JP2000026668A - 表皮部材用樹脂組成物及びその積層体 - Google Patents
表皮部材用樹脂組成物及びその積層体Info
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- JP2000026668A JP2000026668A JP10196983A JP19698398A JP2000026668A JP 2000026668 A JP2000026668 A JP 2000026668A JP 10196983 A JP10196983 A JP 10196983A JP 19698398 A JP19698398 A JP 19698398A JP 2000026668 A JP2000026668 A JP 2000026668A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 摺動摩耗性および耐傷付き性に優れ、高光沢
で折り曲げたときの折れ皺が発生しない表皮部材用樹脂
組成物およびその積層体を得る。 【解決手段】 オレフィン系熱可塑性エラストマー
(A)40〜90重量部と、ポリオレフィン樹脂(B)
10〜60重量部および、成分(A)および(B)の合
計量を100重量部としたときに、オルガノポリシロキ
サン(C)1〜15重量部と脂肪酸アミド(D)0.1
〜5重量部とからなる表皮部材用樹脂組成物、および当
該組成物を表皮部材として熱可塑性エラストマー上に積
層した積層体。
で折り曲げたときの折れ皺が発生しない表皮部材用樹脂
組成物およびその積層体を得る。 【解決手段】 オレフィン系熱可塑性エラストマー
(A)40〜90重量部と、ポリオレフィン樹脂(B)
10〜60重量部および、成分(A)および(B)の合
計量を100重量部としたときに、オルガノポリシロキ
サン(C)1〜15重量部と脂肪酸アミド(D)0.1
〜5重量部とからなる表皮部材用樹脂組成物、および当
該組成物を表皮部材として熱可塑性エラストマー上に積
層した積層体。
Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、表皮部材用オレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物およびその積層体に関す
る。さらに詳しくは、摺動摩耗性および耐傷付き性に優
れ、高光沢でしかも折れ曲げたときの折れ皺の残らない
表皮部材用樹脂組成物およびその積層体に関する。
熱可塑性エラストマー組成物およびその積層体に関す
る。さらに詳しくは、摺動摩耗性および耐傷付き性に優
れ、高光沢でしかも折れ曲げたときの折れ皺の残らない
表皮部材用樹脂組成物およびその積層体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーは、軽量でリサイクルが容易であり、また、焼却時に
有毒なガスを発生しないことから、省エネルギー、省資
源、さらに近年は地球環境保護の観点から、自動車部
品、工業機械部品、電気・電子部品、建材等に用途が拡
大している。
ーは、軽量でリサイクルが容易であり、また、焼却時に
有毒なガスを発生しないことから、省エネルギー、省資
源、さらに近年は地球環境保護の観点から、自動車部
品、工業機械部品、電気・電子部品、建材等に用途が拡
大している。
【0003】このような自動車部品の一例として、ガラ
スランチャンネルが挙げられる。ガラスランチャンネル
とは、窓ガラスと窓枠との間に設けられた案内部材であ
り、窓ガラスの昇降開閉操作を容易にしながら、しかも
窓ガラスと窓枠との緊密的(液密的)な密閉操作が必要
である。従来のガラスランチャンネルは、軟質塩化ビニ
ル樹脂のような軟質合成樹脂や、エチレン−プロピレン
−ジエン共重合ゴム等の基材に、窓ガラスと摺動させる
ためのナイロンフィルム等がその表面に接着剤により貼
合わせられていた。また、さらに窓ガラスとの接触面積
を少なくするために、上記ナイロンフィルム等の積層の
前または後に、エンボス加工が施されていた。
スランチャンネルが挙げられる。ガラスランチャンネル
とは、窓ガラスと窓枠との間に設けられた案内部材であ
り、窓ガラスの昇降開閉操作を容易にしながら、しかも
窓ガラスと窓枠との緊密的(液密的)な密閉操作が必要
である。従来のガラスランチャンネルは、軟質塩化ビニ
ル樹脂のような軟質合成樹脂や、エチレン−プロピレン
−ジエン共重合ゴム等の基材に、窓ガラスと摺動させる
ためのナイロンフィルム等がその表面に接着剤により貼
合わせられていた。また、さらに窓ガラスとの接触面積
を少なくするために、上記ナイロンフィルム等の積層の
前または後に、エンボス加工が施されていた。
【0004】このようなガラスランチャンネルは、接着
剤による積層工程があるため、基材層と表皮層の間で剥
離を生じやすいという欠点があり、また、工程数が多く
煩雑であるという問題があった。そこで、本発明者ら
は、ガラスランチャンネルの上記のような問題を解決す
べく、前述のオレフィン系熱可塑性エラストマーに着目
した。ところが、オレフィン系熱可塑性エラストマーを
単層でガラスランチャンネルに用いると、窓ガラスとの
摺動性が悪く、激しく摩耗が起こり、さらに傷付きやす
いという欠点があった。
剤による積層工程があるため、基材層と表皮層の間で剥
離を生じやすいという欠点があり、また、工程数が多く
煩雑であるという問題があった。そこで、本発明者ら
は、ガラスランチャンネルの上記のような問題を解決す
べく、前述のオレフィン系熱可塑性エラストマーに着目
した。ところが、オレフィン系熱可塑性エラストマーを
単層でガラスランチャンネルに用いると、窓ガラスとの
摺動性が悪く、激しく摩耗が起こり、さらに傷付きやす
いという欠点があった。
【0005】また、最近、ガラスランチャンネルの本体
には熱可塑性エラストマーを選択し、その熱可塑性エラ
ストマー層上に特定の超高分子量ポリオレフィン組成物
層を熱融着させて積層するという新規なガラスランチャ
ンネルが提案されている。(特開平5−4522号、特
開平5−4308号) しかしながら、超高分子量ポリオレフィン組成物層に超
高分子量ポリオレフィン、たとえば超高分子量ポリエチ
レンをそのまま用いると、光沢が低いために、周辺の自
動車部品と外観の落差が生じるという問題があった。さ
