JP7064943B2 - 組成物及びその成形体、並びに被覆材 - Google Patents

組成物及びその成形体、並びに被覆材 Download PDF

Info

Publication number
JP7064943B2
JP7064943B2 JP2018086638A JP2018086638A JP7064943B2 JP 7064943 B2 JP7064943 B2 JP 7064943B2 JP 2018086638 A JP2018086638 A JP 2018086638A JP 2018086638 A JP2018086638 A JP 2018086638A JP 7064943 B2 JP7064943 B2 JP 7064943B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
composition
ethylene
vinyl acetate
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018086638A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019189800A (ja
Inventor
崇 三井
昌男 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP2018086638A priority Critical patent/JP7064943B2/ja
Publication of JP2019189800A publication Critical patent/JP2019189800A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7064943B2 publication Critical patent/JP7064943B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、組成物及びその成形体、並びに被覆材に関する。
自動車のインストルメントパネルには、空調装置から車内へと吹き出す空調用空気の量及び吹き出す向きを制御する空調用レジスタ(例えば、特許文献1)が備えられており、吹き出す空気の量はレジスタのダンパの開閉によって制御される。
特許第6221957号
空調用空気の通る風路の樹脂製の内壁に接触するダンパの端部は、ダンパが閉じているときの空調用空気の漏れを防ぐために、ダンパの本体に比べて高い柔軟性を有し、樹脂製の内壁と密に接触することのできる材料によって被覆されていることが好ましい。そして、ダンパを閉じている状態から開く際には、ダンパ端部の被覆材と樹脂製の内壁とがスムーズに離型することが求められる。しかしながら、従来の被覆材は、樹脂部材に対する離型性が十分でなく、異音が生じる場合があった。
本発明は、樹脂部材に対して高い離型性を有する被覆材を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る組成物は、エチレン-酢酸ビニル共重合体と、オレフィン系ポリマーと、シリコーン化合物と、脂肪酸アミドと、を含む。
上記組成物のメルトフローレートは、20g/10分以上であってよい。20g/10分以上のメルトフローレートを有する組成物は射出成形に好適である。また、このように高いメルトフローレートを有する組成物によれば、柔軟性の高い被覆材を得ることができる。
上記組成物は、熱可塑性エラストマー及び鉱油をさらに含んでもよい。
上記オレフィン系ポリマーはポリプロピレンであってもよい。
上記組成物全量に対する上記脂肪酸アミドの量は0.2質量%以上であってよい。
上記組成物全量に対する、上記エチレン-酢酸ビニル共重合体と上記オレフィン系ポリマーの合計量は13質量%以上であってよい。
本発明の一形態に係る成形体は、上記組成物の成形体である。
本発明の一形態に係る被覆材は、上記成形体からなる。
本発明の一形態に係る樹脂製品は、基材と、該基材の少なくとも一部を被覆する上記被覆材と、を備える。
本発明の一実施形態に係る被覆材は、樹脂部材に対して高い離型性を有する。したがって、被覆材を樹脂部材から離型する際に、異音の発生を低減することができる。
実施形態に係る成形体の斜視図である。 図1におけるII-II線断面図である。
(組成物)
本発明の一実施形態に係る組成物は、エチレン-酢酸ビニル共重合体と、オレフィン系ポリマーと、シリコーン化合物と、脂肪酸アミドと、を含む。組成物は、粘性のある液状、半固体状、及び、ペレット等の固体状のいずれであってもよい。
エチレン-酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」ともいう。)は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体であり、エチレン-酢酸ビニル共重合体はブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよい。エチレン-酢酸ビニル共重合体は、架橋されていても、架橋されていなくてもよい。
エチレン-酢酸ビニル共重合体における、エチレンに由来するモノマー単位と酢酸ビニルに由来するモノマー単位の割合は特に限定されない。エチレン-酢酸ビニル共重合体は、例えば、酢酸ビニル20~90質量%とエチレン10~80質量%との共重合体であってもよい。架橋されたエチレン-酢酸ビニル共重合体を用いる場合、シリコーン化合物のブリードを低減する観点、及び、耐熱性等の機械的特性、耐候性及び耐寒性の観点から、エチレン-酢酸ビニル共重合体は、例えば、酢酸ビニル30~90質量%とエチレン10~70質量%との共重合体、酢酸ビニル40~90質量%とエチレン10~60質量%との共重合体、又は酢酸ビニル40~80質量%とエチレン20~60質量%との共重合体であってよい。架橋されていないエチレン-酢酸ビニル共重合体を用いる場合、シリコーン化合物のブリードを低減する観点から、エチレン-酢酸ビニル共重合体は、例えば、酢酸ビニル60~90質量%とエチレン10~40質量%との共重合体であってよい。
