以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、各検査項目に対応する標準試料及び試薬の分注による当該標準試料及び試薬の混合液の測定により標準データを生成し、被検試料及び各検査項目に対応する試薬の分注による当該被検試料及び試薬の混合液の測定により被検データを生成する分析部10を備えている。また、自動分析装置100は、分析部10の各試料の分注や各試薬の分注等を行う複数のユニットを駆動する駆動部40を備えている。
また、自動分析装置100は、駆動部40を制御する分析制御部45と、分析部10で測定に用いられる各検査項目の試薬の液面の高さや液量等を算出する試薬算出部50とを備えている。また、自動分析装置100は、試薬算出部50で算出された各検査項目の試薬の液面の高さや液量等の試薬情報を保存する試薬情報記憶部60を備えている。また、自動分析装置100は、分析部10で生成された標準データに対して各検査項目の検量データを生成し、生成した各検査項目の検量データを用いて分析部10で生成された被検データに対する分析データを生成する演算部71を備えている。
また、自動分析装置100は、演算部71で生成された各検査項目の検量データや分析データを保存するデータ記憶部72を備えている。また、自動分析装置100は、演算部71で生成された検量データ及び分析データや、データ記憶部72に保存された検量データに関する有効性を判定する判定値などを設定するための画面等を表示する表示部80を備えている。
また、自動分析装置100は、各検査項目の分析パラメータを設定するための入力、各試料に対してこの試料を識別する試料IDや各検査項目を設定するための入力、判定値などを設定するための入力等を行う入力部90を備えている。また、自動分析装置100は、分析制御部45、試薬算出部50、試薬情報記憶部60、演算部71、データ記憶部72及び表示部80を制御するシステム制御部91を備えている。
図2は、分析部10の構成の一例を示した斜視図である。この分析部10は、試料を収容する試料容器11と、試料容器11を保持する試料ラック12とを備えている。また、分析部10は、標準試料や被検試料などの各試料に含まれる各検査項目の成分と反応する試薬である例えば1試薬系及び2試薬系の第1試薬を収容する第1試薬容器13と、第1試薬容器13を個々に保持する複数の保持位置を有し、複数の第1試薬容器13を移動可能に保持する第1試薬ラック14とを備えている。
また、分析部10は、2試薬系の第1試薬と対をなす第2試薬を収容する第2試薬容器15と、第2試薬容器15を個々に保持する複数の保持位置を有し、複数の第2試薬容器15を移動可能に保持する第2試薬ラック16とを備えている。そして、第2試薬容器15は、第1試薬容器13と同じ形状及び寸法をなしている。また、第2試薬ラック16に保持された第2試薬容器15は、第1試薬ラック14に保持された第1試薬容器13と同じ高さになる。
また、分析部10は、円周上に配置された複数の反応容器17と、この反応容器17を回転移動可能に保持する反応ディスク18とを備えている。また、分析部10は、試料ラック12に保持された試料容器11内の試料を吸引して、反応容器17内に吐出する分注動作を行う試料分注プローブ19を備えている。また、分析部10は、試料分注プローブ19を上下移動及び回動可能に支持する試料分注アーム20を備えている。
また、分析部10は、第1試薬ラック14に保持された第1試薬容器13内の第1試薬を吸引して、試料が分注された反応容器17内に吐出する分注動作を行う第1試薬分注プローブ21を備えている。また、分析部10は、第1試薬分注プローブ21を上下移動及び回動可能に支持する第1試薬分注アーム22を備えている。
また、分析部10は、第1試薬分注プローブ21が第1試薬容器13内の第1試薬の液面に接触したことを検出する第1試薬液面センサ24を備えている。第1試薬液面センサ24は例えば発振器及びブリッジ回路等を有し、第1試薬容器13内の第1試薬と接触したときの第1試薬分注プローブ21の静電容量の変化をブリッジ回路で電圧信号に変換して当該第1試薬の液面を検出する。
また、分析部10は、第2試薬ラック16に保持された第2試薬容器15内の第2試薬を吸引して、第1試薬が分注された反応容器17内に吐出する分注動作を行う第2試薬分注プローブ26を備えている。また、分析部10は、第2試薬分注プローブ26を上下移動及び回動可能に支持する第2試薬分注アーム27を備えている。
また、分析部10は、第2試薬分注プローブ26が第2試薬容器15内の第2試薬の液面に接触したことを検出する第2試薬液面センサ29を備えている。第2試薬液面センサ29は、第1試薬液面センサ24と同様に構成され、第2試薬容器15内の第2試薬と接触したときの第2試薬分注プローブ26の静電容量の変化により当該第2試薬の液面を検出する。
また、分析部10は、反応容器17に分注された試料及び第1試薬の混合液や、試料、第1試薬及び第2試薬の混合液を撹拌する撹拌子31と、この撹拌子31を移動可能に支持する撹拌アーム32とを備えている。また、分析部10は、撹拌子31により撹拌が行われた反応容器17内の標準試料を含む混合液を透過した光を検出して標準データし、反応容器17内の被検試料を含む混合液を透過した光を検出して被検データを生成する測定部33を備えている。また、分析部10は、測定を終了した反応容器17内を洗浄する複数の洗浄ノズル34と、洗浄ノズル34を上下移動可能に支持する洗浄アーム35とを備えている。
図1に戻り、駆動部40は、搬送機構及びこの搬送機構を駆動するモータを有し、分析部10の試料ラック12を搬送移動する。また、駆動部40は、第1及び第2試薬ラック14,16をそれぞれ回転駆動するモータを有し、各第1及び第2試薬容器13,15を移動する。また、駆動部40は、反応ディスク18を回転駆動するモータを有し、各反応容器17を移動して各停止位置で停止させる。また、駆動部40は、試料分注アーム20、第1試薬分注アーム22及び第2試薬分注アーム27をそれぞれ回動駆動するモータ及び上下駆動するモータを有し、試料分注プローブ19、第1試薬分注プローブ21、及び第2試薬分注プローブ26を移動する。また、駆動部40は、撹拌アーム32を駆動するモータを有し、撹拌子31を移動する。また、駆動部40は、洗浄アーム35を上下駆動するモータを有し、洗浄ノズル34を移動する。
分析制御部45はCPU及び記憶回路を有し、入力部90から入力された各検査項目の分析パラメータ、試料ID、この試料IDで識別される試料に設定された検査項目等の入力情報や、試薬情報記憶部60に保存された試薬情報等に基づき駆動部40を制御して、分析部10の各ユニットを作動させる。そして、分析制御部45は、入力部90よりキャリブレーションを開始させる入力が行われると、試料ラック12の移動、第1試薬容器13の移動、第2試薬容器15の移動、標準試料の分注、第1試薬の分注、第2試薬の分注、混合液の撹拌、測定等のキャリブレーション動作を分析部10に実行させる。
また、分析制御部45は、入力部90より検査を開始させる入力が行われると、試料ラック12の移動、第1試薬容器13の移動、第2試薬容器15の移動、被検試料の分注、第1試薬の分注、第2試薬の分注、混合液の撹拌、測定等の分析動作を分析部10に実行させる。
また、分析制御部45は、分析部10の分析動作中に入力部90よりポーズの入力が行われると、試料の分注を停止させ、試料の分注が行われた反応容器17に第1試薬や第2試薬の分注を行わせてから試薬の分注を停止させる。また、分析制御部45は、入力部90よりポーズ解除の入力が行われると、停止させていた試料及び試薬の分注を再開させる。
また、分析制御部45は、駆動部40の第1試薬分注アーム22を回動駆動するモータに駆動パルスを供給して第1試薬分注プローブ21を回動させ、図3(a)に示すように、第1試薬ラック14に保持されている複数の第1試薬容器13のうちの第1の位置に停止した第1試薬容器13上方の第1の上停止位置ULに停止させる。次いで、分析制御部45は、駆動部40のモータに第1試薬分注アーム22を下駆動させる下駆動パルスを供給して第1試薬分注プローブ21を第1の上停止位置ULから下方に移動させ、図3(b)に示すように、第1試薬分注プローブ21の下端が第1試薬容器13内の第1試薬の液面に接触して第1試薬液面センサ24に検出される位置より距離D1下方となる第1の吸引位置P1で停止させる。そして、第1試薬分注プローブ21に各検査項目の分析パラメータとして設定された第1試薬の分注量に対応する量の第1試薬を吸引させ、当該分注量の第1試薬を反応容器17内に吐出させる。
