JP7067959B2 - 環状化合物組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、環状化合物を用いた、共有結合に固定されていない架橋方法として、シクロデキストリンにポリマーを貫通させたロタキサンの環動ゲルが報告されている(例えば特許文献1参照)。しかし、環動ゲルの調製に複数の工程を要することから、架橋方法として簡便に用いることが難しいという課題があった。
m+nが60以下の場合、環状化合物(A)を含む環状化合物組成物(P)を添加した樹脂組成物の耐候性が十分でなく、m+nが2000を超える場合は、環状化合物組成物を添加した樹脂組成物の物性(強度等)が低下する。
本発明の環状化合物(A)として好ましいものとしては、具体的に、一般式(1)において、R2及びR4がそれぞれ独立に、エチレン基、プロピレン基、クロロプロピレン基又はフェニルエチレン基であり、R1及びR3がそれぞれ独立に、メチレン基又はメチルメチレン基である環状化合物が挙げられる。
環状化合物組成物(P)におけるアルキレンオキサイド付加モル数(以下、「m+n(平均)」と略記する場合がある)は、各環状化合物それぞれの繰り返し単位当たりの平均付加モル数を算出し、全環状化合物について平均値を求めることで得られる。具体的には次の方法で確認できる。
2.MALDI-TOF MSスペクトルの全環状化合物組成物(P)についてピーク強度に基づき平均値を算出する。
平均値は関係式(1)で表される。
<関係式(1)>
m+n(平均) = [ΣJi×Ii] /ΣIi
本発明では断りのない限りMALDI-TOF MSスペクトルに基づき「m+n」の値を決定している。
<関係式(2)>
m+n(平均) = [環状化合物組成物の数平均分子量(GPC測定値)]/[分子量比較用の環状化合物の数平均分子量(GPC)]×[比較用環状化合物の「m+n」の値]
また、「m+n」は、環状化合物組成物(P)を添加した樹脂組成物の伸び及び強度を両立させる観点から、61以上1500以下であることが好ましく、更に好ましくは61以上500以下、特に好ましくは61以上200以下である。
環状化合物(A)のMnはアルキレン化合物の付加モル数を調整すること等によって、上記の好ましい範囲にすることができる。
・装置:「TOSOH ECO HLC-8320 GPC」[東ソー(株)製]
・カラム:「Guardcolumn Super AW-H」(1本)、「TSKgel SuperAW2500、TSKgel SuperAW3000、TSKgel SuperAW4000を各1本連結したもの」[いずれも東ソー(株)製]
・試料溶液:0.125重量%のDMF(LiBr0.01mol/L)溶液
・溶液注入量:20μL
・流量:0.6mL/分
・測定温度:40℃
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリエチレンオキサイド
例えば、環状化合物(B)として1,4-ジオキサン-2,5-ジオンを用い、環状エーテル(C)としてエチレンオキサイドを用いた場合は、一般式(1)において、R1及びR3がメチレン基であり、R2及びR4がエチレン基である環状化合物が生成する。
例えば、環状化合物(B)として1,4-ジオキサン-2,5-ジオンを用い、環状エーテル(C)としてエチレンオキサイドを用いた場合は、上記の通り、一般式(1)において、R1及びR3がメチレン基であり、R2及びR4がエチレン基である環状化合物、即ち、一般式(3)で表される2価の基を2つ用いて環状に結合してなる一般式(4)で表される環状化合物が生成する。
炭素数2~8の環状エーテル(C)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
反応工程で用いる触媒としては、金属(錫、ニッケル、亜鉛及びアルミニウム等)のハロゲン化物、無機酸(硫酸及びリン酸等)、ホウ素化合物(トリスペンタフルオロフェニルボラン等)、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム及びセシウム等)の水酸化物、アミン化合物(ジエチルアミン及びトリエチルアミン等)、ホスファゼン、複合金属シアン化物錯体触媒(特開2005-53952号公報及び特開2016-6203号公報等に記載された亜鉛ヘキサシアノコバルテート等の2種類の金属を分子内に含有する金属錯体触媒等)、特開2000-354763号公報に記載された酸化物複合体、アルミニウムとマグネシウムとの複合酸化物(D1)及び層状複水酸化物並びにその焼成物等を用いて行うことができる。
これらの内、反応効率の観点から好ましいのは、アルミニウム(以下、Alと記載する)とマグネシウム(以下、Mgと記載する)との複合酸化物(D1)の焼成物及びAlとMgを有するハイドロタルサイト(D2)の焼成物である。
〔aMgO・Al2 O3 ・bH2O〕 (1)
<組成式(2)>
〔MgsAltOu〕 (2)
組成式(2)において、s、t及びuは、それぞれ独立の正数である。
反応性の観点から、s/tは0.1以上0.9未満であることが好ましい。
複合酸化物(D1)としては、2.5MgO・Al2O3 ・bH2O及びMg0.7Al0.3O1.15等が挙げられ、それぞれキョーワード300[協和化学工業(株)製]及びキョーワード2000[協和化学工業(株)製]等として市場から入手することができる。
〔Mg1-cAlc(OH)2〕c+ 〔CO3c/2・dH2 O〕c- (3)
これらの内、反応性の観点から好ましいのは複合酸化物(D1)であり、更に好ましいのは2.5MgO・Al2O3 ・bH2O(bは正数)及びMg0.7Al0.3O1.15である。
なお、複合酸化物(D1)又はAlとMgを有するハイドロタルサイト(D2)の焼成物は以降、触媒(D’)と記載する。
溶剤としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジグリム、トリグリム、1,4-ジオキサン、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、四塩化炭素、N-メチルピロリドン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジクロロエタン及びクロロホルム等が挙げられる。
溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの内、環状化合物(B)及び環状エーテル(C)等との混和性と留去のしやすさの観点から、トルエン及びキシレンが好ましい。
本反応工程に用いる溶剤の重量は、反応速度等の観点から、環状化合物(B)と環状エーテル(C)と触媒との合計重量に対して、0~99重量%が好ましく、更に好ましくは0~90重量%である。
また、上記の温度とする時間は、1~200時間が好ましい。
反応装置としては撹拌装置及び加熱装置の付属した混合容器(スターラー付きフラスコ及びオートクレーブ等)等の公知の反応装置を用いることができる。
上記の精製工程により、特定の構造を有する環状化合物組成物(P)のみを抽出することができる。
これらの中でも、ポリウレタン及びポリエーテルが好ましい。
これらの高分子は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、ポリウレタンは主鎖の末端に、イソシアネート基、カルボキシ基及び水酸基等を有しており、ポリエステルは主鎖の末端に、カルボキシ基及び水酸基等を有しており、ポリエーテルは主鎖の末端に、水酸基を有している。
高分子化合物(E)の数平均分子量は、以下のGPCを用いて以下の条件で測定することができる。
・装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
・カラム:「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000を各1本連結したもの」[いずれも東ソー(株)製]
・試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
・溶液注入量:10μL
・流量:0.6mL/分
・測定温度:40℃
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリプロピレングリコール又は標準ポリスチレン
架橋剤(G)としては、2官能以上の反応性置換基をもつ化合物であれば特に制限はなく、グリセリン、ポリイソシアネート化合物、ジアクリレート化合物等が挙げられる。
また、上記の結合は、ポリウレタン及びポリエステル等、主鎖に上記結合を有する高分子化合物(E)を選択することで導入することができる。
溶剤を用いる場合には、環状化合物(A)の溶解性の高い溶媒を適宜選択することが好ましい。
好ましい溶剤としてはトルエン、キシレン、ベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジグリム、トリグリム、1,4-ジオキサン、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、水、四塩化炭素、N-メチルピロリドン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジクロロエタン及びクロロホルム等が挙げられる。
例えば、環状化合物(A)が、ポリオキシプロピレン鎖を有する場合、高分子化合物(E)としては、ポリオキシプロピレン鎖を有する高分子化合物(ポリプロピレンオキサイド等)を用いることが好ましい
また、環状化合物(A)が、ポリオキシエチレン鎖を有する場合、高分子化合物(E)としては、ポリオキシエチレン鎖を有する高分子化合物(ポリエチレングリコール等)を用いることが好ましい。
粉末X線回折の測定においては、既知のロタキサンが示す回折ピークと比較の比較をすることで、ロタキサン生成の有無、即ち、環状化合物(A)の環成分を軸成分である高分子化合物(E)が貫通したか否かを確認することができ、NMRスペクトルにより、高分子化合物(E)1分子に対して貫通する環状化合物(A)の数を算出することができる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、ドデカメチレンジイソシアネート、炭素数11~17の脂環式ポリイソシアネート[ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2’-ジシクロヘキシルプロパンジイソシアネート等]等が挙げられる。
その他の変成ジイソシアネートの例として、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。これらの内、反応性の観点から芳香族ポリイソシアネートが好ましく、特に好ましくは1,3-及び/又は1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-及び/又は2,6-トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’-及び/又は4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)である。
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2-、1,4-もしくは2,3-ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリンおよびこれらの2種以上の併用が挙げられる。併用の場合の付加形式はブロックまたはランダムのいずれでもよい。
これらのうち、環状化合物との相溶性の観点から、好ましいものは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,4-ブチレンオキサイドであり、特に好ましいのはプロピレンオキサイドである。
タン(メタ)アクリレート以外]としては例えば次のものが挙げられる。
(1)単官能モノマー
