JPH08247187A - 液圧式車両用ディスクブレーキ - Google Patents

液圧式車両用ディスクブレーキ

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JPH08247187A
JPH08247187A JP7048898A JP4889895A JPH08247187A JP H08247187 A JPH08247187 A JP H08247187A JP 7048898 A JP7048898 A JP 7048898A JP 4889895 A JP4889895 A JP 4889895A JP H08247187 A JPH08247187 A JP H08247187A
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JP
Japan
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piston
cylinder hole
elastic
groove
ring
Prior art date
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Application number
JP7048898A
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English (en)
Inventor
Masahiro Watanabe
賢浩 渡辺
Tatsuyoshi Sakurai
辰佳 櫻井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissin Kogyo Co Ltd filed Critical Nissin Kogyo Co Ltd
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Publication of JPH08247187A publication Critical patent/JPH08247187A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/14Actuating mechanisms for brakes; Means for initiating operation at a predetermined position
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D2125/00Components of actuators
    • F16D2125/02Fluid-pressure mechanisms
    • F16D2125/06Pistons

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】制動解除時のピストンを所定量確実にロールバ
ックさせ、併せてピストンのノックバックを有効に防止
する。 【構成】 シリンダ孔7の内周にリング装着溝13を設
けて、弾性リング19を嵌着する。弾性リング19に、
リング体19aと複数の長弾性爪19b及び短弾性爪1
9cとを設ける。長弾性爪19bの脚片19eと短弾性
爪19cの脚片19fの長さを違えて、先端の爪片19
g,19hを、シリンダ孔7の軸方向へ係合溝16のピ
ッチとは異なる長さL1で偏位させる。弾性爪19b,
19cの爪片19g,19hを、それぞれ係合溝16の
異なる部位と係合させることにより、ライニング6aの
摩耗に伴なうピストン9のアジャスト移動を許容し、制
動解除時のピストン9をシリンダ孔7の底部方向へ確実
にロールバックさせ、ピストン9に外力が作用した際に
はこれを規制して、ノックバックを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車や自動二輪車等
の各種の走行車両に用いられる液圧式のディスクブレー
キに係り、詳しくは、ピストンのロールバック量の確保
