JP6888724B2 - データカートリッジ - Google Patents

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Description

本技術は、データカートリッジに関する。詳しくは、支持体と下地層と記録層とを備える磁気記録媒体を備えるデータカートリッジに関する。
従来、磁気記録媒体としては、塗料を非磁性支持体上に塗布し乾燥することで形成される塗布型の磁気記録媒体が知られている。このような塗布型の磁気記録媒体は、バックアップ用データカートリッジなどの高密度記録媒体として広く利用されている。
塗布型の磁気記録媒体では、走行耐久性を向上することが望まれている。例えば特許文献1では、走行耐久性に優れ、低湿度環境下でのエラーレート上昇を抑制し、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体が提案されている。また、同文献には、バーコビッチ圧子を用いて磁性層表面の押し込み硬さ(DH)を求め、その押し込み硬さ(DH)を25〜80Kg/mm(245〜785MPa)とする技術が記載されている。
特開2006−286074号公報
本技術の目的は、高湿度環境下における走行耐久性を向上できるデータカートリッジを提供することにある。
上述の課題を解決するために、本技術は、支持体と、下地層と、記録層とを備える磁気記録媒体を備え、測定環境23℃/50%RH、荷重範囲0〜200μNで稜角142.3°の三角錐ダイヤモンド圧子を記録面に対して垂直に押し込み、最大押し込み深さh、弾性回復に対する永久歪みの比d(永久歪み/弾性回復)を求めたとき、上記最大押し込み深さhが、88nm≦h≦140nmであり、上記弾性回復に対する永久歪みの比d(永久歪み/弾性回復)が、0.97≦d≦1.23であるデータカートリッジである。
以上説明したように、本技術によれば、高湿度環境下における磁気記録媒体の走行耐久性を向上できる。
図1は、本技術の一実施形態に係る磁気記録媒体の構成の一例を示す概略断面図である。 図2Aは、ナノインデンターによる測定方法を説明するためのグラフである。図2Bは、ナノインデンターによる測定方法を説明するための概略図である。 図3A、図3Bは、炭素粒子粉と金属含有粒子粉との体積比の求め方を説明するための断面TEM像である。 図4Aは、実施例16の磁気テープの断面TEM像である。図4Bは、比較例3の磁気テープの断面TEM像である。
本技術の実施形態について以下の順序で説明する。
1 磁気記録媒体の構成
2 磁気記録媒体の製造方法
3 効果
4 変形例
[1 磁気記録媒体の構成]
本技術の一実施形態に係る磁気記録媒体は、いわゆる塗布型の垂直磁気記録媒体であり、図1に示すように、非磁性支持体11と、非磁性支持体11の一方の主面上に設けられた下地層12と、下地層12上に設けられた記録層13とを備える。磁気記録媒体が、必要に応じて、非磁性支持体11の他方の主面上に設けられたバックコート層14をさらに備えるようにしてもよい。また、磁気記録媒体が、必要に応じて、記録層13上に設けられた保護層および潤滑剤層などをさらに備えるようにしてもよい。以下では、磁気記録媒体の両主面のうち、記録層13側の主面を記録面13Sという。
ナノインデンターで測定した記録面13Sの最大押し込み深さhが、83nm≦h≦140nmであり、ナノインデンターで測定した記録面13Sの、弾性回復に対する永久歪みの比d(永久歪み/弾性回復)が、0.95≦d≦1.23である。最大押し込み深さhおよび弾性回復に対する永久歪みの比dが上記範囲であると、高湿度環境下における走行耐久性を向上できる。
図2Aは、荷重を連続的に増加させて圧子を磁気記録媒体の記録面13Sに押し込み、荷重が200μNに到達した時点で荷重を解除したときの圧子の変位量を示した負荷除荷曲線である。図2Bに示した状態(1)〜(3)はそれぞれ、図2Aに示した点(1)〜(3)における圧子21の状態を示している。
荷重を加えると、曲線(a)に示すように、荷重が増加するのに従って変位量も増加し、200μNにて最大押し込み深さ(最大変位量)を示す。除荷すると、曲線(b)に示すように、変位量が徐々に減少して、弾性回復するが、荷重がゼロになっても変位量はゼロにはならず、永久歪みが残る。したがって、“最大押し込み深さ”は、“永久歪み”と“弾性回復”との和に等しい関係にある。
(非磁性支持体)
