JP5093354B2 - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪と一体に回転するディスクロータを摩擦パッドにより挟持することで、その摩擦抵抗によりディスクロータを介して車輪に制動力を作用させるディスクブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なキャリパ浮動型のディスクブレーキ装置は、キャリパが、マウンティングブラケットに、車輪の回転軸線方向に移動可能に支持されている。この場合、キャリパに一対のスライドピンが設けられる一方、マウンティングブラケットに一対のスライドピンが嵌合される一対の嵌合孔が設けられ、スライドピンが嵌合孔に摺動自在に嵌合することで、キャリパの移動が許容される。このキャリパは、ディスクロータを跨ぐようなU字形状をなし、一方側にインナパッド(摩擦パッド)が移動自在に支持され、他方側にアウタパッド(摩擦パッド)が固定されている。また、ディスクロータは、一方側にインナパッドをディスクロータに押圧するピストンを有するアクチュエータが設けられている。
【0003】
従って、ドライバがブレーキペダルを踏み込むと、その踏力によりアクチュエータが作動し、ピストンが前進してインナパッドをディスクロータに押圧すると共に、ピストンが前進する反力によりキャリパが移動してアウタパッドをディスクロータに押圧する。そのため、一対のパッドによりディスクロータが挟持されることで、ディスクロータを介して車輪に制動力を作用させることができる。
【0004】
ところで、上述したディスクブレーキ装置にて、キャリパのシリンダ孔には、ピストンが移動自在に支持されると共に、ピストンシールにより液密に保持されており、制動時に、シリンダ孔の液圧室へ作動液が供給されると、ピストンがピストンシールを変形させながら前進し、液圧室からの液圧解除時には、変形したピストンシールの復元力によりピストンが液圧室側へ後退するように構成されている。ところが、乗員によりブレーキペダル踏力が過大であるとき、ピストンがディスクロータ側へ所定以上に押し込まれ、ピストンとピストンシールとの間で相対移動が発生し、ピストンシールの復元力によりピストンを十分に後退させることができず、パッドがディスクロータに接触し続ける、所謂、引きずりが発生してしまう。すると、パッドが回転するディスクロータに弾かれてピストンを押し返す、所謂、ノックバックを生じることがある。
【0005】
このような問題を解決するものとして、例えば、下記特許文献1、2に記載されたものがある。
【0006】
特許文献1に記載されたディスクブレーキ装置では、シリンダの内孔に環状のリング取付溝を形成すると共に、このリング取付溝のパッド側の開口縁にパッド側に面取り部を形成し、また、ピストンとシリンダ間をシールすると共に制動後の除圧時にピストンを戻すリトラクションリングをリング取付溝に組付けて構成し、リング取付溝のパッド側端壁に向けて開口する環状凹所をシリンダに形成すると共に、この環状凹所内に圧縮性材料からなりリトラクションリングの環状凹所内への進入変形を許容する変形許容リングを組付けている。従って、液圧の上昇に応じて増大するパッド及びシリンダの撓み量がリトラクションリングによるピストンのリトラクト量より大きくなる液圧を高い値に設定できるので、従来に比して高い液圧となる使用領域まで引きずりを低減することができる。
【0007】
また、特許文献2に記載されたディスクブレーキキャリパでは、キャリパ本体に形成された大径孔部に、リテーナによりピストンの外周面に摩擦係合するピストンシールを設けると共に、リテーナをピストンの後退方向に付勢する皿ばねを設けている。従って、ブレーキ液圧が低い場合には、皿ばねの予荷重によりリテーナの前進が阻止され、ピストンの前進によりピストンシールが面取部内へ弾性変形させられ、ブレーキ解除時、シールの復元力によりピストンがリトラクトされる一方、ブレーキパッド摩耗時には、シールが許容限度まで弾性変形させられた後にピストンのすべりによる前進が許容され、クリアランスを補正することができる。また、ブレーキ液圧が高い場合には、リテーナ及びシールが皿ばねの予荷重に打ち勝って前進するため、ピストンとの間にすべりが生じず、ピストンを確実にリトラクトし、パッドの引きずり現象の発生を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】
特開平07−253128号公報
【特許文献2】
特開平05−065929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した特許文献1のディスクブレーキ装置にあっては、リング取付溝、圧縮性材料からなるリトラクションリングの環状凹所内への進入変形を許容する変形許容リングを組付けることで、引きずりを低減するようにしている。ところが、ピストンとパッド(ロータ)間のクリアランスが圧力履歴、ノックバック、パッドの摩耗などにより変動し、この状態でブレーキをかけると、リトラクションリングの位置が安定せず、安定したリトラクトを得ることができない。そのため、引きずりが発生しても、これを解除することができず、ピストンとパッド(ロータ)間に規定値以上のクリアランスがあるときには、これを規定値に修正することが困難となる。
【0010】
また、特許文献2のディスクブレーキキャリパにあっては、ブレーキ液圧が高い場合に、リテーナ及びシールが皿ばねの予荷重に打ち勝って前進し、ピストンとの間のすべりを防止してピストンを確実に戻している。ところが、ブレーキパッドが摩耗し、ブレーキ液圧が高い場合には、ピストンが皿ばねの圧縮量以上に前進することがあり、ピストンとリトラクションリングとの間にすべりが生じ、ピストンを適正にリトラクトできず、パッドの引きずり現象が発生してしまう可能性がある。
[0011]
即ち、上述した各引用文献では、ピストンシールによりピストンを戻しているが、ピストンシールの復元力だけではピストンを十分に戻すことができず、パッドの引きずり現象が発生してしまうという問題がある。
[0012]
本発明は、このような問題を解決するものであって、ピストンを適正に戻してパッドの引きずり現象の発生を抑制可能とするディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0013]
上述した課題を解決してその目的を達成するために、本発明のディスクブレーキ装置は、回転軸心回りに回転するディスクロータと、該ディスクロータの摩擦面に対向する摩擦パッドと、該摩擦パッドを前記ディスクロータの摩擦面に接近離間可能に支持するシリンダと、該シリンダに支持されて加圧時に前進して前記摩擦パッドを前記ディスクロータに押付可能なピストンと、前記シリンダと前記ピストンの間に介装されて該ピストンと同方向に前進可能な可動子と、前記ピストンと前記可動子との間に弾装されて該可動子を前記ピストンに追従させる追従手段と、前記ピストンの加圧により前記可動子を介して圧縮変形可能な弾性手段と、を備え、前記ピストンの起動荷重が前記可動子の起動荷重よりも大きく設定され、前記ピストンと前記可動子は、予め設定された所定荷重が作用したときに相対移動可能に支持されることを特徴とするものである。
