JP6568383B2 - 活性エネルギー線硬化性重合体組成物、それを用いた硬化膜、及び前記硬化膜を有する積層体 - Google Patents
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Description
で表される繰り返し単位とを含むポリカーボネートジオール、ポリイソシアネート、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含む原料の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと、(メタ)アクリルアミド類、単官能(メタ)アクリレート、及び多官能(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の活性エネルギー線反応性モノマーとを含有する活性エネルギー線硬化性重合体組成物であって、
前記活性エネルギー線硬化性重合体組成物100質量%に対して、前記ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを1質量%以上45質量%以下で含有し、前記活性エネルギー線反応性モノマーを55質量%以上99質量%以下で含有することを特徴とするものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、下記一般式(A)で表される繰り返し単位と下記一般式(B)で表される繰り返し単位とを含むポリカーボネートジオール、ポリイソシアネート、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含む原料の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと、活性エネルギー線反応性モノマーとを含有する活性エネルギー線硬化性重合体組成物であって、
前記活性エネルギー線硬化性重合体組成物100質量%に対して、前記ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを1質量%以上45質量%以下で含有し、前記活性エネルギー線反応性モノマーを55質量%以上99質量%以下で含有するものである。
本発明に用いられるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、前記一般式(A)で表される繰り返し単位と前記一般式(B)で表される繰り返し単位とを含むポリカーボネートジオール、ポリイソシアネート、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含む原料の反応物である。このようなポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。以下に、ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの原料の各成分について説明する。
本発明に用いられるポリカーボネートジオールは、前記一般式(A)で表される繰り返し単位(以下「構造(A)」と略すこともある)と前記一般式(B)で表される繰り返し単位(以下「構造(B)」と略すこともある)とを含むものである。本発明に用いられるポリカーボネートジオールとしては、ジオールと炭酸ジエステルを原料とし、エステル交換触媒を用いて製造されるものが好ましい。
本発明にかかる構造(A)の構造上の第1の特徴は、フラン環が2個縮環したフレキシビリティの小さな剛直な構造である点にあり、このため、本発明に用いられるポリカーボネートジオールでは、この構造(A)の部分において剛直性が発現される。また、第2の特徴は、カーボネート基が、メチレン基等の自由回転可能な基を介することなく、直接縮環フラン環に結合しているため、この部分においても自由度が低く、極めてリジッドな構造となっている点にある。また、第3の特徴として、密度が高い親水性のフラン環が2個配置されていることにあり、このため、水分子等の極性基との親和性があり、親水性が高いという特性を有する。
構造(B)を表す前記一般式(B)におけるXは、ヘテロ原子を含有してもよい炭素数1〜15の2価の基であり、直鎖又は分岐鎖の鎖状基、環状基、いずれの構造が含まれていてもよい。Xを構成する元素である炭素の数としては、10以下が好ましく、6以下がより好ましい。X中に含まれていてもよいヘテロ原子としては、例えば酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられ、化学的な安定性から酸素原子が好ましい。Xの基の具体例としては、本発明に用いられるポリカーボネートジオールの製造時に、構造(B)を与える化合物として以下に例示する化合物を用いた場合に生成する基が挙げられ、下記の例示化合物のうち、好ましい化合物を反応して得られる基が好ましい。
本発明に用いられるポリカーボネートジオールの分子鎖を構成する構造(A)と構造(B)の割合(以下「(A)/(B)比」と称す場合がある。)は、通常、モル比で構造(A)/構造(B)=99/1〜1/99である。分子鎖中に構造(B)を導入することによりポリカーボネートジオールの規則性が乱されるため、融点及び粘度が低下し、ハンドリング性が改良されるという効果が得られる。前述した剛直性、親水性等の本発明の効果をもたらすのは主として構造(A)の部分であり、本発明に用いられるポリカーボネートジオール中の構造(A)の割合が少なすぎると、その効果が十分得られない場合がある。A)/(B)比としては、99/1〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、70/30〜30/70が更に好ましい。
本発明に用いられるポリカーボネートジオールは、後述するように、ジオールと炭酸ジエステルを原料として製造されるものである。
使用可能な炭酸ジエステルとしては、本発明の効果を失わない限り限定はされないが、アルキルカーボネート、アリールカーボネート、又はアルキレンカーボネートが挙げられる。これらのうち、アリールカーボネートを使用すると速やかに反応が進行するという利点がある。しかしその一方で、アリールカーボネートを原料とすると沸点の高いフェノール類が副生するが、ポリカーボネートジオール生成物中のフェノール類の残留量は、より少ない方が好ましい。これは、フェノール類が1官能性化合物であり、ポリウレタン化の際の重合阻害因子となり得る上、刺激性物質でもあるためである。
一方、ジオールのうち、本発明に用いられるポリカーボネートジオールに含まれる構造(A)と構造(B)を与えるジオールの具体例を以下に示す。
構造(A)を与える原料ジオールとしては、イソソルビド、及びその立体異性体であるイソマンニド、イソイディッド等が挙げられ、これらは1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。中でもソルビトールの脱水反応で容易に得られ、工業的な量で市販もされているイソソルビドが好ましい。
構造(B)を与える原料ジオールとしては、前記のヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜15のジオール類が挙げられ、炭素数2〜10のジオール類が好ましい。例えば、
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の直鎖炭化水素の末端ジオール類;
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のエーテル基を有する鎖状のジオール類;
ビスヒドロキシエチルチオエーテル等のチオエーテルジオール類;
2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ペンチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ペンチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,9,9−テトラメチル−1,10−デカンジオール等の分岐鎖を有するジオール類;