非磁性支持体11は、例えば、可撓性を有する帯状のフィルムである。非磁性支持体11の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート、セルロースブチレートなどのセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのプラスチック、アルミニウム合金、チタン合金などの軽金属、アルミナガラスなどのセラミックなどを用いることができる。さらには、機械的強度を高めるために、AlまたはCuの酸化物を含む薄膜が、ビニル系樹脂などを含む非磁性支持体11の主面のうち少なくとも一方に設けられていてもよい。
(下地層)
下地層12は、非磁性粉および結着剤を含む非磁性層である。下地層12が、必要に応じて、導電性粒子、潤滑剤、研磨剤、硬化剤および防錆剤などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
下地層12の平均厚さは、好ましくは1000nm以上1300nm以下、より好ましくは1050nm以上1150nm以下である。
下地層12の平均厚さは以下のようにして求められる。まず、磁気記録媒体をその主面に対して垂直に切り出し、その断面を透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)により観察する。次に、観察したTEM像から無作為に10点を選び出し、それらの各点において下地層12の厚さを測定する。次に、これらの測定値を単純に平均(算術平均)して下地層12の平均厚さを求める。
以下に、TEMの測定条件を示す。
装置:TEM(日立製作所製、H9000NAR)
加速電圧:300kV
倍率:100000倍
非磁性粉は、炭素粒子粉と金属含有粒子粉とを含んでいる。炭素粒子粉は、例えば、カーボンブラック粒子を含んでいる。金属含有粒子粉は、例えば、金属粒子、金属酸化物粒子、金属炭酸塩粒子、金属硫酸塩粒子、金属窒化物粒子、金属炭化物粒子および金属硫化物粒子からなる群より選ばれる1種以上含んでいる。具体的には例えば、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化鉄粒子および炭酸カルシウム粒子からなる群より選ばれる1種以上含んでいる。非磁性粉が、酸化鉄粒子とカーボンブラック粒子を含んでいることが好ましい。層内における分散性が良好になり、膜質の向上が図られ、表面平滑性の向上を図ることができるからである。酸化鉄粒子は、例えば、ヘマタイト(α−Fe)である。非磁性粉の形状としては、例えば、針状、球状、板状などの各種形状が挙げられるが、これに限定されるものではない。
下地層12における炭素粒子粉Aと金属含有粒子粉Bとの体積比(A:B)は、71:29〜83:17である。なお、上記体積比の範囲には、上限値および下限値の数値を含むものとする。炭素粒子粉Aの体積比が上記範囲未満であると、記録面13Sが硬すぎて、最大押し込み深さhが83nm≦h≦140nmの範囲から外れる虞がある。一方、炭素粒子粉Aの体積比が上記範囲を超えて多いと、記録面13Sが柔らかすぎて、最大押し込み深さhが83nm≦h≦140nmの範囲から外れる虞がある。
下地層12における炭素粒子粉Aと金属含有粒子粉Bとの面積比(A:B)は、65:35〜74:26である。なお、上記面積比の範囲には、上限値および下限値の数値を含むものとする。炭素粒子粉Aの面積比が上記範囲未満であると、記録面13Sが硬すぎて、最大押し込み深さhが83nm≦h≦140nmの範囲から外れる虞がある。一方、炭素粒子粉Aの面積比が上記範囲を超えて多いと、記録面13Sが柔らかすぎて、最大押し込み深さhが83nm≦h≦140nmの範囲から外れる虞がある。
炭素粒子粉Aと金属含有粒子粉Bとの面積比(A:B)は次のようにして求められる。まず、磁気記録媒体をその主面に対して垂直に切り出し、その断面をTEMにより観察し、TEM像を取得する。
以下に、TEMの測定条件を示す。
装置:TEM(日立製作所製、H9000NAR)
加速電圧:300kV
倍率:100000倍
次に、TEM用画像解析ソフトウェア(OLYMPUS Soft Imaging Solutions iTEM)を用いて、次のようにしてTEM像から炭素粒子粉Aと金属含有粒子粉Bとの面積比(A:B)を求める。まず、図3Aに示すようにTEM像から下地層12の部分(図3A中、破線で囲んだ領域)を切り取った後、この切り取り画像に含まれる炭素粒子粉Aと金属含有粒子粉Bとの合計の面積(画素数)を求める。次に、切り取り画像を目視で確認しながら、炭素粒子粉Aと金属含有粒子粉Bとのしきい値を設定して、図3Bに示すように画像を2値化する。これにより、金属含有粒子粉の像が抽出される。次に、2値化した画像から金属含有粒子粉Bの面積(画素数)を求める。次に、上述のようにして求めた“炭素粒子粉Aと金属含有粒子粉Bとの合計の面積(画素数)”から“金属含有粒子粉Bの面積(画素数)”を差し引き、炭素粒子粉Aの面積(画素数)を求める。以上により、炭素粒子粉Aと金属含有粒子粉Bとの面積比(A:B)が求められる。
