JP2010065785A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスクブレーキ装置において、ピストンを適正に戻してパッドの引きずり現象の発生を抑制可能とする。
【解決手段】キャリパ14のシリンダ部21にピストン15を移動自在に支持し、加圧時にピストン15が前進して摩擦パッド12,13をディスクロータ11に押付可能とすると共に、除圧時にシリンダ部21に設けられたシール機構(ピストン戻し機構)28によりピストン15を初期位置に引き戻し可能とし、シール機構28として、ピストン15の初期加圧により圧縮変形可能な低弾性部材34と、低弾性部材34の変形に追従して移動可能であると共に低弾性部材34の圧縮変形量を規定する可動子(位置決め部材)32と、ピストン15と可動子32との間に介装されて低弾性部材34の変形量が最大になったときに可動子32により所定の位置に位置決めされる高弾性部材36とを設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車輪と一体に回転するディスクロータを摩擦パッドにより挟持することで、その摩擦抵抗によりディスクロータを介して車輪に制動力を作用させるディスクブレーキ装置に関する。
一般的なキャリパ浮動型のディスクブレーキ装置は、キャリパが、マウンティングブラケットに、車輪の回転軸線方向に移動可能に支持されている。この場合、キャリパに一対のスライドピンが設けられる一方、マウンティングブラケットに一対のスライドピンが嵌合される一対の嵌合孔が設けられ、スライドピンが嵌合孔に摺動自在に嵌合することで、キャリパの移動が許容される。このキャリパは、ディスクロータを跨ぐようなU字形状をなし、一方側にインナパッド(摩擦パッド)が移動自在に支持され、他方側にアウタパッド(摩擦パッド)が固定されている。また、ディスクロータは、一方側にインナパッドをディスクロータに押圧するピストンを有するアクチュエータが設けられている。
従って、ドライバがブレーキペダルを踏み込むと、その踏力によりアクチュエータが作動し、ピストンが前進してインナパッドをディスクロータに押圧すると共に、ピストンが前進する反力によりキャリパが移動してアウタパッドをディスクロータに押圧する。そのため、一対のパッドによりディスクロータが挟持されることで、ディスクロータを介して車輪に制動力を作用させることができる。
ところで、上述したディスクブレーキ装置にて、キャリパのシリンダ孔には、ピストンが移動自在に支持されると共に、ピストンシールにより液密に保持されており、制動時に、シリンダ孔の液圧室へ作動液が供給されると、ピストンがピストンシールを変形させながら前進し、液圧室からの液圧解除時には、変形したピストンシールの復元力によりピストンが液圧室側へ後退するように構成されている。ところが、乗員によりブレーキペダル踏力が過大であるとき、ピストンがディスクロータ側へ所定以上に押し込まれ、ピストンとピストンシールとの間で相対移動が発生し、ピストンシールの復元力によりピストンを十分に後退させることができず、パッドがディスクロータに接触し続ける、所謂、引きずりが発生してしまう。すると、パッドが回転するディスクロータに弾かれてピストンを押し返す、所謂、ノックバックを生じることがある。
このような問題を解決するものとして、例えば、下記特許文献1、2に記載されたものがある。
特許文献1に記載されたディスクブレーキ装置では、シリンダの内孔に環状のリング取付溝を形成すると共に、このリング取付溝のパッド側の開口縁にパッド側に面取り部を形成し、また、ピストンとシリンダ間をシールすると共に制動後の除圧時にピストンを戻すリトラクションリングをリング取付溝に組付けて構成し、リング取付溝のパッド側端壁に向けて開口する環状凹所をシリンダに形成すると共に、この環状凹所内に圧縮性材料からなりリトラクションリングの環状凹所内への進入変形を許容する変形許容リングを組付けている。従って、液圧の上昇に応じて増大するパッド及びシリンダの撓み量がリトラクションリングによるピストンのリトラクト量より大きくなる液圧を高い値に設定できるので、従来に比して高い液圧となる使用領域まで引きずりを低減することができる。
また、特許文献2に記載されたディスクブレーキキャリパでは、キャリパ本体に形成された大径孔部に、リテーナによりピストンの外周面に摩擦係合するピストンシールを設けると共に、リテーナをピストンの後退方向に付勢する皿ばねを設けている。従って、ブレーキ液圧が低い場合には、皿ばねの予荷重によりリテーナの前進が阻止され、ピストンの前進によりピストンシールが面取部内へ弾性変形させられ、ブレーキ解除時、シールの復元力によりピストンがリトラクトされる一方、ブレーキパッド摩耗時には、シールが許容限度まで弾性変形させられた後にピストンのすべりによる前進が許容され、クリアランスを補正することができる。また、ブレーキ液圧が高い場合には、リテーナ及びシールが皿ばねの予荷重に打ち勝って前進するため、ピストンとの間にすべりが生じず、ピストンを確実にリトラクトし、パッドの引きずり現象の発生を防止することができる。
特開平07−253128号公報 特開平05−065929号公報
上述した特許文献1のディスクブレーキ装置にあっては、リング取付溝、圧縮性材料からなるリトラクションリングの環状凹所内への進入変形を許容する変形許容リングを組付けることで、引きずりを低減するようにしている。ところが、ピストンとパッド(ロータ)間のクリアランスが圧力履歴、ノックバック、パッドの摩耗などにより変動し、この状態でブレーキをかけると、リトラクションリングの位置が安定せず、安定したリトラクトを得ることができない。そのため、引きずりが発生しても、これを解除することができず、ピストンとパッド(ロータ)間に規定値以上のクリアランスがあるときには、これを規定値に修正することが困難となる。
また、特許文献2のディスクブレーキキャリパにあっては、ブレーキ液圧が高い場合に、リテーナ及びシールが皿ばねの予荷重に打ち勝って前進し、ピストンとの間のすべりを防止してピストンを確実に戻している。ところが、ブレーキパッドが摩耗し、ブレーキ液圧が高い場合には、ピストンが皿ばねの圧縮量以上に前進することがあり、ピストンとリトラクションリングとの間にすべりが生じ、ピストンを適正にリトラクトできず、パッドの引きずり現象が発生してしまう可能性がある。
本発明は、このような問題を解決するものであって、ピストンを適正に戻してパッドの引きずり現象の発生を抑制可能とするディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決してその目的を達成するために、本発明のディスクブレーキ装置は、回転軸心回りに回転するディスクロータと、該ディスクロータの摩擦面に対向する摩擦パッドと、該摩擦パッドを前記ディスクロータの摩擦面に接近離間可能に支持するシリンダと、該シリンダに支持されて加圧時に前進して前記摩擦パッドを前記ディスクロータに押付可能なピストンと、該ピストンの初期加圧により圧縮変形可能な第1弾性部材と、
該第1弾性部材の変形に追従して移動可能であると共に前記第1弾性部材の圧縮変形量を規定する位置決め部材と、前記ピストンと前記位置決め部材との間に介装されると共に前記第1弾性部材の変形量が最大になったときに前記位置決め部材により所定の位置に位置決めされる第2弾性部材と、を備えることを特徴とするものである。
