JP4503449B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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本発明は、車両等の制動用に用いられるディスクブレーキに関する。
従来の車両等の制動用に用いられるディスクブレーキには、キャリパ本体にディスク軸線方向に延ばしてパッドピンを橋架させ、このパッドピンにブレーキパッドを摺動可能に挿通して支持させるものがあり、その中には、ブレーキパッドをディスク円周方向に離間して複数対設け、各一対のブレーキパッドをそれぞれ一つのみのパッドピンに支持させる構造のものがある。このような構造のディスクブレーキにおいて、各パッドピンに係合されて対応する一対のブレーキパッドをそのディスク回入側(車両前進時におけるディスク回転方向入口側。以下同。)においてはディスク半径方向内側へ押圧し、そのディスク回出側(車両前進時におけるディスク回転方向出口側。以下同。)においてはディスク半径方向内側かつディスク回出側に押圧することでその姿勢を安定させるカバースプリングを装着したものがある(例えば、特許文献1参照)。
このディスクブレーキは、パッドピンの位置がこれによって支持されるブレーキパッドのディスク円周方向における中央位置に設けられているため、上記のようにディスク回入側とディスク回出側とで付勢方向が異なる構造のカバースプリングでは、パッドピンによる支持位置に対しブレーキパッドへの当接位置までの作用距離がディスク回出側で短くディスク回入側で長くなっている。
特開2004−144126号公報
しかしながら、カバースプリングにおいて、上記のように、パッドピンによる支持位置に対しブレーキパッドへの当接位置までの作用距離が、ディスク回出側で短くディスク回入側で長い構造であると、ディスク回出側のバネ定数がディスク回入側のバネ定数に対し大きくなり、ブレーキパッドの挙動を抑えるために重要な回出側の押圧荷重にバラツキを生じやすい。その結果、制動時にブレーキパッドの姿勢を十分に安定させることができず、ブレーキ鳴きの発生を十分に抑制することができなかった。
したがって、本発明は、制動時にブレーキパッドの姿勢を十分に安定させることができ、ブレーキ鳴きの発生を十分に抑制することができるディスクブレーキの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ディスクを挟みディスクパス部を介して対向配置された一対の押圧手段を有するキャリパ本体を備え、ディスクを挟んで両側に配置される一対のブレーキパッドを、ディスク軸線方向に延ばして前記キャリパ本体に橋架された一つのパッドピンに摺動可能に挿通させて支持させ、前記パッドピンよりもディスク径方向内方該パッドピンに係合され前記一対のブレーキパッドそれぞれのディスク円周方向両側を押圧部により押圧するカバースプリングを装着し、制動時に前記一対のブレーキパッドに作用するトルクを前記キャリパ本体のトルク受面で受けるディスクブレーキにおいて、前記パッドピンの位置が前記ブレーキパッドのディスク円周方向における中央位置に対しオフセットされ、前記カバースプリングは、前記パッドピンに係合するピン係合部と、該ピン係合部から前記ディスク回出側へ延出する第1押圧部と、前記ピン係合部から前記ディスク回入側へ延出する第2押圧部と、前記ピン係合部から延出して前記キャリパ本体に当接することにより前記第2押圧部側にディスク半径方向内側への荷重を発生させるキャリパ当接部と、が形成されてなり、記第1押圧部の延出長さが、前記第2押圧部の延出長さよりも長くなっていることを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記キャリパ当接部は、前記ピン係合部からディスク回入側に延出して前記ディスクパス部のディスク半径方向内側の当接面に当接し、前記キャリパ本体に対し前記ディスク半径方向外側への荷重を発生させるように形成されていることを特徴としている。