JP6991856B2 - 環状化合物組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は環状化合物組成物、それを含む樹脂及び環状化合物組成物の製造方法に関する。
ウレタンエラストマーやポリウレタンフォーム、ポリアクリレート等の樹脂架橋物は、シーリング材、シート類、フィルムなどの様々な工業用途で使用されている。樹脂を架橋させる方法として、各種モノマーやプレポリマーを架橋剤と共に反応させる方法が一般に知られている。しかしながら、従来の架橋剤を用いた場合、樹脂強度を上げるためには架橋点を増やす必要があり、ポリマーの網目構造をより強く固定してしまうため、樹脂の伸びを犠牲にしてしまう課題があった。
環状化合物を架橋材料とした先行研究として、シクロデキストリンにポリマーを貫通させたロタキサンの環動ゲルが報告されている。しかし、調整に複数の反応を要し、かつ、環のサイズが限定されている(例えば特許文献2参照)。
特開2005-225957号公報 国際公開第01/083566号
本発明は、樹脂の伸び性を保ちつつ強度を向上させることができる環状化合物を含有する環状化合物組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。即ち本発明は一般式(1)で表される環状化合物(A)を含む環状化合物組成物(P);一般式(2)で表される環状化合物(B)と、水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数2~8の環状エーテル(C)とを反応させる工程を含む請求項に記載の環状化合物組成物の製造方法;前記環状化合物組成物(P)及び高分子化合物(E)を含有する樹脂組成物(F)である。
Figure 0006991856000001
[一般式(1)において、Rは、プロペニレン基、炭素数3~16の直鎖アルキレン基又は炭素数3~16の分岐アルキレン基である。;Rは、それぞれ独立に、フェニルエチレン基、炭素数2~4の直鎖アルキレン基又は炭素数3~4の分岐アルキレン基であり、Rの水素原子はハロゲン原子で置換されていても良い。;nは、31~2000の整数である。;複数あるRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006991856000002
[一般式(2)において、Rは、プロペニレン基、炭素数3~16の直鎖アルキレン基又は炭素数3~16の分岐アルキレン基である。]
本発明の環状化合物組成物は、樹脂の伸び性を保ちつつ強度を向上させる架橋剤として優れる。
本発明の環状化合物組成物(P)は、上記一般式(1)で表される。
一般式(1)において、Rは、水素原子がハロゲン原子、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていても良い炭素数2~21の2価の炭化水素基である。
炭素数2~21の炭化水素基としては、炭素数2~21のアルキレン基、炭素数2~21のアルケニレン基、炭素数6~21のアリーレン基及び炭素数7~21のアラルキレン基等が挙げられる。
炭素数2~21のアルキレン基としては、炭素数2~21の直鎖アルキレン基(エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、テトラデカメチレン基及びn-ヘンイコサニレン基)、
炭素数3~21の分岐アルキレン基(1-メチルエチレン基、2-メチルエチレン基、1-エチルエチレン基、2-エチルエチレン基、1-メチルプロピレン基、2-メチルプロピレン基、1,1-ジメチルプロピレン基、1-ヘキシルプロピレン基及び1-オクチルエチレン基等)及び炭素数4~21のシクロアルキレン基(シクロブチレン基、シクロペンチレン基、2-メチルシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、1,3-ジメチルシクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、1-エチルシクロペンチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロウンデシレン基、シクロドデシレン基、シクロトリデレン基、シクロテトラデシレン基、シクロペンタデシレン基、シクロヘキサデシレン基、シクロヘプタデシレン基、シクロオクタデシレン基、シクロノナデシレン基、シクロエイコシレン基、ノルボルニレン基、ジシクロペンチレン基、イソプロピリデンジシクロヘキシレン基及びシクロヘキサンジメチレン基等)等が挙げられる。
炭素数2~21のアルケニレン基としては、炭素数2~21の直鎖アルケニレン基(エテニレン基、プロペニレン基及びヘンイコセニレン基等)及び炭素数3~21の分岐アルケニレン基(1-エチルエテニレン基、1,2-ジメチルエテニレン基、1-ブチルエテニレン基、1-ヘキシルエテニレン基及び1-オクチルエテニレン基等)等が挙げられる。
炭素数6~21のアリーレン基としては、o-、p-又はm-フェニレン基、2,4-ナフチレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、フルオレニレン基、ピレニレン基及び基等が挙げられる。
炭素数7~21のアラルキレン基としては、フェニルメチレン基、ジフェニルメチン基、1-フェニルエチレン基、o-フェニレンエチル基及びナフチルメチレン基等が挙げられる。
これらの基の有する水素原子の少なくとも1つがハロゲノ基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換された基としては、1-ブロモ-トリメチレン基、1-アセチル-トリメチレン基、1-メトキシ-トリメチレン基及び1-フェノキシ-トリメチレン基等が挙げられる。
これらのうち、Rとして、反応効率の観点から好ましいのは炭素数3~16の直鎖又は炭素数3~16の分岐アルキレン基であり、更に好ましいのはトリメチレン基、ブチレン基、トリデセン基、ペンタデセン基、1-ヘキシルプロピレン基、1-ヘキシルブチレン基、1-ウンデシルプロピレン基、1-ウンデシルブチレン基、及びプロペニレン基である。
一般式(1)において、Rは、水素原子がハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素及び沃素等)で置換されていても良い炭素数2~8の2価の炭化水素基である。
炭素数2~8の2価の炭化水素基のうち、後述する環状化合物組成物(P)の製造方法において、その製造を容易にする観点から好ましいものとしては、フェニルエチレン基、炭素数2~5のアルキレン基が挙げられ、更に好ましいのは炭素数2~4の直鎖アルキレン基(エチレン基、プロピレン基及びブチレン基等)及び炭素数3~4の分岐アルキレン基(メチルエチレン基、エチルエチレン基、メチルプロピレン基及び2-メチルプロピレン等)であり、特に好ましいのは、炭素数2~4の直鎖アルキレン基及び炭素数3~4の分岐アルキレン基であり、最も好ましいのは、エチレン基及びプロピレン基である。
一般式(1)において、nは、31~2000の整数である。nが30以下の場合、環状化合物組成物(P)を添加した樹脂組成物の伸びが十分でなく、nが2000を超える場合は、環状化合物を添加した樹脂組成物の物性(強度等)が低下する。
一般式(1)において、複数あるRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
複数あるRの組成は、Polym. Chem., 2014, 5, 6905.に記載のマトリックス支援レーザー脱離イオン化法による飛行時間型質量分析(MALDI-TOF MSともいう)により測定分析し、環状化合物組成物(P)に含まれる環状化合物(A)の構造を同定することができる。
環状化合物組成物(P)は、一般式(1)で表される基を構成単位として結合し、かつ平均付加モル数(n)の値が異なる1種類以上の環状化合物(A)からなる組成物である。
環状化合物組成物(P)は環状化合物(A)の他に、後述する溶剤や、触媒、後に詳述する環状化合物(B)、環状エーテル(C)及び鎖状の高分子を含んでいてもよい。
本発明の環状化合物(A)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の環状化合物(A)として好ましいものとしては、具体的に、一般式(1)において、Rがエチレン基、プロピレン基、クロロプロピレン基又はフェニルエチレン基であり、Rがトリメチレン基、ペンタメチレン基、テトラデカメチレン基又はビニレン基である環状化合物が挙げられる。
一般式(1)中のnの値の調整は、後述の環状化合物(A)の製造方法において、後に詳述する環状化合物(B)と環状エーテル(C)との比率の調整で行うことができる。
なお、環状化合物(A)のnの値は、Polym. Chem., 2014, 5, 6905.に記載のMALDI-TOF MSにより分析し、確認することが出来る。