[0014]
本発明によるディスクブレーキ装置では、加圧時に前記ピストンと前記可動子とが一体に前進するとき、前記ピストンと前記可動子の一方の前進が阻止されることで、前記ピストンと前記可動子の他方が相対的に前進可能であり、減圧時に前記ピストンと前記可動子とが一体に後退可能であることを特徴としている。
[0015]
[0016]
本発明によるディスクブレーキ装置は、加圧時に前記ピストンが前進して前記摩擦パッドが前記ディスクロータに当接した後、前記ピストンに対して前記可動子が相対移動可能に支持されることを特徴とするものである。
[0017]
本発明によるディスクブレーキ装置では、前記追従手段は弾性部材であって、前記可動子に設けられ、前記ピストンに対して予め設定された所定の押圧力が設定されると共に、前記ピストンと前記可動子が相対移動したときの弾性変形による復元力が抑止されるようにピストン前進方向に逃がしがないように配置されることを特徴としている。
[0018]
本発明によるディスクブレーキ装置では、前記弾性部材は、前記ピストンの初期加圧により前記可動子を介して圧縮変形可能な低弾性手段と、前記ピストンの加圧により前記可動子を介して圧縮変形可能な前記低弾性手段より高い弾性力を有する高弾性手段とを有することを特徴としている。
[0019]
本発明によるディスクブレーキ装置では、前記低弾性手段と前記高弾性手段は、前記シリンダと前記可動子との間に直列に配置されることを特徴としている。
[0020]
本発明によるディスクブレーキ装置では、前記低弾性手段及び前記高弾性手段は、前記ピストンと前記可動子との間に区画される空間に配置されるOリングにより構成されることを特徴としている。
[0021]
本発明によるディスクブレーキ装置では、前記シリンダと前記ピストンとの間に該ピストンと前記可動子を前進させるための液圧室が設けられ、前記可動子と前記ピストンとの間に前記液圧室をシールする第1シールが設けられると共に、前記シリンダと前記可動子との間に前記液圧室をシールする第2シールが設けられることを特徴としている。
【0022】
本発明によるディスクブレーキ装置では、前記ピストンの非加圧時に前記可動子を前記ピストンの前進方向及び前記ピストンの後退方向に移動可能に弾性支持する弾性支持部材が設けられることを特徴としている。
【0023】
本発明によるディスクブレーキ装置では、前記追従手段は弾性部材であって、前記ピストンの外周面に設けられ、前記可動子の内周面に対して予め設定された所定の押圧力が設定されると共に、前記ピストンと前記可動子が相対移動したときの弾性変形による復元力が抑止されるようにピストン前進方向に逃がしがないように配置されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0024】
本発明のディスクブレーキ装置によれば、摩擦パッドをディスクロータの摩擦面に接近離間可能に支持するシリンダと、加圧時に前進して摩擦パッドをディスクロータに押付可能なピストンと、シリンダとピストンの間に介装されてピストンと同方向に前進可能な可動子と、ピストンと可動子との間に弾装されて可動子をピストンに追従させる追従手段と、ピストンの加圧により可動子を介して圧縮変形可能な弾性手段とを設け、ピストンと可動子を予め設定された所定荷重が作用したときに相対移動可能に支持している。また、加圧時に摩擦パッドがディスクロータに当接した後、ピストンに対して可動子を相対移動可能にしている。
【0025】
従って、ピストンが前進すると、追従手段を介して可動子が弾性手段を圧縮変形しながら前進することで、ほぼ全域でピストンと可動子とを追従させることとなり、液圧領域の全域で、圧力に依存した規定の戻り量を確保することが可能となる。また、ピストンと可動子が所定荷重で相対移動可能に支持されることで、両者が前進するときに相対移動が可能となり、ピストンを適正量だけ戻して摩擦パッドとディスクロータとを適正距離とすることが可能となる。その結果、パッドの引きずり現象の発生を抑制し、且つ、安定した制動フィーリングを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図である。
【図2】図2は、実施例1のピストン戻し機構の作動を表す断面図である。
【図3】図3は、ピストン液圧に対するピストンストローク量を表すグラフである。
【図4】図5は、実施例1のディスクブレーキ装置を表す断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施例2に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施例3に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施例4に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明に係るディスクブレーキ装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは、実質的に同一のものが含まれる。
【実施例1】
【0028】
図1は、本発明の実施例1に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図、図2は、実施例1のピストン戻し機構の作動を表す断面図、図3は、ピストン液圧に対するピストンストローク量を表すグラフ、図4は、実施例1のディスクブレーキ装置を表す断面図である。
【0029】
実施例1のディスクブレーキ装置は、図示しないが、車両に回転可能に支持された車輪に制動力を付与する装置であって、この車輪と一体的に回転自在に設けられたディスクロータと、車体側に車輪と相対回転不能に設けられてディスクロータを挟持することで、摩擦抵抗力を付与する一対の摩擦パッドと、この摩擦パッドをディスクロータに押し付けるピストンを有するアクチュエータとを有している。
【0030】
即ち、このディスクブレーキ装置は、図4に示すように、車輪(図示略)と一体的となって車軸の回転軸心回りに回転するディスクロータ11と、このディスクロータ11の両側の摩擦面に対向する一対の摩擦パッド12,13と、この一対の摩擦パッド12,13をディスクロータ11の摩擦面に接近離間可能に支持するキャリパ14と、一対の摩擦パッド12,13をピストン15によりディスクロータ11に押付可能なシリンダ機構(アクチュエータ)16とから構成されている。
【0031】
具体的に説明すると、キャリパ14は、ディスクロータ11を跨いだU字形状をなし、ピストン15を前後に移動可能とするシリンダ機構16が搭載されている。このキャリパ14は、シリンダ機構16が設けられるシリンダ部21と、このシリンダ部21とディスクロータ11を挟んで対向する位置に配置される爪部22と、シリンダ部21と爪部22とを連結する連結部23とから構成されている。
【0032】
