JP7073718B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本技術は、磁気記録媒体に関する。
磁気記録媒体としては、長尺状の支持体上に非磁性層および磁性層が積層された構成のものが知られている。磁性層に含まれる磁性粉としては、強磁性酸化鉄、Co変性強磁性酸化鉄、CrO、強磁性合金などの針状磁性粉が広く用いられている。針状磁性粉は、磁性層の形成の際に、その長手方向に磁化される。
針状磁性粉を用いた磁気記録媒体では、高記録密度を実現するためには、超短波長記録(記録波長の超短波長化)が必要となるが、超短波長記録を実現するために、針状磁性粉の長軸を短くすると、針状磁性粉の保磁力が低下してしまう。これは、針状磁性粉の保磁力の発現が針状というその形状に起因するからである。さらに短波長記録がなされると、自己減磁が大きくなり、十分な出力が得られなくなる虞がある。
そこで、LTO6(LTO:Linear Tape Openの略)対応の最近の磁気記録媒体では、針状磁性粉に代えて六方晶バリウムフェライト磁性粉が用いられている。今後、針状磁性粉の長手記録方式からバリウムフェライト磁性粉の垂直記録方式へ移行する高密度記録化のロードマップが描かれている(例えば非特許文献1参照)。高密度記録化を実現するための磁性粉としては、上記バリウムフェライト磁性粉以外にも、Co、Niおよびその他の2価の金属を含有するスピネル型フェリ磁性粉が報告されている(例えば特許文献1参照)。
特許第3862088号公報
IEEE Trans. Magn. Vol.47, No.1,P137(2011)
本技術の目的は、高いSNR(Signal-Noise Ratio)を有する磁気記録媒体を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本技術は、長尺状の基体と、立方晶フェライトを主相とする磁性粒子の粉末を含む磁性層とを備え、長手方向の角形比と垂直方向の角形比の和が1.2以上であり、かつ長手方向の角形比と垂直方向の角形比の差が0.15以上である磁気記録媒体である。
以上説明したように、本技術によれば、高いSNRを有する磁気記録媒体を提供できる。
図1は、本技術の一実施形態に係る磁気記録媒体の構成の一例を示す概略断面図である。 図2は、分散時間と角比との関係を示すグラフである。 図3Aは、実施例1、比較例1、比較例5の磁気テープの長手方向の磁化曲線を示すグラフである。図3Bは、実施例1、比較例1、比較例5の磁気テープの垂直方向の磁化曲線を示すグラフである。 図4Aに、実施例1、比較例1の磁気テープの直流消去ノイズを示すグラフである。図4Bに、実施例1、比較例1の磁気テープの周波数特性を示すグラフである。
本技術の実施形態について以下の順序で説明する。
1 磁気記録媒体の構成
2 磁気記録媒体の製造方法
3 効果
<第1の実施形態>
[1 磁気記録媒体の構成]
本技術の一実施形態に係る磁気記録媒体は、いわゆる垂直磁気記録媒体であり、図1に示すように、長尺状の基体11と、基体11の一方の主面上に設けられた下地層12と、下地層12上に設けられた磁性層13とを備える。磁気記録媒体が、必要に応じて、磁性層13上に設けられた保護層および潤滑剤層などをさらに備えるようにしてもよい。また、必要に応じて、基体11の他方の主面上に設けられたバックコート層をさらに備えるようにしてもよい。
長手方向の角形比と垂直方向の角比の和が1.2以上であり、かつ長手方向の角形比と垂直方向の角比の差が0.15以上である。好ましくは、長手方向の角形比と垂直方向の角比の和が1.28以上であり、かつ長手方向の角形比と垂直方向の角比の差が0.26以上である。但し、“長手方向の角形比と垂直方向の角比の差”は、“長手方向の角形比”から“垂直方向の角比”を差し引いたときの差を意味する。角比の和が1.2未満であると、ノイズが上昇し、かつ出力が低下する傾向がある。すなわち、SNRが悪化する傾向がある。角比の差が0.15未満であると、角比の和が1.2未満の場合と同様に、ノイズが上昇し、かつ出力が低下する傾向がある。すなわち、SNRが悪化する傾向がある。長手方向の角形比と垂直方向の角比の和の上限値は、例えば1.36以下である。長手方向の角形比と垂直方向の角比の差の上限値は、例えば0.29以下である。
(基体)
基体11は、可撓性を有する長尺状のフィルムである。基体11の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート、セルロースブチレートなどのセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのプラスチック、アルミニウム合金、チタン合金などの軽金属、アルミナガラスなどのセラミックなどを用いることができる。磁気記録媒体の機械的強度を高めるために、AlまたはCuの酸化物などを含む薄膜が基体11の少なくとも一方の主面に設けられていてもよい。
