JP7069070B2 - 下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根 - Google Patents
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Description
特許文献1には、従来技術として、壁パネルの上端に、上側屋根パネルと下側屋根パネルを接合するとともに、上面が屋根の勾配と同じに傾斜した結合桁を介して結合する構造が開示されている。
そして、特許文献1の提案は、同一勾配の下側屋根パネルの上側屋根パネルとの接合部の桟材に、壁パネル上端が係合する切欠き部を加工しておき、その切欠き部に壁パネル上端を係合させて接着剤により接着固定するとともに、屋根パネルの上面からスクリュー釘を壁パネル上端の桟材に打ち込む結合構造である。
特許文献2の提案は、急勾配の上側屋根パネルと緩勾配の下側屋根パネルとの接合部を垂木支持材の上面に、金具を介して留め付けるもので、急勾配の上側屋根パネルと緩勾配の下側屋根パネルとの接合部に、金具が係合する切欠き部を加工しておき、その切欠き部に金具を係合させて、垂木支持材の上面に留め付ける継手構造である。
このような、中間凸部を有する異種勾配屋根においては、その緩勾配の上側屋根パネルと急勾配の下側屋根パネルとの接合部を、壁パネルの上端に結合する構造となる。
このような問題は、急勾配の上側屋根パネルと緩勾配の下側屋根パネルとの接合部に中間凹部を有する異種勾配屋根についても同様にある。
互いに接合された上側屋根パネル1と下側屋根パネル2との接合部に、これら上側屋根パネル1と下側屋根パネル2とによる下がり勾配の勾配変化部3を有し、前記接合部を支持構造体4に支持させる異種勾配屋根において、
前記支持構造体4の上端面に配置され、前記上側屋根パネル1の勾配方向下端部における下面が載せられる傾斜上面5aを有する上側屋根パネル結合桁5と、
前記支持構造体4の上端部における外側面に配置され、前記下側屋根パネル2の勾配方向上端部における下面が載せられる傾斜上面6aを有する下側屋根パネル結合桁6と、
を備えており、
前記上側屋根パネル結合桁5は、前記支持構造体4の上端面に接着剤で接着固定され、
前記上側屋根パネル1の勾配方向下端部における下面は、前記上側屋根パネル結合桁5の前記傾斜上面5aに接着剤で接着固定され、
前記上側屋根パネル1の勾配方向下端部に上方から貫通して下方に突出するようにして組み付けられたフック金物11が、前記支持構造体4の上端部における側面に釘13止め固定されていることを特徴とする。
したがって、下がり勾配の勾配変化部3を有する異種勾配屋根において、強度及び設計上の無理がなく、斜線制限に対応しつつ、上側屋根パネル1と下側屋根パネル2との接合部を支持構造体4に安定的に支持させることができる。
また、上側屋根パネル結合桁5を支持構造体4の上端面に接着剤で接着し、上側屋根パネル1の勾配方向下端部における下面を上側屋根パネル結合桁5の傾斜上面5aに接着剤で接着し、上側屋根パネル1の勾配方向下端部に上方から貫通して下方に突出するようにして組み付けられたフック金物11を支持構造体4の上端部の側面に釘13止めして、支持構造体4の上端部に上側屋根パネル結合桁5を介して上側屋根パネル1の勾配方向下端部を強固に固定することができる。
請求項1に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
上方より釘15が前記上側屋根パネル1の勾配方向下端部に位置する芯材1cから前記上側屋根パネル結合桁5を貫通して前記支持構造体4の上端部に位置する芯材4cまで打ち込まれていることを特徴とする。
互いに接合された上側屋根パネル1と下側屋根パネル2との接合部に、これら上側屋根パネル1と下側屋根パネル2とによる下がり勾配の勾配変化部3を有し、前記接合部を支持構造体4に支持させる異種勾配屋根において、
前記支持構造体4の上端面に配置され、前記上側屋根パネル1の勾配方向下端部における下面が載せられる傾斜上面5aを有する上側屋根パネル結合桁5と、
前記支持構造体4の上端部における外側面に配置され、前記下側屋根パネル2の勾配方向上端部における下面が載せられる傾斜上面6aを有する下側屋根パネル結合桁6と、
を備えており、
前記下側屋根パネル結合桁6は、前記支持構造体4の上端部における外側面に接着剤で接着固定され、
前記下側屋根パネル2の勾配方向上端部における下面は、前記下側屋根パネル結合桁6の傾斜上面6aに接着剤で接着固定され、
