JPH10291418A - ガラスランチャンネル - Google Patents

ガラスランチャンネル

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JPH10291418A
JPH10291418A JP10038709A JP3870998A JPH10291418A JP H10291418 A JPH10291418 A JP H10291418A JP 10038709 A JP10038709 A JP 10038709A JP 3870998 A JP3870998 A JP 3870998A JP H10291418 A JPH10291418 A JP H10291418A
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藤 雄 一 伊
Masato Karaiwa
岩 正 人 唐
Kyoko Kobayashi
林 恭 子 小
Akira Uchiyama
山 晃 内
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明のカ゛ラスランチャンネルは、底壁と底壁の両
端部から延設した側壁とから構成され、断面略U字状で
溝部が形成されたカ゛ラスランチャンネル本体と、該本体の両側壁
の先端近傍から該底壁に向かって相互に近接するように
張設した舌片状の水切り部とから構成されており、水切
り部の窓カ゛ラスと接触する表面である窓カ゛ラス接触部が、熱
可塑性エラストマー層と超高分子量ホ゜リオレフィン組成物層とからな
り、超高分子量ホ゜リオレフィン組成物層が窓カ゛ラスと接触するよ
うに構成されている。該超高分子量ホ゜リオレフィン組成物は、
少なくとも特定の極限粘度を有するホ゜リオレフィン(組成物)
とオレフィン系熱可塑性エラストマーとを含有している。 【効果】本発明によれば、耐久性、閉鎖時における窓カ゛
ラスとの緊密接触性、および開閉操作時における軽快摺動
性に優れ、ねじったり折り曲げたりしても超高分子量ホ゜
リオレフィン組成物層に皺が生じないカ゛ラスランチャンネルを提供する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ガラスランチャンネルに
関し、さらに詳しくは、熱可塑性エラストマー製基体層
と滑性樹脂表面層とからなる積層体により構成される窓
ガラス摺動部を備えたガラスランチャンネルに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】一般に自動車の車輌における窓ガ
ラスでは、通風換気のために、あるいは車輌外部との通
話などのために、昇降による開閉操作が必要である。窓
ガラスの昇降開閉操作を容易にしながら、しかも窓ガラ
スと窓枠との緊密的(液密的)な密閉操作を可能とする
ために、窓ガラスと窓枠との間にガラスランチャンネル
と呼ばれる案内部材を設けている。
【0003】従来のガラスランチャンネルは、軟質塩化
ビニル樹脂のような軟質合成樹脂や、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合ゴム等の加硫ゴムで形成されてお
り、底壁と底壁の両端部から延設した側壁とから構成さ
れ、断面略U字状で溝部が形成されたガラスランチャン
ネル本体と、該ガラスランチャンネル本体の両側壁の先
端近傍から該底壁に向かって相互に近接するように張設
した舌片状の水切り部とから構成されている。
【0004】従来のガラスランチャンネルでは、窓ガラ
スの水切り部からの離れを良好にし、また窓ガラスの汚
れを防止するために、窓ガラス摺動部は、その表面にナ
イロンフィルム等が接着により貼合わせられており、ま
た窓ガラスとの接触面積を少なくするために、上記ナイ
ロンフィルム等の積層の前または後に、エンボス加工が
施されている。
【0005】このようなガラスランチャンネルでは、上
述した軟質合成樹脂または加硫ゴムとナイロン類の表面
素材との間に接着性がないため、軟質合成樹脂または加
硫ゴムでガラスランチャンネル本体を成形し、得られた
成形物に接着剤を塗布してナイロンなどのフィルムを貼
合わせるという工程が必要であり、さらに、この接着の
前または後にエンボス加工を行なわなければならない
等、工程数が多く、しかも手間を要するという不都合が
ある。
【0006】また、このようなガラスランチャンネルで
は、接着剤による積層工程があることから、耐久性にも
問題があり、経時および屋外曝露等により表面フィルム
層と基体との間で剥離を生じやすいという欠点もある。
さらに、エンボス加工で形成させ得る凹凸模様は未だ微
細さと均一さとの組合せにおいて十分満足のいくもので
はなく、閉鎖時における窓ガラス摺動部と窓ガラスとの
間の緊密接触性、および開放時における窓ガラス摺動部
と窓ガラスとの間の軽快摺動性についても未だ改善すべ
き余地が残されている。
【0007】そこで、本発明者らは、ガラスランチャン
ネルの上記のような問題を解決すべく鋭意研究し、ガラ
スランチャンネルの少なくとも窓ガラス摺動部を構成す
るエラストマーとして結晶性ポリオレフィンとゴムとか
ら構成される熱可塑性エラストマーを選択し、その熱可
塑性エラストマー層上に特定の超高分子量ポリオレフィ
ン組成物層を熱融着させて積層すれば、製造作業が容易
であり、しかも、耐久性、閉鎖時における窓ガラスとの
緊密接触性、および開放時における窓ガラスとの軽快摺
動性に優れたガラスランチャンネルを得ることができる
ことを見出し、新規なガラスランチャンネルを提案し
た。(特開平5−4522号公報、特開平5−4308
号公報)
【0008】しかしながら、このガラスランチャンネル
は、超高分子量ポリオレフィン組成物層に超高分子量ポ
リオレフィン、たとえば超高分子量ポリエチレンを単独
で用いると、剛性が高いために、製品(ガラスランチャ
ンネル)を車体に組み込む過程等においてガラスランチ
ャンネルをねじったり、折り曲げたときに超高分子量ポ
リオレフィン組成物層に皺が発生し、製品の外観を損ね
る場合があった。
【0009】本発明者らは、この点を改良すべく検討を
重ねた結果、超高分子量ポリオレフィン組成物として超
高分子量ポリオレフィンとオレフィン系熱可塑性エラス
トマーとからなる組成物を用いることにより、超高分子
量ポリオレフィンの性能を持ち、かつ、ねじったり、折
り曲げても超高分子量ポリオレフィン組成物層に皺が発
生しないガラスランチャンネルが得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、製造工程を簡
略化して製造することができ、耐久性、閉鎖時における
窓ガラスとの緊密接触性、および開放時における窓ガラ
スとの軽快摺動性に優れ、ねじたり折り曲げたりしても
超高分子量ポリオレフィン組成物層に皺が発生しないガ
ラスランチャンネルを提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】本発明に係るガラスランチャンネルは、
底壁と底壁の両端部から延設した側壁とから構成され、
断面略U字状で溝部が形成されたガラスランチャンネル
本体と、該ガラスランチャンネル本体の両側壁の先端近
傍から該底壁に向かって相互に近接するように張設した
舌片状の水切り部とから構成されたガラスランチャンネ
ルであって、該水切り部の窓ガラスと接触する表面であ
る窓ガラス接触部が、結晶性ポリオレフィンとゴムとか
ら構成される熱可塑性エラストマー(A)層と、超高分
子量ポリオレフィン組成物(B)層とからなり、かつ、
超高分子量ポリオレフィン組成物(B)層が窓ガラスと
接触するように構成されており、該超高分子量ポリオレ
フィン組成物(B)が、135℃デカリン溶媒中で測定
した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/gの範囲内
にあるポリオレフィン(a)10〜90重量部、および
結晶性オレフィン系樹脂とオレフィン系ゴムとからなる
オレフィン系熱可塑性エラストマー(b)90〜10重
量部[成分(a)および(b)の合計は100重量部]
からなることを特徴としている。
【0012】本発明で用いられる熱可塑性エラストマー
(A)の好ましい例としては、結晶性ポリプロピレン
(A−1)70〜10重量部と、エチレン・プロピレン
共重合体ゴムまたはエチレン・プロピレン・ジエン共重
合体ゴムからなるゴム(A−2)30〜90重量部[成
分(A−1)および(A−2)の合計量は100重量部
とする]とからなる混合物を、有機ペルオキシドの存在
下で動的に熱処理して得られる、上記ゴム(A−2)が
架橋された熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0013】また本発明で好ましく用いられる超高分子
量ポリオレフィン組成物(B)は、135℃デカリン溶
媒中で測定した極限粘度[η]が7〜40dl/gの範
囲内にある超高分子量ポリオレフィン(a−1)と、1
35℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.
