに有していてもよい。
加圧ローラー10の軸方向の長さは、たとえば340mmであり、加圧ローラー10の直径は、たとえば30mmである。加圧ローラー10が上述した離型層を有している場合には、たとえば、芯金11の直径が25mmとされ、弾性層12の厚みが2.5mmとされ、離型層の厚みが30μmとされる。
加圧ローラー10は、定着ベルト21の外周面に対向するように配置されており、その軸方向の両端部は、図示しない軸支部によって回転可能に軸支されている。加圧ローラー10は、図示しないたとえばモーター等の駆動源によって回転可能に駆動される。また、加圧ローラー10は、図示しない付勢部材によって定着ベルトユニット20A側に向けて弾性付勢可能に構成されている。
定着ベルトユニット20Aは、上述した定着ベルト21に加え、パッド部材22と、第1支持部材23と、高反射率部材24と、加熱源25と、第1ガイド部26と、一対の第2ガイド部27とを主として有している。
定着ベルト21は、無端状であり、耐熱性や強度、表面の平滑性等を考慮してたとえば複数の層にて構成されている。具体的には、定着ベルト21は、たとえばポリイミドからなる基材層と、たとえばシリコーンゴム等からなるゴム製の弾性層と、たとえばフッ素系樹脂からなる離型層とを含んでいる。これら複数の層は、定着ベルト21の内側から外側に向けて基材層、弾性層、離型層の順で位置している。
定着ベルト21の幅方向の長さは、たとえば330mmであり、定着ベルト21の径(すなわち外周長)は、たとえば30mmである。基材層の厚みは、たとえば70μmであり、弾性層の厚みは、たとえば200μmであり、離型層の厚みは、たとえば30μmである。
パッド部材22は、定着ベルト21の幅方向(すなわち、加圧ローラー10の軸方向)に沿って延在する長尺状の部材にて構成されており、定着ベルト21の内側の空間に配置されている。パッド部材22は、略平板状の形状を有している。また、パッド部材22の表面は、定着ベルト21の摺動性の向上を図るために、図示する如くの低摩擦部22aによって構成されていることが好ましい。パッド部材22は、たとえば液晶ポリマー製であり、低摩擦部22aは、たとえばフッ素系樹脂からなるシート状の部材にて構成される。
パッド部材22の幅方向の長さは、たとえば350mmであり、パッド部材22の厚みは、その幅方向における中央部においてたとえば2.1mmであり、その幅方向における両端部においてたとえば2mmである。ここで、パッド部材22の厚みが幅方向において異なる理由は、加圧ローラー10の押圧によってパッド部材22に撓み変形が生じることを考慮したためである。
また、低摩擦部22aの厚みは、たとえば200μmであり、その定着ベルト21側の表面は、定着ベルト21の摺動性を良好に保つために、定着ベルト21との間の摩擦係数がたとえば0.18未満となるように構成されていることが好ましい。なお、低摩擦部22aの定着ベルト21側の表面には、摩擦抵抗を減じるための微小な凹凸が設けられていてもよい。このようにパッド部材22と定着ベルト21との間の摺動性を良好に保つことにより、いわゆるビビリと称される微振動が定着ベルト21およびパッド部材22に発生することが抑制できる。
第1支持部材23は、定着ベルト21の幅方向に沿って延在する長尺状の部材にて構成されており、その大部分が定着ベルト21の内側の空間に配置されている。第1支持部材23は、パッド部材22を支持するためのものであり、定着ベルト21の内側の空間に配置された平板状の基部23aおよび平板状の立壁部23bを含む断面L字状の形状を有している。パッド部材22は、第1支持部材23の基部23aに固定されている。第1支持部材23は、たとえば電気亜鉛めっき鋼板(SECC)等の金属製の部材からなる。
高反射率部材24は、第1支持部材23の表面よりも反射率が高い表面を有する部材からなり、たとえばアルミニウム製の反射板にて構成される。高反射率部材24は、加熱源25から放射される光(赤外線)のうち、第1支持部材23側に向けて進行する光を当該第1支持部材23側とは反対側に位置する部分の定着ベルト21に向けて反射させるための部材である。高反射率部材24は、第1支持部材23の基部23aおよび立壁部23bのうちの加熱源25側の表面を覆うように当該第1支持部材23に固定されている。この高反射率部材24を設けることにより、定着ベルト21をより効率的に加熱することが可能になる。
第1支持部材23の幅方向の長さは、たとえば360mmであり、第1支持部材23の厚みは、たとえば2mmである。また、高反射率部材24の幅方向の長さは、たとえば355mmであり、高反射率部材24の厚みは、たとえば0.5mmである。