らに、超高分子量ポリオレフィン組成物は、剛性が高い
ために、製品を車体に組み込む過程等に於いてガラスラ
ンチャンネルをねじったり、折り曲げたときに超高分子
量ポリオレフィン組成物層に皺が発生し、製品外観を損
ねるという欠点があった。
には熱可塑性エラストマーを選択し、その熱可塑性エラ
ストマー層上に特定の超高分子量ポリオレフィン組成物
層を熱融着させて積層するという新規なガラスランチャ
ンネルが提案されている。(特開平5−4522号、特
開平5−4308号) しかしながら、超高分子量ポリオレフィン組成物層に超
高分子量ポリオレフィン、たとえば超高分子量ポリエチ
レンをそのまま用いると、光沢が低いために、周辺の自
動車部品と外観の落差が生じるという問題があった。さ
らに、超高分子量ポリオレフィン組成物は、剛性が高い
ために、製品を車体に組み込む過程等に於いてガラスラ
ンチャンネルをねじったり、折り曲げたときに超高分子
量ポリオレフィン組成物層に皺が発生し、製品外観を損
ねるという欠点があった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、オレフィン系
熱可塑性エラストマーとポリオレフィン樹脂およびオル
ガノポリシロキサンらなる組成物を表皮部材として用い
ることにより、窓ガラスとの摺動摩耗性が良好で耐傷付
き性に優れ、かつ高光沢で折り曲げたときの折れ皺が発
生しないことを目的としている。
問題点を解決しようとするものであって、オレフィン系
熱可塑性エラストマーとポリオレフィン樹脂およびオル
ガノポリシロキサンらなる組成物を表皮部材として用い
ることにより、窓ガラスとの摺動摩耗性が良好で耐傷付
き性に優れ、かつ高光沢で折り曲げたときの折れ皺が発
生しないことを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る樹脂組成物は、オレフィン
系熱可塑性エラストマー(A)40〜90重量部と、ポ
リオレフィン樹脂(B)10〜60重量部および、成分
(A)および(B)の合計量を100重量部としたとき
に、オルガノポリシロキサン(C)1〜15重量部とか
らなる表皮部材用樹脂組成物である。
系熱可塑性エラストマー(A)40〜90重量部と、ポ
リオレフィン樹脂(B)10〜60重量部および、成分
(A)および(B)の合計量を100重量部としたとき
に、オルガノポリシロキサン(C)1〜15重量部とか
らなる表皮部材用樹脂組成物である。
【0008】また、前記組成物は更に、成分(A)およ
び(B)の合計量100重量部に対して脂肪酸アミド
(D)0.1〜5重量部を含有していても良い。また、
本発明に係る積層体は、熱可塑性エラストマーを本体と
して、上述の樹脂組成物を表皮部材として積層した積層
体である。このような樹脂組成物は、ガラスとの摺動性
が良好で耐摩耗性、耐傷付き性に優れ、かつ高光沢で、
しかも折り曲げたときに折れ皺を発生しない。
び(B)の合計量100重量部に対して脂肪酸アミド
(D)0.1〜5重量部を含有していても良い。また、
本発明に係る積層体は、熱可塑性エラストマーを本体と
して、上述の樹脂組成物を表皮部材として積層した積層
体である。このような樹脂組成物は、ガラスとの摺動性
が良好で耐摩耗性、耐傷付き性に優れ、かつ高光沢で、
しかも折り曲げたときに折れ皺を発生しない。
【0009】
【発明の具体的説明】オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー(A) 本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー
(A)は、結晶性ポリオレフィンとゴムとから構成され
ている。本発明で用いられる結晶性ポリオレフィンとし
ては、炭素原子数2〜20のα−オレフィンの単独重合
体または共重合体が挙げられる。
ー(A) 本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー
(A)は、結晶性ポリオレフィンとゴムとから構成され
ている。本発明で用いられる結晶性ポリオレフィンとし
ては、炭素原子数2〜20のα−オレフィンの単独重合
体または共重合体が挙げられる。
【0010】上記結晶性ポリオレフィンの具体的な例と
しては、以下のような(共)重合体が挙げられる。 (1)エチレン単独重合体 (製法は、低圧法、高圧法のいずれでも良い) (2)エチレンと、10モル%以下の他のα−オレフィ
ンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニル
モノマーとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1−ブテン単独重合体 (7)1−ブテンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (8)4−メチル−1−ペンテン単独重合体 (9)4−メチル−1−ペンテンと20モル%以下の他の
α−オレフィンとのランダム共重合体 上記のα−オレフィンとしては、具体的には、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
しては、以下のような(共)重合体が挙げられる。 (1)エチレン単独重合体 (製法は、低圧法、高圧法のいずれでも良い) (2)エチレンと、10モル%以下の他のα−オレフィ
ンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニル
モノマーとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1−ブテン単独重合体 (7)1−ブテンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (8)4−メチル−1−ペンテン単独重合体 (9)4−メチル−1−ペンテンと20モル%以下の他の
α−オレフィンとのランダム共重合体 上記のα−オレフィンとしては、具体的には、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
【0011】本発明で用いられるゴムとしては、特に制
限はないが、オレフィン系共重合体ゴムが好ましい。上
記のオレフィン系共重合体ゴムは、炭素原子数2〜20
のα−オレフィンを主成分とする無定形ランダムな弾性
