JPH11336809A - ディスクブレーキ - Google Patents

ディスクブレーキ

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JPH11336809A
JPH11336809A JP10145450A JP14545098A JPH11336809A JP H11336809 A JPH11336809 A JP H11336809A JP 10145450 A JP10145450 A JP 10145450A JP 14545098 A JP14545098 A JP 14545098A JP H11336809 A JPH11336809 A JP H11336809A
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JP
Japan
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cylinder
piston
peripheral surface
seal ring
braking
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JP10145450A
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Masahiro Yamaguchi
雅博 山口
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Akebono Brake Industry Co Ltd
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Akebono Brake Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非制動時にロータ1の両側面とブレーキパッ
ド2、2との間の隙間が過大になる事を防止する。又、
非制動時に於けるロータ1の両側面とブレーキパッド
2、2との引き摺り抵抗を低減させる。 【解決手段】 シリンダ4の内周面とピストン5の外周
面との間に装着するシールリング7aとして、摺動抵抗
が0.8〜1.0kgf となるものを使用する。シリンダ
4とピストン5との間に、非制動時にこのシリンダ4内
へのピストン5の押し込み量を機械的に規制するアジャ
スト機構10を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車の制動に
使用するディスクブレーキの改良に関し、非制動時に、
車輪が回転する為に要する抵抗を低減し、或はロータと
ブレーキパッドとの間の隙間が過度に大きくなるのを防
止するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の制動に使用するディスクブレー
キは、図10に略示する様に構成している。図示しない
車輪と共に回転するロータ1の両側には、1対のブレー
キパッド2、2を配置している。これら両ブレーキパッ
ド2、2は、図示しないサポートにより、上記ロータ1
に対する遠近動自在に支持している。又、上記両ブレー
キパッド2、2に対向して、キャリパボディー3を設け
ている。このキャリパボディー3内にはシリンダ4を、
一方(図10の右方)のブレーキパッド2に対向する部
分に開口する状態で設けている。そして、このシリンダ
4内にピストン5を嵌装している。又、このシリンダ4
の内周面開口寄り部分には係止溝6を全周に亙って形成
し、この係止溝6にゴム等の弾性材製のシールリング7
を装着して、上記シリンダ4の内周面と上記ピストン5
の外周面との間の油密保持を図っている。このシールリ
ング7は、断面が矩形の充実体で、比較的大きな剛性を
有する。更に、これらシリンダ4の開口部とピストン5
の先端部との間には防塵ブーツ8を設けて、上記両周面
同士の摺動部に異物が入り込むのを防止している。
【0003】上述の様に構成するディスクブレーキによ
り制動を行なう際には、上記シリンダ4内に圧油を送り
込み、このシリンダ4から上記ピストン5を突出させ
る。この結果、このピストン5が上記一方のブレーキパ
ッド2を上記ディスクロータ1の片側面(図10の右側
面)に押圧すると同時に、この反作用として、上記キャ
リパボディー3を図10の右方に移動させ、他方(図1
0の左方)のブレーキパッド2を、上記ディスクロータ
