JP2015121291A - ディスクブレーキ - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数、重量並びにコストを低減することができるディスクブレーキの提供。
【解決手段】キャリパ15が、一対のライニング材52,150のうちの一のライニング材52を押圧するピストン63が摺動可能に配置されるシリンダ部161と、シリンダ部161からディスク軸方向に延びてディスク11の外周側を跨ぐように形成されるブリッジ部121と、ブリッジ部121からディスク径方向に延びてディスク11の側面11bに対向する対向面122aが形成される爪部122とを有し、爪部122の対向面122aに、一対のライニング材52,150のうちの他のライニング材150が接着されている。
【選択図】図4
【解決手段】キャリパ15が、一対のライニング材52,150のうちの一のライニング材52を押圧するピストン63が摺動可能に配置されるシリンダ部161と、シリンダ部161からディスク軸方向に延びてディスク11の外周側を跨ぐように形成されるブリッジ部121と、ブリッジ部121からディスク径方向に延びてディスク11の側面11bに対向する対向面122aが形成される爪部122とを有し、爪部122の対向面122aに、一対のライニング材52,150のうちの他のライニング材150が接着されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、車両を制動するためのディスクブレーキに関する。
ディスクブレーキにおいて、キャリパの爪部にライニング材を取り付けるものがある(例えば、特許文献1参照)。
上記のディスクブレーキにおいては、ライニング材の凹部にバッキングプレートを嵌着し、このバッキングプレートの凹部に支軸を嵌着し、この支軸をキャリパの爪部に挿入する構造になっている。このため、ライニング材をキャリパの爪部に取り付けるための構造が複雑で、ディスクブレーキの製造が煩雑になっている。
したがって、本発明は、製造効率を向上させることができるディスクブレーキの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ディスクの側面に対向する爪部の対向面に、ライニング材を接着する構成とした。
本発明のディスクブレーキによれば、製造効率の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態に係るディスクブレーキについて図面を参照して以下に説明する。
本実施形態のディスクブレーキ10は、車両用、具体的には四輪自動車用のもので、図示略の車輪とともに回転する図1〜図4に示すディスク11を制動することで、車両を制動するものである。なお、本発明は、自動二輪車等の他の車両にも勿論適用可能である。以下においては、ディスク11の径方向をディスク径方向と称し、ディスク11の軸線方向をディスク軸方向と称し、ディスク11の回転方向をディスク回転方向と称す。また、ディスク径方向に沿いディスクブレーキ10のディスク回転方向中心とディスク11の回転中心とを通過する線をブレーキ中央線と称す。
ディスクブレーキ10は、車両の非回転部分に取り付けられる取付部材12と、取付部材12に対してディスク軸方向に移動可能に設けられるキャリパ15とを備えている。取付部材12は、図2,図3に示すように、ディスク11の外径側を跨ぐように配置されることになり、この状態で車両の非回転部分に固定される。キャリパ15は、図2〜図4に示すようにディスク11の外径側を跨いだ状態で、ディスク軸方向に摺動可能となるように取付部材12に支持される。
図1,図2に示すように、取付部材12は、ブレーキ中央線を含む平面を中心に鏡面対称の形状をなしている。取付部材12は、図5に示すように、キャリア16と一対のガイド部材17,17と一対のリテーナ18,18と一対のビス19,19とからなっている。図3に示すように、キャリア16は、ディスク11に対してそのインナ側(車幅方向内側:図3の右側)の側面11aに対向するように配置される板状の取付ベース部20と、ディスク11に対してそのアウタ側(車幅方向外側:図3の左側)の側面11bに対向するように配置される板状のアウタビーム部21と、図2に示すように、ディスク11の半径方向外側を超えてこれら取付ベース部20とアウタビーム部21とをディスク回転方向両端位置で連結する板状の一対の連結部22,22とを有している。
図1に示す取付ベース部20は、ディスク軸方向に直交する同一平面内に配置されており、ベース本体部25と、一対の内側延出部27,27とを有している。ベース本体部25は、ディスク回転方向に沿って延在している。一方の連結部22は、ベース本体部25のディスク径方向外側のディスク回転方向の一端部からディスク径方向外方に延出している。他方の連結部22は、ベース本体部25のディスク径方向外側のディスク回転方向の他端部からディスク径方向外方に延出している。
図1に示すように、一対の内側延出部27,27は、それぞれベース本体部25のディスク径方向外側の連結部22,22よりもディスク回転方向の内側近接位置からディスク径方向外側に延出している。一対の内側延出部27,27は、ブレーキ中央線と平行に延出している。
一対の内側延出部27,27には、一対のパッド支持凹部28,28が形成されている。一方のパッド支持凹部28は、一方の内側延出部27の他方の内側延出部27側に、この他方の内側延出部27から離れる方向(ディスク回転方向外方)に向けて凹んで形成されている。他方のパッド支持凹部28は、他方の内側延出部27の一方の内側延出部27側にこの一方の内側延出部27から離れる方向(ディスク回転方向外方)に向けて凹んで形成されている。つまり、一対のパッド支持凹部28,28はディスク回転方向に沿って互いに凹みの開口が向かい合うように反対方向に凹んで形成されている。一対の内側延出部27,27には、一対の嵌合穴29,29が形成されている。一対の嵌合穴29,29は、それぞれ、内側延出部27,27のパッド支持凹部28,28に対しベース本体部25と反対側の部分でディスク軸方向に貫通して形成されている。