前記下側屋根パネル2の勾配方向上端部に上方から貫通して下方に突出するようにして組み付けられたフック金物12が、前記下側屋根パネル結合桁6に釘14止め固定されていることを特徴とする。
したがって、下がり勾配の勾配変化部3を有する異種勾配屋根において、強度及び設計上の無理がなく、斜線制限に対応しつつ、上側屋根パネル1と下側屋根パネル2との接合部を支持構造体4に安定的に支持させることができる。
また、下側屋根パネル結合桁6を支持構造体4の上端部における外側面に接着剤で接着し、下側屋根パネル2の勾配方向上端部における下面を下側屋根パネル結合桁6の傾斜上面6aに接着剤で接着し、下側屋根パネル2の勾配方向上端部に上方から貫通して下方に突出するようにして組み付けられたフック金物12を下側屋根パネル結合桁6に釘14止めして、支持構造体4の上端部に下側屋根パネル結合桁6を介して下側屋根パネル2の勾配方向上端部を強固に固定することができる。
請求項3に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
上方より釘16が前記下側屋根パネル2の勾配方向上端部に位置する芯材2cから前記支持構造体4の上端部に位置する芯材4cまで打ち込まれていることを特徴とする。
請求項1から4のいずれか一項に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
前記勾配変化部は、
緩勾配の前記上側屋根パネル1と急勾配の前記下側屋根パネル2との接合部に形成される、前記下がり勾配の緩勾配から急勾配への変更部位となる中間凸部3、
又は、急勾配の前記上側屋根パネル1と緩勾配の前記下側屋根パネル2との接合部に形成される、前記下がり勾配の急勾配から緩勾配への変更部位となる中間凹部3であることを特徴とする。
したがって、緩勾配から急勾配へと勾配が変わる中間凸部3を有する異種勾配屋根において、強度及び設計上の無理がなく、斜線制限に対応しつつ、緩勾配の上側屋根パネル1と急勾配の下側屋根パネル2との接合部を支持構造体4に安定的に支持させることができる。
又は、支持構造体4の上端面に配置した上側屋根パネル結合桁5の傾斜上面5aに、急勾配の上側屋根パネル1の勾配方向下端部における下面を載せ、支持構造体4の上端部における外側面に配置した下側屋根パネル結合桁6の傾斜上面6aに、緩勾配の下側屋根パネル2の勾配方向上端部における下面を載せて、下がり勾配の途中で勾配が変わる中間凹部3を有する異種勾配屋根を支持することができる。
したがって、急勾配から緩勾配へと勾配が変わる中間凹部3を有する異種勾配屋根において、強度及び設計上の無理がなく、斜線制限に対応しつつ、急勾配の上側屋根パネル1と緩勾配の下側屋根パネル2との接合部を支持構造体4に安定的に支持させることができる。
請求項5に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
前記支持構造体4の上方に配置されるとともに、前記上側屋根パネル1の勾配方向下端部と前記下側屋根パネル2の勾配方向上端部との間に配置され、前記中間凸部3又は中間凹部3が形成された棟木7・8、
を備えることを特徴とする。
そして、緩勾配の上側屋根パネル1と急勾配の下側屋根パネル2との接合部が支持構造体4の上方であっても製作誤差が生じにくく、中間凸部3を容易に形成できる。
又は、急勾配の上側屋根パネル1の勾配方向下端部と緩勾配の下側屋根パネル2の勾配方向上端部との間に棟木7・8を配置して、急勾配から緩勾配へと勾配が変わる中間凹部3を形成することができる。
そして、急勾配の上側屋根パネル1と緩勾配の下側屋根パネル2との接合部が支持構造体4の上方であっても製作誤差が生じにくく、中間凹部3を容易に形成できる。
請求項6に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
前記棟木は、
前記上側屋根パネル1の勾配方向下端部に接合される上側屋根パネル結合棟木7と、
前記上側屋根パネル結合棟木7における下側屋根パネル側面に接合されるとともに、前記下側屋根パネル2の勾配方向上端部に接合される下側屋根パネル結合棟木8と、
からなることを特徴とする。
請求項7に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
前記上側屋根パネル結合棟木7と前記下側屋根パネル結合棟木8との接合状態における頂点部分により前記中間凸部3が形成されていることを特徴とする。
そして、上側屋根パネル結合棟木7と下側屋根パネル結合棟木8のいずれかに中間凸部を形成する手間を省くことができる。
