JP7069560B2 - 発泡壁紙用原反及び発泡壁紙 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡壁紙用原反及び発泡壁紙に関する。より詳細には、本発明は、戸建て住宅、集合住宅、店舗、事務所ビル等の建築物の表面装飾などに利用可能な発泡壁紙並びにそれに用いられる発泡壁紙用原反に関する。
発泡壁紙は、樹脂に発泡剤を配合した発泡剤含有樹脂組成物を基材上に積層し、その樹脂組成物を発泡させて製造したものである。発泡前に印刷インキ被膜を設けて、その表面を装飾したものや、あるいは、発泡と同時又は発泡後にエンボスして表面に凹凸模様を設けて、その表面を装飾したものがある。
発泡剤含有樹脂組成物を構成する樹脂としては、長い間、ポリ塩化ビニル樹脂が好便に用いられてきたが、ポリ塩化ビニル樹脂は塩素化合物を含み、例えば焼却した際に有害な塩素ガスを発生する等環境を損なうおそれがあることから、近年、ハロゲン元素を含まない樹脂を使用して発泡壁紙を製造している。このような発泡壁紙としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂を使用して、このエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂に発泡剤を配合して発泡剤含有樹脂組成物とし、この発泡剤含有樹脂組成物を紙基材上に溶融押出しコーティングして積層し、更に印刷インキ被膜を設け、次いで発泡剤含有樹脂組成物を発泡させると共に、その表面に凹凸模様を形成したものが知られている(特許文献1,2参照)。
しかしながら、このようにエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂を含む発泡剤含有樹脂組成物を溶融押出しコーティングすると、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂を構成する酢酸ビニル成分が押出し機内部を腐蝕させることがある。また、この酢酸ビニル成分に由来する匂いが壁紙に残ることがある。
そこで、発泡剤含有樹脂組成物を構成する樹脂として、ポリエチレンやエチレン-αオレフィン共重合樹脂等の無極性樹脂を使用した発泡壁紙が提案されている(特許文献3参照)。これら無極性樹脂は、酢酸ビニル成分等の極性成分を含まないため、押出し機内部を腐蝕させることがなく、また、壁紙に匂いが残ることもない。
しかしながら、このような無極性樹脂は印刷インキ被膜との密着性に劣り、このため、発泡剤含有樹脂組成物の層の上に印刷インキ被膜を形成した後、発泡あるいはエンボスすると、これら発泡工程やエンボス工程で印刷インキ被膜が割れてしまうことがある。
特開平6-47875号公報 特開2001-347611号公報 特開2014-173217号公報
そこで、本発明は、発泡剤含有樹脂組成物を構成する樹脂として無極性のオレフィン系樹脂を使用して、しかも、発泡工程やエンボス工程で印刷インキ被膜に割れが生じることのない発泡壁紙あるいはその原反を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基材上に、発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層と、発泡剤を含有しないコーティング層とがこの順に積層されている発泡壁紙の原反であって、
前記発泡剤含有樹脂層の樹脂成分のすべてが無極性のオレフィン系樹脂から成り、
かつ、コーティング層が、平均粒径3μm以下で、表面処理が施された無機フィラーを20質量%以上含有していることを特徴とする発泡壁紙用原反である。
次に、請求項2に記載の発明は、前記コーティング層の上に印刷インキ被膜が積層されていることを特徴とする請求項1に記載の発泡壁紙用原反である。
次に、請求項3に記載の発明は、前記無機フィラーの平均粒径が2μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡壁紙用原反である。
次に、請求項4に記載の発明は、前記表面処理が酸化アルミウムによる処理であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の発泡壁紙用原反である。
次に、請求項5に記載の発明は、前記表面処理が脂肪酸による処理であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の発泡壁紙用原反である。
次に、請求項6に記載の発明は、前記発泡剤含有樹脂層が架橋性樹脂を含んでいることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の発泡壁紙用原反である。
次に、請求項7に記載の発明は、前記架橋性樹脂がシラン系架橋性樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の発泡壁紙用原反である。