(磁性層)
磁性層13は、短波長記録または超短波記録が可能な垂直記録層である。磁性層13は、磁性粉および結着剤を含んでいる。磁性層13が、必要に応じて、導電性粒子、潤滑剤、研磨剤、硬化剤および防錆剤などのうちの少なくとも1種の添加剤をさらに含んでいてもよい。
磁性粉は、立方晶フェライト磁性粒子の粉末(以下「立方晶フェライト磁性粉」という。)である。磁性粉として立方晶フェライト磁性粉を用いることで、磁性粉として六方晶バリウムフェライト磁性粉などを用いた場合よりも高い保磁力Hcを得ることができる。立方晶フェライト磁性粉は、基体11の長手方向に配向している。このように長手方向に配向していることで、角比の和を1.2以上とし、かつ角比の差を0.15以上とすることができる。
立方晶フェライト磁性粒子は、スピネルフェリ磁性粒子である。立方晶フェライト磁性粒子は、立方晶フェライトを主相とする鉄酸化物の粒子である。立方晶フェライトは、好ましくは、Co、Ni、Mn、Al、CuおよびZnからなる群より選ばれる1種以上を含んでいる。立方晶フェライトは、より好ましくは、Coを少なくとも含み、Co以外にNi、Mn、Al、CuおよびZnからなる群より選ばれる1種以上をさらに含んでいる。より具体的には、立方晶フェライトは、一般式MFeで表される平均組成を有する。但し、Mは、好ましくは、Co、Ni、Mn、Al、CuおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の金属である。Mは、より好ましくは、Coと、Ni、Mn、Al、CuおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の金属との組み合わせである。
立方晶フェライト磁性粒子は、立方体状またはほぼ立方体状を有している。ここで、“立方晶フェライト磁性粒子がほぼ立方体状”とは、立方晶フェライト磁性粒子の平均板状比(平均アスペクト比(平均板径LAM/平均板厚LBM))が0.75以上1.25以下である直方体状のことをいう。立方晶フェライト磁性粒子は、単位格子サイズが小さいので、将来の超微粒子化の観点で有利である。
立方晶フェライト磁性粒子の平均板径(平均粒子サイズ)は、好ましくは14nm以下、より好ましくは10nm以上14nm以下である。平均板径が14nm以下であると、媒体表面における粒子の露出面積を低減し、SNRを更に向上することができる。一方、平均板径が10nm以上であると、立方晶フェライト磁性粉の作製が容易となる。
ここで、立方晶フェライト磁性粒子の平均板径は、以下のようにして求められる。まず、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)により磁性層13の表面を観察し、そのAFM像に含まれる数百個の立方晶フェライト磁性粒子の正方形状面の一辺の長さLを板径として求める。次に、数百個の立方晶フェライト磁性粒子の板径を単純に平均(算術平均)して、平均板径LAMを求める。
立方晶フェライト磁性粒子の平均板状比(平均アスペクト比(平均板径LAM/平均板厚LBM))が、0.75以上1.25以下であることが好ましい。平均板状比がこの数値範囲であると、立方晶フェライト磁性粒子が立方体状またはほぼ立方体状となるため、磁性粉の凝集を抑制することができる。
ここで、立方晶フェライト磁性粒子の平均板状比は、以下のようにして求められる。まず、上述したようにして、立方晶フェライト磁性粒子の平均板径LAMを求める。次に、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)により磁性層13の断面を観察し、そのTEM像に含まれる数百個の立方晶フェライト磁性粒子の側面の幅L、すなわち側面を構成する正方形状面の辺の長さLを板厚として求める。次に、数百個の立方晶フェライト磁性粒子の板厚Lを単純に平均(算術平均)して、平均板厚LBMを求める。次に、上述のようにして求めた平均板径LAMおよび平均板厚LBMを用いて、平均板状比(平均板径LAM/平均板厚LBM)を求める。
結着剤としては、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などに架橋反応を付与した構造の樹脂が好ましい。しかしながら結着剤はこれらに限定されるものではなく、磁気記録媒体に対して要求される物性などに応じて、その他の樹脂を適宜配合してもよい。配合する樹脂としては、通常、塗布型の磁気記録媒体において一般的に用いられる樹脂であれば、特に限定されない。