請求項7に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
前記上側屋根パネル結合棟木7と前記下側屋根パネル結合棟木8との接合状態における谷底部分により前記中間凹部3が形成されていることを特徴とする。
そして、上側屋根パネル結合棟木7と下側屋根パネル結合棟木8のいずれかに中間凹部を形成する手間を省くことができる。
請求項7に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
前記上側屋根パネル結合棟木7と前記下側屋根パネル結合棟木8は、
互いに接着剤で接着固定されるとともに、
前記上側屋根パネル1の勾配方向下端部と前記下側屋根パネル2の勾配方向上端部とに接着剤で接着固定され、
前記上側屋根パネル結合棟木7及び前記下側屋根パネル結合棟木8に対し、釘17が互いに交差して打ち込まれていることを特徴とする。
(実施形態1)
図1は本発明に係る下がり勾配の途中に勾配変化部である中間凸部を有する異種勾配屋根を含む屋根全体の一例としての概略構成を示すもので、図示のように、切妻屋根において、左側の屋根Lは、棟部から一様な下がり勾配屋根で、右側の屋根Rは、棟部から下がり勾配の途中で勾配が変わる中間凸部3を有する異種勾配屋根1・2となっている。
また、右側の屋根Rは、棟部から緩勾配の上側屋根パネル1とその勾配方向下側に連続する急勾配の下側屋根パネル2との接合部に中間凸部3を有している。そして、右側の屋根Rは、この中間凸部3を含む接合部が、簡略化して示した建物内部の天井パネルから上方に突出する壁パネル4に支持されて、下側屋根パネル2の軒先側が外壁パネル9aで支持されている。
なお、上側屋根パネル1及び下側屋根パネル2の妻側が、図2に示すように、外壁パネル9bで支持されて、上側屋根パネル1及び下側屋根パネル2の妻側と平行する中間部が、外壁パネル9bと平行する壁パネル10で支持されている。
設計上、上側屋根パネル結合桁5の傾斜上面5aにおいて、図示のように、支持構造体である壁パネル4のモジュール芯C1に、上側屋根パネル1の勾配方向下端部の先端P1が一致している。
設計上、下側屋根パネル結合桁6の傾斜上面6aにおいて、図示のように、壁パネル4の外側面の延長線C2に、下側屋根パネル2の勾配方向上端部の先端P2が一致しており、図示例では、その下側屋根パネル2の勾配方向上端部の先端P2が壁パネル4の上端面の外側端に一致している。
下側屋根パネル結合桁6は、現場において、壁パネル4に接着固定する。
すなわち、上側屋根パネル1の勾配方向下端部における下面に上側屋根パネル結合棟木7が接着剤により接着固定されて、下側屋根パネル2の勾配方向上端部における上面に下側屋根パネル結合棟木8が接着剤により接着固定されている。
設計上、この垂直面7b・8bは、接合状態において、図示のように、壁パネル4の外側面の延長線C2と同一垂直面上の位置関係にあって、上側屋根パネル結合棟木7と下側屋根パネル結合棟木8との分割線(面)となっている。
なお、上側屋根パネル結合棟木7及び下側屋根パネル結合棟木8の下端部と、上側屋根パネル結合桁5との間には、図示のように、隙間が形成されている。この隙間により、製作時の誤差吸収と、組立時の誤差吸収が図れる。
フック金物11は、図5に示すように、一対の二股状固定片11aを有しており、この二股状固定片11aに取付穴11bが形成されている。
フック金物11は、現場で組み付けられる。
フック金物12も、図5に示すように、一対の二股状固定片12aを有しており、この二股状固定片12aに取付穴12bが形成されている。
フック金物12は、現場で組み付けられる。
このとき、上側屋根パネル1に組み付けられたフック金物11の二股状固定片11aが、図4及び図6に示すように、上側屋根パネル結合桁5及び壁パネル4の図示左側面に当接する。
このとき、図4に示すように、下側屋根パネル2に組み付けられたフック金物12の二股状固定片12aが、下側屋根パネル結合桁6の図示右側面に当接する。
この互いに接着した垂直面7b・8bの頂部により、緩勾配の上側屋根勾配と急勾配の下側屋根勾配とが交差する中間凸部3を形成している。
設計上、図3に示したように、緩勾配の上側屋根パネル1の上面の延長線L1と、急勾配の下側屋根パネル2の上面の延長線L2との交点が、棟線頂部Tによる中間凸部3となっている。
つまり、図示左側からスクリュー釘17を、上側屋根パネル1の勾配方向下端部に位置する上面の面材1a端部より上側屋根パネル結合棟木7から下側屋根パネル結合棟木8に打ち込む。