次に、請求項8に記載の発明は、前記シラン系架橋性樹脂がアルコキシシリル基を有することを特徴とする請求項7に記載の発泡壁紙用原反である。
次に、請求項9に記載の発明は、前記発泡剤含有樹脂層が溶融押出し法によって製造されていることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の発泡壁紙用原反である。
次に、請求項10に記載の発明は、前記発泡剤が、アゾ化合物、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム及び亜硝酸アンモニウムからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の発泡壁紙用原反である。
次に、請求項11に記載の発明は、前記請求項1~10のいずれかに記載の原反の発泡剤含有樹脂層を発泡させて成ることを特徴とする発泡壁紙である。
次に、請求項12に記載の発明は、表面に凹凸模様を有することを特徴とする請求項11に記載の発泡壁紙である。
本発明の発泡壁紙用原反は、発泡剤含有樹脂層の上にコーティング層が積層されており、印刷インキ被膜はこのコーティング層の上に積層される。コーティング層は無機フィラーを含んでいるから、印刷インキ被膜との密着性が高い。このため、発泡剤含有樹脂層を発泡させ、あるいは発泡に加えてエンボスした際にも、印刷インキ被膜に割れ(インキ割れ)が生じることなく、仮にインキ割れが発生した場合にもわずかであり、高品質の発泡壁紙を製造できる。
なお、後述する実施例から分かるように、コーティング層が無機フィラーを含んでいる場合であっても、無機フィラーの平均粒径が3μmを超える場合には、発泡工程やエンボス工程で多数のインキ割れが生じることがある。また、無機フィラーの平均粒径が3μm以下であっても、その含有量が発泡剤未含有樹脂層の20質量%に満たない場合には、多数のインキ割れが生じることがある。これに対して、平均粒径3μm以下の無機フィラーが20質量%以上含有されている場合には、発泡工程やエンボス工程でインキ割れが生じることがなく、仮にインキ割れが発生した場合にもわずかである。
図1は本発明の発泡壁紙用原反の具体例を示す断面説明図である。 図2は本発明の発泡壁紙の具体例を示す断面説明図である。
以下、図面を参照して本発明の具体例を説明する。図面の図1は本発明の発泡壁紙用原反の具体例を示す断面説明図で、この原反10は、基材1上に、コーティング層2、発泡剤未含有樹脂層3、印刷インキ被膜4及び表面保護層5をこの順に積層して構成されている。以下、順次、各層について説明し、続いて、この原反10を使用して製造される発泡壁紙について説明する。
(基材1)
基材1としては、従来ある壁紙用裏打紙等の紙基材として通常使用されているものであれば特に限定されずに使用可能である。このような基材1としては、例えば、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン等の水溶性難燃剤を含浸させたパルプ主体の難燃紙、又は炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機質剤を混抄した無機質紙などが挙げられる。これらの秤量は、50~300g/mであってもよく、60~160g/mであってもよい。
また、基材1と発泡剤含有樹脂層2との接着性を向上させる観点から、基材1の表面で発泡剤含有樹脂層2を積層する側の面には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着処理を施してもよく、アクリル-ブチル共重合体、イソシアネートとポリオールとからなるポリウレタン等から形成される易接着処理層を設けてもよい。
(発泡剤含有樹脂層2)
発泡剤含有樹脂層2は、樹脂成分と発泡剤とを必須とするものである。この他、各種添加成分を含んでいてもよい。その厚みは、50~200μmでよい。
樹脂成分としては無極性のオレフィン系樹脂を含むことが必要である。すなわち、単一種類のオレフィンモノマー又は複数種類のオレフィンモノマーを重合して製造された樹脂であって、ハロゲン元素や酢酸ビニル成分等の極性成分をその構成単位として含んでいてはならない。なお、これに加えて、樹脂成分のすべてがこのようなオレフィン系樹脂から成り、このほか、極性のある樹脂成分を含まないことが望ましい。
このようなオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリメチル樹脂等が例示できる。また、エチレンモノマーと他のオレフィンモノマーとの共重合樹脂を使用することもできる。例えば、エチレン-αオレフィン共重合樹脂である。なお、樹脂成分として複数種類のオレフィン系樹脂を含んでいてもよい。
ポリエチレンとしては、例えば、高圧法で合成された低密度ポリエチレン、中低圧法で合成されたコモノマーを含まない高密度ポリエチレン等が挙げられる。中でも、低密度ポリエチレンが好ましい。
