JP2008192239A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な塗膜強度を確保し得る非磁性層。
【解決手段】非磁性粒子および結合剤を含む非磁性層上に、磁性粒子および結合剤を含む磁性層が形成された構造を備え、非磁性層に含まれる結合剤が、分子内にスルホン酸金属塩基および不飽和炭化水素基を有するポリウレタン樹脂であり、脂肪族ジカルボン酸を含むポリエステルポリオール(A)と、芳香族ポリイソシアネート化合物(B)と、不飽和炭化水素基を有し、イソシアネート基と反応する官能基を有する分子量500以下の化合物(C)と、下記一般式で表される分岐状化合物(D)とを含む。
Figure 2008192239

(上記式中、R1、R2、R3はエチレン、1,2−プロピレン基のいずかであり、m、n、oの総和が2≦m+n+o≦8である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、磁気記録媒体に関する。
近年、大容量の記憶装置の普及に伴って、磁気テープなどの磁気記録媒体の高密度化が要望されるようになってきている。このような磁気記録媒体は、通常、非磁性粒子および結合剤を含む非磁性層上に、磁性粒子および結合剤を含む磁性層が形成された構造を備える。
特開2004−063049号公報(特許文献1)には、当該磁気記録媒体の非磁性層の結合剤として、放射線(電子線)硬化型ポリウレタン樹脂を用いることが開示されている。この放射線硬化型ポリウレタン樹脂は、分子中に塩基性極性基およびイオウ含有極性基の双方を分子中に有するポリウレタンアクリレート樹脂である。特許文献1に開示されているように、この放射線硬化型ポリウレタン樹脂を結合剤として用いて非磁性層を形成したときには、表面平滑性が良好で電磁変換特性および耐久性に優れた高密度磁気記録媒体が提供できる。
特開2004−063049号公報
磁気記録媒体の非磁性層は、たとえば、非磁性支持体(ベースフィルム)を走行させながら、その一面上に非磁性粒子および上述した放射線硬化型ポリウレタン樹脂を含有する塗料を塗布し、放射線を照射して塗料中の放射線硬化型ポリウレタン樹脂を硬化させることで形成される。近年では、磁気記録媒体の生産性のさらなる向上が望まれており、このためには、非磁性支持体の走行スピードをさらに高速にする必要がある。しかしながら、非磁性支持体の走行スピードが速すぎると、放射線硬化型ポリウレタン樹脂に対する照射量が3Mrad以下となる場合があり、特許文献1に開示された放射線硬化型ポリウレタン樹脂では、十分に硬化しない虞があり、その結果として、製造された磁気記録媒体の電磁変換特性が低下するという問題が生じる虞がある。
また、最近では、磁気記録媒体の高記録密度化が特に進んでおり、そのためには記録波長は短く、記録トラック幅は狭く、記録媒体厚は薄くして、最小記録単位も小さくする方向に向かっている。それに対応して磁性層の薄層化も進んでおり、磁性層に用いる磁性粒子としては微粒子で磁気エネルギーの大きい強磁性金属粒子や六方晶フェライト磁性粒子が使用されるようになってきている。
ところが磁性層を薄層化していくと、その表面平滑性は、その下に設けられた非磁性層の表面の凹凸状態に強く影響を受けることになる。したがって、磁性層の良好な表面平滑性を確保するためには、非磁性層の表面をより平滑にすることが求められる。そのため、たとえば平均長軸長が150nm以下の酸化鉄など、より微粒子化された非磁性粒子を用いることが検討されている。しかしながら、たとえば特許文献1に開示された放射線硬化型ポリウレタン樹脂を非磁性層の結合剤として用いた場合には、上記微粒子化された酸化鉄を非磁性粒子として適用すると、当該酸化鉄の分散性が不十分となりやすく、それに起因して非磁性層の表面平滑性が悪化し、ひいてはその上に設けられた磁性層の表面平滑性が悪化して電磁変換特性の低下を招く虞がある。
上述のように、近年の磁気記録媒体に対する高記録密度化の要請に伴って、磁性層の薄膜化や、磁性粒子、非磁性粒子の微粒子化を図っても磁性層の良好な表面平滑性を確保することができ、これにより高記録密度と、S/N比(SNR)などの電磁変換特性やエラーレートなどの媒体特性とを両立させた磁気記録媒体を実現することが求められている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、微粒子化された非磁性粒子を用いても良好な分散性を有し、3Mrad以下の放射線量であっても十分な塗膜強度を確保し得る非磁性層を備える磁気記録媒体を提供することである。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性粒子および結合剤を含む非磁性層上に、磁性粒子および結合剤を含む磁性層が形成された構造を備え、非磁性層に含まれる結合剤が、分子内にスルホン酸金属塩基および不飽和炭化水素基を有するポリウレタン樹脂であり、かつそのポリウレタン樹脂が、酸成分として脂肪族ジカルボン酸を含むポリエステルポリオール(A)と、芳香族ポリイソシアネート化合物(B)と、不飽和炭化水素基を有し、イソシアネート基と反応する官能基を有する分子量500以下の化合物(C)と、下記一般式(1)で表される分岐状化合物(D)とを反応させて得られたポリウレタン樹脂を含むことを特徴とする。
Figure 2008192239
(上記式(1)中、R1、R2、R3はエチレン、1,2−プロピレン基のいずかであり、m、n、oの総和が2≦m+n+o≦8である。)
本発明の磁気記録媒体における非磁性層に含まれるポリウレタン樹脂は、100〜300eq/tのスルホン酸金属塩基、ならびに、800〜1600eq/tの不飽和炭化水素基を有することが、好ましい。
本発明における非磁性層に含まれる非磁性粒子は、平均長軸長が150nm以下の酸化鉄を含むことが、好ましい。
また本発明における非磁性層に含まれる結合剤は、イソシアネート基と反応する官能基を有する分子量800以下の化合物(E)をさらに反応させて得られたポリウレタン樹脂であることが、好ましい。
また、本発明におけるポリエステルポリオール(A)は、酸成分中に脂肪族ジカルボン酸を70〜100モル%含み、かつ、化合物(C)が不飽和炭化水素基を1分子に2〜4個含むことが、好ましい。
さらに本発明における磁性層の厚みは、300nm以下であることが好ましい。
本発明によれば、非磁性層における結合剤として用いてなるポリウレタン樹脂を、低放射線照射量で十分に硬化することができ、十分な塗膜強度を有する非磁性層を有する磁気記録媒体を実現することができる。このような本発明の磁気記録媒体は、低放射線照射量で作製できるため、その生産性が十分に高められたものである。また、本発明によれば、中心線平均粗さも十分に低く、しかも十分に低いビットエラーレートを有する磁気記録媒体を実現することができる。
図1は、本発明の好ましい一例の磁気記録媒体(磁気テープ)1を模式的に示す断面図である。本発明の磁気記録媒体1は、非磁性粒子および結合剤を含む非磁性層2上に、磁性粒子および結合剤を含む磁性層3が形成された構造を備える。また、本発明の磁気記録媒体1は、通常、図1に示す例のように、非磁性層2および磁性層3はベースフィルム4の一方の表面にこの順で形成されて、記録再生装置(図示せず)による各種記録データの記録再生が可能に構成されるとともに、ベースフィルム4の他方の表面にはバックコート層5が形成されてなる。なお、図1には、本発明についての理解を容易とするために、磁気記録媒体1の各層の厚みを誇張して厚く図示するとともに、各層の厚みの比を実際とは異なる比に変更して図示している。本発明の磁気記録媒体1は、非磁性層2に含まれる結合剤が、ポリエステルポリオール(A)と、芳香族ポリイソシアネート化合物(B)と、不飽和炭化水素基を有し、イソシアネート基と反応する官能基を有する分子量500以下の化合物(C)と、特定の分岐状化合物(D)とを反応させて得られた特定のポリウレタン樹脂(放射線硬化型ポリウレタン樹脂)を含むことを特徴とする。
本発明に用いられるポリエステルポリオール(A)は、通常の二塩基酸とグリコールとを重縮合して得られるものであり、酸成分として脂肪族ジカルボン酸を含む。このような脂肪族ジカルボン酸としては、たとえば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ドデシニルコハク酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、3−ヘキセンジカルボン酸が挙げられるが、これらに制限されるものではない。中でも、非磁性粒子の分散性の観点から、脂肪族ジカルボン酸として、アジピン酸、セバシン酸、ドデシニルコハク酸、イタコン酸から選ばれる少なくともいずれかを含むことが好ましい。