共重合体であって、2種以上のα−オレフィンからなる
非晶性α−オレフィン共重合体、2種以上のα−オレフ
ィンと非共役ジエンとからなるα−オレフィン・非共役
ジエン共重合体などがある。
限はないが、オレフィン系共重合体ゴムが好ましい。上
記のオレフィン系共重合体ゴムは、炭素原子数2〜20
のα−オレフィンを主成分とする無定形ランダムな弾性
共重合体であって、2種以上のα−オレフィンからなる
非晶性α−オレフィン共重合体、2種以上のα−オレフ
ィンと非共役ジエンとからなるα−オレフィン・非共役
ジエン共重合体などがある。
【0012】このようなオレフィン系共重合体ゴムの具
体的な例としては、以下のようなゴムが挙げられる。 (1)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム [エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (2)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合
体ゴム [エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (3)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム [プロピレン/α−オレフィン(モル比)=約90/1
0〜50/50] (4)ブテン・α−オレフィン共重合体ゴム [ブテン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜
50/50] 上記α−オレフィンとしては、具体的には、上記した結
晶性ポリオレフィンを構成するα−オレフィンの具体的
な例と同様のα−オレフィンが挙げられる。
体的な例としては、以下のようなゴムが挙げられる。 (1)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム [エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (2)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合
体ゴム [エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (3)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム [プロピレン/α−オレフィン(モル比)=約90/1
0〜50/50] (4)ブテン・α−オレフィン共重合体ゴム [ブテン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜
50/50] 上記α−オレフィンとしては、具体的には、上記した結
晶性ポリオレフィンを構成するα−オレフィンの具体的
な例と同様のα−オレフィンが挙げられる。
【0013】上記非共役ジエンとしては、具体的には、
ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオ
クタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボ
ルネンなどが挙げられる。これらの共重合体ゴムのムー
ニー粘度ML1+4(100℃)は、10〜250、特に
40〜150が好ましい。また、上記非共役ジエンが共
重合している場合のヨウ素価は、25以下が好ましい。
ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオ
クタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボ
ルネンなどが挙げられる。これらの共重合体ゴムのムー
ニー粘度ML1+4(100℃)は、10〜250、特に
40〜150が好ましい。また、上記非共役ジエンが共
重合している場合のヨウ素価は、25以下が好ましい。
【0014】上記のオレフィン系共重合体ゴムは、熱可
塑性エラストマー中において、未架橋、部分架橋、完全
架橋など、すべての架橋状態で存在することができる。
光沢性を高めるには架橋されていないことが好ましい
が、目的とする光沢性や熱可塑性エラストマーのその他
の性能を考慮して、架橋状態を選択することができる。
オレフィン系共重合体ゴムを架橋する場合には、架橋剤
として有機ペルオキシドやフェノール系加硫剤等が用い
られる。
塑性エラストマー中において、未架橋、部分架橋、完全
架橋など、すべての架橋状態で存在することができる。
光沢性を高めるには架橋されていないことが好ましい
が、目的とする光沢性や熱可塑性エラストマーのその他
の性能を考慮して、架橋状態を選択することができる。
オレフィン系共重合体ゴムを架橋する場合には、架橋剤
として有機ペルオキシドやフェノール系加硫剤等が用い
られる。
【0015】本発明において用いられるゴムとしては、
上記のオレフィン系共重合体ゴムのほかに、他のゴム、
たとえばスチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリ
ルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(I
IR)等のジエン系ゴム、SEBS、ポリイソブチレン
などが挙げられる。
上記のオレフィン系共重合体ゴムのほかに、他のゴム、
たとえばスチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリ
ルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(I
IR)等のジエン系ゴム、SEBS、ポリイソブチレン
などが挙げられる。
【0016】本発明で用いられる熱可塑性エラストマー
において、結晶性ポリオレフィンとゴムとの重量配合比
(結晶性ポリオレフィン/ゴム)は、通常90/10〜
5/95、好ましくは、70/30〜10/90の範囲
である。
において、結晶性ポリオレフィンとゴムとの重量配合比
(結晶性ポリオレフィン/ゴム)は、通常90/10〜
5/95、好ましくは、70/30〜10/90の範囲
である。
【0017】また、ゴムとして、オレフィン系共重合体
