JP6429386B2 - ディスクブレーキおよびピストンの製造方法 - Google Patents

ディスクブレーキおよびピストンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ディスクブレーキおよびピストンの製造方法に関する。
ピストンのシリンダ底部側にシール溝を設けたディスクブレーキがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−2250号公報
ディスクブレーキの製造効率を向上させるため、ピストンの製造効率を向上させることが望まれている。
本発明の目的は、製造効率を向上させることができるディスクブレーキおよびピストンの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のディスクブレーキは、キャリパ本体のシリンダ穴内に移動可能に配置され、筒部と該筒部の内孔を閉塞する隔壁とを有して形成されるピストンを備え、前記筒部には、該筒部の外周の一端側に前記筒部の周方向に沿って環状に設けられ、ピストンブーツの端部が嵌められるブーツ溝と、前記筒部の外周の他端側に前記筒部の周方向に沿って環状に設けられ、シール部材が収容されるシール溝と、が、ディスクロータの軸方向において前記隔壁を挟むようにスピニング加工によって形成されており、前記ブーツ溝と前記シール溝とは、前記隔壁からのピストン軸方向の距離が等距離の位置に形成されている
本発明のピストンの製造方法は、前記ピストンを、前記シリンダ穴よりも小さい外径を有する筒部と、該筒部の内孔を閉塞する隔壁と、を有するピストン素材を形成し、前記筒部の外周における前記隔壁を挟む位置であって該隔壁から等距離の位置に、該筒部の周方向に沿う少なくとも2つの環状の溝を、前記筒部の外周を加圧して塑性変形させることで形成する。
本発明によれば、製造効率を向上させることができるディスクブレーキおよびピストンの製造方法を提供することができる。
実施形態のディスクブレーキを示す断面図。 実施形態において、スピニング加工装置にセットされた状態のピストンおよびピストンがセットされた状態のスピニング加工装置を示す部分側面図。 実施形態において、スピニング加工装置で軸方向両側を支持された状態のピストンおよびピストンを支持した状態のスピニング加工装置を示す部分側面図。 実施形態において、スピニング加工装置によって、スピニング加工中のピストンおよびピストンをスピニング加工している状態のスピニング加工装置を示す部分側面図。 実施形態において、スピニング加工装置によって、スピニング加工された後のピストンおよびピストンをスピニング加工した後の状態のスピニング加工装置を示す部分側面図。
本発明に係る一実施形態について図面を参照して以下に説明する。実施形態のディスクブレーキ10は、自動車等の車両用のもの、具体的には四輪自動車用のものである。図1に示すディスクブレーキ10は、図示略の車輪とともに回転するディスクロータ11の回転を止めることで車両を制動するものである。
ディスクブレーキ10は、キャリア12と、一対のブレーキパッド13,14と、キャリパ15とを備えている。キャリア12は、ディスクロータ11の外周側を跨いで配置されて車両の非回転部に固定される。一対のブレーキパッド13,14は、キャリア12に支持されてディスクロータ11の両面に対向配置される。キャリパ15は、一対のブレーキパッド13,14を挟持してディスクロータ11の両面に押圧する。
キャリパ15は、キャリパ本体20と、ピストン21と、シール部材22と、ピストンブーツ23とを有している。ピストン21は、キャリパ本体20のインナ側(車幅方向内側)に摺動可能に設けられている。シール部材22は、キャリパ本体20とピストン21との隙間をシールしている。ピストンブーツ23は、キャリパ本体20とピストン21とに連結されてピストン21のキャリパ本体20から露出する一部を覆っている。
