JP2000283196A - 電動式ブレーキ装置 - Google Patents

電動式ブレーキ装置

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JP2000283196A
JP2000283196A JP11093787A JP9378799A JP2000283196A JP 2000283196 A JP2000283196 A JP 2000283196A JP 11093787 A JP11093787 A JP 11093787A JP 9378799 A JP9378799 A JP 9378799A JP 2000283196 A JP2000283196 A JP 2000283196A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制動力を解除したときにアウタ側の摩擦パッ
ドのパッドクリアランスを確保して摩擦パッドの引き摺
り現象を防止することで、摩擦パッドの寿命、信頼性を
向上させる。 【解決手段】 電動キャリパ1の背面に、キャリア10
と一体化した戻し機構31を設け、制動時に電動キャリ
パ1のキャリア10に対する移動量を皿ばね31Aの変
形として蓄えておき、制動解除時には皿ばね31Aの復
元力により電動キャリパ1をアウタ側に移動させること
によりアウタ側の摩擦パッドのパッドクリアランスを確
保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両等に制
動力を付与するのに用いられるブレーキ装置に関し、特
に、電動モータによって制動力を発生させるようにした
電動式ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両の非回転部分に設けられる
取付部材と、該取付部材に対してディスクの軸方向に変
位可能に取付けられたキャリパと、該キャリパによりデ
ィスクの両面側に押圧され、該ディスクに制動力を付与
する一対の摩擦パッドとからなるディスクブレーキとし
てのブレーキ装置は知られている。
【0003】そして、これらのブレーキ装置にあって
は、キャリパ内に電動モータを設け、該電動モータの回
転出力(トルク)をピストンの軸方向変位に変換するこ
とにより、一対の摩擦パッドをディスクの両面に押圧す
る構成とした電動式ブレーキ装置が知られている(例え
ば、WO96/03301号公報等)。
【0004】この種の従来技術による電動式ブレーキ装
置では、ピストンに軸方向押圧力を発生させる手段であ
る電動アクチュエータとして、電動モータのモータステ
ータをキャリパ内に固定して設け、該モータステータの
径方向内側にはモータロータを設けると共に、該モータ
ロータの内周側にはモータロータの回転をピストンの軸
方向変位に変換するボールねじ機構を設ける構成として
いる。
【0005】そして、従来技術の電動式ブレーキ装置
は、車両の運転者がブレーキペダルを踏込み操作する
と、このときの操作量に応じた回転角または回転トルク
をもって前記電動モータを回転駆動し、前記ボールねじ
機構で電動モータの回転をピストンの軸方向変位に変換
すると共に、該ピストンの軸方向押圧力で一対の摩擦パ
ッドをディスクの両面に押圧することにより、ディスク
を介して車両に制動力を与えるものである。この場合、
一対の摩擦パッドのうち作用部側(例えばインナ側)に
ある一方の摩擦パッドをピストンによりディスクの一側
面に押圧すると、このときの押圧反力がキャリパに働く
ことにより、キャリパが取付部材に対してピストンの押
圧方向とは逆向きに摺動変位する。これにより、キャリ
パに設けられた反作用部が他方の摩擦パッドをディスク
の他側面に押圧し、該ディスクは当該一方の摩擦パッド
と当該他方の摩擦パッド間で挟持され制動力が付与され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による電動式ブレーキ装置は、回転しているディ
スクに対して制動力を付与するときに、キャリパをピス
トンの押圧方向とは逆向きに摺動変位させることによっ
て、インナ側の摩擦パッドとアウタ側の摩擦パッドとの
間でディスクを挟持し、制動力を発生するものである。
【0007】しかし、制動力を解除するときには、前記