エチレン-酢酸ビニル共重合体のムーニー粘度は、特に限定されず、例えば、3~60又は15~50であってよい。本明細書において、エチレン-酢酸ビニル共重合体のムーニー粘度とは、エチレン-酢酸ビニル共重合体試料を100℃に加熱し、試料中で毎分2回転する円板にかかるトルクから求められ、予備加熱1分間の後、回転開始から4分経過後での値である。
エチレン-酢酸ビニル共重合体の重量平均分子量は、特に限定されず、例えば、5,000~1,000,000又は10,000~600,000であってよい。本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定して得られる標準ポリスチレン換算値である。
オレフィン系ポリマーは、1種又は2種以上のオレフィンモノマーに由来するモノマー単位から実質的に構成されるポリマーである。ここで、1種又は2種以上のオレフィンモノマーに由来するモノマー単位から実質的に構成されるポリマーであるとは、オレフィン系ポリマー全量において、オレフィンモノマーに由来するモノマー単位から構成される部分が、90質量%以上、95質量%以上、又は99質量%以上である場合を意味する。オレフィン系ポリマーは、α-オレフィン、シクロオレフィン、共役ジエン、及び非共役ジエンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のオレフィンモノマーの共重合体であってよい。あるいは、オレフィン系ポリマーは、上記群より選ばれるオレフィンモノマーと、上記群に属しない他のモノマー(以下、「非オレフィン系モノマー」と呼ぶ場合がある。)との共重合体であってもよい。ここで、非オレフィン系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルアルコール(例えば、酢酸ビニルの鹸化物として導入されるもの)、不飽和カルボン酸(α,β-不飽和カルボン酸が含まれる)、ビニルエステル、及びスチレンが挙げられる。なお、オレフィン系ポリマーは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
オレフィン系ポリマーとしては、被覆材の柔軟性がより優れたものとなること、及び、エチレン-酢酸ビニル共重合体の架橋に用いることのできる架橋剤との反応性が乏しいことから、プロピレン系ポリマーが好ましい。ここで、プロピレン系ポリマーとは、プロピレン単独の重合体、又はプロピレンと炭素数2~20のα-オレフィンとのブロック共重合体若しくはランダム共重合体である。プロピレン系ポリマーは、プロピレンに由来するモノマー単位を50モル%以上の量で含む。プロピレン系ポリマーとしては、例えば、ポリプロピレン(以下、「PP」ともいう。)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、及びプロピレン-エチレン-1-ブテンランダム共重合体が挙げられる。プロピレン系ポリマーの結晶構造は限定されず、アイソタクティック、シンジオタクティック、又はこれらの混合でもよい。さらに、プロピレン系ポリマーは、非結晶性又は低結晶性のプロピレン-α-オレフィンランダム共重合体、又は、結晶性のプロピレン系ポリマーと非結晶性若しくは低結晶性のプロピレン-α-オレフィンランダム共重合体との二段重合体であってもよい。
シリコーン化合物は、シロキサン結合により構成される主骨格を有する高分子化合物である。シリコーン化合物は、例えば、シリコーンオイル、シリコーンガム、及びシリコーン系共重合体からなる群より選ばれる1種以上であってよい。
シリコーンオイル又シリコーンガムとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーン)、メチルフェニルポリシロキサン(メチルフェニルシリコーン)、ハイドロジェンポリシロキサン(例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン)、及び、シラノール基を有するオルガノシロキサンと、アミノ基又はアミド基を有するオルガノシロキサンとの縮合物が挙げられる。シリコーンオイルは、アルキル変性、ポリエーテル変性、高級脂肪酸アミド変性、高級脂肪酸エステル変性、フッ素変性(フルオロシリコーン)等の変性シリコーンオイルであってもよい。
シリコーン系共重合体は、シリコーンオイル又はシリコーンガムと他の樹脂との共重合体である。シリコーン系共重合体としては、例えば、「シャリーヌ」(日信化学社製、商品名)、「X-22-8171」(信越化学社製、商品名)等のシリコーン-アクリル共重合体(アクリルシリコーン)、及び「SILGRAFT」(日本ユニカー社製、商品名)、「シリコーンコンセントレート」(東レ・ダウコーニング社製、商品名)等のシリコーン-オレフィン共重合体が挙げられる。シリコーン系共重合体の他の例として、ジメチルビニルポリシロキサンと、不飽和基の含有量が0~5質量%のエチレン-プロピレンジエンゴム、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、又はスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)との部分架橋物が挙げられる。
シリコーン化合物としては、摺動性を長期に渡り維持させる観点から、シリコーンオイル及びシリコーン系共重合体の組合せが好ましく、シリコーンオイル及びシリコーン-アクリル共重合体の組合せがより好ましい。
脂肪酸アミドは、脂肪酸とアミンを脱水縮合して得られる化合物であってよい。脂肪酸アミドは、例えば、下式(I)又は(II)で表される脂肪酸アミドであってもよい。
CO-NR (I)
CO-NR-(CH-NR-COR (II)
式(I)又は式(II)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に炭素数7~27の炭化水素基であり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~12の炭化水素基であり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~12の炭化水素基であり、nは1~12である。