キャリパ本体20は、シリンダ26と、ブリッジ部27と、爪部28とを有している。シリンダ26は、ディスクロータ11の軸方向一側の面に対向している。ブリッジ部27は、シリンダ26から、ディスクロータ11の外周を跨ぐように延出している。爪部28は、ブリッジ部27のシリンダ26とは反対側から延出してディスクロータ11の軸方向他側の面に対向している。シリンダ26には、ディスクロータ11の軸方向でディスクロータ11に向かって開口するシリンダ穴30が形成されている。以上により、キャリパ本体20は、ディスクロータ11の外周を跨いで設けられており、ディスクロータ11の軸方向でディスクロータ11に向かって開口するシリンダ穴30を有する形状となっている。このシリンダ穴30には、ピストン21が移動可能に配置されている。
シリンダ穴30が形成されることにより、シリンダ26は、ディスクロータ11の軸方向でディスクロータ11とは反対側に配置される底部31と、底部31の外周縁部から筒状をなしてディスクロータ11の軸方向でディスクロータ11側に延出する筒状部32とを有している。シリンダ穴30の開口33側となる筒状部32の底部31とは反対側の内周面には、円環状のブーツ支持溝34が形成されている。ブーツ支持溝34にはピストンブーツ23の一端部が嵌められている。ここで、シリンダ穴30には、その軸方向の中間部に、シール部材22を収容するための溝が形成されていない。
シリンダ26の底部31には、この底部31をディスクロータ11の軸方向に貫通する流入孔35が形成されており、また、底部31の筒状部32とは反対の外面から底部31の厚さの途中位置まで係止穴36が形成されている。流入孔35は、雌ねじ加工がされており、図示略のブレーキ配管の端部に設けられた、図示略のユニオンボルトが螺合される。係止穴36には、ブレーキ配管の先端に固定された回止フックが係合されることになり、これにより、ユニオンボルトの流入孔35への螺合時にブレーキ配管の連れ回りすることを規制する。
ピストン21は、内側に内孔42が形成された円筒状の筒部41と、筒部41の内孔42を閉塞する隔壁43とを有して鍛造により成形される一体成形品である。隔壁43は、筒部41における軸方向の中間位置に形成されている。なお、ピストン21は、筒部41と隔壁42とを別体として、両者を溶接等で固着することで形成するようにしてもよい。
筒部41は、その最大外径部分である主外周面45が一定径の円筒状をなしている。また、筒部41は、軸方向一側の端面46および軸方向他側の端面47が中心軸に直交する面内に配置されている。筒部41は、その軸方向の一端側の外周に、その周方向に沿って環状に設けられるブーツ溝51が形成されており、その軸方向の他端側の外周に、その周方向に沿って環状に設けられるシール溝52が形成されている。ブーツ溝51およびシール溝52は、筒部41の中心軸を中心とする円環状をなしており、主外周面45よりも筒部41の径方向内方に凹んでいる。主外周面45の外形は、シリンダ穴30の内径よりも小径となっている。つまり、筒部41は、シリンダ穴30よりも小さい外径を有している。主外周面45は、筒部41の軸方向両端に形成される、面取り部分、ブーツ溝51、および、シール溝52を除く筒部41の外周の範囲に形成されている。
また、筒部41には、その軸方向の一端側の内周部に、筒部41の円筒状の主内周面53よりも径方向内側に膨出する形状をなす膨出部54が、筒部41の周方向に沿って環状をなすように形成されている。膨出部54は、筒部41の軸方向において、ブーツ溝51と位置を合わせて設けられ、ブーツ溝51を軸方向に跨ぐように形成されている。つまり、膨出部54は、ブーツ溝51よりも軸方向の長さが長くなっており、軸方向の中央位置をブーツ溝51の軸方向の中央位置とほぼ合わせている。
また、筒部41には、その軸方向の他端側の内周部に、筒部41の主内周面53よりも径方向内側に膨出する形状をなす膨出部55が、筒部41の周方向に沿って環状をなすように形成されている。膨出部55は、筒部41の軸方向において、シール溝52と位置を合わせて設けられ、シール溝52を軸方向に跨ぐように形成されている。つまり、膨出部55は、シール溝52よりも軸方向の長さが長くなっており、軸方向の中央位置をシール溝52の軸方向の中央位置とほぼ合わせている。主内周面53は、筒部41の軸方向両端に形成される面取り部分、膨出部54,55、および、隔壁43を除く内孔42の範囲に形成されている。