例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル-塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル-塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステル-エチレン共重合体、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン-アリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、合成ゴムなどが挙げられる。
また、熱硬化性樹脂、または反応型樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。
また、上述した各結着剤には、磁性粉の分散性を向上させる目的で、-SOM、-OSOM、-COOM、P=O(OM)などの極性官能基が導入されていてもよい。ここで、式中Mは、水素原子、あるいはリチウム、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属である。
更に、極性官能基としては、-NR1R2、-NR1R2R3+X-の末端基を有する側鎖型のもの、>NR1R2+X-の主鎖型のものが挙げられる。ここで、式中R1、R2、R3は、水素原子、または炭化水素基であり、X-は弗素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン元素イオン、または無機もしくは有機イオンである。また、極性官能基としては、-OH、-SH、-CN、エポキシ基なども挙げられる。
磁性層13は、非磁性補強粒子として、酸化アルミニウム(α、βまたはγアルミナ)、酸化クロム、酸化珪素、ダイヤモンド、ガーネット、エメリー、窒化ホウ素、チタンカーバイト、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン(ルチル型またはアナターゼ型の酸化チタン)などをさらに含有していてもよい。
(下地層)
下地層12は、非磁性粉および結着剤を主成分として含む非磁性層である。下地層12が、必要に応じて、導電性粒子、潤滑剤、硬化剤および防錆剤などのうちの少なくとも1種の添加剤をさらに含んでいてもよい。
非磁性粉は、無機物質でも有機物質でもよい。また、非磁性粉は、カーボンブラックなどでもよい。無機物質としては、例えば、金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。非磁性粉の形状としては、例えば、針状、球状、立方体状、板状などの各種形状が挙げられるが、これに限定されるものではない。結着剤は、上述の磁性層13と同様である。
[2 磁気記録媒体の製造方法]
次に、上述の構成を有する磁気記録媒体の製造方法の一例について説明する。まず、非磁性粉および結着剤などを溶剤に混練、分散させることにより、下地層形成用塗料を調製する。次に、磁性粉および結着剤などを溶剤に混練、分散させることにより、磁性層形成用塗料を調製する。この際、分散時間などを調整して、十分に磁性粉を分散させるようにする。分散が不十分であると、後工程にて磁性粉を磁場配向させても、長手方向の角形比と垂直方向の角比の和が1.2以上となり、かつ長手方向の角形比と垂直方向の角比の差が0.15以上とならなくなる虞がある。磁性層形成用塗料および下地層形成用塗料の調製には、例えば、以下の溶剤、分散装置および混練装置を用いることができる。
上述の塗料調製に用いられる溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレングリコールアセテートなどのエステル系溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2-エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、適宜混合して用いてもよい。
上述の塗料調製に用いられる混練装置としては、例えば、連続二軸混練機、多段階で希釈可能な連続二軸混練機、ニーダー、加圧ニーダー、ロールニーダーなどの混練装置を用いることができるが、特にこれらの装置に限定されるものではない。また、上述の塗料調製に用いられる分散装置としては、例えば、ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、スパイクミル、ピンミル、タワーミル、パールミル(例えばアイリッヒ社製「DCPミル」など)、ホモジナイザー、超音波分散機などの分散装置を用いることができるが、特にこれらの装置に限定されるものではない。