本発明におけるポリエステルポリオール(A)は、上述した脂肪族ジカルボン酸以外に、他の酸成分を含んでいてもよい。このような他の酸成分としては、たとえばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族二塩基酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−カルボキシシクロヘキシル)プロパンなどの脂環族二塩基酸などが挙げられる。ただし、酸成分中に芳香族二塩基酸を30モル%を超えて含むと、3Mradを下回る放射線照射量では十分に硬化されない虞があるため、芳香族二塩基酸を含む場合には、酸成分中30モル%以下とすることが好ましい。
本発明におけるポリエステルポリオール(A)に用いるグリコール成分としては、特に制限されるものではないが、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどの脂肪族系グリコール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカンジメタノールなどの脂環族系グリコールが挙げられる。これらの中でも、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンが好ましい。
またポリエステルポリオール(A)の原料の一部に無水トリメリット酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの三官能基以上の化合物をポリエステル樹脂の有機溶剤溶解性、塗布作業性などの特性を損なわない範囲で使用してもよい。
本発明における芳香族ポリイソシアネート化合物(B)としては、たとえば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイシソアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネートなどが挙げられる。これらの中でも、非磁性粒子の分散性が特に良好であることから、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが特に好ましい。
本発明に用いられる化合物(C)としては、不飽和炭化水素基を有し、イソシアネート基と反応する官能基を有する分子量500以下の化合物であれば特に制限されるものではないが、たとえば、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキジプロピルメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、モノヒドロキシペンタエリスリトールトリアクリレートなどが挙げられる。この化合物(C)は、反応して得られたポリウレタン樹脂に放射線(電子線)硬化性を付与するために配合される。なお、不飽和炭化水素基を有し、イソシアネート基と反応する官能基を有する化合物であっても、分子量が500を超える化合物を当該化合物(C)として用いた場合には、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が下がり、結果として磁気記録媒体のビットエラーレートが高くなるという不具合がある。上述した中でも、優れた放射線硬化性を発揮する観点からは、化合物(C)としてモノヒドロキシペンタエリスリトールトリアクリレートを用いることが特に好ましい。また、化合物(C)の分子量は500以下であれば特に制限されないが、分子量50以上であることが好ましい。
また本発明における分岐状化合物(D)としては、下記一般式(1)で表される化合物が用いられる。
Figure 2008192239
上記式(1)中、R1、R2、R3はエチレン、1,2−プロピレン基のいずれかであり、m、n、oの総和が2≦m+n+o≦8である。m+n+oの総和が2未満である場合には、放射線照射による硬化性が悪くなる傾向にあり、また、m+n+oの総和が8を超える場合には、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が低くなる傾向にある。分岐状化合物(D)の具体例としては、グリセリンのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキシド付加物などが挙げられる。
上述したポリエステルポリオール(A)と、芳香族ポリイソシアネート化合物(B)と、化合物(C)と、分岐状化合物(D)とを反応させて得られた本発明におけるポリウレタン樹脂は、分子中に100〜300eq/t(好ましくは150〜280eq/t)のスルホン酸金属塩基を有する。ポリウレタン樹脂に含まれるスルホン酸金属塩基の濃度が100eq/t未満であると、作製された磁気記録媒体1の中心線平均粗さRaが上昇してしまう不具合がある。また、ポリウレタン樹脂に含まれるスルホン酸金属塩基の濃度が300eq/tを超えると、非磁性層を形成するための塗料中で、非磁性粒子と、未吸着のスルホン酸金属塩基とが相互作用を起こし、当該塗料の粘度が上昇してしまい、これによって塗工性に支障をきたし、得られた磁気記録媒体の中心線平均粗さRaが上昇してしまう。なお、上記スルホン酸金属塩基の濃度は、試料0.1gを白金ルツボにとって550℃で炭化し、酸(具体的には塩酸)に溶解した後、原子吸光分析により金属(具体的にはナトリウム)の濃度を測定し、下記式にて極性基濃度として算出された値を指す(単位は樹脂重量1tあたりの当量数(eq/t)を表す。)。
スルホン酸金属塩基濃度(eq/t)=金属濃度(ppm)/含有する金属の原子量
上記スルホン酸金属塩基としては、非磁性粒子(特に後述する非磁性酸化鉄)に対して良好に作用し、非磁性層においてより一層の分散性が向上される観点から、−SO4Y、−SO3Y(YはHまたはアルカリ金属)の中から選ばれるいずれか1種以上が好ましい。また、上記Yとしては、Na、Kが挙げられるが、特にNaが好ましい。スルホン酸金属塩基は、骨格ポリウレタン樹脂の主鎖に結合しても、分子鎖に結合していてもよい。
本発明におけるポリウレタン樹脂にスルホン酸金属塩基を導入し、分子中のスルホン酸金属塩基の含有量を上述した範囲内とするための手段としては特に制限されないが、たとえば上述したポリエステルポリオール(A)の酸成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムイソフタル酸、ナトリウムスルホテレフタル酸などのスルホン酸金属塩含有芳香族ジカルボン酸を共重合させる(たとえば、ポリエステルポリオール(A)の合成の際に、スルホン酸金属塩含有芳香族ジカルボン酸のエステル(5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステルなど)を反応させる)ことによって、ポリウレタン樹脂にスルホン酸金属塩基を導入し、分子中のスルホン酸金属塩基の含有量を上述した範囲内とすることができる。また、後述する化合物(E)をさらに共重合させる場合には、上述したスルホン酸金属塩含有芳香族ジカルボン酸を用いた化合物(E)を共重合させて、ポリウレタン樹脂にスルホン酸金属塩基を導入し、分子中のスルホン酸金属塩基の含有量を上述した範囲内とするようにしてもよい。
本発明におけるポリウレタン樹脂は、分子中に800〜1600eq/t(好ましくは900〜1500eq/t)の不飽和炭化水素基を有する。この不飽和炭化水素基は、上述した不飽和炭化水素基を有し、イソシアネート基と反応する官能基を有する分子量500以下の化合物(C)に起因するものである。なお、不飽和炭化水素基は骨格ポリウレタン樹脂の主鎖に結合していてもよいし、分枝鎖に結合していてもよい。本発明におけるポリウレタン樹脂は、分子中に800〜1600eq/tの不飽和炭化水素基を有することで、3Mrad以下の放射線照射量でも十分に硬化させることが可能となる。
ポリウレタン樹脂中に含まれる不飽和炭化水素基量が800eq/t未満であると、3Mrad以下の放射線照射量では十分に硬化されず、また、ポリウレタン樹脂中に含まれる不飽和炭化水素基量が1600eq/tを超えると、硬化歪みにより、作製された磁気記録媒体の中心線平均粗さRaが上昇してしまう。なお、上記不飽和炭化水素基量は、たとえば、ポリウレタン樹脂の製造に用いた原料の質量から、下記式により算出された値を指す(単位は樹脂重量1tあたりの当量数(eq/t)を表す。)。
不飽和炭化水素基量(eq/t)={(化合物(C)の質量/化合物(C)の分子量)/ポリウレタン樹脂中に仕込んだポリエステルポリオール(A)の質量+芳香族ポリポリイソシアネート(B)の質量+化合物(C)の質量+分岐状化合物(D)の質量(+後述する化合物(E)を含む場合には、さらに化合物(E)の質量)}×化合物(C)1分子中に含まれる不飽和炭化水素基の数×106