炭素粒子粉Aと金属含有粒子粉Bとの体積比(A:B)は次のようにして求められる。まず、上述したようにして炭素粒子粉Aと金属含有粒子粉Bとの面積比(A:B)を求める。次に、炭素粒子粉Aと金属含有粒子粉Bとが球形であると仮定して、求めた面積比(A:B)を用いて炭素粒子粉Aと金属含有粒子粉Bとの体積比(A:B)を求める。具体的には、以下の式により、体積比(A:B)を求める。
:V=(S3/2:(S3/2
但し、SA:炭素粒子粉Aの面積、S:金属含有粒子粉Bの面積、VA:炭素粒子粉Aの体積、V:金属含有粒子粉Bの体積
結着剤としては、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などに架橋反応を付与した構造の樹脂が好ましい。しかしながら結着剤はこれらに限定されるものではなく、磁気記録媒体に対して要求される物性などに応じて、その他の樹脂を適宜配合してもよい。配合する樹脂としては、通常、塗布型の磁気記録媒体において一般的に用いられる樹脂であれば、特に限定されない。
例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステル−エチレン共重合体、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、合成ゴムなどが挙げられる。
また、熱硬化性樹脂、または反応型樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。
また、上述した各結着剤には、磁性粉の分散性を向上させる目的で、−SOM、−OSOM、−COOM、P=O(OM)などの極性官能基が導入されていてもよい。ここで、式中Mは、水素原子、あるいはリチウム、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属である。
更に、極性官能基としては、−NR1R2、−NR1R2R3の末端基を有する側鎖型のもの、>NR1R2の主鎖型のものが挙げられる。ここで、式中R1、R2、R3は、水素原子、または炭化水素基であり、Xは弗素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン元素イオン、または無機もしくは有機イオンである。また、極性官能基としては、−OH、−SH、−CN、エポキシ基なども挙げられる。
また、樹脂にポリイソシアネートを併用して、これを架橋硬化させるようにしてもよい。ポリイソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート、およびこれらの付加体、アルキレンジイソシアネート、およびこれらの付加体などが挙げられる。
導電性粒子としては、炭素を主成分とする微粒子、例えば、カーボンブラックを用いることができる。カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン社の旭#15、#15HSなどを用いることができる。また、シリカ粒子表面にカーボンを付着させたハイブリッドカーボンを用いてもよい。
潤滑剤としては、例えば、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸と、炭素数2〜12の1価〜6価アルコールのいずれかとのエステル、これらの混合エステル、またはジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステルを適宜用いることができる。潤滑剤の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ペンチル、ステアリン酸ヘプチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチルなどが挙げられる。
下地層12が潤滑剤をさらに含む場合、潤滑剤の含有量が、炭素粒子粉と金属含有粒子粉との合計量100質量部に対して1質量部以上1.5質量部以下であることが好ましい。潤滑剤の含有量が1質量部未満であると、記録面13Sが硬すぎて、最大押し込み深さhが83nm≦h≦140nmの範囲から外れる虞がある。一方、潤滑剤の含有量が1.5質量部を超えると、記録面13Sが柔らかすぎて、最大押し込み深さhが83nm≦h≦140nmの範囲から外れる虞がある。
研磨剤としては、例えば、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、2硫化モリブデン、磁性酸化鉄の原料を脱水、アニール処理した針状α酸化鉄、および必要によりそれらをアルミおよび/またはシリカで表面処理したものなどが、単独または組み合せで使用される。
