JP2003171460A - ポリオール及びその製造方法 - Google Patents

ポリオール及びその製造方法

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JP2003171460A
JP2003171460A JP2001370160A JP2001370160A JP2003171460A JP 2003171460 A JP2003171460 A JP 2003171460A JP 2001370160 A JP2001370160 A JP 2001370160A JP 2001370160 A JP2001370160 A JP 2001370160A JP 2003171460 A JP2003171460 A JP 2003171460A
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polyol
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cyclic
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JP2001370160A
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Tsuyoshi Ikeda
剛志 池田
Nobuya Saegusa
暢也 三枝
Shojiro Kuwabara
章二郎 桑原
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度に反応性の抑制された、塗料用樹脂、接
着剤用樹脂、ポリウレタン原料など種々の用途に有効で
かつ実用性の高いポリオールを提供する。 【解決手段】 活性水素化合物と、特定の環状重合性化
合物とを反応させて得られるポリオールであって、当該
活性水素化合物が2−メチル−1,2−プロパンジオー
ル、へキシレングリコール、又は2−ヒドロキシイソ酪
酸から選ばれる第3級ヒドロキシル基を有する化合物を
1種以上含み、かつその合計の濃度が10モル%以上で
あることを特徴とする第3級ヒドロキシル基を有するポ
リオール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は第3級ヒドロキシル
基を有するポリオール、及びこれらの製造方法に関す
る。本発明のポリオールは、塗料用樹脂、接着剤用樹
脂、ポリウレタン原料など種々の用途に有効に利用でき
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエーテルポリオールやポリエステル
ポリオールに代表されるポリオールはポリウレタン塗料
やポリウレタンフォームなどの原料として大量に消費さ
れている。しかし、従来広く用いられている2液型ポリ
ウレタン塗料はポリオールを含む主剤とポリイソシアネ
ートを含む硬化剤を使用直前に混合して使用するが、主
剤と硬化剤とを混合すると、増粘速度が速く、塗料とし
てのポットライフ(可使時間)が短いという問題があ
る。
【0003】従来使用されているポリオールのヒドロキ
シル基は第1級あるいは第2級のみからなっているた
め、イソシアネート基に対する反応性が非常に大きく、
主剤と硬化剤を混合すると速やかに反応してポットライ
フが短かくなる。このために、充分なポットライフを確
保するためには、塗料にアセチルアセトンなどの高価な
ポットライフ延長剤を添加しなければならないのが現状
である。
【0004】また、充分なポットライフを有する塗料組
成物として、特開平8−277376号公報では第3級
炭素に結合したイソシアネート基を有するポリイソシア
ネート化合物とを含有する塗料用樹脂組成物が開示され
ている。当該公報で示されているポリイソシアネート化
合物はイソシアネート基が第3級炭素に結合しているた
め、反応性が低く、ポットライフが長くなる。しかし、
当該公報で示されているポリイソシアネート化合物は非
常に高価で経済的に不利であるばかりか、溶剤への溶解
性が低いなどの欠点をも有している。
【0005】一方、反応性の低い第3級ヒドロキシル基
を有するポリオールを用いる方法が考えられる。第3級
ヒドロキシル基を有するポリオールを得る方法として
は、例えば特開平5−70545号公報により、分子鎖
中に第3級ヒドロキシル基を少なくとも1個有するポリ
オールを開始剤とする、分子量が500〜1,000な
