JP5941726B2 - ディスクブレーキおよびブレーキパッド - Google Patents

ディスクブレーキおよびブレーキパッド Download PDF

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本発明は、ディスクブレーキおよびブレーキパッドに関する。
ブレーキパッドの裏板を合成樹脂で形成するものにおいて、製造工程内での搬送等のための支持を容易にすべく裏板を磁力で吸着できるように合成樹脂に鉄系繊維を含有させたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−98177号公報
上記のブレーキパッドにおいては、鉄系繊維を含有するため、重量が増大してしまうことになり、裏板の合成樹脂化による軽量化の効果が薄れてしまう。
したがって、本発明は、重量増を抑制しつつ、製造時の搬送等のための支持が可能となるブレーキパッドを備えたディスクブレーキおよびブレーキパッドの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るディスクブレーキは、裏板に、その厚さ方向で摩擦材とは反対側へ突出する突起部が一体成形され、前記突起部は、前記裏板の厚さ方向から見て多角形状に形成されており、前記裏板の前記摩擦材とは反対側の面に沿って、ブレーキパッドの製造工程内におけるパッド支持台に設けられる支持具が挿入可能な嵌合部を有し、ピストンの押圧領域よりも内径側であって、かつキャリパの爪部の押圧領域以外の領域に設けられている構成とした。
また、本発明に係るブレーキパッドは、裏板には、厚さ方向で摩擦材とは反対側へ突出する突起部が一体成形され、該突起部は、前記裏板の厚さ方向から見て多角形状に形成されており、前記裏板の前記摩擦材とは反対側の面に沿って、前記ブレーキパッドの製造工程内におけるパッド支持台に設けられる支持具が挿入可能な嵌合部を有し、ピストンの押圧領域よりも内径側であって、かつキャリパの爪部の押圧領域以外の領域に設けられている構成とした。
本発明によれば、重量増を抑制しつつ支持が可能となる。
本発明の第1実施形態に係るブレーキパッドを含むディスクブレーキを示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係るブレーキパッドを示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係るブレーキパッドを示す下面図である。 本発明の第1実施形態に係るブレーキパッドを示す背面図である。 本発明の第1実施形態に係るブレーキパッドの突起部と支持具とを示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るブレーキパッドの突起部と支持具とを示す平面図であって、(a)は支持途中の状態を(b)は支持後の状態を示すものである。 本発明の第2実施形態に係るブレーキパッドを示す下面図である。 本発明の第2実施形態に係るブレーキパッドを示す背面図である。 本発明の第2実施形態に係るブレーキパッドの突起部と支持具とを示す斜視図である。
「第1実施形態」
本発明の第1実施形態を図1〜図6を参照して以下に説明する。
図1は、第1実施形態に係るディスクブレーキ11を示すものである。このディスクブレーキ11は、自動車等の車両制動用のもので、キャリア12と、2つのブレーキパッド10,10と、キャリパ14とを備えている。
キャリア12は、制動対象となる図示略の車輪とともに回転するディスク15の外径側を跨ぐように配置されて車両の非回転部に固定される。2つのブレーキパッド10,10は、ディスク15の両面に対向配置された状態でディスク15の軸線方向に摺動可能となるようにキャリア12に支持される。キャリパ14は、ディスク15の外径側を跨いだ状態でディスク15の軸線方向に摺動可能となるようにキャリア12に支持されてブレーキパッド10,10をディスク15に向かって押圧することによりディスク15に摩擦抵抗を付与する。なお、以下においては、ディスク15の半径方向をディスク半径方向と称し、ディスク15の軸線方向をディスク軸線方向と称し、ディスク15の回転方向をディスク回転方向と称す。