本発明によるディスクブレーキ装置では、前記第2弾性部材は、前記位置決め部材に設けられ、前記ピストンに対して予め設定された所定の押圧力が設定されることを特徴としている。
本発明によるディスクブレーキ装置では、前記位置決め部材の起動荷重が前記ピストンの起動荷重よりも大きく設定されることを特徴としている。
本発明によるディスクブレーキ装置では、前記シリンダの内周面に前記ピストンの外周面と対向してリング溝が形成され、該リング溝に前記位置決め部材が前記ピストンの移動方向に沿って予め設定された所定ストロークだけ移動可能に収容され、前記位置決め部材と前記リング溝における前記ピストンの前進側の面との間に前記第1弾性部材が介装されることを特徴としている。
本発明によるディスクブレーキ装置では、前記第2弾性部材は、基端部が前記位置決め部材に形成されて取付溝に取付けられる一方、先端部が前記ピストンに押圧支持され、前記位置決め部材に前記第2弾性部材が前記ピストンの前進側に弾性変形可能な切欠部が前記取付溝に形成されることを特徴としている。
本発明によるディスクブレーキ装置では、前記シリンダと前記ピストンとの間に該ピストンと前記位置決め部材を前進させるための液圧室が設けられ、前記シリンダと前記位置決め部材との間に前記液圧室をシールする第1シールが設けられると共に、前記位置決め部材と前記ピストンとの間に前記液圧室をシールする第2シールが設けられることを特徴としている。
本発明によるディスクブレーキ装置では、前記ピストンの非加圧時に前記位置決め部材を前記ピストンの前進方向及び前記ピストンの後退方向に移動可能に弾性支持する弾性支持部材が設けられることを特徴としている。
本発明によるディスクブレーキ装置では、前記第1弾性部材と前記第2弾性部材とを有して除圧時に前記ピストンを引き戻すピストン戻し機構と、前記ピストンと前記ピストン戻し機構との相対移動を規制する規制機構とを設けることを特徴としている。
本発明のディスクブレーキ装置によれば、摩擦パッドをディスクロータの摩擦面に接近離間可能に支持するシリンダと、加圧時に前進して摩擦パッドをディスクロータに押付可能なピストンと、ピストンの初期加圧により圧縮変形可能な第1弾性部材と、第1弾性部材の変形に追従して移動可能であると共に第1弾性部材の圧縮変形量を規定する位置決め部材と、ピストンと位置決め部材との間に介装されると共に第1弾性部材の変形量が最大になったときに位置決め部材により所定の位置に位置決めされる第2弾性部材とを設けている。従って、ピストンが前進して摩擦パッドに当接すると共に、第1弾性部材が変形して位置決め部材が移動すると、第1弾性部材の変形量が最大になったときに第2弾性部材が位置決め部材により所定の位置に位置決めされることとなり、ピストンの前進量に拘らず、第1弾性部材の圧縮変形量だけピストンを戻すことができ、ピストンの戻り量を適正に確保してパッドの引きずり現象の発生を抑制することができる。
以下に、本発明に係るディスクブレーキ装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは、実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施例1に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図、図2乃至図4は、実施例1のピストン戻し機構の作動を表す断面図、図5は、ピストン液圧に対するピストンストローク量を表すグラフ、図6は、実施例1のディスクブレーキ装置を表す断面図である。
実施例1のディスクブレーキ装置は、図示しないが、車両に回転可能に支持された車輪に制動力を付与する装置であって、この車輪と一体的に回転自在に設けられたディスクロータと、車体側に車輪と相対回転不能に設けられてディスクロータを挟持することで、摩擦抵抗力を付与する一対の摩擦パッドと、この摩擦パッドをディスクロータに押し付けるピストンを有するアクチュエータとを有している。
即ち、このディスクブレーキ装置は、図6に示すように、車輪(図示略)と一体的となって車軸の回転軸心回りに回転するディスクロータ11と、このディスクロータ11の両側の摩擦面に対向する一対の摩擦パッド12,13と、この一対の摩擦パッド12,13をディスクロータ11の摩擦面に接近離間可能に支持するキャリパ14と、一対の摩擦パッド12,13をピストン15によりディスクロータ11に押付可能なシリンダ機構(アクチュエータ)16とから構成されている。
具体的に説明すると、キャリパ14は、ディスクロータ11を跨いだU字形状をなし、ピストン15を前後に移動可能とするシリンダ機構16が搭載されている。このキャリパ14は、シリンダ機構16が設けられるシリンダ部21と、このシリンダ部21とディスクロータ11を挟んで対向する位置に配置される爪部22と、シリンダ部21と爪部22とを連結する連結部23とから構成されている。
このキャリパ14は、車体側に固定された図示しないマウンティングブラケットによりディスクロータ11の回転軸線方向、つまり、回転方向に直交する方向に沿って移動自在に支持されている。
ディスクロータ11の両側の摩擦面に対向して配置される一対の摩擦パッド12,13は、キャリパ14におけるシリンダ部21側に配置されるインナパッド12と、爪部22側に配置されるアウタパッド13である。このインナパッド12及びアウタパッド13は、摩擦材24,25の基端部が裏金26,27に固定されて構成されている。そして、このインナパッド12及びアウタパッド13は、マウンティングブラケットによりディスクロータ11の回転軸線方向に沿って移動自在に支持されている。
また、シリンダ機構16は、シリンダ部21にピストン15が移動自在に支持されると共に、シリンダ部21の内面にピストン15の外面に対してシール可能なシール機構28が装着されることで構成されている。そして、シリンダ部21とピストン15とシール機構28により液圧室29が区画され、ピストン15の先端部がインナパッド12の裏金26に対向している。
従って、シリンダ機構16の液圧室29に作動液を供給して加圧すると、ピストン15が矢印A方向に前進し、このピストン15の前面がインナパッド12の裏金26を押圧し、このインナパッド12の前面をディスクロータ11の摩擦面に接近させることができる。また、このとき、キャリパ14は、ピストン15が前進するその移動反力によりこのピストン15とは逆方向、つまり、矢印B方向に前進し、アウタパッド13の押圧面をディスクロータ11の摩擦面に接近させることができる。
そして、インナパッド12及びアウタパッド13がディスクロータ11の各摩擦面に押し付けられると、このインナパッド12及びアウタパッド13と、回転するディスクロータ11との間で摩擦抵抗力が発生し、このディスクロータ11に制動力を付与することができる。
この場合、シリンダ部21に装着されたシール機構28における後述するシール部材がピストン15に密着しており、ピストン15の加圧時に、このピストン15がシール部材を変形させながら前進する。そして、ピストン15の除圧時には、変形したシール部材の復元力によりピストン15が所定の位置に戻される。そして、ピストン15が後退することで、インナパッド12がディスクロータ11から離間し、キャリパ14はピストン15が後退するその移動反力により後退し、アウタパッド13がディスクロータ11から離間する。