る範囲内のポリカプロラクトンポリオールまたはポリエ
ーテルポリオールが知られている。しかし、該公報のポ
リオールの両末端は第1級及び/又は第2級のヒドロキ
シル基であることが特徴であるため、イソシアナート基
を有する硬化剤との反応においては、速やかに架橋反応
が進行してしまい、ポットライフを延長する効果がな
い。また、第3級ヒドロキシル基を少なくとも1個有す
るポリオールは官能基の数が3以上のものに限られてお
り、ポリウレタンフォームなどの用途には適さず、応用
範囲が狭い。更に、当該公報で挙げられている分子鎖中
に第3級ヒドロキシル基を少なくとも1個有するポリオ
ールは入手困難で高価なものであり、経済的に不利で実
用性に乏しい。
【0006】また、特開平11−1537号公報では、
ポリオールにイソブチレンオキシドを付加させる方法あ
るいはポリオールとピナコールをパラトルエンスルホン
酸の如き酸性触媒下で加熱脱水する方法が開示されてい
る。しかし、これらの方法ではピナコールの転移反応や
脱水反応といった副反応が進行したり、イソブチレンオ
キサイドの反応量を制御することが困難であるため、ポ
リオールの全ヒドロキシル基中の第3級ヒドロキシル基
の割合を任意に制御することが困難である。更にイソブ
チレンオキシドやピナコールが非常に高価であり、製造
工程も煩雑になるため、やはり経済的に不利で実用性に
乏しい方法であった。
【0007】このように、適度に反応性の抑制された実
用性の高いポリオールが求められているものの、上記課
題を解決しうるポリオール及びその製造方法は未だ開発
されていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前記の
如き状況に鑑み、適度に反応性の抑制された、塗料用樹
脂、接着剤用樹脂、ポリウレタン原料など種々の用途に
有効でかつ実用性の高いポリオールを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、特定の活性水素化合物を10モル%以上含む
活性水素化合物と、特定構造の環状エステル又は環状エ
ーテルとを反応させて得られる第3級ヒドロキシル基を
有するポリオールが適度に反応性を有し、容易に且つ安
価に製造できることを見いだし、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は、活性水素化合物と、
下記一般式(1)もしくは(2)で表される環状エーテ
ル又は下記一般式(3)又は(4)で表される環状エス
テルから選ばれる1種以上の環状重合性化合物とを反応
させて得られるポリオールであって、当該活性水素化合
物が2−メチル−1,2−プロパンジオール、へキシレ
ングリコール、又は2−ヒドロキシイソ酪酸から選ばれ
る第3級ヒドロキシル基を有する化合物を1種以上含
み、かつその合計濃度が10モル%以上の活性水素化合
物であることを特徴とする第3級ヒドロキシル基を有す
るポリオールに関する発明である。
【0011】
【化9】
【0012】(一般式(1)中、R1、R2、R3、R4
それぞれ独立して、水素、炭素数が1〜10の脂肪族
基、脂環基、ハロゲン化炭化水素基、及び芳香族基から
なる群から選ばれる有機基を表す。)
【0013】
【化10】
【0014】(一般式(2)中、R5、R6、R7、R8
それぞれ独立して、水素、炭素数が1〜10の脂肪族
基、芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表す。)
【0015】
【化11】
【0016】(一般式(3)中、R9、R10、R11、R
12はそれぞれ独立して、水素、炭素数が1〜10の脂肪
族基、脂環基、及び芳香族基からなる群から選ばれる有
機基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
【0017】
【化12】
【0018】(一般式(4)中、R13、R14、R15、R
16はそれぞれ独立して、水素、炭素数が1〜10の脂肪
族基、脂環基、及び芳香族基からなる群から選ばれる有
機基を表す。)
【0019】又、本発明は、活性水素化合物と環状重合
性化合物とを反応させることを特徴とするポリオールの
製造方法であって、当該活性水素化合物が2−メチル−
1,2−プロパンジオール、へキシレングリコール、又
は2−ヒドロキシイソ酪酸から選ばれる第3級ヒドロキ
シル基を有する化合物を1種以上含み、その合計の濃度
が10モル%以上の活性水素化合物であることを特徴と