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert-オクチル(メタ)アクリレート、2,3-ジメチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、n-ドコシル(メタ)アクリレート、n-テトラコシル(メタ)アクリレート、n-ヘキサイコシル(メタ)アクリレート、n-オクタイコシル(メタ)アクリレート、n-トリアコンチル(メタ)アクリレート、n-ドトリアコンチル(メタ)アクリレート、n-テトラトリアコンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキサトリアコンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-n-ブチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-クロロエチル(メタ)アクリレート、4-ブロモブチル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシルカルビトール(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2-(2-メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2-テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4-ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5-テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4-クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2-メタクリロイロキシエチルコハク酸、2-メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、EO変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート及びEO変性-2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-(2-ビニルオキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、及びアクリロイルモルホリン等が挙げられる。
好ましい単官能モノマーの具体例として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、4-n-ブチルシクロへキシルアクリレート、2-エチルヘキシルジグリコールアクリレート、2-クロロエチルアクリレート、ブトキシメチルアクリレート、メトキシプロピレンモノアクリレート、アルコキシメチルアクリレート、アルコキシエチルアクリレート、2-(2-メトキシエトキシ)エチルアクリレート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、及びアクリロイルモルホリンが挙げられる。
エチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのC2~C4のアルキレンオキサイド1~30モル付加物のトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのC2~C4のアルキレンオキサイド1~30モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは前記のポリオールに対して前記のポリイソシアネートを反応させたのち、更に水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を公知の反応させることで得られる。
水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては特に限定されず、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の市販品や(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA変性エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのウレタン(メタ)アクリレートの内、反応性と環状化合物組成物(P)と相溶性の観点から、好ましいのは2-ヒドロキシエチルアクリレートとポリオールをポリイソシアネートで結合したウレタンアクリレートである。
環状化合物組成物(P)の重合前の重量%は、樹脂の強度と伸びを両立する観点から、樹脂組成物(F)の全体重量に対して、1~50%が好ましく、更に好ましくは、1~20%、特に好ましくは5~10%である。開始剤の重合前の重量%は、重合効率を向上させるとともに、重合後の品質低下を抑制する観点から、0.01~20%が好ましく、更に好ましくは0.01~10%、特に好ましくは0.01~5%である。
これらのうち硬化物の着色防止の観点から好ましいのは2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよび1,3,5-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドである。
これらのうち、これらのうち硬化物の着色防止の観点から、アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスバレロニトリルが好ましい。
よって、従来のロタキサンと同様に、コーティング剤等に添加して自己修復性成分として用いることができる。
また従来のロタキサンと同様に、水等の溶媒を吸収させたゲルを衝撃吸収性材料及び細胞培養基材等の医療材料用の機能性材料として用いることができる。
なお、実施例中の部は重量部を示す。
「キョーワード300」〔組成式:2.5MgO・Al2O3 ・bH2O(bは正数)、協和化学工業(株)製〕を電気炉にて窒素気流下900℃で24時間加熱処理し、焼成物を調整して、実施例1~9に用いる触媒を合成した。
