JP7069349B2 - ディスクブレーキおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制動を行なうためのディスクブレーキおよびその製造方法に関する。
本願は、2018年12月26日に、日本に出願された特願2018-242657号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
取付部材のピン穴とキャリパの摺動ピンとの間にディスクの径方向よりも回転方向で大きな隙間を有するディスクブレーキがある(例えば、特許文献1参照)。また、キャリパのスライドピンのディスク径方向の外側断面が、略六角のレンチが係合可能な異形形状となったディスクブレーキがある(例えば、特許文献2参照)。
特開平11-117959号公報 特開2013-204813号公報
上記のように異形形状のピンをピン穴に挿入する構造のものにおいて、これらの間に弾性材料からなるインシュレータを介在させる場合のインシュレータの耐久性向上が求められている。
本発明は、インシュレータの耐久性向上を図ることができるディスクブレーキおよびその製造方法を提供する。
本発明の第1の態様によれば、ディスクブレーキが備えるキャリパは、スライドピンが挿入されるピン挿嵌部を備える。前記スライドピンは、外周部に、曲率半径が異なる第1面部と第2面部とを有する。前記スライドピンは、制動時に前記ピン挿嵌部から生じる荷重を前記ピン挿嵌部との間に配置されるインシュレータを介して受ける領域に、周方向における前記第1面部の中間部または前記第2面部の中間部が配置される。前記スライドピンには、ブラケットとは反対側の先端部に、前記第1面部または前記第2面部と位相が合う異形状の凹部または凸部が形成されている。
本発明の第2の態様によれば、ディスクブレーキの製造方法は、スライドピンの外周部に、曲率半径が異なる第1面部と第2面部とを形成し、前記スライドピンの外表面に、該スライドピンの前記第1面部と第2面部の周方向位置を特定できる周方向位置特定部を設け、制動時にキャリパから伝達される荷重を前記キャリパとの間に配置されるインシュレータを介して受ける領域に、周方向における前記第1面部の中間部または前記第2面部の中間部が配置されるように、前記回転方向位置特定部により前記スライドピンを位置決めする位置決め工程と、この位置決めした状態で前記ブラケットに前記スライドピンを圧入する圧入工程と、を含む。
上記したディスクブレーキによれば、インシュレータの耐久性向上を図ることができる。
第1実施形態のディスクブレーキを示す斜視図である。 第1実施形態のディスクブレーキを示す斜視図である。 第1実施形態のディスクブレーキを示す正面図である。 第1実施形態のディスクブレーキを示す断面図である。 第1実施形態のディスクブレーキの要部を示す部分断面図である。 第1実施形態のディスクブレーキの要部を示す一部を断面とした部分側面図である。 第1実施形態のディスクブレーキの要部を示す図6のVII-VII断面図である。 第1実施形態のディスクブレーキのサブピンを示す斜視図である。 第1実施形態のディスクブレーキの制動時の荷重の方向を矢印で示す正面図である。 第1実施形態のディスクブレーキの要部を示す部分断面図である。 第1実施形態のディスクブレーキの製造装置を示す正面図である。 第1実施形態のディスクブレーキの製造装置の載置台を示す平面図である。 第1実施形態のディスクブレーキの製造装置のサブピン圧入治具を示す下面図である。 第1実施形態のディスクブレーキの製造装置のサブピン圧入治具を示す正断面図である。 第1実施形態のディスクブレーキの製造装置の要部を示す正断面図である。 第1実施形態のディスクブレーキの製造装置の要部を示す正断面図である。 第1実施形態のディスクブレーキの製造装置の要部を示す正断面図である。 第1実施形態のディスクブレーキの製造装置の要部を示す正断面図である。 第1実施形態のディスクブレーキの製造装置のサブピン圧入治具の変形例を示す下面図である。 第1実施形態のディスクブレーキの製造装置のサブピン圧入治具の変形例を示す正断面図である。 第2実施形態のディスクブレーキのサブピンを示す斜視図である。 第3実施形態のディスクブレーキの要部を示す部分断面図である。 第3実施形態のディスクブレーキの第1面部および第2面部の関係を示す部分断面図である。
[第1実施形態]
第1実施形態を図1~図20を参照して以下に説明する。第1実施形態のディスクブレーキ10は、二輪車や四輪車等の車両用のディスクブレーキである。具体的には自動二輪車用のディスクブレーキである。図1,図2に示すように、第1実施形態のディスクブレーキ10は、円板状のディスク11と、ディスク11の軸方向の一側に配置されるキャリア12と、ディスク11を跨ぐようにキャリア12に支持されるキャリパ13とを有している。ディスクブレーキ10は、一対の摩擦パッド21,22と、ブーツ23と、インシュレータ24とを有している。
ディスク11は、ディスクブレーキ10の制動対象である車両の図示略の車輪に設けられて車輪と一体に回転する。ここで、ディスク11の中心軸線の方向をディスク軸方向、ディスク11の径方向をディスク径方向、ディスク11の回転方向すなわち周方向をディスク回転方向とする。また、車両の前進時のディスク回転方向Rの入口側をディスク回入側とし、車両の前進時のディスク回転方向Rの出口側をディスク回出側とする。
キャリア12は、車両の非回転部に固定される。キャリア12は、金属製のブラケット31と、いずれも金属製でブラケット31に一体的に固定されるトルク受けピン32およびサブピン33とを有している。キャリア12は、ブラケット31において車両に固定される。よって、ブラケット31はキャリア12を車両に固定する。トルク受けピン32は、摩擦パッド21,22の制動トルクを受けるとともに、キャリパ13のディスク軸方向に沿う移動を案内する。トルク受けピン32は、一本でトルク受けピンとスライドピンとを兼ねる。サブピン33は、キャリパ13のディスク軸方向に沿う移動を案内するスライドピンである。
ブラケット31は、ディスク11の一面側であるアウタ側(車輪とは反対側)に配置されて、車両のディスク11の近傍の非回転部(例えばフロントフォーク、リヤスイングアーム等)に固定される。ブラケット31は、板状である。図1,図3に示すように、ブラケット31は、ディスク回転方向に延びる取付ベース部41と、取付ベース部41のディスク回出側の端部からディスク径方向外側に延びる支持部42とを有している。取付ベース部41に対して支持部42はディスク軸方向に沿ってアウタ側にオフセットしており、互いに平行をなしている。これにより、取付ベース部41と支持部42との間には段差部40が形成されている。段差部40は直線状をなしている。取付ベース部41には、ディスク回転方向の支持部42側の端部に取付穴43がディスク軸方向に貫通して形成されており、支持部42とは反対側の端部に取付穴44がディスク軸方向に貫通して形成されている。ブラケット31は、これらの取付穴43,44を介して車両の非回転部に取り付けられる。なお、本実施形態においては、上記のようにブラケット31に段差部40を形成しているが、段差部40を設けず、全体が平板状のブラケットを用いてもよい。