電動モータを逆回転させてピストンをディスクから後退
させた状態でも、キャリパが電動モータを内部に有して
いるため比較的重く、そのためキャリパが取付部材に対
してピストンの後退方向とは逆向きに摺動変位しないこ
とがあり、インナ側の摩擦パッドとディスクとの間にク
リアランスを確保できるとしても、アウタ側の摩擦パッ
ドとディスクとの間にクリアランスを確保するのが難し
いという問題がある。
【0008】このため、従来技術では、制動力を解除し
たときにもアウタ側の摩擦パッドがディスクに接触し続
け、所謂パッドの引き摺り現象が発生することがあり、
アウタ側の摩擦パッドが早期に摩耗するばかりでなく、
例えば車両の駆動力が摩擦パッドの引き摺りにより無駄
に消費され、燃費性能を低下させるという問題がある。
【0009】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みて
なされたもので、本発明の目的は、制動力を解除したと
きにパッドクリアランスを良好に確保でき、パッドの引
き摺り現象を防止できると共に、摩擦パッドの摩耗を低
減して寿命を向上できるようにし、また車両の燃費向上
に貢献できる電動式ブレーキ装置を提供することにあ
る。
【0010】また、本発明の他の目的は、ブレーキ操作
を繰り返すうちに摩擦パッドが徐々に摩耗した場合で
も、ディスクと摩擦パッドとの間のクリアランスを自動
的に調節でき、ブレーキ操作時の応答性を向上できるよ
うにした電動式ブレーキ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、車両の非回転部分に固定された取付
部材と、ディスクの外周側を跨いで、該取付部材に対し
てディスクの軸線方向に摺動可能に支持されるととも
に、ディスクを挟んでディスクの径方向外周側から内周
側にそれぞれ延びる作用部および反作用部を備えたキャ
リパと、ディスクを挟んで配置され、ディスクの軸線方
向にディスクに対して進退自在に設けられる一対の摩擦
パッドと、前記キャリパの作用部に設けられ、該一対の
摩擦パッドのうち作用部側の摩擦パッドをディスクに対
して進退させる電動アクチュエータとを備え、該電動ア
クチュエータの作動によって前記作用部側の摩擦パッド
をディスクに押しつけた反力で前記キャリパを取付部材
に対して摺動させることにより、前記反作用部が前記一
対の摩擦パッドのうち反作用部側の摩擦パッドをディス
クに押しつける構成の電動式ブレーキ装置において、取
付部材またはキャリパのいずれか一方に設けられ、キャ
リパの摺動方向に延びるガイド部材と、該ガイド部材上
にそのガイド方向に摺動抵抗をもって取付けられる位置
決め部材と、一端側が該位置決め部材に、他端側が取付
部材またはキャリパのいずれか他方にそれぞれ係合し、
制動時のキャリパの取付部材に対する移動量に応じて変
形され、制動解放時の反作用部側の摩擦パッドのディス
クに対するクリアランスを規定する弾性部材とからな
り、前記位置決め部材の摺動抵抗は、弾性部材が前記ク
リアランスの範囲内分だけ変形された場合の復元力より
も大きく構成されてなることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図とともに説明する。
【0013】図1は、本発明の実施の形態の電動式ブレ
ーキ装置の縦断面図であり、図2は該電動式ブレーキ装
置を上から見た図である。
【0014】図中、10は車両の非回転部分に取付けら
れる取付部材としてのキャリアで、該キャリア10は、
例えば車両の非回転部分(図示せず)にボルト等を介し
て固着され、図2に示すようにディスク7の軸方向(イ
ンナ側からアウタ側)に向けて延びる一対の腕部10
A、10Bを有している。
【0015】そして、キャリア10の各腕部10A、1
0Bは、車両の車輪(図示せず)と一体に回転するディ
スク7の外周側を跨ぎ、該ディスク7の軸方向両側で後
述のインナ側摩擦パッド6とアウタ側摩擦パッド8を摺
動可能に支持する構成となっている。また、キャリア1
0にはディスク7のアウタ側で各腕部10A、10B間
を一体に連結するアーチ状の補強部10Cが設けられ、
該補強部10Cはキャリア10全体の剛性を高めるもの
である。
【0016】11は一対の摺動ピン12A、12Bを介
してキャリアに固定された固定端で、該固定端11は剛