式(I)又は式(II)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に炭素数11~25の炭化水素基であってよく、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6の炭化水素基であってよく、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6の炭化水素基であってよく、nは1~6であってよい。
脂肪酸アミドとしては、表面改質性の観点から、高級脂肪酸(炭素数12以上)のアミドが好ましい。すなわち、式(I)又は式(II)において、好ましくは、R、R、及びRは、それぞれ独立に炭素数12~23の炭化水素基であり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~4の炭化水素基であり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基であり、nは1~2である。より好ましくは、R、R、及びRは、それぞれ独立に炭素数18~23の炭化水素基である。高級脂肪酸アミドの具体例としては、例えば、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、エライジン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドが挙げられるが、これらに限定されない。
本実施形態に係る組成物には、後述するメルトフローレートを調整するための成分が含まれていてもよい。このような成分として、特に限定されないが、例えば、熱可塑性エラストマー(TPE)、鉱油、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、及び動的架橋系熱可塑性エラストマー(TPV)が挙げられる。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)と、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、又はエチレン-プロピレンゴム(EPM)等のエチレン-α-オレフィン共重合体とのブレンドが挙げられる。オレフィン系熱可塑性エラストマーには、リアクターTPOも包含される。良好なメルトフローレートを得る観点から、メルトフローレートを調整するための成分としては、オレフィン系熱可塑性エラストマーと鉱油の組み合わせが好ましい。
鉱油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油若しくは芳香族系鉱油又はこれら2種以上の混合油が挙げられる。
本実施形態に係る組成物には、公知の添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば、顔料、シリカ、補強剤(例えば、カーボンブラック)、酸化防止剤、耐候性向上剤、防徽剤、抗菌剤、難燃剤、軟化剤(例えば、パラフィン系軟化剤)、滑剤、潤滑剤(例えば、フッ素系潤滑剤)等が挙げられる。
本実施形態に係る組成物のメルトフローレート(MFR)は、例えば、20g/10分以上、30g/10分以上、40g/10分以上、45g/10分以上、50g/10分以上、80g/10分以上、又は85g/10分以上であってよい。20g/10分以上の高いメルトフローレートを有する組成物は、射出成形に好適である。また、このように高いメルトフローレートを有する組成物によれば、柔軟性の高い被覆材を得ることができる。メルトフローレートは、例えば、150g/10分以下、145g/10分以下、又は140g/10分以下であってよい。メルトフローレートが150g/10分以下であると、組成物の製造に問題が生じない。なお、本明細書において、メルトフローレートは、JIS K 7210-1:2014に準拠して算出される値であり、230℃の温度条件で、5.0kgの荷重が使用される。
エチレン-酢酸ビニル共重合体の量は、良好な硬度を有する被覆材を得る観点から、組成物全量に対して、例えば、10~90質量%、15~60質量%、20~50質量%、20~45質量%、25~40質量%、又は30~35質量%であってよい。
オレフィン系ポリマーの量は、良好なメルトフローレートを得る観点から、組成物全量に対して、例えば、3~40質量%、4~20質量%、5~15質量%、5~13質量%、6~11質量%、又は7~10質量%であってよい。
エチレン-酢酸ビニル共重合体とオレフィン系ポリマーの合計量は、良好な硬度を有し、かつ、樹脂部材に対して高い離型性を有する被覆材を得る観点から、組成物全量に対して、13質量%以上であってよく、15~70質量%が好ましく、20~65質量%がより好ましく、25~60質量%がさらに好ましく、30~50質量%が特に好ましい。
シリコーン化合物の量は、樹脂部材に対して高い離型性を有する被覆材を得る観点から、組成物全量に対して、例えば、1質量%以上、4質量%以上、5質量%以上、又は6質量%以上であってよい。シリコーン化合物の量は、シリコーン化合物のブリードを低減する観点から、組成物全量に対して、例えば、25質量%以下、21質量%以下、20質量%以下、又は15質量%以下であってよい。
脂肪酸アミドの量は、樹脂部材に対して高い離型性を有する被覆材を得る観点から、組成物全量に対して、0.2質量%以上であることが好ましく、0.4質量%以上であることがより好ましく、0.6質量%以上であることがさらに好ましく、0.9質量%以上であることが特に好ましい。脂肪酸アミドの量は、例えば、10質量%以下、5質量%以下、又は4質量%以下であってよい。
メルトフローレートを調整するための成分の量は、組成物全量に対して、例えば、20~65質量%、25~61質量%、又は35~60質量%であってよい。
(成形体)