取付ベース部41には、取付穴43,44間の取付穴44の近傍位置に、図1,図2に示すように、サブピン33が取り付けられるサブピン取付孔45がディスク軸方向に貫通して形成されている。さらに、取付ベース部41には、支持部42に、トルク受けピン32が取り付けられるトルク受けピン取付孔46がディスク軸方向に貫通して形成されている。
トルク受けピン32は、ブラケット31のトルク受けピン取付孔46に軸方向の中間部が固定されている。トルク受けピン32は、ディスク軸方向に沿って延びている。トルク受けピン32は、ブラケット31の支持部42からディスク軸方向のインナ側に延出するトルク受け軸部51と、支持部42からディスク軸方向のアウタ側に延出する図示略のスライド軸部とを有している。トルク受けピン32は、ディスク11よりもディスク径方向の外側に配置されている。トルク受け軸部51は、ディスク軸方向に沿う状態でブラケット31の支持部42からディスク11を跨いで延出している。図示略のスライド軸部は、ディスク軸方向に沿う状態で支持部42からディスク11とは反対側に延出している。トルク受け軸部51は、一対の摩擦パッド21,22が摺動する部分であり、図示略のスライド軸部はキャリパ13が摺動する部分である。図示略のスライド軸部は、キャリパ13とブラケット31の支持部42との間の部分が伸縮可能なゴム製のブーツ23で覆われている。
サブピン33は、ブラケット31のサブピン取付孔45に軸方向の端部が圧入されて固定されている。サブピン33は、ディスク軸方向に沿ってブラケット31から延びている。よって、サブピン33は、トルク受けピン32と平行である。サブピン33は、ブラケット31からディスク11とは反対側、すなわちアウタ側に延出する。サブピン33は、ゴム製のインシュレータ24を介してキャリパ13に挿入されている。サブピン33は、キャリパ13をディスク軸方向に移動可能に支持する。サブピン33は、キャリパ13とブラケット31との間の部分が伸縮可能なインシュレータ24で覆われている。
キャリパ13は、サブピン33とトルク受けピン32の図示略のスライド軸部とで、ディスク軸方向に移動可能となるようにキャリア12に支持されている。キャリパ13は、いわゆるピンスライド型のキャリパである。キャリパ13は、金属製のキャリパボディ61と、金属製のハンガーピン62と、ゴム製のピン装着具63と、を有している。また、キャリパ13は、図4に示すように、金属製のピストン66と、ゴム製のシールリング67と、ゴム製のワイパシール68と、を有している。
図1,図2に示すように、キャリパボディ61は、ディスク11を跨いだ状態で、キャリア12のトルク受けピン32の図示略のスライド軸部と、サブピン33とに沿って、ディスク軸方向に移動可能となるように取り付けられている。キャリパボディ61は、ブラケット31のアウタ側に配置されるシリンダ部71と、シリンダ部71のディスク径方向外側からディスク11の径方向外側を越えるようにインナ側に延出するブリッジ部72と、ブリッジ部72のインナ側の端部からシリンダ部71に対向するようにディスク11の径方向内側に延出する爪部73とを有している。
シリンダ部71には、ディスク回入側に、サブピン33が挿入されるサブピン挿嵌部75(ピン挿入部)が形成されており、ディスク回出側に、トルク受けピン32の図示略のスライド軸部が挿入されるトルク受けピン挿嵌部76が形成されている。図3に示すように、サブピン挿嵌部75は、シリンダ部71のディスク径方向内側に形成されており、トルク受けピン挿嵌部76は、シリンダ部71のディスク径方向外側に形成されている。図5に示すように、サブピン挿嵌部75には、サブピン33がインシュレータ24を介して摺動可能に嵌合されている。図1に示すトルク受けピン挿嵌部76には、トルク受けピン32の図示略のスライド軸部が摺動可能に嵌合されている。キャリパボディ61は、これらトルク受けピン挿嵌部76およびサブピン挿嵌部75の二カ所のみにおいてキャリア12に摺動可能に支持されている。
シリンダ部71には、図4に示すように、爪部73側に向かって開口するようにディスク軸方向に沿う有底のボア81が形成されている。シリンダ部71には、図3に示すように、そのディスク径方向外側部分に配管接続穴82がディスク径方向に沿って形成されている。配管接続穴82に図示略のブレーキ配管が接続される。シリンダ部71には、配管接続穴82よりもディスク回出側に、エア抜き用のブリーダプラグ83が取り付けられている。これら配管接続穴82およびブリーダプラグ83が図4に示すボア81内に連通している。
ピストン66は、金属製である。ピストン66は、シリンダ部71のボア81内に移動可能に配置されている。ピストン66は、ディスク軸方向に沿う姿勢でディスク軸方向に移動する。シリンダ部71には、ボア81のディスク軸方向の中間位置に、シールリング67が装着されている。ゴム製のシールリング67は、ピストン66とシリンダ部71との隙間をシールしつつピストン66を支持する。シールリング67は、ボア81内のブレーキ液を密封する。シーリング67は、ボア81に液圧が付加されたときにピストン66の移動によって弾性変形し、当該液圧が解除されたときに初期状態に復元することでピストン66をリトラクトする。シリンダ部71には、ボア81の開口側に、ワイパシール68が装着されている。ワイパシール68は、ボア81への異物の入り込みを規制するために設けられている。
図2に示すように、シリンダ部71には、ディスク回入側に突出するピン支持部86が形成されている。爪部73には、ディスク回入側に突出するピン支持部87が形成されている。ピン支持部86はディスク11のアウタ側に配置される。ピン支持部87はディスク11のインナ側に配置される。
ハンガーピン62は、ピン支持部86およびピン支持部87に挿通されている。ハンガーピン62は、この挿通状態でピン支持部86およびピン支持部87を結ぶように延在している。ハンガーピン62は、ディスク軸方向に沿っている。ハンガーピン62は、ディスク11よりもディスク径方向外側において、ディスク11を跨ぐように配置されている。ハンガーピン62は、Oリングからなるピン装着具63でピン支持部86,87に取り付けられている。
図4に示すように、摩擦パッド21は、ディスク11のシリンダ部71側、すなわちアウタ側の面と、ピストン66との間に配置されるアウタ側のパッドである。摩擦パッド21は、ディスク11に当接して摩擦抵抗を発生させるライニング91と、このライニング91が一面に貼着され、ピストン66からの押圧力を他面で受ける金属製の裏板92とを有している。図2に示すように、摩擦パッド21の裏板92には、ディスク回入側に挿通孔95が形成されており、図1に示すように、ディスク回出側に、ディスク回出側の端面からディスク回入側に凹む凹状部96が形成されている。凹状部96は半円状に凹んでいる。挿通孔95は、ディスク回転方向に長い長穴となっている。アウタ側の摩擦パッド21は、凹状部96にトルク受けピン32のトルク受け軸部51が嵌合されており、挿通孔95にキャリパ13のハンガーピン62が挿通されている。アウタ側の摩擦パッド21は、これらトルク受けピン32およびハンガーピン62に、ディスク軸方向に摺動可能に支持されている。