また、図示右側からスクリュー釘17を、下側屋根パネル結合棟木8より上側屋根パネル結合棟木7を貫通して上側屋根パネル1の勾配方向下端部に位置する芯材1cまで打ち込む。
したがって、緩勾配から急勾配へと勾配が変わる中間凸部3を有する異種勾配屋根において、強度及び設計上の無理がなく、斜線制限に対応しつつ、緩勾配の上側屋根パネル1と急勾配の下側屋根パネル2との接合部を壁パネル4に安定的に支持させることができる。
すなわち、緩勾配の上側屋根パネル1の勾配方向下端部に上側屋根パネル結合棟木7を接合し、上側屋根パネル結合棟木7における下側屋根パネル側面と、急勾配の下側屋根パネル2の勾配方向上端部に下側屋根パネル結合棟木8を接合して、緩勾配から急勾配へと勾配が変わる中間凸部3を形成することができる。
また、設計上、上側屋根パネル結合棟木7と下側屋根パネル結合棟木8との垂直面7b・8bによる分割線(面)が、壁パネル4の外側面の延長線C2上に一致しているため、上側屋根パネル結合棟木7と下側屋根パネル結合棟木8の勾配が変わっても、棟木の納まりの変更をしないで済む。
そして、上側屋根パネル結合棟木7と下側屋根パネル結合棟木8のいずれかに中間凸部を形成する手間を省くことができる。
図7は実施形態2を示すもので、この実施形態2は、急勾配(1/1勾配)の下側屋根パネル22として、その勾配に対応した下側屋根パネル結合桁26と、下側屋根パネル結合棟木28と、上側屋根パネル結合棟木27と用いる点が前述した実施形態1と異なっている。
そして、下側屋根パネル結合棟木28の上面に、緩勾配(1/3勾配)の上側屋根勾配と急勾配(1/1勾配)の下側屋根勾配とが交差する中間凸部3を形成している。
しかし、緩勾配の上側屋根パネル1の上面の延長線L1と急勾配の下側屋根パネル2の上面の延長線L2との交点による棟線頂部Tである中間凸部3が、壁パネル4の外側面の延長線C2上になく、下側屋根パネル結合棟木28の上面にある。
このように、上側屋根パネル結合棟木27と下側屋根パネル結合棟木28との垂直面27b・28bによる分割線(面)が、勾配が変化する中間凸部3ではないため、緩勾配の上側屋根パネル1及び急勾配の下側屋根パネル2における上面に防水シートが施工された場合に、防水シートが切れにくい。
図8は実施形態3を示すもので、この実施形態3は、緩勾配(1/2勾配)の上側屋根パネル31として、その勾配に対応した上側屋根パネル結合桁35と、上側屋根パネル結合棟木38と、下側屋根パネル結合棟木37と用いる点が実施形態1と異なっている。
そして、上側屋根パネル結合棟木37及び下側屋根パネル結合棟木37の互いに接着した垂直面37b・38bの頂部により、緩勾配(1/2勾配)の上側屋根勾配と急勾配(2/3勾配)の下側屋根勾配とが交差する中間凸部3を形成している。
図9は実施形態4を示すもので、この実施形態4は、実施形態2と同様、急勾配(1/1勾配)の下側屋根パネル22として、その勾配に対応した下側屋根パネル結合桁26を用いて、実施形態3と同様、緩勾配(1/2勾配)の上側屋根パネル31として、その勾配に対応した上側屋根パネル結合桁35と、下側屋根パネル結合棟木37とを用いるとともに、下側屋根パネル結合棟木48を用いる点が実施形態1から3と異なっている。
そして、下側屋根パネル結合棟木48の上面に、緩勾配(1/2勾配)の上側屋根勾配と急勾配(1/1勾配)の下側屋根勾配とが交差する中間凸部3を形成している。
そして、結合棟木については、相手方の屋根がどの勾配でも、そのバリエーションに対応して結合棟木7・8・27・28・37・38・48を適宜に選択して使用することができる。
図10は本発明に係る下がり勾配の途中に勾配変化部として中間凹部を有する異種勾配屋根の要部を示すもので、図示のように、急勾配の上側屋根パネル1とその勾配方向下側に連続する緩勾配の下側屋根パネル2との接合部に中間凹部3を有している。
そして、前述した実施形態1と同様、壁パネル4の上端面に上側屋根パネル結合桁5が配置されて、壁パネル4の上端部の外側面に下側屋根パネル結合桁6が配置されている。
下側屋根パネル結合桁6は、壁パネル4の上端部における外側面に接着剤により接着固定されて、緩勾配の下側屋根パネル2の勾配方向上端部における下面を載せる傾斜上面6aを有している。
下側屋根パネル結合棟木8は、下側屋根パネル2の上面に連続する同一勾配の上面を有している。
実施形態1と同様、上側屋根パネル結合棟木7及び下側屋根パネル結合棟木8は、互いに接合する垂直面7b・8bを有している。この垂直面7b・8bは、接合状態において、図示のように、壁パネル4の外側面と同一垂直面上の位置関係にある。
