JP7064166B2 - 車体前部の構造 - Google Patents
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Description
そのため、従来の車体前部の構造の中には、グリルから車体後方へ延びる取付部品を設け、該取付部品を車体上下方向からラジエータサポートメンバに取付けるものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の車体前部の構造では、取付部品がベース部、連結部、取付部、サポート部を備え、取付部品の先端部を車体上方からラジエータサポートメンバに載せた状態でグリルを取付けているので、構造が複雑で部品コストが高くなる上、グリルの取付作業が面倒であり、取付作業性の向上を図ることが難しく、グリル交換のサービス性が低下してしまういという問題を有していた。
したがって、本発明の車体前部の構造においては、グリルが、車体後方へ向かって斜め上方に延びる取付部材を介して、剛性の高い車体骨格部材のフレームに取付けられ、車体前後方向と異なる上下方向もしくは斜め方向の取付けになるので、グリルが車体前後方向に引っ張られた場合でもフレームから外れにくく、脱落等の可能性を低減させることができる。また、本発明の車体前部の構造では、取付部材とフレームとの取付箇所に位置する車体前方視の意匠隙間がフレームによって覆われることになるので、盗難目的でグリルを取外すことも防止できる。
図1~図5は本発明の実施形態に係る車体前部の構造を示すものである。なお、図において、矢印Fr方向は車両前方を示し、矢印O方向は車体外側を示し、矢印U方向は車体上方を示している。また、矢印X方向は車体幅方向を示し、矢印Y方向は車体前後方向を示している。
なお、車体前方から見て正面に位置する車体前部1は、最先端の下部に設けられ、車体幅方向に沿って延びるフロントバンパー10を有している。
また、本実施形態のグリルコンポーネント3は、車体骨格11とは別途に製造する工程を有している。そのため、第1フロントメンバ33及び第2フロントメンバ34の形状の製造誤差を予め把握した上で、上側フロントパネル31を基準として組付治具を調整し、位置精度を確保した状態で第1フロントメンバ33及び第2フロントメンバ34を上側フロントパネル31に組み付けることになる。
そして、これらフードロックフレーム2、ロアフレーム7、フロントサイドブレース8及びランプサポートフレーム20などを互いに組み付けることによって、枠状の車体骨格11が構成されることになる。したがって、上側フロントパネル31をフードロックフレーム2に取付けるとともに、下側フロントパネル32をロアフレーム7に取付けることによりグリルコンポーネント3を車体骨格11に組み付けると、第1フロントメンバ33の上下取付位置に隣接する付近でグリルコンポーネント3が車体骨格11に取付けられることになるため、グリルコンポーネント3と車体骨格11との枠剛性の効果が一致し、車体剛性の向上が実現できるようになっている。
また、本実施形態のグリル4の車体幅方向中間部には、図2~図5に示すように、車体上部の背面側(車両後方側)に配置され、かつ車体後方へ向かって斜め上方に延びる2本(1本もしくは3本以上でも良いが、本実施形態では2本)の取付部材9が左右に配して設けられている。すなわち、取付部材9は2本有し、これら2本の取付部材9をグリル4の車体幅方向中間部の左右に配置することにより、グリル4が確実に支持される構造に構成されている。
さらに、これら取付部材9は、同じ形状及び大きさを有し、かつ同じ方向に延びており、車体幅方向に所定の間隔を空けて左右に配置され、車体上下方向の締結によって、フードロックフレーム2に取付けられている。すなわち、同じ方向に延びた2本の取付部材9を配置することにより、取付部材9と同じ方向に沿ってグリル4を移動させて車体前部1に取付けることが可能な構造となり、2方向の締結に拘わらず簡単な作業でグリル4が取付けられるようになっている。
また、フレーム取付部92は、傾斜部93の車体上側に位置し、クリップ95などの軸部を取付ける取付孔92aを有している。そして、このフレーム取付部92と対応して位置するフードロックフレーム2の下部フレーム22(後述する)の車体後部22Aには、クリップ95を差し込む差込孔22aが設けられている。そのため、取付部材9の後端部分であるフレーム取付部92は、車体上下方向からクリップ95の軸部を差込孔22aより取付孔92aに差し込むことによって、フードロックフレーム2の下部フレーム22の車体後部22Aに取付けられるように構成されている。
すなわち、本実施形態の取付部材9は、フードロックフレーム2の下部フレーム22に取付けられることによって、フードロックフレーム2の車体幅方向に間隔を空けて複数(本実施形態では2本)設けられている。しかも、取付部材9は、図3に示すように、フードロックフレーム2のフードロック取付部23を挟んでフードロックフレーム2の車体幅方向の左右両側に1本ずつ設けられている。フードロック取付部23は、フードロックフレーム2の背面側に設けられる凹部であり、フロントフード6を受け止める部分として、図示しないフードロックブラケットなどで十分な剛性が確保されている。そのため、フードロック取付部23の左右両側に取付部材9を取付けた場合には、グリル4の取付剛性が確保されることになる。また、取付部材9のフレーム取付部92は、フードロックフレーム2を構成する下部フレーム22の車体後部22Aに下から重ね合わせて取付けられるので、車体組み立ての最終工程でもグリル4の取付けが可能な構造となっている。