次に、下地層形成用塗料を基体11の一方の主面に塗布して乾燥させることにより、下地層12を形成する。次に、この下地層12上に磁性層形成用塗料を塗布して乾燥させることにより、磁性層13を下地層12上に形成する。なお、乾燥の際に、例えばソレノイドコイルにより、磁性粉に含まれる立方晶フェライト磁性粉を基体11の長手方向に磁場配向させる。次に、必要に応じて、磁性層13上に保護層および潤滑剤層を形成してもよいし、基体11の他方の主面にバックコート層を形成してもよい。
次に、下地層12および磁性層13が形成された基体11を大径コアに巻き直し、硬化処理を行う。次に、下地層12および磁性層13が形成された基体11に対してカレンダー処理を行った後、所定の幅に裁断する。このようにして、所定の幅に裁断されたパンケーキを得ることができる。
[3 効果]
本技術の一実施形態に係る磁気記録媒体では、磁性層13が立方晶フェライト磁性粉を含み、長手方向の角形比と垂直方向の角比の和が1.2以上であり、かつ長手方向の角形比と垂直方向の角比の差が0.15以上である。これにより、高いSNRを有し、短波長記録が可能な磁気記録媒体を得ることができる。
本技術の一実施形態に係る磁気記録媒体の製造方法では、磁性粉として立方晶フェライト磁性粉を用い、磁性層形成用塗料の塗布乾燥の工程において立方晶フェライト磁性粉を基体11の長手配向に磁場配向させている。これにより、長手方向の角形比と垂直方向の角比の和を1.2以上とし、かつ長手方向の角形比と垂直方向の角比の差を0.15以上とすることができる。
以下、実施例および参考例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例および参考例のみに限定されるものではない。
本実施例および参考例について以下の順序で説明する。
i 磁性層形成用塗料の分散時間と角比との関係
ii 長手方向、垂直方向の角比の和および差とSNRとの関係
<i 磁性層形成用塗料の分散時間と角比との関係>
[参考例1-1~1-9]
まず、下記配合の第1組成物をエクストルーダで混練した。次に、ディスパーを備えた攪拌タンクに、第1組成物と、下記配合の第2組成物を加えて予備混合を行った。その後、さらにサンドミル混合を行い、フィルター処理を行って混合物を得た。次に、0.3mmφのジルコニアビーズを用いた循環運転方式のビーズミル分散機(第1分散機)により、上記混合物に分散処理(予備分散処理のみ)を施した。なお、第1分散機による分散処理の時間を1~9時間の範囲でサンプル毎に変化させて、塗料の分散状態をサンプル毎に異なるものとした。以上により、磁性層形成用塗料が調製された。
(第1組成物)
CoNiMnZnフェライト結晶磁性粉:100質量部
(粒子形状:ほぼ立方体状、平均粒子サイズ(平均板径):21nm、平均アスペクト比(平均板状比(平均板径/平均板厚)):1(=21nm/21nm)
塩化ビニル系樹脂(シクロヘキサノン溶液30質量%):55.6質量部
(重合度300、Mn=10000、極性基としてOSOK=0.07mmol/g、2級OH=0.3mmol/gを含有する。)
酸化アルミニウム粉末:5質量部
(α-Al、平均粒径0.2μm)
カーボンブラック:2質量部
(東海カーボン社製、商品名:シーストTA)
(第2組成物)
塩化ビニル系樹脂:27.8質量部
(樹脂溶液:樹脂分30質量%、シクロヘキサノン70質量%)
n-ブチルステアレート:2質量部
メチルエチルケトン:121.3質量部
トルエン:121.3質量部
シクロヘキサノン:60.7質量部
次に、下記配合の第3組成物をエクストルーダで混練した。その後、ディスパーを備えた攪拌タンクに、第3組成物と、下記配合の第4組成物を加えて予備混合を行った。その後、さらにサンドミル混合を行い、フィルター処理を行い、下地層形成用塗料を調製した。
(第3組成物)
針状酸化鉄粉末:100質量部
(α-Fe、平均長軸長0.15μm)
塩化ビニル系樹脂:55.6質量部
(樹脂溶液:樹脂分30質量%、シクロヘキサノン70質量%)
カーボンブラック:10質量部
(平均粒径20nm)
(第4組成物)
ポリウレタン系樹脂UR8200(東洋紡績製):18.5質量部
n-ブチルステアレート:2質量部
メチルエチルケトン:108.2質量部
トルエン:108.2質量部
シクロヘキサノン:18.5質量部