このキャリパ14は、車体側に固定された図示しないマウンティングブラケットによりディスクロータ11の回転軸線方向、つまり、回転方向に直交する方向に沿って移動自在に支持されている。
【0033】
ディスクロータ11の両側の摩擦面に対向して配置される一対の摩擦パッド12,13は、キャリパ14におけるシリンダ部21側に配置されるインナパッド12と、爪部22側に配置されるアウタパッド13である。このインナパッド12及びアウタパッド13は、摩擦材24,25の基端部が裏金26,27に固定されて構成されている。そして、このインナパッド12及びアウタパッド13は、マウンティングブラケットによりディスクロータ11の回転軸線方向に沿って移動自在に支持されている。
【0034】
また、シリンダ機構16は、シリンダ部21にピストン15が移動自在に支持されると共に、シリンダ部21の内面にピストン15の外面に対してシール可能なシール機構28が装着されることで構成されている。そして、シリンダ部21とピストン15とシール機構28により液圧室(液圧室)29が区画され、ピストン15の先端部がインナパッド12の裏金26に対向している。
【0035】
従って、シリンダ機構16の液圧室29に作動液を供給して加圧すると、ピストン15が矢印A方向に前進し、このピストン15の前面がインナパッド12の裏金26を押圧し、このインナパッド12の前面をディスクロータ11の摩擦面に接近させることができる。また、このとき、キャリパ14は、ピストン15が前進するその移動反力によりこのピストン15とは逆方向、つまり、矢印B方向に前進し、アウタパッド13の押圧面をディスクロータ11の摩擦面に接近させることができる。
【0036】
そして、インナパッド12及びアウタパッド13がディスクロータ11の各摩擦面に押し付けられると、このインナパッド12及びアウタパッド13と、回転するディスクロータ11との間で摩擦抵抗力が発生し、このディスクロータ11に制動力を付与することができる。
【0037】
この場合、シリンダ部21に装着されたシール機構28における後述するシール部材がピストン15に密着しており、ピストン15の加圧時に、このピストン15がシール部材に追従して前進する。そして、ピストン15の除圧時には、ピストン15が所定の位置に戻される。そして、ピストン15が後退することで、インナパッド12がディスクロータ11から離間し、キャリパ14はピストン15が後退するその移動反力により後退し、アウタパッド13がディスクロータ11から離間する。
【0038】
実施例1のディスクブレーキ装置にて、上述したように、シール機構28は、除圧時にピストン15を引き戻すピストン戻し機構として機能する。シール機構28は、後述するが、シリンダ部21とピストン15の間に介装されてピストン15と同方向に前進可能な可動子と、ピストン15と可動子との間に弾装されて可動子をピストン15に追従させる追従手段と、ピストン15の初期加圧により可動子を介して圧縮変形可能な低弾性手段と、ピストン15の加圧により可動子を介して圧縮変形可能な低弾性手段より高い弾性力を有する高弾性手段とを有している。この場合、追従手段がシール部材として機能する。
【0039】
即ち、図1及び図4に示すように、キャリパ14のシリンダ部(シリンダ)21は、支持孔14aが形成されており、この支持孔14aには、ピストン15の外周面15aが所定空間をもって移動自在に支持されている。そして、このシリンダ部21の支持孔14aとピストン15の外周面15aとの間、つまり、この所定空間には、可動子31が挿入されている。この可動子31は、円筒形状をなし、内周面31aがピストン15の外周面15aに対向して所定隙間が形成される一方、外周面31bがシリンダ部21の支持孔14aの内面と対向し、所定隙間が形成されている。
【0040】
可動子31は、内周面31aにリング形状をなす収容溝32が形成され、この収容溝32に追従手段として機能する第1シール部材33が装着されている。また、可動子31は、外周面31aにリング形状をなす収納溝34形成され、この収納溝34に第2シール部材35が収納されている。この場合、第1シール部材33は、リング形状をなすと共に矩形断面形状をなす一方、第2シール部材35は、リング形状をなすと共に円形断面形状(所謂、Oリング)をなしている。そして、第1シール部材33は、第2シール部材35よりも高い弾性力を有しており、ピストン15と可動子31が相対移動したときの弾性変形による復元力が抑止されるようにピストン前進方向に逃がしがないように配置される。即ち、第1シール部材33は、外周部が収容溝32に嵌合して取付けられる一方、内周部がピストン15に押圧支持されている。この場合、第1シール部材33は、可動子31とピストン15との間に介装された状態で、ピストン15に対して予め設定された所定の押圧力、つまり、可動子31とシリンダ部21との間に介装された第2シール部材35の緊迫力より大きな緊迫力が設定される。また、ピストン15と可動子31が相対移動したときに、第1シール部材33は、可動子31と一体に移動し、弾性変形による復元力が作用しないように設定されている。
【0041】
また、シリンダ部21とピストン15に対して液圧室29が設定されている。そして、第1シール部材33は、可動子31の収容溝32に収納された状態で、ピストン15の外周面15aに押圧しており、可動子31とピストン15との間に所定の緊迫力を設定している。一方、第2シール部材35は、可動子31の収納溝34に収納された状態で、シリンダ部21における支持孔14aの内周面に押圧しており、可動子31とシリンダ部21との間に所定の緊迫力を設定している。そのため、第1シール部材33が可動子31とピストン15との間の空間に配置され、第2シール部材35が可動子31とシリンダ部21との間の空間に配置されることで、液圧室29からの作動液の漏洩を防止している。
【0042】
シリンダ部21における支持孔14aには、可動子31と摩擦パッド12(裏金26)との間に位置してリング形状をなすストッパ36が固定されている。そして、可動子31とストッパ36(シリンダ部21)との間に位置して、弾性部材を構成する低弾性部材37及び高弾性部材38が直列に配置されている。この低弾性部材37は、リング形状をなすゴム部材であり、同じくリング形状をなす支持部材39により支持され、可動子31における前進方向の面(前面)に密着している。高弾性部材38は、リング形状をなす皿ばねであり、低弾性部材37よりも高い弾性力を有し、支持部材39とストッパ36との間に介装され、両者に密着している。
【0043】
可動子31は、低弾性部材37及び高弾性部材38の弾性力によりピストン15の後退方向に付勢されており、液圧室29への非加圧時には、可動子31の後面がシリンダ部21における支持孔14aの底面に当接した位置に位置決めされている。そして、液圧室29への初期加圧時には、ピストン15と共に可動子31が前進し、低弾性部材37を圧縮する。その後、液圧室29への加圧継続時には、更にピストン15と共に可動子31が前進し、低弾性部材37を圧縮して最大変形してから、高弾性部材38を圧縮する。
【0044】