1〜5dl/gの範囲内にあるポリオレフィン(a−
2)とから実質的になり、該超高分子量ポリオレフィン
(a−1)が、超高分子量ポリオレフィン(a−1)と
ポリオレフィン(a−2)との総重量100重量%に対
して15〜40重量%の割合で存在し、かつ、135℃
デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が3.5〜
8.3dl/gの範囲内にあるポリオレフィン組成物
(a)’10〜90重量部、および結晶性オレフィン系
樹脂とオレフィン系ゴムとからなるオレフィン系熱可塑
性エラストマー(b)90〜10重量部[成分(a)’
および(b)の合計は100重量部]からなる組成物で
ある。
【0014】また、前記超高分子量ポリオレフィン組成
物(B)は、前記ポリオレフィン(a)もしくはポリオ
レフィン組成物(a)’、およびオレフィン系熱可塑性
エラストマー(b)のほかに、スチレンまたはその誘導
体の重合体ブロック(c−1)と、イソプレン重合体ブ
ロックおよび/またはイソプレン・ブタジエン共重合体
ブロックであって、全イソプレン単位に対する1,2−
位および3,4−位で結合しているイソプレン単位含有
量が40%以上である重合体および/または共重合体ブ
ロック(c−2)とからなる水素添加されていてもよい
ブロック共重合体(c)、および/または高級脂肪酸ア
ミド(d)、シリコーンオイル(e)、脂肪族アルコー
ルとジカルボン酸あるいはモノカルボン酸とのエステル
(f)、およびフッ素系ポリマー(g)からなる群から
選ばれる少なくとも1種の成分を含有していてもよい。
【0015】前記超高分子量ポリオレフィン組成物
(B)を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマー
(b)の好ましい例としては、結晶性ポリプロピレン
(A−1)70〜10重量部と、エチレン・プロピレン
共重合体ゴムまたはエチレン・プロピレン・ジエン共重
合体ゴムからなるゴム(A−2)30〜90重量部[成
分(A−1)および(A−2)の合計量は100重量部
とする]とからなる混合物を、有機ペルオキシドの存在
下で動的に熱処理して得られる、上記ゴム(A−2)が
架橋された熱可塑性エラストマーが挙げられる。本発明
では、熱可塑性エラストマー(A)とオレフィン系熱可
塑性エラストマー(b)は、同一であってもよいし、異
なっていてもよい。
【0016】前記超高分子量ポリオレフィン組成物
(B)は、超高分子量ポリオレフィン組成物(B)当た
り1〜20重量%の液体ないし固体の潤滑油を含有して
いてもよい。
【0017】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るガラスランチ
ャンネルの一例を図に基づいて具体的に説明する。
【0018】図1は、本発明に係るガラスランチャンネ
ルの一例の断面構造を示す断面図である。図1におい
て、1は全体で本発明のガラスランチャンネルを示して
いる。このガラスランチャンネル1は、底壁1aと底壁
1aの両端部から延設した側壁1bとから構成されてお
り、断面略U字状(コの字形状)であり、その内部に溝
部1cが形成されたガラスランチャンネル本体2を備え
ている。ガラスランチャンネル本体2の両側壁1b,1
bの先端近傍から前記底壁1aに向かって相互に近接す
るように舌片状の水切り部3,3が張設されており、こ
れらの水切り部3,3の先端5,5が、相互に開閉可能
な位置関係にあるように構成されている。また、これら
の水切り部3,3の外面側が、自動車などの車両の窓ガ
ラスと接触する表面となっており、窓ガラス接触部4,
4を構成している。さらに、ガラスランチャンネル本体
2には、その両側壁1b,1bの外側に側壁1bの先端
部側に傾斜するように突設した取付け用フック6が形成
されている。
【0019】この本体2および水切り部3はエラストマ
ーで一体に成形されているが、本発明によれば、少なく
とも窓ガラス接触部4を、特定の熱可塑性エラストマー
(A)からなる基体層と特定の超高分子量ポリオレフィ
ン組成物(B)からなる滑性樹脂層とで構成する。この
窓ガラス接触部4を拡大して示す図2のように、上記基
体層7の表面8は、微細な凹凸の繰返し模様が施されて
いることが好ましい。このようなシャークスキン状の微
小凹凸模様を有する表面8に対して、上記滑性樹脂層9
が熱融着により積層され、その外表面10には同様の微
細な凹凸の繰返し模様が施されていることが好ましい。
【0020】図3〜図5は、このように構成されるガラ
スランチャンネルを自動車の窓枠への装着方法を説明す
るそれぞれドアを示す斜視図、窓枠部分の断面図であ
る。図3〜図5に示したように、自動車のドア11に
は、昇降動させることによって開閉可能なように窓ガラ
ス12が装着されている。一方、ドア11の窓枠13の
内周部分に、ガラスランチャンネル1が固定されてい
る。
【0021】このガラスランチャンネル1を窓枠13の
内周部分に固定するために、図4および図5に示したよ
うに、窓枠13は全体にわたってその断面が略U字状
(コの字形状)に成形されており、その凹部14を構成
する両側板部14aの凹部14の入口部分には、内側に
突設する突起部15が形成されている。そして、この窓
枠13の凹部14内に、ガラスランチャンネル1をその
ガラスランチャンネル本体2の底壁側から挿入して、そ
の取付け用フック6が窓枠13の突起部15を越えるよ
うに挿入すれば、取付け用フック6が突起部15にて係
止され、ガラスランチャンネル本体2が窓枠13の凹部
14から抜け落ちるのが防止されるため、その結果、ガ
ラスランチャンネル1を窓枠13に固定することができ
る。
【0022】そして、図4に示したように、窓ガラス1
2を降下させた状態では、ガラスランチャンネル1のガ
ラス摺動部を構成する水切り部3,3の先端5,5は、
相互に対面して閉じた状態となっており、溝部内に塵埃
などが侵入して、窓ガラス12の表面を汚損するのが防
止できるようになっている。一方、図5に示したよう
に、窓ガラス12を上昇させた状態では、窓ガラス摺動
部を構成する水切り部3,3の先端5,5は、窓ガラス
12がこれらの間に嵌挿された状態となり、相互に分離
した状態となっているが、窓ガラス12の表面とは接触
状態となっており、液密状態が確保されるようになって
いる。
【0023】本発明によれば、ガラスランチャンネル1
の内、少なくとも窓ガラスと接触する部分に熱可塑性エ
ラストマー(A)からなる基体層7と、この基体層7の
表面に熱融着された超高分子量ポリオレフィン組成物
(B)からなる滑性樹脂層9とを設ける。
【0024】すなわち、本発明で用いられる熱可塑性エ
ラストマー(A)は、任意の形状および寸法に熱成形す
ることが可能であるとともに、ガラスランチャンネルの
窓ガラス摺動部に要求される弾性、柔軟性、可圧縮性な
どの特性に優れており、しかも、耐久性、耐候性、耐水
性などの性質にも優れている。熱可塑性エラストマー
(A)は、表面材層となる超高分子量ポリオレフィン組
成物(B)からなる滑性樹脂層9に対し、強い接着性を
示し、この滑性樹脂層9との熱融着により、接着直後お
よび経時の層間接着強度、さらには、耐候試験後の層間
接着強度に優れた積層構造を形成させることができる。
しかも、本発明で基体層7として用いられる熱可塑性エ
ラストマー(A)は、シャークスキン状の成形外観を呈
するように成形することも可能であり、この成形工程
と、表面材層としての超高分子量ポリオレフィン組成物
(B)からなる滑性樹脂層9と基体層7との熱融着工程
とを組合わせることにより、滑性樹脂層9の外表面にシ
ャークスキン状の微小凹凸模様を忠実に再現することも
できる。このようなシャークスキン状の微小凹凸模様表
面の写し出しは、従来の接着剤塗布方式では極めて困難
であり、上記成形工程と熱融着工程との組合せによりは
じめて可能となった。
【0025】本発明によれば、上述した構成を採用する
ことにより、接着剤の塗布工程、接着剤の硬化ないし焼
付工程、その前あるいは後におけるエンボス加工工程が
すべて省略され、少ない工程数と少ない手間とでガラス