キャリパ14は、ディスク15を跨いだ状態でキャリア12に支持されるキャリパボディ20と、キャリパボディ20内に保持されてディスク15の一面側に対向するように配置されるピストン21とを有している。
キャリパボディ20は、シリンダ部25と、ブリッジ部26と、爪部27とを有して一体的に構成されている。
シリンダ部25は、ディスク15側に開口するようにディスク軸線方向に沿うボア30が形成された有底筒状をなしており、ディスク15の一方の面側に対向配置されている。ピストン21は、ボア30内に摺動可能に挿入されている。ブリッジ部26は、ディスク15を跨ぐためにシリンダ部25の径方向外方でディスク15の軸方向へ延びて形成されている。爪部27は、ブリッジ部26のシリンダ部25と反対側からディスク半径方向内方に延出してディスク15の他方の面側に対向するようになっている。
シリンダ部25の底部には、図示略のブレーキ配管に接続される配管接続穴31が形成されている。そして、キャリパ14は、ボア30内にブレーキ配管を介して図示せぬマスタシリンダや液圧制御ユニットから導入されるブレーキ液によりピストン21をディスク15側に前進させ、液圧が付加されたピストン21でインナ側のブレーキパッド10を押圧してディスク15に接触させる。また、キャリパ14は、ピストン21の押圧反力でキャリア12に対してキャリパボディ20をディスク15から離す方向に移動させて、爪部27でアウタ側のブレーキパッド10を押圧してディスク15に接触させる。このようにして、ピストン21と爪部27とで両側のブレーキパッド10,10を挟持してディスク15に押圧して摩擦抵抗を発生させ、制動力を発生させる。爪部27は、そのディスク回転方向の中央に、ディスク軸線方向に貫通しディスク半径方向内方に開口する形状のリセス32が形成されている。爪部27は、そのディスク軸線方向のシリンダ部25側の端面27aでブレーキパッド10を押圧する。
なお、ボア30の軸線方向における中間位置には、ピストン21との隙間をシールするピストンシール33が保持されており、ボア30の軸線方向における最も開口部側には、ピストン21との間に円環状のブーツ34が介装されている。
ピストン21は、円筒状部36と、この円筒状部36の軸方向の一端側を閉塞する底部37とを有している。ピストン21は、円筒状部36の他端側となる開口側を爪部27に対向させる向きで、その外周面においてシリンダ部25のボア30内に摺動可能に挿入されている。円筒状部36の開口側の端面36aは、ピストン21の軸直交方向に沿っており、径方向の幅が一定の円環状をなしている。ピストン21は、この端面36aでブレーキパッド10を押圧する。
ブレーキパッド10は、制動時に一面側がディスク15に当接する摩擦材40と、この摩擦材40の他面側に設けられキャリア12に摺動可能に支持されてキャリパ14の爪部27あるいはピストン21により押圧される合成樹脂製の裏板41とからなっている。
以下、ブレーキパッド10についてさらに説明する。ブレーキパッド10の摩擦材40は、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂を結合材として構成されている。摩擦材40は、フェノール樹脂と、銅繊維、チタン酸カリウム繊維、ロックウール、アラミド繊維、NBR粉末、カシューダスト、黒鉛、ジルコン粉および硫酸バリウム等とからなる摩擦材用配合材料を所定の混合比で混合し加熱圧縮成形することで形成される。摩擦材40は、ディスク15に当接する当接面45と裏板41に貼付される貼付面46とが平行に形成されている。摩擦材40は裏板41にエポキシ−フェノール樹脂等の接着剤で貼付される。摩擦材40は、図2,図3に示すように、当接面45のディスク回転方向(図2,図3の左右方向)の両側に面取り47,47が形成されており、当接面45のディスク回転方向中央にディスク半径方向(図2の上下方向)に延在するスリット48が形成されている。
裏板41は、ディスク15に対向する面が摩擦材40よりも一回り大きく形成されて摩擦材40が貼付される主板部49と、主板部49のディスク回転方向両側からディスク回転方向外方に突出する一対の支持凸部50,50とを有している。裏板41は、ディスク回転方向両側の支持凸部50,50にて図1に示すキャリア12に支持される。裏板41は、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂を主体とする材料からなっており、詳細には、フェノール樹脂と、ガラス繊維およびその他の無機充填材等とからなる裏板用配合材料を所定の混合比で混合し加熱圧縮成形することで形成される。