また、分析制御部45は、第2試薬分注プローブ26を第2試薬ラック16に保持されている複数の第2試薬容器15のうちの第2の位置に停止した第2試薬容器15上方の、第1の上停止位置ULの第1試薬分注プローブ21と同じ高さとなる第2の上停止位置に停止させる。次いで、分析制御部45は、駆動部40の第2試薬分注アーム27を上下駆動するモータに駆動パルスを供給して第2試薬分注プローブ26を第2の上停止位置から下方に移動させ、第2試薬分注プローブ26の下端が第2試薬容器15内の第2試薬の液面に接触して第2試薬液面センサ29に検出される位置より距離D1下方の第2の吸引位置で停止させる。そして、第2試薬分注プローブ26に各検査項目の分析パラメータとして設定された第2試薬の分注量に対応する量の第2試薬を吸引させ、当該分注量の第2試薬を反応容器17内に吐出させる。
試薬算出部50はCPU及び記憶回路を有し、第1及び第2試薬ラック14,16に保持された第1及び第2試薬容器13,15の高さの情報、第1の上停止位置ULにおける第1試薬分注プローブ21の高さの情報、第2の上停止位置における第2試薬分注プローブ26の高さの情報、各第1及び第2試薬容器13,15内の第1試薬の液面の高さと液量の関係を示すテーブル等を保存している。
そして、試薬算出部50は、第1試薬分注プローブ21の分注動作に基づき第1試薬ラック14に保持された各検査項目の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さ及び液量を分注動作ごとに算出する。
ここでは、試薬算出部50は、図3(b)に示すように、分析制御部45が駆動部40に供給した下駆動パルスの数に基づいて、第1の上停止位置ULより第1試薬液面センサ24に検出される位置まで第1試薬分注プローブ21が移動した距離Dxを求め、求めた距離Dxから第1試薬分注プローブ21が吸引する前の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さH及び液量Vを算出する。
次いで、試薬算出部50は、第1試薬分注プローブ21の吸引によって低下する第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さを求め、第1試薬分注プローブ21が吸引する前の第1試薬の液面の高さHから第1試薬の吸引によって低下する第1試薬の液面の高さを差し引くことにより、第1試薬分注プローブ21が吸引した後の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さ及び液量を算出する。そして、試薬算出部50は、第1試薬分注プローブ21の1回の分注動作によって更新される第1試薬分注プローブ21が吸引した後の各検査項目の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さ及び液量を、最新の液面の高さ及び液量として試薬情報記憶部60に保存する。
また、試薬算出部50は、試薬情報記憶部60に保存された各検査項目の第1試薬容器13内の第1試薬の最新の液面の高さ又は液量等に基づいて、第1試薬ラック14に保持された同じ保持位置の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さ又は液量を前後の分注動作で比較する。以下では、試薬算出部50は、今回の分注動作に基づき算出した各検査項目の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さと、今回の1回前の分注動作に基づき算出した当該検査項目の第1試薬容器13と同じ保持位置の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さとを比較する。
このように、各検査項目の第1試薬の分注動作ごとに当該検査項目の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さを試薬情報記憶部60に保存することにより、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さと、今回の1回前の分注動作に基づき算出した当該第1試薬容器13と同じ保持位置の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さとを比較することができる。
そして、試薬算出部50は、今回の分注動作に基づき算出した液面の高さと今回の1回前の分注動作に基づき算出した液面の高さとに違いがあると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した1試薬系の検査項目の第1試薬容器13内の第1試薬、又は今回の1回前の分注動作に基づき算出した2試薬系の検査項目の第1試薬容器13内の第1試薬及びこの第1試薬と対をなす第2試薬に対応する、データ記憶部72に保存されている当該検査項目の検量データに対して、有効性に関する第1のフラグを付加する。
また、試薬算出部50は、第2試薬分注プローブ26の分注動作に基づき第2試薬ラック16に保持された各検査項目の第2試薬容器15内の第2試薬の液面及び液量を分注動作ごとに算出する。
ここでは、試薬算出部50は、分析制御部45が駆動部40に供給した下駆動パルスの数に基づいて第2の上停止位置より第2試薬液面センサ29に検出される位置まで第2試薬分注プローブ26が移動した距離を求め、求めた距離から当該検査項目の第2試薬を第2試薬分注プローブ26が吸引する前の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さ及び液量を算出する。
次いで、試薬算出部50は、第2試薬分注プローブ26の吸引によって低下する第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さを求め、第2試薬分注プローブ26が吸引する前の第2試薬の液面の高さから第2試薬の吸引によって低下する第2試薬の液面の高さを差し引くことにより、第2試薬分注プローブ26が吸引した後の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さ及び液量を算出する。そして、試薬算出部50は、第2試薬分注プローブ26の1回の分注動作によって更新される第2試薬分注プローブ26が吸引した後の各検査項目の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さ及び液量を、最新の液面の高さ及び液量として試薬情報記憶部60に保存する。
また、試薬算出部50は、試薬情報記憶部60に保存された各検査項目の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さ又は液量等に基づいて、第2試薬ラック16に保持された同じ保持位置の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さ又は液量を前後の分注動作で比較する。以下では、試薬算出部50は、今回の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さと、今回の1回前の分注動作に基づき算出した当該第2試薬容器15と同じ保持位置の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さとを比較する。
このように、各検査項目の第2試薬の分注動作ごとに当該検査項目の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さを試薬情報記憶部60に保存することにより、今回の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さと、今回の1回前の分注動作に基づき算出した当該第2試薬容器15と同じ保持位置の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さとを比較することができる。
そして、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに違いがあると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した2試薬系の各検査項目の第2試薬容器15内の第2試薬及びこの第2試薬と対をなす第1試薬に対応する、データ記憶部72に保存されている当該検査項目の検量データに対して、有効性に関する第1のフラグを付加する。
試薬情報記憶部60は記憶回路等を有し、入力部90から入力された各検査項目の第1試薬容器13を保持させた第1試薬ラック14の保持位置、試薬算出部50により算出された当該第1試薬容器13内の第1試薬の最新の液面の高さ及び液量、この液面の高さ及び液量を算出する分注動作が行われたときの日時を保存する。また、試薬情報記憶部60は、入力部90から入力された各検査項目の第2試薬容器15を保持させた第2試薬ラック16の保持位置、試薬算出部50により算出された当該第2試薬容器15内の第2試薬の最新の液面の高さ及び液量、この液面の高さ及び液量を算出する分注動作が行われたときの日時を保存する。