本実施例では、上述したように、シール機構28は、可動子31、シール部材33,35、ストッパ36、弾性部材37,38等により構成され、シール機能のほかにリトラクト機能(ストローク吸収機能)を有し、それぞれ個別に設けられている。即ち、第1、第2シール部材33,35がシール機能を発揮し、低弾性部材37と高弾性部材38がリトラクト機能(ストローク吸収機能)を発揮する。
【0045】
また、本実施例では、液圧室29に作動液が供給されて加圧されたとき、この液圧は可動子31及びピストン15に作用するが、ピストン15の起動荷重が可動子31の起動荷重よりも大きくなるように設定されている。この場合、ピストン15の起動荷重とは、シリンダ21に対してピストン15が相対移動するときの荷重であり、可動子31の起動荷重とは、ピストン15に対して可動子31が相対移動するときの荷重である。具体的に、ピストン15の起動荷重は、第1シール部材33の摩擦荷重であり、可動子31の起動荷重は、第2シール部材35の摩擦荷重に低弾性部材37との初期圧縮荷重が付与されたものである。即ち、下記数式が成り立つように、シール機構28が設定される。
(可動子荷重−起動荷重の差)/ストローク<リトラクト機構の剛性<(可動子荷重+起動荷重差)/ストローク
【0046】
一般に、シリンダ部21及びピストン15とリトラクト機構との剛性を完全に一致させることが困難であり、この剛性の差だけリトラクト量(ストローク吸収量、ピストン15の戻し量)がばらついてしまう。そのため、上記のようにシール機構28を設定することで、ピストン15と可動子31の起動荷重の差により剛性のばらつきを吸収し、ピストン15のストロークとリトラクトとを同期させることが可能となる。
【0047】
従って、図1に示す状態から、液圧室29に作動液が供給されて加圧されると、ピストン15及び可動子31が加圧される。この場合、ピストン15の起動荷重が可動子31の起動荷重よりも大きく設定され、低弾性部材37がピストン15に追従するように弾性変形することから、ピストン15が矢印A方向に前進すると、第1シール部材33を介して可動子31が一体に前進し、ピストン15の先端部が摩擦パッド12に当接する。
【0048】
この極低圧加圧時に、ピストン15と第1シール部材33との接触部(シール部)は、通常時、両者が相対移動しない緊迫力と低弾性部材37のばね定数に設定されていることから、図2に示すように、ピストン15に対して可動子31が追従するように一体に前進する。すると、ピストン15と共に可動子31が前進することで、低弾性部材37が圧縮変形され、この低弾性部材37の変形量がピストン15の戻し量となる。
【0049】
そして、液圧室29から作動液が排出されて除圧されると、圧縮変形した低弾性部材37の復元力により、可動子31が後退し、第1シール部材33を介してピストン15が一体となって後退する。この場合、可動子31は、ピストン15と一体に移動することで、ピストン15が所定の位置(図1に示す位置)に適正に戻される。
【0050】
一方、液圧入力が高圧であると、図2に示す状態から、ピストン15が更に前進する。すると、このピストン15に第1シール部材33が所定の緊迫力をもって密着し、且つ、ピストン15の前進に追従するように高弾性部材38が変形することから、ピストン15に対して可動子31が一体に前進する。すると、ピストン15と共に可動子31が前進することで、低弾性部材37を圧縮変形した状態のままで、高弾性部材38が圧縮変形され、低弾性部材37及び高弾性部材38の変形量がピストン15の戻し量となる。
【0051】
そして、液圧室29から作動液が排出されて除圧されると、まず、弾性変形した高弾性部材38の復元力により可動子31が後退し、続いて、圧縮変形した低弾性部材37の復元力により、可動子31が後退する。つまり、弾性変形した低弾性部材37及び高弾性部材38の復元力により、可動子31が後退し、第1シール部材33を介してピストン15が一体となって後退し、このピストン15が所定の位置(図1に示す位置)に適正に戻される。
【0052】
また、加圧力が過大であったり、摩擦パッド12の摩耗量が大きいときには、ピストン15が必要以上に前進する。すると、このピストン15と第1シール部材33とがずれて相対移動する。しかし、本実施例では、ピストン15の当接時に所定量だけ作動し、圧力発生時にピストン15と追従するように作動することから、液圧室29から作動液が排出されて除圧されると、まず、弾性変形した高弾性部材38の復元力により可動子31及び第1シール部材33を介してピストン15が戻され、続いて、圧縮変形した低弾性部材37の復元力により、可動子31及び第1シール部材33を介してピストン15が後退する。そのため、ピストン15は、液圧領域の全域で、圧力に依存した規定の戻り量を確保することが可能となり、摩擦パッド12の引きずり現象の発生を抑制し、且つ、安定した制動フィーリングが得られる。
【0053】
この場合、本実施例では、ピストン15と可動子31は、予め設定された所定荷重が作用したときに相対移動可能に支持されている。即ち、ピストン15の起動荷重が可動子31の起動荷重よりも大きく設定されている。そのため、摩擦パッド12とディスクロータ11との距離が所定値より短いとき、ピストン15と可動子31が一体に前進し、摩擦パッド12がディスクロータ11に当接した後、可動子31のみが前進し、ピストン15に対して相対移動する。この場合、ピストン15の起動荷重と可動子31の起動荷重との差、つまり、両者を相対移動させる相対変位荷重を、摩擦パッド12がディスクロータ11に当接した後に作用する荷重に設定しておくことで、ピストン15に対して可動子31が所定量だけ前進(相対移動)する。その後、液圧室29から作動液が排出されて除圧されると、弾性変形した弾性部材33,38の復元力によりピストン15と可動子31が一体となって同量だけ後退する。この後退量は、可動子31の前進量であることから、ピストン15、つまり、摩擦パッド12は、前進量以上に戻されることとなり、摩擦パッド12とディスクロータ11との距離が所定値となり、摩擦パッド12の引きずり現象の発生を抑制される。
【0054】
一方、摩擦パッド12とディスクロータ11との距離が所定値より長いとき、ピストン15と可動子31が一体に前進し、弾性部材33,38が所定量圧縮されることから、ピストン15は、摩擦パッド12がディスクロータ11に当接する前に前進し、可動子31に対して相対移動する。その後、液圧室29から作動液が排出されて除圧されると、弾性変形した弾性部材33,38の復元力によりピストン15と可動子31が一体となって同量だけ後退する。この後退量は、可動子31の前進量であることから、ピストン15、つまり、摩擦パッド12は、前進量以下に戻されることとなり、摩擦パッド12とディスクロータ11との距離が所定値となる。
【0055】