裏板41は、図3に示すように、上記した主板部49および一対の支持凸部50,50を有する裏板本体部53と、裏板本体部53から厚さ方向(ディスク軸方向となる方向)一側に突出する突起部54とからなる一体成形品となっている。裏板本体部53は、厚さ方向一側の平坦な表面部51で摩擦材40を貼付することになり、摩擦材40が貼付される表面部51と反対側の平坦な裏面部52から表面部51とは反対側に突起部54が突出している。つまり、突起部54は、裏板41に、その厚さ方向(ディスク軸方向となる方向)で摩擦材40とは反対側へ突出するように形成されている。
突起部54は、図3,図4に示すように、裏板本体部53の裏面部52のディスク回転方向(図3,図4の左右方向)の中央位置かつディスク半径方向(図4の上下方向)の中間所定位置から直方体形状をなして垂直に突出する基板部56と、基板部56の裏板本体部53とは反対側の端部からディスク回転方向の両側に四角柱状をなして突出する一対の嵌合凸部57,57とを有しており、ディスク半径方向となる側から見て略T字状をなしている。突起部54は、図4に示すように、裏板41の厚さ方向(ディスク軸方向となる方向)から見て、四角形状に形成されており、より詳しくはディスク回転方向に長い長方形状に形成されている。図3に示すように、嵌合凸部57,57の裏板本体部53側の部分と、基板部56のディスク回転方向両側の部分と、裏板本体部53の裏面部52側の嵌合凸部57,57と対向する部分とが、裏面部52に沿って後述する支持具60が挿入可能となる一対の嵌合溝部(嵌合部)58,58を構成している。一対の嵌合溝部58,58はディスク半径方向に貫通しており、このディスク半径方向に後述する支持具60が挿入可能となっている。言い換えれば、突起部54は、裏板41の摩擦材40とは反対側の裏面部52の面方向に沿って支持具60が挿入可能な一対の嵌合溝部58,58を有している。
ここで、図4に示すように、突起部54は、ブレーキパッド10がキャリパ14の爪部27側に配置される場合には、ディスク軸線方向から見て爪部27の押圧領域となる端面27aと裏板41との重なり部分(ディスク軸直交方向にて互いに位置が重なり合う部分)以外となるリセス32の範囲内に配置されることになる。また、突起部54は、ブレーキパッド10がキャリパ14のピストン21側に配置される場合には、ディスク軸線方向から見てピストン21の押圧領域となる端面36aと裏板41との重なり部分(ディスク軸直交方向にて互いに位置が重なり合う部分)以外となるその内側範囲内に配置されることになる。つまり、突起部54は、裏板41におけるキャリパ14の押圧領域外に形成されている。
以上のブレーキパッド10を製造する場合、例えば、上記裏板41の形状のキャビティを有する金型に、フェノール樹脂とガラス繊維およびその他の無機充填材等とからなる裏板用配合材料を投入し、金型温度180℃、成形圧力40MPa、成形時間10分で加熱圧縮成形する。その後、成形品を金型より取り出し、180℃〜220℃で360分間保持して熱処理し、裏板41を得る。その後、裏板41の表面部51にエポキシ−フェノール樹脂の接着剤を塗布し、80℃にて30分乾燥する。
また、他方で、フェノール樹脂と、銅繊維、チタン酸カリウム繊維、ロックウール、アラミド繊維、NBR粉末、カシューダスト、黒鉛、ジルコン粉および硫酸バリウム等とからなる摩擦材用配合材料各種を秤量し、レーディゲミキサを用いて混合し、混合粉を得る。この混合粉を摩擦材40の1つ当たりに必要な量を測り取り、予備成形型に投入し、室温にて加圧成形して予備成形品を作製する。上記のように接着剤を乾燥塗布した裏板41と予備成形品とを150℃に加熱した成形型に投入し、成形圧力40MPa、成形時間4分で加熱圧縮成形した後、恒温槽にて220℃に昇温し放置冷却して、合計8時間の熱処理を実施する。その後、当接面45の研磨加工、面取り47,47およびスリット48の切削加工を行いブレーキパッド10を得る。