する第3級ヒドロキシル基を有するポリオールの製造方
法に関する発明である。
【0020】以下に本発明を詳細に説明する。活性水素
化合物とは、一般にヒドロキシル基、カルボキシル基、
アミノ基、メルカプト基等を有する化合物をいうが、本
発明において活性水素化合物とは、多価アルコール、オ
キシ酸、また多価カルボン酸、多価アミン、ヒドロキシ
ルアミン、多価チオール、水などの上記の官能基を少な
くとも2つ以上有する化合物を指し、これらの活性水素
化合物は、本発明のポリオールを開環重合により製造す
る際に、開始剤及びポリオールのモノマー構成要素とし
ての役割を有する。
【0021】従来から使用されてきた水、エチレングリ
コール、グリセリンなどを開始剤として用いた場合、開
始剤分子内のヒドロキシル基は全て重合に関与し、通
常、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ε−カプ
ロラクトンなどと反応させて得られるポリオールのヒド
ロキシル基は第1級あるいは第2級のみとなる。
【0022】これに対し、本発明では開始剤となる活性
水素化合物として2−メチル−1,2−プロパンジオー
ル、へキシレングリコール、又は2−ヒドロキシイソ酪
酸から選ばれた第3級ヒドロキシル基を有する化合物を
一定濃度含む活性水素化合物を用いると、開始剤の第3
級ヒドロキシル基は反応性が小さいため開環重合に関与
せず、開始剤分子内の他のヒドロキシル基、カルボキシ
ル基のみから重合反応が進行し、末端に第3級ヒドロキ
シル基を有するポリエーテルポリオール、ポリエステル
ポリオールが得られる。特に本発明では、活性水素化合
物として2−メチル−1,2−プロパンジオール、へキ
シレングリコール、又は2−ヒドロキシイソ酪酸を用い
ることにより、ポリオールの末端に第3級ヒドロキシル
基を有する2官能のポリオールが得られ、このポリオー
ルはポリウレタン塗料や、ポリウレタンフォームなどの
用途に好適に用いることができる。また、上記3種の活
性水素化合物は、比較的容易に入手できる。この末端に
導入された第3級水酸基が適度な反応性を有するため、
イソシアネート硬化剤との急激な高分子量化反応を抑制
し、ポットライフを延長させる効果を発揮する。
【0023】また本発明においては、従来既知の第1級
及び/又は第2級のヒドロキシル基のみを有する多価ア
ルコール、オキシ酸、また多価カルボン酸、多価アミ
ン、ヒドロキシルアミン、多価チオール、水などの活性
水素化合物を併用することにより、ヒドロキシル基中の
第3級ヒドロキシル基の割合を任意に制御することがで
きる。
【0024】活性水素化合物中の2−メチル−1,2−
プロパンジオール、へキシレングリコール、又は2−ヒ
ドロキシイソ酪酸から選ばれる第3級ヒドロキシル基を
有する化合物の合計の濃度は10モル%以上であり、好
ましくは20モル%以上であり、特に好ましくは30モ
ル%以上である。上記割合が10モル%より小さい場
合、ポリオールの反応性が抑制されない場合がある。本
発明における製造法では活性水素化合物の副反応がほと
んどおこらないため、任意の割合で第3級ヒドロキシル
基を導入することができるが、合成されたポリオール中
の第3級ヒドロキシル基の割合は5モル%以上であるこ
とが好ましい。合成されたポリオール中の第3級ヒドロ
キシル基の割合が5モル%未満では、ポリオールの反応
性が抑制されない場合がある。
【0025】また2−メチル−1,2−プロパンジオー
ル、へキシレングリコール、又は2−ヒドロキシイソ酪
酸は、それぞれ(a)第3級ヒドロキシル基と(b)他
のヒドロキシル基又はカルボキシル基を有しているの
で、これらの活性水素化合物が本願発明の環状重合性化
合物と反応しても、生成するポリオールの全ヒドロキシ
ル基中の第3級ヒドロキシル基が50モル%を越えるこ
とはない。
【0026】本発明では、活性水素化合物として2−メ
チル−1,2−プロパンジオール、へキシレングリコー
ル、又は2−ヒドロキシイソ酪酸から選ばれる少なくと
も一つの化合物を活性水素化合物中の必須の構成要素と
しているが、他の第3級ヒドロキシル基を有する多価ア
ルコールやオキシ酸などの活性水素化合物を併せて用い
てもよい。
【0027】2−メチル−1,2−プロパンジオール、
又はへキシレングリコール以外に本発明で第3級ヒドロ
キシル基を有する多価アルコールとして併用できるもの
として、例えば2−メチル−1,2−ブタンジオール、
2−メチル−2,3−ブタンジオール、3−メチル−