図4に示すように、摩擦パッド22は、ディスク11の爪部73側、すなわちインナ側の面と、爪部73との間に配置されるインナ側のパッドである。摩擦パッド22は、アウタ側の摩擦パッド21に対し鏡面対称の形状をなしている。摩擦パッド22は、摩擦パッド21と同様の、ライニング91と裏板92とを有している。インナ側の摩擦パッド22も、図1に示すように、凹状部96にトルク受けピン32のトルク受け軸部51が嵌合されており、図示略の挿通孔にキャリパ13のハンガーピン62が挿通されている。インナ側の摩擦パッド22も、これらトルク受けピン32およびハンガーピン62に、ディスク軸方向に摺動可能に支持されている。
以上により、一対の摩擦パッド21,22は、キャリア12のトルク受けピン32およびキャリパ13のハンガーピン62に支持されてディスク11の両面側に配置されている。
キャリパ13は、図4に示すシリンダ部71内にブレーキ液が導入されると、ピストン66がシリンダ部71に対しディスク11の方向に前進し、一対の摩擦パッド21,22のうちの一方の摩擦パッド21をディスク11に向けて押圧する。すると、この摩擦パッド21がディスク11の一面に接触する。その反力で、キャリパボディ61が、トルク受けピン挿嵌部76およびサブピン挿嵌部75を、キャリア12のトルク受けピン32の図示略のスライド軸部およびサブピン33に対し摺動させながら、シリンダ部71をディスク11から離間させる方向に移動する。すると、爪部73が他方の摩擦パッド22をディスク11の他面に接触させる。このようにして、キャリパ13は、ピストン66と爪部73とによって摩擦パッド21,22を両側から挟んでディスク11に押圧することにより、ディスク11、つまり車輪の回転にブレーキをかける。言い換えれば、キャリパ13は、トルク受けピン32およびサブピン33を介してキャリア12に対し移動可能に取り付けられている。
その際に一対の摩擦パッド21,22に生じる制動トルクを、主にトルク受けピン32のトルク受け軸部51で受ける。なお、挿通孔95をディスク回転方向に長い長穴としているため、一対の摩擦パッド21,22に生じる制動トルクは、ハンガーピン62に実質的に作用しない。
図5に示すように、サブピン33は、ブラケット31のサブピン取付孔45に嵌合される嵌合軸部101と、嵌合軸部101の軸方向一端側から径方向外側に広がるフランジ部102と、フランジ部102の軸方向の嵌合軸部101とは反対側から嵌合軸部101とは反対方向に延出する支持軸部103とを有している。サブピン33は、支持軸部103がブラケット31からディスク軸方向に沿ってディスク11とは反対側に延出する。
キャリパ13のサブピン挿嵌部75には、ストレート穴である保持穴108が貫通して形成されている。この保持穴108に、インシュレータ24が嵌合されている。保持穴108は、図4に示すシリンダ部71のボア81と平行に形成されている。
インシュレータ24は、シール性を有する弾性材料製である。具体的には、インシュレータ24は、上記のようにゴム製である。図5に示すように、インシュレータ24は、有底筒状、すなわち袋状である。インシュレータ24は、底側から開口側に向かって順に、有底筒状の頭部111と、円筒状の嵌合部112と、蛇腹状の伸縮部113と、円環状の装着部114と、を有している。
頭部111は、円板状の底板部117と、底板部117の外周縁部から軸方向に延出する筒状の筒状部118とを有している。筒状部118には、図3,図4,図6に示すように、外周部に、一対の互いに平行な平面部119が形成されている。
図5に示すように、嵌合部112は、径方向の厚さが軸方向の全長および全周にわたって一定である。嵌合部112の内径は、筒状部118の内径と同径とである。嵌合部112は、外径が筒状部118の外径よりも小径であり、キャリパ13の保持穴108の内径と略同径である。インシュレータ24は、この嵌合部112が、サブピン挿嵌部75の保持穴108に嵌合される。この状態で、頭部111と伸縮部113とでサブピン挿嵌部75を両側から挟持する。このようにして、頭部111および伸縮部113がサブピン挿嵌部75に取り付けられる。
インシュレータ24に、キャリア12のサブピン33の支持軸部103が装着部114側から嵌合される。この状態で、装着部114がサブピン33のフランジ部102に装着される。これにより、インシュレータ24は、サブピン33の支持軸部103を覆い、装着部114においてキャリア12に取り付けられる。
このようにキャリア12のサブピン33をインシュレータ24を介して嵌合させた状態で、サブピン挿嵌部75の保持穴108は、キャリア12のサブピン33と同様、ディスク軸方向に沿う状態になる。この状態で、サブピン挿嵌部75はインシュレータ24の頭部111および嵌合部112とともにサブピン33にディスク軸方向に摺動可能となるように支持される。
キャリパ13は、このようにしてサブピン挿嵌部75がインシュレータ24を介してサブピン33に摺動可能に支持される一方、図1に示すトルク受けピン挿嵌部76がトルク受けピン32の図示略のスライド軸部に摺動可能に支持される。その結果、キャリパ13は、そのキャリパボディ61が、キャリア12にディスク軸方向に摺動可能となるように支持される。このとき、キャリパボディ61は、キャリア12に直接支持される部分が、トルク受けピン挿嵌部76の一カ所のみとなる。言い換えれば、キャリパボディ61は、トルク受けピン挿嵌部76のみがキャリア12にメタルコンタクトで支持される。キャリパ13のキャリア12に対するディスク軸方向の摺動時に、インシュレータ24の伸縮部113が伸縮して、サブピン33の支持軸部103のブラケット31とサブピン挿嵌部75との間の部分を常に覆う。
図7に示すように、サブピン33は、支持軸部103の外周部に、曲率半径が異なる第1面部131(周方向位置特定部)と第2面部132(周方向位置特定部)とを周方向に交互に複数、具体的には三カ所ずつ有している。よって、サブピン33は、支持軸部103が円柱状ではない異形形状となっている。
複数の第1面部131は、いずれも、サブピン33の周方向の連続する所定の幅範囲において曲率半径が一定の円筒面の一部形状をなしている。すなわち、複数の第1面部131は、いずれも、湾曲面である。複数の第1面部131は、曲率半径が同等である。複数の第1面部131は、曲率半径の中心軸が一致している。この曲率半径の中心軸がサブピン33の中心軸となっている。複数の第1面部131は、サブピン33の周方向における幅が同等であって、サブピン33の周方向に等間隔で配置されている。言い換えれば、複数の第1面部131は、いずれも、サブピン33の中心軸を中心とする同じ一つの円筒面に周方向に等間隔で配置されている。