加熱源25は、定着ベルト21の幅方向と平行な方向に沿って延在する一対の棒状ヒーターであるロングヒーター25Aおよびショートヒーター25Bを含んでおり、定着ベルト21の内側の空間に配置されている。加熱源25は、定着ベルト21を加熱するためのものであり、その軸方向の両端が保持部25a(図3参照)によって保持されている。ロングヒーター25Aおよびショートヒーター25Bは、たとえばいずれもハロゲンヒーターからなる。
ロングヒーター25Aは、定着ベルト21の幅方向における略全域に対応した領域に発熱部を有しており、当該発熱部が発熱することにより、主としてその輻射熱によって定着ベルト21を加熱するものである。なお、当該発熱部の軸方向長さは、画像形成装置1に供給される各種サイズの用紙のうち、その幅が最大である用紙の当該幅に対応している。なお、このロングヒーター25Aの発熱部の軸方向長さが、通紙領域R1(図3参照)の幅に相当することになる。
ショートヒーター25Bは、定着ベルト21の幅方向における中央部に対応した領域のみに発熱部HG(図3参照)を有しており、当該発熱部HGが発熱することにより、主としてその輻射熱によって定着ベルト21を加熱するものである。なお、当該発熱部HGの軸方向長さは、画像形成装置1に供給される各種サイズの用紙のうち、その幅が最小である用紙の当該幅に対応している。
なお、ロングヒーター25Aの発熱部の軸方向長さは、たとえば320mmであり、ショートヒーター25Bの発熱部HGの軸方向長さは、たとえば160mmである。また、ロングヒーター25Aのワット数は、たとえば1200Wであり、ショートヒーター25Bのワット数は、たとえば650Wである。
第1ガイド部26は、定着ベルト21の後述する被検出領域R2(図3参照)に対応して設けられており、定着ベルト21の内側の空間に配置されている。第1ガイド部26は、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21の内周面に当接することにより、当該部分の定着ベルト21をばたつかせることなく安定的に移動させるためのものであるが、その詳細については後述することとする。
一対の第2ガイド部27は、定着ベルト21の幅方向の両端部に対応した位置に設けられており、その一部が定着ベルト21の内側の空間に配置されている。一対の第2ガイド部27の各々は、断面視略C字状の形状を有しており、その外周面の所定位置に定着ベルト21が摺動可能に懸架されている。当該一対の第2ガイド部27は、定着ベルト21の移動を案内するためのものであるが、その詳細については後述することとする。
反射型光電センサ30は、定着ベルト21の外周面に対向するように配置されており、より詳細には、定着ベルト21の後述する被検出領域R2(図3参照)に対応した位置に配置されている。反射型光電センサ30は、たとえばLED(light-emitting diode)等からなる投光器と、たとえばPD(photodiode)等からなる受光器とを含んでおり、投光器から出射された光の反射光を受光器にて受光することができるように構成されたものである。この反射型光電センサ30から出力される光電流により、定着ベルト21の回転の有無が検出されることになるが、その詳細については後述することとする。
本実施の形態に係る定着装置8Aにおいては、上述したように、加圧ローラー10が、図示しない付勢部材によって定着ベルトユニット20A側に向けて弾性付勢可能に構成されている。ここで、図2、図4および図5に示すように、加圧ローラー10が図示しない付勢部材によって定着ベルトユニット20A側に向けて弾性付勢された状態においては、定着ベルト21が、パッド部材22に向けて押圧されることになる。
図2、図4および図5を参照して、定着ベルト21がパッド部材22に向けて押圧された状態において、加圧ローラー10が図示しない上述したモーター等の駆動源によって図中に示す矢印A方向に向けて回転駆動されることにより、定着ベルト21は、パッド部材22上を摺動するように図中に示す矢印B方向に向けて従動回転する。
これにより、加圧ローラー10と定着ベルト21の外周面との間には、用紙が搬送されるニップ部N(図2参照)が形成されることになる。換言すれば、加圧ローラー10および定着ベルトユニット20Aは、それらの間に形成されるニップ部Nが用紙の搬送経路4上に位置することとなるように、当該搬送経路4を挟み込むように配置されている。
ここで、加圧ローラー10のうちの、上述した通紙領域R1を除く部分である軸方向の両端部において、前述の離型層を設けることなく弾性層12を露出させることとすれば、当該部分における定着ベルト21との摩擦抵抗を大きくすることが可能になり、より効率的に定着ベルト21を従動回転させることができる。