ランチャンネルを能率よく製造することができる。ま
た、超高分子量ポリオレフィン組成物(B)からなる滑
性樹脂層9を表面材層としてを設けることにより、窓ガ
ラスとの摩擦係数を低減させることができるだけでな
く、従来のエンボス加工による凹凸模様に比して、ピッ
チが均一で、しかもシャークスキン状の微細な凹凸を表
面に形成させることが可能となった。したがって、本発
明に係るガラスランチャンネルにおいては、窓ガラスの
閉鎖時には窓ガラスとの緊密(液密)な接触が可能とな
るとともに、窓ガラスの開放時にはその摺動抵抗を低減
させて、円滑軽快な開閉操作が可能となる。
【0026】熱可塑性エラストマー(A) 本発明で用いられる熱可塑性エラストマー(A)は、結
晶性ポリオレフィンとゴムとから構成されている。
【0027】本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン
としては、炭素原子数2〜20のα- オレフィンの単独
重合体または共重合体が挙げられる。上記結晶性ポリオ
レフィンの具体的な例としては、以下のような(共)重
合体が挙げられる。 (1)エチレン単独重合体(製法は、低圧法、高圧法の
いずれでも良い) (2)エチレンと、10モル%以下の他のα- オレフィ
ンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニル
モノマーとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと10モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1-ブテン単独重合体 (7)1-ブテンと10モル%以下の他のα- オレフィン
とのランダム共重合体 (8)4-メチル-1- ペンテン単独重合体 (9)4-メチル-1- ペンテンと20モル%以下の他のα
- オレフィンとのランダム共重合体 上記のα- オレフィンとしては、具体的には、エチレ
ン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-
ヘキセン、1-オクテンなどが挙げられる。
【0028】本発明で用いられるゴムとしては、特に制
限はないが、オレフィン系共重合体ゴムが好ましい。上
記のオレフィン系共重合体ゴムは、炭素原子数2〜20
のα- オレフィンを主成分とする無定形ランダムな弾性
共重合体であって、2種以上のα- オレフィンからなる
非晶性α- オレフィン共重合体、2種以上のα- オレフ
ィンと非共役ジエンとからなるα- オレフィン・非共役
ジエン共重合体などがある。
【0029】このようなオレフィン系共重合体ゴムの具
体的な例としては、以下のようなゴムが挙げられる。 (1)エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム [エチレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (2)エチレン・α- オレフィン・非共役ジエン共重合
体ゴム [エチレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (3)プロピレン・α- オレフィン共重合体ゴム [プロピレン/α- オレフィン(モル比)=約90/1
0〜50/50] (4)ブテン・α- オレフィン共重合体ゴム [ブテン/α- オレフィン(モル比)=約90/10〜
50/50] 上記α- オレフィンとしては、具体的には、上記した結
晶性ポリオレフィンを構成するα- オレフィンの具体的
な例と同様のα- オレフィンが挙げられる。
【0030】上記非共役ジエンとしては、具体的には、
ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、シクロオク
タジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボル
ネンなどが挙げられる。
【0031】これらの共重合体ゴムのムーニー粘度ML
1+4 (100℃)は、10〜250、特に40〜150
が好ましい。また、上記非共役ジエンが共重合している
場合のヨウ素価は、25以下が好ましい。
【0032】上記のオレフィン系共重合体ゴムは、熱可
塑性エラストマー中において、未架橋、部分架橋、全体
架橋など、すべての架橋状態で存在することができる
が、本発明においては、架橋状態で存在していることが
好ましく、特に部分架橋状態で存在していることが好ま
しい。
【0033】本発明において用いられるゴムとしては、
上記のオレフィン系共重合体ゴムのほかに、他のゴム、
たとえばスチレン- ブタジエンゴム(SBR)、ニトリ
ルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(I
IR)等のジエン系ゴム、SEBS、ポリイソブチレン
などが挙げられる。
【0034】本発明で用いられる熱可塑性エラストマー
(A)において、結晶性ポリオレフィンとゴムとの重量
配合比(結晶性ポリオレフィン/ゴム)は、通常90/
10〜5/95、好ましくは70/30〜10/90の
範囲である。
【0035】またゴムとして、オレフィン系共重合体ゴ
ムとその他のゴムを組合わせて用いる場合には、その他
のゴムは、結晶性ポリオレフィンとゴムとの合計量10
0重量部に対して、40重量部以下、好ましくは5〜2
0重量部の割合で配合する。
【0036】本発明で好ましく用いられる熱可塑性エラ
ストマー(A)は、結晶性ポリプロピレンと、エチレン
・α- オレフィン共重合体ゴムもしくはエチレン・α-
オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムとからなり、熱
可塑性エラストマー中においてこれらが部分架橋された
状態で存在し、かつ、結晶性ポリプロピレンとゴムとの
重量配合比(結晶性ポリプロピレン/ゴム)が70/3
0〜10/90の範囲内にある。
【0037】上記の熱可塑性エラストマー(A)には、
必要に応じて、鉱物油系軟化剤、耐熱安定剤、帯電防止
剤、耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、滑剤な
どの添加物を、本発明の目的を損なわない範囲で配合す
ることができる。
【0038】本発明で好ましく用いられる熱可塑性エラ
ストマー(A)のより具体的な例としては、結晶性ポリ
プロピレン(A−1)70〜10重量部と、エチレン・
プロピレン共重合体ゴムまたはエチレン・プロピレン・
ジエン共重合体ゴムからなるゴム(A−2)30〜90
重量部[成分(A−1)および(A−2)の合計量は、
100重量部とする]と、このゴム(A−2)以外のゴ
ム(A−3)および/または鉱物油系軟化剤(A−4)
5〜100重量部とからなる混合物を、有機ペルオキシ
ドの存在下で動的に熱処理して得られる、上記ゴム(A
−2)が架橋された熱可塑性エラストマーが挙げられ
る。
【0039】上記有機ペルオキシドとしては、具体的に
は、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシ
ド、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)
ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオ
キシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシ
イソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペル
オキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル
-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベ
ンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシ
ド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチ
ルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエ
ート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネー
ト、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシ
ド、tert-ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられ
る。
【0040】これらの内では、臭気性、スコーチ安定性
の点で、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキ
シ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペ
ルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオ
キシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチル
ペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブ
チル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート
が好ましく、なかでも、1,3-ビス(tert- ブチルペルオ
キシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
【0041】本発明においては、有機ペルオキシドは、
結晶性ポリオレフィンとゴムとの合計量100重量%に
対して、0.05〜3重量%、好ましくは0.1〜1重
量%の割合で用いられる。
【0042】上記有機ペルオキシドによる部分架橋処理
に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,p'- ジベンゾイ
ルキノンジオキシム、N-メチル-N-4- ジニトロソアニリ
ン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメ
チロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジマレイミドのよ
うなペルオキシ架橋用助剤、あるいはジビニルベンゼ
ン、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリ
レートのような多官能性メタクリレートモノマー、ビニ
ルブチラート、ビニルステアレートのような多官能性ビ
ニルモノマーを配合することができる。
【0043】上記のような化合物を用いることにより、
均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明に
おいては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニル
ベンゼンは、取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分
である結晶性ポリオレフィンおよびゴムとの相溶性が良
好であり、かつ、有機ペルオキシドを可溶化する作用を
有し、有機ペルオキシドの分散剤として働くため、熱処
理による架橋効果が均質で、流動性と物性とのバランス
のとれた熱可塑性エラストマーが得られる。
【0044】上記のような架橋助剤もしくは多官能性ビ
ニルモノマーは、上記の被架橋処理物全体に対して、
0.1〜2重量%、特に0.3〜1重量%の割合で用い
るのが好ましい。架橋助剤もしくは多官能性ビニルモノ
マーの配合割合が2重量%を超えると、有機ペルオキシ
ドの配合量が多い場合には、架橋反応が速く進行し過ぎ
るため、得られる熱可塑性エラストマーは、流動性に劣
り、一方、有機ペルオキシドの配合量が少ない場合に
は、架橋助剤および多官能性ビニルモノマーが、熱可塑
性エラストマー中に未反応のモノマーとして残存し、熱
可塑性エラストマーは、加工成形の際に熱履歴による物
性の変化が生じたりする。したがって、架橋助剤および
多官能性ビニルモノマーは、過剰に配合すべきではな
い。
【0045】上記の「動的に熱処理する」とは、上記の
ような各成分を融解状態で混練することをいう。混練装
置としては、従来公知の混練装置、たとえば開放型のミ
キシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、押出
機、ニーダー、連続ミキサーなどが用いられる。これら
の内では、非開放型の混練装置が好ましく、混練は、窒
素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行なう
ことが好ましい。
【0046】また、混練は、使用する有機ペルオキシド
の半減期が1分未満となる温度で行なうのが望ましい。
混練温度は、通常150〜280℃、好ましくは170
〜240℃であり、混練時間は、1〜20分間、好まし
くは3〜10分間である。また、加えられる剪断力は、
剪断速度として100sec-1以上、好ましくは500
〜10,000sec-1の範囲内で決定される。
【0047】本発明で特に好ましく用いられる熱可塑性
エラストマー(A)は、部分的に架橋されているが、こ
の「部分的に架橋された」とは、下記の方法で測定した
ゲル含量が20〜98%の範囲内にある場合をいい、本
発明においては、ゲル含量が40〜98%の範囲内にあ
ることが好ましい。
【0048】[ゲル含量の測定法]熱可塑性エラストマ
ーの試料を約100mg秤量して0.5mm×0.5m
m×0.5mmの細片に裁断し、次いで、得られた細片
を、密閉容器中にて30mlのシクロヘキサンに、23
℃で48時間浸漬する。
【0049】次に、この試料を濾紙上に取り出し、室温
にて72時間以上恒量になるまで乾燥する。この乾燥残
渣の重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性
成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じ
た値を、「補正された最終重量(Y)」とする。
【0050】一方、試料の重量からポリマー成分以外の
シクロヘキサン可溶性成分(たとえば軟化剤)の重量お
よびポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊
維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、
「補正された初期重量(X)」とする。
【0051】ここに、ゲル含量(シクロヘキサン不溶解
分)は、次式により求められる。 ゲル含量[重量%]=[補正された最終重量(Y)]÷
[補正された初期重量(X)]×100 本発明で用いられる熱可塑性エラストマー(A)は、結
晶性ポリオレフィンとゴムとからなるため、流動性に優
れている。
【0052】上記のような熱可塑性エラストマー(A)
は、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、押出成
形等の従来使用されている成形装置を用いて成形するこ
とができる。
【0053】超高分子量ポリオレフィン組成物(B) 本発明で用いられる超高分子量ポリオレフィン組成物
(B)の具体的な例としては、以下のような超高分子量
ポリオレフィン組成物が挙げられる。
【0054】(1)135℃デカリン溶媒中で測定した
極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/gの範囲にある
ポリオレフィン(a)と、結晶性オレフィン系樹脂とオ
レフィン系ゴムからなるオレフィン系熱可塑性エラスト
マー(b)と、必要に応じて、スチレンまたはその誘導
体の重合体ブロック(c−1)と、イソプレン重合体ブ
ロックおよび/またはイソプレン・ブタジエン共重合体
ブロックであって、全イソプレン単位に対する1,2−
位および3,4−位で結合しているイソプレン単位含有
量が40%以上である重合体および/または共重合体ブ