隔壁43は、これら膨出部54,55の間であって、これら膨出部54,55から軸方向に離間して形成されている。つまり、隔壁43は、筒部41の軸方向の両端面46,47の間に配置され、ブーツ溝51とシール溝52との間に、これらブーツ溝51とシール溝52から軸方向に離間して形成されている。言い換えれば、筒部41の外周には、隔壁43を挟む位置にブーツ溝51とシール溝52とが形成されている。
ブーツ溝51は、筒部41の径方向中心軸を中心とする円筒面状をなす底面61と、底面61における隔壁43側の端縁部から径方向外方に延出して円環状をなす壁面63と、底面61における端面46側の端縁部から径方向外方に延出して円環状をなす壁面62とを有している。壁面62,63は、筒部41の径方向中心軸に対し直交して配置されている。
シール溝52は、筒部41の径方向中心軸を中心とする円筒面状をなす底面71と、底面71における隔壁43側の端縁部から径方向外方に延出して円環状をなす壁面72と、底面71における端面47側の端縁部から径方向外方に延出して円環状をなす壁面73とを有している。壁面72,73は、筒部41の中心軸に対し直交して配置されている。
ピストン21は、その径方向の中心軸に直交する面である隔壁43を、ピストン21の軸方向中央に設けた鏡面対称の形状をなしている。つまり、ピストン21は、その軸方向に関して表裏の区別がない形状をなしている。また、ブーツ溝51およびシール溝52は、同形状をなしており、ブーツ溝51とピストン21のこれに近い側の端面46との距離は、シール溝52とピストン21のこれに近い側の端面47との距離と同等に形成されている。
ピストン21は、キャリパ本体20のシリンダ穴30に嵌合されている。その際に、端面46がシリンダ穴30からディスクロータ11側に向かって突出し、端面47がシリンダ穴30内に配置される。ピストン21には、シリンダ26の底部31側に配置されるシール溝52内に、シール部材22が収容されることになる。シール部材22は、ピストン21の径方向の外周面がキャリパ本体20の筒状部32の内周面に対し密着しつつ摺接し、径方向の内周面がシール溝52の底面71に密着する。これにより、シール部材22は、ピストン21の筒部41の外周とシリンダ穴30の内周との間でシリンダ穴30をシール(密閉)する。
ピストンブーツ23は、一端側がシリンダ26のブーツ支持溝34に嵌められてシリンダ26に連結されており、他端側がピストン21の上記したブーツ溝51に嵌められてピストン21に連結されている。ピストンブーツ23は、ピストン21の筒部41の外周とシリンダ穴30の開口33との間を覆って配置される。ピストンブーツ23は、ピストン21のシリンダ26からの突出量の変化に応じて伸縮する。
キャリパ15は、シリンダ26のシリンダ穴30内に流入孔35からブレーキ液が導入されると、ピストン21の隔壁43に底部31側からブレーキ圧が作用する。すると、ピストン21がディスクロータ11側に前進し、インナ側のブレーキパッド13をディスクロータ11に向かって押圧する。このとき、ピストン21は、端面46がブレーキパッド13に当接してこれを押圧する。これにより、ピストン21は、ブレーキパッド13をディスクロータ11に押圧する。
また、インナ側のブレーキパッド13をディスクロータ11に向けて押圧する反力で、キャリパ本体20が移動し、爪部28でアウタ側のブレーキパッド14をディスクロータ11に向かって押圧する。これにより、ブレーキパッド14がディスクロータ11に押圧される。
以上のようにして、キャリパ15は、ピストン21の作動により、ピストン21と爪部28とで一対のブレーキパッド13,14を両側から挟持してディスクロータ11の両面に押圧する。その結果、キャリパ15は、ディスクロータ11に摩擦抵抗を付与して、車両の制動力を発生させる。
ピストン21の筒部41の外周に形成されたブーツ溝51およびシール溝52は、ディスクロータ11の軸方向において隔壁43を挟むようにスピニング加工によって形成されている。そして、このスピニング加工に伴って、膨出部54,55が形成される。ここで、上記したように、ピストン21は、軸方向に関して表裏の区別がない形状をなしているが、以下では説明の明確化のため、端面46と端面47とを区別し、ブーツ溝51とシール溝52とを区別し、膨出部54と膨出部55とを区別して説明する。