ゴムとその他のゴムを組合わせて用いる場合には、その
他のゴムは、結晶性ポリオレフィンとゴムとの合計量1
00重量部に対して、40重量部以下、好ましくは5〜
20重量部の割合で配合する。
ゴムとその他のゴムを組合わせて用いる場合には、その
他のゴムは、結晶性ポリオレフィンとゴムとの合計量1
00重量部に対して、40重量部以下、好ましくは5〜
20重量部の割合で配合する。
【0018】本発明で好ましく用いられる熱可塑性エラ
ストマーは、結晶性ポリプロピレンと、エチレン・α−
オレフィン共重合体ゴムもしくはエチレン・α−オレフ
ィン・非共役ジエン共重合体ゴムとからなり、熱可塑性
エラストマー中においてこれらが部分架橋された状態で
存在し、かつ、結晶性ポリプロピレンとゴムとの重量配
合比(結晶性ポリプロピレン/ゴム)が70/30〜1
0/90の範囲内にある熱可塑性エラストマーである。
ストマーは、結晶性ポリプロピレンと、エチレン・α−
オレフィン共重合体ゴムもしくはエチレン・α−オレフ
ィン・非共役ジエン共重合体ゴムとからなり、熱可塑性
エラストマー中においてこれらが部分架橋された状態で
存在し、かつ、結晶性ポリプロピレンとゴムとの重量配
合比(結晶性ポリプロピレン/ゴム)が70/30〜1
0/90の範囲内にある熱可塑性エラストマーである。
【0019】上記の熱可塑性エラストマーには、必要に
応じて、鉱物油系軟化剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐
候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、滑剤などの添
加物を、本発明の目的を損なわない範囲で配合すること
ができる。
応じて、鉱物油系軟化剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐
候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、滑剤などの添
加物を、本発明の目的を損なわない範囲で配合すること
ができる。
【0020】本発明で好ましく用いられる熱可塑性エラ
ストマーのより具体的な例としては、結晶性ポリプロピ
レン(A−1)70〜10重量部と、エチレン・プロピ
レン共重合体ゴムまたはエチレン・プロピレン・ジエン
共重合体ゴムからなるゴム(A−2)30〜90重量部
[成分(A−1)および(A−2)の合計量は、100
重量部とする]と、このゴム(A−2)以外のゴム(A
−3)および/または鉱物油系軟化剤(A−4)5〜1
50重量部とからなる混合物を、有機ペルオキシドの存
在下で動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性
エラストマーが挙げられる。
ストマーのより具体的な例としては、結晶性ポリプロピ
レン(A−1)70〜10重量部と、エチレン・プロピ
レン共重合体ゴムまたはエチレン・プロピレン・ジエン
共重合体ゴムからなるゴム(A−2)30〜90重量部
[成分(A−1)および(A−2)の合計量は、100
重量部とする]と、このゴム(A−2)以外のゴム(A
−3)および/または鉱物油系軟化剤(A−4)5〜1
50重量部とからなる混合物を、有機ペルオキシドの存
在下で動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性
エラストマーが挙げられる。
【0021】本発明においては、架橋を行う場合、有機
ペルオキシドは、結晶性ポリオレフィンとゴムとの合計
量100重量%に対して、0.05〜3重量%、好まし
くは0.1〜1重量%の割合で用いられる。上記有機ペ
ルオキシドによる部分架橋処理に際し、ペルオキシ架橋
用助剤あるいは多官能性ビニルモノマー等を配合するこ
とができる。このような化合物を用いることにより、均
一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明にお
いては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニルベ
ンゼンは、取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分で
ある結晶性ポリオレフィンおよびゴムとの相溶性が良好
であり、かつ、有機ペルオキシドを可溶化する作用を有
し、有機ペルオキシドの分散剤として働くため、熱処理
による架橋効果が均質で、流動性と物性とのバランスの
とれた熱可塑性エラストマーが得られる。
ペルオキシドは、結晶性ポリオレフィンとゴムとの合計
量100重量%に対して、0.05〜3重量%、好まし
くは0.1〜1重量%の割合で用いられる。上記有機ペ
ルオキシドによる部分架橋処理に際し、ペルオキシ架橋
用助剤あるいは多官能性ビニルモノマー等を配合するこ
とができる。このような化合物を用いることにより、均
一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明にお
いては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニルベ
ンゼンは、取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分で
ある結晶性ポリオレフィンおよびゴムとの相溶性が良好
であり、かつ、有機ペルオキシドを可溶化する作用を有
し、有機ペルオキシドの分散剤として働くため、熱処理
による架橋効果が均質で、流動性と物性とのバランスの
とれた熱可塑性エラストマーが得られる。
【0022】上記のような架橋助剤もしくは多官能性ビ
ニルモノマーは、上記の被架橋処理物全体に対して、
0.1〜2重量%、特に0.3〜1重量%の割合で用い
るのが好ましい。
ニルモノマーは、上記の被架橋処理物全体に対して、
0.1〜2重量%、特に0.3〜1重量%の割合で用い
るのが好ましい。
【0023】上記の「動的に熱処理する」とは、上記の
ような熱可塑性エラストマーを構成する各成分を融解状
態で混練することをいう。混練装置としては、従来公知
の混練装置、たとえば開放型のミキシングロ−ル、非開
放型のバンバリ−ミキサ−、押出機、ニ−ダ−、連続ミ
キサ−などが用いられる。これらの内では、非開放型の
混練装置が好ましく、混練は、窒素ガス、炭酸ガスなど