性材料により、図2に示すようにコ字形状をなす枠板と
して形成され、その両端側は摺動ピン12A、12Bの
端部に螺合等の手段で固着されている。そして、固定端
11は後述するハウジング2の背面側(図2における右
側)を左右方向に延び、その中間部にはガイド部材とし
ての戻しロッド11Aが一体に設けられている。
【0017】即ち、戻しロッド11Aはキャリア10の
一部をなし、その先端側は後述の挿通孔30を介してハ
ウジング2内へと摺動可能に挿入されている。
【0018】1はキャリア10に対してディスク7の軸
方向に変位可能に取付けられた電動キャリパで、該電動
キャリパ1は、図1に示すように、ディスク7の一端側
(インナ側)に位置するハウジング2と、ディスク7の
他端側(アウタ側)に位置する反作用部としての爪部9
と、ディスク7の外周側を跨いでハウジング2を爪部9
に一体に連結したブリッジ部33とから大略構成され、
ハウジング2の一端側には蓋体34が設けられている。
【0019】また、ハウジング2にはディスク7の周方
向に離間して連結部2A、2Bが設けられ、該連結部2
A、2Bは図2に示すように摺動ピン12A、12Bの
外周側に挿嵌されている。そして、電動キャリパ1は連
結部2A、2B(摺動ピン12A、12B)によりキャ
リア10に対してディスク7の軸方向(図2中の左右方
向)に摺動変位可能に支持されるものである。
【0020】さらに、ハウジング2の蓋体34には、該
蓋体34の外側(図1の右側)から同軸上に大径部分と
小径部分の2段の段付き孔が穿孔されていて、大径部分
は蓋体34を貫通せず、小径部分は蓋体34を貫通する
挿通孔30となっている。このため、大径部分が貫通せ
ず小径部分が貫通している部分には、フランジ34Bが
形成されている。前記段付き孔の外側(図1の右側)に
は戻し機構蓋35が設けられていて、該戻し機構蓋35
には、挿通孔30と同軸上に挿通孔30と略同径の戻し
機構蓋孔35Aが穿孔されている。
【0021】戻し機構蓋孔35Aと挿通孔30には、戻
しロッド11Aが摺動可能に挿通されている。前記段付
き孔の大径部分内には、フランジ34Bに当接して弾性
体としての皿ばね31Aが、また該皿ばね31Aに当接
して位置決め部材としてのコイルスプリング31Bがそ
の軸線を戻しロッド11Aに挿通されている。ここで、
何らの外力を加えない状態でのコイルスプリング31B
の内径は戻しロッド11Aの直径よりもやや小さく設定
されており、そのためコイルスプリング31Bは戻しロ
ッド11Aに相当量の摺動抵抗を持ちながら摺動可能に
挿通されており、その摺動抵抗の値は、皿ばね31Aが
縮むのに必要な力の値より相当量大きく設定されてい
る。戻し機構蓋35および戻し機構蓋孔35A、戻しロ
ッド11A、皿ばね31A、コイルスプリング31B、
フランジ34Bにより、戻し機構31が形成されてい
る。
【0022】ハウジング2内部には、モータロータ3と
モータステータ4とにより、電動アクチュエータとして
の電動モータが構成されており、図示しない外部の給電
装置と電気的に接続されていて、給電が行われると、モ
ータロータ3がその軸を中心として回転する。このと
き、モータロータ3の回転方向は、給電時の電流を切り
換えることにより正回転と逆回転とが可能である。
【0023】モータロータ3内には、ピストン21Aが
摺動可能に嵌装されており、モータロータ3の内周面と
ピストン21Aの外周面との摺動部分にはボールねじ機
構21が設けられている。これにより、モータロータ3
が回転すると、ボールねじ機構21によりピストン21
Aは軸方向に移動(進退動作)する。
【0024】32はピストン21Aの一端(後端)側に
設けられた廻り止めプレートで、該廻り止めプレート3
2は蓋体34に近接した位置でピストン21Aに固着さ
れ、その外周側は蓋体34の係止溝34Aに摺動可能に
係止している。そして、ピストン21Aは廻り止めプレ
ート34によりモータロータ3内での回転が規制され、
ピストン21Aは回転することなく軸方向(図1の左右
方向)に進退動作する。
【0025】ピストン21Aの他端側には、作用部とし
ての押圧ヘッド5がボルト等を用いて固着されていて、
該押圧ヘッド5はピストン21Aとともに軸方向に進退
動作する。図1の左方向にピストン21Aが移動した場