なお、定着ベルト21がパッド部材22に向けて押圧された状態において、加圧ローラー10と定着ベルトユニット20Aとが並ぶ方向が、定着ベルト21がパッド部材22側に向けて押圧される押圧方向DR1に該当することになり、当該押圧方向DR1と直交しかつ加圧ローラー10の軸方向(すなわち、定着ベルト21の幅方向)と直交する方向が、用紙の搬送方向DR2に該当することになる。
ここで、本実施の形態に係る定着装置8Aにおいては、加圧ローラー10と定着ベルトユニット20Aとが、略水平方向において対向するように配置されている。これにより、上述した搬送方向DR2が、略鉛直方向に沿って配置されることになる。また、定着装置8Aに含まれる部分の搬送経路4は、鉛直下方側から鉛直上方側に向けて用紙が搬送されるように構成されている。これにより、ニップ部Nの入口は、鉛直下方側の位置に設けられることになり、ニップ部Nの出口は、鉛直上方側の位置に設けられることになる。
なお、厳密な意味においては、搬送経路4は、加圧ローラー10と定着ベルト21の外周面との間のうちの上述した通紙領域R1に対応した位置においてのみ形成されるものであるが、ここでは理解を容易とするために、通紙領域R1に対応しない位置の断面を表わす図4および図5においても、搬送経路4を模式的に図示している。
搬送経路4上の位置であって、用紙の搬送方向DR2に沿ってニップ部Nよりも上流側の位置(すなわち、図2、図4および図5中における下方側の位置)には、入口側ガイド41が設けられている。入口側ガイド41は、搬送経路4上を送られてきた用紙が確実にニップ部Nに投入されるようにするためのガイドである。
また、搬送経路4上の位置であって、用紙の搬送方向DR2に沿ってニップ部Nよりも下流側の位置(すなわち、図2、図4および図5中における上方側の位置)には、分離用ガイド42および出口側ガイド43が設けられている。分離用ガイド42は、ニップ部Nから排出されるに際して定着ベルト21に密着した状態にある用紙を当該定着ベルト21から分離するためのガイドであり、出口側ガイド43は、分離用ガイド42によって定着ベルト21から分離された用紙を確実に搬送経路4上に戻すためのガイドである。
図3および図4を参照して、上述したように、定着ベルト21の幅方向の一対の端部に対向する位置には、それぞれ第2ガイド部27が位置している。一対の第2ガイド部27の各々は、たとえば樹脂製の部材にて構成されており、好ましくは液晶ポリマーにて構成される。一対の第2ガイド部27の各々は、画像形成装置1の内部に設けられた定着装置8Aを構成するシャーシ50にたとえばビス51等によって固定されている。
一対の第2ガイド部27の各々は、断面視略C字状の形状を有しており、定着ベルト21の幅方向を軸方向とする湾曲板状の部位と、当該湾曲板状の部位の軸方向の所定位置から径方向外側に向けて立設された鍔部とを有している。
一対の第2ガイド部27の各々が有する湾曲板状の部位の外周面は、定着ベルト21の内周面に当接する第2当接面27aとして機能し、一対の第2ガイド部27の各々が有する鍔部のうちの、定着ベルト21の幅方向に沿った内側の面は、定着ベルト21の端面に対向する規制面27bとして機能する。
すなわち、第2当接面27aは、定着ベルト21の幅方向の端部に対応する部分の内周面に当接しており、これにより、定着ベルト21の従動回転時において定着ベルト21が当該第2当接面27a上を摺動することになる。そのため、定着ベルト21の従動回転時において、一対の第2ガイド部27の各々に設けられた第2当接面27aによって定着ベルト21の両端部が案内されることになり、定着ベルト21をより安定的に従動回転させることが可能になる。
また、規制面27bは、定着ベルト21の端面に対向して位置しており、これにより、定着ベルト21の従動回転時において定着ベルト21がその幅方向に沿って移動してしまうことが規制できることになる。そのため、定着ベルト21の従動回転時において、一対の第2ガイド部27の各々に設けられた規制面27bによって定着ベルト21の幅方向における位置ずれが抑制できることになり、結果として定着ベルト21をより安定的に従動回転させることが可能になる。
第2ガイド部27の定着ベルト21側の表面は、定着ベルト21の摺動性を良好に保つために、定着ベルト21との間の摩擦係数がたとえば0.18未満となるように構成されていることが好ましい。なお、第2ガイド部27の定着ベルト21側の表面には、摩擦抵抗を減じるための微小な凹凸が設けられていてもよい。このように第2ガイド部27と定着ベルト21との間の摺動性を良好に保つことにより、いわゆるビビリと称される微振動が定着ベルト21および第2ガイド部27に発生することが抑制できる。
ここで、上述した如くの一対の第2ガイド部27を設けることにより、前述のとおり定着ベルト21がより安定的に従動回転することにはなるものの、ニップ部Nを除く部分の定着ベルト21において完全にそのばたつきの発生を防止することはできない。そのため、定着ベルト21には、その従動回転時において相当程度のばたつきが発生することになる。