演算部71は例えばCPUと記憶回路を有し、分析部10の測定部33で生成された各検査項目の標準データ及び当該検査項目の標準試料に対して予め設定された標準値に基づいて、当該検査項目の標準データと標準値との関係を示す検量データを生成する。また、演算部71は、測定部33で検査項目ごとに生成された被検データに対して、データ記憶部72に保存されている当該検査項目の検量データを用いて濃度値や酵素の活性値等の分析データを生成する。
データ記憶部72は、例えばハードディスクドライブ(HDD)等のストレージを有し、演算部71で生成された検量データを検査項目毎に保存する。また、演算部71で生成された各検査項目の分析データを被検試料毎に保存する。
表示部80は、例えばCRTや液晶パネルなどのモニタを有し、検査対象の各検査項目の名称、この名称の検査項目用の試料を反応容器17に分注させる分注量、当該検査項目が1試薬系及び2試薬系である場合の第1試薬を反応容器17に分注させる分注量、当該検査項目が2試薬系である場合の第2試薬を反応容器17に分注させる分注量等の分析パラメータを設定するための分析パラメータ設定画面を表示する。また、データ記憶部72に保存されている各検査項目の検量データの有効性を判定する判定値等を設定するための判定条件設定画面を表示する。
また、表示部80は、被検試料毎にこの被検試料を識別する試料ID及び検査対象の検査項目を設定するための検査項目設定画面を表示する。また、表示部80は、試薬情報記憶部60に保存された各検査項目の第1試薬や第2試薬の試薬名、この試薬名の第1及び第2試薬容器13,15が保持された第1及び第2試薬ラック14,16の保持位置等の試薬情報を設定するための試薬情報画面を表示する。
入力部90は、例えばキーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備えている。そして、入力部90は、各検査項目の分析パラメータを設定するための入力、試料ID及び検査項目を設定するための入力、判定値等を設定するための入力、各検査項目の試薬名、この試薬名の各第1及び第2試薬容器13,15の保持位置等の試薬情報を設定するための入力等を行う。
システム制御部91は、CPU及び記憶回路を備え、入力部90から入力されたコマンド信号、各検査項目の分析パラメータ、試料ID及び検査項目の情報、判定値、試薬情報等の入力情報を記憶回路に記憶した後、これらの入力情報に基づいて、分析制御部45、試薬算出部50、試薬情報記憶部60、演算部71、データ記憶部72及び表示部80を統括してシステム全体を制御する。
次に、表示部80に表示される判定条件設定画面について説明する。
表示部80に判定条件設定画面を表示させる入力が入力部90から行われると、表示部80は判定条件設定画面を表示する。
図4は、表示部80に表示された判定条件設定画面の一例を示した図である。この判定条件設定画面81は、「項目名」の欄と、「試薬」の欄と、「判定」の欄と、「処理」の欄とにより構成される。
「項目名」の欄には、分析パラメータが設定された検査項目Aの名称である「A」、検査項目Bの名称である「B」、検査項目Cの名称である「C」等が表示されている。
「試薬」の欄には、「項目名」の欄に名称が表示された各検査項目A,B,Cが例えば2試薬系の第1試薬に対応する「R1」と第2試薬に対応する「R2」が表示されている。
「判定」の欄には、入力部90からの判定値を設定する入力により、検査項目Aの第1及び第2試薬に対して判定値として設定された「H1」が四角枠に表示されている。また、検査項目Bの第1及び第2試薬に対して判定値として設定された「H2」が四角枠に表示されている。また、検査項目Cの第1及び第2試薬に対して判定値として設定された「H3」が四角枠に表示されている。
「処理」の欄には、入力部90からの入力により、検査項目Aに対する試薬算出部50の処理として設定された「フラグの付加」と、検査項目Bに対する試薬算出部50及び分析制御部45の処理として設定された「フラグの付加」及び「分注の停止」と、検査項目Cに対する試薬算出部50及び分析制御部45の処理として設定された「フラグの付加」、「分注の停止」及び「試薬渡り」とがそれぞれの四角枠に表示されている。
ここで、検査項目Aの第1試薬の分注において、試薬算出部50は、第1試薬分注プローブ21の今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さと、当該第1試薬容器13と同じ保持位置に保持され、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さとを比較する。そして、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに判定値として設定された「H1」に相当する高さH1を超える違いがあると、「フラグの付加」に対応する処理として、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬に対応する、当該第1試薬及びこの第1試薬と対をなす第2試薬の分注により生成された検査項目Aの検量データに対して、有効性に関する第1のフラグを付加する。また、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとの差が高さH1以下であると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬に対応する検査項目Aの検量データへの第1のフラグの付加を止める。
検査項目Aの第1試薬が分注された後の第2試薬の分注において、試薬算出部50は、第2試薬分注プローブ26の今回の分注動作に基づき算出した検査項目Aの第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さと、当該第2試薬容器15と同じ保持位置に保持され、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さとを比較する。そして、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに、判定値として設定された高さH1を超える違いがあると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15内の第2試薬に対応する、当該第2試薬及びこの第2試薬と対をなす第1試薬の分注により生成された検査項目Aの検量データに対して、第1のフラグを付加する。また、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとの差が高さH1以下であると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15内の第2試薬に対応する検査項目Aの検量データに対して、第1のフラグの付加を止める。
検査項目Bの第1試薬の分注において、試薬算出部50は、第1試薬分注プローブ21の今回の分注動作に基づき算出した検査項目Bの第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さと、当該第1試薬容器13と同じ保持位置に保持され、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さとを比較する。そして、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに判定値として設定された「H2」に相当する高さH2を超える違いがあると、「フラグの付加」に対応する処理として、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬に対応する検査項目Bの検量データに対して、第1のフラグを付加する。また、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとの差が高さH2以下であると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬に対応する検査項目Bの検量データに対して、第1のフラグの付加を止める。
分析制御部45は、検査項目Bの検量データに第1のフラグが付加されると、「分注の停止」に対応する処理として、第1試薬分注プローブ21による検査項目Bの第1試薬の今回以降の分注動作を停止させる。