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記ブレーキパッドの前記パッドピンを挿通可能なパッドピン穴のディスク半径方向における外端位置と前記ブレーキパッドの前記カバースプリングとの当接位置とがディスク半径方向の略同位置とされていることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、一対のブレーキパッドが一つのパッドピンに摺動可能に挿通されて支持される場合に、パッドピンの位置がこれらブレーキパッドのディスク円周方向における中央位置に対しオフセットされ、前記押圧部のうち前記ディスク回出側の第1押圧部と前記パッドピンとの間の距離が前記押圧部のうち前記ディスク回入側の第2押圧部と前記パッドピンとの間の距離よりも長くなっているため、パッドピンに係合されて一対のブレーキパッドそれぞれのディスク円周方向両側を押圧するカバースプリングのパッドピンによる支持位置に対しブレーキパッドへの当接位置までの作用距離を、ディスク回出側を長くディスク回入側を短くでき、大きな荷重を与える側であるディスク回出側のバネ定数を小さくできる。したがって、ブレーキパッドの挙動を抑えるために重要なディスク回出側の押圧荷重を安定させることができ、その結果、制動時にブレーキパッドの姿勢を十分に安定させることができて、ブレーキ鳴きの発生を十分に抑制することができる。
請求項3に係る発明によれば、パッドピン穴のディスク半径方向における外端位置とブレーキパッドのカバースプリングとの当接位置とがディスク半径方向の略同位置とされているため、カバースプリングの荷重が直線的にブレーキパッドに負荷され、パッドピン穴のディスク半径方向における外端位置を中心としたモーメントを抑制でき、ブレーキパッドの挙動を安定させることができる。
本発明の一実施形態のディスクブレーキを図面を参照して以下に説明する。
図1〜図3は、キャリパ固定型のディスクブレーキを示すものである。これらの図において、1はキャリパ本体で、このキャリパ本体1は、ディスクロータの制動面を形成するディスク部(ディスク)Dに対しその軸線方向における内側(車両内側)に配置されるインナ側キャリパ半割体2Aと、ディスク部Dに対しその軸線方向における外側(車両外側)に配置されるアウタ側キャリパ半割体2Bとを突き合わせて一体に連結して構成されている。なお、ディスク部Dの車両前進時における回転方向を矢印Fで示している。
インナ側キャリパ半割体2Aは、ディスク円周方向における両側部と中央部との三カ所にディスク部Dの方向に向けて突出する突出部3A,4A,5Aを有しており、アウタ側キャリパ半割体2Bも、ディスク円周方向における両側部と中央部との三カ所にディスク部Dの方向に向けて突出する突出部3B,4B,5Bを有している。そして、これらキャリパ半割体2A,2Bは、ディスク回入側の突出部3A,3B同士、ディスク回出側の突出部4A,4B同士およびディスク円周方向中央の突出部5A,5B同士をそれぞれ突き合わせた状態で、突出部3A,3B同士がディスク円周方向に離間した二カ所において、突出部4A,4B同士もディスク円周方向に離間した二カ所において、突出部5A,5B同士がディスク円周方向中央の一カ所において、それぞれタイボルト6により連結されている。
キャリパ本体1は、そのインナ側キャリパ半割体2Aに設けられた二つの取付孔7を通したボルト(図示略)により車両の非回転部に取り付けられるようになっており、この取付状態で、突出部3A,3B,4A,4B,5A,5Bがディスク部Dの半径方向外方を跨ぐ位置に配置される。これにより、突出部3A,3Bがディスク回入側でディスク部Dの半径方向外方を跨ぐディスクパス部8を、突出部4A,4Bがディスク回出側でディスク部Dの半径方向外方を跨ぐディスクパス部9を、突出部5A,5Bがディスク円周方向中央でディスク部Dの半径方向外方を跨ぐディスクパス部10を、それぞれ形成することになり、これら三つのディスクパス部8,9,10がディスク円周方向に間隔をあけて配置される。そして、ディスクパス部8,10の間およびディスクパス部9,10の間は、それぞれディスク半径方向に貫通する開口部11とされ、各開口部11内にカバースプリング12がそれぞれ配置されている。