下地層12が研磨剤をさらに含む場合、研磨剤の含有量が、炭素粒子粉と金属含有粒子粉との合計量100質量部に対して2質量部以上4質量部以下であることが好ましい。研磨剤の含有量が2質量部未満であると、記録面13Sが柔らかすぎて、最大押し込み深さhが83nm≦h≦140nmの範囲から外れる虞がある。一方、研磨剤の含有量が4質量部を超えると、記録面13Sが硬すぎて、最大押し込み深さhが83nm≦h≦140nmの範囲から外れる虞がある。
(記録層)
記録層13は、例えば、短波長記録または超短波長記録が可能な垂直記録層である。記録層13は、記録層13の厚さ方向に磁気異方性を有する磁性層である。すなわち、記録層13の磁化容易軸は、記録層13の厚さ方向に向いている。記録層13の平均厚さは、好ましくは30nm以上100nm以下、より好ましくは50nm以上70nm以下である。なお、記録層13の平均厚さは、上述の下地層12の平均厚さの求め方と同様にして求められる。
記録層13は、例えば、磁性粉および結着剤を含む磁性層である。記録層13が、必要に応じて、導電性粒子、潤滑剤、研磨剤、硬化剤および防錆剤などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
磁性粉は、立方晶フェライト磁性粉である。本明細書では、立方晶フェライト磁性粒子からなる磁性粉を立方晶フェライト磁性粉という。磁気記録媒体の記録密度向上のためには、磁気記録媒体が高いS/N比を有していることが望ましい。一般に記録減磁や短波長記録した際の自己減磁を抑制するために保磁力Hcを増大させ、ノイズを抑制することを考慮すると、磁性粉の粒子サイズをできるだけ小さく設計することが望ましい。特に垂直配向膜では、反磁界の影響のため保磁力Hcが高い場合の方が、高出力が得られる傾向がある。さらに高保磁力化は微粒子化した際の熱的安定性にも優れる。したがって、次世代の磁気記録媒体としては、高い保磁力Hcを有するものが好ましい。この点を考慮して、この一実施形態では、六方晶バリウムフェライト磁性粉よりも高い保磁力Hcを発現する可能性の高い立方晶フェライト磁性粉を用いる。
立方晶フェライト磁性粉が立方体状またはほぼ立方体状を有している。ここで、“立方晶フェライト磁性粉がほぼ立方体状”とは、立方晶フェライト磁性粉の平均板状比(平均アスペクト比(平均板径LAM/平均板厚LBM))が0.75以上1.25以下である直方体状のことをいう。立方晶フェライト磁性粉は、単位格子サイズが小さいので、将来の超微粒子化の観点で有利である。
立方晶フェライト磁性粉は、記録層13内に分散されている。立方晶フェライト磁性粉の磁化容易軸は、記録層13の厚さ方向を向いているか、もしくはほぼ記録層13の厚さ方向を向いている。すなわち、立方晶フェライト磁性粉は、その正方形状面が記録層13の厚さ方向と垂直またはほぼ垂直となるように、記録層13内に分散されている。立方体状またはほぼ立方体状の立方晶フェライト磁性粉では、六角板状のバリウムフェライト磁性粉に比べて、媒体の厚さ方向における粒子同士の接触面積を低減し、粒子同士の凝集を抑制できる。すなわち、磁性粉の分散性を高めることができる。
立方晶フェライト磁性粉の正方形状面が、記録層13の表面から露出していることが好ましい。この正方形状面に磁気ヘッドにより短波長記録を行うことは、同一体積を有する六角板状のバリウムフェライト磁性粉の六角形状面に短波長記録を行う場合に比べて、高密度記録の観点で有利である。記録層13の表面には、高密度記録の観点からすると、立方晶フェライト磁性粉の正方形状面が敷き詰められていることが好ましい。
立方晶フェライト磁性粒子は、いわゆるスピネルフェリ磁性粒子である。立方晶フェライト磁性粒子は、立方晶フェライトを主相とする鉄酸化物の粒子である。立方晶フェライトは、Co、Ni、Mn、Al、CuおよびZnからなる群より選ばれる1種以上を含んでいる。好ましくは、立方晶フェライトは、Coを少なくとも含み、Co以外にNi、Mn、Al、CuおよびZnからなる群より選ばれる1種以上をさらに含んでいる。より具体的には例えば、立方晶フェライトは、一般式MFeで表される平均組成を有する。但し、Mは、Co、Ni、Mn、Al、CuおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の金属である。好ましくは、Mは、Coと、Ni、Mn、Al、CuおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の金属との組み合わせである。