とノックバックを防止する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】シリンダ孔に内挿されたピストンを、昇
圧した作動液で作動する液圧式の車両用ディスクブレー
キにあっては、車両の走行振動でバタついた摩擦パッド
がピストンを叩くなどして、ピストンを所定の後退位置
よりもシリンダ孔の底部方向へ押し込んでしまうノック
バックを生じることがあるため、例えば特開昭57−9
0428号公報に示されるノックバック防止構造が提案
されている。
【0003】このディスクブレーキは、ピストンの底部
に周設された環状溝にシリンダ孔の底部側へ拡径する弾
性リングを嵌着して、該弾性リングの外周縁をシリンダ
孔に摩擦接触させることにより、制動時のピストンをシ
リンダ孔の開口部方向へは移動を許容するが、ピストン
をシリンダ孔の底部方向へ押し込もうとする外力が作用
した場合には、弾性リングとシリンダ孔との摩擦接触に
よってこれを規制し、また環状溝のシリンダ孔開口側
に、ピストンのロールバック分の間隙を設定して、制動
及び制動解除時のピストンが、弾性リングとシリンダ孔
との摩擦接触に拘りなくシリンダ軸方向へ移動できるよ
うにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような構成にあっ
ては、ピストンに弾性リングとシリンダ孔との摩擦力よ
りも大きい外力が作用した場合には、ピストンを規定の
ロールバック量よりも大きくシリンダ孔内へ押し込ん
で、ブレーキペダルやブレーキレバーの作動ストローク
と抵抗とが増大してしまうこととなり、ノックバック防
止構造として安定した性能を発揮することはむずかしか
った。
【0005】そこで本発明は、制動解除時のピストンを
所定量確実にロールバックさせ、併せてピストンのノッ
クバックを有効に防止することのできる液圧式車両用デ
ィスクブレーキを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的に従い、第1
発明では、ディスクロータの側面との間に摩擦パッドを
挟んで配設されるキャリパボディの作用部に、シリンダ
孔をディスクロータ側へ開口して設け、該シリンダ孔
に、前記摩擦パッドをディスクロータの側面へ押圧する
ピストンを液密且つ移動可能に内挿した液圧式車両用デ
ィスクブレーキにおいて、前記キャリパボディの作用部
と前記ピストンのいずれか一方に複数の係合溝を連設
し、他方にはこの係合溝と係合して、制動時に前記シリ
ンダ孔を開口部方向へ移動するピストンに伴って弾性変
形し、且つ制動解除時には前記弾性変形の復元力を以て
ピストンをシリンダ孔の底部方向へ引き戻す複数の弾性
爪を設けると共に、該弾性爪と前記係合溝とを、前記デ
ィスクロータと摩擦パッド間の制動間隙が所定以上に拡
がった際には、弾性爪が係合溝を乗り越えてピストンの
繰り出しを許容し、且つピストンにシリンダ孔を底部方
向へ押し込む外力が作用した際には、弾性爪が係合溝と
当接してピストンの押し込みを規制するよう設定してい
る。
【0007】また第2発明として、ディスクロータの側
面との間に摩擦パッドを挟んで配設されるキャリパボデ
ィの作用部に、シリンダ孔をディスクロータ側へ開口し
て設け、該シリンダ孔に、前記摩擦パッドをディスクロ
ータの側面へ押圧するピストンを液密且つ移動可能に内
挿した液圧式車両用ディスクブレーキにおいて、前記キ
ャリパボディの作用部と前記ピストンのいずれか一方に
複数の係合溝を連設し、他方には、前記ディスクロータ
と摩擦パッド間の制動間隙が所定以上に拡がった際に、
前記係合溝を乗り越えてピストンの繰り出しを許容し、
且つピストンにシリンダ孔を底部方向に押し込む外力が
作用した際には、前記係合溝と当接してピストンの押し
込みを規制する複数の弾性爪を設ける。
【0008】上述の係合溝は、複数の環状溝をシリンダ
孔やピストンの軸方向に等ピッチで並べたり、或いはめ
ねじのような連続した螺旋状の溝とすることもできる。
係合溝の断面形状として、三角や台形,のこ歯,丸等が