複数の第2面部132は、いずれも、サブピン33の周方向の連続する所定の幅範囲において曲率半径が無限大の平面となっている。すなわち、複数の第2面部132は、いずれも曲率半径が、第1面部131よりも大きい。複数の第2面部132は、いずれもサブピン33の径方向に対し直交している。言い換えれば、サブピン33の中心軸に平行となっている。複数の第2面部132は、いずれもサブピン33の中心軸から等距離の位置に配置されている。複数の第2面部132は、サブピン33の周方向における幅が同等である。この幅は第1面部131の同方向の幅よりも小さくなっている。複数の第2面部132は、サブピン33の周方向に等間隔で配置されている。複数の第2面部132は、いずれも、複数の第1面部131が配置された一つの円筒面よりも径方向内側に配置されている。複数の第2面部132は、一つの円筒面を有する棒状の素材に対し面取り加工を行うことで形成されている。支持軸部103の外周部には、隣り合う第1面部131と第2面部132との境界の角部133が、六カ所形成されている。
図8に示すように、支持軸部103は、嵌合軸部101とは反対側の先端面140がサブピン33の中心軸に直交して広がっている。支持軸部103には、この先端面140を含む先端部141に、先端面140からサブピン33の軸方向に凹む凹部142(周方向位置特定部)が形成されている。言い換えれば、サブピン33には、嵌合軸部101が嵌合するブラケット31とは反対側の先端部141に凹部142が形成されている。
凹部142は、サブピン33の中心軸に直交する断面の形状が、円形ではなく異形状となっている。具体的には、凹部142の断面は正三角形状となっている。すなわち、凹部142は、先端面140と平行な正三角形状の底面145と、この底面145の各辺と先端面140とを繋ぐ複数、具体的には三カ所の内壁面146とを有している。
凹部142は、サブピン33の周方向において、内壁面146が、第2面部132と位相を合致させており、隣り合う内壁面146と内壁面146との間の境界の隅部147が、第1面部131と位相を合致させている。具体的には、サブピン33の周方向において、内壁面146の中央位置が第2面部132の中央位置と位相を合致させており、隅部147が、第1面部131の中央位置と位相を合致させている。内壁面146は、サブピン33の周方向の位相が合う第2面部132と平行である。なお、サブピン33の周方向において、内壁面146が、第1面部131と位相を合致させ、隅部147が第2面部132と位相を合致させても良い。
よって、サブピン33の外表面に設けられた凹部142によって、サブピン33の第1面部131と第2面部132の周方向位置を特定できる。なお、サブピン33の外表面に設けられた第2面部132によっても、サブピン33の第1面部131と第2面部132の周方向位置を特定できる。言い換えれば、サブピン33の外表面に設けられた第1面部131によっても、サブピン33の第1面部131と第2面部132の周方向位置を特定できる。
図5に示すように、サブピン33は、嵌合軸部101がサブピン取付孔45に圧入されることによってブラケット31に固定される。その際に、サブピン33の周方向において、図7,図8に示す第1面部131および第2面部132が、ブラケット31に対して所定の位相関係となるように決められて固定される(後述する)。
キャリパ13がピストン66と爪部73とによって摩擦パッド21,22を両側から挟んでディスク11に押圧すると、キャリパ13には、ピストン66に、図9に示すようにディスク回転方向に沿って回入側から回出側に荷重F1が加わる。この荷重F1を受けるピストン66は、キャリア12の、キャリパ13を直接支持するトルク受けピン32よりもディスク径方向内側かつディスク回入側に配置されている。その結果、キャリパ13には、トルク受けピン32の中心Oを中心として、サブピン挿嵌部75をディスク回出側かつディスク径方向内側に移動させる方向の回転モーメントが発生する。
この回転モーメントで、図7に示すように、サブピン挿嵌部75から、これとサブピン33との間に配置されているインシュレータ24の嵌合部112を介してサブピン33の支持軸部103に、荷重F2が加わる。サブピン33には、これとは逆方向に、図9に示す反力F3が生じる。そして、図10に示すように、インシュレータ24の嵌合部112の荷重F2および反力F3の方向にある領域が、サブピン挿嵌部75とサブピン33とで挟まれる。
これに対し、サブピン33は、一つの第1面部131のサブピン33の周方向における中間部が、これら荷重F2および反力F3の方向に配置される位相でブラケット31に固定されている。
言い換えれば、サブピン33には、制動時にサブピン挿嵌部75から生じる荷重F2をインシュレータ24の嵌合部112を介して受ける領域(具体的には最も強く受ける領域)に、一つの第1面部131のサブピン33の周方向における中間部が配置されている。
さらに言い換えれば、サブピン33とトルク受けピン32とを結ぶ線に対して直交してサブピン33からディスク径方向外方に延びる線上に一つの第1面部131のサブピン33の周方向における中間部が配置されるように、サブピン33はブラケット31に固定される。この場合、サブピン33とトルク受けピン32とを結ぶ線に対して直交してサブピン33からディスク径方向外方に延びる線上に凹部142の一つの隅部147が配置されるように、サブピン33はブラケット31に固定される。
サブピン33をブラケット31に取り付けるために、サブピン33の嵌合軸部101をブラケット31のサブピン取付孔45に圧入する圧入機201を図11に示す。図11に示すように、圧入機201は、ブラケット31を位置決めして載置させる載置台202と、載置台202に位置決めされたブラケット31を載置台202とでクランプするクランプ機構203と、この位置決めされたブラケット31に対し、サブピン取付孔45と中心軸線を一致させる筒状のサブピン圧入治具204(筒状治具)を有するサブピン圧入機構205と、位置決めされたブラケット31に対し、トルク受けピン取付孔46と中心軸線を一致させる筒状のトルク受けピン圧入治具206を有するトルク受けピン圧入機構207と、を備えている。
サブピン圧入機構205でサブピン33を上記の関係を満足するように周方向に位置決めしつつサブピン取付孔45に圧入する。トルク受けピン圧入機構207でトルク受けピン32をトルク受けピン取付孔46に圧入する。
載置台202には、水平な平面からなる載置面211上に、ブラケット31の取付ベース部41が載置される。載置台202には、図12に示すように、ブラケット31の取付ベース部41の支持部42とは反対側の端部にV字面215で当接してその水平方向の位置決めを行う位置決め治具212が、載置面211上に取り付けられている。
また、載置台202には、取付ベース部41の段差部40に当接して、取付ベース部41の上記端部を中心とする回転方向の位置決めを行う位置決め治具213が、載置面211から突出するように取り付けられている。
これにより、位置決め治具212と位置決め治具213とに適正に当接した状態のブラケット31は、水平全方向に位置決めされるとともに載置面211で上下方向にも位置決めされる。この状態で、ブラケット31は、クランプ機構203によって載置台202に固定される。このとき、サブピン圧入治具204とサブピン取付孔45とが中心軸線を一致させ、トルク受けピン圧入治具206とトルク受けピン取付孔46とが中心軸線を一致させる。ここで、サブピン圧入治具204は、その周方向の位相も、載置台202に位置決めされたブラケット31に対し決められている。なお、ブラケットに段差部40を形成しない、全体が平板状のブラケットの場合には、位置決め治具213を用いず、別途、位置決め治具を配置してブラケットを位置決めして載置する。