実施例1のディスクブレーキ装置にて、上述したように、シール機構28は、除圧時にピストン15を引き戻すピストン戻し機構として機能する。そして、可動子に第1弾性部材と第2弾性部材が装着されて構成され、ピストン15とシール機構(ピストン戻し機構)28との相対移動を規制する規制機構が設けられている。このシール機構28は、後述するが、ピストン15の初期加圧により圧縮変形可能な第1弾性部材と、この第1弾性部材の変形に追従して移動可能であると共に第1弾性部材の圧縮変形量を規定する位置決め部材と、ピストン15と位置決め部材との間に介装されると共に第1弾性部材の変形量が最大になったときに位置決め部材により所定の位置に位置決めされる第2弾性部材とを有している。この場合、第2弾性部材がシール部材として機能する。
即ち、図1及び図6に示すように、キャリパ14のシリンダ部(シリンダ)21は、支持孔14aが形成されており、この支持孔14aには、ピストン15の外周面15aが所定隙間をもって移動自在に支持されている。この支持孔14aの内周面には、周方向に連続するリング溝31が形成され、このリング溝31は、シリンダ15の前進方向に対して前方となる前壁面31aと、後方となる後壁面31bと、側方となる側壁面31cとを有している。
このリング溝31内には、ピストン15と相対移動可能な位置決め部材としての可動子32が収容されている。この可動子32は、リング形状をなすと共に矩形断面形状をなし、リング溝31の前壁面31aに対向する前面32aと、後壁面31bに対向する後面32bと、側壁面31cに対向する外周面32cと、ピストン15の外周面15aに対向する内周面32dと、連通溝32eとを有している。そして、リング溝31の全長L1に対して可動子32の全長L2が設定されており、可動子32は、両者の全長の差L1−L2=L3が、シリンダ部21に対する移動ストローク(初期クリアランス)となっている。
可動子32は、前面32aにリング形状をなす収納溝33が形成され、この収納溝33に低弾性部材(第1弾性部材)34が収納されている。この低弾性部材34は、可動子32の収納溝33に収納された状態で、リング溝31の前壁面31aに押圧しており、可動子32とリング溝31(シリンダ部21)との間に所定の緊迫力を設定している。つまり、可動子32は、低弾性部材34によりリング溝31でピストン15の後退方向に付勢されており、液圧室29への非加圧時には、可動子32の後面32bがリング溝31の後壁面31bに当接した位置に位置決めされている。そして、液圧室29への初期加圧時には、ピストン15と共に可動子32が前進して低弾性部材34を圧縮して最大変形し、前面32aがリング溝31の前壁面31aに当接可能となっており、可動子32は、低弾性部材34の圧縮変形量を規定する位置決め部材として機能する。なお、収納溝33は、圧縮変形した低弾性部材34を収容可能な大きさに設定されている。
可動子32は、内周面32dにリング形状をなす取付溝35が形成され、この取付溝35に高弾性部材(第2弾性部材)36が装着されている。この高弾性部材36は、低弾性部材34よりも高い弾性力を有している。そして、高弾性部材36は、外周部が取付溝35に嵌合して取付けられる一方、内周部がピストン15に押圧支持されている。この場合、高弾性部材36は、可動子32とピストン15との間に介装された状態で、ピストン15に対して予め設定された所定の押圧力、つまり、可動子32とリング溝31(シリンダ部21)との間に介装された低弾性部材34の緊迫力より大きな緊迫力が設定される。この場合、高弾性部材36は、可動子32が前進して低弾性部材34の変形量が最大になったときに、この可動子32により所定の位置に位置決めされるものである。
また、可動子32は、取付溝35におけるピストン15の前進側が面取り加工されることで、吸収溝37が形成されている。そのため、高弾性部材36は、内周部側がピストン15の前進側に弾性変形可能となっている。
可動子32は、外周面32cにリング形状をなす収納溝38が形成され、この収納溝38にカップ型のシール部材39が収納されている。このシール部材39は、可動子32の収納溝38に収納された状態で、リング溝31の側壁面31cに押圧しており、可動子32とリング溝31(シリンダ部21)との間に所定の緊迫力を設定している。つまり、シール部材39は、可動子32とリング溝31との間の空間に配置されることで、液圧室29からの作動液の漏洩を防止している。なお、上述した高弾性部材36もシール部材として機能し、高弾性部材36は、可動子32とピストン15との間の空間に配置されることで、液圧室29からの作動液の漏洩を防止している。
そして、本実施例では、液圧室29に作動液が供給されて加圧されたとき、この液圧は可動子32及びピストン15に作用するが、可動子32の起動荷重がピストン15の起動荷重よりも大きくなるように設定されている。この場合、ピストン15の起動荷重は、高弾性部材36との摩擦荷重であり、可動子32の起動荷重は、低弾性部材34の初期圧縮荷重である。
なお、本発明の規制機構は、ピストン15の前進による低弾性部材34の弾性変形時に、ピストン15と高弾性部材36との相対移動を禁止し、ピストン15の前進による高弾性部材36の弾性変形時に、ピストン15と低弾性部材34との相対移動を許可するものであり、可動子33及び高弾性部材36により構成されている。
従って、図1に示す状態から、液圧室29に作動液が供給されて加圧されると、ピストン15及び可動子32が加圧される。この場合、可動子32の起動荷重がピストン15の起動荷重よりも大きく設定されていることから、ピストン15が矢印A方向に前進し、ピストン15の先端部が摩擦パッド12(図6参照)に当接する。
極低圧入力時に、ピストン15と高弾性部材36との接触部(シール部)は、両者が相対移動しない緊迫力に設定されていることから、先に、図2に示すように、ピストン15が前進し、ピストン15と高弾性部材36とが相対移動することなく、この高弾性部材36がピストン15の前進に追従するように変形する場合、ピストン15のストロークが吸収される。この場合、取付溝35には、ピストン15の前進側に吸収溝37が形成されていることから、高弾性部材36の変形が容易となる。次に、液圧が可動子32の起動荷重を超え、この可動子32を前面31a側へ前進させる。このとき、高弾性部材36は、可動子32の取付溝35の後面側で初期変形がリセットされる。
即ち、図3に示すように、低弾性部材34を圧縮変形させる。そして、可動子32は、前面32aがリング溝31の前壁面31aに当接して停止することから、この可動子32により低弾性部材34の圧縮変形量が規定されると共に、この低弾性部材34の変形量が最大になったときに可動子32により高弾性部材36が吸収溝37側に変形していない状態で所定の位置に位置決めされる。この場合、可動子32の取付溝35には、ピストン15の後退側が面取り加工されていないことから、高弾性部材36は、可動子32が前進することで、所定の位置に適正に位置決めされる。この状態で、リング溝31(シリンダ部21)に対して可動子32が所定ストロークL3だけ前進することで、可動子32の後面32bとリング溝31の後壁面31bとの間に初期クリアランスL3が確保され、これがピストン15の戻し量となる。