立方晶フェライト磁性粉の平均板径(平均粒子サイズ)は、好ましくは14nm以下、より好ましくは10nm以上14nm以下である。平均板径が14nmを超えると、媒体表面における粒子の露出面積が大きくなり、S/N比が低下する虞がある。一方、平均板径が10nm未満であると、立方晶フェライト磁性粉の作製が困難となる虞がある。
立方晶フェライト磁性粉の平均板状比(平均アスペクト比(平均板径LAM/平均板厚LBM))が、0.75以上1.25以下であることが好ましい。平均板状比がこの数値範囲から外れると、立方晶フェライト磁性粉の形状が立方体状またはほぼ立方体状ではなくなるため、凝集が発生し、短波長記録が困難になる虞がある。
結着剤、導電性粒子、潤滑剤および研磨剤は、上述の下地層12と同様である。
記録層13は、非磁性補強粒子として、酸化アルミニウム(α、βまたはγアルミナ)、酸化クロム、酸化珪素、ダイヤモンド、ガーネット、エメリー、窒化ホウ素、チタンカーバイト、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン(ルチル型またはアナターゼ型の酸化チタン)などをさらに含んでいてもよい。
(バックコート層)
バックコート層14は、結着剤、無機粒子および潤滑剤を含んでいる。バックコート層14が、必要に応じて硬化剤および帯電防止剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。結着剤、無機粒子および潤滑剤は、上述の下地層12と同様である。
[2 磁気記録媒体の製造方法]
(塗料の調製工程)
まず、非磁性粉および結着剤などを溶剤に混練、分散させることにより、下地層形成用塗料を調製する。次に、磁性粉および結着剤などを溶剤に混練、分散させることにより、記録層形成用塗料を調製する。次に、結着剤、無機粒子および潤滑剤などを溶剤に混練、分散させることにより、バックコート層形成用塗料を調製する。下地層形成用塗料、記録層形成用塗料およびバックコート層形成用塗料の調製には、例えば、以下の溶剤、分散装置および混練装置を適用することができる。
上述の塗料調製に用いられる溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレングリコールアセテートなどのエステル系溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2−エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、適宜混合して用いてもよい。
上述の塗料調製に用いられる混練装置としては、例えば、連続二軸混練機、多段階で希釈可能な連続二軸混練機、ニーダー、加圧ニーダー、ロールニーダーなどの混練装置を用いることができるが、特にこれらの装置に限定されるものではない。また、上述の塗料調製に用いられる分散装置としては、例えば、ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、スパイクミル、ピンミル、タワーミル、パールミル(例えばアイリッヒ社製「DCPミル」など)、ホモジナイザー、超音波分散機などの分散装置を用いることができるが、特にこれらの装置に限定されるものではない。
(下地層の形成工程)
次に、非磁性支持体11の一方の主面上に下地層形成用塗料を塗布して乾燥させることにより、下地層12を非磁性支持体11の一方の主面上に形成する。
(記録層の形成工程)
次に、下地層12上に記録層形成用塗料を塗布して乾燥させることにより、記録層13を下地層12上に形成する。なお、乾燥の際に、磁性粉に含まれる立方晶フェライト磁性粉を磁場配向させることにより、立方晶フェライト磁性粉の磁化容易軸を記録層13の厚さ方向に向けるか、もしくはほぼ記録層13の厚さ方向に向けることが好ましい。
(バックコート層の形成工程)
次に、非磁性支持体11の他方の主面上にバックコート層形成用塗料を塗布して乾燥させることにより、バックコート層14を非磁性支持体11の他方の主面上に形成する。これにより、幅広の磁気記録媒体が得られる。
(カレンダー処理および裁断の工程)
次に、得られた幅広の磁気記録媒体を大径コアに巻き直し、硬化処理を行う。次に、幅広の磁気記録媒体に対してカレンダー処理を行った後、所定の幅に裁断する。これにより、目的とする磁気記録媒体が得られる。なお、バックコート層14を形成する工程は、カレンダー処理後であってもよい。
[3 効果]
本技術の一実施形態に係る磁気記録媒体では、ナノインデンターで測定した記録面13Sの最大押し込み深さhが、83nm≦h≦140nmである。また、ナノインデンターで測定した記録面13Sの、弾性回復に対する永久歪みの比d(永久歪み/弾性回復)が、0.95≦d≦1.23である。これにより、高湿度環境下における走行耐久性を向上できる。