一般式(1)中の「n」は平均値であり、各環状化合物それぞれの繰り返し単位当たりの平均付加モル数を算出し、全環状化合物について平均値を求めることで得られる。具体的には次の方法で確認できる。以下、平均値を求めて得られる「n」を「n(平均)」と記載する。
1.まず、MALDI-TOF MSスペクトルにおけるi番目のピーク強度をIiとし、当該ピークの繰り返し単位数をJi、付加モル数をKiとする。この時のi番目のピークの繰り返し単位当たりのアルキレンオキサイドの平均付加モル数Ki(平均)は関係式(1)で表される。
<関係式(1)>
i(平均)=Li/J
2.MALDI-TOF MSスペクトルの全環状化合物ポリエーテルエステル化合物(P)についてピーク強度に基づき平均値を算出する。
平均値は関係式(2)で表される。
<関係式(2)>
n (平均)= [ΣKi(平均)×I] /ΣI=[ΣLi/J×I] /ΣI
本発明では断りのない限りMALDI-TOF MSスペクトルに基づき「n(平均)」の値を決定している。
また、「n(平均)」の値は関係式(3)に基づき、後述するGPC分析によっても求めることができる。
<関係式(3)>
n(平均) = [環状ポリエーテルエステル化合物の数平均分子量(GPC測定値)]/[ 分子量比較用の環状化合物の数平均分子量(GPC)]×[比較用環状化合物の「n(平均)」の値]
「n(平均)」が30以下の場合、環状化合物組成物(P)を添加した樹脂組成物(F)の伸びが十分でなく、「n(平均)」が2000を超える場合は、環状化合物を添加した樹脂組成物(F)の物性(強度等)が低下する。
また、「n(平均)」は、環状化合物組成物(P)を添加した樹脂組成物の伸び及び強度を両立させる観点から、31以上1500以下であることが好ましく、更に好ましくは50以上500以下、特に好ましくは50以上200以下である。
本発明の架橋剤に含まれる環状化合物(A)の数平均分子量(以下、Mnと略記する)は、高分子化合物(E)の分子量等に応じて調整することができるが、環状化合物(A)を含有する樹脂組成物の伸び及び強度を両立させる1,400~180,000であることが好ましく、更に好ましくは2,200~60,000、特に好ましくは2,200~25,000である。
環状化合物(A)のMnはアルキレン化合物の付加モル数を調整すること等によって、上記の好ましい範囲にすることができる。
環状化合物(A)のMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記)を用いて以下の条件で測定することができる。
環状化合物(A)のMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記)を用いて以下の条件で測定することができる。
・装置:「TOSOH ECO HLC-8320 GPC」[東ソー(株)製]
・カラム:「Guardcolumn Super AW-H」(1本)、「TSKgel SuperAW2500、TSKgel SuperAW3000、TSKgel SuperAW4000を各1本連結したもの」[いずれも東ソー(株)製]
・試料溶液:0.125重量%のDMF(LiBr0.01mol/L)溶液
・溶液注入量:20μL
・流量:0.6mL/分
・測定温度:40℃
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリエチレンオキサイド
本発明の環状化合物は、以下に詳述する本発明の製造方法により製造することができる。
本発明の環状化合物の製造方法は、一般式(2)で表される環状化合物(B)と、水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数2~8の環状エーテル(C)とを反応させる工程(以下反応工程と略記する)を含む製造方法により製造することができる。
本発明の反応工程において、環状化合物(B)が有するカルボニル基と酸素原子との間に、環状エーテル(C)に由来する2価の基(例えば、水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数2~8の環状エーテルを用いた場合はオキシアルキレン基)が挿入される反応(カルボニル基と酸素原子との間にオキシアルキレン基を挿入する反応の場合、アルコキシル化反応という)が生じる。
例えば、環状化合物(B)としてγ-ブチロラクトンを用い、環状エーテル(C)としてエチレンオキサイドを用いた場合は、一般式(1)において、Rがトリメチレン基であり、Rがエチレン基である環状化合物が生成する。
前記反応工程では、生成した環状化合物(A)が、環上のカルボニル基と酸素原子を直接結ぶ結合を一旦開裂する反応を生じ、更に、カルボニル基と酸素原子を直接結ぶ結合が開裂した他の環状化合物(A、C及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の環状化合物)と反応し、一方の環状化合物のカルボニル基と、他方の環状化合物の酸素原子とが結合する挿入付加反応も生じる。
例えば、環状化合物(B)としてγ-ブチロラクトンを用い、環状エーテル(C)としてエチレンオキサイドを用いた場合は、上記の通り、一般式(1)において、Rがトリメチレン基であり、Rがエチレン基である環状化合物、即ち、下記化学式(3)で表される2価の基の両末端を直接結合してなる環状化合物が生成する。
Figure 0006991856000003
そして、この環状化合物(A)2分子が上記の開裂反応及び挿入付加反応した場合、この2価の基を1分子中に2個有する環状化合物が生成する反応、また、この環状化合物3分子が反応し、この2価の基を1分子中に3個有する環状化合物が生成する反応等も生じる。
一般式(2)において、Rは、一般式(1)で表される化合物の説明で例示した、Rと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
一般式(2)で表される環状化合物(B)としてはラクトンが挙げられ、β-ラクトン(β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン等)、γ-ラクトン(γ-ブチロラクトン等)、δ-ラクトン(δ-バレロラクトン等)、ε-ラクトン(ε-カプロラクトン等)、長鎖アルキル基を有するラクトン(γ-エナントラクトン、γ-ウンデカノラクトン、γ-ドデカラクトン及びδ-ドデカノラクトン等)、γ-クロトノラクトン、α-メチレン-γ-ブチロラクトン、γ-メチレン-γ-ブチロラクトン、α-ブロモ-γ-ブチロラクトン、α-クロロ-γ-ブチロラクトン、α-ヨード-γ-ブチロラクトン、テトロン酸、大環状ラクトン(15-ペンタデカノラクトン)及び芳香族ラクトン(3,4-ジヒドロクマリン)等が挙げられる。
また、一般式(2)で表される環状化合物(B)の代わりとして、カルボニル構造を2つ以上含むラクトンであるD、L又はD/L-ラクチド、ポリ-εカプロラクトン等も好適に用いることができる。
反応性の観点から、β-ラクトン(β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン等)、γ-ラクトン(γ-ブチロラクトン等)、δ-ラクトン(δ-バレロラクトン等)、ε-ラクトン(ε-カプロラクトン等)、テトロン酸、大環状ラクトン(15-ペンタデカノラクトン)及び芳香族ラクトン(3,4-ジヒドロクマリン)が好ましく、更に好ましくはγ-ラクトン(γ-ブチロラクトン、γ-クロトノラクトン等)、δ-ラクトン(δ-バレロラクトン等)、ε-ラクトン(ε-カプロラクトン等)である。
これらのラクトンは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
環状化合物(B)は、試薬として購入する以外に、以下の分子内縮合反応等によって製造することで入手できる。
例えば、一般式(2)で表される化合物は、Rで表される基の片末端に、カルボキシ基を結合させ、Rで表される基の反対側の末端に、水酸基を結合させた化合物を用い、カルボキシ基及び水酸基を分子内縮合することで、得ることができる。
分子内脱水してラクトン等を合成する方法としては、公知の方法で加熱脱水する方法、J.S.Nimitz,R.H.Wollemberg,Terahedron Lett.1978,19,3523に記載方法、及びリパーゼ等の酵素を用いる方法の公知の合成方法を用いることができる。
前記の「Rで表される基の片末端に、カルボキシ基を結合させ、Rで表される基の反対側の末端に、水酸基を結合させた化合物」としては好ましいものとしては、炭素数4~22のモノヒドロキシモノカルボン酸等が挙げられる。