1の他側面(図10の左側面)に押圧する。この様にし
て、上記1対のブレーキパッド2、2により上記ロータ
1を、両側面側から強く挾持する。
【0004】上述の様な制動時には、上記シールリング
7の内周縁部で上記シリンダ4の内周面から突出した部
分が、上記ピストン5の外周面に引きずられる様にし
て、図11(A)に示す様に、上記ロータ1に近づく方
向に、δ分だけ弾性変形する。制動解除の為、上記シリ
ンダ4から圧油を排出すると、図11(B)に示す様
に、上記シールリング7の内周縁部が弾性的に復元し、
上記ピストン5を上記δ分だけ、上記シリンダ4内に引
き込む、所謂ピストンシールのロールバックと呼ばれる
ものが生じる。そして、制動解除後に上記ピストン5が
制動時の状態に留まる事を防止して、ロータ1の両側面
と上記各ブレーキパッド2、2とが過度に擦れ合う事を
防止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用する従来のディスクブレーキの場合には、シリンダ4
の内周面とピストン5の外周面との間の油密保持、並び
に制動解除時に於けるピストン5の引き込み量の規制
を、何れもシールリング7により行なっている。又、上
記シールリング7は剛性が高く、このシールリング7の
内周縁と上記ピストン5の外周面との間に作用する摩擦
力は通常5〜8kgf となっている。これに対して、上記
ロータ1の両側面と上記各ブレーキパッド2、2との間
に作用する摩擦力に基づく引き摺り抵抗を低減させる為
に、上記シールリング7とピストン5との間に作用する
摩擦力を1kgf 程度と極端に低下させると、このピスト
ン5に軸方向の力が加わった場合に、このピストン5が
軸方向に移動し、極端な場合には上記シリンダ4の底部
に当接するまで移動する可能性がある。この為、急旋回
時に加わる大きな横Gに基づいてロータ1の両側面と各
ブレーキパッド2、2との間の隙間が過大になるノック
バックや、走行時の振動によりこの隙間が過大になるシ
ェイクバック等が発生する可能性がある。一方、上記シ
ールリング7の摩擦力が5〜8kgf の間にあると、非制
動時に於ける上記ロータ1の両側面と上記各ブレーキパ
ッド2、2と間に作用する摩擦力である、引き摺り抵抗
が発生する(大きくなる)。この様な引き摺り抵抗の発
生(増大)は、自動車の動力性能、燃費性能を悪化させ
る為、好ましくない。本発明のディスクブレーキは、こ
の様な不都合を何れも解消すべく発明したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のディスクブレー
キは、車輪と共に回転するロータと、このロータの両側
に配置した1対のブレーキパッドと、これら両ブレーキ
パッドに対向して設けたキャリパボディーと、このキャ
リパボディー内に、少なくとも何れか一方のブレーキパ
ッドに対向する部分に開口する状態で設けられた少なく
とも1個のシリンダと、このシリンダ内に嵌装されたピ
ストンと、これらシリンダの内周面とピストンの外周面
との間に設けられてこれら両周面同士の間の油密保持を
図るシールリングとを備え、上記シリンダ内への圧油の
送り込みによりこのシリンダから上記ピストンを突出さ
せ、上記1対のブレーキパッドを上記ロータの両側面に
押圧して制動を行なわせる。
【0007】特に、本発明のディスクブレーキに於いて
は、上記シールリングとして、非制動状態での上記ピス
トンの移動時に摺接する周面との間の摩擦力が0.8〜
1.0kgf であるものを使用する。これと共に、非制動
時に上記シリンダ内へのピストンの押し込み量を機械的
に規制する、アジャスト機構を設ける。
【0008】上記シールリングとしては、例えば、カッ
プ型シール等の、断面の直径方向中間部に空隙部若しく
は切り欠きを有し、制動時にシリンダ内に送り込んだ圧
油をこの空隙部若しくは切り欠きの内側に導入して上記
シールリングと相手周面との当接圧を確保するが、非制
動状態での上記ピストンの移動時には、摺接する周面と
の間の摩擦力を0.8〜1.0kgf とするものを使用す
る。
【0009】
【作用】上述の様に構成する本発明のディスクブレーキ
の制動時の作用は、前述した従来のディスクブレーキと
同様である。制動解除時には、ロータの軸方向に亙る振
れにより、ブレーキパッドを介してピストンをシリンダ
内に押し込む。即ち、上記ロータの回転中心軸とシリン
ダ及びピストンの中心軸とは平行に造るが、不可避的な