低密度ポリエチレンは、例えば、密度0.91g/cm以上0.94g/cm以下の範囲にあるものが挙げられる。低密度ポリエチレンの密度は、好ましくは密度0.91g/cm以上0.93g/cm以下であり、より好ましくは密度0.92g/cm以上0.93g/cm以下である。低密度ポリエチレンの分子量、融点、メルトフローレート(MFR)等については特に制限されないが、融点については、50℃~140℃が好ましく、60℃から110℃がより好ましい。融点が140℃以下であれば樹脂を溶融して成型する際により高温で溶融する必要がなく、発泡剤が成型中に分解してしまうという可能性が少ない。一方、融点が50℃以上であれば、実使用上の熱耐久性が十分に得られる。MFRについては3~150のものが好ましく、4~100のものがより好ましい。MFRが3以上であれば、成型時に生じるせん断発熱を抑えることができ、加工温度の制御が容易になり、成型中に発泡剤が分解してしまうという可能性が少ない。一方、MFRが150以下であれば、製造された発泡壁紙の機械強度が保たれ、施工性及び耐久性に優れる。
このような低密度ポリエチレンとして市販品を用いることが可能である。例えば、ノバテックLD LJ802A、ノバテックLD LC604(以上、日本ポリエチレン製)、宇部ポリエチレン J2516(宇部丸善ポリエチレン製)等である。
エチレン-αオレフィン共重合樹脂としては、例えば、密度0.88g/cm以上0.91g/cm未満の範囲にあるものが挙げられる。エチレン-αオレフィン共重合樹脂の密度は、好ましくは密度0.88g/cm以上0.90g/cm以下であり、より好ましくは密度0.89g/cm以上0.90g/cm以下である。エチレン-αオレフィン共重合樹脂の分子量、融点、MFR等については特に制限されないが、融点については50~140℃が好ましく、60~110℃がより好ましい。融点が140℃以下であれば樹脂を溶融して成型する際により高温で溶融する必要がなく、発泡剤が成型中に分解してしまうという可能性が少ない。一方、融点が50℃以上であれば、実使用上の熱耐久性が十分に得られる。MFRについては3~150のものが好ましく、4~100のものがより好ましい。MFRが3以上であれば、成型時に生じるせん断発熱を抑えることができ、加工温度の制御が容易になり、成型中に発泡剤が分解してしまうという可能性が少ない。一方、MFRが150以下であれば、製造された発泡壁紙の機械強度が保たれ、施工性及び耐久性に優れる。
このようなエチレン-αオレフィン共重合樹脂として市販品を用いることも可能である。例えば、タフマー DF140、DF940、DF7350(いずれも三井化学株式会社製)、カーネル KJ-640T(日本ポリエチレン株式会社製)、エクセレンFX CX5508(住友化学株式会社製)、エンゲージ 8400/8407(ダウ・ケミカル社製)、エボリューP SP90100(株式会社プライムポリマー製)等である。
樹脂分の含有量は、樹脂の合計量が、樹脂組成物全量を基準として、20~80質量%であることが好ましい。
次に、発泡剤含有樹脂層2に配合する発泡剤としては、例えば、熱分解型発泡剤を用いることができる。熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン等のアゾ系発泡剤、p-トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系発泡剤、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ系発泡剤、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム及び亜硝酸アンモニウムなどが挙げられる。これらの中でも、アゾ化合物、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム及び亜硝酸アンモニウムは、安価で経済性に優れることに加えて、発泡反応が発熱反応であるため、ガス保持力が高く、高発泡が可能である。なお、毒性が少なく、発泡開始温度の調節が容易で適用範囲の広いADCAが好ましい。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
このような発泡剤として市販品を用いることができる。例えば、ビニホールAC#3C-K2(永和化成株式会社製、アゾ系発泡剤)、ネオセルボンSB#51(永和化成株式会社製、ヒドラジド系発泡剤)、セルマイク142(三協化成株式会社製、ヒドラジド系発泡剤)、セルマイクA(三協化成株式会社製、ニトロソ系発泡剤)等である。
発泡剤の含有量は、特に制限されないが、その合計量が、発泡剤含有樹脂層2全体を基準として1~20質量%であることが好ましい。発泡剤の含有量が上記範囲であると、過剰なガスの発生による表面からのガス抜けが抑制されている発泡樹脂層を得ることができる。
また、発泡剤含有樹脂層2に配合する添加成分としては、例えば、発泡助剤、架橋性樹脂、架橋触媒、着色剤、難燃剤、セル調整剤、安定剤、滑剤、充填剤(フィラー)等を例示できる。