炭素数4~22のモノヒドロキシモノカルボン酸としては、炭素数4~22の直鎖ヒドロキシカルボン酸(3-ヒドロキシプロパン酸、4-ヒドロキシ酪酸、5-ヒドロキシペンタン酸、6-ヒドロキシヘキサン酸、15-ヒドロキシペンタデカン酸、16-ヒドロキシヘキサデカン酸及び4-ヒドロキシ-2-ブテン酸等)及び炭素数3~22の分岐ヒドロキシカルボン酸(3-ヒドロキシブタン酸、5-ヒドロキシトリデカン酸、2-メチレン-4-ヒドロキシ酪酸、4-フェニル-4-ヒドロキシ酪酸、2,2-ジメチル-4-ヒドロキシ酪酸、4-ヘキシル-4-ヒドロキシ酪酸及び4-ヒドロキシ-2-メチル-2-ブテン酸等)等が挙げられる。
前記の炭素数4~22のモノヒドロキシモノカルボン酸の炭素原子に結合した水素原子のうち、少なくとも1つの水素原子がハロゲノ基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸が分子内脱水した構造を有するラクトンも用いることもできる。
前記の炭素数4~22のモノヒドロキシモノカルボン酸のうち、炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1つがハロゲノ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-ブロモ-4-ヒドロキシ酪酸等が挙げられ、アセチル基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-アセチル-4-ヒドロキシブタン酸等が挙げられ、アルコキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-メトキシ-4-ヒドロキシ酪酸等が挙げられ、フェノキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-フェニル-4-ヒドロキシ酪酸等が挙げられる。
炭素数2~8の環状エーテル(C)としては、エチレンオキサイド、1,2-又は1,3-プロピレンオキシド、1,2-、1,3-、1,4-又は2,3-ブチレンオキサイド、1,2-ジクロロオキセタン1,2-ペンチレンオキサイド、1,2-ヘキシレンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、エピクロルヒドリン及びエピブロモヒドリン等が挙げられる。
これらの内、反応性の観点から、エチレンオキサイド、1,2-プロピレンオキサイド、1,2-ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,2-ヘキシレンオキサイドが好ましく、更に好ましくは、エチレンオキサイド、1,2-プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、エピクロルヒドリンであり、特に好ましくはエチレンオキサイド、1,2-プロピレンオキシド、及びエピクロルヒドリンである。
炭素数2~8の環状エーテルは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
アルキレンオキサイドとして2種以上を併用する場合、得られる環状化合物(A)は、一般式(1)においてn個あるRとして、使用したアルキレンオキサイドの種類に対応した異なる種類のRを有する環状ポリエーテルエステルである。
本発明の反応工程は、触媒の存在下で行うことが好ましい。反応工程で用いる触媒としては、金属(ホウ素、錫、ニッケル、亜鉛及びアルミニウム等)のハロゲン化物、無機酸(硫酸及びリン酸等)、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム及びセシウム等)の水酸化物、アミン化合物(ジエチルアミン及びトリエチルアミン等)、ホスファゼン、複合金属シアン化物錯体触媒(特開2005-53952号公報及び特開2016-6203号公報等に記載された亜鉛ヘキサシアノコバルテート等の2種類の金属を分子内に含有する金属錯体触媒等)、特開2000-354763号公報に記載された酸化物複合体、AlとMgとの複合酸化物(D1)及び層状複水酸化物並びにその焼成物等を用いて行うことができる。
本発明の製造方法で用いる層状複水酸化物とは、2価の金属(Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co及びCu等)と3価の金属(Al、Fe及びMn等)の水酸化物とが複合して積層構造を形成した無機の層状化合物を意味し、一般式が[M2+ 1-h3+ (OH)][(Wi-h/i・jHO][ここで、M2+は2価の金属、M3+は3価の金属、Wi-はi価の陰イオン(HCO 、CO 2-、PO 3-、SO 2-、Cl、NO 及びNO 等)、h、i及びjはそれぞれ独立の正数である。]で表さる化合物であり、ハイドロタルサイト、モツコレアイト、マナセイト、スティッヒタイト、パイロアウライト、タコバイト、イヤードライト及びメイキセネライト等が含まれる。これらの層状複水酸化物は、粘土鉱物として知られており、天然に産する鉱物に含まれたものであっても、合成によって得られたものであってもよい。
触媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの内、反応効率の観点から好ましいのは、AlとMgとの複合酸化物(D1)の焼成物及びAlとMgを有するハイドロタルサイト(D2)の焼成物である。
本発明において用いられる複合酸化物(D1)は、AlとMgを有する酸化物であれば、特に限定されないが、好ましい複合酸化物としては下記化学式(4)又は(5)で示される化合物等が挙げられる。
〔aMgO・Al ・bHO〕 (4)
〔MgAl〕 (5)
化学式(4)において、a及びbは、それぞれ独立の正数である。
化学式(5)において、s、t及びuは、それぞれ独立の正数である。
反応性の観点から、s/tは0.1以上0.9未満であることが好ましい。
複合酸化物(D1)としては、2.5MgO・Al ・bHO及びMg0.7Al0.31.15等が挙げられ、それぞれキョーワード300[協和化学工業(株)製]及びキョーワード2000[協和化学工業(株)製]等として市場から入手することができる。
本発明に用いるハイドロタルサイト(D2)としては、下記化学式(6)で示される化合物等が挙げられる。
〔Mg1-cAl(OH)c+ 〔CO3c/2 ・dH O〕c- (6)
また、化学式(6)において、cは0<c≦0.33を満たす数であり、dは0<d≦1.0を満たす数である。
ハイドロタルサイト(D2)としては、MgAl (OH)16 CO ・4H O及びMg4.5Al (OH)13 CO ・3.5H O等が挙げられ、それぞれキョーワード500[協和化学工業(株)製]及びキョーワード1000[協和化学工業(株)製]等として市場から入手することができる。
本発明に用いるハイドロタルサイト(D2)としては、上記の化合物以外にも、西ドイツ特許公告第1592126号及びヨーロッパ特許公開第0207811号等に記載の既知の鉱物も使用することができる。
(D1)及び(D2)は、それぞれ1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの内、反応性の観点から好ましいのは複合酸化物(D1)であり、更に好ましいのは2.5MgO・Al ・nHO(nは正数)及びMg0.7Al0.31.15である。
AlとMgとの複合酸化物(D1)の焼成物又はAlとMgを有するハイドロタルサイト(D2)の焼成物は、AlとMgとの複合酸化物(D1)又はAlとMgを有するハイドロタルサイト(D2)を空気雰囲気下、好ましくは窒素気流下で、好ましくは400~1500℃(更に好ましくは600~1000℃)にて1~48時間加熱処理する方法等で得ることができる。
なお、AlとMgとの複合酸化物(D1)又はAlとMgを有するハイドロタルサイト(D2)の焼成物は以降、触媒(D’)と記載する。
本反応工程において、触媒の含有量は特に限定されないが、反応速度及び濾過効率の観点から、環状化合物(B)と環状エーテル(C)との合計重量に対して0.0001~60重量%が好ましく、更に好ましくは0.001~20.0重量%であり、特に好ましくは0.01~20.0重量である。
また、本反応工程において、攪拌を容易にする等の観点から、環状化合物(B)、環状エーテル(C)及び触媒以外に、溶剤を添加してもよい。
溶剤としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジグリム、トリグリム、1,4-ジオキサン、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、四塩化炭素、N-メチルピロリドン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジクロロエタン及びクロロホルム等が挙げられる。
溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの内、環状化合物(B)及び環状エーテル(C)等との混和性と留去のしやすさの観点から、トルエン及びキシレンが好ましい。
本反応工程に用いる溶剤の重量は、反応速度等の観点から、環状化合物(B)と環状エーテル(C)と触媒との合計重量に対して、0~99重量%が好ましく、更に好ましくは0~60重量%である。
本反応工程においては、環状化合物(B)及び環状エーテル(C)並びに必要に応じて、触媒及び溶媒の混合物の温度が90~250℃となることが好ましく、更に好ましくは100~190℃である。また、上記の温度とする時間は、1~200時間が好ましい。
本反応工程は、環状化合物(B)及び環状エーテル(C)並びに必要に応じて、触媒及び溶媒を反応装置へ入れ不活性ガス(窒素及びアルゴン等)により系内を置換・密閉し、前記の反応温度と反応時間とで撹拌混合することで行うことができる。
反応装置としては撹拌装置及び加熱装置の付属した混合容器(スターラー付きフラスコ及びオートクレーブ等)等の公知の反応装置を用いることができる。
本発明の製造方法は、前記の反応工程で得られる生成物[すなわち、環状化合物(A)を含む混合物]を、更に濾過操作(特開2011-213864号公報に記載の方法等)、ゲル透過法及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の方法により精製する工程(以下精製工程と略記する)を含んでいてもよい。
上記の精製工程により、特定の構造を有する環状化合物(A)のみを抽出することができる。
本発明の環状化合物組成物の製造工程は、触媒の除去操作を含んでいてもよい。触媒を除去する方法として公知の方法を用いることができるが、具体的には特開2010-6964号公報に記載の方法の他、ろ過用薬剤である珪藻土(ダイカライト6000、ラヂオライト#700等)、シリカゲル(ワコーゲル等)、ケイ酸マグネシウム(キョーワード600、キョーワード700)等を用いてろ過する方法が挙げられる。ろ過操作では前記ろ過用薬剤を単一で用いても複数種類を併用してもよいが、ろ過効率の観点から複数種類を用いることが好ましい。
また、ろ過速度を向上させる観点から、珪藻土を使用することが好ましく、触媒の除去効率を向上させるために、ケイ酸マグネシウムを用いることが好ましい。
ろ過操作は公知の方法で行うことができるが、珪藻土とケイ酸マグネシウムを層状に積層させた濾層に環状化合物組成物またはその溶液を通過させる方法が挙げられる。ろ過に用いる溶剤は環状化合物組成物を溶解させるものであれば限定されないが、溶解効率の観点から、THF、トルエン、キシレン等が好ましい。
本発明の樹脂組成物(F)は環状化合物(A)からなる環状化合物組成物(P)の他に、前記溶剤、各種ポリエーテル、後述する高分子化合物(E)、触媒(D)、及び各種樹脂添加剤等を含んでいてもよい。
樹脂添加剤としては例えば、無機塩(炭酸カルシウム及び硫酸バリウム等)、無機繊維(ガラス繊維及び炭素繊維等)、ウィスカー(チタン酸カリウムウィスカー等)のような充填材;難燃剤〔リン酸エステル及びハロゲン化リン酸エステル(例えばクロロアルキルフォスフェート)等〕;金属キレート化剤(重金属不活性化剤)[ヒドラジド系及びアミド系等];過酸化物分解剤[リン系、硫黄系];熱安定剤(塩酸捕捉剤)[金属石鹸(カルシウム系、亜鉛系)];整泡剤[ジメチルポリシロキサン系整泡剤(東レダウコーニングシリコーン株式会社社製「SH-200オイル」等)]が挙げられる。
また、樹脂組成物(F)のうち、前記溶剤、後述する高分子化合物(E)、各種樹脂添加剤及び触媒(D)を含まない樹脂成分のうち、環状化合物(A)の純度(%)は、後述する樹脂(F)の仕込誤差を小さくし、かつ、樹脂強度を維持するため、60%以上が好ましく、更に好ましくは80%以上、特に好ましくは95%以上である。
本発明の樹脂組成物(F)は、環状化合物(A)を含む環状化合物組成物(P)及び高分子化合物(E)含有する。
本発明の樹脂組成物(F)は、環状化合物組成物(P)の環成分を、軸成分である高分子化合物(E)が貫通した構造を有することで、樹脂の伸び性を保ちつつ、強度を向上させているものと推測される。
樹脂組成物(F)が含有する高分子化合物(E)としては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリシロキサン(ポリジメチルシロキサン等)及びポリエーテル並びにこれらを架橋した高分子が好ましく、これらの中でも、ポリウレタン及びポリエーテルが好ましい。これらの高分子は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、高分子化合物(E)は、反応性官能基を導入した高分子であってもよく、導入する反応性官能基としては、イソシアネート基、アルケニル基、アルキニル基、(メタ)アクリレート基、水酸基、カルボキシ基、エステル基、アルデヒド基、カルボニル基、ハロゲノ基、スルホ基、ホスホ基、ジスルフィド基、トリアジド基、シアノ基、イミン系置換基、アミジン基、オキシム基、シリル基、シロキシ基、アミノ基、チオ基、水酸基及びマレイミド基等があげられる。これらの反応性官能基を導入した高分子化合物(E)としては、末端アミン変性ポリエチレングリコール、末端チオール変性ポリエチレングリコール及び末端マレイミド変性ポリエチレングリコール等が挙げられ、これらはSUNBRITEシリーズ(SUNBRITEは日油株式会社の登録商標)として日油株式会社から入手可能である。
また、ポリウレタンは主鎖の末端に、イソシアネート基、カルボキシ基及び水酸基等を有しており、ポリエステルは主鎖の末端に、カルボキシ基及び水酸基等を有しており、ポリエーテルは主鎖の末端に、水酸基を有している。
高分子化合物(E)の数平均分子量に特に制限はないが、合成し易さ等の観点から、1000~100,000であることが好ましい。
高分子化合物(E)の数平均分子量は、以下のGPCを用いて以下の条件で測定することができる。
・装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
・カラム:「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000を各1本連結したもの」[いずれも東ソー(株)製]
・試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
・溶液注入量:10μL
・流量:0.6mL/分
・測定温度:40℃
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリエチレングリコール
高分子化合物(E)は、公知の重合方法で製造することができる。ポリウレタンの場合は、ポリイソシアネートとポリオールとの重縮合反応;ポリエステルの場合は、ポリカルボン酸とポリオールとの重縮合反応;ポリポリアクリル酸の場合は、アクリル酸及び/又はアクリル酸エステルのラジカル重合反応;ポリシロキサンの場合は、アルコキシシランの加水分解重縮合反応;ポリエーテルの場合は、活性水素基を有する化合物(アルコール、カルボン酸及びアミン等)へのアルキレンオキサイド付加反応等の公知の方法を用いて製造することができる。
また、上記の環状化合物(A)からなる環状化合物組成物(P)と高分子化合物(E)との複合構造を安定して維持する観点から、製造時において、架橋剤(G)を併用し、架橋剤(G)と反応する官能基を有する高分子化合物(E)同士を架橋することが望ましい。
架橋剤(G)としては、2官能以上の反応性置換基をもつ化合物であれば特に制限はなく、グリセリン、ポリイソシアネート化合物、ジアクリレート化合物等が挙げられる。
一方、架橋剤(G)を使用しない場合には、高分子化合物(E)同士で疑似架橋(水素結合、イオン結合及び分子間力等)を形成することができる官能基及び/又は結合を有する高分子化合物(E)を用いることが好ましい。
高分子化合物(E)の合成は、上記の環状化合物(A)と高分子化合物(E)の複合構造を形成しやすくする観点から、後にも記載するように、環状化合物(A)存在下で行うことが好ましい。
本発明の樹脂組成物(F)は、環状化合物(A)及び高分子量化合物(B)以外に、溶剤を含有していてもよい。
溶剤を用いる場合には、環状化合物(A)の溶解性の高い溶媒を適宜選択することが好ましい。
好ましい溶剤としてはトルエン、キシレン、ベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジグリム、トリグリム、1,4-ジオキサン、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、水、四塩化炭素、N-メチルピロリドン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジクロロエタン及びクロロホルム等が挙げられる。