ブレーキパッド10は、裏板41が鉄系繊維等の磁力応答性を発現する物質を含んでいないため、従来の製造工程でブレーキパッドの搬送等に使用するマグネットチャックによってはブレーキパッド10を加工のためのパッド支持台への支持ができない。このため、上記した製造工程内での搬送や加工時の支持および位置決めのためにパッド支持台に設けられた図5に示す支持具60で突起部54が支持される。この支持具60は、相反する方向に延出する一対の延出部61,61とこれらの間位置から垂直に延出する中央延出部62とを有してベース面63にT字状に開口する開口部64と、一対の延出部61,61のベース面63とは反対となる奥側から中央延出部62と同側に凹んで中央延出部62にも連通する一対の挿入部65,65とを有している。これにより、支持具60は、一対の挿入部65,65よりもベース面63側であって中央延出部62の両側に、中央延出部62に向けて突出する一対の支持部66,66を有している。
支持具60によってブレーキパッド10をパッド支持台に支持する場合、まず、ベース面63に図3に示す裏面部52を対向させるようにして、ブレーキパッド10を突起部54とともに図5に矢印Xで示す方向に移動させて突起部54を一対の延出部61,61内に挿入させることになる(図6(a)に示す状態)。次に、この状態からブレーキパッド10を突起部54とともに図5,図6(a)に矢印Yで示す方向に移動させて中央延出部62側に移動させる(図6(b)に示す状態)。すると、図5に示す一対の挿入部65,65に一対の嵌合凸部57,57が挿入されることになる。言い換えれば、支持具60の一対の支持部66,66をブレーキパッド10の裏面部52に沿って挿入させて一対の嵌合溝部58,58に嵌合させることになる。これにより、支持具60は、そのベース面63に沿う一対の延出部61,61の方向(図5,図6(a)に示す矢印Yとは逆方向)への移動、以外のブレーキパッド10の移動を規制することになり、パッド支持台に対するブレーキパッド10の位置決めと固定とを同時に行うことになる。
上記の支持具60で突起部54を支持しパッド支持台に位置決めした状態でブレーキパッド10の摩擦材40の当接面45の研磨加工と、面取り47,47およびスリット48の切削加工を行う。その際に、研磨工具および切削工具から受ける力の方向(切れ刃の接触位置の移動方向)を一対の延出部61,61に対する中央延出部62の延出方向(図5,図6(a)に示す矢印Y方向)と合わせる。これにより、加工時にブレーキパッド10が受ける力が支持具60への嵌合方向と一致することになり、ブレーキパッド10をパッド支持台、支持具60から脱落させることなく支持できる。
以上に述べた第1実施形態によれば、裏板41に突起部54が設けられているため、突起部54の嵌合溝部58,58に、裏面部52に沿って支持具60の支持部66,66を挿入することで、磁力応答性がなくてもブレーキパッド10を支持具60でパッド支持台に支持することができる。したがって、ブレーキパッド10の裏板41に磁力応答性を発現する物質を含ませる必要がないため、ブレーキパッド10の重量増を抑制しつつ、製造時の搬送等のためのブレーキパッド10の支持が可能となる。
また、従来のパッド支持方法としてマグネットチャックの他、負圧によってパッド支持台にブレーキパッドを吸引して支持するバキュームチャックが考えられる。しかし、このバキュームチャックに対して本実施形態であれば、摩擦材40の加工時に出る粉塵による影響(目詰まりによる吸引力の低下等)を受けにくいため、メンテナンス頻度を減らすことができる。また、支持具60がブレーキパッド10を機械的に支持するため、製造設備の大幅な変更を伴うことなく対応することができる。
また、従来のパッド支持方法として接着剤を用いてブレーキパッドをパッド支持台に支持することが考えられる。しかし、この接着剤利用の支持方法に対して、本実施形態であれば、接着剤の塗布、乾燥、剥離等の工程が不要であり、容易に支持することができる。
また、従来のパッド支持方法として裏板の側面に荷重を加えて押さえるようなチャッキング方法を採用した場合、樹脂製の裏板へのダメージが懸念される上、裏板の形状の違いに応じて支持具の種類が増えてしまい、支持具交換の工数が増大してしまうことになる。しかし、本実施形態によれば、突起部54で支持することができるため、裏板41へのダメージを抑制でき、支持具60の種類および支持具交換の工数を減らすことができる。