なお、図3に示すように、ディスクパス部8,10の間にあるディスク回入側の開口部11のディスク半径方向に沿いかつディスク軸線方向に沿っていて互いに対向するディスク回入側の対向面11aおよびディスク回出側の対向面11bが、ディスク回入側のブレーキパッド22をディスク軸線方向に沿ってガイドし、かつ制動時のトルクを受けるディスク外径側のトルク受面となっている。
同様に、ディスクパス部9,10の間にあるディスク回出側の開口部11のそれぞれのディスク半径方向に沿いかつディスク軸線方向に沿っていて互いに対向するディスク回入側の対向面11aおよびディスク回出側の対向面11bが、ディスク回出側のブレーキパッド22をディスク軸線方向に沿ってガイドし、かつ制動時のトルクを受けるディスク外径側のトルク受面となっている。
また、インナ側キャリパ半割体2Aおよびアウタ側キャリパ半割体2Bのそれぞれには、ディスク円周方向つまりディスク部Dの回転方向に配列して二つのボア13が、開口部11に臨んで形成されており、各ボア13には、押圧手段としての有底筒状のピストン15が摺動可能に納められている。なお、図3においては、断面とした関係上、これらボア13およびピストン15については、インナ側のみが図示されている。ボア13は、インナ側キャリパ半割体2Aとアウタ側キャリパ半割体2Bとの間で相互に対向するように配置されており、したがって、キャリパは、ここでは、ディスク部Dを挟んで二対のピストン15を備えた4ピストン対向タイプとなっている。
一方、各ボア13には、給液口19から導入されたブレーキ液が供給されるようになっており、このブレーキ液の供給に応じて二対のピストン15が同期して突出するようになる。なお、18はエア抜き用のブリーダを装着するためのブリーダ取付部である。
インナ側キャリパ半割体2Aおよびアウタ側キャリパ半割体2Bのそれぞれには、図1に示すように、上記した2つの開口部11にそれぞれ臨んで半径方向外側に突出するピンボス20,21が設けられている。同じ開口部11に配設されるインナ側キャリパ半割体2A側のピンボス20とアウタ側キャリパ半割体2B側のピンボス21とは、ディスク軸線方向において相対向して配置されており、相対向する2つのピンボス20,21同士には、ディスク軸線方向に沿うパッドピン24が橋架されている。その結果、各開口部11にそれぞれ一本ずつパッドピン24が設けられる。
そして、これらパッドピン24は、図3に示すように、共に、それぞれが設けられる開口部11のディスク円周方向の中央位置よりも、ディスク回入側にオフセットして設けられている。これらパッドピン24は、インナ側キャリパ半割体2Aおよびアウタ側キャリパ半割体2Bに橋架された状態で、図1に示すように頭部24aと頭部24aに対し反対側の着脱可能なクリップ24bとで抜け止めされている。
各パッドピン24は、それぞれ、一本がディスク部Dのディスク軸線方向における両側に配置される一対のブレーキパッド22を摺動可能に挿通させて吊下支持する。つまり、ディスク部Dを挟んで両側に配置されるディスク回入側の一対のブレーキパッド22を、キャリパ本体1にディスク軸線方向に延ばして橋架されたディスク回入側の一つのパッドピン24のみに摺動可能に挿通させこのパッドピン24のみで支持させる構造になっている。同様に、ディスク部Dを挟んで両側に配置されるディスク回出側の一対のブレーキパッド22も、キャリパ本体1にディスク軸線方向に延ばして橋架されたディスク回出側の一つのパッドピン24のみに摺動可能に挿通させこのパッドピン24のみで支持させる構造になっている。
各ブレーキパッド22は、図3に示すように、それぞれ、略矩形の裏板25とこの裏板25に接合された摩擦材26とからなっている。ここで、図3においては、断面とした関係上、インナ側のブレーキパッド22のみが図示されている。裏板25のディスク半径方向外側のディスク円周方向における中央にディスク半径方向外側に突出するように支持ボス部27が形成されており、裏板25のディスク回入側および回出側の端部側それぞれにも、ディスク半径方向外側に突出するように肩ボス部29がそれぞれ形成されている。裏板25は、ディスク円周方向の中央に対し鏡面対称形状をなしている。