ある。複数の弾性爪は、全てを同一形状としてもよい
が、長短数種類の長さを用いることもできる。
【0009】
【作用】第1発明では、係合溝と弾性爪との係合や当接
が、制動間隙の拡がりに伴なうピストンの繰り出しを許
容しつつ、ピストンのノックバック防止を担う。また、
ピストンの前進作動によって弾性爪が変形し、該弾性爪
の復元力によってピストンがロールバックする。従っ
て、従来液封とピストンのロールバックとを行なってい
た角シールを、設定が容易なOリングに代えて液封だけ
を行なえばよい。
【0010】第2発明では、ピストンのロールバック
が、シリンダ孔とピストンとの間に介装された角シール
の復元力によって行なわれ、係合溝と弾性爪とは、制動
間隙の拡がりに伴なうピストンの繰り出しを許容しつ
つ、ピストンのノックバック防止を担う。
【0011】両発明によるピストンのノックバック防止
は、係合溝と弾接爪との当接によって行なうので、ピス
トンをシリンダ孔内へ押し込もうとする外力に対して確
実な抵抗力を保持する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の各実施例図面に基づいて説明
する。図中、図1〜図4の第1実施例と図5の第2実施
例では、それぞれ第1発明を適用し、また図6及び図7
の第3実施例と図8の第4実施例では、それぞれ第2発
明を適用している。
【0013】図1〜図4の第1実施例に示すディスクブ
レーキ1は、図示しない車輪と一体に回転するディスク
ロータ2と、該ディスクロータ2の一側部で車体に固着
されるキャリパブラケット3と、該キャリパブラケット
3に、スライドピン4,4を介してディスク軸方向へス
ライド可能に支持されるキャリパボディ5と、キャリパ
ボディ5の作用部5aと反作用部5bとの間に、ディス
クロータ2を挟んで配設される一対の摩擦パッド6,6
とを持っている。
【0014】キャリパボディ5は、ディスクロータ2の
両側部に対向配置される上述の作用部5aと反作用部5
bとを、ディスクロータ2の外側を跨いで配設されるブ
リッジ部5cで連結して構成されており、作用部5aに
は、ディスクロータ側へ開口するシリンダ孔7と、該シ
リンダ孔7の底壁5dに開口するユニオン孔8と、ディ
スクロータ2の側面と平行に突出する3つの取付け腕5
e,5eとが設けられ、反作用部5bには反力爪5fが
一体形成されている。
【0015】各摩擦パッド6は、ディスクロータ2の側
面に押圧されるライニング6aと、キャリパ支持腕3
a,3aに係止される金属製の裏板6bとを接合して構
成されており、裏板6bの両側部をキャリパ支持腕3
a,3aのトルク受け段部3bに係止して、該トルク受
け部3b上をディスク軸方向へスライド可能に吊持され
ている。
【0016】シリンダ孔7にはコップ状のピストン9が
内挿され、該ピストン9とシリンダ孔7の底壁5dとの
間に液圧室10が画成される。ディスク回入側と回出側
の取付け腕5e,5eには、それぞれスライドピン4が
取付けボルト11を用いて反作用部方向へ突設されてお
り、キャリパボディ5は、各スライドピン4をキャリパ
支持腕3aのピン孔12に挿通して、ディスク軸方向へ
スライド可能に支持される。
【0017】前記ユニオン孔8には、別途に配設された
公知の液圧マスタシリンダがブレーキホース(いずれも
図示せず)を介して接続され、運転者の制動操作によっ
て液圧マスタシリンダで昇圧された作動液は、ユニオン
孔8より液圧室10に供給され、ピストン9をシリンダ
孔7の開口部方向へ前進させて作用部側の摩擦パッド6
を押動し、該摩擦パッド6のライニング6aをディスク
ロータ2の一側面へ摺接させる。次に、この反作用部に
よってキャリパボディ5が作用部方向へ移動し、反作用
部側の摩擦パッド6のライニング6aをディスクロータ
2の他側面へ摺接させて、制動作用が行なわれる。
【0018】前記シリンダ孔7の開口部には、リング装
着溝13とブーツ溝14とが内外に周設され、またピス
トン9には、外周面の先端開口部側から、ブーツ溝15