[4 変形例]
上述の一実施形態では、磁気記録媒体が垂直磁気記録媒体である場合を例として説明したが、磁気記録媒体が水平磁気記録媒体であってもよい。
上述の一実施形態では、記録層に含まれる磁性粉として立方晶フェライト磁性粉を用いる例について説明したが、磁性粉はこの例に限定されるものではなく、垂直磁気記録媒体または水平磁気記録媒体にて一般的に用いられているものを使用可能である。具体的には例えば、磁性粉としては、Fe系、およびFe−Co系の金属粉末、バリウムフェライト、炭化鉄、酸化鉄などが挙げられる。なお、副元素として、Co、Ni、Cr、Mn、Mg、Ca、Ba、Sr、Zn、Ti、Mo、Ag、Cu、Na、K、Li、Al、Si、Ge、Ga、Y、Nd、La、Ce、Zrなどの金属化合物が共存していてもよい。
下地層12および記録層13の形成工程は、上述の例に限定されるものではない。例えば、下地層形成用塗料を非磁性支持体11の一方の主面に塗布して塗膜を形成し、この湿潤状態にある塗膜上に記録層形成用塗料を重ねて塗布して塗膜を形成した後、両塗膜を乾燥させることにより、下地層12および記録層13を非磁性支持体11の一主面上に形成するようにしてもよい。
以下、実施例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1〜22、比較例1〜6、8、9]
(記録層形成用塗料の調製工程)
記録層形成用塗料を次のようにして調製した。まず、下記原料をエクストルーダで混練して混練物を得た。
CoNiフェライト結晶磁性粉:100質量部
(形状:ほぼ立方体形状、平均板径:11nm、平均板状比:0.95)
塩化ビニル系樹脂(シクロヘキサノン溶液30質量%):55.6質量部
(重合度300、Mn=10000、極性基としてOSOK=0.07mmol/g、2級OH=0.3mmol/gを含有する。)
酸化アルミニウム粉末:5質量部
(α−Al、平均粒径0.2μm)
カーボンブラック:2質量部
(東海カーボン社製、商品名:シーストTA)
次に、ディスパーを備えた攪拌タンクに、混練物と、下記原料とを加えて予備混合を行った。その後、さらにサンドミル混合を行い、フィルター処理を行い、記録層形成用塗料を調製した。
塩化ビニル系樹脂:27.8質量部
(樹脂溶液:樹脂分30質量%、シクロヘキサノン70質量%)
ポリイソシアネート:4質量部
(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン社製)
ミリスチン酸:2質量部
n−ブチルステアレート:2質量部
メチルエチルケトン:121.3質量部
トルエン:121.3質量部
シクロヘキサノン:60.7質量部
(下地層形成用塗料の調製工程)
下地層形成用塗料を次のようにして調製した。まず、下記原料をエクストルーダで混練して混練物を得た。
針状酸化鉄粉末:21〜56質量部(表1に示すようにサンプル毎に含有量を調整)
(ヘマタイト(α−Fe)、XG−250またはDB−65Y)
塩化ビニル系樹脂:55.6質量部
(樹脂溶液:樹脂分30質量%、シクロヘキサノン70質量%)
カーボンブラック:44〜79質量部(表1に示すようにサンプル毎に含有量を調整)
(CABOT製 E410)
α−アルミナ(研磨剤):2.2〜3.5質量部(表2に示すようにサンプル毎に含有量を調整)
但し、カーボンブラックと針状酸化鉄粉末との含有量を上記範囲で調整することで、カーボンブラックAと針状酸化鉄粉末Bとの体積比(A:B)を表1に示すように68:32〜91:9の範囲内で調整した。また、カーボンブラックAと針状酸化鉄粉末Bとの面積比(A:B)を表1に示すように62:38〜82:18の範囲内で調整した。
次に、ディスパーを備えた攪拌タンクに、混練物と、下記原料とを加えて予備混合を行った。その後、さらにサンドミル混合を行い、フィルター処理を行い、下地層形成用塗料を調製した。
ポリウレタン系樹脂UR8200(東洋紡績製):18.5質量部
ポリイソシアネート:4質量部
(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン社製)
ステアリン酸(潤滑剤):0.8〜1.5質量部(表2に示すようにサンプル毎に含有量を調整)
メチルエチルケトン:108.2質量部
トルエン:108.2質量部
シクロヘキサノン:18.5質量部
(バックコート層形成用塗料の調製工程)
バックコート層形成用塗料を次のようにして調製した。下記原料を、ディスパーを備えた攪拌タンクで混合を行い、フィルター処理を行うことで、バックコート層形成用塗料を調製した。
カーボンブラック(旭社製、商品名:#80):100質量部