1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4−ジシクロヘキシルジメチルメタンジオール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,4−ジヒドロキシエチルシクロヘキサン、4,4’−イソプロピリデンジシクロヘキサノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2,2’−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン)、ノルボルナン−2,3−ジメタノール等の脂環式構造を有するジオール類;
2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン、3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(cas番号:1455−42−1)、2−(5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−2−メチルプロパン−1−オール(cas番号:59802−10−7)等のヘテロ原子を環内にもつ環状基を含むジオール類;
ジエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン等の含窒素ジオール類;
ビス(ヒドロキシエチル)スルフィド等の含硫黄ジオール類が挙げられる。これらのジオール類は、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられるポリカーボネートジオールの特徴は構造(A)と構造(B)とを含むことにあるが、この構造(A)を与える前述のジオール類(以下「構造(A)用ジオール」と称す場合がある。)は、不安定な場合があり、保存や使用する際には注意を要する。例えば、イソソルビドは酸素が存在すると徐々に酸化されるので、保管や製造時の取り扱いの際には、酸素による分解を防ぐため、脱酸素剤を用いたり、窒素雰囲気下にしたりすることが肝要である。また、水分が混入しないようにすることも必要である。イソソルビドが酸化されると、ギ酸をはじめとする分解物が発生する。例えば、これら分解物を含むイソソルビドを用いてポリカーボネートジオールを製造すると、得られるポリカーボネートジオールに着色が発生したり、物性が著しく劣化する場合がある。また、重合反応に影響を与え、目的の分子量の重合体が得られない場合がある。
前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量としては、ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの適当な粘度による良好な作業性や、活性エネルギー線硬化性重合体組成物を硬化して得られる硬化物の機械的強度及び耐汚染性の観点から、500以上が好ましく、800以上がより好ましく、1,000以上が更に好ましく、また、5,000以下が好ましく、3,000以下がより好ましく、2,000以下が更に好ましく、1,500以下が特に好ましい。前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量が小さくなるにつれて、前記作業性が向上し、前記硬化物の機械的強度、耐汚染性が向上する傾向がある。また、前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量が大きくなるにつれて、前記硬化物の三次元加工時の変形に追従可能な柔軟性が向上する傾向がある。
本発明に用いられるポリカーボネートジオールは基本的にポリマーの末端構造は水酸基である。しかしながら、ジオールと炭酸ジエステルとの反応で得られるポリカーボネートジオール生成物中には、不純物として一部ポリマー末端が水酸基ではない構造のものが存在する場合がある。その構造の具体例としては、分子鎖末端がアルキルオキシ基又はアリールオキシ基のものであり、多くは炭酸ジエステル由来の構造である。例えば、炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネートを使用した場合はアリールオキシ基としてフェノキシ基(PhO−)、ジメチルカーボネートを使用した場合はアルキルオキシ基としてメトキシ基(MeO−)、ジエチルカーボネートを使用した場合はエトキシ基(EtO−)、エチレンカーボネートを使用した場合はヒドロキシエトキシ基(HOCH2CH2O−)が末端基として残存する場合がある(ここで、Phはフェニル基を表し、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。)。
本発明に用いられるポリカーボネートジオールは、カーボネート基により原料ジオールが重合した構造が基本となっている。しかしながら、製造方法によっては、一部前述の構造(A)及び(B)以外のエーテル構造となったものが混入する場合があり、その存在量が多くなると耐候性や耐熱性が低下することがあるので、構造(A)及び(B)以外のエーテル構造の割合が過度に多くならないように製造することが望ましい。ポリカーボネートジオール中の構造(A)及び(B)以外のエーテル構造を低減して、耐候性、耐熱性等の特性を確保する点において、本発明に用いられるポリカーボネートジオールの分子鎖中に含まれる構造(A)及び(B)以外のエーテル結合とカーボネート結合の比としては、モル比で2/98以下が好ましく、1/99以下がより好ましく、0.5/99.5以下が特に好ましい。
本発明に用いられるポリカーボネートジオールは、室温付近で通常、液状からワックス状の白濁固体という性状を呈しているが、加温することにより粘度を低下させることができ、ハンドリングしやすくなる。また、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系の溶媒、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒に溶解させることも可能で、移送や反応が行いやすくなる場合もある。本発明に用いられるポリカーボネートジオールの性状は上述したように通常室温で液状〜白色ワックス状固体であり、温度によりその性状は異なる。例えば粘度で表すと、本発明に用いられるポリカーボネートジオールの40℃における粘度としては、0.1Pa・s以上が好ましく、1Pa・s以上がより好ましく、5Pa・s以上が更に好ましく、また、108Pa・s以下が好ましく、107Pa・s以下がより好ましく、106Pa・s以下が特に好ましい。
本発明に用いられるポリカーボネートジオールの色は、得られるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの色相に影響を与えない範囲が好ましく、着色の程度をハーゼン色数(JIS K0071−1に準拠)で表した場合の値(以下「APHA値」と表記する。)としては特に限定はされないが、100以下が好ましく、50以下がより好ましく、30以下が更に好ましい。
本発明に用いられるポリカーボネートジオール中に含まれるフェノール類の含有量としては特に限定はされないが、少ない方が好ましく、0.1質量%以下が好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、0.001質量%以下が更に好ましい。これは、フェノール類が1官能性化合物であり、ポリウレタン化の際の重合阻害因子となる可能性がある上、刺激性物質であるためである。
本発明に用いられるポリカーボネートジオール生成物中には、製造時の原料として使用した炭酸ジエステルが残存することがあるが、本発明に用いられるポリカーボネートジオール中の炭酸ジエステルの残存量としては特に限定はされないが、少ない方が好ましく、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。ポリカーボネートジオールの炭酸ジエステル含有量が多すぎると、ポリウレタン化の際の反応を阻害する場合がある。一方、その下限としては特に制限はないが、0.1質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0質量%以上が特に好ましい。