支持ボス部27には、ディスク軸線方向に沿って貫通するパッドピン穴28が、ブレーキパッド22のディスク円周方向における中央位置に対し両側それぞれに、ディスク半径方向の位置を合わせて一カ所ずつ形成されている。これらパッドピン穴28のうちパッドピン24のオフセット方向と同側つまりディスク回入側に設けられたパッドピン穴28にパッドピン24が挿通されることで、ブレーキパッド22はパッドピン24に支持される。つまり、パッドピン穴28のうち一方のみ使用され他方は非使用となり、同じブレーキパッド22がインナ側に取り付けられるかアウタ側に取り付けられるかによって、使用されるパッドピン穴28が、摩擦材26側から見て左右異なることになる。
以上により、パッドピン24の位置がこれが支持する一対のブレーキパッド22のディスク円周方向における中央位置に対しディスク回入側にオフセットされている。また、各ブレーキパッド22は、支持ボス部27のディスク円周方向における中央位置に対し両側それぞれにパッドピン24を挿通可能なパッドピン穴28が形成されている。
パッドピン穴28は、若干ディスク円周方向に長い長穴形状をなしており、その結果、ディスク回入側のブレーキパッド22は、ディスク円周方向に若干移動して、ディスクパス部8,10の外径側のトルク受面11a,11bに対し当接することができ、ディスク回出側のブレーキパッド22は、ディスク円周方向に若干移動して、ディスクパス部9,10の外径側のトルク受面11a,11bに対し当接することができるようになっている。
各ブレーキパッド22の各肩ボス部29は、半径方向外側の先端面29aがディスク円周方向およびディスク軸線方向に沿っており、各肩ボス部29の半径方向外側かつ支持ボス部27側の角には面取り面29bがディスク軸線方向に沿って形成されている。なお、各肩ボス部29の先端面29aおよび面取り面29bは、支持ボス部27のパッドピン穴28のディスク半径方向における外端位置とディスク半径方向における位置が略一致している。
インナ側キャリパ半割体2Aおよびアウタ側キャリパ半割体2Bには、各一対のブレーキパッド22をディスク軸線方向にガイドし、かつ各一対のブレーキパッド22に生じるトルクを受けるための三つの突起であるガイド突起部31,32,33が、ディスク円周方向における両側部と中央部とにディスク部Dの方向に向けて突出するように設けられている。なお、図3および図5においては、断面とした関係上、これらガイド突起部31,32,33についてはインナ側のみが図示されている。
ディスク回入側において隣り合うガイド突起部31,33の、ディスク半径方向に沿いかつディスク軸線方向に沿って互いに対向するディスク回入側の対向面34aおよびディスク回出側の対向面34bが、ディスク回入側のブレーキパッド22をディスク軸線方向に沿ってガイドし、かつ制動時のトルクを受けるディスク内径側のトルク受面となっている。
同様に、ディスク回出側において隣り合うガイド突起部32,33の、ディスク半径方向に沿いかつディスク軸線方向に沿って互いに対向するディスク回入側の対向面34aおよびディスク回出側の対向面34bが、ディスク回出側のブレーキパッド22をディスク軸線方向に沿ってガイドし、かつ制動時のトルクを受けるディスク内径側のトルク受面となっている。
ここで、ディスク回入側および回出側のいずれの開口部11側においても、ディスク回入側にある内径側のトルク受面34aと前述の外径側のトルク受面11aとは同一平面上に配置され、ディスク回出側にあるトルク受面34bとトルク受面11bとが同一平面上に配置されている。
なお、冷却等の理由により、ディスクパス部8とガイド突起部31との間は凹部40とされ、ディスクパス部9とガイド突起部32との間は凹部41とされ、ディスクパス部10とガイド突起部33との間は凹部42とされているが、これら凹部40,41,42をなくし、ディスク回入側および回出側のいずれの開口部11側においても、同一平面に配置されるトルク受面11aとトルク受面34aとを連続する一のトルク受面とし、同一平面に配置されるトルク受面11bとトルク受面34bとを連続する一のトルク受面とすることが可能である。
ディスクパス部8,10の間およびディスクパス部9,10の間の各開口部11内に配置される各カバースプリング12は、ディスク回入側の開口部11に配置されるものが同じ開口部11のパッドピン24に係合されて同じ開口部11に配置される一対のブレーキパッド22のディスク円周方向両側を押圧することになり、ディスク回出側の開口部11に配置されるものが同じ開口部11のパッドピン24に係合されて同じ開口部11に配置される一対のブレーキパッド22のディスク円周方向両側を押圧することになる。