この定着ベルト21のばたつきの発生は、定着ベルト21の従動回転時において加圧ローラー10から定着ベルト21に印加される力に定着ベルト21の幅方向においてアンバランスが生じることに主として起因しており、これにより局所的に定着ベルト21が撓み変形を起こすことで発生する。また、定着ベルト21に全体として幅方向に沿って位置ずれが発生した場合(すなわち、定着ベルト21が蛇行してしまった場合)には、定着ベルト21の端面が第2ガイド部27の規制面27bに突き当たり、これによって定着ベルト21の端部近傍において撓み変形が起こることによっても、定着ベルト21のばたつきが発生する。
この定着ベルト21のばたつきが、被検出領域R2を含む部分において発生した場合には、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21と反射型光電センサ30との間の距離に変動が生じることになる。この被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21と反射型光電センサ30との間の距離の変動は、その変動の程度にもよるものの、概して定着ベルト21の回転を正確に検出する上での障害となる。
そこで、本実施の形態に係る定着装置8Aにおいては、上述した第1ガイド部26を設けることにより、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21のばたつきを抑制し、これによって反射型光電センサ30による定着ベルト21の回転の検出精度の低下を抑制することを可能にしている。以下、この点について詳説する。
図3および図5を参照して、定着ベルト21の幅方向の所定位置には、周方向において反射率が異なる部分を有する被検出領域R2が設けられている。より詳細には、被検出領域R2は、定着ベルト21の外周面側に位置する表面の反射率が相対的に高い部分と、定着ベルト21の外周面側に位置する表面の反射率が相対的に低い部分とを有しており、これら部分が周方向において交互に位置するように構成されたものである。
定着ベルト21の表面の反射率を部位ごとに異ならしめる方法としては、各種の方法が適用できるが、本実施の形態においては、定着ベルト21の表層(すなわち離型層)のうちの所定部位に紫外線レーザー等のレーザー光を照射することでマーク部21aを形成することで実現している。当該方法を採用した場合には、マーク部21aの反射率は、マーク部21aが形成されていない部分の反射率よりも低くなる。
なお、レーザー光を照射する方法以外の方法としては、たとえば定着ベルトの所定部位にアルミ箔等のシール部材を貼り付ける方法や、定着ベルトの所定部位にめっき処理を施す方法、定着ベルトの所定部位にインクジェットやスタンプ等によってマーク部を形成する方法、定着ベルトの所定部位に凹部や凸部あるいは孔部等を設ける方法等が適用できる。
ここで、本実施の形態においては、被検出領域R2は、定着ベルト21のうちの通紙領域R1と重ならない部分に設けられている。これは、このように構成することにより、通紙領域R1に被検出領域R2を設けた場合よりも、紙粉の付着やトナーの付着等による被検出領域R2の汚染を抑制できるためである。
また、本実施の形態においては、被検出領域R2は、定着ベルト21のうちの一対の第2ガイド部27に懸架された部分以外の部分(すなわち、定着ベルト21のうちの第2ガイド部27の各々に当接する部分よりも定着ベルト21の幅方向の内側の部分)に設けられている。このように構成することにより、よりばたつきが生じ易い定着ベルト21の端部から離して被検出領域R2が設けられることになるため、より安定して定着ベルト21の回転が検出できることになる。
マーク部21aの形状や大きさ、数、形成位置等は、種々変更できるものの、本実施の形態においては、マーク部21aを平面視矩形状とし、定着ベルト21の幅方向に沿ったマーク部21aの大きさを12mmとし、定着ベルト21の周方向に沿ったマーク部21aの大きさを10mmとしている。なお、マーク部21aの数は、合計で4つとし、これら4つのマーク部21aを定着ベルト21の周方向に沿って等間隔で配置している。なお、これら4つのマーク部21aの各々は、定着ベルト21の幅方向の一端部から5mm離れた位置に形成している。
反射型光電センサ30は、定着ベルト21の外周面のうちの被検出領域R2に対応する部分に対向して配置されている。当該反射型光電センサ30は、図示しないシャーシ等によって移動不能に支持されている。
反射型光電センサ30としては、各種のものが利用できるが、本実施の形態においては、検出距離が2mm~45mmであり、耐熱温度が85℃であるものが用いられている。なお、当該反射型光電センサ30の被検出領域R2上におけるビーム径は、たとえば8mm以上に設定される。