本発明に用いられるポリカーボネートジオールには、製造時に使用した原料ジオールが残存する場合がある。本発明に用いられるポリカーボネートジオール中の原料ジオールの残存量としては特に限定はされないが、少ない方が好ましく、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が一層好ましく、0.1質量%以下が特に好ましく、0.05質量%以下が最も好ましい。また原料ジオールとしてイソソルビド、イソマンニド、及びイソイディッドから選ばれる少なくとも1種のジオール(以下、「イソソルビド類」と略記することがある)を用いた場合には、ポリカーボネートジオール中のイソソルビド類の残存量としては少ない方が好ましく、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が更により好ましく、0.1質量%以下が特に好ましく、0.01質量%以下が最も好ましい。ポリカーボネートジオール中の原料ジオールの残存量が多いと、ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーとした際のソフトセグメント部位の分子長が不足する場合がある。
本発明に用いられるポリカーボネートジオールを製造する場合には、後述するように、重合を促進するために必要に応じてエステル交換触媒を用いることが可能である。その場合、得られたポリカーボネートジオール中にその触媒が残存することがあるが、過度に多くの触媒が残存するとポリウレタン化反応の際に反応の制御が困難となり、ポリウレタン化反応を想定以上に促進してゲル化してしまい、均一なポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーが得られない場合があり、残存しない方が好ましい。ポリカーボネートジオール中に残存する触媒量としては特に限定はされないが、このポリカーボネートジオールから均質なポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを得る観点から、触媒金属換算の含有量として100質量ppm以下が好ましく、50質量ppm以下がより好ましく、30質量ppm以下が更に好ましく、10質量ppm以下が特に好ましい。残存する金属の種類としては、後述のエステル交換能を有する触媒活性成分の金属が挙げられる。また、ポリカーボネートジオール中に残存する触媒量の下限としては特に限定はされないが、触媒金属換算の含有量として5質量ppmが好ましく、1質量ppmがより好ましく、0.1質量ppmが更に好ましく、0.01質量ppmが特に好ましい。通常、ポリカーボネートジオールを製造する際に使用した触媒を、製造後に除去することが難しく、残存する触媒量を後述する使用量の下限値未満にすることが困難な場合が多い。ポリカーボネートジオール中における前記触媒の量は製造時に用いる触媒の使用量、又は生成物の濾過等による触媒単離や水等の溶媒を用いた触媒抽出等によって調整することができる。
ポリカーボネートジオール生成物中には、製造の際に副生した環状のカーボネートが含まれることがある。例えば原料ジオールに1,3−プロパンジオールを用いた場合、1,3−ジオキサン−2−オンもしくはさらにこれらが2分子ないしそれ以上で環状カーボネートとなったもの等が環状化合物として生成してポリカーボネートジオール中に含まれる場合がある。これらの化合物は、ポリウレタン化反応においては副反応をもたらす可能性のある不純物であるので製造の段階でなるべく除去しておくのが望ましい。本発明に用いられるポリカーボネートジオール中に含まれるこれら不純物環状カーボネートの含有量としては特に限定はされないが、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。
本発明に用いられるポリカーボネートジオールのウレタン化反応における反応速度は、下記の方法に従って、残存NCO%から求めることができる。すなわち、反応中の組成物0.2gを三角フラスコに採取し、0.1Nジブチルアミンを10ml配合し、溶解させる。次いでブロモフェノールブルー液を数滴加え、0.1N塩酸エタノール溶液で滴定し、下記式により残存NCO%を求める。
NCO%=(a−b)×0.42×f/x
(式中、a:反応前の組成物を滴定した場合の0.1N塩酸エタノール液の滴定量、b:反応中の組成物を滴定した場合の0.1N塩酸エタノール液の滴定量、f:0.1N塩酸エタノール液のファクター、x:サンプリング量)
得られた残存NCO%から下記式により反応率を求める。
反応率(%)=(d−c)/(d−e)×100
(式中、c:反応中の残存NCO%、d:反応前の残存NCO%、e:反応後の残存NCO%)。
本発明に用いられるポリカーボネートジオールは、前述の構造(A)を与えるイソソルビドに代表される原料ジオールと、前述の構造(B)を与える原料ジオール等のジオール類と、前述の炭酸ジエステルとを、必要に応じてエステル交換触媒を用いてエステル交換させることにより製造することができる。例えば、(i)イソソルビド、イソマンニド、及びイソイディッドから選ばれる少なくとも1種のジオール、(ii)ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜15のジオール、及び(iii)炭酸ジエステルを、エステル交換触媒存在下に反応させて製造することができる。以下にその製造方法について述べる。
エステル交換触媒として利用できる金属は、一般にエステル交換能があるとされている金属であれば制限なく用いることができる。触媒金属の例を挙げると、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の周期表1族金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の周期表2族金属;チタン、ジルコニウム等の周期表4族金属;ハフニウム等の周期表5族金属;コバルト等の周期表9族金属;亜鉛等の周期表12族金属;アルミニウム等の周期表13族金属;ゲルマニウム、スズ、鉛等の周期表14族金属;アンチモン、ビスマス等の周期表15族金属;ランタン、セリウム、ユーロピウム、イッテルビウム等ランタナイド系金属等が挙げられる。これらのうち、エステル交換反応速度を高めるという観点から、周期表1族金属、周期表2族金属、周期表4族金属、周期表5族金属、周期表9族金属、周期表12金属、周期表13族金属、周期表14族金属が好ましく、周期表1族金属、周期表2族金属がより好ましく、周期表2族金属が更に好ましい。周期表1族金属の中でも、リチウム、カリウム、ナトリウムが好ましく、リチウム、ナトリウムがより好ましく、ナトリウムが更に好ましい。周期表2族金属の中でも、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましく、カルシウム、マグネシウムがより好ましく、マグネシウムが更に好ましい。これらの金属は金属の単体として使用される場合と、水酸化物や塩等の金属化合物として使用される場合がある。塩として使用される場合の塩の例としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物等のハロゲン化物塩;酢酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩等のカルボン酸塩;メタンスルホン酸やトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸塩;燐酸塩や燐酸水素塩、燐酸二水素塩等の燐含有の塩;アセチルアセトナート塩等が挙げられる。触媒金属は、さらにメトキシドやエトキシドの様なアルコキシドとして用いることもできる。
本発明に用いられるポリカーボネートジオールの製造において、炭酸ジエステルの使用量としては特に限定はされないが、ジオール類の合計1モルに対するモル比で、0.50以上が好ましく、0.70以上がより好ましく、0.80以上が更に好ましく、0.90以上が更により好ましく、0.95以上が特に好ましく、0.98以上が最も好ましく、また、1.20以下が好ましく、1.15以下がより好ましく、1.10以下が更に好ましい。炭酸ジエステルの使用量が前記下限未満では、所定の分子量まで重合が進行しない場合があり、前記上限を超えると、得られるポリカーボネートジオールの末端基が水酸基でないものの割合が増加する、又は、分子量が所定の範囲とならず本発明に用いられるポリカーボネートジオールを製造できない場合がある。