ブーツ溝51およびシール溝52が形成される前、つまり、スピニング加工前の状態の図2に示すピストン素材21Aは、図1に示すブーツ溝51、シール溝52および膨出部54,55が形成される前の図2に示す筒部41Aと、筒部41Aの内孔42Aを閉塞するスピニング加工後と同様の隔壁43とを有している。筒部41Aは、スピニング加工後に、その一部が図1に示す主外周面45を構成する一定径の図2に示す主外周面45Aを有しており、主外周面45Aは、筒部41Aの軸方向両端の面取り部分を除く全体に形成されている。筒部41Aは、スピニング加工後に、その一部が図1に示す主内周面53を構成する一定径の図2に示す主内周面53Aを有しており、主内周面53Aは、筒部41Aの軸方向両端の面取り部分と隔壁43とを除く全体に形成されている。ピストン素材21Aは、鍛造により成形されているが、鋳造により成形しても良い。
ピストン素材21Aの筒部41Aに図1に示すブーツ溝51およびシール溝52を形成する図2に示すスピニング装置100は、筒部41Aの軸方向の一端部を支持する一方のクランプ101と、筒部41Aの軸方向の他端部を支持する他方のクランプ102と、筒部41Aの外周を加圧して塑性変形させるローラ103とを有している。
クランプ101は、ベース部110と、ベース部110から突出して図3に示すように筒部41Aの内孔42Aの軸方向の一端部に嵌合する支持部111とを有している。ベース部110は、筒部41Aの端面46に当接する平坦な当接面112を有しており、支持部111は、筒部41Aの端面46側の主内周面53Aに対向する円筒面状の外周面113を有している。
クランプ102は、ベース部120と、ベース部120から突出して筒部41Aの内孔42Aの軸方向の他端部に嵌合する支持部121とを有している。ベース部120は、筒部41Aの端面47に当接する平坦な当接面122を有しており、支持部121は、筒部41Aの端面47側の主内周面53Aに対向する円筒面状の外周面123を有している。
ローラ103は、円柱状のベース部130と、ベース部130の軸方向の一端側にあって、ベース部130の外周の周方向に沿って環状に設けられたブーツ溝成形部131と、ベース部130の軸方向の他端側にあって、ベース部130の外周の周方向に沿って環状に設けられたシール溝成形部132とを有している。ブーツ溝成形部131は、円筒状の外周面141と、外周面141に対して、いずれもローラ103の回転軸に対して直交して配置される両側の壁面142,143とを有している。シール溝成形部132も、円筒状の外周面151と、外周面151に対して、いずれもローラ103の回転軸に対して直交して配置される両側の壁面152,153とを有している。実施形態においては、成形部131,132は同形状に形成されている。
スピニング装置100は、図3に示すように、一方のクランプ101の支持部111を筒部41Aの内孔42Aの軸方向の一端部に嵌合させる。これにより、ベース部110の当接面112が筒部41Aの端面46に当接する。同様に、スピニング装置100は、図3に示すように、他方のクランプ102の支持部121を筒部41Aの内孔42Aの軸方向の他端部に嵌合させる。これにより、ベース部120の当接面122が筒部41Aの端面47に当接する。そして、ベース部110,120が、ピストン素材21Aに座屈を生じない範囲でピストン素材21Aを一定荷重で軸方向両側から加圧保持する。この状態で、クランプ101は、支持部111の外周面113が筒部41Aの端面46側の主内周面53Aに径方向にほぼ隙間なく対向し、クランプ102は、支持部121の外周面123が筒部41Aの端面47側の主内周面53Aに径方向にほぼ隙間なく対向する。
この状態で、クランプ101,102およびピストン素材21Aを一体的に所定回転数(例えば1000rpm)で回転させながら、ローラ103を所定の送り速度(例えば80mm/min)でピストン素材21Aの中心軸に近づけて、ローラ103の成形部131,132を筒部41Aの外周に当接させる。ローラ103はピストン素材21Aに接触することで、ピストン素材21Aの回転方向と逆方向に自転する。