サブピン圧入治具204は、サブピン圧入機構205の圧入ヘッド218の下部に取り付けられている。サブピン圧入治具204は、図13,図14に示すように、筒状である。サブピン圧入治具204は、サブピン33の支持軸部103を嵌合させる嵌合穴220を有している。サブピン圧入治具204は、圧入ヘッド218で嵌合穴220の上部が閉塞される。よって、サブピン圧入治具204は、圧入ヘッド218により有底筒状をなす。
嵌合穴220は、下部に、サブピン33の嵌合時に支持軸部103の第1面部131に摺接する先端側摺接面221を有している。嵌合穴220は、上部に、サブピン33の嵌合時に支持軸部103の第1面部131に摺接する、第1面部131と同数の第1摺接面222(係合部)と、サブピン33の嵌合時に支持軸部103の第2面部132に摺接する、第2面部132と同数の第2摺接面223(係合部)とを有している。言い換えれば、筒状のサブピン圧入治具204の内周面に、第1摺接面222と第2摺接面223とが周方向に交互に設けられている。
先端側摺接面221は、第1面部131の曲率半径と同等の半径を有する円筒面である。第1摺接面222は、第1面部131の曲率半径と同等の半径を有する円筒面の一部である。これら先端側摺接面221および複数の第1摺接面222は同一円筒面に配置されている。第2摺接面223は第2面部132と曲率を合わせた平面であって、嵌合穴220の周方向に等間隔をあけて第2面部132と同じ三カ所形成されている。
第2摺接面223は、嵌合穴220の中心からの最短距離が、第1摺接面222および第1面部131の曲率半径よりも小さい。よって、第2摺接面223は、第1面部131と周方向の位置を重ね合わせた状態では、嵌合穴220への支持軸部103の適正な嵌合を規制する。これにより、第1摺接面222と第1面部131とが周方向の位置を一致させ、第2摺接面223と第2面部132とが周方向の位置を一致させた状態とならなければ、嵌合穴220への支持軸部103の適正な嵌合ができない。言い換えれば、第1摺接面222と第1面部131とが係合し、第2摺接面223と第2面部132とが係合しなければ、嵌合穴220への支持軸部103の適正な嵌合ができない。さらに、言い換えれば、第1摺接面222は、第1面部131と係合可能であり、第2摺接面223は、第2面部132と係合可能であって、第1面部131とは係合不可である。
支持軸部103が嵌合穴220へ適正に嵌合された状態のサブピン33は、フランジ部102がサブピン圧入治具204の下面に当接し、支持軸部103がサブピン圧入機構205の図15に示す嵌合穴220の底面を構成するマグネット235で吸引されて、図16に示すようにこの当接状態に保持される。なお、第2摺接面223に第1面部131の周方向の位置を合わせて嵌合されることにより、支持軸部103が嵌合穴220の適正位置より手前で停止した状態では、マグネット235は、サブピン33を吸着しない。
作業者は、図12に示すように、載置台202の載置面211に、ブラケット31の取付ベース部41を載置させるとともに、ブラケット31の取付ベース部41の支持部42とは反対側の端部を位置決め治具212のV字面215に当接させ、取付ベース部41の段差部40を位置決め治具213に当接させるブラケット位置決め工程を行う。
この状態で、クランプ機構203を作動させ、クランプ機構203によってブラケット31を載置台202に位置決め状態で固定するクランプ工程を行う。すると、サブピン圧入治具204の中心軸線と、サブピン取付孔45の中心軸線とが一致すし、トルク受けピン圧入治具206の中心軸線と、トルク受けピン取付孔46の中心軸線とが一致する。
クランプ機構203を作動させる前、あるいは作動させた後に、作業者は、図15に示すように、サブピン33の支持軸部103をサブピン圧入治具204の嵌合穴220に挿入する。すると、サブピン33の支持軸部103は、まず、先端側摺接面221を摺接する。
その後、作業者は、サブピン33の支持軸部103を適宜回転させて、第1摺接面222と第1面部131とが周方向の位置を一致させ、第2摺接面223と第2面部132とが周方向の位置を一致させる状態とする。そして、第1摺接面222に第1面部131を摺接させ、第2摺接面223に第2面部132を摺接させながら、図16に示すように、フランジ部102がサブピン圧入治具204の下面に当接するまで、サブピン33を嵌合穴220に嵌合させるサブピン配置工程を行う。これにより、サブピン33は、マグネット235の吸着力で、この状態に保持される。この状態でのサブピン33は、ブラケット31に対し、制動時にキャリパ13から伝達される荷重をキャリパ13との間に配置されるインシュレータ24を介して受ける領域に、周方向における第1面部131の中間部が配置される位置関係となる。
この状態で、図17に示すように、サブピン圧入機構205を作動させ、ブラケット31のサブピン取付孔45に、サブピン33の嵌合軸部101を圧入して固定する圧入工程を行う。その後、図18に示すように、サブピン圧入機構205を退避させる。このようにしてブラケット31に固定されたサブピン33は、制動時にキャリパ13から伝達される荷重をキャリパ13との間に配置されるインシュレータ24を介して受ける領域に、周方向における第1面部131の中間部が配置される。
すなわち、ブラケット位置決め工程、クランプ工程およびサブピン配置工程が、制動時にキャリパ13から伝達される荷重をキャリパ13との間に配置されるインシュレータ24を介して受ける領域に、周方向における第1面部131の中間部が配置されるように、第1面部131と第2面部132とによりサブピン33を位置決めする位置決め工程となる。そして、圧入工程は、このように位置決めした状態のサブピン33をブラケット31に圧入する。
よって、位置決め工程では、圧入工程で圧入する際に、サブピン33が挿入される筒状のサブピン圧入治具204の周面に設けられた、第1面部131および第2面部132と係合可能な第1摺接面222および第2摺接面223でサブピン33を位置決めする。すなわち、サブピン33には、サブピン圧入治具204に嵌合されることで、サブピン33の周方向における位相をサブピン圧入治具204に対し所定の位相とする異形状の支持軸部103が設けられている。
この場合、サブピン33の外表面に設けられて、サブピン33の第1面部131と第2面部132の周方向位置を特定できる部分が、第1面部131および第2面部132となる。なお、第1面部131および第2面部132のいずれか一方のみでサブピン33の第1面部131と第2面部132の周方向位置を特定しても良い。また、サブピン圧入治具204の内周面に設けられて、サブピン33の第1面部131および第2面部132と係合可能な部分が、第1摺接面222および第2摺接面223となる。なお、第1摺接面222および第2摺接面223のいずれか一方のみでサブピン33の第1面部131あるいは第2面部132と係合してサブピン33を周方向に位置決めしても良い。