上述した第1ガイド部26は、定着ベルト21の内側の空間に配置されており、パッド部材22を支持する第1支持部材23の立壁部23bにたとえばビス等によって固定されている。より詳細には、第1ガイド部26は、定着ベルト21の被検出領域R2に対応する部分を挟んで反射型光電センサ30と対向するように位置している。第1ガイド部26は、たとえば樹脂製の部材にて構成されており、好ましくは断熱性を考慮して液晶ポリマーにて構成される。なお、第1ガイド部26は、金属製の部材にて構成されてもよい。
また、第1ガイド部26の表面は、定着ベルト21の摺動性の向上を図るために、図示する如くの低摩擦部26aによって構成されていることが好ましい。低摩擦部26aは、たとえばフッ素系樹脂からなるシート状の部材にて構成される。
第1ガイド部26の定着ベルト21に対向する部分(すなわち、低摩擦部26aの表面のうちの定着ベルト21に対向する部分)は、定着ベルト21の内周面に当接する第1当接面26bとして機能する。すなわち、第1当接面26bは、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21の内周面に当接しており、これにより、定着ベルト21の従動回転時において定着ベルト21が当該第1当接面26b上を摺動することになる。
そのため、定着ベルト21の従動回転時において、第1ガイド部26に設けられた第1当接面26bによって被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21が案内されることになり、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21をより安定的に従動回転させることが可能になる。
ここで、第1ガイド部26の幅方向の大きさは、特に制限されるものではないが、好ましくは被検出領域R2の幅方向の大きさと同等程度とされ、より好ましくは被検出領域R2の幅方向の大きさよりも大きくされる。また、低摩擦部26aの厚みは、たとえば200μmであり、その定着ベルト21側の表面は、定着ベルト21の摺動性を良好に保つために、定着ベルト21との間の摩擦係数がたとえば0.18未満となるように構成されていることが好ましい。なお、低摩擦部26aの定着ベルト21側の表面には、摩擦抵抗を減じるための微小な凹凸が設けられていてもよい。このように第1ガイド部26と定着ベルト21との間の摺動性を良好に保つことにより、いわゆるビビリと称される微振動が定着ベルト21および第1ガイド部26に発生することが抑制できる。
以上により、本実施の形態に係る定着装置8Aにおいては、定着ベルト21の従動回転時において、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21が、第1ガイド部26上を摺動することになり、これによって被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21のばたつきが、効果的に抑制できることになる。したがって、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21と反射型光電センサ30との間の距離に変動が生じることが大幅に抑制できることになり、結果として定着ベルト21の回転を高精度に検出できることになる。
図6は、図3および図5に示す反射型光電センサの出力波形を示す模式図である。本実施の形態に係る定着装置8Aにおいては、反射型光電センサ30から出力される光電流が図示しない制御部に入力され、この制御部において光電流の大きさが経時的に取得され、取得された光電流の振幅に基づいて定着ベルト21の回転の有無が検出される。
すなわち、図6に示すように、定着ベルト21の停止時においては、光電流の大きさが経時的に変化することなく、ある一定の大きさに維持されることになる。一方で、定着ベルト21の回転時においては、光電流の大きさが経時的に変化し、反射型光電センサ30に定着ベルト21のマーク部21aが対向した状態において、取得される光電流の大きさは小さくなり、反射型光電センサ30に定着ベルト21のマーク部21aが形成されていない部分(すなわち非マーク部)が対向した状態において、取得される光電流の大きさは大きくなる。そのため、光電流の大きさは、図示するように所定の振幅をもって変動することになり、図示しない制御部がその振幅の大きさを予め定めた閾値と比較することにより、定着ベルト21の回転の有無が検出されることになる。