本発明におけるポリウレタン樹脂は、非磁性粒子の分散性および3Mrad以下の放射線の照射による硬化を満足する観点からは、ポリエステルポリオール(A)が酸成分中に脂肪族ジカルボン酸を70〜100モル%含み、かつ、化合物(C)が不飽和炭化水素基を1分子に2〜4個含むことが好ましい。なお、ポリエステルポリオール(A)の酸成分中における脂肪族ジカルボン酸が70モル%未満であると、非磁性粒子の分散性が低下し、また3Mrad以下の放射線の照射では十分に硬化しない傾向にある。また、化合物(C)の不飽和炭化水素基が1分子に1個である場合には、3Mrad以下の放射線の照射では十分に硬化しない傾向にあり、また化合物(C)の不飽和炭化水素基が1分子に4個以上である場合には、硬化収縮により非磁性層の表面平滑性が悪化し、磁性層の表面平滑性が悪化する傾向にある。
また本発明の磁気記録媒体1における非磁性層2に含まれる結合剤は、上述したポリエステルポリオール(A)、芳香族ポリイソシアネート化合物(B)、化合物(C)および分岐状化合物(D)に加えて、イソシアネート基と反応する官能基を有する分子量800以下の化合物(E)をさらに反応させて得られたポリウレタン樹脂であってもよい。このような化合物(E)は、ポリウレタン樹脂の溶解性向上に寄与し、本発明におけるポリエステルポリオール(A)、芳香族ポリイソシアナート(B)の組み合わせにおいて高い比率で共重合することが可能である。本発明における化合物(E)成分の共重合比率の増加はウレタン結合基濃度の増加につながり、ポリウレタン樹脂をより強靭なものにする。すなわち、これらの量比を調節することにより、汎用溶剤に対する高い溶解性と強靭な力学物性を併せ持ったポリウレタン樹脂が得られる。これらポリウレタン樹脂としての特性は、磁気記録媒体における非磁性層用の結合剤としての高い分散能力および磁気記録媒体の耐久性の向上に寄与するものである。なお、イソシアネート基と反応する官能基を有する化合物であっても、分子量800を超える化合物を化合物(E)として用いた場合には、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が低下し、結果として磁気記録媒体のビットエラーレートが高くなるという傾向にある。また、化合物(E)の分子量は800以下であれば特に制限されないが、分子量50以上であることが好ましい。
本発明に用いられる化合物(E)としては、イソシアネート基と反応する官能基を2個以上有する分子量800以下の化合物であれば特に制限されるものではないが、たとえば、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−フェニル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−3−ナトリウムスルホ−2,5−ヘキサンジオールなどのジオール化合物、1,2−プロパンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロブタン、1,2−ジアミノシクロペンタン、1,2−ジアミノシクロへプタンなどのジアミン化合物が挙げられる。中でも、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールが分散性の点で特に好ましい。また、化合物(E)は、分子量800以下であれば、ポリエステルポリオール、ポリプロピレングリコールなどでもよい。
なお、化合物(E)としてイソシアネート基と反応する官能基を1分子中3個以上有する分岐状化合物を用いると後述する架橋反応において反応性の向上に有効である。このような化合物(E)として、具体的には、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどのポリオールまたはこれらポリオールのうち1種へのt−カプロラクトン付加物、プロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
化合物(E)は、本発明におけるポリウレタン樹脂のウレタン結合基濃度が4000eq/106gを超えない範囲の共重合量で用いられることが好ましい。ウレタン結合基濃度が4000eq/106gを超えた場合には、ポリウレタン樹脂としての力学物性をさらに向上することは可能であるものの、汎用溶剤に対する溶解性が低下し、磁気記録媒体における非磁性層用の結合剤としての高い分散性能が得られないことがある。ウレタン結合基濃度は側鎖に対する化合物(E)の共重合量、およびポリエステルポリオール(A)の分子量により調節可能である。なお、上記ウレタン結合基濃度の単位は樹脂重量1tあたりの当量数(eq/t)を表す。
本発明におけるポリウレタン樹脂は、分子量についは特に制限されるものではないが、数平均分子量が5000〜100000の範囲内であることが好ましく、10000〜80000の範囲内であることがより好ましい。ポリウレタン樹脂の数平均分子量が5000未満である場合には、得られた非磁性層の機械的強度が不足し、走行耐久性が劣る虞がある。また、ポリウレタン樹脂の数平均分子量が100000を超える場合には、溶液粘度が大きくなり、作業性に劣り、また非磁性粒子、研磨剤などの分散性が悪化する虞がある。なお、上述したポリウレタン樹脂の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)(ウォーターズ社製)を用い、ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶媒として測定し、数平均分子量300未満の低分子のピークを分析時に削除し、数平均分子量300以上の高分子のピークをデータ処理することで得られた数値を指す。
上述した本発明におけるポリウレタン樹脂を得るために、ポリエステルポリオール(A)、芳香族ポリイソシアネート化合物(B)、化合物(C)および分岐状化合物(D)(必要に応じて、さらに化合物(E))を反応させる方法は、特に制限されるものではないが、原料を溶融状態で行う方法、または、溶液中で溶解して行う方法を挙げることができる。なお、反応触媒としてオクチル酸第一鉄、ジブチル錫ジラウリレート、トリエチルアミンなどを用いてもよい。また紫外線吸収剤、加水分解防止剤、酸化防止剤などをポリウレタン樹脂の製造前、製造中または製造後に添加してもよい。
なお、本発明における非磁性層2用の結合剤には、上述したポリウレタン樹脂のみを用いてもよいが、上述したポリウレタン樹脂と、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、他の放射線硬化型樹脂とを組み合わせて用いることができる。当該ポリウレタン樹脂と組み合わせて用いることのできる樹脂としては、たとえば、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ニトロセルロース、スチレン−ブタジエン系共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、アセタール樹脂、エポキシ系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカプロラクトンなどの多官能性ポリエーテル類、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ポリブタジエンエラストマーなどを放射線硬化型に変性した樹脂類が挙げられる。これらの中でも、非磁性粒子の分散性が特に良好であることから、塩化ビニル系共重合体が好ましい。
本発明の磁気記録媒体1における非磁性層2は、上述したポリウレタン樹脂を結合剤として含み、この結合剤中に非磁性粒子が分散されて形成される。この非磁性層2は、磁気記録媒体1において、薄層化された磁性層3の電磁変換特性を改良して、より一層の信頼性の向上を図ることを目的として設けられたものである。本発明の磁気記録媒体1によれば、上述したポリウレタン樹脂を結合剤として用いてなることで、従来より少ない放射線照射量(3Mrad以下)にて当該ポリウレタン樹脂を十分に硬化することができ、十分な塗膜強度を有する非磁性層2を有する磁気記録媒体1を実現することができる。このような本発明の磁気記録媒体1は、低放射線照射量で作製できるため、その生産性が十分に高められたものである。また、本発明によれば、中心線平均粗さも十分に低く、しかも十分に低いビットエラーレートを有する磁気記録媒体1を実現することができるという利点もある。
非磁性層2に用いられる非磁性粒子は、磁界の中に入れたときに磁気モーメントを示さない粒子を指す。このような非磁性粒子としては、たとえば、非磁性酸化鉄(α−Fe23)、炭酸カルシウム(CaCO3)、α−アルミナ(α−Al23)、硫酸バリウム(BaSO4)、酸化チタン(TiO2)、Cr23、SiO2、ZnO、ZrO2、SnO2などの粒子、カーボンブラックが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、非磁性層の表面平滑性を向上させる観点からは、非磁性粒子が平均長軸長が150nm以下(より好適には20〜130nm)の酸化鉄(α−Fe23)を含むことが好ましい。ここで、平均長軸長とは、各酸化鉄の粒子を顕微鏡観察し、任意に選択した酸化鉄粒子400個の平均として測定された値を指す。