検査項目Bの第1試薬が分注された後の第2試薬の分注において、試薬算出部50は、第2試薬分注プローブ26の今回の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さと、当該第2試薬容器15と同じ保持位置に保持され、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さとを比較する。そして、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに判定値として設定された高さH2を超える違いがあると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15内の第2試薬に対応する検査項目Bの検量データに対して、第1のフラグを付加する。また、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとの差が高さH2以下であると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15内の第2試薬に対応する検査項目Bの検量データに対して、第1のフラグの付加を止める。
分析制御部45は、検査項目Bの検量データに第1のフラグが付加されると、第1及び第2試薬分注プローブ21,26による検査項目Bの第1及び第2試薬の今回以降の分注動作を停止させる。
検査項目Cにおいて、第1試薬容器13とこの第1試薬容器13と対をなす第2試薬容器15を1対として複数の対の第1及び第2試薬容器13,15が第1及び第2試薬ラック14,16に保持され、複数の対の予め設定された早い順番の第1及び第2試薬容器13,15の第1及び第2試薬に対応する、当該第1及び第2試薬の分注により生成された第1の検量データ、早い順番の次の順番の第1及び第2試薬容器13,15の第1及び第2試薬に対応する、当該第1及び第2試薬の分注により生成された第2の検量データがデータ記憶部72に保存される。
検査項目Cの早い順番の第1試薬の分注において、試薬算出部50は、第1試薬分注プローブ21の今回の分注動作に基づき算出した検査項目Cの第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さと、当該第1試薬容器13と同じ保持位置に保持され、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さとを比較する。そして、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに、判定値として設定された「H3」に相当する高さH3を超える違いがあると、「フラグの付加」に対応する処理として、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13に対応する第1の検量データに対して、第1のフラグを付加する。また、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとの差が高さH3以下であると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13に対応する第1の検量データに対して、第1のフラグの付加を止める。
分析制御部45は、早い順番の第1の検量データに第1のフラグが付加されると、「分注の停止」に対応する処理として、第1及び第2試薬分注プローブ21,26による検査項目Cの早い順番の第1及び第2試薬の今回以降の分注動作を停止させる。
早い順番の第1試薬が分注された後の早い順番の第2試薬の分注において、試薬算出部50は、第2試薬分注プローブ26の今回の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さと、当該第2試薬容器15と同じ保持位置に保持され、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さとを比較する。そして、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに、判定値として設定された高さH3を超える違いがあると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15に対応する第1の検量データに対して、第1のフラグを付加する。また、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとの差が高さH3以下であると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15に対応する第1の検量データに対して、第1のフラグの付加を止める。
分析制御部45は、第1の検量データに第1のフラグが付加されると、第1及び第2試薬分注プローブ21,26による検査項目Cの早い順番の第1及び第2試薬の今回以降の分注動作を停止させる。そして、分析制御部45は、早い順番の第1試薬又は第2試薬の分注を停止させると、「試薬渡り」に対応する処理として、次の順番の第1及び第2試薬容器13,15の第1及び第2試薬を分注させる。
次の順番の第1試薬の分注において、試薬算出部50は、第1試薬分注プローブ21の今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さと、当該第1試薬容器13と同じ保持位置に保持され、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さとを比較する。そして、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに高さH3を超える違いがあると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬に対応する第2の検量データに対して、第1のフラグを付加する。また、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとの差が高さH3以下であると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13の第1試薬に対応する第2の検量データに対して、第1のフラグの付加を止める。
分析制御部45は、第2の検量データに第1のフラグが付加されると、第1及び第2試薬分注プローブ21,26による検査項目Cの次の順番の第1及び第2試薬の今回以降の分注動作を停止させる。
次の順番の第1試薬が分注された後の次の順番の第2試薬の分注において、試薬算出部50は、第2試薬分注プローブ26の今回の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さと、今回の1回前の分注動作に基づき算出した当該第2試薬容器15と同じ保持位置の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さとを比較する。そして、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに高さH3を超える違いがあると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15に対応する第2の検量データに対して、第1のフラグを付加する。また、試薬算出部50は、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとの差が高さH3以下であると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15に対応する第2の検量データに対して、第1のフラグの付加を止める。
分析制御部45は、第2の検量データに第1のフラグが付加されると、第1及び第2試薬分注プローブ21,26による検査項目Cの次の順番の第1及び第2試薬の今回以降の分注動作を停止させる。
なお、検査中に入力部90からポーズの入力が行われることなく各検査項目の第1及び第2試薬の分注が連続して行われている場合、今回の1回前の分注動作が行われてから今回の分注動作が行われるまでの間、同じ保持位置の各第1及び第2試薬容器13,15内の各第1及び第2試薬の液面の高さに違いが生じることがないので、例えば各第1及び第2試薬液面センサ24,29の検出誤差に基づいた値を判定値とする。
また、今回の1回前の分注動作が入力部90からのポーズの入力の前であり、今回の分注動作がポーズ解除後となるような分注動作の間隔である場合、今回の1回前の分注動作が行われてから今回の分注動作が行われるまでの間、同じ保持位置の各第1及び第2試薬容器13,15に対して各第1及び第2試薬容器13,15の交換や各第1及び第2試薬の継ぎ足し等の取り扱いがないと、同じ保持位置の各第1及び第2試薬容器13,15内の各第1及び第2試薬の液面の高さとに違いが生じることがないので、例えば各第1及び第2試薬液面センサ24,29の検出誤差に基づいた値を判定値とする。