発泡助剤としては塩基性金属石鹸を例示できる。ここで、金属石鹸とは、通常、脂肪酸と、ナトリウム及びカリウム以外の金属との塩をいうが、塩基性金属石鹸とは、例えば金属酸化物を脂肪酸で中和する際に、加える脂肪酸の当量を調整することで部分的に金属酸化物を中和することで合成されるような、金属酸化物の組成が過剰な金属石鹸を指す。塩基性金属石鹸は、例えば、一般式RCOOM・nMO(式中、Rは炭化水素基を示し、Mは金属核を示し、nは1~3の整数を示す。)として表すことができる。例えば、1,2ヒドロキシステアリン酸カルシウムである。なお、発泡助剤の含有量は、発泡剤100質量部に対して10~100質量部であることが好ましい。発泡剤100質量部に対する塩基性金属石鹸の含有量が上記範囲内であることにより、より良好な発泡倍率が得られる発泡剤含有樹脂層2を形成することができる。
次に、発泡剤含有樹脂層2に架橋性樹脂を配合した場合には、この架橋性樹脂を架橋して、発泡剤含有樹脂層2の耐候性を高めることができる。架橋性樹脂としてシラン系架橋性樹脂を含む場合には、過熱蒸気処理又は水架橋処理によってシラン架橋性樹脂を効率よく架橋させることができる。
シラン系架橋性樹脂としてはアルコキシシリル基を有するものが使用できる。このようなアルコキシシリル基を有する架橋性樹脂としてはリンクロンSS732N(三菱化学株式会社製)が市販されている。
また、過熱蒸気処理としては、例えば、130℃~280℃の環境下で20秒から15分間、過熱蒸気(過熱水蒸気ともいう)処理する方法等が挙げられる。また、水架橋処理としては、湿度60%以上の環境下、40℃~70℃の温度域で1日~1か月養生させて水架橋させる方法が挙げられ、具体的には、40℃90%の恒温恒湿槽の環境下において養生させて水架橋させる方法が挙げられる。
発泡剤含有樹脂層2に架橋性樹脂を配合した場合には、この架橋性樹脂に加えて、架橋触媒を併用することが望ましい。架橋触媒としては、LZ013(三菱化学株式会社製)を使用することができる。
なお、発泡剤含有樹脂層2が架橋性樹脂を含有しない場合であっても、この発泡剤含有樹脂層2に電子線を照射することにより、この発泡剤含有樹脂層2を架橋することが可能である。電子線照射の条件としては、発泡剤含有樹脂層2の厚みにもよるが、加速電圧150~300kV、照射線量10~100kGyが好ましい。加速電圧が上記範囲内であれば、電子線を厚み方向深くまで十分に到達させることができ、なおかつ基材1への電子線による劣化を抑制することができる。また、照射線量が上記範囲内であれば、その黄変や機械物性の変化を抑制しつつ、樹脂シートに所望の架橋を施すことが容易となる。
次に、着色剤としては顔料を使用することができる。顔料の添加による着色は、透明であってもよいし、半透明であってもよいし、不透明であってもよい。顔料としては、例えば、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料、又はアニリンブラック、フタロシアニンブルー等の有機顔料などを挙げることができる。
難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属酸化物系難燃剤、リン酸エステル系等のリン系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA等の臭素系難燃剤などが挙げられる。
セル調整剤としては、例えば、リン酸エステル系化合物、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂等が挙げられる。セル調整剤は、アデカスタブHP-10(株式会社ADEKA製)、Irgafos 38(B.A.S.F. Japan製)、JPP-2000(城北化学工業株式会社製)等の市販品を用いることができる。
安定剤としては、例えば、フェノール/アミン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤等のラジカル捕捉剤、リン系、イオウ系等の過酸化物分解剤、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられる。
滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド系、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、オクチル酸亜鉛等の脂肪酸金属塩系の滑剤などが挙げられる。滑剤は、アデカスタブAP-546(株式会社ADEKA製)等の市販品を用いることができる。
充填剤(フィラー)としては、無機充填剤及び有機充填剤が挙げられる。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン等が挙げられる。有機充填剤としては、例えば、メラミンシアヌレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、木粉、セルロース及びその誘導体が挙げられる。これらの充填剤(フィラー)は1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。このような充填剤(フィラー)としては、例えば、ソフトン1000(備北粉化株式会社製、炭酸カルシウム)、タイペークCR-60-2(石原産業株式会社製、二酸化チタン)等の市販品を用いることができる。