また本発明においては、非磁性粒子として、平均長軸長が150nm以下の針状の酸化鉄を用いることが好ましい。ここで、針状の酸化鉄とは、アスペクト比が2以上の形状の酸化鉄を指す。特にアスペクト比3〜15の酸化鉄を非磁性粒子として用いることが好ましい。なお、上記アスペクト比が大きいほど表面平滑性が向上された非磁性層を得ることができるが、アスペクト比が15を超える場合には、分散時に針状の酸化鉄が折れてしまいやすくなり、所望の効果が得られにくくなる虞がある。
また、本発明においては、非磁性粒子として、上述した平均長軸長が150nm以下の針状の酸化鉄と、粒状の酸化鉄とを併用するようにしてもよい。ここで、粒状の酸化鉄とは、アスペクト比が2未満の形状の酸化鉄を指す。粒状の酸化鉄を併用することで、非磁性粒子と結合剤とを含む非磁性層を形成するための塗料のチキソ性を和らげることができ、また形成された非磁性層を硬くすることができるという利点がある。なお、粒状の酸化鉄を併用する場合、非磁性層の表面平滑性を向上させる観点からは、当該粒状の酸化鉄としては平均長軸長が20〜150nmの範囲内のものを用いることが好ましく、20〜130nmの範囲内のものを用いることがより好ましい。
また本発明における非磁性粒子は、上述した平均長軸長が150nm以下の酸化鉄と、カーボンブラックとを併用することが好ましい。カーボンブラックは、当該非磁性層2上に形成された磁性層3の表面電気抵抗を下げる役割や非磁性層2中に添加された潤滑剤(後述)を保持する役割を有し、また、磁性層3への潤滑剤の供給源としての役割、ならびに、ベースフィルム4表面の突起を埋めることで非磁性層2の表面平滑性を改善し、結果として磁性層3の表面平滑性を改善する役割を有している。
上述のように平均長軸長が150nm以下の酸化鉄と、カーボンブラックとを併用する場合、当該酸化鉄とカーボンブラックとの割合(重量比)は、95/5〜10/90であることが好ましい。カーボンブラックの重量比が5未満であると、添加される潤滑剤の保持力が落ち、耐久性が悪化する虞があり、また、磁性層3の表面電気抵抗が高くなったり光透過率が高くなってしまう虞がある。また、カーボンブラックの重量比が90を超えると、分散性が悪く、所望の表面平滑性が得られにくい傾向にある。
平均長軸長が150nm以下の酸化鉄と併用するカーボンブラックは、特に制限されるものではないが、非磁性層の表面平滑性を向上させる観点からは、平均粒径が10〜80nmのカーボンブラックを用いることが好ましく、10〜60nmのカーボンブラックを用いることがより好ましい。また、本発明に用いるカーボンブラックは、非磁性層を形成するための塗料の分散最適粘性の観点から、BET比表面積(たとえば非磁性粒子を脱気し、吸着占有面積既知分子を吸着、脱離させることで測定)が50〜500m2/gであることが好ましく、60〜250m2/gであることがより好ましい。このようなカーボンブラックは、たとえば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参照して、ファーネスカーボンブラック、サーマルカーボンブラック、アセチレンブラックなどから選択して、単独あるいは混合して用いることができる。
また本発明における非磁性層2は、非磁性粒子として、平均粒径が0.1〜1.0μmのα−Al23またはCr23の粒子を含んでいてもよい。平均粒径が0.1〜1.0μmのα−Al23またはCr23の粒子は研磨剤として作用し、これを含むことで非磁性層2の強度を向上させることができる。
本発明における非磁性層2に含まれる非磁性粒子の含有率は、特に制限されるものではないが、非磁性層2全体の組成中、65〜90重量%の範囲内であることが好ましく、70〜87重量%の範囲内であることがより好ましい。非磁性粒子の含有率が65重量%未満である場合には、非磁性粒子間に空隙が殆ど存在しないため、カレンダー加工性が悪いというような傾向にあり、また、非磁性粒子の含有率が90重量%を超えると、非磁性粒子の表面を被覆するだけの樹脂がないため、混練性・分散性が悪くなる傾向にあるためである。
また、本発明における非磁性層2に含まれる非磁性粒子および結合剤の混合比率は、特に制限されるものではないが、非磁性粒子100重量部に対し、結合剤を5〜50重量部の割合で混合させることが好ましく、10〜30重量部の割合で混合させることがより好ましい。結合剤が非磁性粒子100重量部に対し5重量部未満であると、混練性・分散性が悪くなる傾向にあり、また、結合剤が非磁性粒子100重量部に対し50重量部を超えると、非磁性粒子間に空隙が殆ど存在しないため、カレンダー加工性が悪いというような傾向にある。
本発明における非磁性層2は、上述した非磁性粒子および結合剤を含む塗料を調製し、これをベースフィルム4の一方の表面に塗布して塗膜を形成後、放射線を照射して塗膜中のポリウレタン樹脂を硬化させて、形成することができる。この非磁性層2を形成するための塗料には、上述した非磁性粒子および結合剤に有機溶剤を加えることにより調製される。用いる有機溶剤は特に制限はなく、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤やトルエンなどの芳香族系溶剤などの各種溶剤の1種または2種以上を適宜選択して用いればよい。有機溶剤の添加量は、固形分(非磁性粒子など)と結合剤との合計量100重量部に対して100〜1900重量部程度とすればよい。
非磁性層2を形成するための塗料は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上述した非磁性粒子および結合剤の他に、所望に応じ、潤滑剤、分散剤、その他の各種添加剤が添加されていてもよい。潤滑剤としては、たとえば高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、パラフィン、脂肪酸アミドなどの適宜の公知の潤滑剤が挙げられ、また、分散剤としては、たとえば芳香族酸、高級脂肪酸、酸性基含有高分子、アミン基含有高分子などの公知の界面活性剤を挙げることができる。
非磁性層2中に結合剤として含まれるポリウレタン樹脂を硬化させるために用いることができる放射線としては、たとえば電子線、γ線、β線、紫外線などを挙げることができるが、塗膜への透過性が特に良好であることから、電子線が好ましい。本発明におけるポリウレタン樹脂は、上述のように3MRad以下の放射線照射量であっても十分に硬化できるものであるが、放射線の照射量は1〜10Mradであることが好ましく、2〜7Mradであることがより好ましい。また、放射線の照射エネルギー(加速電圧)は100kV以上とすることが好ましい。さらに、放射線の照射は塗布・乾燥後に巻き取る以前に行うことが好ましいが、巻き取り後に行ってもよい。
本発明における非磁性層2は、その厚みは特に制限されるものではないが、2.5μm以下であることが好ましく、0.1〜2.3μmの範囲内であることがより好ましい。非磁性層2の厚みを2.5μmを超えて厚くしても、性能の向上は望めず、かえって非磁性層2を形成する際に厚みが不均一となり易く、塗料を塗布する条件が厳しくなり、表面平滑性も悪くなる虞がある。
本発明の磁気記録媒体1において、非磁性層2上に形成される磁性層3は、磁性粒子と結合剤とを含む。ここで、磁性層3に用いられる磁性粒子は、磁界に入れたときに磁気モーメントを示す粒子を指す。このような磁性粒子としては、特に制限されるものではないが、たとえば金属合金粒子、六方晶形板状粒子などの強磁性粒子を用いることができる。
金属合金粒子としては、たとえば、Fe、Co、Pt、Cr、Ndなどの合金で形成されたものを用いることができ、中でも保磁力と飽和磁化とを両立するという観点から、FeまたはCoの合金の粒子が好ましい。金属合金粒子は、目的に応じてNi、Zn、Co、Al、Si、Yなどの希土類元素が添加元素として添加されていてもよい。金属合金粒子は、高密度記録における粒子性ノイズを低減できることから、平均長軸長が0.03〜0.300μm、平均短軸長が10〜40nm、アスペクト比が1.2〜20であることが好ましい。また、保磁力Hcが119.4〜238.7kA/m(1500〜3000Oe)、飽和磁化σsが110〜160Am2/kg(110〜160emu/g)の金属合金粒子を用いると、得られた磁気記録媒体の保磁力Hcを119.4〜278.7kA/m(1500〜3500Oe)の範囲内に実現することができ、好ましい。ここで、金属合金粒子の平均長軸長、平均短軸長およびアスペクト比は、たとえば各金属合金粒子を顕微鏡観察し、任意に選択した金属合金粒子400個の平均をとることで測定された値を指し、また、金属合金粒子の保磁力Hcおよび飽和磁化σsは、たとえばVSM装置にて測定された値を指す。
