JP4854709B2 - ディスクブレーキ装置 - Google Patents
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Description
ここに示したディスクブレーキ装置100は、下記特許文献1に開示されたもので、車輪と一体回転するディスクロータ101を跨いで対向するインナキャリパ103とアウタキャリパ104の各々が2個のシリンダ106を有している。そして、該ディスクブレーキ装置100は、インナ側及びアウタ側のそれぞれのライニング111,113を、各シリンダ106に装着されたピストン108でディスクロータ101に押圧して、制動力を得る。
(1)本発明に係るディスクブレーキ装置は、インナキャリパ部とアウタキャリパ部の各々が2個以上のシリンダを有し、それぞれのシリンダに装着されたピストンでライニングをディスクロータに押圧して制動力を得るピストン対向型のディスクブレーキであって、
複数個のライニング保持孔が貫通形成されて各キャリパに固定されるガイドプレートと、
各ガイドプレートの各ライニング保持孔の内周に沿う略リング状に湾曲成形されると共に、各ライニング保持孔の貫通方向に摺動可能に嵌合保持される複数個のライニング保持スプリングと、
前記ライニング保持スプリングに保持される複数個のライニングとを備え、
前記ライニング保持スプリングは、孔の前記ガイドプレートの板厚分に、制動動作時の前記ライニングの移動分を加算した幅寸法を備えていることを特徴とする。
そして、ディスクロータに押圧されるライニングは、キャリパに装備される複数個のピストン毎に独立した小型のもので、ピストン毎にディスクロータに押圧されるため、複数個のピストンで一つの一体化したライニング本体をディスクロータに押圧する従来のディスクブレーキ装置と比較すると、ディスクロータの摺動面の凹凸や熱変形によってライニング本体とディスクロータとの接触面積が低減することを抑止することができ、よって、接触面積の低減による制動性能の低下を防止することができる。
また、ガイドプレートのライニング本体を保持するライニング保持スプリングは、ガイドプレートの板厚分に、制動動作時のライニングの移動分を加算した幅寸法を備えているため、制動時のライニング本体の移動動作で、ライニング本体の外周部がガイドプレートに擦れることを防止でき、よって、ガイドプレートとの擦れによってライニング本体の外周面が傷つくことがなく、ライニング本体の外周面の傷つきによる破損を防止することができる。
図1は本発明に係るピストン対向型のディスクブレーキ装置の一実施の形態の斜め上方から見た斜視図、図2は図1のA矢視図、図3は図2のB−B断面図,図4は図1に示したインナ側のライニング組立体の裏面側からの斜視図、図5は図4に示したライニング組立体の側面図、図6は図4に示したライニング組立体の正面図、図7は図4に示したライニング組立体の裏面図、図8は図4に示したライニング組立体の分解斜視図である。また、図9(a)は図8に示した第2のライニング本体の正面側からの斜視図、図9(b)は同ライニング本体の裏面側からの斜視図、図10(a)は図8に示した第2のライニング保持スプリングの斜視図、図10(b)は同ライニング保持スプリングの正面図、図10(c)は図10(b)のD矢視図、図10(d)は図10(b)のE矢視図である。また、図11はライニング組立体におけるガイドプレートに対するライニング保持スプリングの位置の説明図で、(a)は初期位置、(b)は制動時の位置、(c)は戻り時の位置の説明図である。
各キャリパ3,5に装備される3個のシリンダ7相互は、ディスクロータの周方向に離間して配置されている。
また、各ライニング保持スプリング31,32,33は、図8及び図10(b)に示すように、一部に切り離された離間部31a,32a,33aを有しており、この離間部31a,32a,33aを有していることにより、縮径方向及び拡径方向に弾性変形可能になっている。
後退規制爪41と進出規制爪43との間の幅寸法W1(図10(c)参照)は、ガイドプレート27の板厚分t(図8参照)に、制動動作時のライニング15,16,17の移動分s(図11参照)を加算した値に設定されている。
即ち、W1=t+sとなっている。
また、ライニング保持スプリング31,32,33は各ライニング15,16,17を進退可能にも嵌合しており、各ライニング15,16,17の磨耗が進行すると、ライニング保持スプリング31,32,33に対して摩耗分進出できるように保持している。
補強板15b,16b,17bは、凹部15c,16c,17cに嵌合することで、ライニング本体15a,16a,17aに一体化される。
制動時に、ライニング保持スプリング31,32,33が最大限にディスクロータ側に移動した時には、図11(b)に示すように、進出規制爪43がガイドプレート27の裏面27bに当接して、進出規制爪43と裏面27bとの間の隙間sは無くなる。
そのため、非制動時にライニング本体15a,16a,17aがディスクロータに接触してしまう引き摺りの発生を防止することができる。
即ち、スプリング爪45を備えたことで、組立性の低下を招く要因である部品の増加や組立て工程の増加などが発生することがない。従って、組立性の低下を招くことなく引き摺りの発生を防止することができる。
即ち、本発明に係るピストン対向型のディスクブレーキ装置において、各キャリパに装備されるシリンダの数量は、任意の数量に設定することが可能で、シリンダ数に相応して、シリンダ毎に独立してライニングを装備するようにすれば良い。
3 インナキャリパ部
5 アウタキャリパ部
7 シリンダ
11 ピストン
13 ライニング組立体
15,16,17 ライニング
15a,16a,17a ライニング本体
15b,16b,17b 補強板
15c,16c,17c 凹部
21,22,23 ライニング保持孔
31,32,33 ライニング保持スプリング
31a,32a,33a 離間部
41 後退規制爪(規制部材)
43 進出規制爪(規制部材)
45 戻しスプリング爪
Claims (4)
- インナキャリパ部とアウタキャリパ部の各々が2個以上のシリンダを有し、それぞれのシリンダに装着されたピストンでライニングをディスクロータに押圧して制動力を得るピストン対向型のディスクブレーキであって、
複数個のライニング保持孔が貫通形成されて各キャリパに固定されるガイドプレートと、
各ガイドプレートの各ライニング保持孔の内周に沿う略リング状に湾曲成形されると共に、各ライニング保持孔の貫通方向に摺動可能に嵌合保持される複数個のライニング保持スプリングと、
前記ライニング保持スプリングに保持される複数個のライニングとを備え、
前記ライニング保持スプリングは、前記ガイドプレートの板厚分に、制動動作時の前記ライニングの移動分を加算した幅寸法を備えていることを特徴とするディスクブレーキ装置。 - 前記ライニング保持スプリングには、ディスクロータ側に面した前記ガイドプレートの表面に当接して前記ライニング保持スプリングの後退位置を規制する後退規制爪と、前記ガイドプレートの裏面に当接して前記ライニング保持スプリングの進出位置を規制する進出規制爪と、制動解除時に前記後退規制爪が前記ガイドプレートの表面に当接する位置に戻るように前記ガイドプレートの裏面を押圧する戻しスプリング爪と、が一体形成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
- 前記ライニング保持スプリングは前記ライニングを進退可能に嵌合していることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスクブレーキ装置。
- 各ガイドプレートのライニング保持孔に嵌合保持される前記ライニングが、表面がディスクロータに押圧されるライニング本体と、該ライニング本体の裏面に保持されて前記ピストンからの押圧力を受ける補強板とで構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスクブレーキ装置。
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