ロック(c−2)とからなる水素添加されていてもよい
ブロック共重合体(c)、および/または高級脂肪酸ア
ミド(d)、シリコーンオイル(e)、脂肪族アルコー
ルとジカルボン酸あるいはモノカルボン酸とのエステル
(f)、およびフッ素系ポリマー(g)からなる群から
選ばれる少なくとも1種の成分とからなる組成物。
【0055】(2)135℃デカリン溶媒中で測定した
極限粘度[η]が7〜40dl/g、好ましくは10〜
35dl/gの範囲内にある超高分子量ポリオレフィン
(a−1)と、135℃デカリン溶媒中で測定した極限
粘度[η]が0.1〜5dl/g、好ましくは0.1〜
2dl/gの範囲内にある低分子量ないし高分子量ポリ
オレフィン(a−2)とから実質的になり、超高分子量
ポリオレフィン(a−1)が、超高分子量ポリオレフィ
ン(a−1)とポリオレフィン(a−2)との総重量1
00重量%に対して15〜40重量%、好ましくは18
〜35重量%の割合で存在し、かつ、135℃デカリン
溶媒中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl
/gの範囲にあるポリオレフィン組成物(a)’と、結
晶性オレフィン系樹脂とオレフィン系ゴムからなるオレ
フィン系熱可塑性エラストマー(b)と、必要に応じ
て、上記ブロック共重合体(c)、および/または高級
脂肪酸アミド(d)、シリコーンオイル(e)、脂肪族
アルコールとジカルボン酸あるいはモノカルボン酸との
エステル(f)、およびフッ素系ポリマー(g)からな
る群から選ばれる少なくとも1種の成分とからなる組成
物。
【0056】(3)上記(1)または(2)の超高分子
量ポリオレフィン組成物と、この超高分子量ポリオレフ
ィン組成物当り1〜20重量%の液体ないし固体の潤滑
油とからなる組成物。
【0057】[ポリオレフィン(a)、超高分子量ポリ
オレフィン(a−1)およびポリオレフィン(a−
2)]上記(1)の組成物を構成するポリオレフィン
(a)、上記(2)の組成物を構成する超高分子量ポリ
オレフィン(a−1)およびポリオレフィン(a−2)
は、たとえばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペン
テン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセ
ン、4-メチル-1- ペンテン、3-メチル-1- ペンテンなど
のα- オレフィンの単独重合体または共重合体からな
る。本発明においては、エチレン単独重合体、およびエ
チレンと他のα- オレフィンとからなる、エチレンを主
成分とする共重合体が望ましい。
【0058】[オレフィン系熱可塑性エラストマー
(b)]上記オレフィン系熱可塑性エラストマー(b)
は、上述したオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)
と同様の材料を用いることができる。成分(b)と
(A)とは全く同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0059】[ブロック共重合体(c)]本発明で用い
られるブロック共重合体(c)は、スチレンまたはその
誘導体の重合体ブロック(c−1)と、特定のイソプレ
ン重合体または特定のイソプレン・ブタジエン共重合体
からなるブロック(c−2)とからなり、水素添加され
ていてもよい。
【0060】上記ブロック(c−1)を構成する重合体
成分は、スチレンまたはその誘導体である。スチレンの
誘導体としては、具体的には、α- メチルスチレン、1-
ビニルナフタレン、2-ビニルナフタレン、3-メチルスチ
レン、4-プロピルスチレン、4-シクロヘキシルスチレ
ン、4-ドデシルスチレン、2-エチル-4- ベンジルスチレ
ン、4-(フェニルブチル)スチレンなどが挙げられる。
ブロック(c−1)を構成する重合体成分としては、ス
チレン、α- メチルスチレンが好ましい。
【0061】上記ブロック(c−2)を構成する重合体
または共重合体は、イソプレン重合体またはイソプレン
・ブタジエン共重合体であって、下記に示すイソプレン
単位全体に対する1,2−位および3,4−位で結合し
ているイソプレン単位含有量が40%以上、好ましくは
45%以上である。
【0062】
【化1】
【0063】本発明において、全イソプレン単位に対す
る1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレ
ン単位含有量が40%以上であるとき、耐傷付き性に優
れた成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーを得るこ
とができる。
【0064】ブロック共重合体(c)におけるスチレン
またはその誘導体の重合体ブロック(c−1)の割合
は、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10
〜45重量%の範囲である。すなわち、上記のイソプレ
ン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合
体ブロック(c−2)の割合は、好ましくは95〜50
重量%、さらに好ましくは90〜55重量%の範囲であ
る。
【0065】本発明においては、水素添加されたブロッ
ク共重合体(c)が好ましい。水素添加されたブロック
共重合体(c)を用いると、耐候性と耐熱性により優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーが得られ
る。本発明で用いられるブロック共重合体(c)のメル
トフローレート(MFR;ASTM D 1238、23
0℃、2.16kg荷重、以下同じ)は、好ましくは
0.01〜30g/10分、さらに好ましくは0.01
〜10g/10分の範囲にある。メルトフローレートが
上記のような範囲にあるブロック共重合体(c)を用い
ると、耐傷付き性に優れた成形体を提供し得る熱可塑性
エラストマーが得られる。
【0066】本発明で用いられるブロック共重合体
(c)のブロック形態としては、ブロック(c−1)−
ブロック(c−2)−ブロック(c−1)の形態が最も
好ましいが、これに限られるものではない。
【0067】このようなブロック共重合体(c)は、た
とえば、以下のような方法により製造することができ
る。 (1) アルキルリチウム化合物を開始剤としてスチレンま
たはその誘導体、イソプレンまたはイソプレン・ブタジ
エン混合物を逐次重合させる方法。 (2) スチレンまたはその誘導体、次いで、イソプレンま
たはイソプレン・ブタジエン混合物を重合し、これをカ
ップリング剤によりカップリングする方法。 (3) ジリチウム化合物を開始剤としてイソプレンまたは
イソプレン・ブタジエン混合物、次いで、スチレンまた
はその誘導体を逐次重合させる方法。
【0068】上記ブロック共重合体(c)の製造方法の
詳細は、たとえば特開平2−300250号公報に記載
されている。また、上記のような方法により得られたブ
ロック共重合体(c)に水添処理を行なえば、水素添加
されたブロック共重合体(c)が得られる。水添される
ブロックは、イソプレン重合体ブロックまたはイソプレ
ン・ブタジエン共重合体ブロック(c−2)である。
【0069】本発明においては、ブロック共重合体
(c)は、必要に応じて、上記の成分(a)、(b)お
よび(c)の合計量100重量部に対して、5〜60重
量部、好ましくは10〜50重量部、さらに好ましくは
10〜40重量部の割合で用いられる。
【0070】ブロック共重合体(c)を上記のような割
合で用いると、特に耐摩耗性に優れた成形体を提供し得
る熱可塑性エラストマーが得られる。[高級脂肪酸アミド(d)、シリコーンオイル(e)、
エステル(f)およびフッ素系ポリマー(g)] 本発明
で用いられる高級脂肪酸アミド(d)としては、具体的
には、ラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステア
リン酸アミド、ベへミン酸アミド等の飽和脂肪酸アミ