ここで、上述のとおり、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21と反射型光電センサ30との間の距離に変動が生じた場合には、光電流の振幅が想定よりも小さなってしまい(すなわち、マーク部21aが対向した状態において反射型光電センサ30から出力される光電流と、非マーク部が対向した状態において反射型光電センサ30から出力される光電流との差分が、想定よりも小さくなってしまい)、結果として定着ベルト21の回転の検出の精度が低下してしまうことになる。しかしながら、本実施の形態に係る定着装置8Aにおいては、上述した第1ガイド部26の存在により、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21と反射型光電センサ30との間の距離に変動が生じ難くなるため、より高精度に定着ベルト21の回転の検出を行なうことができる。
このように、本実施の形態に係る定着装置8Aおよびこれを備えた画像形成装置1とすることにより、定着ベルト21の回転を高精度に検出できることになるため、当該検出結果に基づいて上述した加熱源25の動作および上述した加圧ローラー10を駆動する図示しない駆動源の動作等を上述した制御部が適切に制御することにより、記録材としての用紙が詰まったり、記録材としての用紙に皺が生じたり、あるいは、記録材としての用紙が局所的に過加熱されることで定着ムラが生じたりする不具合の発生を大幅に抑制することができる。
ここで、図3および図5に示すように、本実施の形態においては、反射型光電センサ30および第1ガイド部26が、定着ベルト21の幅方向に沿って見た場合に、定着ベルト21の軌道上のうちの、ニップ部Nに対応する部分を除く領域であってかつニップ部Nの出口側よりもニップ部Nの入口側に近い領域に配置されている。このように構成することにより、反射型光電センサ30および第1ガイド部26を上述したニップ部Nの出口側の領域に配置するよりも、さらに定着ベルト21の回転を高精度に検出することができる。
これは、定着ベルト21の従動回転時において、加圧ローラー10が圧接する部分であるニップ部Nにおいて定着ベルト21に強い押圧力が作用することに伴い、当該ニップ部Nの出口側の領域においては、定着ベルト21に大きなばたつきが発生し易いのに対し、当該ニップ部Nの入口側の領域においては、定着ベルト21に大きなばたつきが発生し難いためである。そのため、上記のとおりに構成することにより、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21と反射型光電センサ30との間の距離に変動が生じ難くなり、結果として定着ベルト21の回転を高精度に検出することが可能になる。
ここで、上述のとおり、ニップ部Nの入口側の領域において定着ベルト21に大きなばたつきが発生し難い理由は、ニップ部Nから当該領域までの、定着ベルト21の回転下流側に向けての距離が大きいことと、当該領域においては、一対の第2ガイド部27によって定着ベルト21が案内されていることとにある。
また、本実施の形態においては、反射型光電センサ30および第1ガイド部26が、加熱源25よりも鉛直下方に配置されている。このように構成することにより、加熱源25にて発生する熱の影響を反射型光電センサ30および第1ガイド部26が受け難くなり、その意味においても、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21と反射型光電センサ30との間の距離に変動が生じ難くなり、結果として定着ベルト21の回転を高精度に検出することが可能になる。
さらには、本実施の形態においては、反射型光電センサ30および第1ガイド部26が、加熱源25との間で第1支持部材23によって遮られている。このように構成した場合にも、加熱源25にて発生する熱の影響を反射型光電センサ30および第1ガイド部26が受け難くなり、その意味においても、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21と反射型光電センサ30との間の距離に変動が生じ難くなり、結果として定着ベルト21の回転を高精度に検出することが可能になる。
なお、上述した熱の影響には、反射型光電センサ30および第1ガイド部26が過度に加熱されることで膨張し、結果として被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21と反射型光電センサ30との間の距離に意図しない変動が生じてしまうことや、反射型光電センサ30の温度特性に起因した光電流の出力変動に伴って回転の検出に誤差が生じてしまうこと、第1ガイド部26が熱によって溶けてしまうこと等が含まれる。
ここで、第1ガイド部26と定着ベルト21との間の摩擦係数は、パッド部材22と定着ベルト21との間の摩擦係数と同じになるように構成されていることが好ましい。このように構成することにより、第1ガイド部26と定着ベルト21との間の摺動性とパッド部材22と定着ベルト21との間の摺動性に差が生じなくなるため、定着ベルト21がよりスムーズに従動回転することになる。