の不活性ガスの雰囲気下で行なうことが好ましい。
ような熱可塑性エラストマーを構成する各成分を融解状
態で混練することをいう。混練装置としては、従来公知
の混練装置、たとえば開放型のミキシングロ−ル、非開
放型のバンバリ−ミキサ−、押出機、ニ−ダ−、連続ミ
キサ−などが用いられる。これらの内では、非開放型の
混練装置が好ましく、混練は、窒素ガス、炭酸ガスなど
の不活性ガスの雰囲気下で行なうことが好ましい。
【0024】本発明で用いられる熱可塑性エラストマー
は、架橋されていなくても、部分的に架橋されていて
も、あるいは完全に架橋されていてもよいが、この「部
分的に架橋された」、「完全に架橋された」とは、下記
の方法で測定したゲル含量が20〜100%の範囲内に
ある場合をいう。
は、架橋されていなくても、部分的に架橋されていて
も、あるいは完全に架橋されていてもよいが、この「部
分的に架橋された」、「完全に架橋された」とは、下記
の方法で測定したゲル含量が20〜100%の範囲内に
ある場合をいう。
【0025】[ゲル含量の測定法]熱可塑性エラストマ
ーの試料を約100mg秤量して0.5mm×0.5m
m×0.5mmの細片に裁断し、次いで、得られた細片
を、密閉容器中にて30mlのシクロヘキサンに、23
℃で48時間浸漬する。
ーの試料を約100mg秤量して0.5mm×0.5m
m×0.5mmの細片に裁断し、次いで、得られた細片
を、密閉容器中にて30mlのシクロヘキサンに、23
℃で48時間浸漬する。
【0026】次に、この試料を濾紙上に取り出し、室温
にて72時間以上恒量になるまで乾燥する。この乾燥残
渣の重量からポリマ−成分以外のシクロヘキサン不溶性
成分(繊維状フィラ−、充填剤、顔料等)の重量を減じ
た値を、「補正された最終重量(Y)」とする。
にて72時間以上恒量になるまで乾燥する。この乾燥残
渣の重量からポリマ−成分以外のシクロヘキサン不溶性
成分(繊維状フィラ−、充填剤、顔料等)の重量を減じ
た値を、「補正された最終重量(Y)」とする。
【0027】一方、試料の重量からポリマ−成分以外の
シクロヘキサン可溶性成分(たとえば軟化剤)の重量お
よびポリマ−成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊
維状フィラ−、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、
「補正された初期重量(X)」とする。
シクロヘキサン可溶性成分(たとえば軟化剤)の重量お
よびポリマ−成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊
維状フィラ−、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、
「補正された初期重量(X)」とする。
【0028】ここに、ゲル含量(シクロヘキサン不溶解
分)は、次式により求められる。 ゲル含量[重量%]=[補正された最終重量(Y)]÷
[補正された初期重量(X)]×100 本発明に係る熱可塑性エラストマー積層体の一層を構成
する熱可塑性エラストマー(A)は、結晶性ポリオレフ
ィンとゴムとからなるため、流動性に優れている。
分)は、次式により求められる。 ゲル含量[重量%]=[補正された最終重量(Y)]÷
[補正された初期重量(X)]×100 本発明に係る熱可塑性エラストマー積層体の一層を構成
する熱可塑性エラストマー(A)は、結晶性ポリオレフ
ィンとゴムとからなるため、流動性に優れている。
【0029】上記のようなオレフィン系熱可塑性エラス
トマーは、圧縮成形、トランスファ−成形、射出成形、
押出成形等の従来使用されている成形装置を用いて成形
することができる。
トマーは、圧縮成形、トランスファ−成形、射出成形、
押出成形等の従来使用されている成形装置を用いて成形
することができる。
【0030】ポリオレフィン樹脂(B) 本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(B)として
は、上述したオレフィン系熱可塑性エラストマーで用い
た結晶性ポリオレフィンが挙げられる。ここでは、プロ
ピレン単独重合体、プロピレンと10モル%以下の他の
α−オレフィンとのランダム共重合体およびプロピレン
と30モル%以下の他のα−オレフィンとのブロック共
重合体等のポリプロピレン樹脂が好ましい。さらに中で
もプロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンのブロ
ック共重合体が特に好ましい。このようなポリオレフィ
ン樹脂(B)は、10〜60重量部、好ましくは20〜
55重量部の割合で用いられる。ここで、オレフィン系
熱可塑性エラストマー(A)とポリオレフィン樹脂
(B)の合計量は、100重量部である。
は、上述したオレフィン系熱可塑性エラストマーで用い
た結晶性ポリオレフィンが挙げられる。ここでは、プロ
ピレン単独重合体、プロピレンと10モル%以下の他の
α−オレフィンとのランダム共重合体およびプロピレン
と30モル%以下の他のα−オレフィンとのブロック共
重合体等のポリプロピレン樹脂が好ましい。さらに中で
もプロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンのブロ
ック共重合体が特に好ましい。このようなポリオレフィ
ン樹脂(B)は、10〜60重量部、好ましくは20〜
55重量部の割合で用いられる。ここで、オレフィン系
熱可塑性エラストマー(A)とポリオレフィン樹脂
(B)の合計量は、100重量部である。
【0031】オルガノポリシロキサン(C) 本発明において用いるオルガノポリシロキサン(C)と
しては、具体的にはジメチルポリシロキサン、メチルフ
ェニルポリシロキサン、フルオロポリシロキサン、テト
ラメチルテトラフェニルポリシロキサン、メチルハイド
ロジェンポリシロキサンなどや、エポキシ変性、アルキ
ル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコ−ル変
性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエ−テル変
性、エポキシポリエ−テル変性、などの変性ポリシロキ
サンなどがあげられる。これらの中ではジメチルポリシ