ベース本体部25には、一対の取付穴30,30が形成されている。一対の取付穴30は、それぞれベース本体部25のディスク回転方向に離間してディスク軸方向に貫通して形成されている。キャリア16は、これら取付穴30,30に挿通される締結具、例えば、ボルトによって車両の非回転部分に固定される。
一対の連結部22,22は、ディスク径方向外側ほどブレーキ中央線から離間するように傾斜して延出している。図3に示すように、一対の連結部22,22は、それぞれベース本体部25のディスク回転方向の端部からディスク径方向外側ほどディスク軸方向のアウタ側に位置するように湾曲した後、ディスク軸方向に沿って延出しており、ディスク11の外周面11cを越えて形成されている。一対の連結部22,22は、ディスク軸方向に沿う部分が、ディスク径方向内側に対向するディスク11の外周位置の接線方向に沿っている。
アウタビーム部21は、図2に示すように、一対の連結部22,22のディスク11よりも取付ベース部20とは反対側に延出する部分のディスク回転方向内端位置同士を連結しており、図1に示すようにブレーキ中央線に直交する同一平面内に配置されている。アウタビーム部21は、図5に示すように、一対の基板部31,31と、一本のビーム本体部32とを有している。一方の基板部31は、一方の連結部22の他方の連結部22側(ディスク回転方向内側)から、この他方の連結部22に向けて延出している。他方の基板部31は、他方の連結部22の一方の連結部22側(ディスク回転方向内側)から、この一方の連結部22に向けて延出している。ビーム本体部32は、一対の基板部31,31の相互近接側かつディスク軸方向の取付ベース部20とは反対側同士を結んでいる。
キャリア16は、一定板厚の一枚の金属板からプレス成形を主体に形成されている。例えば、キャリア16は、アウタビーム部21、取付ベース部20および連結部22,22で囲まれ、ディスク11が配設される空間部や、取付ベース部20の嵌合穴29,29および取付穴30,30が予め打抜き形成された状態で、同一平面内に配置された展開状態の中間形成体が準備される。この中間形成体が、プレス装置による曲げ加工により、取付ベース部20に対して一対の連結部22,22が折り曲げられ、一対の連結部22,22に対してアウタビーム部21が折り曲げられる。このようにしてキャリア16が形成される。なお、嵌合穴29,29および取付穴30,30は上記曲げ加工の後に穿設することも可能である。
一対のガイド部材17,17は、それぞれ、有底円筒状をなしており、外周側に、底部側の小径外径部36と、底部とは反対側にあって小径外径部36よりも大径の大径外径部37とを有している。ガイド部材17,17は、小径外径部36が、キャリア16の図1に示す嵌合穴29,29にディスク軸方向のアウタビーム部21とは反対側から嵌合される。その際に図5に示すように、大径外径部37と小径外径部36との間の段差面が内側延出部27に当接するようになっている。
図5に示す一対のリテーナ18,18は共通部品である。図6に示すように、リテーナ18は、取付部40とバネ部41とからなっている。リテーナ18は、一体成形品であり、一枚の板材に打抜き加工および曲げ加工が施されて形成される。取付部40は、平板状の下板部42と、この下板部42の長さ方向の両端部からこの下板部42に垂直をなして延出する一対の中間板部43,43と、これら中間板部43,43の下板部42に対し反対側から下板部42と同側に延出してこれら中間板部43,43同士を連結する上板部44とを有している。下板部42と上板部44とは平行をなしている。上板部44は中間板部43,43側が、中間板部43,43の間が凹状に切り欠かれた形状をなしている。また、上板部44の中間板部43,43に対し反対側の端縁部は、長さ方向の両側が長さ方向の中央側ほど中間板部43,43から離れるように傾斜しており、上板部44の長さ方向の中央には中間板部43,43に対し反対側に半円状に突出する突出部48が形成されている。この突出部48の位置に、板厚方向に貫通する取付穴45が形成されている。
バネ部41は、下板部42の長さ方向の中間部からこの下板部42に対し垂直よりも若干大きい角度で傾斜して中間板部43,43と同側に延出する基端板部46と、この基端板部46に垂直をなして基端板部46の下板部42に対し反対側から上板部44と同側に延出する先端板部47とを有している。
図5に示すように、一対のリテーナ18,18は、キャリア16の一対の基板部31,31の相互近接側に取り付けられることになり、その際に、それぞれが一対の中間板部43,43を基板部31に当接させながら下板部42と上板部44とで基板部31を挟持する。そして、この状態で、一対のリテーナ18,18は、取付穴45,45に挿通されるビス19,19で基板部31,31にネジ止めされる。一対のリテーナ18,18は、取付部40,40が基板部31,31に取り付けられた状態で、図6に一方のみを示す基端板部46,46が互いに近接する方向に若干傾斜して延出する。図5に示すように、一対のガイド部材17,17がキャリア16に嵌合固定され、一対のリテーナ18,18がキャリア16にビス19,19でネジ止め固定されて取付部材12となる。ガイド部材17,17はディスク軸方向に沿って配置される。リテーナ18,18はディスク回転方向離間した状態で互いに対向してキャリア16に配置される。