また、従来のパッド支持方法として裏板41の支持凸部50,50に荷重を加えて押さえるようなチャッキング方法を採用する場合には、サイズや形状が多様な支持凸部50,50に対応する必要があり、支持具の種類が増え、支持具交換の工数が増大してしまい、さらに面取り47,47の加工が支持具と加工工具との干渉で困難になる。しかし、本実施形態によれば、突起部54をブレーキパッド10の支持凸部50,50のサイズや形状によらず共通の形状にすることができるため、支持具の種類および支持具交換の工数を減らすことができる。また、突起部54を中間位置に設けることができるため、面取り47,47の加工が容易となる。
また、本実施形態の突起部54は、裏板41の厚さ方向から見て四角形状をなしているため、支持具60によるブレーキパッド10の回転を規制した確実な支持および位置決めが可能となる。
また、本実施形態の突起部54は、キャリパ14の押圧領域外に設けられているため、突起部54がキャリパ14に干渉することがなく、キャリパ14による押圧を良好に受けることができる。なお、参考技術ではあるが、突起部54を除去してからブレーキパッド10をキャリパ14に組み付けることも可能である。
「第2実施形態」
本発明の第2実施形態を主に図7〜図9を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第2実施形態においては、図7,図8に示すように、第1実施形態の突起部54とは異なる突起部54’を有するブレーキパッド10’となっている。このブレーキパッド10’の突起部54’は、裏板本体部53のディスク回転方向(図7,図8の左右方向)の中央位置かつディスク半径方向(図8の上下方向)の中間所定位置から厚さ方向一側に突出するものであり、裏板本体部53の裏面部52から直方体形状をなして垂直に突出する。突起部54’も、図8に示すように、裏板41’の厚さ方向から見て、四角形状に形成されており、より詳しくはディスク回転方向に長い長方形状に形成されている。突起部54’には、裏面部52に沿って後述する支持具60’が挿入可能となる嵌合穴部(嵌合部)58’が貫通形成されている。嵌合穴部58’はディスク半径方向に貫通しており、このディスク半径方向に支持具60’が挿入可能となっている。言い換えれば、突起部54’は、裏板41’の摩擦材40とは反対側の裏面部52の面方向に沿って支持具60’が挿入可能な嵌合穴部58’を有している。
ここで、上記した突起部54’も、ブレーキパッド10’がキャリパ14の爪部27側に配置される場合には、ディスク軸線方向から見て爪部27の押圧領域となる端面27aと裏板41’との重なり部分(ディスク軸直交方向にて互いに位置が重なり合う部分)以外となるリセス32の範囲内に配置されることになる。また、ブレーキパッド10’がキャリパ14のピストン21側に配置される場合には、ディスク軸線方向から見てピストン21の押圧領域となる端面36aと裏板41’との重なり部分(ディスク軸直交方向にて互いに位置が重なり合う部分)以外となるその内側範囲内に配置されることになる。つまり、突起部54’も、裏板41’におけるキャリパ14の押圧領域外に形成されている。
このブレーキパッド10’は、上記した製造工程内での搬送や加工時の支持および位置決めのためにパッド支持台に設けられる図9に示す支持具60’で裏板41’の突起部54’が支持される。この支持具60’は、パッド支持台のベース面63に長方形状に開口する開口部64’と、開口部64’内にピン70を進退させるシリンダ装置71とを有している。
支持具60’は、ブレーキパッド10’をパッド支持台に支持する場合、ブレーキパッド10’の突起部54’を開口部64’内に挿入させることになり、この状態でシリンダ装置71を駆動してピン70をブレーキパッド10’の裏面部52に沿って移動させることで、ピン70を突起部54’の嵌合穴部58’内に挿入することになる。これにより、支持具60’は、パッド支持台に対するブレーキパッド10’の位置決めと固定とを同時に行うことになる。
上記の支持具60’で突起部54’を支持し加工機に位置決めした状態でブレーキパッド10’の摩擦材40に対し、第1実施形態と同様、当接面45の研磨加工と、面取り47,47およびスリット48の切削加工を行う。
以上に述べた第1,第2実施形態によれば、突起部54,54’が裏板41の厚さ方向から見て四角形状に形成される場合を例にとり説明したが、四角形以外の多角形状に形成されていても良い。