ロキサンが好ましく用いられる。
しては、具体的にはジメチルポリシロキサン、メチルフ
ェニルポリシロキサン、フルオロポリシロキサン、テト
ラメチルテトラフェニルポリシロキサン、メチルハイド
ロジェンポリシロキサンなどや、エポキシ変性、アルキ
ル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコ−ル変
性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエ−テル変
性、エポキシポリエ−テル変性、などの変性ポリシロキ
サンなどがあげられる。これらの中ではジメチルポリシ
ロキサンが好ましく用いられる。
【0032】オルガノポリシロキサン(C)は、 粘度
〔JIS K 2283、25℃〕が10cSt以上の
ものが使用される。また、粘度が100万cSt以上の
高粘度オルガノポリシロキサンを用いる場合には、オレ
フィン系熱可塑性エラストマーへの分散性を高めるため
に、オルガノポリシロキサンはオレフィン系樹脂とマス
タ−バッチとなっていても良い。
〔JIS K 2283、25℃〕が10cSt以上の
ものが使用される。また、粘度が100万cSt以上の
高粘度オルガノポリシロキサンを用いる場合には、オレ
フィン系熱可塑性エラストマーへの分散性を高めるため
に、オルガノポリシロキサンはオレフィン系樹脂とマス
タ−バッチとなっていても良い。
【0033】このようなオルガノポリシロキサン(C)
は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)とポリオ
レフィン樹脂(B)の合計量100重量部に対して1〜
15重量部、好ましくは2〜10重量部用いられる。
は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)とポリオ
レフィン樹脂(B)の合計量100重量部に対して1〜
15重量部、好ましくは2〜10重量部用いられる。
【0034】脂肪酸アミド(D) 本発明において用いる脂肪酸アミド(D)としては、具
体的にはラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステ
アリン酸アミド、ベヘミン酸アミド等の飽和脂肪酸アミ
ドや、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ブラシジン
酸アミド、エライジン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミ
ド、あるいはメチレンビスステアリン酸アミド、メチレ
ンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸ア
ミド、エチレンビスオレイン酸アミド等のビス脂肪酸ア
ミドなどがあげられる。これらの中ではエルカ酸アミ
ド、オレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド
が好ましく用いられる。
体的にはラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステ
アリン酸アミド、ベヘミン酸アミド等の飽和脂肪酸アミ
ドや、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ブラシジン
酸アミド、エライジン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミ
ド、あるいはメチレンビスステアリン酸アミド、メチレ
ンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸ア
ミド、エチレンビスオレイン酸アミド等のビス脂肪酸ア
ミドなどがあげられる。これらの中ではエルカ酸アミ
ド、オレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド
が好ましく用いられる。
【0035】このような脂肪酸アミド(D)は、オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー(A)とポリオレフィン樹
脂(B)の合計量100重量部に対して0.1〜5重量
部、好ましくは0.1〜3重量部で用いられる。本発明
に係る樹脂組成物には、必要に応じて、鉱物油系軟化
剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止
剤、充填剤、着色剤、滑剤などの添加物を、本発明の目
的を損なわない範囲で配合することができる。
ィン系熱可塑性エラストマー(A)とポリオレフィン樹
脂(B)の合計量100重量部に対して0.1〜5重量
部、好ましくは0.1〜3重量部で用いられる。本発明
に係る樹脂組成物には、必要に応じて、鉱物油系軟化
剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止
剤、充填剤、着色剤、滑剤などの添加物を、本発明の目
的を損なわない範囲で配合することができる。
【0036】本発明に係る樹脂組成物は、オレフィン系
熱可塑性エラストマー(A)、ポリオレフィン樹脂
(B)およびオルガノポリシロキサン(C)、あるいは
オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)、ポリオレフ
ィン樹脂(B)、オルガノポリシロキサン(C)および
脂肪酸アミド(D)からなる混合物を、上述のオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー(A)を得たのと同様に、動
的に熱処理することにより得られる。
熱可塑性エラストマー(A)、ポリオレフィン樹脂
(B)およびオルガノポリシロキサン(C)、あるいは
オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)、ポリオレフ
ィン樹脂(B)、オルガノポリシロキサン(C)および
脂肪酸アミド(D)からなる混合物を、上述のオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー(A)を得たのと同様に、動
的に熱処理することにより得られる。
【0037】また、本発明に係る積層体は、熱可塑性エ