また、今回の1回前の分注動作が入力部90から検査開始の入力が行われる前であり、今回の分注動作が検査開始の入力が行われるような分注動作の間隔がポーズのときよりも長時間となる場合、今回の1回前の分注動作が行われてから今回の分注動作が行われるまでの間、同じ保持位置の各第1及び第2試薬容器13,15に対して各第1及び第2試薬容器13,15の交換や各第1及び第2試薬の継ぎ足し等の取り扱いがないと、同じ保持位置の各第1及び第2試薬容器13,15内の各第1及び第2試薬の液面の高さとに、蒸発による減少以外の違いが生じることがないので、例えば各第1及び第2試薬液面センサ24,29の検出誤差に加えて蒸発の分を加えた値を判定値とする。
以下、図1乃至図7を参照して、自動分析装置100の動作の一例を説明する。
試薬情報記憶部60には、入力部90から入力された検査項目Aの第1試薬容器13の保持位置A1、検査項目Bの第1試薬容器13の保持位置B1、検査項目Cの2対のうちの早い順番の第1試薬容器13の保持位置C1、検査項目Cの次の順番の第1試薬容器13の保持位置C2等の各検査項目の第1試薬容器13が保持された第1試薬ラック14の保持位置の情報が保存されている。
また、試薬情報記憶部60には、入力部90から入力された保持位置A1の第1試薬容器13と対をなす第2試薬容器15の保持位置A2、保持位置B1の第1試薬容器13と対をなす第2試薬容器15の保持位置B2、保持位置C1の第1試薬容器13と対をなす早い順番の第2試薬容器15の保持位置C3、保持位置C2の第1試薬容器13と対をなす次の順番の第2試薬容器15の保持位置C4等の各検査項目の第2試薬容器15が保持された第2試薬ラック16の保持位置の情報が保存されている。
また、試薬情報記憶部60には、試薬算出部50により算出された保持位置A1の第1試薬容器13内の第1試薬の最新の液面の高さ及び液量、保持位置B1の第1試薬容器13内の第1試薬の最新の液面の高さ及び液量、保持位置C1の第1試薬容器13内の第1試薬の最新の液面の高さ及び液量、保持位置C2の第1試薬容器13内の第1試薬の最新の液面の高さ及び液量、保持位置A2の第2試薬容器15内の第2試薬の最新の液面の高さ及び液量、保持位置B2の第2試薬容器15内の第2試薬の最新の液面の高さ及び液量、保持位置C3の第2試薬容器15内の第2試薬の最新の液面の高さ及び液量、保持位置C4の第2試薬容器15内の第2試薬の最新の液面の高さ及び液量等の各保持位置の各第1及び第2試薬容器13,15の最新の液面の高さ及び液量の情報が保存されている。
データ記憶部72には、保持位置A1,A2における1対の第1及び第2試薬容器13,15の第1及び第2試薬に対応する検査項目Aの検量データ、保持位置B1,B2における1対の第1及び第2試薬容器13,15の第1及び第2試薬に対応する検査項目Bの検量データ、保持位置C1,C3における早い順番の1対目の第1及び第2試薬容器13,15の第1及び第2試薬に対応する検査項目Cの第1の検量データ、保持位置C2,C4における次の順番の第1及び第2試薬容器13,15の第1及び第2試薬に対応する検査項目Cの第2の検量データ等の各検査項目の検量データが保存されている。
図5は、検査項目Aの第1及び第2試薬の分注が行われるときの試薬算出部50及び分析制御部45の動作を示したフローチャートである。
入力部90から検査開始の入力又はポーズ解除の入力が行われてからの検査項目Aの第1試薬の分注において、第1試薬分注プローブ21は、第1試薬ラック14に保持された保持位置A1の第1試薬容器13上方の第1の上停止位置ULから下降し、当該第1試薬容器13内の第1試薬の液面に接触して第1試薬液面センサ24に検出される位置より距離D1下方となる第1の吸引位置P1で停止する。
試薬算出部50は、第1試薬分注プローブ21が保持位置A1の第1試薬容器13内の第1試薬を分注する今回の分動作により第1の吸引位置P1に停止したとき、保持位置A1の第1試薬容器13内の第1試薬の今回の液面の高さを算出する(ステップS1)。
試薬算出部50は、今回の分注動作に基づき算出した保持位置A1の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さと、今回の1回前の分注動作に基づき算出した保持位置A1の第1試薬容器13の第1試薬の液面の高さである、試薬情報記憶部60に保存されている保持位置A1の第1試薬容器13内の第1試薬の最新の液面の高さとを比較する(ステップS2)。
このように、試薬情報記憶部60に保存されている保持位置A1の第1試薬容器13内の第1試薬の最新の液面の高さを今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13の第1試薬の液面の高さとして、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13の第1試薬の液面の高さと比較することができる。
今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに高さH1を超える違いがある場合(ステップS3のいいえ)、ステップS4に移行する。また、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとの差が高さH1以下である場合(ステップS3のはい)、ステップS5に移行する。
ステップS3の「いいえ」の後、試薬算出部50は、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13の第1試薬に対応する、データ記憶部72に保存されている検査項目Aの検量データに対して、第1のフラグを付加する(ステップS4)。
このように、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに違いがあると、今回の1回前の分注動作が行われてから、検査の開始やポーズ解除により今回の分注動作が行われるまでの間に、保持位置A1の第1試薬容器13に対して、異なる検査項目や異なるロット等の第1試薬容器13への置き間違えや、第1試薬の継ぎ足し等が行われたことを推測することができる。
試薬算出部50は、第1のフラグを付加した検量データを表示部80に表示させる。また、試薬算出部50は、第1のフラグに対応する情報として、「保持位置A1の第1試薬容器13が置き換えられている可能性があります」や、「保持位置A1の第1試薬容器13に対して検量データを用いると、分析データが異常値になる可能性があります」等の保持位置A1に保持されている第1試薬容器13の第1試薬に対して検査項目Aの検量データが有効でない可能性があることを意味するメッセージを表示部80に表示させる。
このように、データ記憶部72に保存されている検査項目Aの検量データへの第1のフラグの付加に応じて、第1のフラグが付加された検量データを表示部80に表示させることができる。これにより、検査項目Aの検量データの有効性に関する情報を自動分析装置100の操作者に知らせることができる。
また、検査項目Aの検量データへの第1のフラグの付加に応じて、その第1のフラグに対応するメッセージを表示部80に表示させることにより、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13の第1試薬に対して、データ記憶部72に保存されている検査項目Aの検量データを用いると、今回の1回前の分注動作が行われてから今回の分注動作が行われるまでの間の保持位置A1への第1試薬容器13の置き間違えや、保持位置A1の第1試薬容器13への第1試薬の継ぎ足し等の作業が原因で、当該第1試薬の分注により検査項目Aの検量データを用いて生成される分析データが異常な値になる可能性があることを、自動分析装置100の操作者に知らせることができる。
ステップS3の「はい」又はステップS4の後、第1試薬分注プローブ21は、保持位置A1の第1試薬容器13内の第1試薬を吸引して、被検試料が分注された反応容器17に吐出する分注を行う。試薬算出部50は、第1試薬分注プローブ21が第1試薬を吸引した後の保持位置A1の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さを算出し、算出した液面の高さを最新の液面の高さとして試薬情報記憶部60に保存する(ステップS5)。
検査項目Aの第1試薬が分注された後の第2試薬の分注において、第2試薬分注プローブ26は、第2試薬ラック16に保持された保持位置A2の第2試薬容器15上方の第2の上停止位置から下降し、当該第2試薬容器15内の第2試薬の液面に接触して第2試薬液面センサ29に検出される位置より距離D1下方となる第2の吸引位置で停止する。
試薬算出部50は、第2試薬分注プローブ26が保持位置A2の第2試薬容器15内の第2試薬を分注する今回の分動作により第2の吸引位置に停止したとき、保持位置A2の第2試薬容器15内の第2試薬の今回の液面の高さを算出する(ステップS6)。