一実施形態において、本発明は、上記組成物の成形体を提供する。かかる成形体は、例えば、基材を被覆する被覆材として使用することができる。成形体における各成分及びそれらの量の詳細は、上述のとおりである。成形体の形は、特に限定されず、被覆材として使用する場合には、基材の形状に合わせて成形体の形を決定することができる。成形体は、例えば、シート状であってもよい。
成形体のショア-A硬度は、90~45が好ましく、80~50がより好ましく、70~55がさらに好ましい。成形体のショア-A硬度は、組成物のメルトフローレートを調整することにより制御することができる。なお、本明細書において、ショア-A硬度は、JIS K 6253-3:2012に準拠して測定され、タイプAデュロメータの加圧板を試験片に接触させた直後の測定値を意味する。
図1は、本実施形態に係る成形体100の斜視図である。図2は、図1におけるII-II線断面図である。図2に示すように、成形体100において、エチレン-酢酸ビニル共重合体はドメイン20を形成し、オレフィン系ポリマーを含むマトリックス30中に、シリコーン化合物10及び脂肪酸アミド40とともに分散されていると考えられる。成形体100にオレフィン系熱可塑性エラストマー及び鉱油等のメルトフローレートを調整する成分が含まれる場合、これらの成分もオレフィン系ポリマーとともにマトリックス30を構成する。成形体100を製造した直後は、脂肪酸アミド40は成形体100の表面に配向しており、シリコーン化合物10はエチレン-酢酸ビニル共重合体のドメイン20の周りに局在していると考えられる。そして、ドメイン20の周りに局在しているシリコーン化合物10は、徐々にブリードして成形体100の表面へと移動していくと考えられる。このように、脂肪酸アミド40及びシリコーン化合物10が成形体100の表面に存在することで、成形体100を被覆材として使用した際に、樹脂部材に対する成形体100の離型性がより高くなると推測される。
一実施形態において、成形体は、上述の組成物を混錬し、次いで成形することにより得ることができる。混練方法は特に限定されず、例えば同時混練であってよい。成形方法も特に限定されず、例えば、押出成形、射出成形、又はブロー成形であってよい。
一実施形態において、本発明は、基材及び上記被覆材を備える樹脂製品を提供する。基材の一部又は全面は、被覆材で被覆されている。基材の材料は、樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)等であってよい。樹脂製品としては、例えば空調用レジスタのダンパが挙げられるがこれに限定されず、樹脂製品は、ベンチレーター、コンソール、ドアライニングなど、他の樹脂部材と接触するあらゆる樹脂製品であってよい。
表2及び表3に示す材料を、同方向高速二軸機を用いて混錬し、例1~21の組成物のペレットを作成した。各材料の詳細は表1に示すとおりである。
Figure 0007064943000001
表1中、MB1は、以下に示す原料をブレンドし、高速二軸押出機にて混練することにより調整した。なお、下記のエチレン-酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルに由来するモノマー単位を40質量%含む。
エチレン-酢酸ビニル共重合体 73%
ポリプロピレン 21%
プロピレン-エチレン-1-ブテンランダム共重合体 4%
有機過酸化物 2%
Figure 0007064943000002
Figure 0007064943000003
(固着試験)
80tスケールの射出成形機を用いて、上記ペレットから厚さ3mmの射出成形シートを作製した。このシートをJIS K6251に準拠した5号ダンベルで打ち抜き、ダンベル状の試験片2枚を作成した。同様のダンベルを用いて、厚さ2mmのプレス成形されたポリエチレンシートを打ち抜き、ダンベル状のポリエチレン片を1枚作製した。ポリエチレン片を2枚の試験片で挟み、試験片の主面に対して垂直方向に試験片を押さえつけながら、試験片を長辺方向にスライドさせ、そのときの感触を評価した。評価基準は次のとおりである。
A:試験片が滑らかにスライドした。
B:試験片がスライドしたが、引っかかりがあった。
C:試験片がスライドしなかった。
(外観評価)
上記と同様にして、ペレットから厚さ3mmの射出成形シートを作製した。射出成形シートを温度23℃、湿度50%の条件下で72時間放置した後、シートの表面状態を観察し、評価した。評価基準は、評価基準は次のとおりである。
A:オイルのブリードによる光沢がほとんど又は全く確認されなかった。
B:オイルのブリードによる光沢が確認された。
(MFRの測定)
ペレットのMFR値(g/10min)を、JIS K 7210-1:2014に準拠して算出した。測定温度は230℃であり、5.0kgの荷重を使用した。
(摩擦係数の測定)
ペレットをミキシングロールにて混錬し、シート状に成形した後、油圧式プレス機を用いて、シート状成形品から厚さ1mmのプレスシートを作製した。表面性測定機「HEIDON TYPE:14D」(新東科学株式会社製)を用いて、荷重500g及び試験速度100mm/minにて、プレスシートの摩擦係数を測定した。
(硬度の測定)
上記と同様にして、ペレットから厚さ2mmのプレスシートを作製した。シート片を3枚重ね、プレスシートの表面のショア-A硬度を、JIS K 6253-3:2012に準拠して測定した。ショア-A硬度とは、タイプAデュロメータの加圧板を試験片に接触させた直後の測定値を意味する。
例1~21の組成物についての評価及び測定値を表2及び表3に示す。例3、7、15、及び16以外の例の組成物から作製した試験片(成形体)では、固着試験において良好な結果を得られた。この結果は、これら実施例の試験片を被覆材として使用した場合に、これらの試験片が樹脂部材に対して高い離型性を示すことを示唆する。一方、脂肪酸アミドを含まない例3、15、及び16、並びにシリコーン化合物を含まない例7の組成物では、固着試験において良好な結果が得られなかった。この結果は、これら比較例の試験片を被覆材として使用した場合に、これらの試験片が樹脂部材に対して高い離型性を示さないことを示唆する。
10…シリコーン化合物、20…ドメイン、30…マトリックス、40…脂肪酸アミド、100…成形体。