と複数の係合溝16とシール溝17とが順次周設されて
いる。シリンダ孔7とピストン9のブーツ溝14,15
にはブーツ18の両端18a,18aが嵌着され、該ブ
ーツ18によって、シリンダ孔7とピストン9との間に
雨水や塵埃が侵入しないようにしている。シリンダ孔7
のリング装着溝13には後述する弾性リング19が嵌着
され、またピストン9のシール溝17には、従来からの
角シールに代わるOリング20が嵌着されていて、液圧
室10を液密にシールしている。
【0019】係合溝16は、環状の周溝をピストン9の
軸方向に等ピッチで並べたもので、断面が三角形に形成
されている。弾性リング19は、リング装着溝13に組
付けされるテーパ状のリング体19aと、該リング体1
9aからシリンダ孔7の開口部方向へ等間隔で交互に突
出する複数の長弾性爪19bと短弾性爪19cとからな
っている。リング体19aはスリット19dにて切断さ
れていて、リング装着溝13へ組込む際にリング体19
aを拡縮できるようにしている。長弾性爪19bと短弾
性爪19cは、リング体19aの内周縁から傾斜して立
上がる脚片19e,19fと、該脚片19e,19fか
らシリンダ孔7の中心方向へ向き合うように突出する爪
片19g,19hとからなっている。長弾性爪19bと
短弾性爪19cとは、脚片19e,19fの立上がり長
さにおいて差があり、先端の爪片19g,19hを、シ
リンダ孔7の軸方向へ係合溝16のピッチとは異なる長
さL1で偏位させている。
【0020】上記弾性リング19は、リング体19aを
縮径してシリンダ孔7へ内挿し、リング装着溝13の内
側で縮径を解除することにより、リング体19aがリン
グ装着溝13内へ拡開して、外周縁がリング装着溝13
のシリンダ孔開口側の内隅部へ係合し、内周縁が同じく
リング装着溝13のシリンダ孔底部側面に当接して組付
けされる。長弾性爪19bと短弾性爪19cの爪片19
g,19hはシリンダ孔7へ突出し、シリンダ孔7に内
挿されたピストン9の係合溝16と凹凸係合する。
【0021】弾性爪19b,19cは、前述のように、
爪片19g,19hをリング体19aの軸方向へ係合溝
16のピッチとは異なる長さL1で偏位させているた
め、爪片19g,19hは、それぞれ係合溝16の異な
る部位と係合している。例えば、ピストン9を液圧作動
しない非作動時に、弾性爪19b,19cは図1及び図
3の実線状態にあり、長弾性爪19bの爪片19gは、
係合溝16のシリンダ孔底部側の傾斜面に、また短弾性
爪19cの爪片19hは、係合溝16のシリンダ孔開口
部側の傾斜面に、それぞれ自由状態で係合している。こ
の状態において、ピストン9をシリンダ孔7の底部方向
へ押し込もうとする外力がかかると、短弾性爪19cの
爪片19hが係合溝16のシリンダ孔開口部側の傾斜面
に強固に当接するが、短弾性爪19cは、リング体19
aの内周縁がリング装着溝13のシリンダ孔底部側面へ
当接しているので、実線状態からシリンダ孔底部方向へ
変形することはできず、ピストン9はシリンダ孔7の底
部方向へ移動できない。
【0022】また、図1,2の実線に位置するピストン
9を液圧作動すると、爪片19g,19hを係合溝16
に係合させた弾性爪19b,19cの全体が、ピストン
9に追随してシリンダ孔7の開口部側へ弾性変形し、短
弾性爪19cでは図3の想像線のようになる。そして、
上述の液圧作動を解除すると、弾性爪19b,19cの
復元力によってピストン9がシリンダ孔7の底部方向へ
引き戻され、ピストン9と弾性爪19b,19cが図
1,2の実線位置にロールバックする。また、制動作用
の繰返しによってライニング6a,6aが摩耗し、ライ
ニング6aとディスクロータ2の側面との間の制動間隙
が拡がった際には、弾性爪19a,19bの爪片19
g,19hが、係合溝16,16間の突部を相対的に乗
越えてピストン9の送り出しを許容し、ディスクロータ
2の側面との間に再び適正な制動間隙を設定して、ライ
ニング6aの摩耗量を補償する。
【0023】本実施例は、シリンダ孔7側の弾性爪19
b,19cとピストン9の係合溝16との係合によっ