実施例1~9における環状化合物の中間体(P-_-1~4)を合成し、得られた中間体を含む反応混合物を下記精製工程1又は2の方法で精製することにより、本発明の環状化合物(A-1~9)を含む混合物を得ることができる。以下の表1に詳細を示す。表中の記載で、[P-_-1~4]は中間体を示し、精製後の環状化合物を[A-_]と記載する。アンダーバー部分には各実施例の番号が入る。
各実施例1~9において、工程1を経て得られた中間体を[P-_-1]と記載し、工程2を経て得られた中間体を[P-_-2]と記載し、工程3を経て得られた中間体を[P-_-3]と記載し、工程4を経て得られた中間体を[P-_-4]と記載する。
下記の精製工程1又は2の方法で精製することにより、本発明の環状化合物[A-_]を得た。
なお、実施例3における工程2では、オートクレーブに工程1で得られた中間体と製造例1で得た触媒を導入した後、さらにキシレン100部を加えてから窒素通気、昇温、アルキレンオキサイドの反応、熟成させることで中間体(PA-3-2)を得た。
(精製工程1)
実施例1~4及び6~9で得られた各中間体(PA-_-1~4)20部にキシレン100部を加えて50℃に温調し、均一に攪拌した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、キシレンを減圧留去し、濃縮した。濃縮物にメタノール20部を加えて撹拌し、水100部を加えて再沈殿させ、デカンテーションによって沈殿物を分離し、更に沈殿物を減圧乾燥することで、環状化合物(A-1~4、6~9)を含む組成物を得た。
(精製工程2)
実施例5において得られた中間体(PA-5-3)から、キシレンを減圧留去して濃縮した後、濃縮物にメタノール100部、キシレン100部加えて撹拌し、メタノール層を抽出した後にメタノールを減圧留去し、濃縮することで環状化合物(A-5)を含む組成物を得た。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例1で得られた組成物は、一般式(1)において、R1がメチレン基、R2がメチルエチレン基、R3がメチレン基及びR4がメチルエチレン基であり、プロピレンオキサイドの平均付加モル数(m+n)が61である本発明の環状化合物(A-1)を含む。また、環状化合物(A-1)を単量体とすると、環状化合物(A-1)2分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる二量体、及び環状化合物(A-1)3分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる三量体とを含有する組成物であった。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例2で得られた組成物は、一般式(1)において、R1がメチレン基、R2がメチルエチレン基、R3がメチレン基及びR4がメチルエチレン基であり、プロピレンオキサイドの平均付加モル数(m+n)が100である本発明の環状化合物(A-2)を含む。また、環状化合物(A-2)を単量体とすると、環状化合物(A-2)2分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる二量体、及び環状化合物(A-2)3分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる三量体とを含有する組成物であった。
GPC測定による分析をおこなったところ、実施例3で得られた組成物は、環状化合物(A-3)の数平均分子量は11,6000であり、プロピレンオキサイドの平均付加モル数(m+n)が2000であるものを含む。なお、分子量比較用の環状化合物として、実施例2に記載の環状化合物(A-2)を用いた。環状化合物(A-3)は、一般式(1)において、R1がメチレン基、R2がメチルエチレン基、R3がメチレン基及びR4がメチルエチレン基である。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例4で得られた組成物は、一般式(1)において、R1がメチルメチレン基、R2がメチルエチレン基、R3がメチルメチレン基及びR4がメチルエチレン基であり、プロピレンオキサイドの平均付加モル数(m+n)が100である本発明の環状化合物(A-4)を含む。また、環状化合物(A-4)を単量体とすると、環状化合物(A-4)2分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる二量体、及び環状化合物(A-4)3分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる三量体とを含有する組成物であった。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例5で得られた組成物は、一般式(1)において、R1がメチレン基、R2がエチレン基、R3がメチレン基及びR4がエチレン基であり、エチレンオキサイドの平均付加モル数(m+n)が100である本発明の環状化合物(A-5)を含む。また、環状化合物(A-5)を単量体とすると、環状化合物(A-5)2分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる二量体、及び環状化合物(A-5)3分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる三量体とを含有する組成物であった。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例6で得られた組成物は、一般式(1)において、R1がメチレン基、R2がエチルエチレン基、R3がメチレン基及びR4がエチルエチレン基であり、1,2-ブチレンオキサイドの平均付加モル数(m+n)が100である本発明の環状化合物(A-6)を含む。また、環状化合物(A-6)を単量体とすると、環状化合物(A-6)2分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる二量体、及び環状化合物(A-6)3分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる三量体とを含有する組成物であった。