溶剤を使用しない場合は、環状化合物(A)と、高分子化合物(E)又は高分子化合物(E)を構成する各種モノマーとの親和性が高いことが望ましい。
例えば、環状化合物(A)が、ポリオキシプロピレン鎖を有する場合、高分子化合物(E)としては、ポリオキシプロピレン鎖を有する高分子化合物(ポリプロピレンオキシド等)を用いることが好ましい
また、環状化合物(A)が、ポリオキシエチレン鎖を有する場合、高分子化合物(E)としては、ポリオキシエチレン鎖を有する高分子化合物(ポリエチレングリコール等)を用いることが好ましい。
本発明の樹脂組成物(F)は、シリカゲル、リグニン、セルロースナノファイバー及びこれらの変成物を含有していてもよい。
本発明の樹脂組成物(F)は、環状化合物(A)の環成分を、軸成分である高分子化合物(E)が貫通した構造を有することは、公知の粉末X線回折及びNMRスペクトルの測定並びに原子間力顕微鏡による観察等を行うことで確認することができる。
粉末X線回折の測定においては、既知のロタキサンが示す回折ピークと比較の比較をすることで、ロタキサン生成の有無、即ち、環状化合物(A)の環成分を軸成分である高分子化合物(E)が貫通したか否かを確認することができ、NMRスペクトルにより、高分子化合物(E)1分子に対して貫通する環状化合物(A)の数を算出することができる。
本発明の樹脂組成物(F)は、環状化合物(A)に高分子量化合物(B)が1分子以上貫通することによって複合構造を形成することが好ましい。この複合構造は、環状化合物(A)が、環状化合物(A)の説明で述べたように、nが30<n≦2000を満たし、更に好ましい範囲に調整することで、形成しやすくなる。
樹脂組成物(F)が含有する環状化合物(A)と高分子化合物(E)の重量割合は、高分子化合物(E)の重量に対する環状ポリエーテルエステル(A)の重量割合が0.0001~50重量%となる割合が好ましく、0.001~10重量%となる割合が更に好ましい。
本発明の樹脂組成物(F)は、環状化合物(A)と高分子化合物(E)と必要によりその他の添加剤(溶剤等)とを混合する方法及び環状化合物(A)の存在下で高分子化合物(E)を前記の方法で重合する方法等により製造することができる。
前記高分子化合物(E)製造方法の内、反応時において環状ポリエーテルエステル組成物(Q)の劣化等を抑制し、樹脂の物性を維持する観点から、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重縮合反応(以下ウレタン化反応)、及び不飽和二重結合(ビニル基、(メタ)アクリル基)をもつモノマーのラジカル重合反応(以下ラジカル重合)が好ましい。
ポリイソシアネートとしては、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等及びそれらの変成物を使用することができる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、ドデカメチレンジイソシアネート、炭素数11~17の脂環式ポリイソシアネート[ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2’-ジシクロヘキシルプロパンジイソシアネート等]等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のイソシアネートも同様)6~16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6~20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3-及び/又は1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-及び/又は2,6-トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’-及び/又は4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6~16の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8~12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、Α,Α,Α’,Α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ジイソシアネート変性物としては、例えば、リジンジイソシアネートのイソシアヌレート変性物及びビューレット変性物、ノナメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性物及びビューレット変性物、デカメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性物及びビューレット変性物並びにドデカメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性物及びビューレット変性物等)、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート変性物及びビューレット変性物並びにジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのイソシアヌレート変性物及びビューレット変性物等が挙げられる。
その他の変成ジイソシアネートの例として、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
これらの内、反応性の観点から芳香族ポリイソシアネートが好ましく、特に好ましくは1,3-及び/又は1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-及び/又は2,6-トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’-及び/又は4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)である。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1、4-ブタンジオール等、1、6-ヘキサンジオール等)、3価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン等)、4価アルコール(ペンタエリスリトール、メチルグルコシド等)、5価アルコール(2、2、6、6、-テトラキス(ヒドキシルメチル)シクロヘキサノール等)、6価アルコール(ソルビトール等)及び8価アルコール(ショ糖等)等の各種アルコールのアルキレンオキサイドの付加物が挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールを構成するアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2-、1,4-もしくは2,3-ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリンおよびこれらの2種以上の併用が挙げられる。併用の場合の付加形式はブロックまたはランダムのいずれでもよい。
これらのうち、環状化合物との相溶性の観点から、好ましいものは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,4-ブチレンオキサイドであり、特に好ましいのはプロピレンオキサイドである。
本発明の樹脂組成物に用いることができる(メタ)アクリル系モノマー[後述するウレタン(メタ)アクリレート以外]としては例えば次のものが挙げられる。
(1)単官能モノマー