試薬算出部50は、今回の分注動作に基づき算出した保持位置A2の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さと、今回の1回前の分注動作に基づき算出した保持位置A2の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さである、試薬情報記憶部60に保存されている保持位置A2の第2試薬容器15内の第2試薬の最新の液面の高さとを比較する(ステップS7)。
このように、試薬情報記憶部60に保存されている保持位置A2の第2試薬容器15内の第2試薬の最新の液面の高さを今回の1回前の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15の第2試薬の液面の高さとして、今回の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15の第2試薬の今回の液面の高さと比較することができる。
今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに高さH1を超える違いがある場合(ステップS8のいいえ)、ステップS9へ移行する。また、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとの差が高さH1以下である場合(ステップS8のはい)、ステップS10へ移行する。
ステップS8の「いいえ」の後、試薬算出部50は、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15の第2試薬に対応する、データ記憶部72に保存されている検査項目Aの検量データに対して、第1のフラグを付加する(ステップS9)。
試薬算出部50は、第1のフラグを付加した検量データを表示部80に表示させる。また、試薬算出部50は、第1のフラグに対応する情報として、保持位置A2に保持されている第2試薬容器15の第2試薬に対して検査項目Aの検量データが有効でない可能性があることを意味するメッセージを表示部80に表示させる。
このように、データ記憶部72に保存されている検査項目Aの検量データへの第1のフラグの付加に応じて、第1のフラグが付加された検量データを表示部80に表示させることができる。これにより、検査項目Aの検量データの有効性に関する情報を操作者に知らせることができる。
また、検査項目Aの検量データへの第1のフラグの付加に応じて、その第1のフラグに対応するメッセージを表示部80に表示させることにより、今回の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15の第2試薬に対して、データ記憶部72に保存されている検査項目Aの検量データを用いると、今回の1回前の分注動作が行われてから今回の分注動作が行われるまでの間の保持位置A2への第2試薬容器15の置き間違えや、保持位置A2の第2試薬容器15への第2試薬の継ぎ足し等の作業が原因で、今回の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15の第2試薬の分注により検査項目Aの検量データを用いて生成される分析データが異常な値になる可能性があることを、操作者に事前に知らせることができる。
ステップS8の「はい」又はステップS9の後、第2試薬分注プローブ26は、保持位置A2の第2試薬容器15内の第2試薬を吸引して、保持位置A1の第1試薬容器13の第1試薬が分注された反応容器17に吐出する分注を行う。試薬算出部50は、第2試薬分注プローブ26が第2試薬を吸引した後の保持位置A2の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さを算出し、算出した液面の高さを最新の液面の高さとして試薬情報記憶部60に保存する(ステップS10)。
ステップS10の後、演算部71は、データ記憶部72に保存されている検査項目Aの検量データを用いて、被検試料、第1試薬及び第2試薬が分注された反応容器17内の混合液に対する分析データを生成する。そして、演算部71は、データ記憶部72に保存されている検査項目Aの検量データに第1のフラグが付加されている場合、第1のフラグが付加された検量データを用いたことを示す第2のフラグを分析データに付加してデータ記憶部72に保存する。また、演算部71は、データ記憶部72に保存されている検査項目Aの検量データに第1のフラグが付加されていない場合、第2のフラグを付加しない分析データをデータ記憶部72に保存する。
このように、第1のフラグが付加された検量データを用いて生成された分析データに対して、当該検量データを用いて生成されたことを示す第2のフラグを付加することができる。
図6は、検査項目Bの第1及び第2試薬の分注が行われるときの試薬算出部50及び分析制御部45の動作を示したフローチャートである。
入力部90から検査開始の入力又はポーズ解除の入力が行われてからの検査項目Bの第1試薬の分注において、第1試薬分注プローブ21は、第1試薬ラック14に保持された保持位置B1の第1試薬容器13上方の第1の上停止位置ULから下降し、当該第1試薬容器13内の第1試薬の液面に接触して第1試薬液面センサ24に検出される位置より距離D1下方となる第1の吸引位置P1で停止する。
試薬算出部50は、第1試薬分注プローブ21が保持位置B1の第1試薬容器13内の第1試薬を反応容器17に分注する今回の分動作により第1の吸引位置P1に停止したとき、保持位置B1の第1試薬容器13内の第1試薬の今回の液面の高さを算出する(ステップS11)。
試薬算出部50は、今回の分注動作に基づき算出した保持位置B1の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さと、今回の1回前の分注動作に基づき算出した保持位置B1の第1試薬容器13の第1試薬の液面の高さである、試薬情報記憶部60に保存されている保持位置B1の第1試薬容器13内の第1試薬の最新の液面の高さとを比較する(ステップS12)。
今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとの差が高さH2以下である場合(ステップS13のはい)、ステップS14へ移行する。また、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに高さH2を超える違いがある場合(ステップS13のいいえ)、ステップS15へ移行する。
ステップS13の「はい」の後、第1試薬分注プローブ21は、保持位置B1の第1試薬容器13内の第1試薬を吸引して、被検試料が分注された反応容器17に吐出する分注を行う。試薬算出部50は、第1試薬分注プローブ21が第1試薬を吸引した後の保持位置B1の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さを算出し、算出した液面の高さを最新の液面の高さとして試薬情報記憶部60に保存する(ステップS14)。
ステップS13の「いいえ」の後、試薬算出部50は、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13の第1試薬に対応する、データ記憶部72に保持されている検査項目Bの検量データに対して、第1のフラグを付加する(ステップS15)。
試薬算出部50は、第1のフラグを付加した検量データを表示部80に表示させる。また、試薬算出部50は、第1のフラグに対応する情報として、保持位置B1に保持されている第1試薬容器13の第1試薬に対して検査項目Bの検量データが有効でない可能性があることを意味するメッセージを表示部80に表示させる。分析制御部45は、検量データに第1のフラグが付加されると、保持位置B1の第1試薬容器13からの今回以降の第1試薬の分注を停止させる。
このように、データ記憶部72に保存されている検査項目Bの検量データへの第1のフラグの付加に応じて、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13の第1試薬の分注を停止させることができる。これにより、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13の第1試薬に対して、データ記憶部72に保存されている検査項目Bの検量データを用いると、今回の1回前の分注動作が行われてから今回の分注動作が行われるまでの間の保持位置B1への第1試薬容器13の置き間違えや、保持位置B1の第1試薬容器13への第1試薬の継ぎ足し等の作業が原因で異常な値になる可能性がある分析データの生成を未然に防ぐことができる。