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例7で得られた組成物は、一般式(1)において、R1がメチレン基、R2がブチレン基、R3がメチレン基及びR4がブチレン基であり、テトラヒドロフランの平均付加モル数(m+n)が100である本発明の環状化合物(A-7)を含む。また、環状化合物(A-7)を単量体とすると、環状化合物(A-7)2分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる二量体、及び環状化合物(A-7)3分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる三量体とを含有する組成物であった。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例8で得られた組成物は、一般式(1)において、R1がメチレン基、R2が(クロロメチル)エチレン基、R3がメチレン基及びR4が(クロロメチル)エチレン基であり、エピクロルヒドリンの平均付加モル数(m+n)が100である本発明の環状化合物(A-8)を含む。また、環状化合物(A-8)を単量体とすると、環状化合物(A-8)2分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる二量体、及び環状化合物(A-8)3分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる三量体とを含有する組成物であった。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例9で得られた組成物は、一般式(1)において、R1がメチレン基、R2が(フェニルメチル)エチレン基、R3がメチレン基及びR4が(フェニルメチル)エチレン基であり、スチレンオキサイドの平均付加モル数(m+n)が100である本発明の環状化合物(A-9)を含む。また、環状化合物(A-9)を単量体とすると、環状化合物(A-9)2分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる二量体、及び環状化合物(A-9)3分子が開裂反応及び挿入付加反応して生じる三量体とを含有する組成物であった。
特開2016-175898号公報の実施例1の方法に従って、比較用の環状化合物(HA-1)として、エチレンオキサイドの平均付加モル数が6である15-ペンタデカノラクトンを合成した。
サンニックスGH-3000NS[3官能基ポリプレピレンポリオール(水酸基価:56)、三洋化成工業(株)製]を表1に示す部数でコロネートT-80(東ソー株式会社製)と窒素雰囲気下100℃で反応させ、主剤を調整した。
次いで、表2に記載の部数で、サンニックスGH-3000NSに、各環状化合物(A)を80℃で溶解させ硬化剤を調整した。
調製した硬化剤の全量を、調製した主剤の全量に100℃で加え、均一に攪拌した後、型枠に流し込み、80℃で10時間硬化させてウレタンエラストマー(E)及び環状化合物(A)を含有する樹脂組成物(F1-1)~(F1-9)を得た
実施例10において環状化合物(A-1)を比較例1で製造した環状化合物(HA-1)に変更した以外は同様の操作を行い、ウレタンエラストマー(E-1)を含有する比較用の樹脂組成物(F1’-1)を得た。
実施例10において環状化合物(A-1)を加えない以外は同様の操作を行い、ウレタンエラストマー(E)を含有する比較用の樹脂組成物(F1’-2)を得た。
測定結果を表3に示す。測定は湿度50%、温度25℃で行った。
ラジカル硬化性の樹脂組成物を表4に記載の通りに配合した。
アクリルモノマーは、ファンクリルFA-THFA[日立化成工業(株)製]及びNKエステルA-PTMG-65[新中村化学工業(株)製]を用いた。ラジカル開始剤は、イルガ184[商品名、チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製]、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル) [東京化成工業(株)製、以下ADVN]を用いた。
次いで、ガラス板上に厚さ500μmのシリコンスペーサーの型枠を作製し、前記配合物を流し込んだ後、ガラス板で挟み、次の工程にて硬化させた。
<実施例19、比較例4~5>
超高圧水銀灯の光を10分かけて1000mJ/cm2照射してUV硬化をおこない実施例19、比較例4及び5に記載の樹脂組成物(F2-1、F2’-1、F2’-2)を得た。
<実施例20、比較例6~7>
70℃に温調した循風乾燥機にて5時間加熱して熱硬化をおこない実施例20及び比較例6~7に記載の樹脂組成物(F2-2、F2’-3、F2’-4)を得た。
一方、実施例2で得た環状化合物(A-2)を含有する熱硬化樹脂組成物(F2-2)は、付加モル数の少ない比較用の環状化合物(HA-1)を含有する樹脂組成物(F2’-3)及び環状化合物(A)を含有しない比較用の樹脂組成物(F2’-4)と比較して、破断強度が向上した
これは、ポリアクリレート(E-2)が、環状化合物(A)を貫通し、複合構造を形成していることが原因と考えられる。
Claims (5)
- 一般式(1)におけるR1及びR3は炭素数1~16の直鎖アルキレン基又は炭素数3~16の分岐アルキレン基であり、一般式(1)におけるR2及びR4はフェニルエチレン基、炭素数2~4の直鎖アルキレン基又は炭素数3~4の分岐アルキレン基である請求項1に記載の環状化合物組成物。
- 前記環状化合物(B)と前記環状エーテル(C)とを反応させる前記工程が、アルミニウムとマグネシウムとの複合酸化物(D1)の焼成物及び/又はアルミニウムとマグネシウムを有するハイドロタルサイト(D2)の焼成物の存在下で行う工程である請求項3に記載の環状化合物組成物の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の環状化合物組成物及び高分子化合物(E)を含有する樹脂組成物(F)。
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