次に、この発泡剤含有樹脂層2は、溶融押出し機を使用して、樹脂成分、発泡剤及びその他の添加成分を混練し、溶融状態で押出すことによって製造することができる。このように溶融押出しされた発泡剤含有樹脂層2を、その溶融状態のまま、押出しの直後に基材1に積層することもできるが、一旦シート状に製膜し、こうして製膜された発泡剤含有樹脂層2を基材1上に接着して積層することもできる。
なお、押出製膜の方法としては、例えば、Tダイ押出法、Tダイ押出同時ラミネーション法、Tダイ押出タンデムラミネーション法、円形ダイ押出法、円形ダイインフレーション押出法等の押出成形が挙げられる。押出製膜の条件としては、押出温度100~160℃、押出圧力2~50MPaが挙げられる。発泡剤成分の分解を抑制しつつポリエチレン成分の融点以上とする観点から、押出温度は110~150℃が好ましく、120~140℃がより好ましい。また、押出安定性の観点から、押出圧力は、3~40MPaが好ましく、3~30MPaがより好ましい。
また、一旦製膜された発泡剤含有樹脂層2を基材1上に接着する場合には、熱ラミネート法又はドライラミネート法を利用することができる。発泡剤含有樹脂層2がシラン系架橋性樹脂を含有する場合には、このように発泡剤含有樹脂層2を基材1上に積層した後、前述の条件で養生させることにより、シラン系架橋性樹脂を水架橋させることができる。また、シラン系架橋性樹脂を含有しない場合であっても、前述の条件で電子線照射処理を施すことにより、発泡剤含有樹脂層2を架橋させることが可能である。
(コーティング層3)
コーティング層3は無機フィラーを必須成分として含むコーティング液を発泡剤含有樹脂層2上にコーティングして形成したもので、このコーティング液に樹脂成分を配合し、この樹脂成分で無機フィラーを固定して構成することができる。なお、この他、各種添加成分を含んでいてもよいが、発泡剤を含んでいてはならない。
このコーティング層3に含まれる樹脂成分は任意の樹脂でよい。例えば、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、あるいはエチレン-酢酸ビニル共重合体等である。なお、この樹脂成分には、ハロゲン元素を含まないことが望ましい。樹脂成分は、この樹脂成分を溶剤に溶解させた樹脂溶液の形態で使用することができる。また、樹脂成分を微粒子として溶剤に分散させたエマルジョンの形態で使用することもできる。
このような樹脂エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン(日信化学工業株式会社製ビニブラン840B,固形分19質量%)を好適に使用することができる。
コーティング層3は、平均粒径3μm以下の無機フィラーを20質量%以上含有している必要がある。平均粒径3μm以下の無機フィラーの含有量が20質量%に満たない場合には発泡工程やエンボス工程でインキ割れが生じることがある。平均粒径2μm以下の無機フィラーを20質量%以上含有していることが望ましい。なお、このほか、平均粒径が3μmを超える大きな無機フィラーを含有していてもよいが、この場合でも、平均粒径3μm以下の無機フィラーの含有量は、コーティング層3の20質量%以上である必要がある。
無機フィラーとしては、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、タルク等の微粒子が例示できる。これら無機フィラーは表面処理が施されたものであってもよい。例えば、水酸化アルミニウムで表面がコーティングされた無機微粒子である。また、脂肪酸で表面がコーティングされた無機微粒子であってもよい。水酸化アルミニウムや脂肪酸で表面をコーティングすることにより、コーティングの際のコーティング液の粘度上昇が抑えられてコーティング層3の表面状態が安定し、印刷適性が向上する。
このコーティング層3には、発泡剤含有樹脂層2と同様に、着色剤、難燃剤、セル調整剤、安定剤、滑剤等各種添加成分を配合することができる。
そして、前記樹脂溶液又は樹脂エマルジョンに対して無機フィラーとその他の各種添加成分を配合してコーティング液とし、このコーティング液をコーティングすることにより、コーティング層3を形成することができる。コーティング方法としては、グラビアコーティング法、ロールコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法等、公知のコーティング法を利用できる。なお、発泡剤含有樹脂層2とコーティング層3との接着性を向上させため、発泡剤含有樹脂層2の表面に、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着処理を施してもよいし、易接着処理層を設けてもよい。