図4に示すように、ディスクブレーキ10は、取付部材12およびキャリパ15とは別体であってディスク11のインナ側(図4の右側)に配置される摩擦パッド50を有している。この摩擦パッド50は、取付部材12にディスク軸方向に摺動可能となるように支持される。
摩擦パッド50は、図7に示すように、裏板51と、裏板51の厚さ方向の一側に貼付されるライニング材52とを有している。裏板51は、ライニング材52を支持する基板部53と、一対の凸部54,54とを有している。一対の凸部54,54は、基板部53のディスク回転方向の端部からディスク回転方向に沿って基板部53から離れる方向(ディスク回転方向外方)に突出している。摩擦パッド50の裏板51には、ライニング材52の摩耗時にディスク11に接触する図5に示す摩耗センサ55が取り付けられている。
ライニング材52は、図7に示すように、円弧状に湾曲する面部52aと、面部52aの両端部から先端側ほど互いに近接するように傾斜して延出する一対の面部52b,52bと、これら面部52b,52bの面部52aに対し反対側同士を結ぶ面部52cとを有している。これら面部52a、面部52b,52bおよび面部52cは、裏板51から垂直に立ち上がっている。また、ライニング材52には、裏板51とは反対側に裏板51と平行をなす一対の面部52d,52dが間に溝部52eを挟んで形成されており、一対の面部52d,52dの両外側に外側ほど裏板51に近づくように傾斜する面部52f,52fが形成されている。
ここで、面部52a、面部52b,52bおよび面部52cは、裏板51にライニング材52を圧縮成形する際に金型で形成される。一対の面部52d,52d、溝部52eおよび面部52f,52fはライニング材52を圧縮成形した後、切削加工により形成される。
摩擦パッド50は、図1に示すように、裏板51の凸部54,54が、取付部材12の取付ベース部20のパッド支持凹部28,28に摺動可能に嵌合される。これにより、摩擦パッド50は、ディスク回転方向両側が、取付部材12に対してディスク回転方向およびディスク径方向の移動が規制されながらディスク軸方向に移動可能に支持される。言い換えれば、取付部材12が摩擦パッド50のディスク軸方向の移動を案内する。摩擦パッド50は、図4に示すように、ディスク11のインナ側(図4の右側)の側面11aに対向するように配置され、制動時にライニング材52がこの側面11aに当接することになる。図1に示す取付部材12は、摩擦パッド50がディスク11と接触することにより生じる制動トルクを、摩擦パッド50に当接するそのディスク回転方向出口側の内側延出部27で受けることになる。
キャリパ15は、図8,図9に示すキャリパ本体60と、図2に示すようにキャリパ本体60にディスク回転方向に離間して設けられる一対のスライドピン61,61および一対のピンブーツ62,62と、図4に示すピストン63、シール部材64、ピストンブーツ65およびブリーダプラグ66とを有している。キャリパ本体60は、シリンダ部材71と、これとは別体のブリッジ部材72と、これらを連結する図2,図3に示す三本のボルト73,73,73とからなっている。
シリンダ部材71は、鋳造の一体成形品であり、図4に示すように、有底筒状をなすシリンダ本体部75と、このシリンダ本体部75の軸方向中間位置から径方向外方に突出するフランジ部76とを有している。つまり、シリンダ部材71は、全体として有底筒状に形成されており、シリンダ部材71の外周にはフランジ部76が径方向外側に突出して形成されている。フランジ部76は、図8にディスク径方向内側の一カ所のみを図示するが、本実施形態においては、シリンダ本体部75のディスク径方向内側およびディスク回転方向両側の三カ所において径方向外方に大きく突出する形状をなしている。図4,図8にディスク径方向内側の一カ所のみを図示するが、フランジ部76には、これら三カ所それぞれにシリンダ本体部75の軸方向に沿って貫通するネジ穴78が形成されている。なお、フランジ部76は、必ずしも三カ所でなくともよく、少なくとも二カ所あれば、二カ所若しくは四カ所以上であってもよい。
図4に示すように、シリンダ本体部75は、筒状部84とその軸方向の一端を閉塞する底部85とを有し、筒状部84の底部85に対し反対側が開口する有底円筒状をなしている。シリンダ部材71は、底部85の中央位置にて底部85から筒状部84とは反対方向に突出する中央突起部88と、底部85の中央突起部88よりも径方向外側位置にて底部85から中央突起部88と同方向に突出する図2に示す一対の突起部89,89と、これらを繋ぐこれらよりも低く突出する連結部90とを有している。
図4に示すように、中央突起部88には、これと底部85とを貫通するネジ穴93が形成されており、このネジ穴93には図示略のブレーキ配管の螺合部材が螺合される。これにより、ブレーキ配管がシリンダ本体部75の内部に連通する。連結部90の一対の突起部89,89の間位置には係合穴94が形成されており、この係合穴94には、図示略のブレーキ配管の係合部材が係合される。これにより、ブレーキ配管のシリンダ部材71からの延出方向を一定させる。一対の突起部89,89のうち、車両への取り付け時に上側となる所定の一方には、図示略のネジ穴がこの突起部89および底部85を貫通するように形成されており、このネジ穴には、エア抜き用のブリーダプラグ66が螺合される。シリンダ部材71は、このブリーダプラグ66用のネジ穴を除けば、鏡面対称の形状をなしている。
シリンダ本体部75は、外周側に、底部85側にあって外周面が円筒面状をなす小径外径部100と、底部85とは反対側にあって外周面が小径外径部100よりも大径の円筒面状をなす大径外径部101とを有している。上記したフランジ部76は、大径外径部101の小径外径部100側の端部位置に形成されている。よって、フランジ部76の小径外径部100側の端面と大径外径部101の小径外径部100側の端面とは同一平面に配置されている。シリンダ部材71は、フランジ部76よりも底部85側となる小径外径部100の外径が、フランジ部76から底部85とは反対側の、フランジ部76を除く大径外径部101の外径よりも小径となっている。