組み付け誤差、制動時の熱による歪み等により、ブレー
キパッドと擦れ合う上記ロータの外周寄り部分が、僅か
に軸方向に変位しつつ回転する。上記シリンダ内の圧油
を排出した状態では、この様な振れにより上記ロータ
が、ブレーキパッドを介して上記ピストンを上記シリン
ダ内に押し込む。
【0010】この押し込みの際、シールリングとピスト
ンの外周面又はシリンダの内周面とが擦れ合う。本発明
のディスクブレーキの場合には、非制動状態での上記シ
ールリングと相手周面との摩擦力が0.8〜1.0kgf
と小さいので、上記押し込みは十分に且つ円滑に行なわ
れる。そして、非制動時に上記ロータの両側面と各ブレ
ーキパッドとの間に作用する摩擦力である、引き摺り抵
抗を低減させる事ができる。
【0011】又、非制動時には、アジャスト機構が、上
記シリンダ内へのピストンの押し込み量を機械的に規制
する。この為、急旋回時に加わる大きな横Gや走行時の
振動に拘らず、非制動時に上記ピストンがシリンダ内に
向け、上記アジャスト機構を構成するアジャストねじ部
分の所定のバックラッシュ分以上に移動する事はない。
この為、ロータの両側面と各ブレーキパッドとの間の隙
間が過大になるノックバックやシェイクバック等が発生
する事を確実に防止できる。
【0012】更に、上記横Gや振動により、非制動時に
上記ピストンがシリンダから抜け出る方向に移動して
も、上記引き摺り抵抗が過大になる事はない。即ち、上
述の様に、非制動状態での上記シールリングと相手周面
との摩擦力が0.8〜1.0kgf と小さいので、仮に上
記ピストンがシリンダから抜け出る方向に移動しても、
上記ロータの振れ回り運動に基づき、上記ピストンを上
記シリンダ内に軽い力で押し戻せる。従って、上記引き
摺り抵抗を低減させる事ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。図示しない車輪と共に回転する
ロータ1の両側には、1対のブレーキパッド2、2を、
図示しないサポートにより、上記ロータ1に対する遠近
動自在に支持した状態で配置している。又、上記両ブレ
ーキパッド2、2に対向して設けたキャリパボディー3
内にシリンダ4を、一方(図1の右方)のブレーキパッ
ド2に対向する部分に開口する状態で設けている。そし
て、このシリンダ4内に、ピストン5を嵌装している。
又、このピストン5の外周面中間部には係止溝6を、全
周に亙って形成し、この係止溝6にゴム等の弾性材製の
シールリング7aを装着して、上記シリンダ4の内周面
と上記ピストン5の外周面との間の油密保持を図ってい
る。
【0014】特に、本発明のディスクブレーキの場合に
は、上記シールリング7aとして、カップシールと呼ば
れる、断面形状がJ字形で、断面の直径方向中間部に空
隙部9を有するものを使用している。この様なシールリ
ング7aを上記係止溝6に装着すると、このシールリン
グ7aの外周縁は、自由状態で上記ピストン5の外周面
よりも直径方向外方に突出する。従って、このピストン
5を上記シリンダ4内に嵌装した状態で上記シールリン
グ7aの外周縁は、このシリンダ4の内周面に弾性的に
摺接する。
【0015】但し、これらシールリング7aの外周縁と
シリンダ4の内周面との当接圧は限られたもので、非制
動状態での上記ピストン5の移動時にこれら外周縁と内
周面との間に作用する摩擦力も、例えば0.8〜1.0
kgf と、従来の場合(5〜8kgf )に比べて遥かに小さ
い。これに対して、制動時には、上記シリンダ4内に送
り込んだ圧油を上記空隙部9の内側に導入して、上記シ
ールリング7aの外周縁部を直径方向外方に強く押圧
し、このシールリング7aの外周縁と上記シリンダ4の
内周面との当接圧を確保して、上記シリンダ4の内周面
とピストン5の外周面との間の油密保持を十分に図る。
尚、これらシリンダ4の開口部とピストン5の先端部と
の間には防塵ブーツ8を設けて、上記両周面同士の摺動
部に異物が入り込むのを防止している。
【0016】更に、非制動時に、このシリンダ4内への
ピストン5の押し込み量を機械的に規制するアジャスト
機構10を設けている。このアジャスト機構10自体
は、例えば実開平6−73480号公報に記載されたも
のと類似した構造であり、従来から知られている構造で
ある。上記アジャスト機構10を構成する為、上記ピス
トン5の中心部にはアジャスト筒11を、このピストン
5と一体に形成している。このアジャスト筒11の内周