ここで、ブレーキ液圧に対するピストンのストローク量について説明する。図3に示すように、ブレーキ液圧の増加に伴ってピストン15の前進量(図3の実線)が増加するとき、従来のディスクブレーキ装置にて、シールリトラクトによるピストン15の戻し量(図3の点線)は、初期時に増加して前進量(図3の実線)を上回るものの、ピストンシールとピストン15との相対移動が発生することから、その後のシールリトラクトは増加せずに、ピストン15の前進量(図3の実線)を下回ってしまう。一方、本実施例のディスクブレーキ装置では、シール機構28によるピストン15の戻し量(図3の一点鎖線)は、初期時から継続して増加し、全領域で前進量(図3の実線)を上回るものとなる。
【0056】
このように実施例1のディスクブレーキ装置にあっては、キャリパ14のシリンダ部21にピストン15を移動自在に支持し、加圧時にこのピストン15が前進して摩擦パッド12,13をディスクロータ11に押付可能とすると共に、除圧時にシリンダ部21に設けられたシール機構(ピストン戻し機構)28によりピストン15を初期位置に引き戻し可能とし、シール機構28として、シリンダ部21とピストン15の間に介装されてピストン15と同方向に前進可能な可動子31と、ピストン15と可動子31との間に弾装されて可動子31をピストン15に追従させる第1シール部材(追従手段)33と、ピストン15の初期加圧により可動子31を介して圧縮変形可能な低弾性部材37と、ピストン15の加圧により可動子31を介して圧縮変形可能な高弾性部材38とを設けている。
【0057】
従って、ピストン15が前進すると、第1シール部材33を介して可動子31が低弾性部材37を圧縮変形しながら前進することで、ほぼ全域でピストン15と可動子31とを追従させることとなり、液圧領域の全域で、圧力に依存した規定の戻り量を確保することが可能となり、摩擦パッド12,13の引きずり現象の発生を抑制し、且つ、安定した制動フィーリングを得ることができる。
【0058】
また、実施例1のディスクブレーキ装置では、可動子31に第1シール部材33を設け、この第1シール部材33にピストン15に対して予め設定された所定の押圧力を設定している。従って、第1シール部材33により、ピストン15に前進に追従するように可動子31を適正に前進させることができ、ピストン15と可動子31の相対移動を抑制してピストン15の戻り量を適正に確保することができる。
【0059】
また、実施例1のディスクブレーキ装置では、ピストン15の起動荷重を可動子32の起動荷重よりも大きく設定している。従って、制動時に、ピストン15と可動子32とが相対変位可能となり、摩擦パッド12とディスクロータ11との距離が適正値より短いとき、または、長いときであっても、ピストン15と可動子32との相対変位量により摩擦パッド12とディスクロータ11との距離を適正値に修正することができる。また、ピストン15と可動子31の起動荷重の差によりシール機構28の剛性のばらつきを吸収し、ピストン15のストロークとリトラクトとを同期させることが可能となる。
【0060】
また、実施例1のディスクブレーキ装置では、低弾性部材37と高弾性部材38を、シリンダ部21に固定されたストッパ36と可動子31との間に直列に配置している。従って、可動子31により低弾性部材37と高弾性部材38を確実に弾性変形させることができると共に、低弾性部材37の変形によりピストン15の初期戻り量を確実に確保することができる。
【0061】
また、実施例1のディスクブレーキ装置では、シール機構28にて、液圧室29のシール機能と、ピストン15のリトラクト機能とを独立して設けている。即ち、シリンダ部21とピストン15との間にピストン15と可動子31を前進させるための液圧室29を設け、可動子31とピストン15との間に第1シール部材33を設けると共に、シリンダ部21と可動子31との間に第2シール部材35を設けている。また、シリンダ部21と可動子31との間に低弾性部材37と高弾性部材38を直列に配置している。従って、専用のシール部材33,35により液圧室29が液封されて作動液の漏洩を確実に防止することができると共に、低弾性部材37及び高弾性部材38によりピストン15の戻り量を安定して確保することができる。
【実施例2】
【0062】
図5は、本発明の実施例2に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0063】
実施例2のディスクブレーキ装置にて、図5に示すように、シール機構40は、除圧時にピストン15を引き戻すピストン戻し機構として機能する。即ち、キャリパ14のシリンダ部21に形成された支持孔14aには、ピストン15の外周面15aが所定空間をもって移動自在に支持され、このシリンダ部21の支持孔14aとピストン15の外周面15aとの間には、可動子31が挿入されている。
【0064】
可動子31は、内周面31aに収容溝32が形成され、この収容溝32に第1シール部材33が装着されている。また、可動子31は、外周面31aに収納溝34形成され、この収納溝34に第2シール部材35が収納されている。この場合、第1シール部材33は、第2シール部材35よりも高い弾性力を有し、内周側となる先端部がピストン15に押圧支持されており、可動子31とピストン15との間に介装された状態で、ピストン15に対して予め設定された所定の押圧力、つまり、可動子31とシリンダ部21との間に介装された第2シール部材35の緊迫力より大きな緊迫力が設定される。また、ピストン15と可動子31が相対移動したときに、第1シール部材33は、可動子31と一体に移動し、弾性変形による復元力が作用しないように設定されている。
【0065】
シリンダ部21における支持孔14aには、可動子31と摩擦パッド12(裏金26)との間に位置してリング形状をなすストッパ41が固定されている。そして、可動子31とストッパ41(シリンダ部21)との間に空間部42が区画され、この空間部42に弾性部材43が配置されている。即ち、可動子31は、ピストン15の前進側の端部に外周側に切欠部が形成されることで段付部31cが形成され、この段付部31cの外周面がストッパ41の内周面に嵌合することで、シリンダ部21と可動子31とストッパ41により空間部42が区画される。弾性部材43は、ゴム製のOリングであって、空間部42内に密閉されることで、弾性変形特性が低弾性部材及び高弾性部材を合わせた機能となる。
【0066】
可動子31は、弾性部材43の弾性力によりピストン15の後退方向に付勢されており、液圧室29への非加圧時には、可動子31の後面がシリンダ部21における支持孔14aの底面に当接した位置に位置決めされている。そして、液圧室29への初期加圧時には、ピストン15と共に可動子31が前進し、弾性部材43を圧縮する。
【0067】
本実施例では、前述した実施例1と同様に、シール機構40は、シール機能のほかにリトラクト機能(ストローク吸収機能)を有し、それぞれ個別に設けられている。即ち、第1、第2シール部材33,35がシール機能を発揮し、弾性部材43がリトラクト機能(ストローク吸収機能)を発揮する。また、本実施例では、液圧室29に作動液が供給されて加圧されたとき、この液圧は可動子31及びピストン15に作用するが、ピストン15の起動荷重が可動子31の起動荷重よりも大きくなるように設定されている。
【0068】