すると、ブーツ溝成形部131が、図3に示す筒部41Aの外周面を中心軸側に向けて加圧して塑性変形させることにより、図4に示すようにブーツ溝51を形成する。その際に、ブーツ溝成形部131の外周面141がブーツ溝51の底面61を形成し、成形部131の壁面142がブーツ溝51の壁面62を形成し、成形部131の壁面143がブーツ溝51の壁面63を形成する。このようにブーツ溝51が形成されることにより、その分の肉が主に筒部41Aの径方向内方に移動することで膨出部54が形成される。このとき、ブーツ溝成形部131による図3に示す筒部41Aの径方向内方への押圧に対して、クランプ101の支持部111と隔壁43とがブーツ溝成形部131の軸方向両側で筒部41Aを支持する。これにより、端面46の変形を抑制しつつ、ブーツ溝51を形成するために必要な押圧力を確保することができる。
また、上記のブーツ溝成形部131によるブーツ溝51の形成と同時に並行して、シール溝成形部132が、筒部41Aの外周面を中心軸側へ向けて加圧して塑性変形させることにより、図4に示すようにシール溝52を形成する。その際に、シール溝成形部132の外周面151がシール溝52の底面71を形成し、シール溝成形部132の壁面152がシール溝52の壁面72を形成し、シール溝成形部132の壁面153がシール溝52の壁面73を形成する。このようにシール溝52が形成されることにより、その分の肉が主に筒部41の径方向内方に移動することで膨出部55が形成される。このとき、シール溝成形部132による図3および図4に示す筒部41Aの径方向内方への押圧に対して、クランプ102の支持部121と隔壁43とがシール溝成形部132の軸方向両側で筒部41Aを支持する。これにより、端面47の変形を抑制しつつ、シール溝52を形成するために必要な押圧力を確保することができる。
以上のように一度のスピニング加工で2カ所の溝、即ち、ブーツ溝51およびシール溝52を形成することにより、短時間で、図4に示すように、ブーツ溝51、シール溝52および膨出部54,55を有するピストン21が得られる。その後、図5に示すように、ローラ103およびクランプ101,102をピストン21から離してスピニング加工を終了する。スピニング加工後のピストン21は、めっき処理が行われた後に、キャリパ本体20に組み付けられ、ディスクブレーキ10を構成する。
特許文献1に記載されたディスクブレーキは、ピストンのシリンダ底部側にシール溝を設けている。しかしながら、特許文献1には、シール溝の形成方法についての記載がなく、従来と同様に切削加工にて形成されるものと推測される。よって、ピストンの製造効率が高いとは言えない。更に、特許文献1に記載されたディスクブレーキには、実施形態のブーツ溝51がピストンに設けられていない。
これに対して、実施形態に係るディスクブレーキ10によれば、ピストン21の筒部41には、ブーツ溝51とシール溝52とが、ディスクロータ11の軸方向において隔壁43を挟むようにスピニング加工によって形成されている。つまり、実施形態に係るピストン21の製造方法は、筒部41Aの外周を加圧して塑性変形させることで、環状のブーツ溝51およびシール溝52を、隔壁43を挟む位置に形成する。よって、ブーツ溝51およびシール溝52を切削加工にて形成する場合と比べて、ピストン21の製造効率を向上させることができ、ひいては、ディスクブレーキ10の製造効率を向上させることができる。
また、ブーツ溝51およびシール溝52をスピニング加工によって形成すること、つまり、筒部41Aの外周側を塑性変形させてブーツ溝51およびシール溝52を形成することに伴って筒部41の内周側に膨出部54,55が形成されることになる。このため、ブーツ溝51およびシール溝52を形成することにより強度が弱くなる部分を膨出部54,55で補強することができる。よって、ブーツ溝51およびシール溝52を切削加工で形成する場合と比べて、同等の強度を得るために必要なピストン21の筒部41の全体的な肉厚を薄くすることができる。したがって、ピストン21を軽量化することができ、ひいては、ディスクブレーキ10を軽量化することができる。