反応原料の仕込み方法は、特に制限はなく、ジオールと炭酸エステルと触媒の全量を同時に仕込み、反応に供する方法や、炭酸エステルが固体の場合まず炭酸エステルを仕込んで加温、溶融させておき、後からジオールと触媒を添加する方法、逆にジオールを先に仕込んでおいて溶融させ、ここへ炭酸エステルと触媒を投入する方法、ジオールの一部と炭酸エステル類又はクロロ炭酸エステル類を反応させてジオールのジエステル炭酸塩誘導体を合成した後に残りのジオールと反応させる方法等、自由にその方法は選択できる。本発明に用いられるポリカーボネートジオールにおいて分子鎖の末端がアルキルオキシ基又はアリールオキシ基である数の割合を前記範囲内とするために、使用するジオールの一部を反応の最後に添加する方法を採用することも可能である。その際に最後に添加するジオールの量は、仕込むべきジオール量の通常は20%以下(好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下)であり、また、通常0.1%以上(好ましくは0.5%以上、更に好ましくは1.0%以上)である。
反応後は、前記のポリカーボネートジオール生成物中の末端構造がアルキルオキシ基である不純物、アリールオキシ基である不純物、フェノール類、原料ジオールや炭酸エステル、副生する軽沸の環状カーボネート、さらには添加した触媒等を除去する目的で精製を行うことができる。その際の精製は軽沸化合物については、蒸留で留去する方法が採用できる。蒸留の具体的な方法としては減圧蒸留、水蒸気蒸留、薄膜蒸留等、特にその形態に制限はなく、任意の方法を採用することが可能である。また、水溶性の不純物を除くために水、アルカリ性水、酸性水、キレート剤溶解溶液等で洗浄してもよい。その場合、水に溶解させる化合物は任意に選択できる。
本発明に用いられるポリイソシアネートは、1分子中に2個以上のイソシアネート基及びイソシアネート基を含む置換基の一方又は両方(「イソシアネート基類」とも言う)を有する化合物である。ポリイソシアネートは1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、1種のポリイソシアネートにおいて、イソシアネート基類は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本発明に用いられるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、1個以上の水酸基と1個以上の(メタ)アクリロイル基と炭素数1〜30の炭化水素基とを有する化合物である。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、その原料に、本発明の効果が得られる範囲において、他の成分を更に含有していてもよい。このような他の成分としては、例えば、前記構造(A)及び前記構造(B)を含むポリカーボネートジオールを除く他のポリオール、及び鎖延長剤が挙げられる。
前記構造(A)及び前記構造(B)を含むポリカーボネートジオール等の前述の原料化合物の分子量又は数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラム(以下、GPCと略す)において分子量分布を有するポリオール以外の化合物については、化学式から分子量を算出したり、GPCによって数平均分子量を求めたりすることができる。また、GPCにおいて分子量分布を有するポリオールについては、その数平均分子量はOH価により求めることができる。
GPC(東ソー社製「HLC−8120GPC」)を用いて、溶媒としてテトラヒドロフラン、標準サンプルとしてポリスチレン、カラムとしてTSK gel superH1000+H2000+H3000を使用して、送液速度0.5cm3/分、カラムオーブン温度40℃にて、数平均分子量を測定する。
三角フラスコにポリイソシアネート1gと0.5モル/リットルのジブチルアミントルエン溶液20mLを入れ、アセトン100mLで希釈した後に25℃で30分間反応させる。その後、0.5モル/リットルの塩酸水溶液で滴定する。また、三角フラスコにポリイソシアネートを入れなかった以外は上記と同様に滴定を行い、ブランクを求める。そして、以下の式によりNCO%及び数平均分子量を算出する。
NCO%={(B1−A1)×0.5×42.02}/(1×1000)×100
A1:ポリイソシアネート含有溶液の滴定に要した塩酸水溶液の量(ml)
B1:ポリイソシアネートを含有しないブランク溶液の滴定に要した塩酸水溶液の量(ml)
ポリイソシアネートの数平均分子量=(42.02/NCO%)×NCO基の数。
三角フラスコにポリオール2gと0.5モル/リットルの無水フタル酸ピリジン溶液を入れ、100℃で2時間反応させた後にアセトン150mLで希釈する。その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で滴定する。また、三角フラスコにポリオールを入れなかった以外は上記と同様に滴定を行い、ブランクを求める。そして、以下の式によりOH価及び数平均分子量を算出する。
OH価={(B2−A2)×0.5×56.11×1000}/(2×1000)
A2:ポリオール含有溶液の滴定に要した水酸化ナトリウム水溶液の量(ml)
B2:ポリオールを含有しないブランク溶液の滴定に要した水酸化ナトリウム水溶液の量(ml)
ポリオールの数平均分子量={(56.11×1000)/OH価}×官能基の数
なお、前記の式において、「官能基の数」とは、1分子のポリオールに含まれるOH基の数である。
本発明に用いられるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーにおける全イソシアネート基の量と水酸基及びアミノ基等のイソシアネート基と反応する全官能基の量は、通常、理論的に当モルであり、モル%で表される。
本発明に用いられるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、前記ポリイソシアネートに、前記構造(A)及び前記構造(B)を含む前記ポリカーボネートジオールと前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを付加反応させることにより製造することができる。ここで、前記他のポリオール、及び前記鎖延長剤等を原料に併用するときは、本発明に用いられるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、前記ポリイソシアネートに、前述のそれ以外の他の原料化合物を付加反応させることにより製造することができる。これらの付加反応は、公知の何れの方法でも行うことができる。このような方法としては、例えば、以下の(1)〜(3)の方法が挙げられる。
(1)前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート以外の成分を、イソシアネート基が過剰となるような条件下で反応させたイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た後、このイソシアネート末端ウレタンプレポリマーと前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを反応させるプレポリマー法。
(2)全成分を同時に一括添加して反応させるワンショット法。
(3)前記ポリイソシアネートと前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを先に反応させ、分子中に(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基とを同時に有するウレタン(メタ)アクリレートプレポリマーを合成した後、得られたプレポリマーに、それら以外の原料成分を反応させる方法。