Claims (9)

  1. エチレン-酢酸ビニル共重合体と、オレフィン系ポリマーと、シリコーン化合物と、脂肪酸アミドと、を含む、組成物であって、
    前記組成物全量に対する前記シリコーン化合物の量が5~25質量%である、組成物
  2. メルトフローレートが20g/10分以上である、請求項1に記載の組成物。
  3. 熱可塑性エラストマー及び鉱油をさらに含む、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記オレフィン系ポリマーがポリプロピレンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記組成物全量に対する前記脂肪酸アミドの量が0.2質量%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記組成物全量に対する、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体と前記オレフィン系ポリマーの合計量が13質量%以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物の成形体。
  8. 請求項7に記載の成形体からなる、被覆材。
  9. 基材と、該基材の少なくとも一部を被覆する請求項8に記載の被覆材と、を備える、樹脂製品。
JP2018086638A 2018-04-27 2018-04-27 組成物及びその成形体、並びに被覆材 Active JP7064943B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018086638A JP7064943B2 (ja) 2018-04-27 2018-04-27 組成物及びその成形体、並びに被覆材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018086638A JP7064943B2 (ja) 2018-04-27 2018-04-27 組成物及びその成形体、並びに被覆材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019189800A JP2019189800A (ja) 2019-10-31
JP7064943B2 true JP7064943B2 (ja) 2022-05-11