上記した特許文献1に記載のディスクブレーキは、取付部材のピン穴とキャリパの摺動ピンとの間にディスクの径方向よりも回転方向で大きな隙間を有し、ピン穴と摺動ピンとの間にゴムブッシュが配置されている。特許文献2に記載のディスクブレーキは、キャリパのスライドピンのディスク径方向の外側断面が、略六角のレンチが係合可能な異形形状となっており、ガイドピン支持穴とスライドピンとの間にゴム製のブーツが配置されている。特許文献2のように異形形状のピンをピン挿嵌部に挿入する構造であると、間に配置された弾性材料からなるインシュレータの耐久性が低下する可能性がある。すなわち、異形形状のピンの角部にインシュレータが当接することでインシュレータに応力集中が発生し、インシュレータの耐久性が低下し、繰り返し制動によりインシュレータに亀裂が発生する可能性がある。
これに対して、第1実施形態のディスクブレーキ10は、キャリパ13のサブピン挿嵌部75に挿入されるサブピン33が、外周部に、曲率半径が異なる第1面部131と第2面部132とを有している。制動時にサブピン挿嵌部75から生じる荷重F2をサブピン33とサブピン挿嵌部75との間に配置されるインシュレータ24を介して受ける領域に、サブピン33の周方向における第1面部131の中間部が配置されている。これにより、この領域に第1面部131のサブピン33の周方向における端部、すなわち第1面部131と第2面部132との境界の角部133が配置される場合と比べてインシュレータ24の嵌合部112に生じる応力を低減することができる。したがって、インシュレータ24の耐久性向上を図ることができる。
また、第2面部132は、第1面部131よりも曲率半径が大きい平面であり、角部133での角度変化が急となることから、上記領域に第1面部131の中間部を配置することによるインシュレータ24の耐久性向上の効果がより顕著になる。具体的には、シミュレーションを行った結果、上記領域に角部133が配置される場合に比べて、上記領域に第1面部131の中間部が配置される第1実施形態の方が、応力を53%軽減できる。
サブピン33には、ブラケット31とは反対側の先端部141に、第1面部131および第2面部132と位相が合う異形状の凹部142が形成されている。このため、上記領域に第1面部131の中間部を配置してサブピン33をブラケット31に圧入固定することが容易となる。しかも、凹部142にすることで、サブピン33の軽量化を図ることができる。また、インシュレータ24に対する干渉を考慮しなくても済むことからレイアウト上も有利となる。
なお、サブピン33の、制動時にサブピン挿嵌部75から生じる荷重F2をインシュレータ24の嵌合部112を介して最も強く受ける領域に、一つの第1面部131のサブピン33の周方向における中央部を配置するのが最も好ましい。
第1実施形態のディスクブレーキ10の製造方法は、サブピン33の外周部に、曲率半径が異なる第1面部131と第2面部132とを形成し、サブピン33の外表面のこれら第1面部131と第2面部132とで、サブピン33の第1面部131と第2面部132の周方向位置を特定する。そして、制動時にキャリパ13から伝達される荷重をキャリパ13との間に配置されるインシュレータ24を介して受ける領域に、周方向における第1面部131の中間部が配置されるように、第1面部131と第2面部132とによりサブピン33を位置決めする位置決め工程と、この位置決めした状態でブラケット31にサブピン33を圧入する圧入工程とを行う。これにより、制動時にキャリパ13から伝達される荷重をキャリパ13との間に配置されるインシュレータ24を介して受ける領域に第1面部131のサブピン33の周方向における端部、すなわち第1面部131と第2面部132との境界の角部133が配置される場合と比べてインシュレータ24の嵌合部112に生じる応力を低減することができる。したがって、インシュレータ24の耐久性向上を図ることができる。
サブピン33の第1面部131および第2面部132を用いて第1面部131および第2面部132の周方向位置を特定し、位置決め工程では、圧入工程で圧入する際に、サブピン33が挿入される筒状のサブピン圧入治具204の周面に設けられた、第1面部131および第2面部132と係合可能な第1摺接面222および第2摺接面223でサブピン33を位置決めする。この場合、サブピン33に凹部142を形成しなくても良い。
なお、サブピン33の先端面に設けられた凹部142は、第1面部131および第2面部132の周方向位置を特定することができる。このため、この凹部142を用いて、位置決め工程で、制動時にキャリパ13から伝達される荷重をキャリパ13との間に配置されるインシュレータ24を介して受ける領域に、周方向における第1面部131の中間部が配置されるように、第1面部131と第2面部132とによりサブピン33を位置決めするようにしても良い。
この場合、図19,図20に示すように、サブピン圧入治具204aは、支持軸部103を嵌合させる嵌合穴220aの内周面が第2摺接面223のない円筒面となる。サブピン圧入治具204aには、圧入ヘッド218aの、嵌合穴220aの奥側の底面となる位置に、サブピン33の凹部142に嵌合することで、サブピン33の周方向の位相を所定の位相にする突起部231(係合部)が形成されている。突起部231は凹部142を埋める三角柱の凸形状になっている。
このサブピン圧入治具204aの突起部231をサブピン33の凹部142に嵌合させた状態で、載置台202に位置決めされ載置台202およびクランプ機構203でクランプされたブラケット31にサブピン圧入治具204aでサブピン33を圧入すると、上記のように、サブピン33の周方向において、第1面部131および第2面部132が、ブラケット31に対して所定の位相関係となるように決められて固定される。すなわち、サブピン33には、サブピン圧入治具204aに嵌合されることで、サブピン33の周方向における位相をサブピン圧入治具204aに対し所定の位相とする異形状の凹部142が設けられている。
すなわち、サブピン33の端面に設けられた凹部142でサブピン33の第1面部131と第2面部132の周方向位置を特定する。そして、位置決め工程では、圧入工程で圧入する際に、サブピン33が挿入される筒状のサブピン圧入治具204aの嵌合穴220aの底面に設けられた、凹部142と係合可能な突起部231でサブピン33を周方向に位置決めする。
「第2実施形態」
次に、第2実施形態を主に図21に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第2実施形態は、第1実施形態のサブピン33とは構成が一部異なるサブピン33A(スライドピン)を有している。サブピン33Aは、第1実施形態の支持軸部103とは構成が一部異なる支持軸部103Aを有している。支持軸部103Aは、嵌合軸部101とは反対側の先端部141Aに第1実施形態の凹部142は設けられていない。サブピン33Aには、先端面140からサブピン33Aの軸方向に突出する凸部142Aが形成されている。言い換えれば、サブピン33Aには、嵌合軸部101が嵌合するブラケット31とは反対側の先端部141Aに凸部142Aが形成されている。