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert-オクチル(メタ)アクリレート、2,3-ジメチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、n-ドコシル(メタ)アクリレート、n-テトラコシル(メタ)アクリレート、n-ヘキサイコシル(メタ)アクリレート、n-オクタイコシル(メタ)アクリレート、n-トリアコンチル(メタ)アクリレート、n-ドトリアコンチル(メタ)アクリレート、n-テトラトリアコンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキサトリアコンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-n-ブチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-クロロエチル(メタ)アクリレート、4-ブロモブチル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシルカルビトール(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2-(2-メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2-テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4-ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5-テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4-クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2-メタクリロイロキシエチルコハク酸、2-メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、EO変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート及びEO変性-2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-(2-ビニルオキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、及びアクリロイルモルホリン等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリレート及びアクリルアミドの内、反応性の観点から、アクリレート及びアクリルアミド構造をもち、かつ、環状化合物との相溶性の観点から、炭素数が2~12のものが好ましい。
好ましい単官能モノマーの具体例として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、4-n-ブチルシクロへキシルアクリレート、2-エチルヘキシルジグリコールアクリレート、2-クロロエチルアクリレート、ブトキシメチルアクリレート、メトキシプロピレンモノアクリレート、アルコキシメチルアクリレート、アルコキシエチルアクリレート、2-(2-メトキシエトキシ)エチルアクリレート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、及びアクリロイルモルホリンが挙げられる。
(2)多官能モノマー
エチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのC2~C4のアルキレンオキサイド1~30モル付加物のトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのC2~C4のアルキレンオキサイド1~30モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの多官能モノマーの内、反応性と環状化合物と相溶性の観点から、エチレングリコールのジアクリレート、ポリプロピレングリコールのジアクリレート、ポリエチレングリコールのジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールのジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリアクリレートが好ましい。
本発明に用いることができるウレタン(メタ)アクリレートとしては次の方法で合成できる。
ウレタン(メタ)アクリレートは前記のポリオールに対して前記のポリイソシアネートを反応させたのち、更に水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を公知の反応させることで得られる。
水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては特に限定されず、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の市販品や(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA変性エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのウレタン(メタ)アクリレートの内、反応性と環状ポリエーテルエステル化合物(P)と相溶性の観点から、好ましいのは2-ヒドロキシエチルアクリレートとポリオールをポリイソシアネートで結合したウレタンアクリレートである。
好ましいウレタン(メタ)アクリレートの具体例として、2-ヒドロキシエチルアクリレートを反応させた、エチレングリコールのジウレタンアクリレート、ポリプロピレングリコールのジウレタンアクリレート、ポリエチレングリコールのジウレタンアクリレート、ポリテトラメチレングリコールのジウレタンアクリレート、トリメチロールプロパントリウレタンアクリレート、トリメチロールエタントリウレタンアクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリウレタンアクリレートが挙げられる。
本発明の樹脂組成物(F)の製造に用いる環状化合物(A)としては、本発明の環状化合物(A)の製造方法において、精製工程をせずに得た反応生成物をそのまま用いても、精製工程を実施し、反応生成物を分画、精製して得られた特定の構造を持つ環状化合物(A)を用いてもよい。
環状ポリエーテルエステル(A)と高分子化合物(E)とを混合する方法としては、無溶媒又は溶媒中で環状ポリエーテルエステル(A)と高分子化合物(E)を攪拌・混合する方法があげられ、攪拌・混合する際の温度は、0~250℃、好ましくは10~200℃であり、混合時間は、1秒~1週間、好ましくは10秒~3日である。高分子化合物(E)が環状化合物(A)を貫通した樹脂組成物(F)は、撹拌混合後の溶液を再沈殿、濾過、遠心分離、膜分離及びカラムクロマトグラフィー等の公知の分離方法によって単離できる。
紫外線又は熱によって重合した樹脂組成物(F)とする方法としては、公知の方法を用いることができる。具体例としては、環状ポリエーテルエステル組成物(P)と高分子化合物(E)、及びラジカル開始剤を混合したのち紫外線又は熱で重合させる。
環状ポリエーテルエステル組成物(P)の重合前の重量%は、樹脂の強度と伸びを両立する観点から、1~50%が好ましく、更に好ましくは、1~20%、特に好ましくは5~10%である。開始剤の重合前の重量%は、重合効率を向上させるとともに、重合後の品質低下を抑制する観点から、0.01~20%が好ましく、更に好ましくは0.01~10%、特に好ましくは0.01~5%である。
紫外線によってラジカルを発生させるラジカル開始剤としては、光照射により分解してラジカルを発生して重合を開始せしめるものであれば特に制限はなく、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3-メチルアセトフェノン、4-クロロベンゾフェノン、4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1,4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、オリゴ(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-(1-メチルビニル)フェニル)プロパノン)等を挙げることができる。 この内1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち硬化物の着色防止の観点から好ましいのは2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよび1,3,5-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドである。
熱によってラジカルを発生させるラジカル開始剤としては、公知のアゾ系開始剤(アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスバレロニトリル等)、過酸化物系開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキサイド及びラウリルパーオキサイド等)、及びレドックス系開始剤(ベンゾイルパーオキサイドと第三アミンの混合物等)が挙げられる。更に必要により、公知の連鎖移動剤(炭素数2~20のアルキルメルカプタン等)を使用することもできる。
これらのうち、これらのうち硬化物の着色防止の観点から、アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスバレロニトリルが好ましい。