(印刷インキ被膜4)
印刷インキ被膜4は、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷等周知の印刷法により形成することができる。印刷インキ被膜4の印刷絵柄としては、木目模様柄、石目模様柄、布目模様柄、皮紋模様柄、幾何学図形模様柄、文字、記号、あるいは、全面ベタ模様柄等がある。インキのバインダーとしては、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等を1種ないし2種以上混合して用いることができる。
(表面保護層5)
表面保護層5は公知の透明塗料によって設けることができる。例えば、日信化学株式会社製ビニブランHD-065である。また、この表面保護層5はグラビアコーティング法等の公知の塗布方法で形成することができる。
(発泡壁紙20)
以上説明したように、本発明に係る発泡壁紙用原反10は、基材1上に、発泡剤含有樹脂層2、コーティング層3、印刷インキ被膜4、表面保護層5をこの順に積層して構成されたものである。そこで、この発泡壁紙用原反10の発泡剤含有樹脂層2を発泡させることにより、本発明に係る発泡壁紙20を製造することができる。また、この発泡と同時に、あるいは発泡工程の後に、エンボス加工を施すことにより、表面に凹凸模様6を有する発泡壁紙20を製造することができる。図2は、このように凹凸模様6を設けた発泡壁紙20の断面図である。
発泡剤含有樹脂層2の発泡は、原反10を加熱することにより行うことができる。加熱条件としては、発泡剤含有樹脂層2を構成する成分によって適宜設定することができ、特に制限はないが、160℃~280℃で10秒~120秒間加熱することが好ましく、220℃~240℃で20秒~40秒間加熱することがより好ましく、220℃で40秒間加熱することが更に好ましい。
また、加熱発泡の際の熱を利用して、表面側を冷却エンボスロールとし、基材側をゴムロールとしておき、2つのトールでニップし(エンボス加工し)冷却することにより、発泡と同時にエンボスして、前記凹凸模様6を設けることができる。もちろん、加熱発泡の後、再度加熱してエンボスすることも可能である。凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等が挙げられる。印刷インキ被膜4の印刷絵柄と対応した凹凸形状とすることが望ましい。例えば、印刷インキ被膜4の印刷絵柄が木目模様柄であれば、これに対応した木目板導管溝等である。
以下、実験例によって本発明を説明する。これら実験例は、3群の実験例に分類できる。第1の実験群(実験例1-1~実験例1-3)である。この第1の実験群では、平均粒径0.21μmの無機フィラーを使用して、その配合量に応じてインキ割れが生じるか否かについて検証した。また、第2の実験群(実験例2-1~実験例2-4)では、平均粒径の異なる無機フィラーを使用して、これらの相違によってインキ割れの有無が変化するか否かについて検証した。また、第3の実験群(実験例3-1)は、発泡剤含有樹脂層2を構成する組成物にシラン系架橋性樹脂を配合して、これによってインキ割れの有無が変化するか否かについて検証したものである。なお、これら第1の実験群~第3の実験群の実験例のいずれにおいても、インキ割れの有無に加えて、耐候性についても評価した。
これら第1の実験群~第3の実験群において、使用した成分は次のとおりである。
基材:KJ特殊紙株式会社製WK-655IHT,坪量65g/m
樹脂成分A:低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製ノバテックLD LJ802A,MFR:27,密度:0.917)。
樹脂成分B:エチレン-αオレフィン共重合樹脂(三井化学株式会社製タフマーA-20085S,MFR:18,密度0.885)。
樹脂成分C:アクリル樹脂エマルジョン(日信化学工業株式会社製ビニブラン840B,固形分19質量%)。
発泡剤:アゾ系発泡剤(永和化成工業株式会社製AC#3C-K2,平均粒径5μm)
発泡助剤:アデカ株式会社製アデカスタブOF-101。
架橋性樹脂:シラン系架橋性架橋剤(三菱化学株式会社製リンクロンSS732N)
架橋触媒:三菱化学株式会社製LZ013。
フィラーA:酸化チタン(石原産業株式会社製タイベークCR60,平均粒径:0.21μm,表面処理:水酸化アルミニウム)。
フィラーB:炭酸カルシウム(備北粉化工業株式会社製ソフトン1000,平均粒径:2.2μm,表面処理:なし)。
フィラーC:炭酸カルシウム(備北粉化工業株式会社製ライトンS-4,平均粒径:2.2μm,表面処理:脂肪酸)。
フィラーD:水酸化マグネシウム(協和化学工業株式会社製キスマ5A,平均粒径:0.9μm,表面処理:脂肪酸)。
フィラーE:タルク(日本タルク株式会社製ナノエースD-800,平均粒径:0.8μm,表面処理:脂肪酸)。
印刷インキ被膜用インキ:水性インキ(大日精化株式会社製ハイドリック)。