各カバースプリング12は、それぞれ、図4に詳細に示されるように、ディスク円周方向における中間部に、ディスク軸線方向に沿いかつディスク半径方向内側に凹む略半円筒状をなしパッドピン24のディスク半径方向内側にパッドピン24を半分覆うように係合されるピン係合部52を有しており、またこのピン係合部52のディスク軸線方向における両側からディスク回出側にそれぞれ延出し、一対のブレーキパッド22のディスク回出側の肩ボス部29の面取り面29bに当接してこれら一対のブレーキパッド22をディスク半径方向内側かつディスク回出側へ押圧する一対の第1押圧部53を有している。
さらに、各カバースプリング12は、それぞれ、ピン係合部52のディスク軸線方向における両側から第1押圧部53とはピン係合部52を介して反対側つまりディスク回入側に延出し、一対のブレーキパッド22のディスク回入側の肩ボス部29の先端面29aに当接してこれら一対のブレーキパッド22をディスク半径方向内側へ押圧する一対の第2押圧部54を有している。
加えて、各カバースプリング12は、それぞれ、ピン係合部52のディスク軸線方向における中央側から第2押圧部54と同じディスク回入側に延出してディスクパス部8,10のうちディスク回入側に隣接するもののディスク半径方向内側に当接する一つのキャリパ当接部55を有している。
一対の第1押圧部53は、具体的に、ピン係合部52のディスク回出側の端縁部からディスク円周方向に沿ってディスク回出側に直線状に延出するとともに延出先端側が基端側よりも幅が相反側に拡大された延出部53aと、この延出部53aの延出先端の端縁部からディスク半径方向外側に斜めに屈曲して同幅のまま直線状に延出する当接部53bとを有する形状をなしている。
一対の第2押圧部54は、具体的に、ピン係合部52のディスク回入側の端縁部からディスク円周方向に沿ってディスク回入側に直線状に延出するとともに延出先端側が基端側よりも幅が相反側に拡大された延出部54aと、この延出部54aの延出先端の端縁部からディスク半径方向内側に若干屈曲して同幅のままディスク回入側に直線状に延出する当接部54bとを有する形状をなしている。
キャリパ当接部55は、具体的に、ピン係合部52からディスク回入側かつ第2押圧部54よりもディスク半径方向内側方向に直線状に延出する延出部55aと、この延出部55aの先端からディスク半径方向外側に若干屈曲してディスク回入側に直線状に延出する当接部55bとを有するもので、均一の幅となっている。
なお、図5に示すようにカバースプリング12がピン係合部52においてパッドピン24に係合された状態で、第1押圧部53は、パッドピン24に支持されたブレーキパッド22のディスク回出側の肩ボス部29の面取り面29bに当接部53bにおいて当接することになるが、このとき主として延出部53aがディスク半径方向外側に撓むことになる。この状態で、第1押圧部53は、肩ボス部29を面取り面29bの傾斜方向に応じたディスク半径方向内側かつディスク回出側へ押圧する。
また、同状態で、第2押圧部54は、パッドピン24に支持されたブレーキパッド22のディスク回入側の肩ボス部29の先端面29aに当接部54bにおいて当接することになるが、このとき主として延出部54aがディスク半径方向外方に撓むことになる。この状態で、第2押圧部54は、肩ボス部29を先端面29aの延在方向に応じたディスク半径方向内側へ押圧する。
さらに、同状態で、キャリパ当接部55は、当接部55bで、ディスクパス部8,10のうちディスク回入側に隣り合うもののディスク半径方向内側の当接面58に当接する。つまり、ディスク回入側のカバースプリング12は、ディスクパス部8のディスク半径方向内側の当接面58に当接することになり、ディスク回出側のカバースプリング12は、ディスクパス部10のディスク半径方向内側の当接面58に当接することになる。なお、当接面58は当接部55bを嵌合させる嵌合凹部60に形成されている。この状態で、キャリパ当接部55は、主として延出部55aがディスク半径方向内方に撓んだ状態で当接面58に当接させられることになるため、キャリパ本体1に対しディスク半径方向外側への荷重を発生させ、反対に、カバースプリング12の第2押圧部54側にディスク半径方向内側への荷重を発生させる。