て、ライニング6aの摩耗に伴なうピストン9のアジャ
スト移動を許容しつつ、制動解除時のピストン9をシリ
ンダ孔7の底部方向へ所要量確実にロールバックさせ、
またピストン9にシリンダ孔7を底部方向へ押し込む外
力が作用した際には、弾性爪19b,19cの爪片19
g,19hのいずれかが、係合溝16のシリンダ孔開口
部側の傾斜面に当接するので、ピストン9のノックバッ
クを有効に防止することができる。
【0024】更に、ピストン9を弾性爪19b,19c
の復元力によってロールバックさせるので、従来の角シ
ールを液封機能のみの安価なOリング20に代えること
ができる。従って、角シールを目視が困難なシリンダ孔
のシール溝へ治具を用いて組付けする必要がなく、また
角シールほどの高度な嵌め合い精度を不要にして、Oリ
ング20を目視しながらピストン9へ容易にしかも嵌着
できるようになる。
【0025】図5は、本発明の第2実施例を示すもの
で、シリンダ孔7には、先端開口部側から、ブーツ溝3
0とシール溝31と複数の係合溝32とが順次周設され
ており、ピストン9の開口部側にブーツ溝33が、また
底部側にリング装着溝34がそれぞれ周設されている。
シリンダ孔7とピストン9のブーツ溝30,33にはブ
ーツ35の両端35a,35aが嵌着され、ピストン9
のシール溝31にOリング36が嵌着されると共に、ピ
ストン9のリング装着溝34には、シリンダ孔7の係合
溝32と係合する弾性リング37が嵌着されている。
【0026】複数の係合溝32は、めねじ孔の如く螺旋
状に連続した形状となっており、断面形状には第1実施
例と同様の三角形が用いられている。弾性リング37
は、テーパ状のリング体37aと、該リング体37aか
らリング体37a内へ等間隔で突出する複数の弾性爪3
7bとからなっている。リング体37aは、1箇所を図
示しないスリットにて切断されており、ピストン9をシ
リンダ孔7へ内挿する際に、リング体37aを拡開して
リング装着溝34へ容易に組付けできるようにしてい
る。弾性爪37bは、リング体37aの内周縁から傾斜
して立上がる脚片37cと、該脚片37cから弾性リン
グ37の中心方向へ同一面上に対向して突出する爪片3
7dとからなっており、リング体37aをピストン9の
リング装着溝34へ組付けした際には、シリンダ孔7の
係合溝32と凹凸係合する。
【0027】本実施例は上述のように、係合溝32を螺
旋状に形成し、また複数の弾性爪37bの爪片37dを
同一面上に位置させているため、爪片37dが、係合溝
32のシリンダ孔底部側の傾斜面やシリンダ孔開口部側
の傾斜面といったように、それぞれ係合溝32の異なる
部位に係合しており、第1実施例と同様に、シリンダ孔
7の係合溝32とピストン9側の弾性爪37bとの係合
によって、ライニング6aの摩耗に伴なうピストン9の
アジャスト移動を許容しつつ、制動解除時のピストン9
をシリンダ孔7の底部方向へ所要量確実にロールバック
させ、またピストン9にシリンダ孔7を底部方向へ押し
込む外力が作用した際には、係合溝32のシリンダ孔底
部側の傾斜面に弾性爪37bの爪片37dのいずれかが
当接して押し込みを規制するので、ピストン9のノック
バックを有効に防止することができる。
【0028】上述の第1及び第2実施例に例示したよう
に、第1発明では、複数の弾性爪を係合溝の異なる部位
に係合させることによって、ピストンに所要のロールバ
ック量を得ながらノックバックを防止することができ
る。環状の係合溝には複数の長さを持った弾性爪が組合
わせされ、またおねじやめねじの如き螺旋状の係合溝に
は、弾性爪の先端爪片を同一面上に配置してもよく、或
いは長短数種類の長さを用いてもよい。係合溝の断面形
状として、三角形以外に、台形やのこ歯,丸等の形状を
用いることもできる。
【0029】図6及び図7に示す第3実施例では、シリ
ンダ孔7の先端開口部側に、ブーツ溝40とシール溝4
1とが周設され、ピストン9の開口部側に、ブーツ溝4
2と複数の係合溝43とが周設されている。シリンダ孔
7とピストン9のブーツ溝40,42にはブーツ44の