シリンダ本体部75には、その内部にピストン63が配置される。ピストン63は、筒状部84の円筒面状の内周面に摺動可能に設けられる。筒状部84の内周部の開口端位置には、内周面よりも径方向外方に凹む円環状の係止溝105が形成されており、この係止溝105よりも若干底部85側に、内周面よりも径方向外方に凹む円環状のシール溝106が形成されている。
ピストン63は、筒状部110とその軸方向の一端を閉塞する底部111とを有し筒状部110の底部111に対し反対側が開口する有底円筒状をなしている。ピストン63は、シリンダ本体部75の内周面に、筒状部110の外周面で摺動可能に嵌合することになる。その際に、ピストン63は、底部111が底部85側に位置する向きでシリンダ本体部75内に配置される。ピストン63の外周部の底部111に対し反対側には、外周面よりも径方向内方に凹む円環状の係止溝113が形成されている。シリンダ部材71の内周側に形成されたシール溝106には、シール部材64が配置されている。シール部材64は、シリンダ部材71の内周側とピストン63の外周側との隙間をシールする。また、シリンダ部材71の内周側に形成された係止溝105にはピストンブーツ65の一端が係止され、ピストン63の外周側に形成された係止溝113には、このピストンブーツ65の他端が係止される。これにより、ピストンブーツ65がシリンダ部材71とピストン63との隙間に異物が進入することを規制する。
ブリッジ部材72は、図9に示すようにシリンダ部材71のフランジ部76が固定される板状の固定部120と、固定部120の一端縁部から固定部120に対し垂直方向に延出する板状のブリッジ部121と、ブリッジ部121の固定部120とは反対側からブリッジ部121に対し垂直方向に延出する板状の爪部122とを有している。固定部120および爪部122は、ブリッジ部121からその厚さ方向の同側に延出している。
固定部120は、図8に示すように、幅方向(図8における左右方向)の長さが一定の基板部125と、基板部125のブリッジ部121とは反対方向にあって幅方向の中央側ほどブリッジ部121とは反対側に位置するように膨出する形状の膨出板部126とを有している。基板部125の幅方向の両端部には、ブリッジ部121とは反対側の端部位置に、厚さ方向に貫通する一対の貫通穴127,127が形成されている。また、膨出板部126には、図4において幅方向の中央の一カ所のみ示すが、幅方向の中央の一カ所と幅方向両側の二カ所の合計三カ所に厚さ方向に貫通する貫通穴128が形成されている。
図8に示すように、ブリッジ部121は、固定部120と幅方向を一致させるように固定部120から延出している。ブリッジ部121は、図9に示すように、固定部120の膨出板部126とは反対側の端縁部から湾曲しつつ固定部120に対し垂直方向に延出する湾曲板部131と、湾曲板部131の固定部120とは反対側の端縁部から平坦な形状で固定部120に対し垂直方向に延出する平坦板部132とを有している。湾曲板部131は、固定部120の幅方向に見て、湾曲板部131と固定部120とで挟まれる範囲側に中心を有する円弧状をなしている。湾曲板部131は、固定部120側の部分が固定部120側ほど膨出板部126側に位置し、固定部120とは反対側の部分が固定部120から離れるほど膨出板部126側に位置するように湾曲している。
図2に示すように、平坦板部132の湾曲板部131とは反対側の端部には、幅方向の両端に一対の面取り133,133が形成されている。ブリッジ部121は、平坦板部132のうち一対の面取り133,133を除いた部分と湾曲板部131とが幅が一定の定幅部134となっており、この定幅部134の幅が、図8に示す固定部120の基板部125の幅と同等になっている。そして、基板部125と定幅部134とは幅方向の位置を一致させている。
爪部122は、固定部120およびブリッジ部121と幅方向を一致させるようにブリッジ部121から延出している。爪部122は、図9に示すように、ブリッジ部121の平坦板部132の湾曲板部131とは反対側の端縁部から湾曲しつつ平坦板部132に対し垂直方向に延出する湾曲板部140と、湾曲板部140の平坦板部132とは反対側の端縁部から平坦な形状で平坦板部132に対し垂直方向に延出する平坦板部141とを有している。湾曲板部140は、ブリッジ部121の幅方向に見て、その固定部120側に中心を有する円弧状をなしている。よって、湾曲板部140は、ブリッジ部121側の部分がブリッジ部121側ほど固定部120側に位置し、ブリッジ部121とは反対側の部分がブリッジ部121から離れるほど固定部120とは反対側に位置するように湾曲している。平坦板部141は固定部120と平行をなしている。図8に示すように、爪部122は、ブリッジ部121から離れるほど幅方向の長さが短くなる形状をなしている。爪部122は、その先端縁部が、ブリッジ部121と平行な直線状をなしており、中間部に凹む部分がないノンリセスの形状になっている。爪部122の平坦板部141は、図4に示すように、ディスク11の側面11bに対向する平坦な対向面122aを有して形成されている。