六方晶形板状粒子としては、たとえば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体などの材料で形成されたものを用いることができ、中でも高保磁力の観点から、バリウムフェライトで形成された六方晶形板状粒子が好ましい。六方晶形板状粒子は、目的に応じてNi、Co、Ti、Zn、Snなどの希土類元素が添加元素として添加されていてもよい。六方晶形板状粒子は、高密度記録における粒子性ノイズを低減できることから、平均板粒径が20〜80nm、板比が2〜7であることが好ましい。また、保磁力Hcが79.6〜302.4kA/m(1000〜3800Oe)、飽和磁化σsが50〜70Am2/kg(50〜70emu/g)の六方晶形板状粒子を用いると、得られた磁気記録媒体の保磁力Hcを79.6〜318.3kA/m(1000〜4000Oe)の範囲内に実現することができ、好ましい。ここで、六方晶形板状粒子の平均板粒径および板比はたとえば各六方晶形板状粒子を顕微鏡観察し、任意に選択した六方晶形板状粒子400個の平均をとることで測定された値を指し、また、六方晶形板状粒子の保磁力Hcおよび飽和磁化σsは、上述した金属合金粒子の保磁力Hcおよび飽和磁化σsと同様の方法で測定された値を指す。
本発明における磁性層3中、磁性粒子の含有率は特に制限されるものではないが、磁性層3全体の組成中、70〜90重量%の範囲内であることが好ましく、70〜80重量%の範囲内であることがより好ましい。磁性粒子の含有率が70重量%未満であると、得られた磁気記録媒体1において高い再生出力が得られにくくなる虞があるためであり、また、磁性粒子の含有率が90重量%を超えると、結合剤の含有率が減少するため、得られた磁気記録媒体1の走行時に磁性層3の剥れが発生しやすくなる虞があるためである。
また、本発明における磁性層3に用いられる結合剤としては、従来公知の適宜の熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、他の放射線硬化型樹脂やこれらの混合物を好適に用いることができ、特に制限されるべきものではない。また、非磁性層2に用いられる結合剤として上述したポリウレタン樹脂を単独または他の樹脂と組み合わせて、磁性層3における結合剤として用いることも可能である。
本発明における磁性層3に含まれる磁性粒子および結合剤の混合比率は、特に制限されるものではないが、磁性粒子100重量部に対し、結合剤を5〜40重量部の割合で混合させることが好ましく、10〜30重量部の割合で混合させることがより好ましい。結合剤が磁性粒子100重量部に対し5重量部未満であると、磁性層3の強度が低下するため、走行耐久性が悪化しやすくなる傾向にあり、また、結合剤が磁性粒子100重量部に対し40重量部を超えると、磁性層3に含まれる磁性粒子が少なすぎて、得られた磁気記録媒体1の電磁変換特性が低下する傾向にある。
本発明における磁性層3は、磁性粒子および結合剤に有機溶剤を加えて塗料を調製し、この塗料をベースフィルム4上に既に形成された非磁性層2上に塗布し、乾燥させることで形成することができる。用いる有機溶剤は特に制限はなく、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤やトルエンなどの芳香族系溶剤などの各種溶剤の1種または2種以上を適宜選択して用いればよい。有機溶剤の添加量は、固形分(強磁性粒子や各種無機粒子など)と結合剤との合計量100重量部に対して100〜1900重量部程度とすればよい。
また、磁性層3を形成するための塗料には、本発明の効果を阻害しない範囲で、磁性粒子および結合剤の他、架橋剤(硬化剤)、研磨剤、分散剤(界面活性剤)、潤滑剤などの各種添加剤を添加するようにしてもよい。これらの添加剤は、従来公知の適宜のものを用いればよく、たとえば架橋剤としては、結合剤として熱硬化型樹脂を用いる場合には、各種のポリイソシアネートが挙げられる。架橋剤を添加する場合には、結合剤100重量部に対して10〜30重量部配合することが好ましい。
本発明の磁気記録媒体1における磁性層3の厚みは、特に制限されるものではないが、300nm以下であることが好ましく、10〜300nmの範囲内であることがより好ましく、20〜300nmの範囲内であることが特に好ましい。磁性層3の厚みが300nmを超える場合には、自己減磁損失や厚み損失が大きくなる虞がある。また、磁性層3の厚みが10nm未満である場合には、塗布の欠陥が発生し、ドロップアウトとなりやすくなる傾向にある。
本発明の磁気記録媒体1は、通常、上述した非磁性層2および磁性層3が、非磁性支持体であるベースフィルム4の一方の表面に形成されてなる。ベースフィルム4としては、各種可撓性材料、たとえばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂または芳香族ポリアミド樹脂などの既知の樹脂フィルムまたはこれらの積層樹脂フィルムから適宜選定することができ、その厚みなどについても既知の範囲内であり、特に制限されるべきものではない。
ベースフィルム4上に非磁性層2および磁性層3を形成する方法としては、非磁性層2を形成する塗料をベースフィルム4上に塗布後、非磁性層2が湿潤状態のうちに磁性層3を形成する塗料を塗布するウエットオンウェット塗布であってもよく、また、非磁性層2を乾燥させた後に磁性層3を形成する塗料を塗布するウェットオンドライ塗布であってもよい。記録密度向上の観点からは、非磁性層2および磁性層3の両方の表面性を高度に制御し得ることから、ウエットオンドライ塗布によって非磁性層2および磁性層3を形成することが好ましく、非磁性層2に結合剤として含まれるポリウレタン樹脂を放射線照射によって硬化させた後に磁性層3を塗布して形成するようにすることが特に好ましい。
また、図1に示す例の磁気記録媒体1では、ベースフィルム4の非磁性層2および磁性層3が形成された一方の表面とは反対側である他方の表面に、バックコート層5が形成されてなる。バックコード層5は、磁気記録媒体1のテープ走行性を向上させるとともに、ベースフィルム4の傷付き(摩耗)や磁気記録媒体1の帯電を防止する役割を果たす。
バックコート層5の形成には、従来公知の適宜の熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、他の放射線硬化型樹脂やこれらの混合物を好適に用いることができ、特に制限されるべきものではない。また、非磁性層2に用いられる結合剤として上述したポリウレタン樹脂を単独または他の樹脂と組み合わせて用いて、バックコート層5を形成することも可能である。
またバックコート層5には、帯電防止性を付与する観点からは、30〜80重量%のカーボンブラックを含有させることが好ましい。このようなカーボンブラックとしては、特に制限されるものではなく、非磁性層2に非磁性粒子として用いることができるカーボンブラックと同様のものを用いることができる。また、バックコート層5には、必要に応じ、各種研磨剤などの非磁性無機粒子、界面活性材などの分散剤、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコンオイルなどの潤滑剤、その他の各種添加剤を添加してもよい。
バックコート層5の厚みは、0.1〜1.0μm、好ましくは0.2〜0.9μmである。バックコート層5の厚みが1.0μmを超えると、媒体摺接経路との間の摩擦が大きくなり過ぎて、磁気記録媒体1の走行安定性が低下する傾向にある。また、バックコート層5の厚みが0.1μm未満であると、磁気記録媒体1の走行時にバックコート層5の塗膜削れが発生しやすくなる虞がある。
なお、図1に示した例の磁気記録媒体1は、あくまで好適な一例として示したものに過ぎず、本発明の磁気記録媒体は、図1に示した構造に限定されるものではない。たとえば、ベースフィルムと非磁性層との間に、ベースフィルム4に対する非磁性層の接着性の向上を目的として、下塗り層(易接着層)を設けるようにしてもよい。下塗り層は、たとえば易接着性塗布剤としてポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂などを用いて形成することができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の略号は、以下のとおりである。
・AA:アジピン酸
・SA:セバシン酸
・IA:イタコン酸
・DMS:5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル
・TPA:テレフタル酸
・IPA:イソフタル酸
・EG:エチレングリコール
・HD:1,6−ヘキサンジオール
・DMH:2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール
・NPG:2,2−ジメチル−1.3−プロパンジオール
・HPN:2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−
ヒドロキシプロパネート
・CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール
・GP−400:グリセリンのプロピレンオキサイド付加物
(三洋化成(株)製、分子量400)
・MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
・IPDI:イソホロンジイソシアネート
・PETA:モノヒドロキシペンタエリスリトールトリアクリレート
(1分子中の二重結合3個)
・701A:2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキジプロピルメタクリレート
(1分子中の二重結合2個:新中村化学(株)製)
・MR110:塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン(株)製)
・MEK:メチルエチルケトン
以下に樹脂物性の測定方法について説明する。
(1)ポリエステルポリオール(A)の水酸基価
ポリエステルポリオール50gをMEK120gの混合溶剤に溶解し、MDI70gを加え、70℃で2時間反応させた。次いで、反応液中の残存イソシアネート基濃度を滴定により定量し、水酸基価を求めた。
(2)数平均分子量
ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)(ウォーターズ社製)により、ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶媒として測定した。なお、数平均分子量300未満の低分子のピークは分析時には削除し、数平均分子量300以上の高分子のピークをデータ処理することで数平均分子量とした。
(3)組成分析
クロロホルムD溶媒中で核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニー200(ヴァリアン社製)を用いて、1H−NMR分析を行ってその積分比より決定した。
(4)ガラス転移温度
厚み30μmでポリウレタン樹脂フィルムを作成し、4mm×15mmに切断後、動的粘弾性測定装置DVA−220(アイティー計測制御株式会社製)を用いて、周波数10Hz、測定温度範囲30〜180℃、昇温速度4℃/minにて動的粘弾性を測定した。保存弾性率(E’)の屈折点において、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と屈折点以上における最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
(5)スルホン酸金属塩基濃度
試料0.1gを炭化し、酸に溶解した後、原子吸光分析により求めた。下記式により極性基濃度とした。本実施例ではナトリウムの濃度を測定した。
金属濃度(ppm)/含有する金属の原子量=スルホン酸金属塩基濃度(eq/t)
(6)不飽和炭化水素量
ポリウレタン樹脂製造の際に用いた原料の質量から以下の計算式により算出した。
不飽和炭化水素量(eq/t)={(不飽和炭化水素基を有する化合物(C)の質量/不飽和炭化水素基を有する化合物(C)の分子量)/ポリウレタン樹脂中に仕込んだポリエステルポリオール(A)の質量+ポリイソシアネート(B)の質量+不飽和炭化水素を有する化合物(C)の質量+分岐状化合物(D)の質量+化合物(E)の質量}×化合物(C)1分子中に含まれる不飽和炭化水素基の数×106
<合成例1:ポリエステルポリオール(A)の合成(1)>
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器にアジピン酸131重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル30重量部、1,6−ヘキサンジオール71重量部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールを94重量部、およびテトラブチルチタネート0.2重量部仕込み、180〜220℃で180分間加熱し、エステル化反応を行った後、反応系を20分間で5mmHgまで減圧し、この間240℃まで昇温した。さらに系内を徐々に減圧し、10分後に0.3mmHg以下とし、240℃で重縮合反応を30分間行った。得られたポリエステルポリオール(ポリエステルポリオール(a)と呼称する。)の樹脂組成(モル比)、水酸基価、スルホン酸金属塩基濃度を表1に示す。
<合成例2:ポリエステルポリオール(A)の合成(2)>
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器にアジピン酸139重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル15重量部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール208重量部、およびテトラブチルチタネートを0.2重量部仕込み、180〜220℃で180間加熱し、エステル化反応を行った後、反応系を5分、5mmHgまで減圧した。得られたポリエステルポリオール(ポリエステルポリオール(b)と呼称する。)の樹脂組成(モル比)、水酸基価、スルホン酸金属塩基濃度を表1に示す。
<合成例3:ポリエステルポリオール(A)の合成(3)>
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器に5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル89重量部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールを208重量部、およびテトラブチルチタネートを0.2重量部仕込み、180〜220℃で180分間加熱し、エステル交換反応を行った後、さらにアジピン酸を102重量部添加して180〜220℃で60分間加熱し、エステル化反応を行った後、反応系を5分間、5mmHgまで減圧した。得られたポリエステルポリオール(ポリエステルポリオール(c)と呼称する。)の樹脂組成(モル比)、水酸基価、スルホン酸金属塩基濃度を表1に示す。
<合成例4,5:ポリエステルポリオール(A)の合成(4),(5)>
表1に示す樹脂組成(モル比)としたこと以外は、合成例1と同様にして、ポリエステルポリオールをそれぞれ合成した。得られた各ポリエステルポリオール(ポリエステルポリオール(d),(e)と呼称する。)の水酸基価、リン酸金属塩基濃度を表1に示す。
<合成例6:ポリエステルポリオール(A)の合成(6)>
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器に5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル15重量部、テレフタル酸ジメチルエステル97重量部、イソフタル酸ジメチルエステル87重量部、エチレングリコール83重量部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールを77重量部、およびテトラブチルイソチタネートを0.2重量部仕込み、180〜220℃で180分間加熱し、エステル交換反応を行った後、反応系を20分間で5mmHgまで減圧し、この間240℃まで昇温した。さらに系内を徐々に減圧し、10分後に0.3mmHg以下とし、240℃で重縮合反応を30分間行った。得られたポリエステルポリオール(ポリエステルポリオール(f)と呼称する。)の樹脂組成(モル比)、水酸基価、スルホン酸金属塩基濃度を表1に示す。
Figure 2008192239
<合成例7:スルホン酸金属塩基を有するポリエステルジオールの合成>
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器に5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル888重量部、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート1836重量部およびテトラブトキシチタン0.2重量部を仕込み240℃で5時間エステル交換した。温度を100℃まで低下させ、トルエン633重量部で希釈し、ポリエステルジオール(ポリエステルジオール(g)と呼称する。)溶液(固形分濃度80%)を得た。組成(モル比)、その他特性を表2に示す。
Figure 2008192239
<合成実施例1:ポリウレタン樹脂(I)の合成>