そして、この状態で、液圧室29から作動液が排出されて除圧されると、高弾性部材36は変形せずにその形状を維持したまま、圧縮変形した低弾性部材34の復元力により、ピストン15と高弾性部材36とが一体となって後退する。この場合、可動子32は、リング溝31(シリンダ部21)に対して、初期クリアランスL3だけ戻されることで、ピストン15が所定の位置(図1に示す位置)に戻され、ピストン15と摩擦パッド12との間に初期クリアランスL3を設定できる。
一方、液圧入力が高圧であると、図3に示す状態から、ピストン15が更に前進する。すると、図4に示すように、このピストン15に高弾性部材36が所定の緊迫力をもって密着していることから、高弾性部材36はピストン15と相対移動することなく、内周部が吸収溝37に入り込むように弾性変形する。この状態では、可動子32の後面32bとリング溝31の後壁面31bとの間の初期クリアランスL3に加え、高弾性部材36の弾性変形量がピストン15の戻し量となる。
そして、液圧室29から作動液が排出されて除圧されると、まず、弾性変形した高弾性部材36の復元力によりピストン15が戻され、続いて、圧縮変形した低弾性部材34の復元力により、ピストン15と高弾性部材36とが一体となって後退し、ピストン15が所定の位置(図1に示す位置)に適正に戻される。
また、液圧入力が過大であるときには、ピストン15が必要以上に前進する。すると、このピストン15と高弾性部材36とがずれて相対移動する。しかし、本実施例では、可動子32の後面32bとリング溝31の後壁面31bとの間に初期クリアランスL3が確保されていることから、液圧室29から作動液が排出されて除圧されると、まず、弾性変形した高弾性部材36の復元力によりピストン15が戻され、続いて、圧縮変形した低弾性部材34の復元力により、ピストン15と高弾性部材36とが一体となって後退する。このとき、弾性変形した高弾性部材36は、その復元力により取付溝35に密着した所定の位置に適正に位置決めされると共に、ピストン15は、初期クリアランスL3だけは必ず戻され、引きずりを低減できる。また、引きずった状態で加圧されれば、初期クリアランスL3が適正に確保される。
ここで、ブレーキ液圧に対するピストンのストローク量について説明する。図5に示すように、ブレーキ液圧の増加に伴ってピストン15の前進量(図5の実線)が増加するとき、従来のディスクブレーキ装置にて、シールリトラクトによるピストン15の戻し量(図5の点線)は、初期時に増加して前進量(図5の実線)を上回るものの、ピストンシールとピストン15との相対移動が発生することから、その後のシールリトラクトは増加せずに、ピストン15の前進量(図5の実線)を下回ってしまう。一方、本実施例のディスクブレーキ装置では、シール機構28によるピストン15の戻し量(図5の一点鎖線)は、初期時から継続して増加し、全領域で前進量(図5の実線)を上回るものとなる。
このように実施例1のディスクブレーキ装置にあっては、キャリパ14のシリンダ部21にピストン15を移動自在に支持し、加圧時にこのピストン15が前進して摩擦パッド12,13をディスクロータ11に押付可能とすると共に、除圧時にシリンダ部21に設けられたシール機構(ピストン戻し機構)28によりピストン15を初期位置に引き戻し可能とし、シール機構28として、初期加圧により圧縮変形可能な低弾性部材34と、低弾性部材34の変形に追従して移動可能であると共に低弾性部材34の圧縮変形量を規定する可動子(位置決め部材)32と、リング溝39と可動子32との間に介装されて低弾性部材34の変形量が最大になったときに可動子32により所定の位置に位置決めされる高弾性部材36とを設けている。
従って、液圧室29の加圧時に、ピストン15が前進して摩擦パッド12,13に当接すると共に、低弾性部材34が圧縮変形して可動子32が移動すると、低弾性部材34の変形量が最大になったときに、高弾性部材36が可動子32により所定の位置に位置決めされることとなり、ピストン15の前進量に拘らず、低弾性部材34の圧縮変形量だけピストン15を戻すことができ、ピストン15の戻り量を適正に確保して摩擦パッド12,13の引きずり現象の発生を抑制することができる。
また、実施例1のディスクブレーキ装置では、可動子32に高弾性部材36を設け、この高弾性部材36にピストン15に対して予め設定された所定の押圧力を設定している。また、このとき、可動子32の起動荷重をピストン15の起動荷重よりも大きく設定している。
従って、液圧室29の加圧時には、まず、ピストン15が高弾性部材36を変形させながら前進し、次に、高弾性部材36の復元力により可動子32が前進し、低弾性部材34を圧縮変形させることとなり、ピストンの初期クリアランスL3を確保することができ、液圧室29の除圧時には、圧縮変形した低弾性部材34の復元力によりピストン15が初期クリアランスL3だけ後退することで所定の位置に戻される。そのため、高弾性部材36に所定の押圧力を設定することで、ピストン15と高弾性部材36との相対移動を抑制することができ、また、可動子32の起動荷重をピストン15の起動荷重よりも大きく設定することで、常時、初期クリアランスL3を確保し、ピストン15を適正に戻して摩擦パッド12,13の引きずり現象の発生を抑制することができる。
また、実施例1のディスクブレーキ装置では、シリンダ部21の内周面にピストン15の外周面と対向してリング溝31を形成し、リング溝31に可動子32をピストン15の移動方向に沿って予め設定された所定ストロークだけ移動可能に収容し、可動子32とリング溝31におけるピストン15の前進側の面との間に低弾性部材34を介装している。従って、可動子32により低弾性部材34を確実に弾性変形することができると共に、低弾性部材34の変形により初期クリアランスL3を確実に確保することができる。
また、実施例1のディスクブレーキ装置では、高弾性部材36の外周部を可動子32に形成された取付溝35に取付ける一方、内周部がピストン15に押圧支持し、可動子32に高弾性部材36がピストン15の前進側に弾性変形可能な吸収溝37が取付溝35に連続して形成している。従って、高弾性部材36を常時ピストン15に密着させることができると共に、吸収溝37により高弾性部材36の変形を容易として可動子32とピストン15との相対移動を防止することができる。
図7は、本発明の実施例2に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図、図8及び図9は、実施例2のピストン戻し機構の作動を表す断面図である。なお、本実施例のディスクブレーキ装置における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図6を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2のディスクブレーキ装置にて、図6及び図7に示すように、シール機構40は、除圧時にピストン15を引き戻すピストン戻し機構として機能する。即ち、キャリパ14のシリンダ部21には支持孔14aが形成され、ピストン15の外周面15aが所定隙間をもって移動自在に支持され、この支持孔14aの内周面にリング溝31が形成されている。このリング溝31内には、リング形状をなす可動子32が収容されている。