次に、上述のようにして調製した磁性層形成用塗料、および下地層形成用塗料のそれぞれに、硬化剤として、ポリイソシアネート(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン社製)を4質量部添加し、ミリスチン酸を2質量部添加した。
次に、これらの塗料を用いて、基体であるポリエチレンナフタレートフィルム(PENフィルム)上に下地層、および磁性層を以下のようにして形成した。まず、厚さ6.2μmのPENフィルム上に、下地層形成用塗料を塗布、乾燥させることにより、PENフィルム上に下地層を形成した。次に、下地層上に、磁性層形成用塗料を塗布、乾燥させることにより、下地層上に磁性層を形成した。なお、乾燥の際に、ソレノイドコイルにより、CoNiMnZnフェライト結晶磁性粉をPENフィルムの長手方向に磁場配向させた。次に、下地層、および磁性層が形成されたPENフィルムに対して、金属ロールによるカレンダー処理を行い、磁性層表面を平滑化した。
次に、バックコート層として、磁性層とは反対側となるPENフィルムの面に、下記の組成の塗料を膜厚0.6μmに塗布し乾燥処理を行った。
カーボンブラック(旭社製、商品名:#80):100質量部
ポリエステルポリウレタン:100質量部
(日本ポリウレタン社製、商品名:N-2304)
メチルエチルケトン:500質量部
トルエン:400質量部
シクロヘキサノン:100質量部
次に、上述のようにして下地層、磁性層、およびバックコート層が形成されたPENフィルムを1/2インチ(12.65mm)幅に裁断し、磁気テープを得た。
[参考例1-10~1-17]
まず、第1組成物をエクストルーダで混練した。次に、ディスパーを備えた攪拌タンクに、第1組成物と、第2組成物を加えて予備混合を行った。なお、第1、第2組成物としては、参考例1-1と同様の配合のものを用いた。その後、さらにサンドミル混合を行い、フィルター処理を行って混合物を得た。次に、3mmφのジルコニアビーズを用いた循環運転方式のビーズミル分散機(第1分散機)により、上記混合物に予備分散処理を9時間施した。次に、0.1mmφのジルコニアビーズを用いた循環運転方式のビーズミル分散機(第2分散機)により、上記分散処理を施した混合物に最終分散処理をさらに施した。なお、第2分散機による最終分散処理の時間を1~8時間の範囲でサンプル毎に変化させて、塗料の分散状態をサンプル毎に異なるものとした。以上により、磁性層形成用塗料が調製された。
上記の磁性層形成用塗料の調製工程以外は参考例1-1と同様にして、磁気テープを得た。
[参考例2-1~2-9]
磁性層の形成工程において、CoNiMnZnフェライト結晶磁性粉をPENフィルムの長手方向に磁場配向させずに、無配向とする以外は参考例1-1~1-9と同様にして磁気テープを得た。
[参考例2-10~2-17]
磁性層の形成工程において、CoNiMnZnフェライト結晶磁性粉をPENフィルムの長手方向に磁場配向させずに、無配向とする以外は参考例1-10~1-17と同様にして磁気テープを得た。
[評価]
上述のようにして得られた磁気テープについて、以下の評価を行った。
(角比)
振動試料型磁束計(Lakeshore社製)を用い、環境温度23~25℃、印加磁場15kOeで磁気テープの長手方向の磁化曲線を測定し、磁気テープの長手方向の角比Rs(=Mr(無磁界での残留磁化)/Ms(15kOe時の磁化))を求めた。この際、ベースフィルム単体での磁化量の測定を行い、その磁化量を磁気テープの磁化量から引いてバックグランドの補正を行った。
図2に、分散時間と角比との関係を示す。図2から以下のことがわかる。Co系スピネルフェリ磁性粉(立方晶フェライト磁性粉)を磁場配向させた磁気テープ(参考例1-1~1-17)では、第1分散機および第2分散機の分散時間の増加に伴って、磁気テープの長手方向の角比が増加する傾向がある。この理由は、分散時間を増やすことで、ある程度の数の粒子が塊で存在したものがほぐれて、個々の粒子の磁化容易軸が磁界方向に向きやすくなるためである。一方、Co系スピネルフェリ磁性粉を無配向とした磁気テープ(参考例2-1~2-17)では、第1分散機および第2分散機の分散時間の増加に依らず、磁気テープの長手方向の角比がほぼ一定となる傾向がある。
<ii 長手方向、垂直方向の角比の和および差とSNRとの関係>
[実施例1~5]
まず、下記配合の第1組成物をエクストルーダで混練した。その後、ディスパーを備えた攪拌タンクに、第1組成物と、下記配合の第2組成物を加えて予備混合を行った。その後、さらにサンドミル混合を行い、フィルター処理を行って混合物を得た。次に、3mmφのジルコニアビーズを用いた循環運転方式のビーズミル分散機(第1分散機)により、上記混合物に予備分散処理を9時間施した。次に、0.1mmφのジルコニアビーズを用いた循環運転方式のビーズミル分散機(第2分散機)により、上記分散処理を施した混合物に最終分散処理をさらに施した。なお、表1に示すように、第2分散機による最終分散処理の時間をサンプル毎に設定して、塗料の分散状態を調整した。以上により、磁性層形成用塗料が調製された。