ド;エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ブラシジン酸
アミド、エライジン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド;
メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスオレイ
ン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレ
ンビスオレイン酸アミド等のビス脂肪酸アミドなどが挙
げられる。これらの中では、エルカ酸アミド、オレイン
酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドが好ましい。
【0071】本発明で用いられるシリコーンオイル
(e)としては、具体的には、ジメチルシリコーンオイ
ル、フェニルメチルシリコーンオイル、フルオロシリコ
ーンオイル、テトラメチルテトラフェニルトリシロキサ
ン、変性シリコーン油などが挙げられる。これらの中で
は、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコ
ーンオイルが好ましく用いられる。
【0072】このシリコーンオイル(e)の動粘度[J
IS K 2283、25℃]は、10〜30,000c
St、好ましくは50〜10,000cSt、さらに好
ましくは100〜5,000cStの範囲である。
【0073】本発明で用いられるエステル(f)は、脂
肪族アルコールと、ジカルボン酸あるいはモノカルボン
酸とのエステルである。このようなエステル(f)とし
ては、具体的には、セチルアルコールと酢酸とのエステ
ル、セチルアルコールとプロピオン酸とのエステル、セ
チルアルコールと酪酸とのエステル、牛脂アルコールと
酢酸とのエステル、牛脂アルコールとプロピオン酸との
エステル、牛脂アルコールと酪酸とのエステル、ステア
リルアルコールと酢酸とのエステル、ステアリルアルコ
ールとプロピオン酸とのエステル、ステアリルアルコー
ルと酪酸とのエステル、ジステアリルアルコールとフタ
ル酸とのエステル、グリセリンモノオレート、グリセリ
ンモノステアレート、12-水酸化ステアレート、グリセ
リントリステアレート、トリメチロールプロパントリス
テアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレー
ト、ブチルステアレート、イソブチルステアレート、ス
テアリン酸エステル、オレイン酸エステル、ベヘン酸エ
ステル、カルシウムソープ含有エステル、イソトリデシ
ルステアレート、セチルパルミテート、セチルステアレ
ート、ステアリールステアレート、ベヘニルベヘネー
ト、モンタン酸エチレングリコールエステル、モンタン
酸グリセリンエステル、モンタン酸ペンタエリスリトー
ルエステル、カルシウム含有モンタン酸エステルなどが
挙げられる。これらの中では、ジステアリルアルコール
とフタル酸とのエステル、グリセリンモノオレート、グ
リセリンモノステアレート、ステアリン酸エステル、モ
ンタン酸グリセリンエステルが好ましい。特にジステア
リルアルコールとフタル酸とのエステル、グリセリンモ
ノステアレート、モンタン酸グリセリンエステルが好ま
しい。
【0074】本発明で用いられるフッ素系ポリマ−
(g)としては、具体的には、ポリテトラフルオロエチ
レン、ビニリデンフルオライド共重合物などが挙げられ
る。これらの中では、ポリテトラフルオロエチレンが好
ましい。
【0075】本発明においては、上記の高級脂肪酸アミ
ド(d)、シリコーンオイル(e)、エステル(f)お
よびフッ素系ポリマー(g)からなる群から選ばれる少
なくとも1種の成分は、必要に応じて用いられ、ポリオ
レフィン(a)もしくはポリオレフィン組成物(a)’
とオレフィン系熱可塑性エラストマー(b)とブロック
共重合体(c)との合計量100重量部に対して、0.
01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、さ
らに好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
上記ブロック共重合体(c)は任意成分であるので、0
重量部となる場合がある。
【0076】[液体ないし固体の潤滑油]前記(3)の
組成物で用いられる液体潤滑油としては、石油系潤滑
油、合成潤滑油などが使用される。
【0077】石油系潤滑油としては、具体的には、流動
パラフィン、スピンドル油、冷凍機油、ダイナモ油、タ
ービン油、マシン油、シリンダー油などが使用される。
合成潤滑油としては、具体的には、合成炭化水素油、ポ
リグリコール油、ポリフェニルエーテル油、エステル
油、リン酸エステル油、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン油、フルオロエステル油、塩素化ビフェニル油、シリ
コーン油などが使用される。
【0078】また、前記(3)の組成物で用いられる固
体潤滑油としては、具体的には、黒鉛、二硫化モリブデ
ンが主に使用されるが、他に窒化ホウ素、二硫化タング
ステン、酸化鉛、ガラス粉、金属石けんなども、使用す
ることができる。固体潤滑油は、単独でも使用すること
ができ、また、液体潤滑油と組み合わせて使用すること
ができ、たとえば粉末、ゾル、ゲル、サスペンソイドな
どの形態で超高分子量ポリオレフィンに配合することが
できる。
【0079】本発明で用いられる超高分子量ポリオレフ
ィン組成物(B)には、必要に応じて、鉱物油系軟化
剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止
剤、充填剤、着色剤、滑剤などの添加物を、本発明の目
的を損なわない範囲で配合することができる。
【0080】上記(1)〜(3)の超高分子量ポリオレ
フィン組成物(B)は、上記熱可塑性エラストマー
(A)との共押出積層加工が行なえるため、本発明のガ
ラスランチャンネルの製造に際し、フィルム(シート)
成形工程を経ることなく、直接、熱可塑性エラストマー
(A)層と超高分子量ポリオレフィン組成物(B)層と
を積層することができ、経済的である。
【0081】一方、超高分子量ポリオレフィン、たとえ
ば上記(2)における135℃デカリン溶媒中で測定し
た極限粘度[η]が7〜40dl/gの範囲内にある超
高分子量ポリオレフィン(a−1)単独では、上記熱可
塑性エラストマー(A)との共押出積層加工を行なうこ
とはできず、したがって、上記の熱可塑性エラストマー
層と超高分子量ポリオレフィン層との積層に際しては、
少なくとも一方を予めフィルム(シート)にしておく必
要があり、上記超高分子量ポリオレフィン組成物(B)
の場合と比較すると経済性に劣る。
【0082】本発明に係るガラスランチャンネルにおい
て、水切り部3はガラスランチャンネル本体2と同一材
質からなることが好ましい。ガラスランチャンネル本体
2が熱可塑性エラストマー(A)からなっている場合に
は、水切り部3も同一材質で成形すれば、耐久性の点で
も、滑性樹脂層9との接合強度の点でも十分に実用に耐
える。
【0083】本発明に係るガラスランチャンネルにおい
て用いることのできるシャークスキン(サメ肌)は、原
料熱可塑性エラストマー(A)の性状を適当に選ぶこと
により、成形時に発現させ得る。
【0084】得られたシャークスキンの外観は、樹脂や
エラストマーの押出成形時に見られることのあるメルト
フラクチャーとは異なり、成形品の肌が周期的に荒れて
微細な凹凸を生じている。
【0085】また、このシャークスキンの上に施された
滑性樹脂層9表面にも、シャークスキンが現出している
ことが必要で、滑性樹脂層9の厚さは、通常3〜50μ
mとなるように積層する。また、本発明においては、必
要に応じて、滑性樹脂層9の厚さをさらに厚くすること
もできるし、また薄くすることもできる。
【0086】なお、水切り部3が窓ガラス12と接触す
る部位は、窓ガラス12の進入時と退出時とでは一般に
異なるから、超高分子量ポリオレフィン組成物(B)に
よる被覆および必要に応じて施されるシャークスキンの