従って、液圧室29に作動液が供給されて加圧されると、ピストン15及び可動子31が加圧される。この場合、ピストン15の起動荷重が可動子31の起動荷重よりも大きく設定され、低弾性部材37がピストン15に追従するように弾性変形することから、ピストン15が矢印A方向に前進すると、第1シール部材33を介して可動子31が一体に前進し、ピストン15の先端部が摩擦パッド12に当接する。
【0069】
この極低圧加圧時に、ピストン15と第1シール部材33との接触部(シール部)は、通常時、両者が相対移動しない緊迫力と低弾性部材37のばね定数に設定されていることから、ピストン15に対して可動子31が追従するように一体に前進する。すると、ピストン15と共に可動子31が前進することで、弾性部材43が圧縮変形され、この弾性部材43の変形量がピストン15の戻し量となる。
【0070】
そして、液圧室29から作動液が排出されて除圧されると、圧縮変形した弾性部材43の復元力により、可動子31が後退し、第1シール部材33を介してピストン15が一体となって後退する。この場合、可動子31は、ピストン15と一体に移動することで、ピストン15が所定の位置に適正に戻される。
【0071】
一方、液圧入力が高圧であると、ピストン15が更に前進する。すると、このピストン15に第1シール部材33が所定の緊迫力をもって密着し、且つ、ピストン15の前進に追従するように弾性部材43が変形することから、ピストン15に対して可動子31が一体に前進する。すると、ピストン15と共に可動子31が前進することで、弾性部材43が更に圧縮変形され、弾性部材43の変形量がピストン15の戻し量となる。
【0072】
また、加圧力が過大であったり、摩擦パッド12の摩耗量が大きいときには、ピストン15が必要以上に前進する。すると、このピストン15と第1シール部材33とがずれて相対移動する。しかし、本実施例では、ピストン15の当接時に所定量だけ作動し、圧力発生時にピストン15と追従するように作動することから、液圧室29から作動液が排出されて除圧されると、圧縮変形した弾性部材43の復元力により、可動子31及び第1シール部材33を介してピストン15が後退する。そのため、ピストン15は、摩擦パッド12の引きずり現象の発生を抑制し、且つ、安定した制動フィーリングが得られる。
【0073】
即ち、ピストン15の起動荷重が可動子31の起動荷重よりも大きく設定されていることから、摩擦パッド12とディスクロータ11との距離が所定値より短いとき、ピストン15と可動子31が一体に前進し、摩擦パッド12がディスクロータ11に当接した後、可動子31のみが前進し、ピストン15に対して相対移動する。その後、液圧室29から作動液が排出されて除圧されると、弾性変形した弾性部材43の復元力によりピストン15と可動子31が一体となって同量だけ後退する。この後退量は、可動子31の前進量であることから、ピストン15、つまり、摩擦パッド12は、前進量以上に戻されることとなり、摩擦パッド12とディスクロータ11との距離が所定値となり、摩擦パッド12の引きずり現象の発生を抑制される。なお、摩擦パッド12とディスクロータ11との距離が所定値より長いときには、ピストン15が、可動子31に対して前進(相対移動)するため、ピストン15及び可動子31の後退時に、摩擦パッド12とディスクロータ11との距離が所定値に修正される。
【0074】
なお、本実施例の弾性部材43であっても、実施例1の弾性部材37,38と同様に、シール機構40によるピストン15の戻し量は、初期時から継続して増加し、全領域で前進量を上回るものとなる。
【0075】
このように実施例2のディスクブレーキ装置にあっては、シール機構40として、シリンダ部21とピストン15の間に介装されてピストン15と同方向に前進可能な可動子31と、ピストン15と可動子31との間に弾装されて可動子31をピストン15に追従させる第1シール部材(追従手段)33と、ピストン15の初期加圧により可動子31を介して圧縮変形可能な弾性部材43とを設けている。
【0076】
従って、ピストン15が前進すると、第1シール部材33を介して可動子31が弾性部材43を圧縮変形しながら前進することで、ほぼ全域でピストン15と可動子31とを追従させることとなり、液圧領域の全域で、圧力に依存した規定の戻り量を確保することが可能となり、摩擦パッド12,13の引きずり現象の発生を抑制し、且つ、安定した制動フィーリングを得ることができる。
【0077】
また、実施例2のディスクブレーキ装置では、可動子31の段付部31cとシリンダ部21のストッパ41とにより空間部42を区画し、この空間部42に弾性部材43を密閉させることで、低弾性部材及び高弾性部材を合わせた弾性変形特性として機能させる。従って、装置の簡素化及びコンパクト化を図ることができる。
【実施例3】
【0078】
図6は、本発明の実施例3に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0079】
実施例3のディスクブレーキ装置にて、図6に示すように、シール機構50は、除圧時にピストン15を引き戻すピストン戻し機構として機能する。キャリパ14のシリンダ部21に形成された支持孔14aには、ピストン15の外周面15aが所定空間をもって移動自在に支持され、このシリンダ部21の支持孔14aとピストン15の外周面15aとの間には、可動子31が挿入されている。
【0080】
可動子31は、内周面31aに収容溝32が形成され、この収容溝32に第1シール部材33が装着されている。また、可動子31は、ピストン15の後退側の端部に外周側に切欠部が形成されることで段付部31dが形成されている。一方、シリンダ部21の支持孔14aは、ピストン15の後退側の端部に小径となる段付部14bが形成されている。そして、可動子31の段付部31dがシリンダ部21の段付部14bに嵌合し、段付部14dの内周面に収納溝51が形成され、この収納溝51に第2シール部材52が収納されている。この場合、第1シール部材33は、第2シール部材52よりも高い弾性力を有し、内周側となる先端部がピストン15に押圧支持されており、可動子31とピストン15との間に介装された状態で、ピストン15に対して予め設定された所定の押圧力、つまり、可動子31とシリンダ部21との間に介装された第2シール部材52の緊迫力より大きな緊迫力が設定される。また、ピストン15と可動子31が相対移動したときに、第1シール部材33は、可動子31と一体に移動し、弾性変形による復元力が作用しないように設定されている。
【0081】
シリンダ部21における支持孔14aには、可動子31と摩擦パッド12との間に位置してリング形状をなすストッパ41が固定されている。そして、可動子31の先端部とストッパ41との間に空間部42が区画され、この空間部42に弾性部材43が配置されている。この弾性部材43は、ゴム製のOリングであって、空間部42内に密閉されることで、弾性変形特性が低弾性部材及び高弾性部材を合わせた機能となる。また、可動子31の後端部とシリンダ部21との間に空間部53が区画され、この空間部53に弾性部材54が配置されている。即ち、可動子31は、段付部31dの外周面がシリンダ部21における段付部14bの内周面に嵌合することで、シリンダ部21と可動子31により空間部53が区画される。弾性部材54は、ゴム製のOリングであって、空間部53内に密閉されることで、弾性変形特性が低弾性部材及び高弾性部材を合わせた機能となる。