まず、枠状に組み立てられたグリルコンポーネント3を持ち、ボルトなどの締結具を用いて、上側フロントパネル31の取付片31aを車体骨格であるフードロックフレーム2に締付けて固定するとともに、第2フロントメンバ34の上部を上側フロントパネル31の左右両端部分に配置し、第2フロントメンバ34の上部を締付けて固定すれば、位置精度及び車体精度を確保した状態で、グリルコンポーネント3の車体骨格11に取付ける。
次いで、車体前後方向からスクリュー94を挿入孔91a及び取付孔43aに螺入させ、取付部材9のグリル取付部91をグリル4の車体上部の背面側に取付ける。その後、グリル4を持ち、取付部材9のフレーム取付部92及び傾斜部93をシュラウド12のガイド部12Aに沿わせながら車体後方へ押し込むと、グリル4は所定の位置に配置されることになる。この状態で、車体上方からクリップ95を差込孔22a及び取付孔92aに差し込み、取付部材9のフレーム取付部92をフードロックフレーム2の下部フレーム22の車体後部22Aに取付けるとともに、車体前方からスクリュー等で他の箇所をグリルコンポーネント3などに取付ければ、グリル4の車体骨格11への取付作業が終了する(図1、図4及び図5参照)。
したがって、本実施形態の車体前部1の構造においては、グリル4が、車体後方へ向かって斜め上方に延びる取付部材9を介して、剛性の高い車体骨格部材のフードロックフレーム2に取付けられるとともに、取付部材9のフレーム取付部92が車体前後方向と異なる上下方向(斜め方向も含む)に取付けられているので、グリル4が車体前後方向に引っ張られた場合でもフードロックフレーム2から外れにくく、グリル4の脱落等の可能性を低減させることができる。また、本発明の車体前部1の構造では、取付部材9とフードロックフレーム2との取付箇所に位置する車体前方視の意匠隙間がフードロックフレーム2によって覆われているので、盗難目的でグリル4を車体前部1から取外すことも防止できる。
したがって、本実施形態の車体前部1の構造においては、同じ方向に延びる2本の取付部材9が、高い剛性を有するフードロックフレーム2の下部フレーム22に取付けられ、かつ十分な剛性が確保されているフードロック取付部23の左右両側に取付けられているので、同じ方向に沿って移動させるという簡単な作業で車体前部1にグリル4を取付けることができるとともに、グリル4の取付剛性を確保することができる。また、取付部材9のフレーム取付部92は、フードロックフレーム2を構成する下部フレーム22の車体後部22Aに下から重ね合わせて取付けられるので、車体組み立ての最終工程でもグリル4を取付けることができ、車体の生産性の向上を図ることができる。
したがって、本実施形態の車体前部1の構造では、グリル4の取付工程において、シュラウド12のガイド部12Aが取付部材9のフレーム取付部92及び傾斜部93をガイドする機能を有することになるので、グリル4の取付作業を簡単かつ確実に行うことができる。また、シュラウド12のガイド部12Aは、フードロックフレーム2と同様、取付部材9の取付点を覆う機能を有することになるので、盗難目的でのグリル4の取外しを防止することができる。
例えば、既述の実施の形態における取付部材9は、グリル4の車体上側に2本設けられているが、1本のみの取付部材9をグリル4の車体上側に設けた場合でも機能を果たすことは可能である。
2 フードロックフレーム(フレーム)
3 グリルコンポーネント
4 グリル
5 フロントフェンダー
6 フロントフード
7 ロアフレーム
8 フロントサイドブレース
9 取付部材
10 フロントバンパー
11 車体骨格
12 シュラウド
12a 上部
12A ガイド部
20 ランプサポートフレーム(フレーム)
21 上部フレーム
21A 車体後部
21B 車体前部
22 下部フレーム
22A 車体後部
22B 車体前部
22a 差込孔
23 フードロック取付部
43 ボス部
43a 取付孔
91 グリル取付部
91a 挿入孔
92 フレーム取付部
92a 取付孔
93 傾斜部
94 スクリュー
95 クリップ
S 閉断面
Claims (2)
- 車体幅方向の中間部に配置され、車体上側で車体幅方向に沿って延びるフレームと、該フレームの車体前方側に配置されるグリルとを有している車体前部の構造において、
前記グリルには、車体上側に配置され、かつ車体後方へ向かって斜め上方に延びる取付部材が設けられ、該取付部材は、車体上下方向の締結によって、前記フレームに取付けられ、
前記フレームは、車体上下に配置され、互いに接合することによって閉断面を形成する上部フレームと下部フレームとを有している一方、前記取付部材は2本以上有し、これら2本以上の前記取付部材は同じ方向に延びており、前記取付部材が前記下部フレームに取付けられることによって、前記フレームの車体幅方向に間隔を空けて設けられているとともに、フードロック取付部を挟んで車体幅方向の左右両側に設けられていることを特徴とする車体前部の構造。 - 前記グリルの車両後方側には、シュラウドが配置され、該シュラウドの上部には、前記取付部材に沿った形状を有するガイド部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車体前部の構造。
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