1,3−ブタンジオール、2,3−ジメチル−1,2−
ブタンジオール、2,3−ジメチル−1,3−ブタンジ
オール、2−メチル−1,2−ペンタンジオール、2−
メチル−2,3−ペンタンジオール、2−メチル−2,
4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタン
ジオール、4−メチル−1,4−ペンタンジオール、3
−メチル−2,3−ペンタンジオール、2−エチル−
1,2−ブタンジオール、1,4−ジヒドロキシ−1−
メチルシクロヘキサン、1,2,3−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン、1,2,3−ヒドロキシ2−エチルプ
ロパン、1,2,4−ヒドロキシ−2−メチルブタン、
1,2,5−ヒドロキシ−2−メチルペンタン、1,
3,5−ヒドロキシ−3−メチルペンタン、1,3,6
−ヒドロキシ−3−メチルヘキサンなどが挙げられる。
光学異性体の存在するものは何れを用いてもよく、また
それらの混合物を用いてもよい。
【0028】また、2−ヒドロキシイソ酪酸以外の第3
級ヒドロキシル基を有するオキシ酸としては併用できる
ものとして、例えば2―ヒドロキシイソ酪酸、2−ヒド
ロキシ−2−メチル酪酸、3−ヒドロキシイソ吉草酸、
2−ヒドロキシ−2−メチル吉草酸、3−ヒドロキシ−
3−メチル吉草酸、4−ヒドロキシイソ吉草酸、2−ヒ
ドロキシ−2−メチルイソ吉草酸、3−ヒドロキシ−2
−メチルイソ吉草酸などが挙げられる。光学異性体の存
在するものは何れを用いてもよく、また混合物を用いて
もよい。
【0029】本発明で用いられる環状エーテルは下記一
般式(1)又は(2)で表される化合物である。
【0030】
【化13】
【0031】(一般式(1)中、R1、R2、R3、R4
それぞれ独立して、水素、炭素数が1〜10の脂肪族
基、脂環基、ハロゲン化炭化水素基、及び芳香族基から
なる群から選ばれる有機基を表す。)
【0032】
【化14】
【0033】(一般式(2)中、R5、R6、R7、R8
それぞれ独立して、水素、炭素数が1〜10の脂肪族
基、及び芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表
す。)
【0034】一般式(1)又は(2)で表される環状エ
ーテルとして、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、イ
ソブチレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、ペンテ
ンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシ
ド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、2−エ
チルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジル
エーテル、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジ
ルエーテル、β−メチルグリシド酸メチルなどが挙げら
れる。用いる環状エーテルは、得られるポリエーテルポ
リオールの物性、性能、その用途から適宜選択されれば
よく、単独で用いてもよいし、2種類以上を用いてラン
ダム共重合、ブロック共重合を行ってもよい。
【0035】環状エーテルの開環重合は、オートクレー
ブなど加圧にできる反応器を用い、環状エーテル化合物
と、2−メチル−1,2−プロパンジオール、へキシレ
ングリコール、2−ヒドロキシイソ酪酸から選ばれる化
合物を1種以上含み、かつその合計の濃度が10モル%
以上である活性水素化合物とを仕込み、触媒の非存在下
若しくは触媒の存在下、40〜180℃、好ましくは5
0〜150℃に加熱して行う。また、重合反応中、環状
エーテル化合物を反応系に間欠的に若しくは連続的に加
えることもできる。
【0036】環状エーテルの開環重合に用いられる触媒
は従来既知の何れのものも用いることができ、特に限定
されるものではないが、例えば硫酸などの鉱酸、フッ化
硼素、塩化アルミニウム、塩化錫などのルイス酸、アル
カリ又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、アルコ
キシド、脂肪族第3級アミン、ナトリウムアミドなどが
挙げられる。用いられる触媒の量は環状エーテルに対し