紫外線によって重合をおこなう場合は、重合を十分に進行させる観点から、露光量を50~1500mJ/cmにすることが好ましく、更に好ましくは200~1500mJ/cm、特に好ましくは500~1000mJ/cmである。紫外線照射時間は、前記露光量になるように調製することができるが、急激な熱変化による樹脂組成物の劣化を抑制する観点から、1分~30分が好ましく、更に好ましくは5分~30分、特に好ましくは10分~30分である。
熱によって重合をおこなう場合は、重合を十分に進行させる観点から、温度を50~150℃にすることが好ましく、更に好ましくは50~100℃である。反応時間は、重合を十分に進行させ、かつ生産性を確保する観点から1分~10時間が好ましく、更に好ましくは30分~10時間、特に好ましくは30分から5時間である。
また、樹脂組成物(F)の内、環状化合物(A)を高分子材料(E)が貫通し、架橋剤成分(G)で架橋された本発明の架橋物(以下、ゲルという)は、従来のロタキサン(国際公開第01/083566号に記載のロタキサン等)と同様に、伸びによってゲルにかかる力を、ポリマーが滑ることで分散することができる。
よって、従来のロタキサンと同様に、コーティング剤等に添加して自己修復性成分として用いることができる。
また従来のロタキサンと同様に、水等の溶媒を吸収させたゲルを衝撃吸収性材料及び細胞培養基材等の医療材料用の機能性材料として用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の部は重量部を示す。
製造例1
「キョーワード300」〔化学式:2.5MgO・Al ・nH O(nは正数)、協和化学工業(株)製〕を電気炉にて窒素気流下900℃で24時間加熱処理し、焼成物を調整して実施例1~11に用いる触媒を合成した。
<実施例1~11>
表1に記載の下記工程1~4をそれぞれ行って実施例1~11にかかる環状化合物の中間体(P-_-1~4)を合成し、得られた中間体を含む反応混合物を下記の方法で精製することで本発明の環状化合物(A-_)を含む混合物を得た。なお、表1の各実施例にかかる工程が工程1だけの実施例では工程1で得られた中間体を、工程2まで記載された実施例では工程2で得られた中間体を、工程3まで記載された実施例では工程3で得られた中間体を、工程4まで記載された実施例では工程4で得られた中間体を下記の方法で精製することで各請求項にかかる本発明の環状化合物を得た。なお、中間体の記号[P-_-1~4]及び環状化合物を表す[A-_]において、アンダーバー部分には各実施例の番号が入り、その実施例でえられた中間体及び環状化合物であることを表す。
(工程1):攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに表1に記載の原料及び製造例1で得た触媒を導入し、減圧(ゲージ圧-0.1 MPa)し、窒素通気を1時間行った後、150℃に昇温し、表1に記載のアルキレンオキサイドを表1に記載の反応時間をかけて導入し、表1に記載の時間熟成させることで中間体(PA‐_‐1)を得た。
(工程2):攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに表1に記載の原料及び触媒を導入し、減圧(ゲージ圧-0.1 MPa)し、窒素通気を1時間行った後、150℃に昇温し、表1に記載のアルキレンオキサイドを表1に記載の反応時間をかけて導入し、表1に記載の時間熟成させることで中間体(PA‐_‐2)を得た。なお、実施例3における工程2では、オートクレーブに工程1で得られた中間体と製造例1で得た触媒を導入した後、さらにキシレン100部を加えてから窒素通気、昇温、アルキレンオキサイドの反応、熟成を行った。
(工程3):攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに表1に記載の原料及び触媒を導入し、減圧(ゲージ圧-0.1 MPa)し、窒素通気を1時間行った後、150℃に昇温し、表1に記載のアルキレンオキサイドを表1に記載の反応時間をかけて導入し、表1に記載の時間熟成させることで中間体(PA‐_‐3)を得た。
(工程4):攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに表1に記載の原料及び触媒を導入し、減圧(ゲージ圧-0.1 MPa)し、窒素通気を1時間行った後、150℃に昇温し、表1に記載のアルキレンオキサイドを表1に記載の反応時間をかけて導入し、表1に記載の時間熟成させることで中間体(PA‐_‐4)を得た。
(反応混合物の精製)
各中間体20部にトルエン100部を加えて50℃に温調し、均一に攪拌した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、キシレンを減圧留去し、濃縮した。濃縮物にメタノール20部を加えて撹拌し、水100部を加えて再沈殿させ、デカンデーションによって沈殿物を分離し、更に沈殿物を減圧乾燥することで、環状化合物(A-_)を含む組成物を得た(上記精製工程を精製工程1とする)。なお、実施例6においてはキシレンを減圧留去して濃縮した後、濃縮物にメタノール100部、キシレン100部加えて撹拌し、メタノール層を抽出した後にメタノールを減圧留去し、濃縮することで環状化合物(A-6)を含む組成物を得た(上記精製工程を精製工程2とする)。
Figure 0006991856000004
下記の通り、各実施例において精製により得られた組成物が、本発明の環状化合物(A‐1~A‐11)を含むことをMALDI-TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA-Performance、(株)島津製作所製による分析により確認した。また必要によりGPC測定を行った。

MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例1で得られた組成物は、一般式(1)において、Rがペンタメチレン基であり、Rがメチルエチレン基であり、n(平均)=31である本発明の環状化合物(A-1)を含み、更に[RCO(ORO]で表される繰り返し単位を2個有する環状化合物と3個有する環状化合物とを含有する組成物であった。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例2で得られた組成物は、一般式(1)において、Rがペンタメチレン基であり、Rがメチルエチレン基であり、n(平均)=100である本発明の環状化合物(A-2)と、更に[RCO(ORO]で表される繰り返し単位を2個有する環状化合物と3個有する環状化合物とを含有する組成物であった。
実施例3で得られた組成物は、MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、一般式(1)において、Rがペンタメチレン基であり、Rがメチルエチレン基である本発明の環状化合物(A-3)を含み、GPC測定による分析から環状化合物(A-3)の数平均分子量は11,6000であり、n(平均)=2000であることが確認された。なお、分子量比較用の環状化合物には実施例2に記載の環状化合物(A-2)を用いた。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例4で得られた組成物は、一般式(1)において、Rがトリメチレン基であり、Rがメチルエチレン基であり、n(平均)=100である本発明の環状化合物(A-4)と、更に[RCO(ORO]で表される繰り返し単位を2個有する環状化合物と3個有する環状化合物とを含有する組成物であった。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例5で得られた組成物は、一般式(1)において、Rがプロペニレン基であり、Rがメチルエチレン基であり、n(平均)=100である本発明の環状化合物(A-5)と、更に[RCO(ORO]で表される繰り返し単位を2個有する環状化合物と3個有する環状化合物とを含有する組成物であった。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例6で得られた組成物は、一般式(1)において、Rがペンタメチレン基であり、Rがエチレン基であり、n(平均)=100である本発明の環状化合物(A-6)と、更に[RCO(ORO]で表される繰り返し単位を2個有する環状化合物と3個有する環状化合物とを含有する組成物であった。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例7で得られた組成物は、一般式(1)において、Rがペンタメチレン基であり、Rがエチルエチレン基であり、n(平均)=100である本発明の環状化合物(A-7)と、更に[RCO(ORO]で表される繰り返し単位を2個有する環状化合物と3個有する環状化合物とを含有する組成物であった。