可動子32は、前面32aに収納溝33が形成され、この収納溝33に低弾性部材34が収納されており、この低弾性部材34は、リング溝31の前壁面31aに押圧され、所定の緊迫力を有している。可動子32は、内周面32dにリング形状をなす取付溝41が形成され、この取付溝41に高弾性部材(第2弾性部材)42が装着されている。この高弾性部材42は、カップ型シール部材であり、低弾性部材34よりも高い弾性力を有している。そして、高弾性部材42は、外周部が取付溝41に嵌合して取付けられる一方、内周部がピストン15の後退側に湾曲してピストン15に押圧支持されている。この場合、高弾性部材42は、可動子32とピストン15との間に介装された状態で、ピストン15に対して予め設定された所定の押圧力、つまり、可動子32とリング溝31(シリンダ部21)との間に介装された低弾性部材34の緊迫力より大きな緊迫力が設定される。この場合、高弾性部材42は、可動子32が前進して低弾性部材34の変形量が最大になったときに、この可動子32により所定の位置に位置決めされるものである。
また、可動子32は、取付溝41の前面32a側が面取り加工されることで吸収溝43が形成されている。そのため、高弾性部材42は、内周部がピストン15の前進側に弾性変形可能となっている。
可動子32は、外周面32cに収納溝38が形成され、この収納溝38にシール部材39が収納されている。このシール部材39は、可動子32とリング溝31との間の空間に配置されることで、液圧室29からの作動液の漏洩を防止している。なお、上述した高弾性部材42もシール部材として機能し、高弾性部材42は、可動子32とピストン15との間の空間に配置されることで、液圧室29からの作動液の漏洩を防止している。
そして、本実施例では、液圧室29に作動液が供給されて加圧されたとき、この液圧は可動子32及びピストン15に作用するが、可動子32の起動荷重がピストン15の起動荷重よりも大きくなるように設定されている。この場合、ピストン15の起動荷重は、液圧に高弾性部材42との摩擦荷重が付与されたものであり、可動子32の起動荷重は、液圧に低弾性部材34の初期圧縮荷重が付与されたものである。
従って、図7に示す状態から、液圧室29に作動液が供給されて加圧されると、ピストン15及び可動子32が加圧される。この場合、可動子32の起動荷重がピストン15の起動荷重よりも大きく設定されていることから、ピストン15が矢印A方向に前進し、ピストン15の先端部が摩擦パッド12(図6参照)に当接する。
極低圧加圧時に、ピストン15と高弾性部材42との接触部(シール部)は、両者が相対移動しない緊迫力に設定されていることから、先に、図8に示すように、ピストン15が前進し、ピストン15と高弾性部材42とが相対移動することなく、この高弾性部材42がピストン15の前進に追従するように変形する。この場合、取付溝41には、ピストン15の前進側に吸収溝43が形成されていることから、高弾性部材42の変形が容易となる。次に、液圧が可動子32の起動荷重を超え、この可動子32を前面31a側へ前進させる。このとき、高弾性部材42は、可動子32の取付溝41の後面側で初期変形がリセットされる。
即ち、図9に示すように、低弾性部材34を圧縮変形させる。そして、可動子32は、前面32aがリング溝31の前壁面31aに当接して停止することから、この可動子32により低弾性部材34の圧縮変形量が規定されると共に、この低弾性部材34の変形量が最大になったときに可動子32により高弾性部材42が吸収溝43側に変形していない状態で所定の位置に位置決めされる。この状態で、リング溝31(シリンダ部21)に対して可動子32が所定ストロークL3だけ前進することで、可動子32の後面32bとリング溝31の後壁面31bとの間に初期クリアランスL3が確保され、これがピストン15の戻し量となる。
そして、この状態で、液圧室29から作動液が排出されて除圧されると、高弾性部材42は変形せずにその形状を維持したまま、圧縮変形した低弾性部材34の復元力により、ピストン15と高弾性部材42とが一体となって後退する。この場合、可動子32は、リング溝31(シリンダ部21)に対して、初期クリアランスL3だけ戻されることで、ピストン15が所定の位置(図7に示す位置)に適正に戻され、ピストン15と摩擦パッド12との間に初期クリアランスL3を設定できる。
一方、液圧が高圧であると、図9に示す状態から、ピストン15が更に前進する。すると、このピストン15に高弾性部材42が所定の緊迫力をもって密着していることから、高弾性部材42はピストン15と相対移動することなく、内周部が吸収溝43に入り込むように弾性変形する。この状態では、可動子32の後面32bとリング溝31の後壁面31bとの間の初期クリアランスL3に加え、高弾性部材42の弾性変形量がピストン15の戻し量となる。
そして、液圧室29から作動液が排出されて除圧されると、まず、弾性変形した高弾性部材42の復元力によりピストン15が戻され、続いて、圧縮変形した低弾性部材34の復元力により、ピストン15と高弾性部材42とが一体となって後退し、ピストン15が所定の位置(図7に示す位置)に適正に戻される。
また、液圧が過大であるときには、ピストン15が必要以上に前進する。すると、このピストン15と高弾性部材42とがずれて相対移動する。しかし、本実施例では、可動子32の後面32bとリング溝31の後壁面31bとの間に初期クリアランスL3が確保されていることから、液圧室29から作動液が排出されて除圧されると、まず、弾性変形した高弾性部材42の復元力によりピストン15が戻され、続いて、圧縮変形した低弾性部材34の復元力により、ピストン15と高弾性部材42とが一体となって後退する。このとき、弾性変形した高弾性部材42は、その復元力により取付溝41に密着した所定の位置に適正に位置決めされると共に、ピストン15は、初期クリアランスL3だけは必ず戻され、引きずりを低減できる。また、引きずった状態で加圧されれば、初期クリアランスL3が適正に確保される。
このように実施例2のディスクブレーキ装置にあっては、シール機構40として、ピストン15の初期加圧により圧縮変形可能な低弾性部材34と、低弾性部材34の変形に追従して移動可能であると共に低弾性部材34の圧縮変形量を規定する可動子32と、リング溝31と可動子32との間に介装されて低弾性部材34の変形量が最大になったときに可動子32により所定の位置に位置決めされる高弾性部材42とを設けている。
従って、液圧室29の加圧時に、ピストン15が前進して摩擦パッド12,13に当接すると共に、低弾性部材34が圧縮変形して可動子32が移動すると、低弾性部材34の変形量が最大になったときに、高弾性部材42が可動子32により所定の位置に位置決めされることとなり、ピストン15の前進量に拘らず、低弾性部材34の圧縮変形量だけピストン15を戻すことができ、ピストン15の戻り量を適正に確保して摩擦パッド12,13の引きずり現象の発生を抑制することができる。
また、実施例2のディスクブレーキ装置では、可動子32に高弾性部材42を設け、この高弾性部材42にピストン15に対して予め設定された所定の押圧力を設定している。また、このとき、可動子32の起動荷重をピストン15の起動荷重よりも大きく設定している。
従って、液圧室29の加圧時には、まず、ピストン15が可動子32より先に前進し、高弾性部材42はピストン15に追従する。次に、可動子32が低弾性部材34を圧縮しながら前進する。このとき、高弾性部材42は、所定の適正位置に戻り、高弾性部材42の復元力と共に抑止される。低弾性部財34の圧縮変形によりピストンの初期クリアランスL3を確保することができ、液圧室29の除圧時には、圧縮変形した低弾性部材34の復元力によりピストン15が初期クリアランスL3だけ後退することで所定の位置に戻される。そのため、高弾性部材42に所定の押圧力を設定することで、ピストン15と高弾性部材42との相対移動を抑制することができ、また、可動子32の起動荷重をピストン15の起動荷重よりも大きく設定することで、常時、初期クリアランスL3を確保し、ピストン15を適正に戻して摩擦パッド12,13の引きずり現象の発生を抑制することができる。