面は、上記シリンダ4の奥端側(図1の右側)の大径部
12と、このシリンダ4の開口側(図1の左側)の小径
部13とを、円錐凹面状の傾斜凹面14を含む連続部に
より連続させて成る。
【0017】一方、上記シリンダ4の奥端面の中心部に
設けた支持孔15の奥端部には、アジャストスリーブ1
6の基端部(図1の右端部)を係止している。このアジ
ャストスリーブ16の基端部に形成した外向フランジ状
の鍔部17の外周縁と上記支持孔15の内周面とは、図
2に示す様に凹凸係合させて、上記アジャストスリーブ
16の回転防止を図っている。又、上記支持孔15の中
間部内周面に係止した係止筒19と上記鍔部17との間
には、第一の圧縮ばね20を設けて、この鍔部17を上
記支持孔15の奥端面に押し付けている。この様にして
上記シリンダ4の奥端部に支持固定した、上記アジャス
トスリーブ16の内周面には、ピッチの大きい多条ねじ
である、アジャスト雌ねじ21を形成している。
【0018】そして、このアジャスト雌ねじ21に、ア
ジャストロッド22の基半部(図1の右半部)外周面に
形成した、やはりピッチの大きい多条ねじである、アジ
ャスト雄ねじ23を螺合させている。尚、このアジャス
ト雄ねじ23と上記アジャスト雌ねじ21との螺合部に
は、所定のバックラッシュを設ける。このバックラッシ
ュに基づく、上記アジャストスリーブ16と上記アジャ
ストロッド22との軸方向に亙る相対変位量は、非制動
時に於ける、前記ロータ1の両側面と前記1対のブレー
キパッド2、2との間の隙間に見合うものとする。
【0019】又、上記アジャストロッド22の先端部
(図1の左端部)は前記小径部13の内側に、回転及び
軸方向に亙る移動自在に挿入している。尚、上記アジャ
ストロッド22の先端部外周面に形成した係止溝24に
はシールリング25を装着して、この先端部外周面と上
記小径部13の内周面との間の油密保持を図っている。
これは、この小径部13内での上記アジャストロッド2
2の先端部の軸方向に亙る変位を円滑に行なわせるべ
く、上記小径部13の奥端部に吸排気孔26を設けた事
に伴い、上記シリンダ4内に送り込んだ圧油がこの吸排
気孔26にまで達するのを防止する為である。
【0020】更に、上記アジャストロッド22の中間部
先端寄り部分には、外向フランジ状のアジャスト鍔部2
7を形成している。このアジャスト鍔部27の外周縁
は、前記傾斜凹面14と同方向に同一角度傾斜した、円
錐凸面状の傾斜凸面28としている。そして、上記アジ
ャスト鍔部27と、前記大径部12の内周面開口寄り部
分に係止した止め輪29との間に、スラスト転がり軸受
30と第二の圧縮ばね31とを、上記アジャスト鍔部2
7の側から順番に、互いに直列に設けている。尚、この
うちの第二の圧縮ばね31の弾力は、前記第一の圧縮ば
ね20の弾力よりも十分に小さい。
【0021】上述の様に構成するディスクブレーキによ
り制動を行なう際には、前述した従来のディスクブレー
キと同様に、給油ポート32を通じて上記シリンダ4内
に圧油を送り込む。この給油ポート32からシリンダ4
内に送り込まれた圧油は、前記アジャストスリーブ16
の一部に設けた図示しない切り欠き及び凹溝、或は前記
アジャストロッド22の内部に形成した中央孔35を介
して上記シリンダ4の内部にまで達し、このシリンダ4
から上記ピストン5を突出させる。そして、前記1対の
ブレーキパッド2、2を上記ロータ1の両側面に押圧す
る。この様な制動時に、これら1対のブレーキパッド
2、2が摩耗していなければ、上記シリンダ4内での上
記ピストン5の軸方向に亙る変位量は、前記アジャスト
雌ねじ21と前記アジャスト雄ねじ23との螺合部に存
在するバックラッシュ分となる。この状態では、制動時
にも上記傾斜凹面14と上記傾斜凸面28とは離隔せ
ず、上記アジャストロッド22が回転する事はない。
【0022】これに対して、上記1対のブレーキパッド
2、2の摩耗が進み、上記ピストン5が上記シリンダ4
から、上記バックラッシュ分を越えて突出すると、上記
傾斜凹面14と上記傾斜凸面28とが離隔する。上記ア
ジャストロッド22は、上記第二の圧縮ばね31によ
り、常に前記アジャストスリーブ16からの突出量を増
大させる方向の弾力を付与されているので、上記両面1
4、28が離隔すると、上記アジャストロッド22が、
回転しつつ上記アジャストスリーブ16から突出する。
そして、上記両面14、28同士を密接させる。何れに
しても、制動を行なっている状態では、これら両面1