検査項目Bの第1試薬が分注された後の第2試薬の分注において、第2試薬分注プローブ26は、第2試薬ラック16に保持された保持位置B2の第2試薬容器15上方の第2の上停止位置から下降し、当該第2試薬容器15内の第2試薬の液面に接触して第2試薬液面センサ29に検出される位置より距離D1下方となる第2の吸引位置で停止する。
試薬算出部50は、第2試薬分注プローブ26が保持位置B2の第2試薬容器15内の第2試薬を分注する今回の分注動作により第2の吸引位置に停止したとき、保持位置B2の第2試薬容器15内の第2試薬の今回の液面の高さを算出する(ステップS16)。
試薬算出部50は、今回の分注動作に基づき算出した保持位置B2の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さと、今回の1回前の分注動作に基づき算出した保持位置B2の第2試薬容器15の第2試薬の液面の高さである、試薬情報記憶部60に保存されている保持位置B2の第2試薬容器15内の第2試薬の最新の液面の高さとを比較する(ステップS17)。
今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとの差が高さH2以下である場合(ステップS18のはい)、ステップS19へ移行する。また、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに高さH2を超える違いがある場合(ステップS18のいいえ)、ステップS20へ移行する。
ステップS18の「はい」の後、第2試薬分注プローブ26は、保持位置B2の第2試薬容器15内の第2試薬を吸引して、保持位置B1の第1試薬容器13の第1試薬が分注された反応容器17に吐出する分注を行う。試薬算出部50は、第2試薬分注プローブ26が第2試薬を吸引した後の保持位置B2の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さを算出し、算出した液面の高さを最新の液面の高さとして試薬情報記憶部60に保存する(ステップS19)。
ステップS18の「いいえ」の後、試薬算出部50は、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15の第2試薬に対応する、データ記憶部72に保持されている検査項目Bの検量データに対して、第1のフラグを付加する(ステップS20)。
試薬算出部50は、第1のフラグを付加した検量データを表示部80に表示させる。また、試薬算出部50は、第1のフラグに対応する情報として、保持位置B2に保持されている第2試薬容器15の第2試薬に対して検査項目Bの検量データが有効でない可能性があることを意味するメッセージを表示部80に表示させる。分析制御部45は、検量データに第1のフラグが付加されると、保持位置B2の第2試薬容器15からの今回以降の第2試薬の分注を停止させる。
このように、データ記憶部72に保存されている検査項目Bの検量データへの第1のフラグの付加に応じて、今回の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15の第2試薬の分注を停止させることができる。これにより、今回の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15の第2試薬に対して、データ記憶部72に保存されている検査項目Bの検量データを用いると、今回の1回前の分注動作が行われてから今回の分注動作が行われるまでの間の保持位置B2への第2試薬容器15の置き間違えや、保持位置B2の第2試薬容器15への第2試薬の継ぎ足し等の作業が原因で異常な値になる可能性がある分析データの生成を未然に防ぐことができる。
演算部71は、データ記憶部72に保存されている検査項目Bの検量データを用いて、被検試料、第1試薬及び第2試薬が分注された反応容器17内の混合液に対する分析データを生成し、その分析データをデータ記憶部72に保存する。
図7は、検査項目Cの第1及び第2試薬の分注が行われるときの試薬算出部50及び分析制御部45の動作を示したフローチャートである。
入力部90から検査開始の入力又はポーズ解除の入力が行われてからの検査項目Cの第1試薬の分注において、第1試薬分注プローブ21は、第1試薬ラック14に保持された保持位置C1の第1試薬容器13上方の第1の上停止位置ULから下降し、当該第1試薬容器13内の第1試薬の液面に接触して第1試薬液面センサ24に検出される位置より距離D1下方となる第1の吸引位置P1で停止する。
試薬算出部50は、第1試薬分注プローブ21が保持位置C1の第1試薬容器13内の第1試薬を反応容器17に分注する今回の分動作により第1の吸引位置P1に停止したとき、保持位置C1の第1試薬容器13内の第1試薬の今回の液面の高さを算出する(ステップS21)。
試薬算出部50は、今回の分注動作に基づき算出した保持位置C1の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さと、今回の1回前の分注動作に基づき算出した保持位置C1の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さである、試薬情報記憶部60に保存されている保持位置C1の第1試薬容器13内の第1試薬の最新の液面の高さとを比較する(ステップS22)。
今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとの差が高さH3以下である場合(ステップS23のはい)、ステップS24へ移行する。また、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに高さH3を超える違いがある場合(ステップS23のいいえ)、ステップS25へ移行する。
ステップS23の「はい」の後、第1試薬分注プローブ21は、保持位置C1の第1試薬容器13内の第1試薬を吸引して、被検試料が分注された反応容器17に吐出する分注を行う。試薬算出部50は、第1試薬分注プローブ21が第1試薬を吸引した後の保持位置C1の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さを算出し、算出した液面の高さを最新の液面の高さとして試薬情報記憶部60に保存する(ステップS24)。
ステップS23の「いいえ」の後、試薬算出部50は、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13の第1試薬に対応する、データ記憶部72に保持されている検査項目Cの第1の検量データに対して、第1のフラグを付加する(ステップS25)。
試薬算出部50は、第1のフラグを付加した第1の検量データを表示部80に表示させる。また、試薬算出部50は、第1のフラグに対応する情報として、保持位置C1に保持されている第1試薬容器13の第1試薬に対して検査項目Cの第1の検量データが有効でない可能性があることを意味するメッセージを表示部80に表示させる。分析制御部45は、検査項目Cの第1の検量データに第1のフラグが付加されると、保持位置C1の第1試薬容器13からの今回以降の第1試薬の分注を停止させる。
このように、データ記憶部72に保存されている検査項目Cの第1の検量データへの第1のフラグの付加に応じて、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13の第1試薬の分注を停止させることができる。これにより、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13の第1試薬に対して、データ記憶部72に保存されている検査項目Cの第1の検量データを用いると、今回の1回前の分注動作が行われてから今回の分注動作が行われるまでの間の保持位置C1への第1試薬容器13の置き間違えや、保持位置C1の第1試薬容器13への第1試薬の継ぎ足し等の作業が原因で異常な値になる可能性がある分析データの生成を未然に防ぐことができる。
検査項目Cの保持位置C1の第1試薬が分注された後の第2試薬の分注において、第2試薬分注プローブ26は、保持位置C3の第2試薬容器15上方の第2の上停止位置から下降し、当該第2試薬容器15内の第2試薬の液面に接触して第2試薬液面センサ29に検出される位置より距離D1下方となる第2の吸引位置で停止する。
試薬算出部50は、第2試薬分注プローブ26が保持位置C3の第2試薬容器15内の第2試薬を分注する今回の分注動作により第2の吸引位置に停止したとき、保持位置C3の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さを算出する(ステップS26)。
試薬算出部50は、今回の分注動作に基づき算出した保持位置C3の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さと、今回の1回前の分注動作に基づき算出した保持位置C3の第2試薬容器15の第2試薬の液面の高さである、試薬情報記憶部60に保存されている保持位置C3の第2試薬容器15内の第2試薬の最新の液面の高さとを比較する(ステップS27)。