形成は、水切り部3の比較的広い範囲に施しておくこと
が好ましい。
【0087】また、図1に示す具体例では、ガラスラン
チャンネル本体2の内部には、窓ガラス端部と当接する
部分16があるが、この部分16にも、熱可塑性エラス
トマー(A)からなるガラスランチャンネル本体2表面
に、超高分子量ポリオレフィン組成物(B)からなる滑
性樹脂層9を設けることができる。
【0088】さらに、本発明においては、上記滑性樹脂
層9の表面に起毛が存在していてもよい。上記起毛の加
飾方法としては、(a)エメリーペーパーによるバフ掛
けをして滑性樹脂層表面を起毛加飾する方法、(b)針
布ロール通しをして滑性樹脂層表面を起毛加飾する方
法、(c)ベルトサンダーもしくはドラムサンダーなど
によるサンディングをして滑性樹脂層表面を起毛加飾す
る方法、(d)特開昭62−275,732号公報に記
載されている熱微小体を衝突させて滑性樹脂層表面を起
毛加飾する方法など、従来公知の起毛加飾方法が用いら
れる。
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、接着剤の塗布工程、接
着剤の硬化ないし焼付工程、およびその前後のエンボス
加工工程をすべて省略することができ、その結果、工程
数が少なくて済み、また、作業時間を短縮することがで
きるため、経済性に優れたガラスランチャンネルを製造
することができるとともに、耐久性、閉鎖時における窓
ガラスとの緊密接触性、および開閉操作時における軽快
摺動性に優れ、ねじったり折り曲げたりしても超高分子
量ポリオレフィン組成物層に皺が生じないガラスランチ
ャンネルを提供することができる。
【0090】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0091】
【実施例1】エチレン含有量70モル%、ヨウ素価1
2、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)120のエチレ
ン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合
体ゴム[以下、EPDMと略す]80重量部と、MFR
(ASTM D 1238−65T、230℃)13g/
10分、密度0.91g/cm3 のポリプロピレン[以
下、PPと略す]20重量部とを、バンバリーミキサー
を用いて、窒素雰囲気中、180℃で5分間混練した
後、この混練物をロールに通してシート状にし、これを
シートカッターで裁断して角ペレットを製造した。
【0092】次いで、この角ペレットと、1,3-ビス(t
ert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン[以
下、ペルオキシドと略す]0.3重量部と、ジビニルベ
ンゼン[以下、DVBと略す]0.5重量部とをヘンシ
ェルミキサーで攪拌混合した。
【0093】次いで、この混合物を、L/D=40、ス
クリュー径50mmの2軸押出機を用いて、窒素雰囲気
中、220℃で押出して熱可塑性エラストマー(A−
1)を得た。
【0094】得られた熱可塑性エラストマー(A−1)
のゲル含量は、上記方法により求めたところ、85重量
%であった。この熱可塑性エラストマー(A−1)を2
30℃の温度で押出成形してガラスランチャンネル本体
および水切り部を成形するとともに、その表面に、13
5℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が28d
l/gの超高分子量ポリエチレン(a−1)23重量%
と、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が
0.73dl/gの低分子量ポリエチレン(a−2)7
7重量%とからなるポリエチレン組成物(a)’[13
5℃デカリン中で測定した極限粘度[η]:7.0dl
/g]75重量部と熱可塑性エラストマー(A−1)2
5重量部を上述の2軸押出機で混練した超高分子量ポリ
エチレン組成物(B−1)を250℃で共押出積層して
ガラスランチャンネルを得た。
【0095】得られたガラスランチャンネルは、ほぼ台
形状の形状をしており、図3において窓枠13に固定さ
れるガラスランチャンネル1の傾斜部と水平部との合計
長さが1500mm、垂直部の長さが900mmであ
り、図1において本体2の底部外幅が15mm、側部外
高が20mm、水切り部3の長さが10mmであり、図
1に示された断面形状にほぼ等しく、超高分子量ポリエ
チレン組成物層の厚みは平均30μmであった。
【0096】得られたガラスランチャンネルを試験窓枠
に装着し、厚さ3.2mmの窓ガラスを嵌装して耐久試
験(窓ガラス上下繰返し試験)を行なった。その結果、
このガラスランチャンネルは、50,000回の窓ガラ
ス上下繰返し試験にも耐え、ガラスランチャンネルとし
ての機能を維持していた。
【0097】しかしながら、従来品のガラスランチャン
ネル(窓ガラス摺動部が軟質塩化ビニル樹脂層にナイロ
ンフィルムを接着した積層構造になっている)は、2
5,000回で窓ガラス接触面において破壊を生じ、そ
の結果、窓ガラスとの摩擦抵抗が著しく増大して使用に
耐えられなくなった。
【0098】また、この実施例1で得られたガラスラン
チャンネルの直線部を長さ30cmに切り、中央から水
切り部を外側にして180度折り曲げたが、超高分子量
ポリエチレン組成物層(滑性樹脂層)に顕著な皺は見ら
れなかった。
【0099】
【実施例2】実施例1において、ポリエチレン組成物
(a)’60重量部、熱可塑性エラストマー(A−1)
15重量部、およびスチレン・イソプレン・スチレンブ
ロック共重合体[スチレン含有量:20重量%、イソプ
レン重合体部分における1,2−位および3,4−位で
結合しているイソプレン単位含有量:55%、メルトフ
ローレート:2.5g/10分](c)25重量部を上
述の2軸押出機で混練した超高分子量ポリエチレン組成
物(B−2)を用いた以外は、実施例1と同様に行なっ
た。
【0100】得られたガラスランチャンネルを用いて、
窓ガラス上下繰返し試験を実施例1と同様にして行なっ
た結果、50,000回に耐えた。また、上述の折り曲
げに対しても、超高分子量ポリエチレン組成物層に顕著
な皺は見られなかった。
【0101】
【実施例3】実施例1において、EPDMおよびPPの
ほかに、ブチルゴム[エッソ社製、IIR−065、不
飽和度0.8モル%、以下、IIRと略す]10重量部
およびパラフィン系プロセスオイル[出光興産(株)
製、商品名 ダイアナプロセスオイル]30重量部を配
合して熱可塑性エラストマー(A−2)を製造した以外
は、実施例1と同様に行なった。得られた熱可塑性エラ
ストマー(A−2)のゲル含量は、70%であった。
【0102】得られたガラスランチャンネルは、窓ガラ
ス上下繰返し試験50,000回に耐えた。また、上述
の折り曲げに対して、超高分子量ポリエチレン組成物層
に顕著な皺は見られなかった。
【0103】
【実施例4】実施例1において、ポリエチレン組成物
(a)’75重量部および熱可塑性エラストマー(A−
1)25重量部の他に、エルカ酸アミド0.5重量部か
ら超高分子量ポリエチレン組成物(B−3)を調製した
以外は、実施例1と同様に行なった。
【0104】得られたガラスランチャンネルは、窓ガラ
ス上下繰返し試験50,000回に耐えた。また、上述
の折り曲げに対しても、超高分子量ポリエチレン組成物
層に顕著な皺は見られなかった。
【0105】
【比較例1】実施例1において、超高分子量ポリエチレ
ン組成物(B−1)の代わりに、ポリエチレン組成物
(a)’を単独で用いた以外は、実施例1と同様に行な
った。
【0106】得られたガラスランチャンネルは、窓ガラ
ス上下繰返し試験50,000回に耐えた。しかしなが
ら、上述の折り曲げに対しては、超高分子量ポリエチレ
ン組成物層の部分に皺が生じ白化が見られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るガラスランチャンネルの
断面図である。
【図2】図2は、図1に示すガラスランチャンネルの窓