Family

ID=68387593

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018086638A Active JP7064943B2 (ja) 2018-04-27 2018-04-27 組成物及びその成形体、並びに被覆材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7064943B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000026668A (ja) 1998-07-13 2000-01-25 Mitsui Chemicals Inc 表皮部材用樹脂組成物及びその積層体
JP2001031903A (ja) 1999-07-21 2001-02-06 Sumitomo Wiring Syst Ltd 電線被覆用樹脂組成物及びそれを用いた電線
JP2001288312A (ja) 2000-04-06 2001-10-16 Sekisui Chem Co Ltd ポリオレフィン系樹脂組成物およびフィルム
JP2006012607A (ja) 2004-06-25 2006-01-12 Furukawa Electric Co Ltd:The キャブタイヤコード
JP2009079117A (ja) 2007-09-26 2009-04-16 Prime Polymer:Kk ポリプロピレン系樹脂組成物
JP2012188623A (ja) 2011-03-14 2012-10-04 Shin Etsu Polymer Co Ltd 表皮材及びそれを用いた多層体

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000026668A (ja) 1998-07-13 2000-01-25 Mitsui Chemicals Inc 表皮部材用樹脂組成物及びその積層体
JP2001031903A (ja) 1999-07-21 2001-02-06 Sumitomo Wiring Syst Ltd 電線被覆用樹脂組成物及びそれを用いた電線
JP2001288312A (ja) 2000-04-06 2001-10-16 Sekisui Chem Co Ltd ポリオレフィン系樹脂組成物およびフィルム
JP2006012607A (ja) 2004-06-25 2006-01-12 Furukawa Electric Co Ltd:The キャブタイヤコード
JP2009079117A (ja) 2007-09-26 2009-04-16 Prime Polymer:Kk ポリプロピレン系樹脂組成物
JP2012188623A (ja) 2011-03-14 2012-10-04 Shin Etsu Polymer Co Ltd 表皮材及びそれを用いた多層体
US20140057118A1 (en) 2011-03-14 2014-02-27 Shin-Etsu Polymer Co., Ltd. Surface material and multilayer body using same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019189800A (ja) 2019-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2803311B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
EP2610307B1 (en) Contacting part made of a thermoplastic resin composition with reduced squeaking noises
JP4436538B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物、その製造方法および成形品
JP4454784B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物および成形品
KR20190140577A (ko) 올레핀계 열가소성 실리콘 엘라스토머 조성물 및 이로부터 형성된 성형품
CN111073154B (zh) 一种具有防异响功能的树脂复合材料及其制备方法
JP6276907B2 (ja) 表皮材及びそれを用いた多層体
JP2018135415A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
JP7064943B2 (ja) 組成物及びその成形体、並びに被覆材
US20070232757A1 (en) Mar resistant, glossy thermoplastic polyolefin blends and articles
JP4212716B2 (ja) 耐傷付き性に優れるエラストマー組成物
JP3665446B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びそれを使用する積層体
JP4904685B2 (ja) 樹脂成形体の表面物性改良剤組成物
JP4363604B2 (ja) 傷付き性に優れるエラストマー組成物
KR100551787B1 (ko) 자동차 내장재 표피재용 폴리프로필렌계 수지 조성물
JP4965770B2 (ja) 複合成形体
JPH01168753A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2022023675A (ja) 組成物及びその成形体
US6846877B2 (en) Blends of olefinic thermoplastic vulcanizate with high impact polystyrene
JP2021187926A (ja) 組成物及びその成形体
JP4088373B2 (ja) 自動車サイドモール成形用樹脂組成物及び自動車サイドモール
JP4368467B2 (ja) エラストマー組成物
JP4279963B2 (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー用マスターバッチ組成物
JP2001200118A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2002348433A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220419

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220425

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7064943

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350