ここで、上記カバースプリング12は、ステンレス鋼板等の金属薄板をプレス装置により打抜きおよび曲げ加工等することにより一体成形される。
そして、上記のようにパッドピン24がディスク回入側に偏って配置されることに合わせて、カバースプリング12は、ディスク回出側の第1押圧部53の延出長さがディスク回入側の第2押圧部54の延出長さよりも長くされており、キャリパ本体1に取り付けた状態においても支持位置であるパッドピン24から第1押圧部53のブレーキパッド22への当接位置までの作用距離L2が、パッドピン24から第2押圧部54のブレーキパッド22への当接位置までの作用距離L1よりも長くなっている。ここで、カバースプリング12の押圧荷重は、ディスク回入側の第2押圧部54よりもディスク回出側の第1押圧部53が高くされているが、L2>L1の関係から、ディスク回出側の第1押圧部53のバネ定数は高くならない。
加えて、上記したようにブレーキパッド22の各肩ボス部29の先端面29aおよび面取り面29bが、支持ボス部27のパッドピン穴28のディスク半径方向における外端位置とディスク半径方向における位置を略一致させていることから、ブレーキパッド22のパッドピン穴28のディスク半径方向における外端位置とブレーキパッド22のカバースプリング12との当接位置とがディスク半径方向の略同位置とされている。その結果、カバースプリング12は一直線形状に近似している。
そして、カバースプリング12が第1押圧部53でブレーキパッド22をディスク回出側へ押圧することになるため、ブレーキパッド22にはそのディスク半径方向外側をディスク回出側のトルク受面11bに当接させる力が発生することになる。そして、これに加えて、カバースプリング12は、キャリパ本体1のディスク半径方向内側の当接面58にキャリパ当接部55が当接して第2押圧部54側にディスク半径方向内側への荷重を発生させているため、第2押圧部54が大きな押圧力でブレーキパッド22のディスク回入側の肩ボス部29をディスク半径方向内方に押圧することになる。この押圧でブレーキパッド22には、パッドピン24を中心としてそのディスク半径方向内側をディスク回出側のトルク受面34bに当接させる方向の回転力が発生することになる。
以上の結果、ブレーキパッド22は、ディスク回出側の両トルク受面11b,34bに面接触で当接することになる。
以上に述べた本実施形態のディスクブレーキによれば、一対のブレーキパッド22が一つのパッドピン24のみに摺動可能に挿通されて支持される構造であり、パッドピン24の位置がこれらブレーキパッド22のディスク円周方向における中央位置に対しオフセットされているため、パッドピン24に係合されて一対のブレーキパッド22それぞれのディスク円周方向両側を押圧するカバースプリング12のパッドピン24による支持位置に対しブレーキパッド22への当接位置までの作用距離を、ディスク回出側の距離L2を長くディスク回入側の距離L1を短くでき、大きな荷重を与える側であるディスク回出側のバネ定数を小さくできる。したがって、ブレーキパッド22の挙動を抑えるために重要なディスク回出側の押圧荷重を各種寸法のバラツキによらず安定させることができ、その結果、制動時にブレーキパッド22の姿勢を十分に安定させることができて、ブレーキ鳴きの発生を十分に抑制することができる。また、パッドピン24を中心とした回転バランスが崩れることで、ブレーキパッド22はトルク受面11b,34bに当接しやすく、また回動し難くなり制動時のブレーキパッド22の挙動が安定する。さらに、パッドピン24のオフセットでインナ側キャリパ半割体2Aおよびアウタ側キャリパ半割体2Bの誤組付けを防止できる。
加えて、ブレーキパッド22のディスク円周方向における中央位置に対し両側それぞれにパッドピン24を挿通可能なパッドピン穴28が形成されているため、上記のようにパッドピン24の位置をブレーキパッド22のディスク円周方向における中央位置に対しオフセットさせても、同形状のブレーキパッド22をディスクDの両側に使用できる。したがって、コストを低減することができる。