本発明においては、ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの親疎水性や、得られる組成物を硬化物とした際の硬化物の硬度、伸度等の物性を調整すること等を目的として、活性エネルギー線反応性モノマーを使用する。このような活性エネルギー線反応性モノマーとしては、例えば芳香族ビニル系モノマー類、ビニルエステルモノマー類、ビニルエーテル類、アリル化合物類、(メタ)アクリルアミド類、及び(メタ)アクリレート類が挙げられ、具体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系モノマー類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アジピン酸ジビニル等のビニルエステルモノマー類;エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類;ジアリルフタレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物類;アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メチレンビスアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−i−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸モルフォリル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸−2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル等の単官能(メタ)アクリレート;及び、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール(n=5〜14)、ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール(n=5〜14)、ジ(メタ)アクリル酸−1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール(n=3〜16)、ジ(メタ)アクリル酸ポリ(1−メチルブチレングリコール)(n=5〜20)、ジ(メタ)アクリル酸−1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸ジシクロペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリオキシプロピル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビルフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエポキシジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの活性エネルギー線反応性モノマーは1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物において、前記ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの配合量は、組成物100質量%に対して、1質量%以上45質量%以下であり、組成物の粘度調整及び硬化物の硬度、伸度等の物性調整の観点から、5質量%以上45質量%以下であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。また、前記活性エネルギー線反応性モノマーの配合量は、組成物100質量%に対して、55質量%以上99質量%以下であり、組成物の粘度調整及び硬化物の硬度、伸度等の物性調整の観点から、55質量%以上95質量%以下であることが好ましく、60質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上85質量%以下であることが更に好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、前記ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと、前記活性エネルギー線反応性モノマーとを配合することにより製造することができる。前記ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは前述のように(1)〜(3)の方法で製造することができる。
(4)活性エネルギー線反応性モノマーの存在下に、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート以外の成分を、イソシアネート基が過剰となるような条件下で反応させたイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た後、このイソシアネート末端ウレタンプレポリマーと前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを反応させるプレポリマー法。
(5)活性エネルギー線反応性モノマーの存在下に、全成分を同時に一括添加して反応させるワンショット法。
(6)活性エネルギー線反応性モノマーの存在下に、前記ポリイソシアネートと前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを先に反応させ、分子中に(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基とを同時に有するウレタン(メタ)アクリレートプレポリマーを合成した後、得られたプレポリマーに、それら以外の原料成分を反応させる方法。
このような本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物からなる塗膜に活性エネルギー線を照射することによって、本発明の硬化膜を得ることができる。上記組成物を硬化させる際に使用する活性エネルギー線としては、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等が挙げられる。装置コストや生産性の観点から、電子線又は紫外線を利用することが好ましく、光源としては、電子線照射装置、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、Arレーザー、He−Cdレーザー、固体レーザー、キセノンランプ、高周波誘導水銀ランプ、太陽光等が適している。
本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、多様な特性を発現させることができ、エラストマー、塗料、繊維、接着剤、床材、シーラント、医療用材料、人工皮革、コーティング剤等に広く用いることができる。特に、人工皮革、合成皮革、接着剤、医療用材料、床材、コーティング剤等の用途に、本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物を用いると、耐摩擦性、耐ブロッキング性に優れるため、引っ掻き等による傷がつきにくく、摩擦による劣化の少ないという良好な表面特性を付与することができる。
<水酸基価及び数平均分子量>
無水フタル酸14gをピリジン100mlに溶解させ、フタル化剤を調製した。このフタル化剤5mlにポリカーボネートジオールを1.50〜1.60g溶かし、100℃で1時間反応させた。この反応液を室温に冷却した後にTHF/H2O(75/25)混合溶媒25mlで希釈した。この液を、1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて滴定し、変曲点を検出するまでに用いた水酸化ナトリウム水溶液の量を求めた(本試験)。また、フタル化剤5mlをTHF/H2O(75/25)混合溶媒25mLで希釈した溶液についても同様の滴定(空試験)を行った。
水酸基価(mg−KOH/g)={56.1×(B−A)×f}/S
A:本試験の滴定に要した1N水酸化ナトリウム水溶液の量(ml)
B:空試験の滴定に要した1N水酸化ナトリウム水溶液の量(ml)
f:1N水酸化ナトリウム水溶液の力価
S:試料(g)
また、求めた水酸基価から下記式により数平均分子量を算出した。
ジオールの数平均分子量={(56.1×1000)/OH価}×官能基の数
なお、前記の式において、「官能基の数」とは、1分子のポリオールに含まれるOH基の数である。
生成物をCDCl3に溶解して400MHz 1H−NMR(BRUKER製AVANCE400)を測定し、その積分値より算出した。具体的な算出方法を以下に記載する。すなわち、NMRチャート上の下記ケミカルシフトの積分値からそれぞれの比率を求めた。なお、ケミカルシフト値は組成により若干異なる場合があるので、その場合は積分値の取り方を適宜変更する場合がある。
δ5.22〜4.98ppmの積分値=a
δ4.79〜4.61ppmの積分値=b
δ4.61〜4.47ppmの積分値=c
δ3.68〜3.51ppmの積分値=d
δ2.73〜2.66ppmの積分値=e
δ1.52〜1.30ppmの積分値=f