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器にポリエステルポリオール(a)100重量部、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール20重量部、モノヒドロキシペンタエリスリトールトリアクリレート30重量部を添加し、メチルエチルケトン73重量部、トルエン73重量部に溶解した。フェノチアジン0.05重量部を加え、攪拌後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート70重量部を加え、触媒としてジブチルチンジラウレート0.05重量部を添加し、80℃で2時間反応させ、その後、メチルエチルケトン272重量部、トルエン272重量部、GP−400を13重量部加え、さらに80℃で4時間反応させてポリウレタン樹脂(I)を得た。ポリウレタン樹脂(I)の樹脂組成、分子量、ガラス転移温度、スルホン酸金属塩基濃度、不飽和炭化水素量を表3および表4に示す。
<合成実施例2〜6:ポリウレタン樹脂(II)〜(VI)の合成>
合成実施例1と同様の手法により合成したポリウレタン樹脂(II)〜(VI)の樹脂組成、数平均分子量、ガラス転移温度、リン酸金属塩基濃度、不飽和炭化水素量を表3および表4に示す。
<比較合成例1:ポリウレタン樹脂(VII)の合成>
合成実施例1と同様の手法により合成したポリウレタン樹脂(VII)の樹脂組成、数平均分子量、ガラス転移温度、スルホン酸金属塩基濃度、不飽和炭化水素量を表3および表4に示す。
<比較合成例2:ポリウレタン樹脂(VIII)の合成>
合成実施例1と同様の手法により合成したポリウレタン樹脂(VIII)の樹脂組成、数平均分子量、ガラス転移温度、スルホン酸金属塩基濃度、不飽和炭化水素量を表3および表4に示す。
<比較合成例3:ポリウレタン樹脂(IX)の合成>
合成実施例1と同様の手法により合成したポリウレタン樹脂(IX)の樹脂組成、数平均分子量、ガラス転移温度、スルホン酸金属塩基濃度、不飽和炭化水素量を表3および表4に示す。
Figure 2008192239
Figure 2008192239
<塩化ビニル樹脂の合成>
温度計、攪拌機、コンデンサーを具備した反応容器にMR110を100重量部、メチルエチルケトン245重量部に溶解させ、次いでフェノチアジン、ハイドロキノンをそれぞれ下記アクリル化合物に対して200ppm混合した。その後、2−イソシアネートエチルメタクリレート(MOI)5重量部、ウレタン化触媒のジ−n−ブチルチンジラウレートを上記イソシアネート化合物に対して1000ppm混合し、反応温度60℃で8時間攪拌を行った。得られた放射線硬化型塩化ビニル樹脂について、測定された数平均分子量は25000、ガラス転移温度は60℃であった。
<実施例1>
(非磁性層形成用の塗料の調製)
・非磁性粒子(1):酸化鉄(α−Fe23)粒子(平均長軸長:100nm、結晶子径:12nm、アスペクト比:8) 80.0重量部
・非磁性粒子(2):カーボンブラック(♯950B、三井化学(株)製、平均粒径:17nm、BET比表面積:250m2/g、DBP吸油量:70ml/100g、pH:8) 20.0重量部
・塩化ビニル樹脂(重合度:300、過硫酸カリ使用硫黄含有率:0.6重量%) 12.0重量部(上述のように合成したもの)
・ポリウレタン樹脂(I)(スルホン酸金属塩基(=SO3Na):180eq/t、化合物(C)のモル%:7モル%) 10.0重量部
・分散剤:リン酸系界面活性剤(RE610、東邦化学工業(株)製) 3.2重量部
・研磨剤:α−アルミナ(HIT60A、住友化学(株)製)、平均粒径:0.18μm) 5.0重量部
上記の材料を、固形分濃度が33%(質量百分率)、溶剤比率がMEK/トルエン/シクロヘキサン=2/2/1(質量比)となるように混合し、ニーダーで混練した後、0.8mmのジルコニアビーズが充填率80%(空隙率;50体積%)にて充填された横型のピンミルにて分散した。その後、さらに、下記の潤滑剤を添加した。
・潤滑剤:脂肪酸(NAA180、日本油脂(株)製) 0.5重量部
・潤滑剤:脂肪酸アマイド(脂肪酸アマイドS、花王(株)製) 0.5重量部
・潤滑剤:脂肪酸エステル(NIKKOOLBS、日光ケミカルズ(株)製) 1.0重量部
上記添加剤を添加して、固形分濃度が25%(質量百分率)、溶剤比率がMEK/トルエン/シクロヘキサン=2/2/1(質量百分率)となるように希釈した後、分散を行った。得られた塗料をさらに絶対ろ過精度1.0μmのフィルタでろ過して、非磁性層形成用の塗料を作製した。
(磁性層形成用の塗料の調製)
・磁性粒子:Fe系針状強磁性粒子(Fe/Co/Al/Y=100/24/5/8(原子比)、Hc:188kA/m、σs:140mA2/kg、BET比表面積:50m2/g、平均長軸長:0.10μm) 100.0重量部
・塩化ビニル樹脂:塩化ビニル共重合体(MR110、日本ゼオン(株)製) 10.0重量部
・ポリウレタン樹脂:ポリエステルウレタン(UR8300、東洋紡績(株)製) 6.0重量部
・分散剤:リン酸系界面活性剤(RE610、東邦化学工業(株)製) 3.0重量部
・研磨剤:α−アルミナ(HIT60A、住友化学(株)製、平均粒径:0.18μm) 10.0重量部
上記の材料を、固形分濃度が30%(質量百分率)、溶剤比率がMEK/トルエン/シクロヘキサン=4/4/2(質量比)となるように混合し、ニーダーで混練した後、前分散として0.8mmのジルコニアビーズを充填率80%(空隙率:50体積%)にて充填した横型のピンミルにて分散した。
その後、さらに、固形分濃度が15%(質量百分率)、溶剤比率がMEK/トルエン/シクロヘキサン=22.5/22.5/55(質量比)となるように希釈してから、仕上げ分散を行った。得られた塗料に硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)4重量部を添加混合した後、さらに絶対ろ過精度0.5μmのフィルターでろ過して、磁性層形成用の塗料を作製した。
(バックコート層形成用の塗料の作製)
・カーボンブラック(BP−800、キャボット(株)製、平均粒径:17nm、DBP吸油量:68ml/100g、BET比表面積:210m2/g) 75.0重量部
・カーボンブラック(BP−130、キャボット(株)製、平均粒径:75nm、DBP吸油量:69ml/100g、BET比表面積:25m2/g) 15.0重量部
・炭酸カルシウム粒子(白艶華0、白石工業(株)製、平均粒径:30nm) 10.0重量部
・ニトロセルロース(BTH1/2、旭化成工業(株)製) 65.0重量部
・ポリウレタン樹脂(脂肪族ポリエステルジオール/芳香族ポリエステルジオール=43/57) 35.0重量部
上記の材料のうち有機溶剤の一部を除いた状態で、固形分濃度が30%(質量百分率)、溶剤比率がMEK/トルエン/シクロヘキサノン=1/1/1(質量比)となるように混合し、ニーダーにて高粘度状態で十分に混練処理した。次いで、有機溶剤を適量添加してディゾルバにて十分に攪拌した後、上記の材料をニーダーで混練した後、前分散として0.8mmのジルコニアビーズを充填率80%(空隙率:50体積%)にて充填した横型のピンミルにて分散した。
その後、さらに、固形分濃度が10%(質量百分率)、溶剤比率がMEK/トルエン/シクロヘキサン=50.0/40.0/10.0(質量比)となるように希釈してから、仕上げ分散を行った。得られた塗料に硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)10重量部を添加混合した後、さらに絶対ろ過精度0.5μmのフィルターでろ過して、バックコート層形成用の塗料を作製した。
(非磁性層2形成工程)
6.2μm厚のベースフィルム4(ポリエチレンナフタレートフィルム)の一方の表面に、カレンダー加工後の厚みが2.0μmになるように、上述した非磁性層形成用の塗料をノズルにより押出し塗布法で塗布して、乾燥した。その後、プラスチックロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダーにて、ニップ数4回、加工温度100℃、線圧3500N/cmで加工を行い、さらに、2.0Mrad、加速電圧200kVにて電子線照射を行い、非磁性層2を形成した。
(磁性層3形成工程)
上述したようにして形成した非磁性層2上に、上述した磁性層形成用の塗料を、加工後の厚みが0.2μmとなるようにノズルによる押出し塗布法で塗布して、配向を行い、乾燥した。その後、プラスチックロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダーにて、ニップ数4回、加工温度100℃、線圧3500N/cmで加工を行い、磁性層3を形成した。
(バックコート層5形成工程)