ポリエステルポリウレタン:100質量部
(日本ポリウレタン社製、商品名:N−2304)
メチルエチルケトン:500質量部
トルエン:400質量部
シクロヘキサノン:100質量部
(下地層および記録層の形成工程)
次に、下地層および記録層を次のようにして形成した。まず、非磁性支持体である、厚さ6.2μm、帯状のPENフィルムの一方の主面上に、下地層形成用塗料を塗布、乾燥させることにより、PENフィルムの一方の主面上に平均厚さ0.8μm〜1.3μm(表2参照)の下地層を形成した。次に、下地層上に、記録層形成用塗料を塗布、乾燥させることにより、下地層上に平均厚さ70nmの記録層を形成した。なお、乾燥の際に、磁性粉を磁場配向させた。
(バックコート層の形成工程)
次に、PENフィルムの他方の主面上に、バックコート層形成用塗料を塗布、乾燥させることにより、PENフィルムの他方の面上に平均厚さ0.6μmのバックコート層を形成した。これにより、幅広の磁気テープを得た。
(カレンダー処理および裁断の工程)
次に、得られた幅広の磁気テープに対して、金属ロールによるカレンダー処理を行い、記録層表面を平滑化した。次に、幅広の磁気テープを1/2インチ(12.65mm)幅に裁断して、目的とする磁気テープを得た。
<評価>
上述のようにして得られた磁気テープについて以下の評価を行った。
(断面TEM像)
実施例16、比較例3の磁気テープをその記録面に対して垂直に切り出し、その断面をTEMにより観察した。その結果を図4A、図4Bに示す。
(最大押し込み深さ、弾性回復に対する永久歪みの比d)
ナノインデンター測定方法により、最大押し込み深さ、および弾性回復に対する永久歪みの比d(永久歪み/弾性回復)を求めた。その結果を表2に示す。
以下に、測定条件を示す。
[圧子]
材質:三角錐ダイヤモンド圧子(Berkovich)
稜角:142.3°
硬度測定機:Hysitron社 Triboscope/島津SPM9500J
[評価条件]
測定環境:23℃/50%RH
荷重範囲:0〜200μN(測定時)
最大荷重:200μN(設定)
荷重分解能:0.01μN
押し込み方向:記録面に対して垂直
(エラーレートによる走行耐久性試験)
まず、マウンテンエンジニアリング社のテープ走行系システムを用いるとともに、1/2インチテープに市販のLTO(Linear Tape Open)ドライブの磁気ヘッドを用いて、記録信号を市販のLTO6相当の記録密度で記録した。その後、29℃絶対湿度80%の環境で、初期から600時間走行後の磁気テープのエラーレートを測定した。その結果を表2に示す。なお、表2には、ビットエラーレートのうち10の指数の値のみを示した。次に、測定したビットエラーレートに基づき、以下の基準で走行耐久性を判定した。
◎:ビットエラーレートが10−5.9以下
○:ビットエラーレートが10−5.9を超え10−5.5未満
×:ビットエラーレートが10−5.5以上
但し、“◎”印は、評価結果が非常に良好であることを示し、“○”印は、評価結果が良好であることを示し、“×”印は、評価結果が悪いことを示す。
表1、表2は、実施例1〜22、比較例1〜6、8、9の磁気テープの構成および評価結果を示す。
Figure 0006888724
Figure 0006888724
表1、表2から、ナノインデンターで測定した記録面の最大押し込み深さhが83nm≦h≦140nmであり、ナノインデンターで測定した記録面の、弾性回復に対する永久歪みの比d(永久歪み/弾性回復)が0.95≦d≦1.23であると、高湿度環境下における走行耐久性を向上できることがわかる。
以上、本技術の実施形態およびその変形例、ならびに実施例について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、本技術は以下の構成を採用することもできる。
(1)
支持体と、
炭素粒子粉および金属含有粒子粉を含む下地層と、
記録層と
を備え、
記録面において、最大押し込み深さhが、85≦h≦140であり、弾性回復に対する永久歪みの比d(永久歪み/弾性回復)が、0.95≦d≦1.25である磁気記録媒体。
(2)
上記炭素粒子粉と上記金属含有粒子粉との体積比(上記炭素粒子粉の体積:上記金属含有粒子粉の体積)が、73:27〜83:17である(1)に記載の磁気記録媒体。
(3)
炭素粒子粉Aと金属含有粒子粉Bとの面積比(上記炭素粒子粉の面積:上記金属含有粒子粉の面積)は、66:34〜74:26である(1)または(2)に記載の磁気記録媒体。
(4)
上記金属含有粒子粉が、金属酸化物粒子粉である(1)から(3)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(5)