【0082】
即ち、この弾性部材43,54は、可動子31の各空間部42,53に収納された状態で、シリンダ部21に押圧しており、可動子31とシリンダ部21との間に所定の緊迫力を設定している。つまり、弾性部材43,54は、弾性支持部材として機能し、可動子31を、シリンダ部21(支持孔14a)内でフローティング支持、つまり、ピストン15の前進方向及び後退方向に移動可能に付勢支持している。
【0083】
そのため、液圧室29への初期加圧時には、ピストン15と共に可動子31が前進して弾性部材43を圧縮可能であり、除圧時には、ピストン15と共に可動子31が後退して弾性部材51を圧縮可能となっている。
【0084】
なお、シール機構50におけるその他の作動は、前述の各実施例と同様であるため、説明は省略する。
【0085】
このように実施例3のディスクブレーキ装置にあっては、シール機構50として、シリンダ部21とピストン15の間に介装されてピストン15と同方向に前進可能な可動子31と、ピストン15と可動子31との間に弾装されて可動子31をピストン15に追従させる第1シール部材(追従手段)33と、ピストン15の初期加圧により可動子31を介して圧縮変形可能な弾性部材43とを設けている。
【0086】
従って、ピストン15が前進すると、第1シール部材33を介して可動子31が弾性部材43を圧縮変形しながら前進することで、ほぼ全域でピストン15と可動子31とを追従させることとなり、液圧領域の全域で、圧力に依存した規定の戻り量を確保することが可能となり、摩擦パッド12,13の引きずり現象の発生を抑制し、且つ、安定した制動フィーリングを得ることができる。
【0087】
また、実施例3のディスクブレーキ装置では、可動子31の前端部とストッパ41との間に空間部42を形成して弾性部材43を収納する一方、可動子31の後端部と段付部14bとの間に空間部53を形成して弾性部材54を収納している。従って、可動子31は、各弾性部材43,54により支持孔14a内で前進方向及び後退方向に移動可能に付勢支持されていることから、可動子31が前進するときには、弾性部材43を圧縮する一方、可動子31が後退するときには、弾性部材54を圧縮することとなる。そのため、車両の旋回時にディスクロータ11が軸方向に倒れるように移動した場合であっても、可動子31がこれを吸収することができ、作動液量の増加を抑制して制動感を向上することができる。
【0088】
また、可動子31が各弾性部材43,54により前進方向及び後退方向に移動可能に付勢支持されていることから、可動子31の起動荷重を低減することができ、ピストン15と可動子31の起動荷重の差によりシール機構50の剛性のばらつきを吸収し、ピストン15のストロークとリトラクトとを同期させることが可能となる。
【実施例4】
【0089】
図7は、本発明の実施例4に係るディスクブレーキ装置におけるピストン戻し機構を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0090】
実施例4のディスクブレーキ装置にて、図7に示すように、シール機構60は、除圧時にピストン15を引き戻すピストン戻し機構として機能する。キャリパ14のシリンダ部21に形成された支持孔14aには、ピストン15の外周面15aが所定空間をもって移動自在に支持され、このシリンダ部21の支持孔14aとピストン15の外周面15aとの間には、可動子31が挿入されている。
【0091】
ピストン15は、後退方向側の端部に外周面15aより大径となる段付部15bが形成され、この段付部15bの外周面に収容溝61が形成され、この収容溝61に第1シール部材(追従手段)62が装着されている。また、可動子31は、段付部31dがシリンダ部21の段付部14bに嵌合し、段付部14bの内周面に収納溝51が形成され、この収納溝51に第2シール部材52が収納されている。この場合、第1シール部材62は、第2シール部材52よりも高い弾性力を有し、外周部が可動子31に押圧支持されており、可動子31とピストン15との間に介装された状態で、可動子31に対して予め設定された所定の押圧力、つまり、可動子31とシリンダ部21との間に介装された第2シール部材52の緊迫力より大きな緊迫力が設定される。また、ピストン15と可動子31が相対移動したときに、第1シール部材62は、可動子31と一体に移動し、弾性変形による復元力が作用しないように設定されている。
【0092】
シリンダ部21における支持孔14aには、可動子31と摩擦パッド12との間に位置してリング形状をなすストッパ63が固定されている。そして、可動子31の先端部とストッパ63との間に空間部42が区画され、この空間部42に弾性部材43が配置されている。また、可動子31の後端部とシリンダ部21との間に空間部53が区画され、この空間部53に弾性部材54が配置されている。即ち、この弾性部材43,54は、可動子31の各空間部42,53に収納された状態で、シリンダ部21に押圧しており、可動子31とシリンダ部21との間に所定の緊迫力を設定している。つまり、弾性部材43,54は、弾性支持部材として機能し、可動子31を、シリンダ部21(支持孔14a)内でフローティング支持、つまり、ピストン15の前進方向及び後退方向に移動可能に付勢支持している。
【0093】
そのため、液圧室29への初期加圧時には、ピストン15と共に可動子31が前進して弾性部材43を圧縮可能であり、除圧時には、ピストン15と共に可動子31が後退して弾性部材54を圧縮可能となっている。
【0094】
また、ストッパ63は、円盤形状をなし、内周面にピストン15の外周面15aが移動自在に嵌合しており、このストッパ63がピストン15のガイドとして機能している。
【0095】
なお、シール機構60におけるその他の作動は、前述の各実施例と同様であるため、説明は省略する。
【0096】
このように実施例4のディスクブレーキ装置にあっては、シール機構60として、シリンダ部21とピストン15の間に介装されてピストン15と同方向に前進可能な可動子31と、ピストン15と可動子31との間に弾装されて可動子31をピストン15に追従させる第1シール部材(追従手段)62と、ピストン15の初期加圧により可動子31を介して圧縮変形可能な弾性部材43とを設けている。
【0097】
従って、ピストン15が前進すると、第1シール部材62を介して可動子31が弾性部材43を圧縮変形しながら前進することで、ほぼ全域でピストン15と可動子31とを追従させることとなり、液圧領域の全域で、圧力に依存した規定の戻り量を確保することが可能となり、摩擦パッド12,13の引きずり現象の発生を抑制し、且つ、安定した制動フィーリングを得ることができる。
【0098】