図2に示すように、ブリッジ部材72には、幅方向の中央に、固定部120からブリッジ部121にかけて連続する挿通穴145が形成されている。挿通穴145は、固定部120に配置される領域部146と、ブリッジ部121に配置される領域部147とに分けられ、これらが連続するように繋がっている。挿通穴145の幅は、シリンダ部材71の小径外径部100の外径よりも広く、大径外径部101の外径よりも狭くなっている。領域部146は、ディスク径方向内側部分が半円状をなしており、この半円状をなす部分を囲むようにして、図4において一カ所のみ示す貫通穴128が、ディスク径方向内側とディスク回転方向両側の三カ所に形成されている。ブリッジ部材72は、固定部120、ブリッジ部121および爪部122の幅方向の中央を通る平面を中心に鏡面対称の形状をなしている。
ブリッジ部材72は、一定板厚の一枚の金属板からプレス成形を主体に形成されている。例えば、図4に一カ所のみ示す三カ所の貫通穴128と、図8に示す二カ所の貫通穴127,127とが予め形成された状態の固定部120と、挿通穴145を形成する部分が予め形成されたブリッジ部121および爪部122とが同一平面内に配置された展開状態の中間形成体が準備される。この中間形成体が、プレス装置による曲げ加工により、固定部120に対して湾曲板部131が湾曲するように曲げられ、湾曲板部131に対し平坦板部132が平坦な状態のまま若干折り曲げられ、平坦板部132に対して湾曲板部140が湾曲するように曲げられ、湾曲板部140に対し平坦板部141が平坦な状態のままとされる。このようにしてブリッジ部材72が形成される。なお、図4に一カ所のみ示す三カ所の貫通穴128と図8に示す貫通穴127,127とは、上記の曲げ加工の後に穿設するようにしてもよい。
ディスクブレーキ10は、爪部122の板厚方向のブリッジ部121側に向く対向面122aに接着されるライニング材150を有している。ライニング材150は、図10に示すように、円弧状に湾曲する面部150aと、面部150aの両端部から先端側ほど互いに近接するように傾斜して延出する一対の面部150b,150bと、これら面部150b,150bの面部150aに対し反対側同士を結ぶ面部150cとを有している。これら面部150a、面部150b,150bおよび面部150cは、対向面122aから垂直に立ち上がっている。また、ライニング材150には、対向面122aとは反対側に対向面122aと平行をなす一対の面部150d,150dが間に溝部150eを挟んで形成されており、一対の面部150d,150dの両外側に外側ほど対向面122aに近づくように傾斜する面部150f,150fが形成されている。
ブリッジ部材72にライニング材150を接着する工程は、例えば、以下のようになっている。
ライニング材150の素材を予め準備する素材準備工程を行う。例えば、速硬化性フェノール樹脂を4〜5%、変性フェノール樹脂を2〜3%、チタン酸カリウム繊維、ロックウール等の無機繊維を8〜20%、三硫化アンチモンを5〜10%、スチール繊維、銅繊維、その他強化繊維としてアラミド繊維、潤滑材として黒鉛、コークス等、有機系摩擦調整材としてカシューダスト、ゴム粉など、無機系摩擦調整材として珪酸ジルコニウム、酸化鉄、亜鉛等の粉末、充填材として硫酸バリウム、pH調整材として水酸化カルシウムを所定量配合し、混合してライニング素材を作成する。
図11に示すように、ブリッジ部材72の爪部122の平坦な対向面122aの全面に接着剤Sを塗布し乾燥させる塗布工程を行う。図11では塗布した接着剤Sを網掛けで示している。この接着剤Sは例えばフェノール樹脂系の接着剤が用いられる。
ブリッジ部材72の爪部122に対してライニング材150の中間成形体を圧縮成形しつつ接着する圧縮成形・接着工程を行う。この圧縮成形・接着工程は、常温にて行う冷間圧縮成形工程となっている。圧縮成形・接着工程では、図12に示すように、ブリッジ部材72を爪部122において支持台168に載置させ、メス型170をセットする。メス型170には、図10に示すライニング材150の面部150aを形成するための面部170aと面部150b,150bを形成するための面部170b,170bとが形成されている。そして、メス型170内に露出する接着剤S上に所定量の素材150Mを投入し、オス型171をセットする。オス型171にはライニング材150の面部150cを形成するための面部171cと、素材150Mを爪部122側に押圧するための押圧面171aとが形成されている。
上記状態で、オス型171を爪部122側に所定の圧力(例えば、80〜160MPa)で押圧する。これにより、ブリッジ部材72に、面部150aと面部150b,150bと面部150cとを有する図13に示す中間成形体150Aが接着された状態となる。
次に、図13に示すように、上記した中間成形体150Aを爪部122に専用の押圧治具172によって所定の圧力で押圧し、所定の温度(例えば220℃)で所定時間(例えば6時間)加熱する熱処理工程を行う。この押圧治具172は中間成形体150Aの爪部122に対し反対側の全面に当接する押圧面172aを有している。
熱処理工程の後、図10に示す一対の面部150d,150d、溝部150eおよび面部150f,150fを、切削加工により形成する切削加工工程を行う。これにより、ライニング材150がブリッジ部材72に一体的に形成される。
ここで、上記した圧縮成形・接着工程にかえて、素材150Mを冷間圧縮成形することによりライニング材150の予備成形品をブリッジ部材72とは別に形成しても良い。この場合、上記した塗布工程で爪部122の対向面122aに塗布された接着剤S上に、この予備成形品を載置した後、上記した熱処理工程を行って、予備成形品を爪部122に接着することになる(例えば、特開2002−295557号公報参照)。