合、押圧ヘッド5は後述するインナ側摩擦パッド6をデ
ィスク7へ押圧する構成となっている。
【0026】6、8はディスク7の両面側に配設された
一対の摩擦パッドで、該摩擦パッド6、8は、図2に示
すキャリア10の各腕部10A、10Bにディスク7の
軸方向に移動可能に支持されている。
【0027】次に、以上のように構成された本実施の形
態の電動ブレーキ装置の作動について、以下に説明す
る。
【0028】ブレーキ操作により、図示しない外部の給
電装置から制動のため電動モータに給電が行われると、
モータロータ3が正回転して、図3に示すように、ピス
トン21Aが図3の左方向に移動し、押圧ヘッド5がイ
ンナ側摩擦パッド6をディスク7の一側面に向けて押圧
する。
【0029】また、図4に示すように、押圧パッド5が
インナ側摩擦パッド6をディスク7の一側面に向けて押
圧した反力で、電動キャリパ1全体がキャリア10に対
して図4の右方向に摺動変位する。これにより、アウタ
側摩擦パッド8が電動キャリパ1の爪部9と共にディス
ク7の他側面に向けて押圧される。
【0030】さらにピストン21Aが図3の左方向に移
動すると、押圧ヘッド5がインナ側摩擦パッド6をディ
スク7の一側面に向けてさらに強く押圧し、この反力で
電動キャリパ1全体がキャリア10に対してさらに図4
の右方向に摺動変位し、これによりにアウタ側摩擦パッ
ド8が電動キャリパ1の爪部9と共にディスク7の他側
面に向けてさらに押圧される。
【0031】そして、このように各摩擦パッド6、8が
ディスク7を両面側から強く挟持することにより、回転
しているディスク7に対して制動力を与える。
【0032】電動キャリパ1全体がキャリア10に対し
て、図4の右方向に摺動変位したとき、電動キャリパ1
と一体になっているフランジ34Bがキャリア10と一
体になっている固定端11に対して図4の右方向に動く
が、戻し機構31内ではコイルスプリング31Bと戻し
ロッド11Aとの摺動抵抗は皿ばね31Aが縮むのに必
要な力より大きいため、コイルスプリング31Bは図4
の右方向には動かず、皿ばね31Aが縮められる。
【0033】一方、ブレーキ操作が解除されると、図示
しない外部の給電装置から、制動解除のため、前述の制
動時とは電流が切り換えられて電動モータに給電が行わ
れる。すると、モータロータ3が前述の制動時とは逆に
回転して、図5に示すように、ピストン21Aが図5の
右方向、すなわち制動時とは逆の方向に移動し、インナ
側摩擦パッド6のディスク7の一側面に向けての押圧が
解除され、インナ側摩擦パッド6がディスク7から離間
する。
【0034】インナ側摩擦パッド6がディスク7から離
間するに従って、図6に示すように、電動キャリパ1を
キャリア10に対して図6の右方向に移動させようとす
る反力が解消され、該反力により制動時には縮められて
いた皿ばね31Aがもとに戻ろうとする力により、電動
キャリパ1全体がキャリア10と一体になっている固定
端11に対して図6の左方向に動き、これにより電動キ
ャリパ1の爪部9によってディスク7に押圧されていた
アウタ側摩擦パッド8がディスク7から離間する。
【0035】なお、このとき、それぞれ押圧ヘッド5と
インナ側摩擦パッド6、爪部9とアウタ側摩擦パッド8
とは互いに固着されていないが、ディスク7への押圧が
解除されると、摩擦パッド6、8は、ディスク7軸方向
に移動自在にキャリア10に支持されているので、ディ
スク7の回転時の振れによりディスク7から離間するも
のである。
【0036】このように、本発明の実施の形態によれ
ば、制動時に縮められた皿ばね31Aが元に戻ろうとす
る力により、確実にアウタ側摩擦パッド8をディスク7
から離間させることができる。
【0037】これにより、非制動時のアウタ側摩擦パッ
ド8の引き摺りを解消できるため、摩擦パッドの摩耗を
低減して寿命、信頼性を向上でき、また車両の燃費向上
に貢献できる。
【0038】なお、摩擦パッド6、8が摩耗してディス
ク7との隙間の距離が一定量以上大きくなると、制動時
のピストン21Aの摺動変位量が大きくなり、またそれ
に伴って電動キャリパ1のキャリア10に対する変位量
も大きくなるが、本発明の電動ブレーキ装置において
は、ブレーキ操作時にこの電動キャリパ1のキャリア1
0に対する変位量が皿ばね31Aの圧縮変形可能な量を