したがって、急勾配から緩勾配へと勾配が変わる中間凹部3を有する異種勾配屋根において、強度及び設計上の無理がなく、斜線制限に対応しつつ、急勾配の上側屋根パネル1と緩勾配の下側屋根パネル2との接合部を壁パネル4に安定的に支持させることができる。
すなわち、急勾配の上側屋根パネル1の勾配方向下端部に上側屋根パネル結合棟木7を接合し、上側屋根パネル結合棟木7における下側屋根パネル側面と、緩勾配の下側屋根パネル2の勾配方向上端部に下側屋根パネル結合棟木8を接合して、急勾配から緩勾配へと勾配が変わる中間凹部3を形成することができる。
また、設計上、上側屋根パネル結合棟木7と下側屋根パネル結合棟木8との垂直面7b・8bによる分割線(面)が、壁パネル4の外側面の延長線C2上に一致しているため、上側屋根パネル結合棟木7と下側屋根パネル結合棟木8の勾配が変わっても、棟木の納まりの変更をしないで済む。
そして、上側屋根パネル結合棟木7と下側屋根パネル結合棟木8のいずれかに中間凹部を形成する手間を省くことができる。
以上の実施形態においては、切妻屋根において、片方の下がり勾配の勾配変化部(中間凸部又は中間凹部)を有する異種勾配屋根としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、片流れ屋根のみであってもよい。
そして、実施形態では、下がり勾配の上側屋根パネルと下側パネルの接合部を支持する支持構造体を壁パネルとしたが、その他の支持構造体としては、開口部の上方に設けられた小壁パネルやまぐさや梁等であってもよい。
また、異種勾配屋根の下がり勾配の勾配変化部(中間凸部又は中間凹部)の位置は、接合部の頂点に相当する部位であればよく、どちらかの結合棟木の上面の位置でもよく、その他、具体的な細部構造、例えば屋根パネル結合桁、屋根パネル結合棟木、フック金物の形状等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
さらに、上側屋根パネル結合棟木と下側屋根パネル結合棟木を一体に形成した状態の棟木を用いてもよい。
2 急勾配の下側屋根パネル
3 勾配変化部(中間凸部、中間凹部)
4 支持構造体
5 上側屋根パネル結合桁
5a 傾斜上面
6 下側屋根パネル結合桁
6a 傾斜上面
7 上側屋根パネル結合棟木
7b 垂直面
8 下側屋根パネル結合棟木
8b 垂直面
11 フック金物
12 フック金物
13・14・15・16・17 スクリュー釘
21 急勾配の下側屋根パネル
26 下側屋根パネル結合桁
27 上側屋根パネル結合棟木
28 下側屋根パネル結合棟木
31 緩勾配の下側屋根パネル
35 上側屋根パネル結合桁
36 下側屋根パネル結合桁
37 上側屋根パネル結合棟木
38 下側屋根パネル結合棟木
48 下側屋根パネル結合棟木
Claims (10)
- 互いに接合された下がり勾配の上側屋根パネルと下側屋根パネルとの接合部に、これら上側屋根パネルと下側屋根パネルとによる下がり勾配の勾配変化部を有し、前記接合部を支持構造体に支持させる異種勾配屋根において、
前記支持構造体の上端面に配置され、前記上側屋根パネルの勾配方向下端部における下面が載せられる傾斜上面を有する上側屋根パネル結合桁と、
前記支持構造体の上端部における外側面に配置され、前記下側屋根パネルの勾配方向上端部における下面が載せられる傾斜上面を有する下側屋根パネル結合桁と、
を備えており、
前記上側屋根パネル結合桁は、前記支持構造体の上端面に接着剤で接着固定され、
前記上側屋根パネルの勾配方向下端部における下面は、前記上側屋根パネル結合桁の前記傾斜上面に接着剤で接着固定され、
前記上側屋根パネルの勾配方向下端部に上方から貫通して下方に突出するようにして組み付けられたフック金物が、前記支持構造体の上端部における側面に釘止め固定されていることを特徴とする下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根。 - 請求項1に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
上方より釘が前記上側屋根パネルの勾配方向下端部に位置する芯材から前記上側屋根パネル結合桁を貫通して前記支持構造体の上端部に位置する芯材まで打ち込まれていることを特徴とする下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根。 - 互いに接合された下がり勾配の上側屋根パネルと下側屋根パネルとの接合部に、これら上側屋根パネルと下側屋根パネルとによる下がり勾配の勾配変化部を有し、前記接合部を支持構造体に支持させる異種勾配屋根において、