上記のように、ライニング材150が一体に接着されたブリッジ部材72に、図4に示すシール部材64、ピストン63、ピストンブーツ65およびブリーダプラグ66が予め組み付けられた状態のシリンダ部材71が挿通穴145の領域部146に挿通されて固定部120に取り付けられる。つまり、シリンダ部材71は、底部85側を先頭にして爪部122側からブリッジ部材72の挿通穴145に挿通され、フランジ部76が、ブリッジ部材72の固定部120の爪部122側の面に当接させられる。ここで、シリンダ部材71を固定部120と爪部122との間から挿通穴145に挿通させる際に、挿通穴145の領域部146が上方に開放されているため、シリンダ部材71を固定部120側が爪部122側よりもブリッジ部121側に位置するように傾斜させた状態で挿通させることができる。
この状態で、図2および図4に示す三本のボルト73,73,73が、図4に一カ所のみを示すが、それぞれ、ブリッジ部材72の対応する貫通穴128に挿通されてシリンダ部材71のフランジ部76の対応するネジ穴78に螺合される。このようにして、シリンダ部材71がブリッジ部材72の固定部120に結合され固定される。
上記固定状態で、シリンダ部材71とブリッジ部材72の固定部120とボルト73,73,73とが、キャリパ15のうちピストン63が摺動可能に配置されるシリンダ部161を構成している。上記固定状態で、挿通穴145は、シリンダ部材71よりもブリッジ部121側まで延びている。また、上記固定状態で、図4に示すようにシリンダ部材71は挿通穴145の領域部147内に入り込んでいる。言い換えれば、領域部146の小径外径部100よりも領域部147側の部分と領域部147とからなる空間部148内にシリンダ部材71の大径外径部101が入り込んでいる。上記固定状態で、挿通穴145は、シリンダ部材71の軸方向において、シリンダ部材71の底部85とは反対側の端部よりも、さらに底部85とは反対側まで延在している。上記固定状態で、爪部122は、ブリッジ部121に対し反対側の先端縁部がシリンダ部材71のシリンダ本体部75の中心よりもブリッジ部121に対し反対側に位置しており、爪部122には、シリンダ部材71およびピストン63に対向する対向面122aが形成されている。
図2に示す一対のスライドピン61,61は、図3に一方のみを図示するが、それぞれが取付ボルト163とピン本体164とを有している。一方のスライドピン61は、取付ボルト163が図8に示すブリッジ部材72の固定部120に形成された一方の貫通穴127に、爪部122とは反対側から挿通される。図3に示すように、一方のスライドピン61は、この取付ボルト163に固定部120の爪部122側に配置されたピン本体164を螺合させることで、固定部120に取り付けられる。また、他方のスライドピン61は、ブリッジ部材72の固定部120に形成された他方の貫通穴127に、同様に取り付けられる。このように一対のスライドピン61,61が、シール部材64、ピストン63、ピストンブーツ65およびブリーダプラグ66が組み付けられた状態のキャリパ本体60に組み付けられることで、キャリパ15が組み上がる。この状態で、スライドピン61,61は、固定部120の基板部125に対し垂直をなし、それぞれの固定部120からの爪部122側への延出長さが、固定部120からのブリッジ部121の図2に示す定幅部134の延出長さよりも短くなっている。
キャリパ15は、図3に一方のみを示すが、一方のスライドピン61が、ピン本体164において一方のピンブーツ62に挿通された後に取付部材12の一方のガイド部材17に摺動可能に挿通されることになり、図2に示す他方のスライドピン61が、他方のピンブーツ62に挿通された後に図1に示す取付部材12の他方のガイド部材17に同様に摺動可能に挿通されることになる。図3に一方のみを示すが、ピンブーツ62は一端がピン本体164の基端側に係止され、他端側がガイド部材17に係止される。
これにより、ライニング材150を含むキャリパ15は、取付部材12に対してディスク回転方向およびディスク径方向の移動が規制されながらディスク軸方向に沿って摺動可能に支持される支持状態になる。この支持状態で、キャリパ15は、図4に示すように、シリンダ部161に配置されたピストン63が一方の摩擦パッド50のディスク11とは反対側に配置されることになり、この摩擦パッド50に当接可能となる。また、この支持状態で、シリンダ部161よりもディスク径方向外側に形成されたブリッジ部121がシリンダ部161からディスク軸方向に延びてディスク11の外周側を跨ぐことになり、爪部122がブリッジ部121からディスク径方向内方に延びてそのシリンダ部161側に形成された対向面122aでディスク11の側面11bに対向することになる。この対向面122aにライニング材150が接着されており、よって、このライニング材150は爪部122のディスク11側に配置されることになる。
上記支持状態にあるとき、シリンダ部材71の筒状部84がディスク軸方向に沿う状態となり、ピストン63がディスク軸方向に沿う状態でディスク軸方向に移動する状態となる。また、上記支持状態で、キャリパ15は、ブリッジ部121がディスク回転方向に沿う状態となり、固定部120および爪部122の平坦板部141がディスク軸方向に直交する状態となる。また、上記支持状態で、ブリッジ部121の平坦板部132がブレーキ中央線に対して直交する状態になる。また、上記支持状態で、ブリッジ部材72に形成された挿通穴145がシリンダ部材71の小径外径部100よりもディスク径方向外側に上記した空間部148を有する状態になる。そして、シリンダ部材71は、大径外径部101がこの空間部148に入り込むことになり、よって、ディスク径方向においてブリッジ部121と位置が重なり合う。また、上記支持状態で、ブリッジ部121は、湾曲板部131が爪部122に向かうにしたがってディスク径方向内側に湾曲して形成されている。