4、28同士が密接し、上記アジャストスリーブ16の
内周面に形成したアジャスト雌ねじ21と、上記アジャ
ストロッド22の外周面に形成したアジャスト雄ねじ2
3との螺合部に存在するバックラッシュ分は、上記アジ
ャストスリーブ16とアジャストロッド22とを伸長さ
せる方向に消費した状態となる。
【0023】この状態から上記シリンダ4内の圧油を排
出し、制動を解除すると、前記ロータ1の軸方向に亙る
振れにより、上記ブレーキパッド2を介して上記ピスト
ン5をシリンダ4内に押し込む。即ち、上記ロータ1の
回転中心軸と上記シリンダ4及びピストン5の中心軸と
は平行に造るが、不可避的な組み付け誤差、制動時の熱
による歪み等により、上記ロータ1のうち、上記ブレー
キパッド2と擦れ合う外周寄り部分が、僅かに軸方向
(図1の左右方向)に変位しつつ回転する。上記シリン
ダ4内の圧油を排出した状態では、この様な振れにより
上記ロータ1が、上記ブレーキパッド2を介して上記ピ
ストン5を上記シリンダ4内に押し込む。
【0024】この様にしてロータ1がピストン5をシリ
ンダ4内に押し込む際、このシリンダ4の内周面と前記
シールリング7aの外周縁とが擦れ合う。本発明のディ
スクブレーキの場合には、このシールリング7aとし
て、前述した様な断面J字形のものを使用している為、
このシールリング7aの外周縁と上記シリンダ4の内周
面との当接部に作用する摩擦力は、0.8〜1.0kgf
と小さい。従って、上記ディスクロータ1による上記ピ
ストン5の押し込みは、十分に且つ円滑に行なわれる。
そして、制動解除時に上記ロータ1の両側面と上記各ブ
レーキパッド2、2と間に作用する摩擦力である、引き
摺り抵抗を低減させる事ができる。即ち、走行時に発生
する大きな横G、或は振動により、上記ピストン5が上
記シリンダ4から突出する方向に変位しても、このピス
トン5は、上記シリンダ4の内周面との当接部に作用す
る小さな摩擦力に見合う力でしか、上記各パッド2、2
を上記ロータ1の両側面に押し付けない。従って、上記
引き摺り抵抗を小さく抑える事ができる。
【0025】又、非制動時には、前記アジャスト機構1
0が、上記シリンダ4内へのピストン5の押し込み量を
機械的に規制する。従って、急旋回時に加わる大きな横
Gや走行時の振動に拘らず、非制動時に上記ピストン5
がシリンダ4内に前記所定のバックラッシュ分以上に移
動する事はない。この為、上記ロータ1の両側面と各ブ
レーキパッド2、2との間の隙間が過大になるノックバ
ックやシェイクバック等が発生する事を確実に防止でき
る。
【0026】次に、図3〜4は、本発明の実施の形態の
第2例を示している。本例の場合には、シリンダ4の内
周面の開口寄り部分に係止溝6aを、全周に亙って形成
し、この係止溝6a内に、シールリング7bを装着して
いる。そして、このシールリング7bの内周縁を、ピス
トン5の外周面に摺接させている。このシールリング7
bも、断面の直径方向中間部に空隙部9aを有し、制動
時にシリンダ4内に送り込んだ圧油をこの空隙部9aの
内側に導入して、上記シールリング7bと上記ピストン
5の外周面との当接圧を確保するものである。シールリ
ング7bの装着位置を変えた以外の構成及び作用は、上
述した第1例の場合と同様であるから、同等部分には同
一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0027】次に、図5〜7は、本発明の実施の形態の
第3例を示している。本例の場合には、シリンダ4の内
周面の開口寄り部分に形成した係止溝6bに装着するシ
ールリング7b′として、シリンダ4の奥面側に対向す
る端面に、それぞれが円弧形である複数の凹部33、3
3を形成し、これら各凹部33、33を空隙部としたも
のを使用している。この様なシールリング7b′を使用
する本例の場合も、非制動状態でのピストン5の摺動に
対する抵抗を0.8〜1.0kgf とすると共に、このピ
ストン5の外周面と上記シリンダ4の内周面との間の油
密保持を確実にしつつ、前述した第1例及び上述した第
2例と同様の作用・効果を得られる。尚、本例で使用す
るシールリング7b´は、自由状態では図7に示す様
に、断面が略矩形状であり、上記係止溝6a内に装着さ
れてこの係止溝6a内で圧縮される事により、断面が略
台形状となる。
【0028】次に、図8〜9は、本発明の実施の形態の
第4例を示している。本例の場合には、シリンダ4の内