さらに、第2ガイド部27と定着ベルト21との間の摩擦係数は、パッド部材22と定着ベルト21との間の摩擦係数と同じになるように構成されていることが好ましい。このように構成することにより、第2ガイド部27と定着ベルト21との間の摺動性とパッド部材22と定着ベルト21との間の摺動性に差が生じなくなるため、定着ベルト21がよりスムーズに従動回転することになる。
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2に係る定着装置の模式断面図であり、図8は、図7に示すガイド部材の概略斜視図である。以下、これら図7および図8を参照して、本実施の形態に係る定着装置8Bについて説明する。なお、本実施の形態における定着装置8Bは、上述した実施の形態1における定着装置8Aに代えて、上述した実施の形態1における画像形成装置1に組み込まれるものである。
図7に示すように、本実施の形態に係る定着装置8Bは、上述した実施の形態1に係る定着装置8Aと比較した場合に、異なる構成の定着ベルトユニット20Bを備えている点においてのみ相違している。より詳細には、上述した実施の形態1に係る定着装置8Aにおいては、第1ガイド部26、一対の第2ガイド部27の一方および他方が、いずれも別部材にて構成されているのに対し、本実施の形態に係る定着装置8Bにおいては、これらのうち、第1ガイド部26と一対の第2ガイド部27の一方とが単一の部材からなるガイド部材28によって構成されている。
具体的には、図7および図8に示すように、ガイド部材28は、定着ベルト21の幅方向の両端部のうち、定着ベルト21に設けられた被検出領域R2に近い側の端部に対応した位置に設けられており、その一部が定着ベルト21の内側の空間に配置されている。
特に図8に示すように、ガイド部材28は、断面視略C字状の形状を有しており、定着ベルト21の幅方向を軸方向とする湾曲板状の部位と、当該湾曲板状の部位の軸方向の所定位置から径方向外側に向けて立設された鍔部と、上記湾曲板状の部位から定着ベルト21の幅方向における内側に向けて局所的に延設された舌片状の部位とを有している。このうち、舌片状の部位が第1ガイド部26に該当し、湾曲状の部位および鍔部が、第2ガイド部27に該当する。
ガイド部材28の舌片状の部位の外周面は、定着ベルト21の内周面に当接する第1当接面26bとして機能する。また、ガイド部材28の湾曲板状の部位の外周面は、定着ベルト21の内周面に当接する第2当接面27aとして機能し、ガイド部材28が有する鍔部のうちの、定着ベルト21の幅方向に沿った内側の面は、定着ベルト21の端面に対向する規制面27bとして機能する。
図7に示すように、ガイド部材28は、画像形成装置1の内部に設けられた定着装置8Bを構成するシャーシ50にたとえばビス51等によって固定されている。より詳細には、ガイド部材28のうちの第2ガイド部27が、シャーシ50にビス51によって固定されることにより、ガイド部材28のうちの第1ガイド部26が、当該第2ガイド部27を介してシャーシ50によって保持されている。ここで、シャーシ50は、反射型光電センサ30を支持する第2支持部材の一部を構成しており、これにより、反射型光電センサ30と第1ガイド部26との位置決めが行なわれることになる。
このように構成した場合にも、定着ベルト21の従動回転時において、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21がガイド部材28の第1当接面26b上を摺動することになり、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21と反射型光電センサ30との間の距離に変動が生じ難くなる。そのため、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られることになり、より高精度に定着ベルト21の回転の検出を行なうことが可能となる。
ここで、本実施の形態の如くの構成を採用した場合には、上述した実施の形態1に比べ、部品点数を削減することができるばかりでなく、その組付けの際の作業性も大幅に向上することになり、製造コストを削減することが可能になる。特に、上述した実施の形態1の如く構成を採用した場合であってかつ定着ベルト21の周長が比較的小さい場合には、予め組立てられたパッド部材22、第1支持部材23、高反射率部材24および加熱源25等からなるサブアセンブリに定着ベルト21を外挿するに際して、第1ガイド部26が定着ベルト21の外挿の障害となることが想定され、場合によっては定着ベルト21を傷つけてしまうおそれもあるが、本実施の形態の如くの構成を採用した場合には、上述したサブアセンブリに定着ベルト21を外挿した後に、当該定着ベルト21にガイド部材28を内挿することで第1ガイド部26を設置することができるため、上記のような問題が発生することが回避できる。