(第1組成物)
CoNiMnZnフェライト結晶磁性粉:100質量部
(粒子形状:ほぼ立方体状、平均粒子サイズ(平均板径):20~30nm、平均アスペクト比(平均板状比(平均板径/平均板厚)):1.0~1.2)
塩化ビニル系樹脂(シクロヘキサノン溶液30質量%):55.6質量部
(重合度300、Mn=10000、極性基としてOSOK=0.07mmol/g、2級OH=0.3mmol/gを含有する。)
酸化アルミニウム粉末:5質量部
(α-Al、平均粒径0.2μm)
カーボンブラック:2質量部
(東海カーボン社製、商品名:シーストTA)
(第2組成物)
塩化ビニル系樹脂:27.8質量部
(樹脂溶液:樹脂分30質量%、シクロヘキサノン70質量%)
n-ブチルステアレート:2質量部
メチルエチルケトン:121.3質量部
トルエン:121.3質量部
シクロヘキサノン:60.7質量部
次に、下記配合の第3組成物をエクストルーダで混練した。その後、ディスパーを備えた攪拌タンクに、第3組成物と、下記配合の第4組成物を加えて予備混合を行った。その後、さらにサンドミル混合を行い、フィルター処理を行い、下地層形成用塗料を調製した。
(第3組成物)
針状酸化鉄粉末:100質量部
(α-Fe、平均長軸長0.15μm)
塩化ビニル系樹脂:55.6質量部
(樹脂溶液:樹脂分30質量%、シクロヘキサノン70質量%)
カーボンブラック:10質量部
(平均粒径20nm)
(第4組成物)
ポリウレタン系樹脂UR8200(東洋紡績製):18.5質量部
n-ブチルステアレート:2質量部
メチルエチルケトン:108.2質量部
トルエン:108.2質量部
シクロヘキサノン:18.5質量部
次に、上述のようにして調製した磁性層形成用塗料、および下地層形成用塗料のそれぞれに、硬化剤として、ポリイソシアネート(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン社製)を4質量部添加し、ミリスチン酸を2質量部添加した。
次に、これらの塗料を用いて、基体であるPENフィルム上に下地層、および磁性層を以下のようにして形成した。まず、厚さ6.2μmのPENフィルム上に、下地層形成用塗料を塗布、乾燥させることにより、PENフィルム上に下地層を形成した。次に、下地層上に、磁性層形成用塗料を塗布、乾燥させることにより、下地層上に磁性層を形成した。なお、乾燥の際に、ソレノイドコイルにより、CoNiMnZnフェライト結晶磁性粉をPENフィルムの長手方向に磁場配向させた。この際、表1に示すように、磁場の強度をサンプル毎に設定した。次に、下地層、および磁性層が形成されたPENフィルムに対して、金属ロールによるカレンダー処理を行い、磁性層表面を平滑化した。
次に、バックコート層として、磁性層とは反対側となるPENフィルムの面に、下記の組成の塗料を膜厚0.6μmに塗布し乾燥処理を行った。
カーボンブラック(旭社製、商品名:#80):100質量部
ポリエステルポリウレタン:100質量部
(日本ポリウレタン社製、商品名:N-2304)
メチルエチルケトン:500質量部
トルエン:400質量部
シクロヘキサノン:100質量部
次に、上述のようにして下地層、磁性層、およびバックコート層が形成されたPENフィルムを1/2インチ(12.65mm)幅に裁断し、磁気テープを得た。
[実施例6~9]
第1組成物の調製工程において、CoNiMnZnフェライト結晶磁性粉に代えて、CoNiMnフェライト結晶磁性粉(粒子形状:ほぼ立方体状、平均粒子サイズ(平均板径):20~30nm、平均アスペクト比(平均板状比):1~1.2)を用いた。また、表1に示すように、第2分散機の分散時間をサンプル毎に設定して、塗料の分散状態を調整した。更に、磁性層の形成工程において、表1に示すように、磁場の強度をサンプル毎に設定した。これ以外のことは、実施例1と同様にして磁気テープを得た。
[比較例1、2]
磁性層の形成工程において、CoNiMnZnフェライト結晶磁性粉をPENフィルムの長手方向に磁場配向させずに、無配向とした。また、表1に示すように、第2分散機の分散時間をサンプル毎に設定して、塗料の分散状態を調整した。これ以外のことは、実施例1と同様にして磁気テープを得た。
[比較例3、4]
磁性層の形成工程において、CoNiMnフェライト結晶磁性粉をPENフィルムの長手方向に磁場配向させずに、無配向とした。また、表1に示すように、第2分散機の分散時間をサンプル毎に設定して、塗料の分散状態を調整した。これ以外のことは、実施例6と同様にして磁気テープを得た。