また、実施例2のディスクブレーキ装置では、高弾性部材42をカップ型シール部材としている。従って、高弾性部材42は、ピストン15に対して高い弾性力(緊迫力)をもって密着しており、ピストン15が前進するとき、高弾性部材42が吸収溝43側に弾性変形するため、くさび効果によりピストン15に対する高弾性部材42の弾性力(摩擦力)、つまり、ピストン15の緊迫力が大きくなる。そのため、ピストン15に対する高弾性部材42の相対移動を確実に阻止することができる。
図10は、本発明の実施例3に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3のディスクブレーキ装置にて、図10に示すように、シール機構50は、除圧時にピストン15を引き戻すピストン戻し機構として機能する。即ち、キャリパ14のシリンダ部21には支持孔14aが形成され、ピストン15の外周面15aが所定隙間をもって移動自在に支持され、この支持孔14aの内周面にリング溝31が形成されている。このリング溝31内には、リング形状をなす可動子32が収容されている。
可動子32は、収納溝33に低弾性部材34が収納され、この低弾性部材34は、リング溝31の前壁面31aに押圧され、所定の緊迫力を有している。可動子32は、取付溝51が形成され、この取付溝51に高弾性部材(第2弾性部材)52が装着されている。この高弾性部材52は、ピストン15の後退方向に湾曲した湾曲くさび形状をなし、低弾性部材34よりも高い弾性力を有している。そして、高弾性部材52は、外周部が取付溝51に嵌合して取付けられる一方、内周部がピストン15の後退側に湾曲してピストン15に押圧支持されている。この場合、高弾性部材52は、可動子32とピストン15との間に介装された状態で、ピストン15に対して予め設定された所定の押圧力、つまり、可動子32とリング溝31(シリンダ部21)との間に介装された低弾性部材34の緊迫力より大きな緊迫力が設定される。この場合、高弾性部材52は、可動子32が前進して低弾性部材34の変形量が最大になったときに、この可動子32により所定の位置に位置決めされるものである。
また、可動子32は、取付溝51の前面32a側が面取り加工されることで吸収溝53が形成されると共に、取付溝51の後面32b側が面取り加工されることで吸収溝54が形成されている。そのため、液圧室29が加圧されていないとき、高弾性部材52は、先端部側がピストン15の後退側に湾曲して吸収溝54に侵入した位置に位置決めされており、液圧室29が加圧されてピストン15が前進するとピストン15の前進側に弾性変形可能となっている。
可動子32は、外周面32cに収納溝38が形成され、この収納溝38にシール部材39が収納されている。このシール部材39は、可動子32とリング溝31との間の空間に配置されることで、液圧室29からの作動液の漏洩を防止している。なお、上述した高弾性部材52もシール部材として機能し、高弾性部材52は、可動子32とピストン15との間の空間に配置されることで、液圧室29からの作動液の漏洩を防止している。
そして、本実施例では、液圧室29に作動液が供給されて加圧されたとき、この液圧は可動子32及びピストン15に作用するが、可動子32の起動荷重がピストン15の起動荷重よりも大きくなるように設定されている。この場合、ピストン15の起動荷重は、液圧に高弾性部材52との摩擦荷重が付与されたものであり、可動子32の起動荷重は、液圧に低弾性部材34の初期圧縮荷重が付与されたものである。
従って、液圧室29に作動液が供給されて加圧されると、ピストン15及び可動子32が加圧される。この場合、可動子32の起動荷重がピストン15の起動荷重よりも大きく設定されていることから、ピストン15が矢印A方向に前進し、ピストン15の先端部が摩擦パッド12(図6参照)に当接する。
即ち、ピストン15と高弾性部材52との接触部(シール部)は、高弾性部材52に対してピストン15が後退する側には相対移動しやすく、前進する側には相対移動しない緊迫力に設定されていることから、先に、ピストン15が前進し、高弾性部材52が相対移動することなくピストン15の前進に追従するように変形する。次に、液圧が可動子32の起動荷重を超え、この可動子32を前面31a側へ前進させる。このとき、高弾性部材52は、初期変形がリセットされる。可動子32は、リング溝31に当接して停止することから、低弾性部材34の圧縮変形量が規定され、この低弾性部材34の変形量が最大になったときに可動子32により高弾性部材52が所定の位置に位置決めされる。そのため、可動子32の後面32bとリング溝31の後壁面31bとの間に初期クリアランスが確保され、これがピストン15の戻し量となる。
そして、この状態から、液圧室29から作動液が排出されて除圧されると、高弾性部材52は変形せずにその形状を維持したまま、圧縮変形した低弾性部材34の復元力により、ピストン15と高弾性部材52とが一体となって後退する。この場合、可動子32は、リング溝31(シリンダ部21)に対して、初期クリアランスだけ戻されることで、ピストン15が所定の位置に適正に戻され、ピストン15と摩擦パッド12との間に初期クリアランスL3を設定できる。
なお、その他の作動は、前述の実施例1、2と同様であるため、説明は省略する。
このように実施例3のディスクブレーキ装置にあっては、シール機構50として、ピストン15の初期加圧により圧縮変形可能な低弾性部材34と、低弾性部材34の変形に追従して移動可能であると共に低弾性部材34の圧縮変形量を規定する可動子32と、リング溝31の前面31aと可動子32との間に介装されて低弾性部材34の変形量が最大になったときに可動子32により所定の位置に位置決めされる高弾性部材52とを設けている。
従って、液圧室29の加圧時に、ピストン15が前進して摩擦パッド12,13に当接すると共に、低弾性部材34が圧縮変形して可動子32が移動すると、低弾性部材34の変形量が最大になったときに、高弾性部材52が可動子32により所定の位置に位置決めされることとなり、ピストン15の前進量に拘らず、低弾性部材34の圧縮変形量だけピストン15を戻すことができ、ピストン15の戻り量を適正に確保して摩擦パッド12,13の引きずり現象の発生を抑制することができる。
また、実施例3のディスクブレーキ装置では、高弾性部材52をピストン15の後退方向に湾曲した湾曲くさび形状としている。従って、高弾性部材52は、ピストン15に対して高い弾性力(液圧に対しての緊迫力)をもって密着しており、ピストン15が前進するとき、高弾性部材52が吸収溝53側に弾性変形するため、くさび効果によりピストン15に対する高弾性部材52の弾性力(摩擦力)、つまり、ピストン15の緊迫力が大きくなる。そのため、ピストン15に対する高弾性部材52の相対移動を確実に阻止することができる。