ラストマーを本体として、上記のような樹脂組成物を表
皮部材として積層することにより得られる。積層方法
は、最終製品の形状、大きさ、要求物性により異なり、
特に限定しないが、たとえば、多層押出成形機で本体と
表皮部材とを同時に押出成形して熱融着する方法があ
る。このような熱融着の方法は、接着剤を必要とせず、
簡単な一工程で積層体を得ることができ、しかも本体と
表皮部材の層間接着は強固である。
ラストマーを本体として、上記のような樹脂組成物を表
皮部材として積層することにより得られる。積層方法
は、最終製品の形状、大きさ、要求物性により異なり、
特に限定しないが、たとえば、多層押出成形機で本体と
表皮部材とを同時に押出成形して熱融着する方法があ
る。このような熱融着の方法は、接着剤を必要とせず、
簡単な一工程で積層体を得ることができ、しかも本体と
表皮部材の層間接着は強固である。
【0038】このような熱可塑性エラストマーの積層体
は、たとえば、自動車部品では、ガラスランチャンネ
ル、ウィンドモール、サイドモールなどに好適である。
は、たとえば、自動車部品では、ガラスランチャンネ
ル、ウィンドモール、サイドモールなどに好適である。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、ガラスとの摺動摩耗性
が良好で、耐傷付き性に優れ、しかも折り曲げたときの
折れ皺の発生しない表皮部材用樹脂組成物および積層体
を得られる。以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
が良好で、耐傷付き性に優れ、しかも折り曲げたときの
折れ皺の発生しない表皮部材用樹脂組成物および積層体
を得られる。以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0040】
【実施例】オレフィン系熱可塑性エラストマー(a) エチレン含有量70モル%、ヨウ素価12、ムーニー粘
度ML1+4(100℃)120のエチレン・プロピレン
・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム65重
量部と、MFR(ASTM D 1238−65T、2
30℃)13g/10分、密度0.91g/cm3 のポ
リプロピレン35重量部とを、バンバリーミキサーを用
いて、窒素雰囲気中、180℃で5分間混練した後、こ
の混練物をロールに通してシート状にし、これをシート
カッターで裁断して角ペレットを製造した。
度ML1+4(100℃)120のエチレン・プロピレン
・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム65重
量部と、MFR(ASTM D 1238−65T、2
30℃)13g/10分、密度0.91g/cm3 のポ
リプロピレン35重量部とを、バンバリーミキサーを用
いて、窒素雰囲気中、180℃で5分間混練した後、こ
の混練物をロールに通してシート状にし、これをシート
カッターで裁断して角ペレットを製造した。
【0041】次いで、この角ペレットと、1,3−ビス
(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン
0.2重量部と、ジビニルベンゼン0.2重量部とをヘ
ンシェルミキサ−で攪拌混合した。次いで、この混合物
を、L/D=40、スクリュ−径50mmの2軸押出機
を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出してオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー(a)を得た。得られたオレ
フィン系熱可塑性エラストマー(a)のゲル含量は、上
記方法により求めたところ、78重量%であった。
(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン
0.2重量部と、ジビニルベンゼン0.2重量部とをヘ
ンシェルミキサ−で攪拌混合した。次いで、この混合物
を、L/D=40、スクリュ−径50mmの2軸押出機
を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出してオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー(a)を得た。得られたオレ
フィン系熱可塑性エラストマー(a)のゲル含量は、上
記方法により求めたところ、78重量%であった。
【0042】次にこのオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー(a)と以下の原料とを表1に示す割合で2軸押出機
で混練して樹脂組成物のペレットを得た。 ポリオレフィン樹脂(b) MFR(ASTM D 1238−65T、230℃)
23g/10分、密度0.91g/cm3のポリプロピ
レン樹脂 オルガノポリシロキサン(c) 東レ・ダウコーニング(株)社製 シリコーンオイル−
ポリプロピレンマスターバッチ BY27−002(超
高分子量シリコーンオイル含量;50重量%、シリコー
ンオイルの種類;ジメチルポリシロキサン) 脂肪酸アミド(d) オレイン酸アミド
ー(a)と以下の原料とを表1に示す割合で2軸押出機
で混練して樹脂組成物のペレットを得た。 ポリオレフィン樹脂(b) MFR(ASTM D 1238−65T、230℃)
23g/10分、密度0.91g/cm3のポリプロピ
レン樹脂 オルガノポリシロキサン(c) 東レ・ダウコーニング(株)社製 シリコーンオイル−
ポリプロピレンマスターバッチ BY27−002(超
高分子量シリコーンオイル含量;50重量%、シリコー
ンオイルの種類;ジメチルポリシロキサン) 脂肪酸アミド(d) オレイン酸アミド
【0043】さらに、この樹脂組成物のペレットで射出
成形を行ない、150mm×120mm×3mmの試験
片を得た。この試験片を用いて硬度および光沢度の測定
と耐傷付き性の評価を行った。評価方法を下記に、ま
た、その結果を表1に示す。 評価方法 硬度 ASTM D2240に準じ、Shore D硬度を測
定した。 光沢度 JIS K7105に準じ、グロスを測定した。 耐傷付き性評価 テーパースクラッチテスター<東洋精機(株)製>を用
い、回転中心から3.5cmの所に刃先が来るようにカ