て通常0.001〜3モル%程度である。
【0037】また、本発明で用いられる環状エステルは
下記一般式(3)又は(4)で表される化合物である。
【0038】
【化15】
【0039】(一般式(3)中、R9、R10、R11、R
12はそれぞれ独立して、水素、炭素数が1〜10の脂肪
族基、脂環基、及び芳香族基からなる群から選ばれる有
機基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
【0040】
【化16】
【0041】(一般式(4)中、R13、R14、R15、R
16はそれぞれ独立して、水素、炭素数が1〜10の脂肪
族基、脂環基、及び芳香族基からなる群から選ばれる有
機基を表す。)
【0042】一般式(3)又は(4)で表される環状エ
ステルとして、β−プロピオラクトン、δ−バレロラク
トン、δ−カプロラクトン、1,4−ジオキサン−2−
オン、ε−カプロラクトン、グリコリド、ラクチド、テ
トラメチルグリコリドなどが挙げられる。用いる環状エ
ステルは、得られるポリエステルポリオールの物性、性
能、その用途から適宜選択されればよく、単独で用いて
もよいし、2種類以上を用いてランダム共重合、ブロッ
ク共重合を行ってもよい。
【0043】環状エステルの開環重合は、環状エステル
化合物と、2−メチル−1,2−プロパンジオール、へ
キシレングリコール、又は2−ヒドロキシイソ酪酸から
選ばれる化合物を1種以上含み、かつその合計の濃度が
10モル%以上である活性水素化合物とを仕込み、触媒
の非存在下若しくは触媒の存在下、50〜220℃、好
ましくは80〜200℃に加熱して行う。また、重合反
応中、環状エステル化合物を反応系に間欠的に若しくは
連続的に加えることもできる。
【0044】環状エステルの開環重合に用いられる触媒
は従来既知の何れものも用いることができ、特に限定さ
れるものではないが、例えば硫酸などの鉱酸、フッ化硼
素、塩化アルミニウム、塩化錫などのルイス酸、アルカ
リ又はアルカリ土類金属、アルミニウム、チタンの酸化
物、水酸化物、アルコキシド、脂肪族第3級アミンなど
が挙げられる。用いられる触媒の量は環状エステルに対
して0.001〜3モル%である。
【0045】更に本発明は2−メチル−1,2−プロパ
ンジオール、又はシレングリコール、又は2−ヒドロキ
シイソ酪酸から選ばれる第3級ヒドロキシル基を有する
化合物を1種以上含み、かつその合計の濃度が10モル
%以上以上である活性水素化合物と開環重合性環状化合
物とを反応させることを特徴とする第3級ヒドロキシル
基を有するポリオールの製造方法である。環状エーテル
類、環状エステル類以外の開環重合性環状化合物として
は特に限定されるものではないが、例えばβ−プロピオ
ラクタム、γ−ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、
ε−カプロラクタム、8−オキサ−6−アザビシクロ
[3.2.1]オクタン−7−オン、2−アザビシクロ
[2.2.1]ヘプタン−3−オンなどのラクタム類、
エチレンカーボネート、5,5−ジメチル−1,3−ジ
オキサン−2−オンなどの環状カーボネート類、環状ア
セタール類、エチレンスルフィド、プロピレンスルフィ
ドなどの環状チオエーテル類、エチレンイミン、プロピ
レンイミン、N−アルキルアジリジンなどの環状アミン
類、コハク酸イミドなどの環状ウレタン類、L−アラニ
ン−N−カルボン酸無水物、DL−2−アミノステアリ
ン酸−N−カルボン酸無水物、L−グルタミン酸−γ−
ベンジル−N−カルボン酸無水物などのα−アミノ酸−
N−カルボン酸無水物類、2−エトキシ−2−オキソ−
1,3,2−ジオキサホスホラン、2−メトキシ−2−
オキソ−1,3,2−ジオキサホスホリナンなどの環状
リン酸エステル類、ヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状シ
ロキサン類などが挙げられる。
【0046】これらの開環重合性環状化合物を上記反応
系に加えることで、環状エーテル類、環状エステル類と
共重合することもできる。
【0047】本発明のポリエーテルポリオール及びポリ
エステルポリオールは塗料用樹脂、接着剤用樹脂、ポリ
ウレタンフォーム(硬質、軟質、半硬質など)、RI
M、エラストマー(熱可塑性、注型、ミラブルなど)、
スパンデックス、土木建築材料、絶縁材料、皮革用材
料、靴底用材料、水系ポリウレタンなどの各種ポリウレ