図11は、本発明の実施例4に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4のディスクブレーキ装置にて、図11に示すように、シール機構60は、除圧時にピストン15を引き戻すピストン戻し機構として機能する。即ち、キャリパ14のシリンダ部21には支持孔14aが形成され、ピストン15の外周面15aが所定隙間をもって移動自在に支持され、この支持孔14aの内周面にリング溝31が形成されている。このリング溝31内には、可動子32が収容されている。
可動子32は、収納溝33に低弾性部材34が収納され、この低弾性部材34は、リング溝31の前壁面31aに押圧され、所定の緊迫力を有している。可動子32は、取付溝35が形成され、この取付溝35に高弾性部材36が装着されている。この高弾性部材36は、低弾性部材34よりも高い弾性力を有し、内周部ピストン15に押圧支持されている。また、可動子32は、取付溝35の前面32a側が面取り加工されることで吸収溝37が形成されている。
可動子32は、外周面32cにリング形状をなす収納溝38が形成され、この収納溝38に第1シール部材39が収納されている。また、可動子32は、内周面32dにおける取付溝35よりも後面32b側に位置してリング形状をなす収納溝61が形成され、この収納溝61にシール本体62aと付勢部材(ゴム部材)62bからなる第2シール部材62が収納されている。この第1シール部材39は、可動子32の収納溝38に収納された状態で、リング溝31の側壁面31cに押圧しており、可動子32とリング溝31(シリンダ部21)との間に所定の緊迫力を設定している。つまり、第1シール部材39は、可動子32とリング溝31との間の空間に配置されることで、液圧室29からの作動液の漏洩を防止している。一方、第2シール部材62は、可動子32の収納溝61に収納された状態で、ピストン15の外周面15aに押圧しており、可動子32とピストン15との間に所定の緊迫力を設定している。つまり、第2シール部材62は、可動子32とピストン15との間の空間に配置されることで、液圧室29からの作動液の漏洩を防止している。
なお、可動子32にて、外周面32cと内周面32dにおける取付溝35と収納溝61との間とを連通する連通孔63が形成されている。
従って、第1シール部材39が可動子32とリング溝31との間の空間に配置され、第2シール部材62が可動子32とピストン15との間の空間に配置されることで、液圧室29は、専用のシール部材39,62により液封されることとなり、作動液の漏洩が防止される。そのため、高弾性部材36は、低弾性部材34よりも高い弾性力を設定する必要があるものの、シール性能が不要となる程度までその弾性力を低下させることができる。
なお、シール機構60におけるその他の作動は、前述の各実施例と同様であるため、説明は省略する。
このように実施例4のディスクブレーキ装置にあっては、シール機構60として、ピストン15の初期加圧により圧縮変形可能な低弾性部材34と、低弾性部材34の変形に追従して移動可能であると共に低弾性部材34の圧縮変形量を規定する可動子32と、リング溝31の前面31aと可動子32との間に介装されて低弾性部材34の変形量が最大になったときに可動子32により所定の位置に位置決めされる高弾性部材36とを設けている。
従って、液圧室29の加圧時に、ピストン15が前進して摩擦パッド12,13に当接すると共に、低弾性部材34が圧縮変形して可動子32が移動すると、低弾性部材34の変形量が最大になったときに、高弾性部材36が可動子32により所定の位置に位置決めされることとなり、ピストン15の前進量に拘らず、低弾性部材34の圧縮変形量だけピストン15を戻すことができ、ピストン15の戻り量を適正に確保して摩擦パッド12,13の引きずり現象の発生を抑制することができる。
また、実施例4のディスクブレーキ装置では、シリンダ部21とピストン15との間にピストン15と可動子32を前進させるための液圧室29を設け、シリンダ部21と可動子32との間に液圧室29をシールする第1シール部材39を設けると共に、可動子32とピストン15との間に液圧室29をシールする第2シール部材62を設けている。従って、液圧室29は、専用のシール部材39,62により液封され、作動液の漏洩が防止されることとなり、高弾性部材36は、低弾性部材34よりも高い弾性力を設定する必要があるものの、シール性能が不要となるその弾性力(せん断剛性力)を低下させることができ、ピストン15のストロークを追従させることができると共に、製造の容易化や低コスト化を図ることができる。
なお、この実施例3では、第1弾性部材を低弾性部材34とし、第2弾性部材を高弾性部材36としたが、この構成に限定されるものではない。即ち、本実施例では、第2シール部材62が可動子32の収納溝61に収納された状態で、ピストン15の外周面15aに押圧することで、可動子32とピストン15との間に所定の緊迫力を設定し、シールしている。そのため、高弾性部材36がシール機能を有する必要はなく、この高弾性部材36を低弾性部材34よりも低い弾性力に設定することができる。
図12は、本発明の実施例5に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例5のディスクブレーキ装置にて、図12に示すように、シール機構70は、除圧時にピストン15を引き戻すピストン戻し機構として機能する。即ち、キャリパ14のシリンダ部21には支持孔14aが形成され、ピストン15の外周面15aが所定隙間をもって移動自在に支持され、この支持孔14aの内周面にリング溝31が形成されている。このリング溝31内には、可動子32が収容されている。
可動子32は、前面32aにリング形状をなす第1収納溝33が形成され、この第1収納溝33に第1低弾性部材34が収納されている。また、可動子32は、後面32bにリング形状をなす第2収納溝71が形成され、この第2収納溝71に第2低弾性部材72が収納されている。この低弾性部材34,72は、可動子32の各収納溝33,71に収納された状態で、リング溝31の各壁面31a,31bに押圧しており、可動子32とリング溝31(シリンダ部21)との間に所定の緊迫力を設定している。つまり、低弾性部材34,72は、弾性支持部材として機能し、可動子32を、リング溝31内でフローティング支持、つまり、ピストン15の前進方向及び後退方向に移動可能に付勢支持している。また、低弾性部材34,72を弾性支持部材とすることで、可動子32の起動荷重が、低摩擦材73の摩耗抵抗となる。
そのため、液圧室29への初期加圧時には、ピストン15と共に可動子32が前進して第1低弾性部材34を圧縮可能であり、除圧時には、ピストン15と共に可動子32が後退して第2低弾性部材72を圧縮可能となっている。
可動子32は、取付溝41が形成され、この取付溝41に高弾性部材42が装着されている。この高弾性部材42は、低弾性部材34,72よりも高い弾性力を有し、内周部がカップ形状となってピストン15に押圧支持されている。また、可動子32は、取付溝41の前面32a側が面取り加工されることで、吸収溝43が形成されている。
可動子32の外周面32cとリング溝31の側壁面31cとの間にシール部材としての低摩擦材73が介装されている。
従って、可動子32は、低弾性部材34,72によりリング溝31内で前進方向及び後退方向に移動可能に付勢支持されていることから、可動子32が前進するときには、第1低弾性部材34を圧縮する一方、可動子32が後退するときには、第2低弾性部材72を圧縮することとなる。また、ピストン15の起動荷重より低摩擦材73の摩擦抵抗による可動子32の起動荷重を大きく設定している。