表面保護層用塗料:日信化学株式会社製ビニブランHD-065。
(インキ割れの評価)
マイクロスコープを使用して発泡後の発泡壁紙20の表面を100倍に拡大し、1視野中の印刷インキ被膜4に割れがないか否か観察した。評価基準は次のとおりである。
◎:インキ割れなし。
○:インキ割れが数個以内。
×:インキ割れが多数。
(耐候性の評価)
フェードメーターを使用して、発泡後の発泡壁紙20に対して312時間の耐候試験を実施した。そして、この耐候試験によって発泡後の発泡剤含有樹脂層(発泡樹脂層)2’が脆化していないか否かを調べた。なお、この発泡樹脂層2’の上に積層された印刷インキ被膜4等は自己支持性がないから、発泡樹脂層2’が脆化すると、わずかな機械的刺激によって剥落する。このため、耐候試験の後、指先で擦って印刷インキ被膜4等が指肌に付着するか否かについて調べることにより、発泡樹脂層2’の脆化の有無を判断することができる。また、脆化の程度が大きければ発泡樹脂層2’の弾性が低下するため、指先で擦った際にそのエンボス形状が変化する。このため、エンボス形状の変化の有無によっても、脆化の程度を判断することができる。
すなわち、この試験では、前記耐候試験の後、発泡壁紙20の表面を指先で擦って、その指肌に付着するか否か、及びエンボス形状に変化がないか否かについて調べ、付着の有無とエンボス形状の変化の有無によって発泡樹脂層2’の脆化の有無と程度を判断した。
その評価基準は次のとおりである。
○:指への付着がなく、エンボス形状の変化もない。
△:わずかに指に付着するが、エンボス形状の変化はない。
×:指に付着し、また、エンボス形状が変化した。
(第1の実験群)
この実験群(実験例1-1~実験例1-3)では、表1に示す組成の樹脂組成物のうち、樹脂組成物2Aで発泡剤含有樹脂層2を製造した。すなわち、樹脂組成物2Aを溶融押出しして、シート状の発泡剤含有樹脂層2を製造した。表1において、単位は質量%である。溶融押出しの際のリップギャップは1.0mm、エアギャップは110mm、ライン速度は30m/min、設定温度は125℃である。
Figure 0007069560000001
次に、シート状発泡剤含有樹脂層2の上に前記基材1を重ね、温度110℃で熱ラミネートし、次いで、温度40℃、湿度90%RHの条件で、3日間養生させた。次に発泡剤含有樹脂層2側から電子線を照射して、発泡剤含有樹脂層2を架橋させた。電子線照射の条件は、加速電圧175kV、照射線量65Gyである。
次に、そのシート状発泡剤含有樹脂層2の表面にコロナ放電処理を施して表面の濡れ性を55dyn/cm以上に調整した後、コーティング液をコーティングし乾燥して、コーティング層3を形成した。塗布量は4g/m(dry)である。コーティング液は前記樹脂成分C(アクリル樹脂エマルジョン)であって、揮発性成分を含むが、揮発性成分は乾燥除去されてコーティング層3を構成しないから、揮発性成分が除去された後の各コーティング層3A~3Cの組成を表2に示す。単位は質量部である。
Figure 0007069560000002
そして、次に、そのコーティング層3上に、前記印刷インキ被膜用インキを使用して印刷インキ被膜4を形成した。印刷方法はグラビア印刷法である。また、印刷インキ被膜4の形状は布目模様である。
次に、印刷インキ被膜4を被覆して、前記表面保護層用塗料を塗布し、表面保護層5を形成した。塗布方法はグラビアコーティングである。
次に、こうして得られた発泡壁紙用原反10を220℃のオーブンで加熱して発泡剤含有樹脂層2を発泡させると共に、その表面をエンボスして、凹凸模様6を設けた。
こうして得られた発泡壁紙20及びその原反10について、インキ割れ及び耐候性について評価した結果を表3に示す。
Figure 0007069560000003
前述のように、この第1群の実験例は、無機フィラーとしてフィラーA(平均粒径0.21μmの酸化チタン)を使用したもので、実験例1-1~実験例1-3は、このフィラー1の配合量が互いに異なるに過ぎない。
そこで、これら実験例1-1~実験例1-3の結果を相互に比較すると、フィラーAを40質量%以上含有する場合(実験例1-3)には、インキ割れが生じていない。フィラーAの配合量がこれより少ない場合(実験例1-1~実験例1-2)にも、インキ割れはほとんど発生せず、そのインキ割れはわずかである。この結果から、平均粒径0.21μmの酸化チタンをコーティング層3に20質量%以上配合すれば、発泡剤含有樹脂層を発泡させ、あるいは発泡に加えてエンボスした際にも、インキ割れはほとんど発生しないことが理解できる。また、40質量%以上配合すれば、インキ割れは全く発生しない。
(第2の実験群)
この実験群(実験例2-1~実験例2-4)では、第1の実験群の知見の上で、無機フィラーの材質、平均粒径を変化させて、これらとインキ割れとの関係を調べた。なお、無機フィラーの配合量は40質量部とした。
この第2の実験群では、コーティング層3の組成を変えた他は、第1の実験群と同様に発泡壁紙用原反10を製造し、かつ、発泡壁紙20を製造した。