ガラスとの接触部の拡大断面図である。
【図3】図3は、ガラスランチャンネルの自動車ドアへ
の取付けを説明する図である。
【図4】図4は、窓ガラスの開放時におけるガラスラン
チャンネルの状態を示す断面図である。
【図5】図5は、窓ガラスの閉鎖時におけるガラスラン
チャンネルの状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・・・ガラスランチャンネル 1a ・・・底壁 1b ・・・側壁 1c ・・・溝部 2 ・・・・・ガラスランチャンネル本体 3 ・・・・・水切り部 4 ・・・・・窓ガラス接触部 7 ・・・・・熱可塑性エラストマーからなる基体層 8 ・・・・・微小凹凸の繰返し模様(必要に応じて施され
る)を有する基体層表面 9 ・・・・・超高分子量ポリオレフィン組成物からなる滑性
樹脂層 10 ・・・微小凹凸の繰り返し模様(必要に応じて施され
る)を有する滑性樹脂層表面
フロントページの続き (72)発明者 内 山 晃 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】底壁と底壁の両端部から延設した側壁とか
    ら構成され、断面略U字状で溝部が形成されたガラスラ
    ンチャンネル本体と、該ガラスランチャンネル本体の両
    側壁の先端近傍から該底壁に向かって相互に近接するよ
    うに張設した舌片状の水切り部とから構成されたガラス
    ランチャンネルであって、 該水切り部の窓ガラスと接触する表面である窓ガラス接
    触部が、 結晶性ポリオレフィンとゴムとから構成される熱可塑性
    エラストマー(A)層と、超高分子量ポリオレフィン組
    成物(B)層とからなり、かつ、 超高分子量ポリオレフィン組成物(B)層が窓ガラスと
    接触するように構成されており、 該超高分子量ポリオレフィン組成物(B)が、 135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が
    3.5〜8.3dl/gの範囲内にあるポリオレフィン
    (a)10〜90重量部、および結晶性オレフィン系樹
    脂とオレフィン系ゴムとからなるオレフィン系熱可塑性
    エラストマー(b)90〜10重量部[成分(a)およ
    び(b)の合計は100重量部]からなることを特徴と
    するガラスランチャンネル。
  2. 【請求項2】前記熱可塑性エラストマー(A)が、 結晶性ポリプロピレン(A−1)70〜10重量部と、 エチレン・プロピレン共重合体ゴムまたはエチレン・プ
    ロピレン・ジエン共重合体ゴムからなるゴム(A−2)
    30〜90重量部[成分(A−1)および(A−2)の
    合計量は100重量部とする]とからなる混合物を、有
    機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理して得られる、
    上記ゴム(A−2)が架橋された熱可塑性エラストマー
    であることを特徴とする請求項1に記載のガラスランチ
    ャンネル。
  3. 【請求項3】前記超高分子量ポリオレフィン組成物
    (B)が、 135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が7
    〜40dl/gの範囲内にある超高分子量ポリオレフィ
    ン(a−1)と、135℃デカリン溶媒中で測定した極
    限粘度[η]が0.1〜5dl/gの範囲内にあるポリ
    オレフィン(a−2)とから実質的になり、該超高分子
    量ポリオレフィン(a−1)が、超高分子量ポリオレフ
    ィン(a−1)とポリオレフィン(a−2)との総重量
    100重量%に対して15〜40重量%の割合で存在
    し、かつ、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度
    [η]が3.5〜8.3dl/gの範囲内にあるポリオ
    レフィン組成物(a)’10〜90重量部、および結晶
    性オレフィン系樹脂とオレフィン系ゴムとからなるオレ
    フィン系熱可塑性エラストマー(b)90〜10重量部
    [成分(a)’および(b)の合計は100重量部]か
    らなることを特徴とする請求項1に記載のガラスランチ
    ャンネル。
  4. 【請求項4】前記超高分子量ポリオレフィン組成物
    (B)が、 135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が7
    〜40dl/gの範囲内にある超高分子量ポリオレフィ
    ン(a−1)と、135℃デカリン溶媒中で測定した極
    限粘度[η]が0.1〜5dl/gの範囲内にあるポリ
    オレフィン(a−2)とから実質的になり、該超高分子
    量ポリオレフィン(a−1)が、超高分子量ポリオレフ
    ィン(a−1)とポリオレフィン(a−2)との総重量
    100重量%に対して15〜40重量%の割合で存在
    し、かつ、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度
    [η]が3.5〜8.3dl/gの範囲内にあるポリオ
    レフィン組成物(a)’10〜90重量部、 結晶性オレフィン系樹脂とオレフィン系ゴムとからなる
    オレフィン系熱可塑性エラストマー(b)85〜5重量
    部、およびスチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
    (c−1)と、イソプレン重合体ブロックおよび/また
    はイソプレン・ブタジエン共重合体ブロックであって、
    全イソプレン単位に対する1,2−位および3,4−位
    で結合しているイソプレン単位含有量が40%以上であ
    る重合体および/または共重合体ブロック(c−2)と
    からなる水素添加されていてもよいブロック共重合体
    (c)5〜60重量部[成分(a)’、(b)および
    (c)の合計は100重量部]からなることを特徴とす
    る請求項3に記載のガラスランチャンネル。
  5. 【請求項5】前記超高分子量ポリオレフィン組成物
    (B)が、さらに高級脂肪酸アミド(d)、シリコーン
    オイル(e)、脂肪族アルコールとジカルボン酸あるい
    はモノカルボン酸とのエステル(f)、およびフッ素系
    ポリマー(g)からなる群から選ばれる少なくとも1種
    の成分を、前記超高分子量ポリオレフィン組成物(B)
    100重量部に対して、0.01〜10重量部含有して
    いることを特徴とする請求項1、3および4のいずれか
    に記載のガラスランチャンネル。
  6. 【請求項6】前記超高分子量ポリオレフィン組成物
    (B)を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマー
    (b)が、 結晶性ポリプロピレン(A−1)70〜10重量部と、 エチレン・プロピレン共重合体ゴムまたはエチレン・プ
    ロピレン・ジエン共重合体ゴムからなるゴム(A−2)
    30〜90重量部[成分(A−1)および(A−2)の
    合計量は100重量部とする]とからなる混合物を、有
    機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理して得られる、
    上記ゴム(A−2)が架橋された熱可塑性エラストマー
    であることを特徴とする請求項1、3〜5のいずれかに
    記載のガラスランチャンネル。
  7. 【請求項7】前記超高分子量ポリオレフィン組成物
    (B)が、超高分子量ポリオレフィン組成物(B)当り
    1〜20重量%の液体ないし固体の潤滑油を含有してい
    ることを特徴とする請求項1、3〜6のいずれかに記載
    のガラスランチャンネル。
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