なお、シール機構70におけるその他の作動は、前述の各実施例と同様であるため、説明は省略する。
このように実施例5のディスクブレーキ装置にあっては、シール機構70として、ピストン15の初期加圧により圧縮変形可能な第1低弾性部材34と、第1低弾性部材34の変形に追従して移動可能であると共に第1低弾性部材34の圧縮変形量を規定する可動子32と、リング溝31の前面31aと可動子32との間に介装されて第1低弾性部材34の変形量が最大になったときに可動子32により所定の位置に位置決めされる高弾性部材42とを設けている。
従って、液圧室29の加圧時に、ピストン15が前進して摩擦パッド12,13に当接すると共に、第1低弾性部材34が圧縮変形して可動子32が移動すると、第1低弾性部材34の変形量が最大になったときに、高弾性部材42が可動子32により所定の位置に位置決めされることとなり、ピストン15の前進量に拘らず、第1低弾性部材34の圧縮変形量だけピストン15を戻すことができ、ピストン15の戻り量を適正に確保して摩擦パッド12,13の引きずり現象の発生を抑制することができる。
また、実施例5のディスクブレーキ装置では、可動子32の前面32aに第1収納溝33を形成して第1低弾性部材34を収納する一方、後面32bに第2収納溝71を形成して第2低弾性部材72を収納している。従って、可動子32は、低弾性部材34,72によりリング溝31内で前進方向及び後退方向に移動可能に付勢支持されていることから、可動子32が前進するときには、第1低弾性部材34を圧縮する一方、可動子32が後退するときには、第2低弾性部材72を圧縮することとなる。そのため、車両の旋回時にディスクロータ11が軸方向に倒れるように移動した場合であっても、可動子32がこれを吸収することができ、車両旋回後の直線で、ディスクロータの倒れが戻れば、ピストン15も所定の位置に戻すことができ、作動液量の増加を抑制して制動感を向上することができる。
以上のように、本発明に係るディスクブレーキ装置は、ピストンを適正に戻してパッドの引きずり現象の発生を抑制可能とするものであり、いずれのディスクブレーキ装置に適用しても好適である。
本発明の実施例1に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図である。 実施例1のピストン戻し機構の作動を表す断面図である。 実施例1のピストン戻し機構の作動を表す断面図である。 実施例1のピストン戻し機構の作動を表す断面図である。 ピストン液圧に対するピストンストローク量を表すグラフである。 実施例1のディスクブレーキ装置を表す断面図である。 本発明の実施例2に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図である。 実施例2のピストン戻し機構の作動を表す断面図である。 実施例2のピストン戻し機構の作動を表す断面図である。 本発明の実施例3に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図である。 本発明の実施例4に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図である。 本発明の実施例5に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図である。
符号の説明
11 ディスクロータ
12 インナパッド(摩擦パッド)
13 アウタパッド(摩擦パッド)
14 キャリパ
15 ピストン
16 シリンダ機構
21 シリンダ部
28,40,50,60,70 シール機構(ピストン戻し機構)
29 液圧室
31 リング溝
32 可動子(位置決め部材)
34,72 低弾性部材(第1弾性部材)
36,42,52 高弾性部材(第2弾性部材)
37,54 吸収溝
39,62 シール部材

Claims (8)

  1. 回転軸心回りに回転するディスクロータと、
    該ディスクロータの摩擦面に対向する摩擦パッドと、
    該摩擦パッドを前記ディスクロータの摩擦面に接近離間可能に支持するシリンダと、
    該シリンダに支持されて加圧時に前進して前記摩擦パッドを前記ディスクロータに押付可能なピストンと、
    該ピストンの初期加圧により圧縮変形可能な第1弾性部材と、
    該第1弾性部材の変形に追従して移動可能であると共に前記第1弾性部材の圧縮変形量を規定する位置決め部材と、
    前記ピストンと前記位置決め部材との間に介装されると共に前記第1弾性部材の変形量が最大になったときに前記位置決め部材により所定の位置に位置決めされる第2弾性部材と、
    を備えることを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 前記第2弾性部材は、前記位置決め部材に設けられ、前記ピストンに対して予め設定された所定の押圧力が設定されることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
  3. 前記位置決め部材の起動荷重が前記ピストンの起動荷重よりも大きく設定されることを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ装置。
  4. 前記シリンダの内周面に前記ピストンの外周面と対向してリング溝が形成され、該リング溝に前記位置決め部材が前記ピストンの移動方向に沿って予め設定された所定ストロークだけ移動可能に収容され、前記位置決め部材と前記リング溝における前記ピストンの前進側の面との間に前記第1弾性部材が介装されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のディスクブレーキ装置。
  5. 前記第2弾性部材は、基端部が前記位置決め部材に形成されて取付溝に取付けられる一方、先端部が前記ピストンに押圧支持され、前記位置決め部材に前記第2弾性部材が前記ピストンの前進側に弾性変形可能な切欠部が前記取付溝に形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のディスクブレーキ装置。
  6. 前記シリンダと前記ピストンとの間に該ピストンと前記位置決め部材を前進させるための液圧室が設けられ、前記シリンダと前記位置決め部材との間に前記液圧室をシールする第1シールが設けられると共に、前記位置決め部材と前記ピストンとの間に前記液圧室をシールする第2シールが設けられることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のディスクブレーキ装置。
  7. 前記ピストンの非加圧時に前記位置決め部材を前記ピストンの前進方向及び前記ピストンの後退方向に移動可能に弾性支持する弾性支持部材が設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のディスクブレーキ装置。
  8. 前記第1弾性部材と前記第2弾性部材とを有して除圧時に前記ピストンを引き戻すピストン戻し機構と、前記ピストンと前記ピストン戻し機構との相対移動を規制する規制機構とを設けることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載のディスクブレーキ装置。
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