[比較例5]
第1組成物の調製工程において、CoNiMnZnフェライト磁性粉に代えて、針状を有するFeCo合金系メタル磁性粉を用いた。また、磁性層の形成工程において、FeCo合金系メタル磁性粉をPENフィルムの長手方向に10kOeで磁場配向させた。これ以外のことは、実施例1と同様にして磁気テープを得た。
[比較例6]
第1組成物の調製工程において、CoNiMnZnフェライト磁性粉に代えて、六角板状を有するバリウムフェライト磁性粉を用いた。また、磁性層の形成工程において、磁場を加えずにバリウムフェライト磁性粉を自然にPENフィルムの厚さ方向に多少配向させた。これ以外のことは、実施例1と同様にして磁気テープを得た。
[評価]
上述のようにして得られた磁気テープについて、以下の評価を行った。
(磁気特性)
振動試料型磁束計(Lakeshore社製)を用い、環境温度23~25℃、印加磁場15kOeで磁気テープの長手方向および磁気テープの表面に対して垂直方向の磁化曲線を測定し、長手方向および垂直方向の角比Rs(=Mr(無磁界での残留磁化)/Ms(15kOe時の磁化))、垂直方向の保磁力Hcを求めた。この際、ベースフィルム単体での磁化量の測定を行い、その磁化量を磁気テープの磁化量から引いてバックグランドの補正を行った。次に、磁気テープの評価指標として、求めた長手方向および垂直方向の角比から「長手方向の角形比と垂直方向の角比の和」および「長手方向の角形比と垂直方向の角比の差」を求めた。図3Aに、実施例1、比較例1、比較例5の磁気テープの長手方向の磁化曲線を示す。図3Bは、実施例1、比較例1、比較例5の磁気テープの垂直方向の磁化曲線を示す。
(SNR)
まず、市販のMountain Engineering社製のLFFで磁気テープを走行させ、リニアテープドライブ用のヘッドを用いて記録再生を行うことにより、DC消去ノイズおよびSNRを求めた。なお、記録波長は280kFCI(kilo Flux Changes per Inch)とした。DC消去ノイズの測定はスペクトラムアナライザーで行い、直流消去はテープに市販のネオジム磁石で磁場をかけることで行った。なお、DC消去ノイズは、直流消去(消磁)した磁気テープを再生した場合に発生するノイズを意味する。図4Aに、実施例1、比較例1の磁気テープの直流消去ノイズを示す。図4Bに、実施例1、比較例1の磁気テープの周波数特性を示す。
次に、線記録密度500kFCIまでの積算で求めたDC消去ノイズを以下の基準で評価した。
◎:DC消去ノイズが0.0012mVrms以下である。
○:DC消去ノイズが0.0012mVrmsを超え0.0015mVrms以下である。
×:DC消去ノイズが0.0015mVrmsを超える。
但し、SNRの評価において上記記号“◎”、“○”、“×”はそれぞれ、評価結果として“ノイズが非常に低い”、“ノイズが低い”、“ノイズが大きい”を意味する。記録再生システムを成立させるのに最低必要となるSNRを得るためには、少なくともDC消去ノイズを0.0015mVrms以下とする必要があるため、0.0015mVrmsを低いDC消去ノイズの判断基準とした。
次に、求めたSNRを以下の基準で評価した。
◎:SNRが17dB以上である。
○:SNRが15dB以上17dB未満である。
×:SNRが15dB未満である。
但し、SNRの評価において上記記号“◎”、“○”、“×”はそれぞれ、評価結果として“SNRが非常に良好”、“SNRが良好”、“SNRが悪い”を意味する。記録再生システムを成立させるのに最低必要となるSNRは、一般に15dB程度といわれているため、15dBを良好なSNRの判断基準とした。
表1は、実施例1~9、比較例1~6の磁気テープの評価結果を示す。
Figure 0007073718000001
Rs:角
Hc:保磁力
表1から以下のことがわかる。磁気テープの長手方向にCo系スピネルフェリ磁性粉(立方晶フェライト磁性粉)を磁場配向させた磁気テープ(実施例1~9)では、長手方向の角形比と垂直方向の角比の和が1.2以上となり、かつ長手方向の角形比と垂直方向の角比の差が0.15以上となる。一方、Co系スピネルフェリ磁性粉を無配向とした磁気テープ(比較例1~4)では、長手方向の角形比と垂直方向の角比の差が0.15以上とならない。また、FeCo合金系メタル磁性粉を用いた磁気テープ(比較例5)では、長手方向の角形比と垂直方向の角比の和が1.2以上とはならない。また、バリウムフェライト磁性粉を用いた磁気テープ(比較例6)では、長手方向の角形比と垂直方向の角比の差が0.15以上とならないし、長手方向の角形比と垂直方向の角比の和も1.2以上とはならない。