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例8で得られた組成物は、一般式(1)において、Rがペンタメチレン基であり、Rがブチレン基であり、n(平均)=100である本発明の環状化合物(A-8)と、更に[RCO(ORO]で表される繰り返し単位を2個有する環状化合物と3個有する環状化合物とを含有する組成物であった。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例9で得られた組成物は、一般式(1)において、Rがペンタメチレン基であり、Rが(クロロメチル)エチレン基であり、n(平均)=100である本発明の環状化合物(A-9)と、更に[RCO(ORO]で表される繰り返し単位を2個有する環状化合物と3個有する環状化合物とを含有する組成物であった。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例10で得られた組成物は、一般式(1)において、Rがペンタメチレン基であり、Rがフェニルエチレン基であり、n(平均)=100である本発明の環状化合物(A-10)と、更に[RCO(ORO]で表される繰り返し単位を2個有する環状化合物と3個有する環状化合物とを含有する組成物であった。
MALDI-TOF MSによる分析を行った結果、実施例11で得られた組成物は、一般式(1)において、Rがペンタメチレン基及びトリメチレン基であり、Rがメチルエチレン基であり、n(平均)=100である本発明の環状化合物(A-11)と、更に[RCO(ORO]で表される繰り返し単位を2個有する環状化合物と3個有する環状化合物とを含有する組成物であった。
<比較例1>
特開2016-175898号公報の実施例1の方法に従って比較用の環状化合物(H-1)である、15-ペンタデカノラクトンのエチレンオキサイド(6モル)付加物を合成した。

実施例1~1で得た環状化合物(A-1)~(A-11)を含む組成物を用いて、以下の方法で樹脂組成物(F)を製造し、破断強度及び破断伸びを測定した。

<実施例12~22:ウレタン樹脂組成物(F1)の製造>
サンニックスGH-3000NS[3官能基ポリプレピレンポリオール(水酸基価:56)、三洋化成工業(株)製]を表2に示す部数でコロネートT-80(東ソー株式会社製)と窒素雰囲気下100℃で反応させ、主剤を調整した。
次いで、表2に記載の部数で、サンニックスGH-3000NSに、各環状化合物(A)を80℃で溶解させ硬化剤を調整した。
調製した硬化剤の全量を、調製した主剤の全量に100℃で加え、均一に攪拌した後、型枠に流し込み、80℃で10時間硬化させてウレタンエラストマー(E-1)及び環状化合物(A)を含有する樹脂組成物(F1-1)~(F1-11)を得た。
<比較例2:比較用の樹脂組成物(F1’-1)の製造>
実施例2において環状化合物(A-1)を比較用の環状化合物(HA-1)に変更した以外は同様の操作を行い、ウレタンエラストマー(E-1)を含有する比較用の樹脂組成物(F1’-1)を得た。

<比較例3:比較用の樹脂組成物(F1’-2)の製造>
実施例12において環状化合物(A-1)を加えない以外は同様の操作を行い、ウレタンエラストマー(E-1)を含有する比較用の樹脂組成物(F1’-2)を得た。

実施例12~22で得た樹脂組成物(F-1)~(F-11)及び比較例2~3で得た比較用の樹脂組成物(F1’-1)~(F1’-2)を用いて、JIS-K7311に記載の方法で引張試験用の測定試料を作成し、島津製オートグラフ「AGS-IS」で引張試験を実施し、引張強さ及び伸びを測定し、それぞれ破断強度及び破断伸びとした。測定結果を表3に示す。測定は引っ張り速度10cm/分、湿度50%、温度25℃で行った。

Figure 0006991856000005
Figure 0006991856000006
実施例1~11で得た環状化合物(A)を含有する樹脂組成物(F1-1)~(F1-11)は、付加モル数の少ない比較用の環状化合物(HA-1)を含有する樹脂組成物(F1’-1)及び環状化合物(A)を含有しない比較用の樹脂組成物(F1’-2)と比較して、破断強度が向上した。
これは、ウレタンエラストマー(E-1)が、環状化合物(A)を貫通し、複合構造を形成していることが原因と考えられる。
<実施例23~24、比較例4~7:アクリル樹脂組成物(F2)及び比較用樹脂組成物(F2’)製造>
ラジカル硬化性の樹脂組成物を表4に記載の通りに配合した。
アクリルモノマーは、ファンクリルFA-THFA[日立化成工業(株)製]及びNKエステルA-PTMG-65[新中村化学工業(株)製]を用いた。ラジカル開始剤は、イルガ184[商品名、チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製]、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル) [東京化成工業(株)製、以下ADVN]を用いた。
Figure 0006991856000007

次いで、ガラス版上に厚さ500μmのシリコンスペーサーの型枠を作製し、前記配合物を流し込んだ後、ガラス版で挟み、次の工程にて硬化させた。
<実施例23、比較例4~5>
超高圧水銀灯の光を10分かけて1000mJ/cm照射してUV硬化をおこない実施例23及び比較例4~5にかかる樹脂組成物(F2-1、F2’-1、F2’-2)を得た。
<実施例24、比較例6~7>
70℃に温調した循風乾燥機にて5時間加熱して熱硬化をおこない実施例42及び比較例6~7にかかる樹脂組成物(F2-2、F2’-3、F2’-4)を得た。
実施例23及び24で得た樹脂組成物(F2-1)~(F2-2)及び比較例4~7で得た比較用の樹脂組成物(F2’-1)~(F2’-4)を型枠及びガラス板から剥離し、3号ダンベル型に打ち抜いたものを島津製オートグラフ「AGS-IS」で引張試験を実施し、引張強さ及び伸びを測定し、それぞれ破断強度及び破断伸びとした。測定結果を表5に示す。測定は引っ張り速度10cm/分、湿度50%、温度25℃で行った。
Figure 0006991856000008
実施例2で得た環状化合物(A-2)を含有する紫外線硬化樹脂組成物(F2-1)は、付加モル数の少ない比較用の環状化合物(HA-1)を含有する樹脂組成物(F2’-1)及び環状化合物(A)を含有しない比較用の樹脂組成物(F2’-2)と比較して、破断強度が向上した。
一方、実施例2で得た環状化合物(A-2)を含有する熱硬化樹脂組成物(F2-2)は、付加モル数の少ない比較用の環状化合物(HA-1)を含有する樹脂組成物(F2’-3)及び環状化合物(A)を含有しない比較用の樹脂組成物(F2’-4)と比較して、破断強度が向上した
これは、ポリアクリレート(E-2)が、環状化合物(A)を貫通し、複合構造を形成していることが原因と考えられる。
本発明の環状化合物は架橋性分子として、ウレタンエラストマー、ハードコート、フィルム、ウレタンフォーム、塗料、ゴム、医療材料、電子材料、潤滑油添加物、その他工業に用いられる機能性材料として有用である。

Claims (4)

  1. 一般式(1)で表される環状化合物(A)を含む環状化合物組成物(P)。
    Figure 0006991856000009

    [一般式(1)において、Rは、プロペニレン基、炭素数3~16の直鎖アルキレン基又は炭素数3~16の分岐アルキレン基である。;Rは、それぞれ独立に、フェニルエチレン基、炭素数2~4の直鎖アルキレン基又は炭素数3~4の分岐アルキレン基であり、Rの水素原子はハロゲン原子で置換されていても良い。;nは、31~2000の整数である。;複数あるRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  2. 一般式(2)で表される環状化合物(B)と、水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数2~8の環状エーテル(C)とを反応させる工程を含む請求項に記載の環状化合物組成物の製造方法。
    Figure 0006991856000010

    [一般式(2)において、Rは、プロペニレン基、炭素数3~16の直鎖アルキレン基又は炭素数3~16の分岐アルキレン基である。]
  3. 前記環状化合物(B)と前記環状エーテル(C)とを反応させる前記工程が、AlとMgとの複合酸化物(D1)の焼成物及び/又はAlとMgを有するハイドロタルサイト(D2)の焼成物の存在下で行う工程である請求項に記載の環状化合物組成物の製造方法。
  4. 請求項に記載の環状化合物組成物及び高分子化合物(E)を含有する樹脂組成物(F)。
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