凸部142Aは、サブピン33Aの中心軸に直交する断面の形状が、円形ではなく異形状となっている。具体的には正三角形状をなしている。すなわち、凸部142Aは、先端面140と平行な正三角形状の頂面145Aと、この頂面145Aの各辺と先端面140とを繋ぐ複数、具体的には三カ所の外壁面146Aとを有している。
凸部142Aは、サブピン33Aの周方向において、外壁面146Aが、第2面部132と位相を合致させており、隣り合う外壁面146Aと外壁面146Aとの間の境界の角部147Aが、第1面部131と位相を合致させている。具体的には、サブピン33Aの周方向において、外壁面146Aの中央位置が第2面部132の中央位置と位相を合致させており、角部147Aが、第1面部131の中央位置と位相を合致させている。外壁面146Aは、サブピン33Aの周方向の位相が合う第2面部132と平行である。なお、サブピン33Aの周方向において、外壁面146Aが、第1面部131と位相を合致させ、角部147Aが第2面部132と位相を合致させても良い。
サブピン33Aは、第1面部131および第2面部132がブラケット31に対して、第1実施形態と同様の位相関係となるように決められて固定される。その際に使用される圧入機は、第1実施形態に対し、サブピン圧入治具に、サブピン33Aの凸部142Aに嵌合することで、サブピン33Aの周方向の位相を所定の位相にする凹部が形成される。凹部は凸部142Aで埋められる凹形状になっている。
「第3実施形態」
次に、第3実施形態を主に図22,図23に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図22に示すように、第3実施形態は、第1実施形態のサブピン33とは構成が一部異なるサブピン33B(スライドピン)を有している。サブピン33Bは、第1実施形態の支持軸部103とは一部異なる支持軸部103Bを有している。支持軸部103Bは、複数、具体的には三カ所の第1実施形態と同様の第1面部131と、複数、具体的には三カ所の、第1実施形態の第2面部132とは異なる第2面部132Bとを有している。第2面部132Bは、第1面部131とは曲率半径が異なっている。よって、サブピン33Bも、支持軸部103Bが円柱状ではない異形形状となっている。
複数の第2面部132Bは、いずれも、サブピン33Bの周方向の連続する所定の幅範囲において曲率半径が一定の円筒面の一部形状をなす湾曲面である。複数の第2面部132Bは、曲率半径が同等である。複数の第2面部132Bは、曲率半径の中心軸が互いにずれている。これらの中心軸は、サブピン33Bの中心軸である複数の第1面部131の中心軸と平行で、サブピン33Bの中心軸から等距離の位置に配置されている。複数の第2面部132Bは、サブピン33Bの周方向における幅が同等であり、サブピン33Bの周方向に等間隔で配置されている。複数の第2面部132Bは、いずれも、図23に示すように、曲率半径R2が、第1面部131の曲率半径R1よりも大径となっている。複数の第2面部132Bは、いずれも、複数の第1面部131が配置された一つの円筒面よりも径方向内側に配置されている。支持軸部103Bの外周部には、隣り合う第1面部131と第2面部132Bとの境界の角部133Bが六カ所形成されている。
サブピン33Bは、第1実施形態と同様に圧入によってブラケット31に固定される。その際に、サブピン33Bの周方向において、第1面部131および第2面部132Aが、ブラケット31に対して以下の位相関係となるように決められて固定される。
すなわち、第3実施形態においても、制動時に、サブピン挿嵌部75から、インシュレータ24の嵌合部112を介してサブピン33Bの支持軸部103Bに、図22に示す荷重F2が加わる。サブピン33Bには、これとは逆方向の反力F3が生じる。
そして、サブピン33Bは、一つの第2面部132Bのサブピン33Bの周方向における中間部が、これら荷重F2および反力F3の方向に配置される位相でブラケット31に固定されている。
言い換えれば、サブピン33Bには、制動時にサブピン挿嵌部75から生じる荷重F2をインシュレータ24の嵌合部112を介して受ける領域(具体的には最も強く受ける領域)に、一つの第2面部132Bのサブピン33Bの周方向における中間部が配置されている。
さらに言い換えれば、サブピン33Bとトルク受けピン32とを結ぶ線に対して直交してサブピン33Bからディスク径方向外方に延びる線上に一つの第2面部132Bのサブピン33Bの周方向における中間部が配置されるように、サブピン33Bはブラケット31に固定される。
これにより、サブピン挿嵌部75から生じる荷重F2を受ける領域のインシュレータ24の面圧をさらに低減することができる。このため、第1実施形態の角部133が配置される場合と比べて、インシュレータ24の嵌合部112に生じる応力を一層低減することができる。したがって、インシュレータ24の一層の耐久性向上を図ることができる。
また、第2面部132Bは、第1面部131よりも曲率半径が大きい湾曲面であるため、角部133Bでの角度変化が緩やかになることからも、インシュレータ24のより一層の耐久性向上を図ることができる。具体的には、シミュレーションを行った結果、上記領域に第1実施形態の角部133が配置される場合に比べて、上記領域に第2面部132Bの中間部が配置される第3実施形態の方が、応力を85%軽減できる。
なお、サブピン33Bの、制動時にサブピン挿嵌部75から生じる荷重F2をインシュレータ24の嵌合部112を介して最も強く受ける領域に、一つの第2面部132Bのサブピン33Bの周方向における中央部を配置するのが最も好ましい。
第1~第3実施形態において、サブピン33を圧入によってブラケット31に固定する際に、サブピン33の周方向において、第1面部131および第2面部132が、ブラケット31に対して第1~第3実施形態とは逆の位相関係となるようにしても良い。
すなわち、この場合も、制動時に、サブピン挿嵌部75から、インシュレータ24の嵌合部112を介してサブピン33の支持軸部103に荷重F2が加わる。サブピン33には、これとは逆方向の反力F3が生じる。サブピン33が、一つの平面である第2面部132のサブピン33の周方向における中間部が、これら荷重F2および反力F3の方向に配置される位相でブラケット31に固定されていても良い。
言い換えれば、サブピン33には、制動時にサブピン挿嵌部75から生じる荷重F2をインシュレータ24の嵌合部112を介して受ける領域(具体的には最も強く受ける領域)に、一つの平面である第2面部132のサブピン33の周方向における中間部が配置されていても良い。
さらに言い換えれば、サブピン33とトルク受けピン32とを結ぶ線に対して直交してサブピン33からディスク径方向外方に延びる線上に一つの第2面部132のサブピン33の周方向における中間部が配置されるように、サブピン33をブラケット31に固定してもよい。
このように構成しても、サブピン挿嵌部75から生じる荷重F2を受ける領域に、第1実施形態の角部133が配置される場合と比べて、インシュレータ24の嵌合部112に生じる応力を低減することができる。したがって、インシュレータ24の耐久性向上を図ることができる。しかも、第2面部132が平坦面であるため、製造が容易となる。