分子鎖末端の構造(A)は2種の異性体であり、それぞれを「(A)末端1」、「(A)末端2」とする。また、末端以外のポリカーボネートジオール中の(A)由来構造部分を「(A)中」とする。同様に(B)に関して、「(B)末端」「(B)中」とする。それぞれのプロトン数を考慮し、以下の式によりそれぞれの数を計算した。
(A)末端1=b−e
(A)中=c−(A)末端1
(A)末端2=a−(A)末端1−(A)中×2
(B)末端=(d−e−(A)末端1)÷2
(B)中=(f−(B)末端×4)÷4
前記式(I)に記載された分子鎖中の各構造式の数は以下で表される。
分子鎖末端の構造(A)の数=(A)末端1+(A)末端2
分子鎖末端の構造(A)と構造(B)の数の合計=(A)末端1+(A)末端2+(B)末端
分子鎖中の構造(A)の数=(A)末端1+(A)末端2+(A)中
分子鎖中の構造(A)と構造(B)の数の合計=(A)末端1+(A)末端2+(A)中+(B)末端+(B)中
上記値を式(I)に当てはめることにより、末端(A)率(I)を求めた。
生成物をCDCl3に溶解して400MHz 1H−NMR(BRUKER製AVANCE400)を測定し、各成分のシグナルの積分値より算出した。その際の検出限界は、サンプル全体の質量に対する末端フェノキシドの質量として200ppm、エーテル基の質量として500ppm、原料ジオール又はフェノールの質量として、フェノールは100ppm、イソソルビドは0.1質量%、o−ジクロロベンゼンとして200ppmである。また、末端フェノキシドの割合は、末端フェノキシドの1プロトン分の積分値と末端全体(分子鎖末端の構造(A)、分子鎖末端の構造(B)及び末端フェノキシドの3つの構造の合計)の1プロトン分の積分値の比から求めており、末端フェノキシドの検出限界は末端全体に対して0.05%である。
炭酸ジエステル(ジフェニルカーボネート)残存量をGPCによる定量分析にて以下の条件で測定した。
(分析条件)
カラム:Tskgel G2000H XL7.8mmI.D×30cmL 4本
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0mL/min
カラム温度:40℃
RI検出器:RID−10A(島津製作所)。
下記の計算式により算出した。
1分子辺りの平均水酸基数
=[(数平均分子量)×(水酸基価)]/[1000×(KOHの分子量)]
なお、数平均分子量としては下記の1H−NMRでの測定値を、水酸基価としては前述の滴定での算出値を用いた。
数平均分子量(Mn)は、生成物をCDCl3に溶解して400MHzにて1H−NMR(BRUKER製AVANCE400)を測定、その積分値より算出した。
分子量分布は下記条件によるGPC測定によりポリスチレン換算Mn、Mw値を求め、算出した。
装置 :東ソー社製 Tosoh 8020
カラム :PLgel 3um MIXED−E(7.5mmI.D.×30cmL
×2本)
溶離液 :THF(テトラヒドロフラン)
流速 :0.5mL/min
カラム温度:40℃
RI検出器:RI(装置 Tosoh 8020内蔵)。
生成物を50℃に加熱した後、E型粘度計(BROOKFIELD製DV−II+Pro、コーン:CPE−52)を用いて測定した。
<残存NCO>
反応中の組成物0.2gを三角フラスコに採取し、0.1Nジブチルアミンを10ml配合し、溶解させた。次いでブロモフェノールブルー液を数滴加え、0.1N塩酸エタノール溶液で滴定し、下記式により残存NCO%を求めた。
NCO%=(a−b)×0.42×f/x
a:反応前の組成物を滴定した場合の0.1N塩酸エタノール液の滴定量
b:反応中の組成物を滴定した場合の0.1N塩酸エタノール液の滴定量
f:0.1N塩酸エタノール液のファクター
x:サンプリング量。
ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリイソシアネート、ポリカーボネートジオール、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの三種の成分を構成単位として含んでいる。これらの構成単位は、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーにおいて、各成分の分子量が保たれたまま形成されていることから、以下の実施例及び比較例では、ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを生成するまでの各成分のモル比と各成分の分子量との積の合計によってポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの平均分子量を算出した。
計算網目架橋点間分子量は、ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーのプレポリマーにおけるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに対する反応基がプレポリマーの両末端のイソシアネート基であり、プレポリマーの両末端にウレタン結合で結合したヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートがラジカル重合で付加することから、組成物中のウレタンアクリレート系オリゴマーの架橋点は、ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの両末端に位置する(メタ)アクリロイル基となり、よって、得られた活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、前述した二官能(多官能)化合物単一系組成物となることから、下記の式から求めた。
<引張破断伸度、引張破断強度、引張弾性率>
得られた硬化膜Aを幅1cmに切断し、卓上型引張り強度試験機(型番:オートグラフAG−IS、島津製作所製)を用いて、温度20℃、湿度60%、引張速度20mm/分、チャック間距離50mmの条件で引張試験を行い、硬化膜の引張破断伸度、引張破断強度、引張弾性率を測定した。
得られた硬化膜Aの表面を目視で観察し、下記基準で評価した。
A:硬化膜に割れがなく、クラックも入っていない。
B:硬化膜に割れはないが、クラックが入っている。
C:硬化膜にクラックが入っており、割れている部分もある。
アクリル樹脂板上に作製した硬化膜Bについて、JIS K 5600−5−4:1999と同等の方法(手かき法)により鉛筆硬度を測定した。
各樹脂板上に作製した硬化膜Bについて、JIS K 5600−5−6と同等の方法により100個の升目についてクロスカット塗膜の剥離の有無を観察し、下記基準で評価した。
A:クロスカット塗膜の残留が99枚以上。
B:クロスカット塗膜の残留が81〜98枚。
C:クロスカット塗膜の残留が50〜80枚。
D:クロスカット塗膜の残留が50枚以下。
各直径の棒に硬化膜Cを巻きつけ、硬化膜の割れの有無を観察し、下記基準で評価した。
A:φ2mmの棒に巻きつけた場合でも硬化膜が割れない。
B:φ4mmでは割れなかったが、φ2mmの棒に巻きつけた場合に硬化膜が割れた。
C:φ6mmでは割れなかったが、φ4mmの棒に巻きつけた場合に硬化膜が割れた。
D:φ6mmの棒に巻きつけた場合に硬化膜が割れた。
(PCD1)原料ジオールとしてイソソルビドと1,6−ヘキサンジオールとを用いたポリカーボネートジオール(数平均分子量:880、OH価:127)
攪拌機、留出液トラップ、及び圧力調整装置を備えた1Lガラス製セパラブルフラスコに1,6−ヘキサンジオール:218.5g、イソソルビド:264.4g、ジフェニルカーボネート:620.0g、酢酸マグネシウム4水和物:4.7mgを入れ、窒素ガス置換した。内温160℃まで昇温して内容物を加熱溶解し、1時間反応させた。その後、2時間かけて圧力を0.27kPaまで下げつつ、フェノール及び未反応のジオールを留出させ除きながら反応させた。次に160℃、0.27kPaで1.5時間窒素ガスバブリングを行い、フェノール及び未反応のジオールを留出させて除去した。更に110℃で圧力を0.27kPaに保持したまま窒素ガスで4時間バブリングし、フェノールを除去した。得られたポリカーボネートジオール生成物の収量は520.5gであった。