上記支持状態にあるとき、図1および図2に示すように、キャリパ15は、爪部122が一対のリテーナ18,18の間つまり一対の基板部31,31の間に配置される。言い換えれば、爪部122が、一対のリテーナ18,18および一対の基板部31,31に対して、ディスク径方向およびディスク軸方向の位置を重ね合わせて配置される。爪部122は、一対のリテーナ18,18のバネ部41,41を共に弾性変形させることが可能となるように、ディスク回転方向の長さが設定されており、これらバネ部41,41に対してディスク軸方向に摺動可能となっている。
図1に示すように、上記支持状態で、固定部120のディスク径方向外側部分となる基板部125のディスク回転方向長さは、ブリッジ部121の固定部120側の定幅部134のディスク回転方向長さと同等になっている。加えて、上記支持状態で、図2に示すスライドピン61,61は、固定部120よりも爪部122側の部分が、ブリッジ部121のディスク径方向内方に配置されている。スライドピン61,61は、図3に一方のみを示すが、少なくとも固定部120と取付部材12のガイド部材17,17との間の部分が、ブリッジ部121とディスク軸方向およびディスク回転方向の位置を重ね合わせている。
図2に示すように、挿通穴145は、上記支持状態で、シリンダ部材71、摩擦パッド50、ディスク11および新品状態のライニング材150をディスク径方向外方に露出させる大きさに形成されており、言い換えれば、ディスク軸方向およびディスク回転方向においてシリンダ部材71、摩擦パッド50、ディスク11および新品状態のライニング材150と重なり合う大きさおよび位置に形成されている。
上記のディスクブレーキ10において、図4に示すネジ穴93に螺合される図示略のブレーキ配管を介してキャリパ15のシリンダ本体部75とピストン63との間にブレーキ液が導入されると、ピストン63がディスク軸方向に沿ってディスク11側に移動して摩擦パッド50に当接しこれをディスク11側に押圧してそのライニング材52をディスク11に接触させる。このように摩擦パッド50がディスク11に押し付けられると、その反力でキャリパ15が、図3に一方のみを示すスライドピン61,61をガイド部材17,17に対してスライドさせながら、ブリッジ部材72の爪部122をディスク11側に移動させる。すると、爪部122に接着されているライニング材150がディスク11に接触する。このようにして、ディスク11に摩擦パッド50のライニング材52と爪部122に接着されたライニング材150とを押し付けて摩擦抵抗を生じさせることにより、ディスク11と一体に回転する車輪にブレーキをかける。つまり、キャリパ15は、ディスク11の両面11a,11bに配置される一対のライニング材52,150をディスク11に押圧し、その際に、ピストン63が一対のライニング材52,150のうちの一のライニング材52を押圧してディスク11に接触させ、爪部122がこれに接着された他のライニング材150をディスク11に接触させる。
ここで、摩擦パッド50がディスク11に接触すると、摩擦パッド50にはディスク11の回転によりディスク回転方向出口側に向けた制動トルクが発生することになり、図1に示すように、摩擦パッド50にディスク回転方向出口側で当接するキャリア16のディスク回転方向出口側の内側延出部27がこの制動トルクを受けることになる。また、図4に示すライニング材150がディスク11に接触すると、ライニング材150が接着された爪部122にはディスク11の回転によりディスク回転方向出口側に向けた制動トルクが発生することになり、爪部122に図1に示すリテーナ18を介してディスク回転方向出口側で当接するキャリア16のディスク回転方向出口側の基板部31がこの制動トルクを受けることになる。
ここで、図4等に示すように爪部122に接着されたライニング材150が摩耗した場合、爪部122からライニング材150を剥がし、図14に示す交換用摩擦パッド200を取り付ける。この交換用摩擦パッド200は、裏板201に、上記ライニング材150と同様のライニング材150Bが接着されたものとなっている。裏板201は、ライニング材150Bを支持する基板部203と、一対の凸部204,204とを有しており、一対の凸部204,204には一対の嵌合凹部205,205が形成されている。一対の凸部204,204は、基板部203のディスク回転方向の端部からディスク回転方向に沿って基板部203から離れる方向(ディスク回転方向外方)に突出している。一対の嵌合凹部205,205は、凸部204,204のディスク径方向中間部にそれぞれ形成されており、ディスク回転方向内方に向けて凹んでいる。
交換用摩擦パッド200は、一方の凸部204に形成された一方の嵌合凹部205が図5に示すキャリア16の一方の基板部31をリテーナ18を介して摺動可能に嵌合させることになり、他方の凸部204に形成された他方の嵌合凹部205が他方の基板部31をリテーナ18を介して摺動可能に嵌合させる。このようにして、交換用摩擦パッド200は、裏板201が、取付部材12に対してディスク回転方向およびディスク径方向の移動が規制されながらディスク軸方向に移動可能に支持される。交換用摩擦パッド200は、爪部122とディスク11との間に配置され、制動時に爪部122で押圧されてライニング材150Bがディスク11に当接することになる。交換用摩擦パッド200がディスク11と接触することにより生じる制動トルクを、取付部材12が、交換用摩擦パッド200に当接するそのディスク回転方向前方の基板部31で受ける。
以上に述べた本実施形態に係るディスクブレーキ10によれば、ディスク11の側面11bに対向する爪部122の対向面122aに、ライニング材150を接着しているため、ライニング材150を支持する裏板、この裏板を爪部122に連結する部材等が不要となる。したがって、ライニング材150をキャリパ15の爪部122に取り付けるための構造が簡素となり、ディスクブレーキの製造効率を向上させることができる。また、ディスクブレーキの部品点数、重量並びにコストを低減することができる。