上述したようにして形成されたベースフィルム4の他方の表面に、上述したバックコート層5形成用の塗料を0.7μmの乾燥厚になるようにノズルにより押出し塗布法で塗布して、乾燥した。その後、プラスチックロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダーにて、ニップ数4回、加工温度100℃、線圧3500N/cmで加工を行い、バックコート層5を形成した。
以上のようにして得られた磁気記録テープ原反を、60℃で48時間熱硬化させて、1.2inch(=12.650mm)幅にスリット(裁断)し、実施例1の磁気記録媒体としてデータ用磁気テープのサンプルを作製した。
<実施例2〜6>
非磁性層形成用の塗料の調製において、ポリウレタン樹脂(I)に代えて、上述したポリウレタン樹脂(II),(III),(IV),(V),(VI)をそれぞれ使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜6のデータ用磁気テープの各サンプルを作製した。
<比較例1>
非磁性層形成用の塗料の調製において、ポリウレタン樹脂(I)に代えて、分岐状化合物(D)を用いなかったポリウレタン樹脂(VII)を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の磁気テープのサンプルを作製した。
<比較例2>
非磁性層形成用の塗料の調製において、ポリウレタン樹脂(I)に代えて、芳香族ポリイソシアネート(B)以外のイソシアネートを用いたポリウレタン樹脂(VIII)を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の磁気テープのサンプルを作製した。
<比較例3>
非磁性層形成用の塗料の調製において、ポリウレタン樹脂(I)に代えて、酸成分として脂肪族ジカルボン酸を含まないポリエステルポリオールを用いたポリウレタン樹脂(IX)を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の磁気テープのサンプルを作製した。
(ポリウレタン樹脂および磁気記録媒体の評価)
各ポリウレタン樹脂および磁気記録媒体のサンプルについて、次の評価を行った。結果を表5に示す。
(1)評価1:架橋性評価
ポリウレタン樹脂を固形分濃度20重量%(溶剤:MEK)に調製し、塗布液とした。この塗布液を剥離フィルム上にアプリケーターで塗布し、室温で12時間、90℃で15分間乾燥させ、厚み20μmの樹脂皮膜を作製した。これを架橋性評価用のサンプルとした。得られた放射線未硬化の樹脂皮膜に、2.0Mradの電子線を照射して、電子線照射を行った。次いで、硬化された樹脂皮膜(以下、電子線硬化型樹脂皮膜)を剥離フィルムから剥離し、約1cm×4cmの大きさに切り出した。切り出した電子線硬化型樹脂皮膜の重量(これをA(g)とする)を測定し、その後、この電子線硬化型樹脂皮膜をMEK中で5時間還流し、還流後の電子線硬化型樹脂皮膜を70℃で24時間乾燥させた後、重量(これをB(g)とする)を測定した。得られた結果を用いて、上記照射量もおける電子線硬化型樹脂の架橋性を下記式により求めた。
架橋性(%)=(B/A)×100
(2)評価2:中心線平均粗さ(Ra)
「TALYSTEPシステム」(テーラーホプソン社製)を用い、JIS B 0601−1982に基づいて、実施例および比較例の各サンプルについて、磁性層3表面の中心線平均粗さRaの測定を行った。測定の条件は、フィルター0.18〜9Hz、触針
0.1×2.5μmスタイラス、触針圧2mg、測定スピード0.03mm/sec、測定長さ500μmとした。なお、磁性層3表面の中心線平均粗さRaの測定は、最終的なカレンダー処理および硬化処理後に行った。
(3)評価3:ビットエラーレート
カートリッジに組み込んだ実施例および比較例の各磁気テープサンプルに対して、磁気記録ヘッドで記録波長0.25μmの単一記録波長を記録し、信号のP−P値(振幅)に対して50%以下のP−P値(振幅)の信号をミッシングパルスとし、4個以上連続したミッシングパルスをLong Defectとして検出した。基準テープとしての比較例3の1mあたりのLong Defectの個数をNとし、各実施例および比較例の磁気テープ1mあたりのLong Defectの個数をXとして、比較例1〜3および実施例1〜6についてのLog10(X/N)をそれぞれビットエラーレートとして算出し、算出した各ビットエラーレートの比較を行った。なお、再生ヘッドには、磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)を用いた。
Figure 2008192239
表5に示す各ポリウレタン樹脂の架橋度の測定結果から、実施例1〜6で用いたポリウレタン樹脂(I)〜(VI)は2.0Mradという低電子線照射量でありながら、十分な架橋性(80%以上)を備えていることが確認された。これに対して、比較例1、3で用いたポリウレタン樹脂(VII)、(IX)では、十分な架橋性(80%以上)が得られないことが確認された。
表5に示す中心線平均粗さRaの測定結果、およびビットエラーレートの比較結果から、ポリウレタン樹脂(I)〜(VI)を用いた実施例1〜6の各サンプルでは、中心線平均粗さRaを十分に低い値(4nm以下)にすることができて、磁性層3の表面を十分に平滑に形成することができることが確認された。また、中心線平均粗さRaの最も悪い比較例2と比較して、十分に低いビットエラーレートを実現できることが確認された。これに対して、ポリウレタン樹脂(VIII)、(IX)を用いた比較例2,3のサンプルでは、中心線平均粗さRaを十分に低い値(4nm以下)にすることができないことが確認された。
以上のように、各評価1〜3の結果から、ポリウレタン樹脂(I)〜(VI)を用いた実施例1〜6では、2.0Mradという低電子線照射量でありながら、十分な架橋性を備え、かつ中心線平均粗さRaも十分に低く、しかも十分に低いビットエラーレートの磁気記録媒体1を作製できることが分かる。また、低放射線照射量で磁気記録媒体1を作製することができるため、その生産性を十分に高めることができる。結果、安価な磁気記録媒体1を実現することができる。
今回開示された実施の形態、実施例および比較例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の磁気記録媒体の好ましい一例である磁気テープ1を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 磁気記録媒体、2 非磁性層、3 磁性層、4 ベースフィルム、5 バックコート層。

Claims (6)

  1. 非磁性粒子および結合剤を含む非磁性層上に、磁性粒子および結合剤を含む磁性層が形成された構造を備える磁気記録媒体であって、
    非磁性層に含まれる結合剤が、分子内にスルホン酸金属塩基および不飽和炭化水素基を有するポリウレタン樹脂であり、かつそのポリウレタン樹脂が、酸成分として脂肪族ジカルボン酸を含むポリエステルポリオール(A)と、芳香族ポリイソシアネート化合物(B)と、不飽和炭化水素基を有し、イソシアネート基と反応する官能基を有する分子量500以下の化合物(C)と、下記一般式(1)で表される分岐状化合物(D)とを反応させて得られたポリウレタン樹脂を含むことを特徴とする磁気記録媒体。
    Figure 2008192239
    (上記式(1)中、R1、R2、R3はエチレン、1,2−プロピレン基のいずかであり、m、n、oの総和が2≦m+n+o≦8である。)
  2. 非磁性層に含まれるポリウレタン樹脂が、100〜300eq/tのスルホン酸金属塩基、ならびに、800〜1600eq/tの不飽和炭化水素基を有することを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 非磁性層に含まれる非磁性粒子が、平均長軸長が150nm以下の酸化鉄を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 非磁性層に含まれる結合剤が、イソシアネート基と反応する官能基を有する分子量800以下の化合物(E)をさらに反応させて得られたポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  5. ポリエステルポリオール(A)が酸成分中に脂肪族ジカルボン酸を70〜100モル%含み、かつ、化合物(C)が不飽和炭化水素基を1分子に2〜4個含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  6. 磁性層の厚みが300nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の磁気記録媒体。
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