タン原料用樹脂、添加剤用樹脂などに用いることができ
る。
【0048】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を
限定されるものではない。なお得られたポリオールの水
酸基価はJISK−0070に準じて測定した。
【0049】実施例1 ステンレス製の耐圧オートクレーブ中に2−メチル−
1,2−プロパンジオール331g、水酸化カリウム4
0.5gを窒素雰囲気下に仕込み密閉した。90℃に昇
温し、少量のエチレンオキサイドを導入した。140℃
に加熱し圧力が下がり反応が進行しているのを確認した
後、反応温度130〜145℃に保ちながら3.5時間
かけてエチレンオキシド3240gを連続的に導入し
た。反応終了後、未反応のプロピレンオキシドを減圧下
留去した後、40〜50℃で塩酸水溶液を滴下して中和
する。乾燥ゼオライト250gを添加して数時間撹拌し
たのち、塩化カリウムとゼオライトを濾過し、エバポレ
ーターで乾燥してポリエーテルポリオールAを3480
g得た。得られたポリエーテルポリオールAの水酸基価
は110mgKOH/gであった。
【0050】実施例2 実施例1の2−メチル−1,2−プロパンジオールを2
−ヒドロキシイソ酪酸383gに変えた以外は実施例1
と同様に反応を行い、ポリエーテルポリオールBを34
50g得た。得られたポリエーテルポリオールBの水酸
基価は、115mgKOH/gであった。
【0051】実施例3 実施例1の2−メチル−1,2−プロパンジオールを2
−メチル−1,2−プロパンジオール166gと水33
gの混合物に、エチレンオキシドをプロピレンオキシド
に変えた以外は実施例1と同様に反応を行い、ポリエー
テルポリオールCを3350g得た。得られたポリエー
テルポリオールCの水酸基価は119mgKOH/gで
あった。
【0052】実施例4 撹拌機と温度計を備えた反応器にε−カプロラクトン1
140g、2−メチル−1,2−プロパンジオール90
g、酸化錫1gを窒素下で仕込んだ。130℃に昇温し
たのち、130〜140℃で12時間重合を行った。そ
の後セライト100gを入れて撹拌し、セライトを濾過
して、ポリエステルポリオールD 1220gを得た。
得られたポリエステルポリオールDの水酸基価は、90
mgKOH/gであった。
【0053】比較例1 実施例1の2−メチル−1,2−プロパンジオールを水
66gに変えた以外は実施例1と同様に反応を行い、ポ
リエーテルポリオールEを3460g得た。得られたポ
リエーテルポリオールEの水酸基価は122mgKOH
/gであった。
【0054】比較例2 実施例3の2−メチル−1,2−プロパンジオールをエ
チレングリコール62gに変えた以外は実施例3と同様
に反応を行い、ポリエステルポリオールFを1180g
得た。得られたポリエステルポリオールFの水酸基価
は、95mgKOH/gであった。
【0055】実施例5〜8、比較例3、4(ポリオール
の反応性の評価) 実施例1〜3、比較例1、2で得られたポリオールを酢
酸エチルに溶解し、ヒドロキシル基とイソシアナト基が
当量になるように、ポリイソシアネート硬化剤スミジュ
ールL75(住友バイエルウレタン(株)製、NCO基
含有率13.0%)と混合して、触媒として酢酸を添加
し、40℃における粘度の経時変化を測定した。粘度測
定にはB型粘度計を用い、40℃で測定した。結果を表
1及び表2にまとめて示す。
【0056】 表1実施例番号 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8 ポリオール種類 A B C D 仕込み量(g) ポリオール 50 50 50 50 酢酸エチル 50 50 50 50 スミジュールL75 32 33 34 26 酢酸 0.3 0.3 0.3 0.3 反応生成物の粘度(mPa・s) 混合直後 150 180 190 310 5時間後 270 330 750 890 10時間後 760 900 2200 1100
【0057】
【0058】
【発明の効果】本発明により適度に反応性の抑制され
た、実用性の高いポリオール、及びその製造する方法が
提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 章二郎 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 Fターム(参考) 4J005 AA12 BB01 4J029 EG02 EG03 EG09 EH01 EH02 EH03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性水素化合物と、下記一般式(1)も