上記実施形態の第1の態様は、車両の非回転部に固定されるキャリアと、該キャリアに摺動可能に支持されディスクの両面側に配置される一対の摩擦パッドと、該一対の摩擦パッドのうち一方の摩擦パッドを押圧するピストンを有し前記キャリアに摺動可能に支持されるキャリパと、を有するディスクブレーキである。前記キャリアは、ブラケットと、該ブラケットから前記ディスクを跨いでディスク軸方向に延出し、前記一対の摩擦パッドが摺動するトルク受けピンと、前記トルク受けピンに平行に前記ブラケットから延びるスライドピンと、を備える。前記キャリパは、前記スライドピンが挿入されるピン挿嵌部を備える。前記スライドピンは、外周部に、曲率半径が異なる第1面部と第2面部とを有する。前記スライドピンは、制動時に前記ピン挿嵌部から生じる荷重を前記ピン挿嵌部との間に配置されるインシュレータを介して受ける領域に、周方向における前記第1面部の中間部または前記第2面部の中間部が配置される。前記スライドピンには、前記ブラケットとは反対側の先端部に、前記第1面部または前記第2面部と位相が合う異形状の凹部または凸部が形成されている。これにより、インシュレータの耐久性向上を図ることができる。
第2の態様は、第1の態様において、前記第2面部は、前記第1面部よりも曲率半径が大きい平面であり、前記領域に前記第1面部が配置されている。
第3の態様は、第1の態様において、前記第2面部は、前記第1面部よりも曲率半径が大きい湾曲面であり、前記領域に前記第2面部が配置されている。
第4の態様は、車両に固定するためのブラケットにスライドピンを取り付け、該スライドピンを介して前記キャリアに対して移動可能にキャリパが取り付けられるディスクブレーキの製造方法である。この製造方法は、前記スライドピンの外周部に、曲率半径が異なる第1面部と第2面部とを形成する工程と、前記スライドピンの外表面に、該スライドピンの前記第1面部と第2面部の周方向位置を特定できる周方向位置特定部を設ける工程と、制動時に前記キャリパから伝達される荷重を前記キャリパとの間に配置されるインシュレータを介して受ける領域に、周方向における前記第1面部の中間部または前記第2面部の中間部が配置されるように、前記回転方向位置特定部により前記スライドピンを位置決めする位置決め工程と、この位置決めした状態で前記ブラケットに前記スライドピンを圧入する圧入工程と、を含む。これにより、インシュレータの耐久性向上を図ることができる。
第5の態様は、第4の態様において、前記周方向位置特定部は前記スライドピンの端面に設けられる。前記位置決め工程では、前記圧入工程で圧入する際に、該スライドピンが挿入される筒状の筒状治具の底面に設けられた、前記周方向位置特定部と係合可能な係合部で前記スライドピンを位置決めする。
第6の態様は、第4の態様において、前記周方向位置特定部は前記スライドピンの第1面部または第2面部とし、前記位置決め工程では、前記圧入工程で圧入する際に、該スライドピンが挿入される筒状の筒状治具の周面に設けられた、前記周方向位置特定部と係合可能な係合部で前記スライドピンを位置決めする。
上記したディスクブレーキによれば、インシュレータの耐久性向上を図ることができる。
10 ディスクブレーキ
11 ディスク
12 キャリア
13 キャリパ
21,22 摩擦パッド
24 インシュレータ
31 ブラケット
32 トルク受けピン
33,33A,33B サブピン(スライドピン)
66 ピストン
75 サブピン挿嵌部(ピン挿入部)
131 第1面部(周方向位置特定部)
132,132B 第2面部(周方向位置特定部)
141,141A 先端部
142 凹部(周方向位置特定部)
142A 凸部(周方向位置特定部)
204,204a サブピン圧入治具(筒状治具)
222 第1摺接面(係合部)
223 第2摺接面(係合部)
F2 荷重

Claims (6)

  1. 車両の非回転部に固定されるキャリアと、
    該キャリアに摺動可能に支持されディスクの両面側に配置される一対の摩擦パッドと、
    該一対の摩擦パッドのうち一方の摩擦パッドを押圧するピストンを有し前記キャリアに摺動可能に支持されるキャリパと、
    を有するディスクブレーキであって、
    前記キャリアは、ブラケットと、該ブラケットから前記ディスクを跨いでディスク軸方向に延出し、前記一対の摩擦パッドが摺動するトルク受けピンと、前記トルク受けピンに平行に前記ブラケットから延びるスライドピンと、を備え、
    前記キャリパは、前記スライドピンが挿入されるピン挿嵌部を備え、
    前記スライドピンは、外周部に、曲率半径が異なる第1面部と第2面部とを有し、制動時に前記ピン挿嵌部から生じる荷重を前記ピン挿嵌部との間に配置されるインシュレータを介して受ける領域に、周方向における前記第1面部の中間部または前記第2面部の中間部が配置され、
    前記スライドピンには、前記ブラケットとは反対側の先端部に、前記第1面部または前記第2面部と位相が合う異形状の凹部または凸部が形成されている
    ディスクブレーキ。
  2. 前記第2面部は、前記第1面部よりも曲率半径が大きい平面であり、前記領域に前記第1面部が配置されている
    請求項1記載のディスクブレーキ。
  3. 前記第2面部は、前記第1面部よりも曲率半径が大きい湾曲面であり、前記領域に前記第2面部が配置されている
    請求項1記載のディスクブレーキ。
  4. 車両に固定するためのブラケットにスライドピンを取り付け、該スライドピンを介して前記キャリアに対して移動可能にキャリパが取り付けられるディスクブレーキの製造方法であって、
    前記スライドピンの外周部に、曲率半径が異なる第1面部と第2面部とを形成する工程と、
    前記スライドピンの外表面に、該スライドピンの前記第1面部と第2面部の周方向位置を特定できる周方向位置特定部を設ける工程と、
    制動時に前記キャリパから伝達される荷重を前記キャリパとの間に配置されるインシュレータを介して受ける領域に、周方向における前記第1面部の中間部または前記第2面部の中間部が配置されるように、前記回転方向位置特定部により前記スライドピンを位置決めする位置決め工程と、
    この位置決めした状態で前記ブラケットに前記スライドピンを圧入する圧入工程と、
    を含む
    ディスクブレーキの製造方法。
  5. 前記周方向位置特定部は前記スライドピンの端面に設けられ、前記位置決め工程では、前記圧入工程で圧入する際に、該スライドピンが挿入される筒状の筒状治具の底面に設けられた、前記周方向位置特定部と係合可能な係合部で前記スライドピンを位置決めする
    請求項4記載のディスクブレーキの製造方法。
  6. 前記周方向位置特定部は前記スライドピンの第1面部または第2面部とし、前記位置決め工程では、前記圧入工程で圧入する際に、該スライドピンが挿入される筒状の筒状治具の周面に設けられた、前記周方向位置特定部と係合可能な係合部で前記スライドピンを位置決めする
    請求項4記載のディスクブレーキの製造方法。
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