今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとの差が高さH3以下である場合(ステップS28のはい)、ステップS29へ移行する。また、今回の液面の高さと今回の1回前の液面の高さとに高さH3を超える違いがある場合(ステップS28のいいえ)、ステップS30へ移行する。
ステップS28の「はい」の後、第2試薬分注プローブ26は、保持位置C3の第2試薬容器15内の第2試薬を吸引して、保持位置C1の第1試薬容器13の第1試薬が分注された反応容器17に吐出する分注を行う。試薬算出部50は、第2試薬分注プローブ26が第2試薬を吸引した後の保持位置C3の第2試薬容器15内の第2試薬の液面の高さを算出し、算出した液面の高さを最新の液面の高さとして試薬情報記憶部60に保存する(ステップS29)。
ステップS28の「いいえ」の後、試薬算出部50は、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15の第2試薬に対応する、データ記憶部72に保持されている検査項目Cの第1の検量データに対して、第1のフラグを付加する(ステップS30)。
試薬算出部50は、第1のフラグを付加した第1の検量データを表示部80に表示させる。また、試薬算出部50は、第1のフラグに対応する情報として、保持位置C3に保持されている第2試薬容器15の第2試薬に対して検査項目Cの第1の検量データが有効でない可能性があることを意味するメッセージを表示部80に表示させる。分析制御部45は、検査項目Cの第1の検量データに第1のフラグが付加されると、保持位置C3の第2試薬容器15からの今回以降の第2試薬の分注を停止させる。
このように、データ記憶部72に保存されている検査項目Cの第1の検量データへの第1のフラグの付加に応じて、今回の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15の第2試薬の分注を停止させることができる。これにより、今回の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15の第2試薬に対して、データ記憶部72に保存されている検査項目Cの第1の検量データを用いると、今回の1回前の分注動作が行われてから今回の分注動作が行われるまでの間の保持位置C3への第2試薬容器15の置き間違えや、保持位置C3の第2試薬容器15への第2試薬の継ぎ足し等の作業が原因で異常な値になる可能性がある分析データの生成を未然に防ぐことができる。
ステップS29の後、演算部71は、データ記憶部72に保存されている検査項Cの第1の検量データを用いて、被検試料、第1試薬及び第2試薬が分注された反応容器17内の混合液に対する分析データを生成し、その分析データをデータ記憶部72に保存する。
保持位置C1の第1試薬容器13の第1試薬の分注が停止された後、又は保持位置C3の第2試薬容器15の第2試薬の分注が停止された後、分析制御部45は、2対目の第1及び第2試薬容器13,15の第1及び第2試薬を分注させる分注動作を実行させる。2対目の第1及び第2試薬容器13,15の第1及び第2試薬の分注動作に関しては、保持位置C1の第1試薬容器13、保持位置C3の第2試薬容器15及び第1の検量データを、保持位置C2の第1試薬容器13、保持位置C4の第2試薬容器15及び第2の検量データに置き換えて、保持位置C1の第1試薬容器13、保持位置C3の第2試薬容器15及び第1の検量データの場合と同様にステップS21乃至S30を実行させる。
このように、データ記憶部72に保存されている検査項目Cの第2の検量データへの第1のフラグの付加に応じて、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13の第1試薬の分注を停止させることができる。これにより、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13の第1試薬に対して、データ記憶部72に保存されている検査項目Cの第2の検量データを用いると、今回の1回前の分注動作が行われてから今回の分注動作が行われるまでの間の保持位置C2への第1試薬容器13の置き間違えや、保持位置C2の第1試薬容器13への第1試薬の継ぎ足し等の作業が原因で異常な値になる可能性がある分析データの生成を未然に防ぐことができる。
また、データ記憶部72に保存されている検査項目Cの第2の検量データへの第1のフラグの付加に応じて、今回の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15の第2試薬の分注を停止させることができる。これにより、今回の分注動作に基づき算出した第2試薬容器15の第2試薬に対して、データ記憶部72に保存されている検査項目Cの第2の検量データを用いると、今回の1回前の分注動作が行われてから今回の分注動作が行われるまでの間の保持位置C4への第2試薬容器15の置き間違えや、保持位置C4の第2試薬容器15への第2試薬の継ぎ足し等の作業が原因で異常な値になる可能性がある分析データの生成を未然に防ぐことができる。
以上述べた実施形態によれば、各検査項目の第1試薬の分注毎に当該検査項目の第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さを試薬情報記憶部60に保存することにより、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さと、当該第1試薬容器13と同じ保持位置に保持され、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さとを比較することができる。
そして、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さと、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さとに違いがあると、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬に対応する検量データとしてデータ記憶部72に保持されている検量データに対して第1のフラグを付加し、第1のフラグを付加した検量データを表示部80に表示させることができる。これにより、操作者に検量データの有効性に関する情報を操作者に知らせることができる。
また、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さと、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さとに違いがあると、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13の第1試薬に対して検量データが有効でない可能性があることを意味するメッセージを表示部80に表示させることができる。これにより、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13の第1試薬に対して第1のフラグが付加された検量データを用いると、今回の1回前の分注動作が行われてから今回の分注動作が行われるまでの間の第1試薬容器13の置き間違えや、第1試薬容器13への第1試薬の継ぎ足し等の作業が原因で、当該第1試薬の分注により第1のフラグが付加された検量データを用いて生成される分析データが異常な値になる可能性があることを操作者に知らせることができる。
また、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の分注により第1のフラグが付加された検量データを用いて生成された分析データに対して第2のフラグを付加することができる。
また、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さと、当該第1試薬容器13と同じ保持位置に保持され、今回の1回前の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の液面の高さとに違いがあると、今回の分注動作に基づき算出した第1試薬容器13内の第1試薬の反応容器17への分注を停止させることができる。これにより、今回の1回前の分注動作が行われてから今回の分注動作が行われるまでの間の第1試薬容器13の置き間違えや、第1試薬容器13への第1試薬の継ぎ足し等の作業が原因で異常な値になる可能性がある分析データの生成を未然に防ぐことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。