さらに、パッドピン穴28のディスク半径方向における外端位置とブレーキパッド22のカバースプリング12との当接位置とがディスク半径方向の略同位置とされているため、カバースプリング12の荷重が直線的にブレーキパッド22に負荷され、パッドピン穴28のディスク半径方向における外端位置を中心としたモーメントを抑制でき、ブレーキパッド22の挙動を安定させることができる。また、カバースプリング12の作用距離L1間および作用距離L2間の撓み量が減少するため、押圧荷重を安定させることができる。
なお、上記実施形態においては、キャリパ半割体2A,2Bを連結することにより一体化されるキャリパ本体1を有する2ピース構造のものを例にとり説明したが、一体のキャリパ本体を有する1ピース構造にも適用可能である。
また、上記実施形態においては、液圧式のディスクブレーキを例にとり説明したが、押圧手段を電動モータで駆動する電動ブレーキにも適用可能である。
加えて、上記実施形態においては、キャリパ固定型のディスクブレーキを例にとり説明したが、パッドピンによりブレーキパッドが支持されるタイプであればよく、キャリパフローティング型のディスクブレーキにも適用可能である。この場合、押圧手段は、一方がキャリパ本体に対し可動のピストンで他方がキャリパ本体の非可動部となる。
本発明の一実施形態のディスクブレーキを示す平面図である。 本発明の一実施形態のディスクブレーキを示す正面図である。 本発明の一実施形態のディスクブレーキを示す図1に示すZ−Z線に沿う正断面図である。 本発明の一実施形態のディスクブレーキのカバースプリングを示す図であって(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 本発明の一実施形態のディスクブレーキの拡大正断面図である。
符号の説明
1 キャリパ本体
8,9,10 ディスクパス部
12 カバースプリング
15 ピストン(押圧手段)
22 ブレーキパッド
24 パッドピン
28 パッドピン穴
D ディスク部(ディスク)

Claims (3)

  1. ディスクを挟みディスクパス部を介して対向配置された一対の押圧手段を有するキャリパ本体を備え、ディスクを挟んで両側に配置される一対のブレーキパッドを、ディスク軸線方向に延ばして前記キャリパ本体に橋架された一つのパッドピンに摺動可能に挿通させて支持させ、前記パッドピンよりもディスク径方向内方該パッドピンに係合され前記一対のブレーキパッドそれぞれのディスク円周方向両側を押圧部により押圧するカバースプリングを装着し、制動時に前記一対のブレーキパッドに作用するトルクを前記キャリパ本体のトルク受面で受けるディスクブレーキにおいて、
    前記パッドピンの位置が前記ブレーキパッドのディスク円周方向における中央位置に対しオフセットされ、
    前記カバースプリングは、前記パッドピンに係合するピン係合部と、該ピン係合部から前記ディスク回出側へ延出する第1押圧部と、前記ピン係合部から前記ディスク回入側へ延出する第2押圧部と、前記ピン係合部から延出して前記キャリパ本体に当接することにより前記第2押圧部側にディスク半径方向内側への荷重を発生させるキャリパ当接部と、が形成されてなり、
    記第1押圧部の延出長さが、前記第2押圧部の延出長さよりも長くなっていることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記キャリパ当接部は、前記ピン係合部からディスク回入側に延出して前記ディスクパス部のディスク半径方向内側の当接面に当接し、前記キャリパ本体に対し前記ディスク半径方向外側への荷重を発生させるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ。
  3. 前記ブレーキパッドの前記パッドピンを挿通可能なパッドピン穴のディスク半径方向における外端位置と前記ブレーキパッドの前記カバースプリングとの当接位置とがディスク半径方向の略同位置とされていることを特徴とする請求項1または2記載のディスクブレーキ。
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