(実施の形態3)
図9は、実施の形態3に係る定着装置の模式断面図である。以下、この図9を参照して、本実施の形態に係る定着装置8Cについて説明する。なお、本実施の形態における定着装置8Cは、上述した実施の形態1における定着装置8Aに代えて、上述した実施の形態1における画像形成装置1に組み込まれるものである。
図9に示すように、本実施の形態においては、定着装置8Cに設けられた部分の搬送経路4が略水平方向に沿って延在しており、これに伴って、加圧ローラー10と定着ベルトユニット20Cとが、略鉛直方向において対向するように配置されている。すなわち、定着ベルト21がパッド部材22側に向けて押圧される方向である押圧方向DR1が、略鉛直方向に合致しており、用紙が搬送される方向である搬送方向DR2が、略水平方向に合致している。
これに伴い、反射型光電センサ30および第1ガイド部26は、搬送経路4よりも鉛直上方側に位置しているものの、上述した実施の形態1の場合と同様に、定着ベルト21の幅方向に沿って見た場合に、定着ベルト21の軌道上のうちの、ニップ部Nに対応する部分を除く領域であってかつニップ部Nの出口側よりもニップ部Nの入口側に近い領域に配置されている。
ここで、本実施の形態においては、反射型光電センサ30および第1ガイド部26が、鉛直方向において加熱源25とほぼ同等の高さに配置されているものの、加熱源25との間で第1支持部材23によって遮られている。そのため、加熱源25にて発生する熱の影響を反射型光電センサ30および第1ガイド部26が受け難くなるように構成されている。
このように構成した場合にも、定着ベルト21の従動回転時において、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21がガイド部材28の第1当接面26b上を摺動することになり、被検出領域R2に対応する部分の定着ベルト21と反射型光電センサ30との間の距離に変動が生じ難くなる。そのため、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られることになり、より高精度に定着ベルト21の回転の検出を行なうことが可能となる。
(その他の態様)
上述した本発明の実施の形態1ないし3においては、加熱源としてハロゲンヒーターを備えてなる定着装置および画像形成装置に本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、加熱源はこれに限定されるものではなく、IH(電磁誘導加熱)方式の加熱源や、抵抗発熱体等からなる加熱源等を備えてなる定着装置および画像形成装置に本発明を適用することも当然に可能である。
また、上述した本発明の実施の形態1ないし3においては、被検出領域に対応する部分の定着ベルトに当接する第1ガイド部、および、定着ベルトを間に挟んで第1ガイド部に対向して位置する反射型光電センサを、定着ベルトの幅方向に沿って見た場合に、定着ベルトの軌道上のうちの、ニップ部に対応する部分を除く領域であってかつニップ部の出口側よりもニップ部の入口側に近い領域に配置した場合を例示して説明を行なったが、加熱源にて発生する熱の影響を第1ガイド部および反射型光電センサが相当程度に受けることを許容できる場合や、別途の手立てによってその受ける影響の程度を軽減することができる場合等には、これら第1ガイド部および反射型光電センサを、上述したニップ部の出口側に近い領域に設けることとしてもよい。また、上述のとおり、第1ガイド部および反射型光電センサを上述したニップ部の入口側に近い領域に設ける場合であっても、具体的にどの位置に設けるかは適宜変更が可能であり、図示する位置よりもさらにニップ部の入口側に近い位置に配置してもよいし、図示する位置よりもさらにニップ部の入口側から遠い位置に配置してもよい。
また、上述した本発明の実施の形態1ないし3においては、第1ガイド部またはガイド部材をビス等によって第1支持部材または第2支持部材に固定した場合を例示して説明を行なったが、これらの固定方法はこれに限定されるものではなく、たとえば被係止部とこれに係合する係止爪とによる固定や、接着剤による固定等、種々の固定方法が適用可能である。
さらには、上述した本発明の実施の形態1ないし3において示した特徴的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて相互に組み合わせることが可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。