また、実施例4のディスクブレーキ装置では、ピストン15における段付部15bの外周面に収容溝61を形成し、この収容溝61に第1シール部材62を装着し、この第1シール部材62を第2シール部材52よりも高い弾性力で可動子31に押圧している。従って、第1シール部材62をピストン15側に配置することで、ピストン15及び可動子31における径方向及び軸方向のコンパクト化を図ることができる。また、ストッパ63をピストン15のガイドとして機能させることで、ピストン15を前後2点で支持することとなり、ピストン15を安定して移動自在に支持し、作動効率を向上することができる。
【0099】
なお、上述した各実施例では、本発明の低弾性手段と高弾性手段を低弾性部材37と高弾性部材38とで構成したが、2つの弾性部材に限らず、2つの機能を有した機構であってもよい。
【0100】
また、上述した各実施例では、ピストン15の起動荷重を可動子31の起動荷重よりも大きく設定することで、摩擦パッド12とディスクロータ11との距離が所定値より短いときには、ピストン15と可動子31が一体に前進し、摩擦パッド12がディスクロータ11に当接した後、可動子31のみが前進し、ピストン15に対して相対移動する。また、摩擦パッド12とディスクロータ11との距離が所定値より長いときには、ピストン15と可動子31が一体に前進し、弾性部材33,38,43,54を圧縮した後、ピストン15のみが前進し、可動子31に対して相対移動する。しかし、本発明のディスクブレーキ装置は、この構成に限るものではない。
【0101】
即ち、加圧時にピストン15が前進してパッド12,13がディスクロータ11に当接した後、予め設定された所定荷重が作用したときに、ピストン15に対して可動子31が相対移動可能に支持されていればよい。すると、摩擦パッド12とディスクロータ11との距離が所定値より長いときに、加圧時に、まず、可動子31に対してピストン15のみが前進して相対移動し、パッド12,13がディスクロータ11に当接して前進が阻止され、次に、液圧が上昇すると、ピストン15に対して可動子31が相対的に前進する。一方、減圧時には、ピストン15と可動子31とが一体に後退する。この場合、ピストン15の起動荷重を可動子31の起動荷重よりも小さく設定すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
以上のように、本発明に係るディスクブレーキ装置は、ピストンを適正に戻してパッドの引きずり現象の発生を抑制可能とするものであり、いずれのディスクブレーキ装置に適用しても好適である。
【符号の説明】
【0103】
11 ディスクロータ
12 インナパッド(摩擦パッド)
13 アウタパッド(摩擦パッド)
14 キャリパ
15 ピストン
16 シリンダ機構
21 シリンダ部
28,40,50,60 シール機構(ピストン戻し機構)
29 液圧室
31 可動子
33,62 第1シール部材(追従手段)
35,52 第2シール部材
36 ストッパ
37 低弾性部材(弾性部材)
38 高弾性部材(弾性部材)
39 支持部材
41,63 ストッパ
42,53 空間部
43,54 弾性部材

Claims (10)

  1. 回転軸心回りに回転するディスクロータと、
    該ディスクロータの摩擦面に対向する摩擦パッドと、
    該摩擦パッドを前記ディスクロータの摩擦面に接近離間可能に支持するシリンダと、
    該シリンダに支持されて加圧時に前進して前記摩擦パッドを前記ディスクロータに押付可能なピストンと、
    前記シリンダと前記ピストンの間に介装されて該ピストンと同方向に前進可能な可動子と、
    前記ピストンと前記可動子との間に弾装されて該可動子を前記ピストンに追従させる追従手段と、
    前記ピストンの加圧により前記可動子を介して圧縮変形可能な弾性手段と、
    を備え、
    前記ピストンの起動荷重が前記可動子の起動荷重よりも大きく設定され、前記ピストンと前記可動子は、予め設定された所定荷重が作用したときに相対移動可能に支持されることを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 加圧時に前記ピストンと前記可動子とが一体に前進するとき、前記ピストンと前記可動子の一方の前進が阻止されることで、前記ピストンと前記可動子の他方が相対的に前進可能であり、減圧時に前記ピストンと前記可動子とが一体に後退可能であることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
  3. 加圧時に前記ピストンが前進して前記摩擦パッドが前記ディスクロータに当接した後、前記ピストンに対して前記可動子が相対移動可能に支持されることを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ装置。
  4. 前記追従手段は弾性部材であって、前記可動子に設けられ、前記ピストンに対して予め設定された所定の押圧力が設定されると共に、前記ピストンと前記可動子が相対移動したときの弾性変形による復元力が抑止されるようにピストン前進方向に逃がしがないように配置されることを特徴とする請求項1、2、4のいずれか一つに記載のディスクブレーキ装置。
  5. 前記弾性部材は、前記ピストンの初期加圧により前記可動子を介して圧縮変形可能な低弾性手段と、前記ピストンの加圧により前記可動子を介して圧縮変形可能な前記低弾性手段より高い弾性力を有する高弾性手段とを有することを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれか一つに記載のディスクブレーキ装置。
  6. 前記低弾性手段と前記高弾性手段は、前記シリンダと前記可動子との間に直列に配置されることを特徴とする請求項6に記載のディスクブレーキ装置。
  7. 前記低弾性手段及び前記高弾性手段は、前記ピストンと前記可動子との間に区画される空間に配置されるOリングにより構成されることを特徴とする請求項6または7に記載のディスクブレーキ装置。
  8. 前記シリンダと前記ピストンとの間に該ピストンと前記可動子を前進させるための液圧室が設けられ、前記可動子と前記ピストンとの間に前記液圧室をシールする第1シールが設けられると共に、前記シリンダと前記可動子との間に前記液圧室をシールする第2シールが設けられることを特徴とする請求項1、2、4から8のいずれか一つに記載のディスクブレーキ装置。
  9. 前記ピストンの非加圧時に前記可動子を前記ピストンの前進方向及び前記ピストンの後退方向に移動可能に弾性支持する弾性支持部材が設けられることを特徴とする請求項1、2、4から9のいずれか一つに記載のディスクブレーキ装置。
  10. 前記追従手段は弾性部材であって、前記ピストンの外周面に設けられ、前記可動子の内周面に対して予め設定された所定の押圧力が設定されると共に、前記ピストンと前記可動子が相対移動したときの弾性変形による復元力が抑止されるようにピストン前進方向に逃がしがないように配置されることを特徴とする請求項1、2、4から10のいずれか一つに記載のディスクブレーキ装置。
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