上記金属含有粒子粉が、酸化鉄粒子粉である(1)から(3)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(6)
上記炭素粒子粉が、カーボンブラック粒子粉である(1)から(5)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(7)
上記下地層が、潤滑剤をさらに含み、
上記潤滑剤の含有量が、上記炭素粒子粉と上記金属含有粒子粉との合計量100質量部に対して1質量部以上1.5質量部以下である(1)から(6)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(8)
上記下地層が、研磨剤をさらに含み、
上記研磨剤の含有量が、上記炭素粒子粉と上記金属含有粒子粉との合計量100質量部に対して2質量部以上4質量部以下である(1)から(7)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
11 非磁性支持体
12 下地層
13 記録層
13S 記録面
14 バックコート層

Claims (19)

  1. 支持体と、下地層と、記録層とを備える磁気記録媒体を備え、
    測定環境23℃/50%RH、荷重範囲0〜200μNで稜角142.3°の三角錐ダイヤモンド圧子を記録面に対して垂直に押し込み、最大押し込み深さh、弾性回復に対する永久歪みの比d(永久歪み/弾性回復)を求めたとき、上記最大押し込み深さhが、88nm≦h≦140nmであり、上記弾性回復に対する永久歪みの比d(永久歪み/弾性回復)が、0.97≦d≦1.23であるデータカートリッジ。
  2. 上記下地層が炭素粒子粉と金属含有粒子粉を含み、上記炭素粒子粉と上記金属含有粒子粉との体積比(上記炭素粒子粉の体積:上記金属含有粒子粉の体積)が、71:29〜83:17である請求項1に記載のデータカートリッジ。
  3. 上記炭素粒子粉と上記金属含有粒子粉との面積比(上記炭素粒子粉の面積:上記金属含有粒子粉の面積)は、65:35〜74:26である請求項2に記載のデータカートリッジ。
  4. 上記金属含有粒子粉が、金属酸化物粒子粉である請求項2から3のいずれかに記載のデータカートリッジ。
  5. 上記金属含有粒子粉が、酸化鉄粒子粉である請求項2から4のいずれかに記載のデータカートリッジ。
  6. 上記炭素粒子粉が、カーボンブラック粒子粉である請求項2から5のいずれかに記載のデータカートリッジ。
  7. 上記下地層が、潤滑剤をさらに含み、
    上記潤滑剤の含有量が、上記炭素粒子粉と上記金属含有粒子粉との合計量100質量部に対して1質量部以上1.5質量部以下である請求項2から6のいずれかに記載のデータカートリッジ。
  8. 上記下地層が、研磨剤をさらに含み、
    上記研磨剤の含有量が、上記炭素粒子粉と上記金属含有粒子粉との合計量100質量部に対して2質量部以上4質量部以下である請求項2から7のいずれかに記載のデータカートリッジ。
  9. 上記最大押し込み深さhが、88nm≦h≦115nmであり、上記弾性回復に対する永久歪みの比d(永久歪み/弾性回復)が、0.97≦d≦1.15である請求項1から8のいずれかに記載のデータカートリッジ。
  10. 上記下地層の平均厚さが、1000nm以上1300nm以下である請求項1から9のいずれかに記載のデータカートリッジ。
  11. 上記記録層の平均厚さが、30nm以上100nm以下である請求項1から10のいずれかに記載のデータカートリッジ。
  12. 上記記録層は、磁性粉および結着剤を含む磁性層である請求項1から11のいずれかに記載のデータカートリッジ。
  13. 上記磁性粉が、立方晶フェライト磁性粉を含む請求項12に記載のデータカートリッジ。
  14. 上記磁性粉が、金属粉末を含む請求項12に記載のデータカートリッジ。
  15. 上記磁性粉が、バリウムフェライト磁性粉を含む請求項12に記載のデータカートリッジ。
  16. 上記記録層が、非磁性補強粒子を含む請求項1から15のいずれかに記載のデータカートリッジ。
  17. 上記記録層が、短波長記録または超短波超記録が可能な垂直記録層である請求項1から16のいずれかに記載のデータカートリッジ。
  18. 上記支持体が、ポリエステルを含む請求項1から17のいずれかに記載のデータカートリッジ。
  19. 上記下地層が、ポリウレタン系樹脂もしくは塩化ビニル系樹脂に架橋反応を付与した樹脂を含む請求項1から18のいずれかに記載のデータカートリッジ。
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