また、ブーツ溝51とシール溝52とが、ディスクロータ11の軸方向において隔壁43を挟むようにスピニング加工すること、つまり、隔壁43を挟むように筒部41Aの外周側を塑性変形させることによって形成されているため、隔壁43によって筒部41Aの変形を抑制することができる。したがって、ブーツ溝51およびシール溝52の精度を向上させることができる。
また、ブーツ溝51とシール溝52とがスピニング加工によって同時並行で形成されることから、別々に形成する場合と比べて製造工程のリードタイムを短縮することができ、ピストン21の製造効率をさらに向上させることができる。その上、スピニング加工の負荷がピストン21の軸方向両側において対称となることで、加工負荷のバランスがとれ、加工性が安定する。
また、ピストン21が、中心軸に直交する軸方向中央の面を基準とした鏡面対称の形状をなしており、その軸方向に関して表裏の区別がない形状となっているため、組み付け作業時に表裏を確認する必要がなくなり、組み付け作業の作業性を向上できる。ここで、隔壁43は、膨出部54,55から軸方向に離間して形成されていれば、軸方向の中央からずれていても良い。隔壁43の位置を変えることでピストン21の重心を変更することができ、よって、ブレーキ鳴きを効果的に抑制できる位置に隔壁43を配置可能となる。また、ブーツ溝51およびシール溝52を、異なる大きさに形成しても良く、ブーツ溝51および端面46間の距離とシール溝52および端面47間の距離とを異ならせても良い。
以上においては、ピストン21の隔壁43を挟む位置にブーツ溝51およびシール溝52の2つの溝を形成する場合を例にとり説明したが、筒部41Aの外周を加圧して塑性変形させることで形成する、筒部41Aの周方向に沿う環状の溝を、隔壁43を挟む位置に三つ以上形成することも可能である。つまり、筒部41Aの外周方向に沿う環状の溝を、隔壁43を挟む位置に少なくとも2つ形成すれば良い。
以上に述べた実施形態のディスクブレーキは、ディスクロータの外周を跨いで設けられ、前記ディスクロータの軸方向で前記ディスクロータに向かって開口するシリンダ穴を有するキャリパ本体と、前記シリンダ穴内を移動可能に配置され、筒部と該筒部の内孔を閉塞する隔壁とを有して形成されるピストンと、該ピストンの前記筒部の外周と前記シリンダ穴の内周との間で前記シリンダ穴をシールするシール部材と、前記ピストンの前記筒部の外周と前記シリンダ穴の開口との間を覆って配置されるピストンブーツと、を備えるディスクブレーキにおいて、前記筒部には、該筒部の外周の一端側に前記筒部の周方向に沿って環状に設けられ、前記ピストンブーツの端部が嵌められるブーツ溝と、前記筒部の外周の他端側に前記筒部の周方向に沿って環状に設けられ、前記シール部材が収容されるシール溝と、が、前記ディスクロータの軸方向において前記隔壁を挟むようにスピニング加工によって形成されている。
このように、ピストンの筒部には、ブーツ溝とシール溝とが、ディスクロータの軸方向において隔壁を挟むようにスピニング加工によって形成されている。よって、ブーツ溝およびシール溝を切削加工にて形成する場合と比べて、ピストンの製造効率を向上させることができ、ひいては、これが組み込まれるディスクブレーキの製造効率を向上させることができる。
また、ブーツ溝とシール溝とをスピニング加工によって形成することに伴って筒部の内周側に膨出部が形成されることになるため、ブーツ溝およびシール溝を形成することにより強度が弱くなる部分を膨出部で補強することができる。よって、ブーツ溝およびシール溝を切削加工で形成する場合と比べて、同等の強度を得るために必要な筒部の全体的な肉厚を薄くすることができる。したがって、ピストンを軽量化することができ、ひいては、これが組み込まれるディスクブレーキを軽量化することができる。
また、ブーツ溝とシール溝とが、ディスクロータの軸方向において隔壁を挟むようにスピニング加工によって形成されているため、隔壁によって筒部の変形を抑制することができる。したがって、ブーツ溝およびシール溝の精度を向上させることができる。