また、爪部122がノンリセスの形状をなしていることから、対向面122aの面積を大きくできる。よって、ライニング材150の面積を大きくできて、十分な制動力を確保できる。また、ライニング材150の対向面122aへの接着面積が大きくなるため、ライニング材150を対向面122aに強固に接着することが可能となる。
ここで、近年、電気自動車やハイブリッド自動車等の走行用モータを搭載した車両が増えてきており、今後も増大することが予想される。これらの自動車は、走行用モータを用いた回生ブレーキで車両を減速させることができ、ディスクブレーキの負担が少ないことから、ライニング材の減りも少なく交換頻度も低い。よって、本実施形態のディスクブレーキ10は、このような走行モータを搭載した車両に用いるのが好ましい。この場合、交換頻度を減らすため、ライニング材150の厚みを厚く設定しても良い。
上記のように爪部122を取付部材12に当接させて爪部122側のライニング材150の制動トルクを取付部材12で受ける以外にも、キャリパ15を取付部材12に支持するスライドピン61,61により爪部122側のライニング材150の制動トルクを受けるようにしても良い(例えば、特開昭54−137572号公報参照)。この構造を上記に適用した場合、例えば、スライドピン61,61を上記よりもさらに爪部122側に延ばすとともに、爪部122をディスク回転方向に拡げて爪部122に一対の挿通穴を形成し、これら挿通穴にスライドピン61,61を嵌合させることになる。このようにすれば、爪部122側のライニング材150の制動トルクをスライドピン61,61を介して取付部材12で受けることができる。
以上の実施形態においては、車両の非回転部分に取り付けられる取付部材と、該取付部材に対してディスク軸方向に移動可能に設けられ、ディスクの両面に配置される一対のライニング材を前記ディスクに押圧するキャリパと、を有するディスクブレーキにおいて、前記キャリパは、前記一対のライニング材のうちの一のライニング材を押圧するピストンが摺動可能に配置されるシリンダ部と、該シリンダ部からディスク軸方向に延びて前記ディスクの外周側を跨ぐように形成されるブリッジ部と、該ブリッジ部からディスク径方向に延びて前記ディスクの側面に対向する対向面が形成される爪部と、を有し、該爪部の前記対向面には、前記一対のライニング材のうちの他のライニング材が接着されている。ディスクの側面に対向する爪部の対向面に、ライニング材を接着しているため、ライニング材を支持する裏板、この裏板を爪部に連結する部材等が不要となる。したがって、ライニング材をキャリパの爪部に取り付けるための構造が簡素となり、ディスクブレーキの製造効率を向上させることができる。また、ディスクブレーキの部品点数、重量並びにコストを低減することができる。
10 ディスクブレーキ
11 ディスク
11b 側面
12 取付部材
15 キャリパ
52 ライニング材(一のライニング材)
121 ブリッジ部
122 爪部
122a 対向面
150 ライニング材(他のライニング材)
161 シリンダ部
11 ディスク
11b 側面
12 取付部材
15 キャリパ
52 ライニング材(一のライニング材)
121 ブリッジ部
122 爪部
122a 対向面
150 ライニング材(他のライニング材)
161 シリンダ部
Claims (1)
- 車両の非回転部分に取り付けられる取付部材と、
該取付部材に対してディスク軸方向に移動可能に設けられ、ディスクの両面に配置される一対のライニング材を前記ディスクに押圧するキャリパと、を有するディスクブレーキにおいて、
前記キャリパは、
前記一対のライニング材のうちの一のライニング材を押圧するピストンが摺動可能に配置されるシリンダ部と、
該シリンダ部からディスク軸方向に延びて前記ディスクの外周側を跨ぐように形成されるブリッジ部と、
該ブリッジ部からディスク径方向に延びて前記ディスクの側面に対向する対向面が形成される爪部と、を有し、
該爪部の前記対向面には、前記一対のライニング材のうちの他のライニング材が接着されていることを特徴とするディスクブレーキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013265946A JP2015121291A (ja) | 2013-12-24 | 2013-12-24 | ディスクブレーキ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102016211520A1 (de) * | 2016-06-27 | 2017-12-28 | Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft | Teilbelag-Scheibenbremse, insbesondere für ein Fahrzeug |
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JPS57181938U (ja) * | 1981-05-14 | 1982-11-18 | ||
JP2008281120A (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-20 | Nissin Kogyo Co Ltd | ピンスライド型車両用ディスクブレーキ |
-
2013
- 2013-12-24 JP JP2013265946A patent/JP2015121291A/ja active Pending
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