攪拌機、留出液トラップ、及び圧力調整装置を備えた5Lガラス製セパラブルフラスコに1,6−ヘキサンジオール:202.4g、イソソルビド:750.9g、ジフェニルカーボネート:1046.8g、酢酸マグネシウム4水和物水溶液:8.7mL(濃度:8.4g/L、酢酸マグネシウム4水和物:73mg)を入れ、窒素ガス置換した。まず、内温130℃まで昇温して内容物を加熱溶解させた。昇温・溶解したら5分間で圧力を5.33kPaまで下げ、130℃、5.33kPaで240分間、フェノールを留出させ除きながら反応させた。そして、120分かけて圧力を0.40kPaまで下げた後、80分間かけて温度を160℃まで上げつつ、フェノール及び未反応のジオールを留出させ除きながら反応させた。最後に160℃、0.40kPaで40分間、フェノール及び未反応のジオールを留出させ除去した。得られたポリカーボネートジオール生成物の収量は989.2gであった。さらに、得られたポリカーボネートジオール生成物を20g/minの流量で薄膜蒸留(温度:180〜200℃、圧力:0.027kPa)を行った。
攪拌機、留出液トラップ、及び圧力調整装置を備えた1Lガラス製セパラブルフラスコに1,6−ヘキサンジオール:293.9g、イソソルビド:121.2g、ジフェニルカーボネート:658.2g、酢酸マグネシウム4水和物:4.3mgを入れ、窒素ガスで置換した。内温160℃まで昇温して内容物を加熱溶解し、60分間反応させた。その後、2時間かけて圧力を0.27kPaまで下げつつ、フェノール及び未反応のジオールを留出させ除きながら反応させた。次に180℃、2.7kPaで15分間窒素ガスバブリングを行い、フェノール及び未反応のジオールを留出させ除きながら反応させた。更にo−ジクロロベンゼンを400g加えた後、130℃で圧力を0.27kPaに保持したまま5時間反応させ、その後2.7kPaに保持したまま窒素ガスにて13時間バブリングし、フェノールを除きながらポリカーボネートジオールの重合度を上げる反応を行った。得られたポリカーボネートジオール生成物の収量は454.2gであった。
(PCD5)原料ポリオールとして1,4−シクロヘキサンジメタノールと1,6−ヘキサンジオールを3/1(モル比)で用いたポリカーボネートポリオール(数平均分子量:920、平均水酸基価:125mgKOH/g、脂環式構造の割合:43質量%、商品名:UM−CARB90(3/1)、宇部興産社製)
(PCD6)原料ジオールとして1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いたポリカーボネートポリオール(数平均分子量:1002、平均水酸基価:112mgKOH/g、商品名:ETENACOLL UC−100、宇部興産社製)。
(P1)2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(分子量:160、商品名:BEPD、PERSTORP社製)
(3)有機ポリイソシアネート
(IS1)イソホロンジイソシアネート(分子量:222、商品名:VESTANAT IPDI、デグサ社製)
(IS2)4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(分子量:262、商品名:デスモジュールW、住友バイエルウレタン社製)
(IS3)ヘキサメチレンジイソシアネート(分子量:168、商品名:HDI、日本ポリウレタン工業社製)
(IS4)4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(分子量:250、商品名:ポリメリックMDI、ダウケミカルカンパニー)
(IS5)1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(分子量:194、東京化成工業社製)
(4)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
(HA1)2−ヒドロキシエチルアクリレート(分子量:116、商品名:アクリル酸2−ヒドロキシエチル、日本触媒社製)
(HA2)2−ヒドロキシエチルメタクリレート(分子量:130、商品名:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、日本触媒社製)
(HA3)ペンタエリスリトールトリアクリレート(分子量279、ケン化価602.7、商品名:NKエステル A−TMM−3、新中村化学社製)
(5)活性エネルギー線反応性モノマー
(E1)ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:NKエステル A−TMM−3、新中村化学社製)
(E2)トリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:TMPTA、ダイセルオルニクス社製)
(E3)アクリル酸イソボニル(商品名:IBXA、大阪有機化学社製)
(E4)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:DPHA、ダイセルオルニクス社製)。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素/酸素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコにポリカーボネートジオール(PCD1、数平均分子量:880、OH価:127)を56.6g、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート(IS1、数平均分子量:222)を28.5g、メチルエチルケトンを23.6g、ビスマストリス(2−エチルヘキサノアート)0.009gを加え、80〜90℃でポリカーボネートジオールを反応させた。反応の終了はNCO%を測定することにより確認した。
各実施例において、ポリカーボネートジオール、ポリイソシアネート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、活性エネルギー線反応性モノマーを、表1〜4に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを得た。得られたポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの数平均分子量及び計算網目架橋点間分子量を表1〜4に示す。次に、各実施例で得られたポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを用いた以外は、実施例1と同様にして有効成分量(触媒と溶媒以外の成分量)を40%に調整した活性エネルギー線硬化性重合体組成物を得た。次いで、各実施例で得られた活性エネルギー線硬化性重合体組成物を使用して実施例1と同様に硬化膜A〜Cを作製した。各実施例で得られた硬化膜Aについて、引張り破断伸度、引張り破断強度、引張り弾性率、成膜性を測定した結果、各実施例で得られた硬化膜Bについて、鉛筆硬度(アクリル樹脂板上に作製した硬化膜のみ)、密着性を測定した結果、並びに各実施例で得られた硬化膜Cについて、屈曲性を測定した結果を表1〜4に示す。
実施例1と同様にして得られたポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーに、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASFジャパン製)と、酢酸エチルとを配合して有効成分量(触媒と溶媒以外の成分量)を40%に調整した活性エネルギー線硬化性重合体組成物を得た。光重合開始剤は有効成分100質量部に対して2質量部となるように配合した。次いで、得られた活性エネルギー線硬化性重合体組成物を使用して実施例1と同様に硬化膜A〜Cを作製した。得られた硬化膜Aについて、引張り破断伸度、引張り破断強度、引張り弾性率、成膜性を測定した結果、硬化膜Bについて、鉛筆硬度(アクリル樹脂板上に作製した硬化膜のみ)、密着性を測定した結果、並びに硬化膜Cについて、屈曲性を測定した結果を表5に示す。