また、実施形態のピストンの製造方法は、ディスクロータの軸方向で前記ディスクロータに向かって開口するシリンダ穴を有するキャリパ本体と、前記シリンダ穴内を移動可能に配置されるピストンと、備えるディスクブレーキに用いられる前記ピストンの製造方法において、前記ピストンを、前記シリンダ穴よりも小さい外径を有する筒部と、該筒部の内孔を閉塞する隔壁と、を有して形成し、前記筒部の外周に、該筒部の周方向に沿う環状の溝を、前記筒部の外周を加圧して塑性変形させることで、前記隔壁を挟む位置に少なくとも2つ形成する。
このように、筒部の外周に、筒部の外周を加圧して塑性変形させることで、少なくとも2つの環状の溝を、隔壁を挟む位置に形成する。よって、少なくとも2つの環状の溝を切削加工にて形成する場合と比べて、ピストンの製造効率を向上させることができ、ひいては、これが組み込まれるディスクブレーキの製造効率を向上させることができる。
また、少なくとも2つの環状の溝を筒部の外周側を塑性変形させて形成することに伴って筒部の内周側に膨出部が形成されることになる。このため、少なくとも2つの環状の溝を形成することにより強度が弱くなる部分を膨出部で補強することができる。よって、少なくとも2つの環状の溝を切削加工で形成する場合と比べて、同等の強度を得るために必要なピストンの筒部の全体的な肉厚を薄くすることができる。したがって、ピストンを軽量化することができ、ひいては、これが組み込まれるディスクブレーキを軽量化することができる。
また、少なくとも2つの環状の溝が、ディスクロータの軸方向において隔壁を挟むように筒部の外周を加圧して塑性変形させることで形成されているため、隔壁によって筒部の変形を抑制することができる。したがって、少なくとも2つの環状の溝の精度を向上させることができる。
10 ディスクブレーキ
11 ディスクロータ
20 キャリパ本体
22 シール部材
23 ピストンブーツ
30 シリンダ穴
33 開口
41 筒部
42 内孔
43 隔壁
51 ブーツ溝
52 シール溝

Claims (3)

  1. ディスクロータの外周を跨いで設けられ、前記ディスクロータの軸方向で前記ディスクロータに向かって開口するシリンダ穴を有するキャリパ本体と、
    前記シリンダ穴内に移動可能に配置され、筒部と該筒部の内孔を閉塞する隔壁とを有して形成されるピストンと、
    該ピストンの前記筒部の外周と前記シリンダ穴の内周との間で前記シリンダ穴をシールするシール部材と、
    前記ピストンの前記筒部の外周と前記シリンダ穴の開口との間を覆って配置されるピストンブーツと、
    を備えるディスクブレーキにおいて、
    前記筒部には、
    該筒部の外周の一端側に前記筒部の周方向に沿って環状に設けられ、前記ピストンブーツの端部が嵌められるブーツ溝と、
    前記筒部の外周の他端側に前記筒部の周方向に沿って環状に設けられ、前記シール部材が収容されるシール溝と、
    が、前記ディスクロータの軸方向において前記隔壁を挟むようにスピニング加工によって形成されており、
    前記ブーツ溝と前記シール溝とは、前記隔壁からのピストン軸方向の距離が等距離の位置に形成されているディスクブレーキ。
  2. 前記ブーツ溝と前記シール溝とは、互いに溝形状が同じ、請求項1記載のディスクブレーキ。
  3. ディスクロータの軸方向で前記ディスクロータに向かって開口するシリンダ穴を有するキャリパ本体と、前記シリンダ穴内を移動可能に配置されるピストンと、を備えるディスクブレーキに用いられる前記ピストンの製造方法において、
    前記ピストンを、
    前記シリンダ穴よりも小さい外径を有する筒部と、
    該筒部の内孔を閉塞する隔壁と、
    を有するピストン素材を形成し、
    前記筒部の外周における前記隔壁を挟む位置であって該隔壁から等距離の位置に、該筒部の周方向に沿う少なくとも2つの環状の溝を、前記筒部の外周を加圧して塑性変形させることで形成するピストンの製造方法。
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