前記支持構造体の上端面に配置され、前記上側屋根パネルの勾配方向下端部における下面が載せられる傾斜上面を有する上側屋根パネル結合桁と、
前記支持構造体の上端部における外側面に配置され、前記下側屋根パネルの勾配方向上端部における下面が載せられる傾斜上面を有する下側屋根パネル結合桁と、
を備えており、
前記下側屋根パネル結合桁は、前記支持構造体の上端部における外側面に接着剤で接着固定され、
前記下側屋根パネルの勾配方向上端部における下面は、前記下側屋根パネル結合桁の傾斜上面に接着剤で接着固定され、
前記下側屋根パネルの勾配方向上端部に上方から貫通して下方に突出するようにして組み付けられたフック金物が、前記下側屋根パネル結合桁に釘止め固定されていることを特徴とする下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根。 - 請求項3に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
上方より釘が前記下側屋根パネルの勾配方向上端部に位置する芯材から前記支持構造体の上端部に位置する芯材まで打ち込まれていることを特徴とする下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
前記勾配変化部は、
緩勾配の前記上側屋根パネルと急勾配の前記下側屋根パネルとの接合部に形成される、前記下がり勾配の緩勾配から急勾配への変更部位となる中間凸部、
又は、急勾配の前記上側屋根パネルと緩勾配の前記下側屋根パネルとの接合部に形成される、前記下がり勾配の急勾配から緩勾配への変更部位となる中間凹部であることを特徴とする下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根。 - 請求項5に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
前記支持構造体の上方に配置されるとともに、前記上側屋根パネルの勾配方向下端部と前記下側屋根パネルの勾配方向上端部との間に配置され、前記中間凸部又は前記中間凹部が形成された棟木、
を備えることを特徴とする下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根。 - 請求項6に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
前記棟木は、
前記上側屋根パネルの勾配方向下端部に接合される上側屋根パネル結合棟木と、
前記上側屋根パネル結合棟木における下側屋根パネル側面に接合されるとともに、前記下側屋根パネルの勾配方向上端部に接合される下側屋根パネル結合棟木と、
からなることを特徴とする下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根。 - 請求項7に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
前記上側屋根パネル結合棟木と前記下側屋根パネル結合棟木との接合状態における頂点部分により前記中間凸部が形成されていることを特徴とする下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根。 - 請求項7に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
前記上側屋根パネル結合棟木と前記下側屋根パネル結合棟木との接合状態における谷底部分により前記中間凹部が形成されていることを特徴とする下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根。 - 請求項7に記載の下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根において、
前記上側屋根パネル結合棟木と前記下側屋根パネル結合棟木は、
互いに接着剤で接着固定されるとともに、
前記上側屋根パネルの勾配方向下端部と前記下側屋根パネルの勾配方向上端部とに接着剤で接着固定され、
前記上側屋根パネル結合棟木及び前記下側屋根パネル結合棟木に対し、釘が互いに交差して打ち込まれていることを特徴とする下がり勾配が途中で変化する異種勾配屋根。
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