超えた場合、皿ばね31Aが最大量圧縮変形した後は、
フランジ34Bはその超えた変位量の分だけ、最大量圧
縮変形している皿ばね31Aと摺動抵抗を持って戻しロ
ッド11Aに挿通されているコイルスプリング31Bを
戻しロッド11Aに対して摺動させる。
【0039】そして、ブレーキ操作解除時には、コイル
スプリング31Bは摺動後の位置に留まるため、皿ばね
31Aは当該摺動後の位置のコイルスプリング31Bに
当接した位置で電動キャリパ1を図1の左方向に押して
圧縮変形状態から復元し、アウタ側摩擦パッド8はディ
スク7から離間する。
【0040】このとき、電動キャリパ1が皿ばね31A
によって戻される量は皿ばね31Aの最大圧縮変形量に
略等しく、アウタ側摩擦パッド8とディスク7との隙間
の距離は、皿ばね31Aの最大圧縮変形量と略等しい長
さに調整される。
【0041】また、本発明の電動ブレーキ装置において
は、ブレーキ操作時にインナ側摩擦パッド6がディスク
7に押圧されたときのピストン21Aの電動キャリパ1
内での位置が、給電時の電流の変化から推定でき、ブレ
ーキ操作解除時には当該位置を基準にしてピストン21
Aを一定量戻すよう給電が行われ、また前述のように電
動キャリパ1が皿ばね31Aによって戻される量すなわ
ちインナ側摩擦パッド6が皿ばね31Aによってディス
ク7に再度近づく量も一定なので、インナ側摩擦パッド
6とディスク7との隙間の距離は一定に調整される。
【0042】このように、摩擦パッド6、8とディスク
7との隙間の距離が常に一定に調整されるので、摩擦パ
ッド6、8が摩耗した場合でも、摩擦パッドとディスク
の距離が広がってブレーキ操作開始から実際に摩擦パッ
ドがディスクに押圧されるまでの時間が変化してしまう
ことが防止でき、ブレーキ操作時の応答性を向上でき
る。
【0043】なお、本実施の形態では、戻し機構31を
電動キャリパ1の背面に設けてあるが、これに限るもの
ではなく、例えば図7に示すように、連結部2A、2B
に設けてもよい。この場合、一対の摺動ピン12A、1
2Bはキャリア10に固定されているので、固定端11
および戻しロッド11Aを省略できるメリットがある。
【0044】また、本実施の形態においては、位置決め
部材としてコイルスプリングを用いているが、これに限
るものではなく、図8(戻し機構の部分拡大図)に示す
ように円筒状のケース31E内に波型ばね31Dを納め
たものでもよく、また戻しロッド11Aとの間に相当量
の摺動抵抗を生じるような他のものでもよい。
【0045】また、皿ばね31Aの最大圧縮変形量を調
整するため、また皿ばね31Aが過度に変形してその弾
力特性が変化してしまうのを防止するために、例えば図
8に示すように皿ばね31Aとフランジ34Bとの間に
リング31Fを設けてもよい。
【0046】また、弾性部材は、皿ばね31Aに限るも
のではなく、制動時に電動キャリパ1のキャリア10に
対する移動量に応じて変形され、制動解放時には復元力
により電動キャリパ1をアウタ側に戻す構成であれば、
他の弾性体、例えばゴムやコイルばね等を用いてもよ
い。
【0047】また、本実施の形態においては、取付部材
であるキャリアに対するキャリパの移動によって弾性部
材が圧縮させ、その復元力でキャリパを移動させアウタ
側の摩擦パッドをディスクから離間させる構成としてい
るが、これに限るものではなく、例えば、引っ張りばね
を用いて、キャリアに対するキャリパの移動によって弾
性部材が伸長し、その復元力でキャリパを移動させアウ
タ側の摩擦パッドをディスクから離間させる構成として
もよい。
【0048】また、本実施の形態においては、取付部材
であるキャリアにガイド部材が設けられ、当該ガイド部
材上に位置決め部材が設けられ、弾性部材の一端が当該
位置決め部材に、他端がキャリパにそれぞれ係合する構
成となっているが、これに限るものではなく、キャリパ
にガイド部材が設けられ、当該ガイド部材上に位置決め
部材が設けられ、弾性部材の一端が当該位置決め部材
に、他端が取付部材にそれぞれ係合する構成としてもよ
い。
【0049】
【発明の効果】上記のように、本発明は、電動式ブレー
キ装置において、取付部材またはキャリパのいずれか一
方に設けられ、キャリパの摺動方向に延びるガイド部材
と、該ガイド部材上にそのガイド方向に摺動抵抗をもっ