各比較例において、ポリカーボネートジオール、ポリイソシアネート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、活性エネルギー線反応性モノマーを、表5に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを得た。得られたポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの数平均分子量及び計算網目架橋点間分子量を表5に示す。次に、各比較例で得られたポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを用いた以外は、実施例1と同様にして有効成分量(触媒と溶媒以外の成分量)を40%に調整した活性エネルギー線硬化性重合体組成物を得た。次いで、各比較例で得られた活性エネルギー線硬化性重合体組成物を使用して実施例1と同様に硬化膜A〜Cを作製した。各比較例で得られた硬化膜Aについて、引張り破断伸度、引張り破断強度、引張り弾性率、成膜性を測定した結果、各比較例で得られた硬化膜Bについて、鉛筆硬度(アクリル樹脂板上に作製した硬化膜のみ)、密着性を測定した結果、並びに各比較例で得られた硬化膜Cについて、屈曲性を測定した結果を表5に示す。
ポリカーボネートジオール(PCD1)の代わりにポリエーテルポリオール(P1、数平均分子量:160)を用い、ポリイソシアネート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを、表6に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを得た。得られたポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの数平均分子量及び計算網目架橋点間分子量を表6に示す。次に、このポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを用いた以外は、比較例1と同様にして有効成分量(触媒と溶媒以外の成分量)を40%に調整した活性エネルギー線硬化性重合体組成物を得た。次いで、得られた活性エネルギー線硬化性重合体組成物を使用して実施例1と同様に硬化膜A〜Cを作製した。得られた硬化膜Aについて、引張り破断伸度、引張り破断強度、引張り弾性率、成膜性を測定した結果、硬化膜Bについて、鉛筆硬度(アクリル樹脂板上に作製した硬化膜のみ)、密着性を測定した結果、並びに硬化膜Cについて、屈曲性を測定した結果を表6に示す。
ポリカーボネートジオール(PCD1)の代わりにポリエーテルポリオール(P1、数平均分子量:160)を用い、ポリイソシアネート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを、表6に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを得た。得られたポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの数平均分子量及び計算網目架橋点間分子量を表6に示す。次に、このポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを用いた以外は、実施例1と同様にして有効成分量(触媒と溶媒以外の成分量)を40%に調整した活性エネルギー線硬化性重合体組成物を得た。次いで、得られた活性エネルギー線硬化性重合体組成物を使用して実施例1と同様に硬化膜A〜Cを作製した。得られた硬化膜Aについて、引張り破断伸度、引張り破断強度、引張り弾性率、成膜性を測定した結果、硬化膜Bについて、鉛筆硬度(アクリル樹脂板上に作製した硬化膜のみ)、密着性を測定した結果、並びに硬化膜Cについて、屈曲性を測定した結果を表6に示す。
ポリカーボネートジオール(PCD1)の代わりにポリカーボネートジオール(PCD6、数平均分子量:1002)を用い、ポリイソシアネート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを、表6に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを得た。得られたポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの数平均分子量及び計算網目架橋点間分子量を表6に示す。次に、このポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを用いた以外は、比較例1と同様にして有効成分量(触媒と溶媒以外の成分量)を40%に調整した活性エネルギー線硬化性重合体組成物を得た。次いで、得られた活性エネルギー線硬化性重合体組成物を使用して実施例1と同様に硬化膜A〜Cを作製した。得られた硬化膜Aについて、引張り破断伸度、引張り破断強度、引張り弾性率、成膜性を測定した結果、硬化膜Bについて、鉛筆硬度(アクリル樹脂板上に作製した硬化膜のみ)、密着性を測定した結果、並びに硬化膜Cについて、屈曲性を測定した結果を表6に示す。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素/酸素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、活性エネルギー線反応性モノマーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート(E1)と、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASFジャパン製)と、酢酸エチルとを配合して有効成分量(触媒と溶媒以外の成分量)を40%に調整した活性エネルギー線硬化性重合体組成物を得た。光重合開始剤は有効成分100質量部に対して2質量部となるように配合した。次いで、得られた活性エネルギー線硬化性重合体組成物を使用して実施例1と同様に硬化膜A〜Cを作製した。得られた硬化膜Aについて、引張り破断伸度、引張り破断強度、引張り弾性率、成膜性を測定した結果、硬化膜Bについて、鉛筆硬度(アクリル樹脂板上に作製した硬化膜のみ)、密着性を測定した結果、並びに硬化膜Cについて、屈曲性を測定した結果を表6に示す。
Claims (7)
- 下記一般式(A):
で表される繰り返し単位とを含むポリカーボネートジオール、ポリイソシアネート、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含む原料の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと、(メタ)アクリルアミド類、単官能(メタ)アクリレート、及び多官能(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の活性エネルギー線反応性モノマーとを含有する活性エネルギー線硬化性重合体組成物であって、
前記活性エネルギー線硬化性重合体組成物100質量%に対して、前記ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを1質量%以上45質量%以下で含有し、前記活性エネルギー線反応性モノマーを55質量%以上99質量%以下で含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性重合体組成物。 - 前記活性エネルギー線硬化性重合体組成物100質量%に対して、前記ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを5質量%以上45質量%以下で含有し、前記活性エネルギー線反応性モノマーを55質量%以上95質量%以下で含有することを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
- 前記活性エネルギー線反応性モノマーが、分子内に環構造を有する単官能(メタ)アクリレート、及び多官能(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
- 前記ポリカーボネートジオールが、前記式(A)で表される繰り返し単位を10質量%以上含み、前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量が500以上5,000以下であり、かつ1分子当りの平均水酸基数が2.2以下であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
- 活性エネルギー線重合開始剤を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物に、活性エネルギー線を照射してなることを特徴とする硬化膜。
- 請求項6に記載の硬化膜からなる層を有することを特徴とする積層体。
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