一端44aと他端44bとが嵌着され、ピストン9のシ
ール溝41に角シール45が嵌着されている。係合溝4
3は、シリンダ孔開口部側に傾斜面を、同じくシリンダ
孔底部側に半径方向の平面を持ったのこ歯状に形成され
ており、またブーツ44の一端44aの内周側には、弾
性リング46のリング体46aが一体にモールドされて
いる。
【0030】上記弾性リング46は、平板状に形成され
た上述のリング体46aと、該リング体46aの内周縁
からシリンダ孔7の開口部側へ突出する複数の弾性爪4
6bとからなっている。リング体46aは、一部を図示
しないスリットにて切断されていて、ブーツ44の一端
44aをシリンダ孔7のブーツ溝40へ組込む際に、リ
ング体46aと一端44aとを一体に拡縮できるように
している。また、弾性爪46bは、リング体46aの内
周縁から傾斜して立上がる脚片46cと、該脚片46c
から弾性リング46の中心方向へ同一面上に対向して突
出する爪片46dとからなっている。
【0031】ピストン9を液圧作動しない非作動時に、
ピストン9と弾性爪46bとは図6及び図7の実線状態
にあり、弾性爪46bの爪片46dは、係合溝43のシ
リンダ孔底部側の平面に自由状態で係合している。この
状態において、ピストン9にシリンダ孔7の底部方向へ
押し込もうとする外力が作用すると、弾性爪46bの爪
片46dに係合溝43のシリンダ孔底部側の平面が強く
当接し、弾性爪46bは、図6の想像線で示すように、
リング体46aの内周縁がブーツ溝40のシリンダ孔底
部側面へ当接するまで弾性変形する。そして、ピストン
9は弾性爪46bの弾性変形分だけ一旦シリンダ孔7内
へ押し込まれるが、弾性爪46bはそれ以上の変形でき
ないため、ピストン9の後退限が規制され、また上述の
外力が解除されると、弾性爪46bの復元力によってピ
ストン9が押し出され、ピストン9と弾性爪46bとが
一体となって図6,7の実線位置に復帰する。
【0032】図6,7の実線に位置するピストン9を液
圧作動すると、角シール45がピストン9に追随して弾
性変形し、また弾性爪46bは、ピストン9のストロー
クが大きい場合には係合溝43の傾斜面に押されて弾性
変形するが、ピストン9のストロークが僅かで、係合溝
43の傾斜面が弾性爪46bの爪片46dと接触しない
場合には弾性変形しない。そして、上述の液圧作動を解
除すると、角シール45の復元力によって、ピストン9
がシリンダ孔7の底部方向へ引き戻され、ピストン9が
図6,7の実線位置にロールバックする。また、弾性爪
46bが弾性変形していた場合には、弾性爪46bの復
元力がピストン9を引き戻す助勢力として作用する。
【0033】更に、ライニングとディスクロータの側面
との間の制動間隙が拡がった際には、弾性爪46bの爪
片46dが係合溝43の突部を相対的に乗越えてピスト
ン9の送り出しを許容し、ディスクロータの側面との間
に適正な制動間隙を設定して、ライニングの摩耗量を補
償する。
【0034】図8は、第3実施例を変形した第4実施例
で、第3実施例で一体化した弾性リングとブーツとを分
離した例を示している。
【0035】弾性リング50は、シリンダ孔7のリング
装着溝51に組付けされる断面略Z形のリング体50a
と、該リング体50aの内周縁からシリンダ孔7の開口
部側へ突出する複数の弾性爪50bとからなっている。
リング体50aは、一部を図示しないスリットにて切断
されていて、リング装着溝51に組付けする際に、リン
グ体50aを拡縮できるようにしている。また、弾性爪
50bは、リング体50aの内周縁から傾斜して立上が
る脚片50cと、該脚片50cから弾性リング50の中
心方向へ同一面上に対向して突出する爪片50dとから
なっている。
【0036】上述の第3及び第4実施例では、ピストン
9のロールバックは角シール45で行ない、外力による
ピストン9のノックバックは、係合溝43と弾性爪46
b,50bとの当接によって防止する。外力が作用した
際には、弾性爪46b,50bが図6または図8のよう
に弾性変形して、ピストン9が一旦はシリンダ孔7内へ