て取付けられる位置決め部材と、一端側が該位置決め部
材に、他端側が取付部材またはキャリパのいずれか他方
にそれぞれ係合し、制動時のキャリパの取付部材に対す
る移動量に応じて変形され、制動解放時の反作用部側の
摩擦パッドのディスクに対するクリアランスを規定する
弾性部材とからなることにより、制動力を解除したとき
にパッドクリアランスを良好に確保でき、パッドの引き
摺り現象を防止できると共に、摩擦パッドの摩耗を低減
して寿命を向上でき、また車両の燃費向上に貢献できる
ものであり、また、前記位置決め部材の摺動抵抗が、弾
性部材が前記クリアランスの範囲内分だけ変形された場
合の復元力よりも大きく構成されていることにより、ブ
レーキ操作を繰り返すうちに摩擦パッドが徐々に摩耗し
た場合でも、位置決め部材がガイド部材との摺動抵抗に
抗して摩擦パッドの摩耗にしたがって移動することによ
り、ディスクと摩擦パッドとの間のクリアランスを自動
的に調節でき、ブレーキ操作時の応答性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動ブレーキ装置の1実施例の縦断面
図である。
【図2】本発明の電動ブレーキ装置の1実施例の上面図
である。
【図3】本発明の電動ブレーキ装置の動作を示す縦断面
図である。
【図4】同上
【図5】同上
【図6】同上
【図7】本発明の電動ブレーキ装置の実施例の変形例で
ある。
【図8】同上
【符号の説明】
1 電動キャリパ 2 ハウジング 2A (ハウジング)連結部 2B (ハウジング)連結部 3 モータロータ 4 モータステータ 5 押圧ヘッド(作用部) 6 インナ側摩擦パッド 7 ディスク 8 アウタ側摩擦パッド 9 爪部(反作用部) 10 キャリア(取付部材) 10A (キャリア)腕部 10B (キャリア)腕部 10C (キャリア)補強部 11 固定端 11A 戻しロッド(ガイド部材) 12A 摺動ピン 12B 摺動ピン 21 ボールねじ機構 21A ピストン 30 挿通孔 31 戻し機構 31A 皿ばね(弾性体) 31B コイルスプリング(位置決め部材) 31D 波型ばね 31E ケース 31F リング 32 廻り止めプレート 33 ブリッジ部 34 蓋体 34A 係止溝 34B フランジ 35 戻し機構蓋 35A 戻し機構蓋孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の非回転部分に固定された取付部材
    と、ディスクの外周側を跨いで、該取付部材に対してデ
    ィスクの軸線方向に摺動可能に支持されるとともに、デ
    ィスクを挟んでディスクの径方向外周側から内周側にそ
    れぞれ延びる作用部および反作用部を備えたキャリパ
    と、ディスクを挟んで配置され、ディスクの軸線方向に
    ディスクに対して進退自在に設けられる一対の摩擦パッ
    ドと、前記キャリパの作用部に設けられ、該一対の摩擦
    パッドのうち作用部側の摩擦パッドをディスクに対して
    進退させる電動アクチュエータとを備え、該電動アクチ
    ュエータの作動によって前記作用部側の摩擦パッドをデ
    ィスクに押しつけた反力で前記キャリパを取付部材に対
    して摺動させることにより、前記反作用部が前記一対の
    摩擦パッドのうち反作用部側の摩擦パッドをディスクに
    押しつける構成の電動式ブレーキ装置において、取付部
    材またはキャリパのいずれか一方に設けられ、キャリパ
    の摺動方向に延びるガイド部材と、該ガイド部材上にそ
    のガイド方向に摺動抵抗をもって取付けられる位置決め
    部材と、一端側が該位置決め部材に、他端側が取付部材
    またはキャリパのいずれか他方にそれぞれ係合し、制動
    時のキャリパの取付部材に対する移動量に応じて変形さ
    れ、制動解放時の反作用部側の摩擦パッドのディスクに
    対するクリアランスを規定する弾性部材とからなり、前
    記位置決め部材の摺動抵抗は、弾性部材が前記クリアラ
    ンスの範囲内分だけ変形された場合の復元力よりも大き
    く構成されてなることを特徴とする電動ブレーキ装置。
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