    しくは(2)で表される環状エーテル又は下記一般式
    (3)又は(4)で表される環状エステルから選ばれる
    1種以上の環状重合性化合物とを反応させて得られるポ
    リオールであって、当該活性水素化合物が2−メチル−
    1,2−プロパンジオール、へキシレングリコール、又
    は2−ヒドロキシイソ酪酸から選ばれる第3級ヒドロキ
    シル基を有する化合物を1種以上含み、かつその合計の
    濃度が10モル%以上の活性水素化合物であることを特
    徴とする第3級ヒドロキシル基を有するポリオール。 【化1】 (一般式(1)中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立
    して、水素、炭素数が1〜10の脂肪族基、脂環基、ハ
    ロゲン化炭化水素基、及び芳香族基からなる群から選ば
    れる有機基を表す。) 【化2】 (一般式(2)中、R5、R6、R7、R8はそれぞれ独立
    して、水素、炭素数が1〜10の脂肪族基、芳香族基か
    らなる群から選ばれる有機基を表す。) 【化3】 (一般式(3)中、R9、R10、R11、R12はそれぞれ
    独立して、水素、炭素数が1〜10の脂肪族基、脂環
    基、及び芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表
    し、nは0〜3の整数を表す。) 【化4】 (一般式(4)中、R13、R14、R15、R16はそれぞれ
    独立して、水素、炭素数が1〜10の脂肪族基、脂環
    基、及び芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表
    す。)
  2. 【請求項2】 環状重合性化合物が、下記一般式(1)
    又は(2)で表される環状エーテルである請求項1記載
    の第3級ヒドロキシル基を有するポリエーテルポリオー
    ル。 【化5】 (一般式(1)中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立
    して、水素、炭素数が1〜10の脂肪族基、脂環基、ハ
    ロゲン化炭化水素基、及び芳香族基からなる群から選ば
    れる有機基を表す。) 【化6】 (一般式(2)中、R5、R6、R7、R8はそれぞれ独立
    して、水素、炭素数が1〜10の脂肪族基、芳香族基か
    らなる群から選ばれる有機基を表す。)
  3. 【請求項3】 環状重合性化合物が、下記一般式(3)
    又は(4)で表される環状エステルである請求項1記載
    の第3級ヒドロキシル基を有するポリエステルポリオー
    ル。 【化7】 (一般式(3)中、R9、R10、R11、R12はそれぞれ
    独立して、水素、炭素数が1〜10の脂肪族基、脂環
    基、及び芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表
    し、nは0〜3の整数を表す。) 【化8】 (一般式(4)中、R13、R14、R15、R16はそれぞれ
    独立して、水素、炭素数が1〜10の脂肪族基、脂環
    基、及び芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表
    す。)
  4. 【請求項4】 ポリオールの全ヒドロキシル基中の第3
    級ヒドロキシル基の割合が5モル%以上である請求項1
    ないし3のいずれかに記載の第3級ヒドロキシル基を有
    するポリオール。
  5. 【請求項5】 活性水素化合物と環状重合性化合物とを
    反応させることを特徴とするポリオールの製造方法であ
    って、当該活性水素化合物が2−メチル−1,2−プロ
    パンジオール、へキシレングリコール、又は2−ヒドロ
    キシイソ酪酸から選ばれる第3級ヒドロキシル基を有す
    る化合物を1種以上含み、かつその合計の濃度が10モ
    ル%以上の活性水素化合物であることを特徴とする第3
    級ヒドロキシル基を有するポリオールの製造方法。
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