若干押し込まれるものの、外力が解除されれば、弾性爪
46b,50bの復元力によってピストン9を所定の後
退位置へ確実に復帰させるので、ピストンのノックバッ
ク防止に摩擦力を用いた従来例のように、ブレーキペダ
ルやブレーキレバーの作動ストロークや抵抗を増大させ
てしまうことがない。
【0037】
【発明の効果】本発明の液圧式車両用ディスクブレーキ
は、キャリパボディの作用部と該作用部のシリンダ孔に
内挿されるピストンのいずれか一方に複数の係合溝を連
設し、他方にはこの係合溝と係合して、制動時に前記シ
リンダ孔を開口部方向へ移動するピストンに伴って弾性
変形し、且つ制動解除時には前記弾性変形の復元力を以
てピストンをシリンダ孔の底部方向へ引き戻す複数の弾
性爪を設けると共に、該弾性爪と前記係合溝とを、ディ
スクロータと摩擦パッド間の制動間隙が所定以上に拡が
った際には、弾性爪が係合溝を乗り越えてピストンの繰
り出しを許容し、且つピストンにシリンダ孔を底部方向
へ押し込む外力が作用した際には、弾性爪が係合溝と当
接してピストンの押し込みを規制するよう設定したか
ら、弾性爪と係合溝との係合によって、摩擦パッドのラ
イニングの摩耗に伴なうピストンのアジャスト移動を許
容しつつ、制動解除時のピストンをシリンダ孔の底部方
向へ所要量確実にロールバックさせ、またピストンにシ
リンダ孔を底部方向へ押し込む外力が作用した際には、
弾性爪と係合溝との当接によって押し込みを規制するの
で、ピストンのノックバックを有効に防止することがで
きる。従って、ピストンのノックバック防止に摩擦力を
用いた従来例のように、ブレーキペダルやブレーキレバ
ーの作動ストロークや抵抗を増大させてしまうことがな
く、安定した制動力を発揮することができる。
【0038】更に、ピストンを弾性爪の復元力によって
ロールバックさせるので、従来の角シールを液封機能の
みの安価なOリングに代えることができ、角シールのよ
うな高度な嵌め合い精度を要することなく、簡便に組付
けすることができようになる。また角シールでは、専用
の治具を用いてシリンダ孔のシール溝に組付けしていた
が、Oリングの場合には、シリンダ孔とピストンのいず
れにも設定することができ、特にピストンへ組付けする
場合には、Oリングを目視しながら、しかも専用治具を
用いずともピストンへ容易に組付けできるようになる。
【0039】また、本発明の他の構造として、キャリパ
ボディの作用部と、該作用部のシリンダ孔に内挿される
ピストンのいずれか一方に複数の係合溝を連設し、他方
には、前記ディスクロータと摩擦パッド間の制動間隙が
所定以上に拡がった際に、前記係合溝を乗り越えてピス
トンの繰り出しを許容し、且つピストンにシリンダ孔を
底部方向に押し込む外力が作用した際には、前記係合溝
と当接してピストンの押し込みを規制する複数の弾性爪
を設けから、ピストンのロールバックは角シールで行な
いながら、弾性爪と係合溝によって、摩擦パッドのライ
ニングの摩耗に伴なうピストンのアジャスト移動を許容
しつつ、ピストンのノックバックを有効に防止すること
ができ、ピストンのノックバック防止に摩擦力を用いた
従来例のように、ブレーキペダルやブレーキレバーの作
動ストロークや抵抗を増大させてしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すディスクブレーキの
要部断面平面図
【図2】本発明の第1実施例を示すディスクブレーキの
一部断面平面図
【図3】図1の要部拡大図
【図4】本発明の第1実施例に用いた弾性リングの斜視
【図5】本発明の第2実施例を示すディスクブレーキの
要部断面平面図
【図6】本発明の第3実施例を示すディスクブレーキの
要部断面平面図
【図7】本発明の第3実施例を示すディスクブレーキの
要部断面平面図
【図8】本発明の第4実施例を示すディスクブレーキの
断面断面平面図
【符号の説明】