以上の実施形態のディスクブレーキは、ディスクの両面に対向配置されるブレーキパッドを前記ディスクに向かって押圧するキャリパを有し、前記ブレーキパッドが、前記ディスクに当接する摩擦材と、該摩擦材が一面側に設けられた合成樹脂製の裏板とからなるディスクブレーキにおいて、前記裏板には、その厚さ方向で前記摩擦材とは反対側へ突出する突起部が前記キャリパの押圧領域外に設けられ、前記突起部は、前記裏板の厚さ方向から見て多角形状に形成されており、前記裏板の前記摩擦材とは反対側の面に沿って支持具が挿入可能な嵌合部を有することを特徴とする。これにより、磁力応答性がなくてもブレーキパッドを支持具で支持できることから、ブレーキパッドの裏板に磁力応答性を発現する物質を含ませる必要がなるため、重量増を抑制しつつ支持が可能となる。また、突起部が裏板の厚さ方向から見て多角形状をなしているため、支持具によるブレーキパッドの回転を規制した確実な支持および位置決めが可能となる。また、突起部がキャリパの押圧領域外に設けられているため、突起部がキャリパに干渉することがなく、キャリパによる押圧を良好に受けることができる。
また、以上の実施形態のブレーキパッドは、制動時に一面側がディスクに当接する摩擦材と、該摩擦材の他面側に設けられてキャリパにより押圧される合成樹脂製の裏板と、を備えてなるブレーキパッドにおいて、前記裏板には、前記キャリパの押圧領域外に、厚さ方向で前記摩擦材とは反対側へ突出する突起部が設けられ、該突起部は、前記裏板の厚さ方向から見て多角形状に形成されており、前記裏板の前記摩擦材とは反対側の面に沿って支持具が挿入可能な嵌合部を有することを特徴とする。これにより、磁力応答性がなくても支持具で支持できることから、裏板に磁力応答性を発現する物質を含ませる必要がなるため、重量増を抑制しつつ支持が可能となる。また、突起部が裏板の厚さ方向から見て多角形状をなしているため、回転を規制した支持具による確実な支持および位置決めが可能となる。また、突起部がキャリパの押圧領域外に設けられているため、突起部がキャリパに干渉することがなく、キャリパによる押圧を良好に受けることができる。
10,10’ ブレーキパッド
11 ディスクブレーキ
14 キャリパ
15 ディスク
40 摩擦材
41 裏板
45 当接面(一面)
46 貼付面(他面)
52 裏面部(摩擦材とは反対側の面)
54,54’ 突起部
58 嵌合溝部(嵌合部)
58’ 嵌合穴部(嵌合部)
60,60’ 支持具

Claims (2)

  1. ディスクの両面に対向配置されるブレーキパッドを前記ディスクに向かって押圧するキャリパと、該キャリパ内に保持されて前記ディスクの一面側に対向するように配置されるピストンを有し、
    前記ブレーキパッドが、前記ディスクに当接する摩擦材と、該摩擦材が一面側に設けられた合成樹脂製の裏板とからなるディスクブレーキにおいて、
    前記裏板には、その厚さ方向で前記摩擦材とは反対側へ突出する突起部が一体成形され、
    前記突起部は、前記裏板の厚さ方向から見て多角形状に形成されており、前記裏板の前記摩擦材とは反対側の面に沿って、前記ブレーキパッドの製造工程内におけるパッド支持台に設けられる支持具が挿入可能な嵌合部を有し、前記ピストンの押圧領域よりも内径側であって、かつ前記キャリパの爪部の押圧領域以外の領域に設けられていることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 制動時に一面側がディスクに当接する摩擦材と、該摩擦材の他面側に設けられてキャリパ又は該キャリパに形成されたボア内に摺動可能に配置されるピストンにより押圧される合成樹脂製の裏板と、を備えてなるブレーキパッドにおいて、
    前記裏板には、厚さ方向で前記摩擦材とは反対側へ突出する突起部が一体成形され、
    該突起部は、前記裏板の厚さ方向から見て多角形状に形成されており、前記裏板の前記摩擦材とは反対側の面に沿って、前記ブレーキパッドの製造工程内におけるパッド支持台に設けられる支持具が挿入可能な嵌合部を有し、前記ピストンの押圧領域よりも内径側であって、かつ前記キャリパの爪部の押圧領域以外の領域に設けられていることを特徴とするブレーキパッド。
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