周面の開口寄り部分に形成した係止溝6aに装着するシ
ールリング7cとして、シリンダ4の奥面側に対向する
端面に切目34を形成し、この部分でこのシールリング
7cの厚さ寸法を弾性的に拡大自在としたものを使用し
ている。この様なシールリング7cの内周縁は、比較的
小さな締め代で、ピストン5の外周面に摺接している。
この様な本例の場合も、非制動状態でのピストン5の摺
動に対する抵抗を0.8〜1.0kgf とすると共に、制
動時には上記切目34の内側にシリンダ4内に送り込ん
だ圧油を導入する事により、このピストン5の外周面と
上記シリンダ4の内周面との間の油密保持を確実にす
る。そして、前述した第1、2例及び上述した第3例と
同様の作用・効果を得られる。尚、上述の説明は、本発
明のフローティングキャリパ型のディスクブレーキに実
施した場合に就いて述べたが、本発明は、対向ピストン
型のディスクブレーキに就いても実施できる。
【0029】
【発明の効果】本発明のディスクブレーキは、以上に述
べた通り構成され作用するので、安定した制動能力を発
揮でき、しかも自動車の動力性能、燃費性能の向上に寄
与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。
【図4】図3のB部拡大図。
【図5】同第3例を示す部分断面図。
【図6】第3例に使用するシールリングを図4の右方か
ら見た図。
【図7】同例に使用するシールリングを自由状態で示
す、図6のC−C拡大断面に相当する図。
【図8】本発明の実施の形態の第4例を示す部分断面
図。
【図9】第4例に使用するシールリングを自由状態で示
す、図8のD部に相当する拡大断面図。
【図10】従来構造の1例を示す断面図。
【図11】(A)は制動時の状態を、(B)は制動解除
時の状態を、それぞれ示す、図10のE部拡大図。
【符号の説明】
1 ロータ 2 ブレーキパッド 3 キャリパボディー 4 シリンダ 5 ピストン 6、6a 係止溝 7、7a、7b、7b′、7c シールリング 8 防塵ブーツ 9、9a 空隙部 10 アジャスト機構 11 アジャスト筒 12 大径部 13 小径部 14 傾斜面 15 支持孔 16 アジャストスリーブ 17 鍔部 19 係止筒 20 第一の圧縮ばね 21 アジャスト雌ねじ 22 アジャストロッド 23 アジャスト雄ねじ 24 係止溝 25 シールリング 26 給排気孔 27 アジャスト鍔部 28 傾斜面凸面 29 止め輪 30 スラスト転がり軸受 31 第二の圧縮ばね 32 給油ポート 33 凹部 34 切目 35 中央孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪と共に回転するロータと、このロー
    タの両側に配置した1対のブレーキパッドと、これら両
    ブレーキパッドに対向して設けたキャリパボディーと、
    このキャリパボディー内に、少なくとも何れか一方のブ
    レーキパッドに対向する部分に開口する状態で設けられ
    た少なくとも1個のシリンダと、このシリンダ内に嵌装
    されたピストンと、これらシリンダの内周面とピストン
    の外周面との間に設けられてこれら両周面同士の間の油
    密保持を図るシールリングとを備え、上記シリンダ内へ
    の圧油の送り込みによりこのシリンダから上記ピストン
    を突出させ、上記1対のブレーキパッドを上記ロータの
    両側面に押圧して制動を行なわせるディスクブレーキに
    於いて、上記シールリングとして、非制動状態ででの上
    記ピストンの移動時に摺接する周面との間の摩擦力が
    0.8〜1.0kgfであるものを使用すると共に、非制
    動時に上記シリンダ内へのピストンの押し込み量を機械
    的に規制する、アジャスト機構を設けた事を特徴とする
    ディスクブレーキ。
  2. 【請求項2】 シールリングが、その径方向に亙り断面
    の中間部に空隙部若しくは切り欠きを有し、制動時にシ
    リンダ内に送り込んだ圧油をこの空隙部若しくは切り欠
    きの内側に導入して上記シールリングと相手周面との当
    接圧を確保するものである、請求項1に記載したディス
    クブレーキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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