この第2の実験群において、発泡剤含有樹脂層2を構成する樹脂組成物2Aの組成は表1のとおりである。コーティング層3D~3Gの組成を表4に示す。単位は質量部である。
Figure 0007069560000004
そして、第2の実験群において得られた発泡壁紙20及びその原反10について、インキ割れ及び耐候性について評価した結果を表5に示す。
Figure 0007069560000005
前述のように、第2の実験群では無機フィラーの材質と平均粒径を変化させたが、得られた結果は第1の実験群と同様である。すなわち、無機フィラーを20質量%以上配合すれば、無機フィラーの材質に拘わらず、発泡工程やエンボス工程の後にもインキ割れはほとんど発生しない。また、40質量%以上配合すれば、インキ割れは全く発生しない。
これら第2の実験群では無機フィラーの平均粒径は0.21~2.2μmであるから、平均粒径3μm以下の無機フィラーを20質量%以上配合すれば、発泡工程やエンボス工程の後にもインキ割れはほとんど発生しないことが合理的に推論できる。しかも、この結果は無機フィラーの材質に依存しない。望ましくは40質量%以上である。
(第3の実験群)
第3の実験群(実験例3-1)は、発泡剤含有樹脂層2を構成する樹脂組成物として、シラン系架橋性樹脂を含む組成物2B(表1参照)を使用したものである。この例では、発泡剤含有樹脂層2がシラン系架橋性樹脂を含んでおり、基材1積層後の養生によって架橋するため、電子線処理を行わなかった。その他は第1の実験群と同様に発泡壁紙用原反10を製造し、かつ、発泡壁紙20を製造した。この結果を表6に示す。
Figure 0007069560000006
以上のように、発泡剤含有樹脂層2を電子線照射によって架橋するか、架橋性樹脂によって架橋するかという点は、インキ割れの発生の有無とは関係しない。そして、実験例3-1と第1~2の実験群とを比較して分かるように、架橋性樹脂によって架橋した場合(実験例3-1)には、インキ割れの発生を防いで、その耐候性を高めることが可能である。
10:発泡壁紙用原反 1:基材 2:発泡剤含有樹脂層 3:コーティング層
4:印刷インキ被膜 5:表面保護層
20:発泡壁紙 2’:発泡樹脂層 6:凹凸模様

Claims (12)

  1. 基材上に、発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層と、発泡剤を含有しないコーティング層とがこの順に積層されている発泡壁紙の原反であって、
    前記発泡剤含有樹脂層の樹脂成分のすべてが無極性のオレフィン系樹脂から成り、
    かつ、コーティング層が、平均粒径3μm以下で、表面処理が施された無機フィラーを20質量%以上含有していることを特徴とする発泡壁紙用原反。
  2. 前記コーティング層の上に印刷インキ被膜が積層されていることを特徴とする請求項1に記載の発泡壁紙用原反。
  3. 前記無機フィラーの平均粒径が2μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡壁紙用原反。
  4. 前記表面処理が酸化アルミウムによる処理であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の発泡壁紙用原反。
  5. 前記表面処理が脂肪酸による処理であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の発泡壁紙用原反。
  6. 前記発泡剤含有樹脂層が架橋性樹脂を含んでいることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の発泡壁紙用原反。
  7. 前記架橋性樹脂がシラン系架橋性樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の発泡壁紙用原反。
  8. 前記シラン系架橋性樹脂がアルコキシシリル基を有することを特徴とする請求項7に記載の発泡壁紙用原反。
  9. 前記発泡剤含有樹脂層が溶融押出し法によって製造されていることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の発泡壁紙用原反。
  10. 前記発泡剤が、アゾ化合物、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム及び亜硝酸アンモニウムからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1~9のいずれかに
    記載の発泡壁紙用原反。
  11. 前記請求項1~10のいずれかに記載の原反の発泡剤含有樹脂層を発泡させて成ることを特徴とする発泡壁紙。
  12. 表面に凹凸模様を有することを特徴とする請求項11に記載の発泡壁紙。
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