長手方向の角形比と垂直方向の角比の和が1.2以上であり、かつ長手方向の角形比と垂直方向の角比の差が0.15以上である磁気テープ(実施例1~9)では、直流消去ノイズが低く、良好なSNRが得られる。一方、長手方向の角形比と垂直方向の角比の差が0.15以上でない磁気テープ(比較例1~4)では、直流消去ノイズが大きく、良好なSNRが得られない。また、長手方向の角形比と垂直方向の角比の和が1.2以上でない磁気テープ(比較例5)や、長手方向の角形比と垂直方向の角比の差が0.15以上でなく、かつ長手方向の角形比と垂直方向の角比の和が1.2以上でもない磁気テープ(比較例6)でも、直流消去ノイズが大きく、良好なSNRが得られない。
長手方向の角形比と垂直方向の角比の和が1.28以上であり、長手方向の角形比と垂直方向の角比の差が0.26以上である磁気テープ(実施例1、2、6)では、直流消去ノイズが特に低く、非常に良好なSNRが得られる。
図3A、図3Bから以下のことがわかる。磁性層の形成工程において長尺状の基体の長手方向に磁場を印加することで、出力に影響を与える残留磁化を変えることができることがわかる。なお、印加する磁場強度を変えることで、残留磁化を調整することも可能である。
図4A、図4Bから以下のことがわかる。磁気テープの長手方向にCo系スピネルフェリ磁性粉を磁場配向させた磁気テープでは、Co系スピネルフェリ磁性粉を無配向とした磁気テープに比べて直流消去ノイズが低く、かつ高い出力が得られる。したがって、良好なSNRが得られる。
以上、本技術の実施形態およびその変形例、ならびに実施例について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、本技術は以下の構成を採用することもできる。
(1)
長尺状の基体と、
立方晶フェライト磁性粒子の粉末を含む磁性層と
を備え、
長手方向の角形比と垂直方向の角比の和が1.2以上であり、かつ長手方向の角形比と垂直方向の角比の差が0.15以上である磁気記録媒体。
(2)
上記立方晶フェライト磁性粒子は、Coを含んでいる(1)に記載の磁気記録媒体。
(3)
上記立方晶フェライト磁性粒子は、Ni、Mn、Al、CuおよびZnからなる群より選ばれる1種以上をさらに含んでいる(2)に記載の磁気記録媒体。
(4)
長手方向の角形比と垂直方向の角比の和が1.28以上であり、長手方向の角形比と垂直方向の角比の差が0.26以上である(1)から(3)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(5)
上記立方晶フェライト磁性粒子の粉末は、長手方向に配向している(1)から(4)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(6)
上記立方晶フェライト磁性粒子は、立方体状またはほぼ立方体状を有する(1)から(5)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(7)
上記磁性層は、垂直記録層である(1)から(6)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
11 基体
12 下地層
13 磁性層

Claims (7)

  1. 長尺状の基体と、
    立方晶フェライトを主相とする磁性粒子の粉末を含む磁性層と
    を備え、
    長手方向の角形比と垂直方向の角形比の和が1.2以上であり、かつ長手方向の角形比と垂直方向の角形比の差が0.15以上である磁気記録媒体。
  2. 上記立方晶フェライトを主相とする磁性粒子は、Coを含んでいる請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 上記立方晶フェライトを主相とする磁性粒子は、Ni、Mn、Al、CuおよびZnからなる群より選ばれる1種以上をさらに含んでいる請求項2に記載の磁気記録媒体。
  4. 長手方向の角形比と垂直方向の角形比の和が1.28以上であり、長手方向の角形比と垂直方向の角形比の差が0.26以上である請求項1に記載の磁気記録媒体。
  5. 上記立方晶フェライトを主相とする磁性粒子の粉末は、長手方向に配向している請求項1に記載の磁気記録媒体。
  6. 上記立方晶フェライトを主相とする磁性粒子は、立方体状またはほぼ立方体状を有する請求項1に記載の磁気記録媒体。
  7. 上記磁性層は、垂直記録層である請求項1に記載の磁気記録媒体。
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