ッターの刃(タングステンカーバイト製)を逆に取り付
けて、ターンテーブルを0.5rpmの速度で回転させ
た状態でカッター刃に300gの荷重を掛け試験片に傷
を付けた(図1参照)。これを評価した。
成形を行ない、150mm×120mm×3mmの試験
片を得た。この試験片を用いて硬度および光沢度の測定
と耐傷付き性の評価を行った。評価方法を下記に、ま
た、その結果を表1に示す。 評価方法 硬度 ASTM D2240に準じ、Shore D硬度を測
定した。 光沢度 JIS K7105に準じ、グロスを測定した。 耐傷付き性評価 テーパースクラッチテスター<東洋精機(株)製>を用
い、回転中心から3.5cmの所に刃先が来るようにカ
ッターの刃(タングステンカーバイト製)を逆に取り付
けて、ターンテーブルを0.5rpmの速度で回転させ
た状態でカッター刃に300gの荷重を掛け試験片に傷
を付けた(図1参照)。これを評価した。
【0044】また、上記のオレフィン系熱可塑性エラス
トマー(a)を、230℃の温度で押出成形してテープ
状の成形品を成形すると同時に、得られた樹脂組成物を
その表面に、230℃で共押出して積層体を得た。この
積層体の表皮層は50μmとした。この積層体を用い
て、180度に折り曲げることを、10回繰り返し、折
れ皺の観察を行なった。評価結果を表1に示す。
トマー(a)を、230℃の温度で押出成形してテープ
状の成形品を成形すると同時に、得られた樹脂組成物を
その表面に、230℃で共押出して積層体を得た。この
積層体の表皮層は50μmとした。この積層体を用い
て、180度に折り曲げることを、10回繰り返し、折
れ皺の観察を行なった。評価結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1の注) *1 耐傷付き性の評価 A・・・傷が認められない B・・・傷がほとんど目立たない C・・・傷が目立つ D・・・傷がかなり目立つ E・・・材料が破壊または白化 *2 折れ皺の観察 ○・・・折れ皺が全くない △・・・折れ皺が少し見られる ×・・・折れ皺がはっきりと見られる
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年10月20日(1998.10.
20)
20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 耐傷付き性を評価するための装置の概略図で
ある。
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83:04) (72)発明者 内山 晃 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 4F100 AH02A AH03A AK01B AK03A AK07A AK12A AK52A AK75A AL05A AL09A AL09B AN02A BA02 EH20 GB07 GB32 GB41 GB51 JB16B JK09 JK14 JL16 JN21 4J002 AC01W AC07W AC08W BB03W BB05W BB06W BB07W BB12W BB12X BB14W BB14X BB15W BB15X BB17W BB18W BP01W BP02W BP02X BP03W BP03X CP033 CP043 CP053 CP083 CP093 CP183 EP016 EP026 FD140 GF00 GN00
Claims (4)
- 【請求項1】オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)
40〜90重量部と、ポリオレフィン樹脂(B)10〜
60重量部および、成分(A)および(B)の合計量を
100重量部としたときに、オルガノポリシロキサン
(C)1〜15重量部とからなる表皮部材用樹脂組成
物。 - 【請求項2】オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)
40〜90重量部と、ポリオレフィン樹脂(B)10〜
60重量部および、成分(A)および(B)の合計量を
100重量部としたときに、オルガノポリシロキサン
(C)1〜15重量部と、脂肪酸アミド(D)0.1〜
5重量部からなる表皮部材用樹脂組成物。 - 【請求項3】ポリオレフィン樹脂(B)がポリプロピレ
ン樹脂である請求項1ないし2に記載の表皮部材用樹脂
組成物。 - 【請求項4】熱可塑性エラストマーからなる本体に、請
求項1ないし3の組成物からなる表皮部材を積層するこ
とによって構成される積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10196983A JP2000026668A (ja) | 1998-07-13 | 1998-07-13 | 表皮部材用樹脂組成物及びその積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10196983A JP2000026668A (ja) | 1998-07-13 | 1998-07-13 | 表皮部材用樹脂組成物及びその積層体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000026668A true JP2000026668A (ja) | 2000-01-25 |
Family
ID=16366889
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10196983A Pending JP2000026668A (ja) | 1998-07-13 | 1998-07-13 | 表皮部材用樹脂組成物及びその積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000026668A (ja) |
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1998
- 1998-07-13 JP JP10196983A patent/JP2000026668A/ja active Pending
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