1…ディスクブレーキ 2…ディスクロータ 5…キャリパボディ 5a…作用部 5b…反作用部 6…摩擦パッド 6a…ライニング 6b…裏板 7…シリンダ孔 9…ピストン 10…液圧室 13…リング装着溝 14,15…ブーツ溝 16…係合溝 17…シール溝 18…ブーツ 19…弾性リング 19a…リング体 19b…長弾性爪 19c…短弾性爪 19d…スリット 19e,19f…脚片 19g,19h…爪片 20…Oリング 30…ブーツ溝 31…シール溝 32…係合溝 33…ブーツ溝 34…リング装着溝 35…ブーツ 36…Oリング 37…弾性リング 37a…リング体 37b…弾性爪 37c…脚片 37d…爪片 40,42…ブーツ溝 41…シール溝 43…係合溝 44…ブーツ 44a…ブーツ44の一端 44b…ブーツ44の他端 45…角シール 46…弾性リング 46a…リング体 46b…弾性爪 46c…脚片 46d…爪片 50…弾性リング 50a…リング体 50b…弾性爪 50c…脚片 50d…爪片 51…リング装着溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクロータの側面との間に摩擦パッ
    ドを挟んで配設されるキャリパボディの作用部に、シリ
    ンダ孔をディスクロータ側へ開口して設け、該シリンダ
    孔に、前記摩擦パッドをディスクロータの側面へ押圧す
    るピストンを液密且つ移動可能に内挿した液圧式車両用
    ディスクブレーキにおいて、前記キャリパボディの作用
    部と前記ピストンのいずれか一方に複数の係合溝を連設
    し、他方にはこの係合溝と係合して、制動時に前記シリ
    ンダ孔を開口部方向へ移動するピストンに伴って弾性変
    形し、且つ制動解除時には前記弾性変形の復元力を以て
    ピストンをシリンダ孔の底部方向へ引き戻す複数の弾性
    爪を設けると共に、該弾性爪と前記係合溝とを、前記デ
    ィスクロータと摩擦パッド間の制動間隙が所定以上に拡
    がった際には、弾性爪が係合溝を乗り越えてピストンの
    繰り出しを許容し、且つピストンにシリンダ孔を底部方
    向へ押し込む外力が作用した際には、弾性爪が係合溝と
    当接してピストンの押し込みを規制するよう設定したこ
    とを特徴とする液圧式車両用ディスクブレーキ。
  2. 【請求項2】 ディスクロータの側面との間に摩擦パッ
    ドを挟んで配設されるキャリパボディの作用部に、シリ
    ンダ孔をディスクロータ側へ開口して設け、該シリンダ
    孔に、前記摩擦パッドをディスクロータの側面へ押圧す
    るピストンを液密且つ移動可能に内挿した液圧式車両用
    ディスクブレーキにおいて、前記キャリパボディの作用
    部と前記ピストンのいずれか一方に複数の係合溝を連設
    し、他方には、前記ディスクロータと摩擦パッド間の制
    動間隙が所定以上に拡がった際に、前記係合溝を乗り越
    えてピストンの繰り出しを許容し、且つピストンにシリ
    ンダ孔を底部方向に押し込む外力が作用した際には、前
    記係合溝と当接してピストンの押し込みを規制する複数
    の弾性爪を設けたことを特徴とする液圧式車両用ディス
    クブレーキ。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101067757B1 (ko) * 2004-12-27 2011-09-28 두산산업차량 주식회사 브레이크 디스크 간극 조절 장치
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JP2016142316A (ja) * 2015-01-30 2016-08-08 日立オートモティブシステムズ株式会社 ディスクブレーキおよびピストンの製造方法
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KR20180133145A (ko) * 2017-06-05 2018-12-13 주식회사 만도 디스크 브레이크
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